JP3108431B2 - 成形物 - Google Patents

成形物

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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の属する技術分野) 本発明は建築、土木および船舶用などの材料として使
用される水硬性物質からなる成形物に関する。
(従来の技術) セメント、石膏または水滓スラグのような水硬性物質
からなる成形物の機械的物性や成形性を改善するため
に、ポリビニルアルコール系重合体(以下、PVAと略記
する)を添加することは一般的に知られている。例え
ば、特開昭49−45934号公報ではパルプセメント板の曲
げ強度および衝撃強度の向上のためにPVAを配合するこ
とが開示されており、また特開昭61−77655号公報およ
び特開昭61−209950号公報ではスラグ、石膏板の曲げ強
度、衝撃強度および寸法安定性の向上ならびにクラック
防止のためにPVAを使用することが開示されている。
また特開昭49−50017号公報および特開昭60−239377
号公報にはセメント成形物用に、特開昭51−137719号公
報には軽量コンクリート用に、それらの機械的強度の向
上、表面改良および亀裂防止にPVAを使用することが開
示されている。
その理由は、pHが高い系においてもPVAが安定であ
り、水硬性物質の水和反応を阻害せず、水に溶解し、セ
メントなどのマトリックス中に均一に分散し、水硬性物
質等の粒子間を結合させたり、またPVAの強力な皮膜を
形成したりして、水硬性組成物の各物性を改良できるか
らである。
また特開昭47−13628号公報ではセメントおよびPVA粉
末からなる水スラリー組成物にホウ素系物質を添加する
ことにより、PVAの使用量を減少できることが開示され
ている。
また特開昭59−184754号公報ではセメントおよびPVA
粉末からなる水スラリー組成物において、PVA粉末をシ
リル基変性PVAにかえることにより、成形物の強度が向
上することが開示されている。
近年、水硬性物質の成形物は、工場において同一規格
のものを大量生産されるようになってきている。水硬性
物質を工場において大量生産する場合における要求され
る条件としては、機械的強度および寸法安定性が良好で
あること、成形物に亀裂が発生しないこと、ならびに生
産性が良好であることなどが挙げられるが、これらの条
件を全て満足する水硬性物質からなる成形物の製造方法
ならびに水硬性物質からなる成形物は見い出されていな
いのが実情であった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消するた
めになされたものであり、機械的強度および寸法安定性
に優れた、水硬性物質からなる成形物を提供することを
目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し
た結果、水硬性物質(A)、PVA(B)およびPVA(B)
水溶液を増粘させる物質(D)からなり、かつPVA
(B)の配合割合が水硬性物質(A)に対して0.1〜20
重量%であり、物質(D)の配合割合がPVA(B)に対
して1〜50重量%である成形物であって、該成形物中に
おいて溶融した後、固化したポリビニルアルコール系重
合体(B)が、島状に分散した構造を有する成形物を見
い出し本発明を完成させるに到った。
(発明の実施の形態) まず、本発明の水硬性物質からなる成形物の製造方法
に関して説明する。
本発明における水硬性物質(A)としては、水との反
応により硬化する無機化合物であれば特に制限はなく、
その例としては各種ポルトランドセメント、石膏、水滓
スラグ、ロックウール、炭酸マグネシウムおよびケイ酸
カルシウム等の無機物が挙げられる。
本発明におけるPVA(B)としては、変性されていな
い通常のPVA、シリル基変性PVAおよび各種の変性PVAの
粉末が用いられる。PVA(B)の重合度としては特に制
限はないが、好ましくは500以上、より好ましくは1500
以上である。PVA(B)の重合度が500以上の場合には、
PVA(B)皮膜が強く、かつPVA(B)粉末の結合力が大
きくなるためか、100℃以上の温度でオートクレーブ養
生することにより得られた成形物の機械的強度などの諸
物性が著しく向上する。PVA(B)のけん化度としては
