JP3104404B2 - 抗菌性樹脂およびその製造方法 - Google Patents

抗菌性樹脂およびその製造方法

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賢二 星野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は家庭用品等に用いられる
抗菌性樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年ほとんどの家庭用品は樹脂製のもの
が主流となっているが、一方ほとんどの樹脂は微生物の
生息場所となっており、その清潔性の向上が要望されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、抗菌剤が数多
く提案され、その人体及び環境に対する安全性がまた論
議されてきた。
【0004】樹脂表面の微生物汚染は、樹脂上に栄養源
を含んだ水分と微生物が接触するところから始まり、さ
らにほこり等も付着し、最終的にはぬめりの発生、真菌
の増殖につながる。
【0005】また、これら数多く提案されてきた抗菌剤
も持続性を問うことは難しく使用しているうちに段々汚
染が始まってしまうものであった。
【0006】そこで、上記一連の微生物汚染を防止し、
かつ人体に安全性が高く、環境汚染につながりにくい抗
菌性樹脂が要望されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】抗菌剤と防汚剤を保持材
料に含有吸着させた抗菌性材料を添加されている抗菌性
樹脂を用いる。
【0008】また、抗菌剤を担持させた保持材料に、防
汚剤を含有吸着させた抗菌性材料を添加されている抗菌
性樹脂を用いる。
【0009】またその製造方法として、防汚剤と抗菌剤
を樹脂表面へブリードアウトさせる工程を有する。本発
明の樹脂を用いることによって、長い年月の間にはその
ままでブリードアウトすることが確認できるが、製造工
程において特に熱などを加えることによって予め必要な
量だけブリードアウトさせておく。
【0010】
【作用】防汚剤を保持材料に含有吸着させ、樹脂中に防
汚剤を供給源として保持させることにより、上記樹脂表
面にブリードアウト現象を生じさせる際の防汚剤を供給
することができ、長期間にわたり樹脂表面の防汚性を付
与することができる。
【0011】また、防汚剤を抗菌剤の担持材料に含有吸
着させ、樹脂中に防汚剤を供給源として保持させること
により、上記樹脂表面にブリードアウト現象を生じさせ
る際の防汚剤を供給することができ、長期間にわたり樹
脂表面の防汚性を付与することができるとともに、樹脂
中に配合されるフィラー成分を必要最小限に抑えること
で樹脂物理的性能の維持が図られるのみならず、抗菌剤
の担持材料の吸湿特性を改善し、樹脂の耐久性が向上で
きるものである。
【0012】なお、防汚剤が本来有する侠雑物を樹脂表
面に接着し難くする作用はそのまま発揮し、微生物の栄
養源となる有機物の付着を抑制する。
【0013】また、本発明に用いる防汚剤は、その融点
が添加する樹脂の成形温度と同等あるいはそれ以下であ
るため、樹脂を成型する際にその成型の熱により樹脂表
面にブリードアウトする。樹脂中の防汚剤濃度を樹脂表
面のみ高めることにより、少量の添加で、樹脂表面の防
汚性を向上させることができる。
【0014】なお、継続使用する内に樹脂表面が研磨さ
れても新しい樹脂面が表面にでるとそこにまた新たな防
汚剤と抗菌剤があるため、抗菌性能の低下を生じにく
い。さらに継続使用中も、極僅かではあるがブリードア
ウト現象は徐々に生じている。
【0015】
【実施例】以下本発明の各実施例について図を参照しな
がら説明する。
【0016】(実施例1)図1は、本発明の実施例の抗
菌性樹脂の断面図である。1はポリプロピレン本体樹
脂、2は銀シリカゲル系抗菌剤粒子、3は平均粒径約1
5μmの4フッ素化樹脂粉末から成る保持材料、4は主
鎖末端にトリフルオライド構造を有するオイルから成る
防汚剤で、防汚剤4は予め保持材料3に吸着させてあ
る。銀シリカゲル系抗菌剤粒子2、防汚剤4は予め吸着
させた保持材料3をそれぞれ前記樹脂1成型時に混練添
加されたものである。
【0017】次に上記銀シリカゲル系抗菌剤粒子2につ
いてその製法と共に説明する。酢酸銀などの水溶性銀塩
100重量部を塩素を含まない水に加えて溶解させ、亜
硫酸ナトリウムおよび亜硫酸水素ナトリウムの混合物4
50重量部、およびチオ硫酸ナトリウムの水溶性塩30
0重量部を順次、充分撹拌しながら混合し溶解させ、銀
錯塩水溶液を得た。なお、チオ硫酸ナトリウムの重量
は、その水和物Na223・5H2Oの重量として示さ
れる。
【0018】本実施例銀シリカゲル系抗菌剤粒子に用い
る担体は、「JIS Z 0701包装用シリカゲル乾
燥剤」に記載のB型のシリカゲル粉末である。このB型
シリカゲル粉末は、低湿度では吸湿率が低く、高湿度で
は吸湿率が高く、かつ高湿度における総吸湿量の高いシ
リカゲル粉末であり、その平均粒径は8μm程度であ
る。
【0019】このシリカゲル粉末を180℃で2時間以
上乾燥させた。上記シリカゲル100重量部に対し、銀
成分として2重量部になるように前記チオスルファト銀
錯塩水溶液を混合した。次いで、速やかに溶媒および担
体中に吸収された水分を除去した。次いで、これを所定
の粒径に粉砕して、抗菌性材料が担持したシリカゲルを
得た。
【0020】コーティング材料としてテトラエトキシシ
ラン100重量部をエチルアルコール100重量部に希
釈混合させた溶液に、上記シリカゲル100重量部を分
散させた後、これに純水20重量部を加えてテトラエト