特に制限はないが、好ましくは80モル%以上、より好ま
しくは90モル%以上、さらにより好ましくは95モル%以
上である。PVA(B)のけん化度が80モル%以上の場合
には、水性組成物中へのPVA(B)粉末の分散が均一と
なり、水性組成物を100℃以上の温度でオートクレーブ
養生することにより得られるPVA(B)粉末の結合力とP
VA(B)皮膜の強力により、得られた成形物の曲げ強度
が著しく向上する。
PVA(B)粉末の粒径は特に制限はないが、好ましく
は16メッシュパス、より好ましくは42メッシュパスであ
り、平均粒径は小さい方が好ましい。
本発明の水性組成物において、PVA(B)粉末の配合
割合は水硬性物質(A)に対して、0.1〜20重量%であ
り、好ましくは0.5〜5重量%である。PVA(B)の配合
割合が0.1重量%未満の場合にはPVA(B)添加による成
形物の補強効果が得られず、20重量%を越える場合には
耐水性および難燃性が低下するので好ましくない場合が
ある。
さらに本発明の水性組成物には、PVA(B)の効果を
向上させるため、PVA(B)水溶液を増粘させる物質
(D)を添加する。
PVA(B)水溶液を増粘させる物質(D)とは、20℃
におけるPVA(B)10%水溶液に該物質(D)をPVA
(B)に対して固形分で5%添加することにより、PVA
(B)水溶液の粘度が2倍以上、好ましくは4倍以上増
粘する物質であり、より好ましくはPVA(B)水溶液が
ゲル化する物質である。PVA(B)水溶液を増粘させる
物質(D)のなかでもPVA(B)を架橋させ、100℃未満
の温度では水に不溶性の架橋物を形成し、100℃以上の
温度でオートクレーブ養生において水に溶解し、かつ10
0℃以上の温度でオートクレーブ養生において溶解したP
VA(B)水溶液を増粘させるPVAの架橋剤が好ましい。
PVA(B)水溶液を増粘させる物質(D)の例として
は、硼酸、硼砂、硼酸カルシウム、硼酸マグネシウム、
アルミン酸塩、ジルコニウム塩、クロム酸または重クロ
ム酸のアルカリ金属塩が還元されたときに生成する3価
のクロム、三塩化チタンの酸化により生成する4価のチ
タン、バナジン酸塩および銅イオン等が挙げられる。ま
たコンゴーレッドのような染料、没食子酸等の有機物も
用いることができる。これらのPVA(B)水溶液を増粘
させる物質(D)のなかでも硼酸系化合物が好ましく、
そのなかでも特に硼酸カルシウムが好ましい。水の存在
下で、水硬性物質(A)がカルシウムイオンを発生する
場合には、硼酸、硼砂または硼酸カルシウムなどの100
℃未満の温度ではPVA(B)と水に不溶性の架橋物を形
成し、100℃以上の温度において水に溶解し、かつ100℃
以上の温度において溶解したPVA(B)水溶液を増粘さ
せるPVA(B)の架橋剤がもっとも好ましい。すなわ
ち、本発明において、PVA(B)水溶液を増粘させる物
質(D)は、オートクレーブ養生前の工程においてはPV
A(B)粉末の溶解を抑制し、100℃以上の温度でのオー
トクレーブ養生において、PVA(B)粉末が溶解する性
質を有するものである。
さらに本発明においては、高性能の成形物の強度を発
現させるために、補強繊維(C)を添加材の一つとして
使用することが好ましい。補強繊維の添加量としては全
固形分に対して0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量
%がより好ましい。補強繊維を0.1重量%以上添加する
ことにより、成形物の補強効果およびグリーンシートの
つなぎの効果が著しく向上する。しかし、10重量%以上
添加すると補強繊維の分散性に問題があり、かえって補
強効果を損なう場合がある。補強繊維の種類としては、
通常セメント等の補強材として使用されるものが挙げら
れるが、好ましくは水硬性物質(A)からなる成形物の
補強繊維としては実績のあるビニロン系、アクリル系、
オレフィン系、カーボンおよびアラミド系の各繊維、合
成パルプ、木材パルプおよび木材の高叩解パルブ等のパ
ルプ類(本発明ではこれらもふくめて繊維と称す)であ
り、使用に際してはこれら単独または2種類以上を組合
せて使用してもよい。
本発明のおいてPVA(B)は粉末状で使用され、水性
組成物中においては、殆んど水に溶解しないために、水
性組成物を水スラリー状で用いる場合にも該水スラリー
の粘度を上昇させず、抄造法によって製造された場合に
も水性組成物中にほとんど全てのPVA(B)粉末が残存
し、その後100℃以上の温度でオートクレーブ養生(湿
熱条件下)する際に、PVA(B)粉末が溶解して、補強
効果が発現するものと思われる。特に、物質(D)のな
かでもPVA(B)の架橋剤を併用する場合には、オート
クレーブ養生において溶解したPVA(B)が成形物中へ
大幅に移動(マイグレーション)することなく、その場
所にとどまって接着力を発現するために、補強効果が著
しく大きくなるものと推察される。
なおPVA(B)水溶液を増粘させる物質(D)の添加
量が多いほど、その添加効果は大きく、PVA(B)に対
して1〜50重量%が効果的であり、より好ましくは5〜
20重量%である。
本発明の成形物の製造方法は、湿室抄造法、フローオ
ン法、押出法、乾式法等いずれでもよい。
本発明の水性組成物には、必要に応じて通常の水硬性
物質(A)からなる水性組成物に添加される添加剤は何
を含んでいてもよく、例えば粉末シリカ、フライアッシ
ュのような無機充填材、砂、砂利および軽量骨材等の充
填材を添加材として含んでいてもよく、さらに気泡を含
んでいてもよい。
本発明の水性組成物の固形分濃度としては製造方法に
より異なり、特に制限はない。水性組成物の固形分濃度
としては、例えば2〜90重量%のものが製造方法により
適宜用いられる。
次に、上記の水性組成物を100℃以上の温度でオート
クレーブ養生する。温度としては100℃以上であること
が必要であり、好ましくは120〜180℃、より好ましくは
140〜170℃である。オートクレーブ養生の時間は特に制
限はないが、好ましくは1〜30時間、より好ましくは8
〜20時間である。オートクレーブ養生の時間が1時間未
満では、水硬反応が不充分である恐れがあり、24時間を
越えるとPVA(B)の劣化の恐れがある。
このようにして得られた成形物は機械的強度ならびに
寸法安定性が特に優れている。
オートクレーブ養生を行う前の養生条件(以下、1次
養生と略記する)については特に制限はなく、1次養生
をしないで直接オートクレーブ養生を行う条件または10
0℃未満の温度で1次養生を行う条件が用いられる。そ
のなかでも10℃以上100℃未満の温度において1次養生
を行う条件が好ましく、70℃以上100℃未満の温度にお
いて1次養生を行う条件が特に好ましい。1次養生時の
気相部の水蒸気圧については特に制限はないが、水蒸気
圧は高い方が好ましく、飽和水蒸気圧が最も好ましい。
気相部の水蒸気圧をコントロールする方法としてはスチ
ーミングなどの方法が挙げられる。1時養生の時間につ
いても特に制限はないが、型枠を外せる程度に硬化する
まで1次養生を行うことが好ましい。1次養生の時間と
しては、例えば室温養生の場合には1日間〜1週間程度
であり、100℃未満の加熱養生の場合には5〜48時間が
挙げられる。
これらの1次養生の条件のうち、特定の温度条件(70
℃以上100℃未満)で1次養生を実施した後、100℃以上
の湿熱条件(PVA粉末が溶解する条件)下、さらに好ま
しくはPVA(B)水溶液を増粘させる物質(D)を併用
して、100℃以上の温度でオートクレーブ養生した場合
には、驚くべきことに著しく強度の高い成形物が得られ
る。
次に、本発明の成形物の構造について説明する。
本発明の成形物は、水硬性物質(A)、PVA(B)お
よびPVA(B)水溶液を増粘させる物質からなり、かつP
VA(B)の配合割合が水硬性物質(A)に対して0.1〜2
0重量%であり、かつ物質(D)の配合割合がポリビニ
ルアルコール系重合体(B)に対して1〜50重量%であ
る成形物であって、該成形物中において溶解した後、固
化したポリビニルアルコール系重合体(B)が、島状に
分散した構造を有する成形物である。
水硬性物質(A)およびPVA(B)としては、上記の
水性組成物の成形方法の欄に記載したものが用いられ
る。本発明の成形物は上記の製造方法の欄に記載したPV
A(B)水溶液を増粘させる物質(D)、またはこれに
さらに補強繊維(C)を含有していることが成形体の強
度の観点から好ましい。補強繊維(C)の添加量として
は全固形分に対して0.1〜10重量%が好ましい。物質
(D)の配合割合としてはPVA(B)に対して1重量%
以上が好ましく、1〜50重量%がより好ましく、5〜20
重量%が特に好ましい。本発明の成形物は、該成形物中
において溶融した後、固化したPVA(B)が島状に分散
した構造を有していることが重要であり、成形物中にお