キシシランを加水分解させ、上記シリカゲルの表面の少
なくとも1部をコーティングした。次いでこれを乾燥さ
せて銀シリカゲル系抗菌剤粒子2を得た。
【0021】この銀シリカゲル系抗菌剤粒子2を3%、
防汚剤0.5%を含む保持材料2%、分散剤としてステ
アリン酸カルシウム1%、着色材料として酸化チタン3
%、をポリプロピレン樹脂中にそれぞれ添加混合したも
のを約210℃の成形温度で樹脂成形物に加工した。成
形中に、防汚剤4はその融点が樹脂成形温度より低いた
めに樹脂成形中の流動性が高く、かつ樹脂よりも極性が
低いため、樹脂成形物表面付近にブリードアウトし樹脂
成形物表面の撥水性を向上させる。
【0022】このような構成で製造した本実施例および
従来例の実験結果を、樹脂成形物表面の細菌数を(表
1)に示す。
【0023】
【表1】
【0024】この結果から本実施例の抗菌性樹脂は、表
面に抗菌性が発揮され、清浄性が保たれる。
【0025】(実施例2)図2は、本発明の他の実施例
の抗菌性樹脂の断面図である。5はABS本体樹脂、6
は銀ゼオライト系抗菌剤粒子、7は主鎖末端にシリコン
オイルから成る防汚剤で、8はシリコンゴム粉末の保持
材料で、防汚剤7は予め保持材料8に吸着させてある。
銀ゼオライト系抗菌剤粒子6、防汚剤7は予め吸着させ
た保持材料8をそれぞれ前記樹脂5成型時に混練添加さ
れたものである。
【0026】銀ゼオライト系抗菌剤粒子6を3%、0.
5%の防汚剤7を2%の保持材料8に吸着させたもの、
さらに1%の防汚剤、着色剤として酸化チタン3%をそ
れぞれ混合したものをABS樹脂5に添加し混練する。
これを240℃で成形すると、防汚剤7はその融点が樹
脂成形温度より低いために樹脂成形中の流動性が高く、
かつ樹脂よりも極性が低いため、樹脂成形物表面付近に
ブリードアウトし樹脂成形物表面の撥水性を向上させ
る。
【0027】このような構成で製造した本実施例の抗菌
性樹脂の表面の抗菌性能を実施例1と同様に評価した結
果、樹脂表面に抗菌性が発揮され、清浄性が保たれると
いう結果を得た。
【0028】また、継続使用する内に樹脂表面が研磨さ
れても新しい樹脂面が表面にでるとそこにまた新たな防
汚剤と抗菌剤があるため、抗菌性能の低下を生じにくい
という特徴も併せ持つ。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば樹脂表面で微生物と接触することにより抗菌効
果のある抗菌剤と、樹脂表面の接触角を大きくし微生物
の付着増殖を抑制する効果のある防汚剤を併用すること
により、微生物増殖時の特性を利用することにより人体
に対し安全でかつ環境汚染の少ない抗菌効果を得るもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の抗菌性樹脂の構成を示す断
面図
【図2】本発明の他の実施例の抗菌性樹脂の構成を示す
断面図
【符号の説明】
1 本体樹脂 2 銀シリカゲル系抗菌剤粒子 3 保持材料 4 防汚剤 5 本体樹脂 6 銀ゼオライト系抗菌剤粒子 7 防汚剤 8 保持材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西野 敦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−255547(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌剤と防汚剤を保持材料に含有吸着さ
    せた抗菌性材料が熱可塑性樹脂に添加されていることを
    特徴とする抗菌性樹脂複合体
  2. 【請求項2】 抗菌剤を担持させた保持材料に、防汚剤
    を含有吸着させた抗菌性材料が熱可塑性樹脂に添加され
    ていることを特徴とする抗菌性樹脂複合体
  3. 【請求項3】 樹脂中に抗菌剤と防汚剤とを添加したも
    ので、防汚剤と抗菌剤を樹脂表面へブリードアウトさせ
    る工程を有することを特徴とする請求項1または2記載
    の抗菌性樹脂複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 防汚剤は、防汚成分を含有吸着させた保
    持材料または防汚成分単体の少なくともどちらかである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の抗菌性樹脂
    合体
  5. 【請求項5】 抗菌剤は、シリカゲルにチオスルファト
    銀錯塩を担持させた後少なくともその表面の一部をテト
    ラアルコキシシランの加水分解物で被覆した抗菌剤であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の抗菌性樹脂
    複合体
  6. 【請求項6】 抗菌剤を担持させた保持材料は、シリカ
    ゲルにチオスルファト銀錯塩を担持させた後少なくとも
    その表面の一部をテトラアルコキシシランの加水分解物
    で被覆したものであることを特徴とする請求項1または
    2記載の抗菌性樹脂複合体
  7. 【請求項7】 防汚剤はその融点が、添加する樹脂の成
    型温度と同等あるいはそれ以下の化合物であることを特
    徴とする請求項1または2記載の抗菌性樹脂複合体
  8. 【請求項8】 防汚剤はフッ素化合物であることを特徴
    とする請求項1または2記載の抗菌性樹脂複合体
  9. 【請求項9】 防汚剤はシリコン樹脂化合物であること
    を特徴とする請求項1または2記載の抗菌性樹脂複合
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