いて島状のPVA(B)が概ね均一に分散していることが
好ましい。PVA(B)の島の形状については特に制限は
なく、球状あるいは変形した球状、中空部を有する球状
あるいは変形した球状、中心部から周辺部になるに従い
PVA濃度が低下する球状あるいは変形した球状が挙げら
れる。島の大きさについても特に制限はないが、島の平
均の長径は好ましくは0.05〜3mm、より好ましくは0.1〜
1mmである。PVA(B)が成形物中において不連続な島状
に分散した構造でない場合{PVA(B)が連続である場
合など}またはPVA(B)が溶融した後、固化していな
い場合{PVA(B)が不完全に溶融している場合を含
む}には、成形物の強度が低下する。
本発明の成形物において、水硬性物質(A)がセメン
トからなる場合には、成形物中にトバモライトゲルを有
している。このトバモライトゲルは走査電顕により観察
することができる。成形物中にトバモライトゲルを有し
ている場合には成形物の強度および寸法安定性が著しく
向上する。
本発明の成形物の製造方法としては特に制限はない
が、前記の水性組成物からなる成形物の製造方法が挙げ
られる。
本発明の成形物は、屋根、外壁および内壁等に用いら
れる板状物、道路用および護岸用ブロック等の成形材料
として用いられる。
(実施例) 以下に本発明の効果を実施例によって説明する。実施
例中「%」および「部」は、特にことわりがない限り
「重量%」および「重量部」をそれぞれ意味する。
実施例1〜10、比較例1〜10 (1)試料の成形方法(抄造法) 水硬性物質として普通のポルトランドセメントを用
い、PVA粉末として重合度1700、けん化度98モル%、60
メッシュパスを用い、その他の添加剤として、表−1に
示すものを用いた。これらの配合成分を用いて、表1
(実施例1〜10)および表2(比較例1−10)に示す配
合割合で水性組成物を調製し、固形分濃度40%の水スラ
リーを調製して型枠に流し込んだ後、固形分濃度70〜80
%(wetベース)になるようにプレスして搾液し、厚さ
0.8cmの板材を作成した。これは通常の長網式一層抄き
で得られる製品の厚みの範囲に相当する。
得られた板材の養生条件を表1(実施例1〜10)およ
び表2(比較例1〜10)に示す。
(2)評価方法 かさ比重:JIS A 5413に準拠し、試験片を熱風乾燥
器に入れ、105±5℃で24時間乾燥後の重量と体積から
求めた。
曲げ強度、曲げたわみ:JIS A 1408「建築ボード類
の曲げ試験法」に準拠し、スパン長5cmで測定した。ス
パン中央部の最大たわみ量を曲げたわみとした。(な
お、曲げたわみが大であるほど成形物が柔軟性を有して
おり、成形体として有用である。) 長さ変化率(寸法安定性):JIS A 5416に準拠し、
60℃一昼夜乾燥したものを基準とし、20℃一昼夜水に浸
漬した吸水時の長さを測定して変化率を求めた。
(3)結果 結果を表1(実施例1〜10)および表2(比較例1〜
10)に示す。
(4)顕微鏡観察 実施例1〜10で得られた成形物の断面を走査電顕によ
り観察したところ、該成形物中において溶融した後、固
化したPVAが不連続な島状(島の形状は変形した球状)
にかつ均一に分散していることを確認することができ
た。
また、該成形物はトバモライトゲルを有することも確
認することができた。
また、該成形物中におけるPVAの分散状態はヨード呈
色により、PVAを呈色した後、実態顕微鏡を用いても観
察することができた。
比較例1〜4で得られた成形物の断面を走査電顕によ
り観察したところ、該成形物中において、PVAは島状に
分散しているが、該PVAは不完全に溶解した形跡しか認
められなかった。
比較例11〜12 (1)試料の成形方法(抄造法) 実施例1および3において、PVA粉末にかえて、PVA水
溶液を用い、さらに硼酸を添加、または添加しない水性
組成物を調整した以外は、実施例1および3と同様の方
法で試料を成形した。PVA水溶液を用いると水スラリー
の粘度が高くなり、濾水性が悪く、工程通過性に問題が
生じた。
(2)評価方法 実施例1〜10に同じ。
(3)結果 結果を表2に示す。
(4)顕微鏡観察 比較例11〜12で得られた成形物の断面を走査電顕によ
り、観察したところ、該成形物中において、PVAが島状
に分散していないことが確認することができた。
実施例11、比較例13〜18 (1)試料の成形方法(乾式法) 実施例1〜10で用いたとの同一のPVA粉末、硼酸およ
び普通ポルトランドセメントならびに豊浦標準砂を用い
て、表−3に示す配合割合で水性組成物を調整し、水と
セメントとの比(w/c)40%の条件で混合し、25cm×25c
m×0.8cmの型枠に流し込み成形した。得られた板材の養
生条件を表3に示す。
(2)評価方法 実施例1〜10に同じ。
(3)結果 結果を表3に示す。
(4)顕微鏡観察 実施例11で得られた成形物の断面を走査電顕により観
察したところ、該成形物中において溶融した後、固化し
たPVAが不連続な島状(島の形状は変形した球状)にか
つ均一に分散していることを確認することができた。
また、該成形物はトバモライトゲルを有することも確
認することができた。
また、該成形物中におけるPVAの分散状態はヨード呈
色により、PVAを呈色した後、実態顕微鏡を用いても観
察することができた。
比較例13、14、17および18で得られた成形物の断面を
走査電顕により観察したところ、該成形物中において、
PVAが島状に分散しているが、該PVAは不完全に溶融した
形跡しか認められなかった。
比較例19〜20 (1)試料の成形方法(乾式法) 実施例11において用いたPVA粉末にかえて、PVA水溶液
を用い、さらに硼酸を添加、または添加しない以外は実
施例11と同様の方法で試料を作成した。
(2)評価方法 実施例11に同じ。
(3)結果 結果を表3に示す。
(4)顕微鏡観察 比較例19および20で得られた成形物の断面を走査電顕
により、観察したところ、該成形物中において、PVAが
島状に分散していないことが確認することができた。
(発明の効果) 本発明により提供される水硬性物質からなる成形物
は、機械的強度および寸法安定性が高く、工業的な価値
が極めて高い。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 22:08) (56)参考文献 特開 平3−193651(JP,A) 特開 平1−244808(JP,A) 特開 昭59−69454(JP,A) 特開 昭53−21244(JP,A) 特開 昭49−45934(JP,A) 特開 昭61−77655(JP,A) 特開 昭61−209950(JP,A) 特開 昭49−50017(JP,A) 特開 昭60−239377(JP,A) 特開 昭51−137719(JP,A) 特開 昭47−13628(JP,A) 特開 昭59−184754(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/00 C04B 22/08 C04B 24/26

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水硬性物質(A)、ポリビニルアルコール
    系重合体(B)およびポリビニルアルコール系重合体
    (B)水溶液を増粘させる物質(D)からなり、かつポ
    リビニルアルコール系重合体(B)の配合割合が水硬性
    物質(A)に対して0.1〜20重量%であり、物質(D)
    の配合割合がポリビニルアルコール系重合体(B)に対
    して1〜50重量%である成形物であって、該成形物中に
    おいて、溶融後、固化したポリビニルアルコール系重合
    体(B)が、島状に分散した構造を有する成形物。
  2. 【請求項2】ポリビニルアルコール系重合体(B)水溶
    液を増粘させる物質(D)が、20℃におけるポリビニル
    アルコール系重合体(B)10%水溶液に該物質(D)を
    ポリビニルアルコール系重合体(B)に対して固形分で
    5%添加することにより、ポリビニルアルコール系重合
    体(B)水溶液の粘度が2倍以上となる物質である請求
    項1記載の成形物。
  3. 【請求項3】ポリビニルアルコール系重合体(B)水溶
    液を増粘させる物質(D)が、硼酸系化合物である請求
    項1または2記載の成形物。
  4. 【請求項4】補強繊維(C)を全固形分に対して0.1〜1
    0重量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の成形
    物。
  5. 【請求項5】トバモライトゲルを有する請求項1〜4の
    いずれかに記載の成形物。
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