JP3365811B2 - 水硬性成形物の製造方法 - Google Patents

水硬性成形物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、セメント、石膏、水滓
スラグなどの水硬性材料よりなる成形物の製造方法に関
する。詳細には、本発明は成形物中に空隙を有していて
軽量であり、しかも強度にも優れた水硬性成形物を製造
する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】セメント、石膏、水滓スラグなどの水硬
性物質からなる成形物の機械的物性、耐凍害性、寸法安
定性等の向上、表面状態の改良、成形性の改善などのた
めに、水硬性物質中にポリビニルアルコール(以下「P
VA」ということがある)を添加して成形を行うことが
従来から行われている。例えば、特開昭49−4593
4号公報にはパルプセメント板中にPVAを配合してそ
の曲げ強度および衝撃強度を向上させることが、また特
開昭61−77655号公報および特開昭61−209
950号公報にはスラグ石膏板の曲げ強度、衝撃強度、
寸法安定性の向上、クラック防止のためにPVAを使用
することが記載されている。 【0003】また、特開昭49−50017号公報、特
開昭60−239377号公報、特開昭51−1377
19号公報等にもセメント成形物または軽量コンクリー
トの強度向上、表面状態の改良、亀裂防止などのため
に、PVAを用いることが開示されている。更に、特開
平3−97644号公報および特開平3−193651
号公報には、PVAを粉末状で水硬性材料中に添加して
成形・養生を行って、水硬性成形物の強度、耐凍害性な
どを向上させることが記載されている。 【0004】PVAが水硬性成形物に対して上記したよ
うな効果を有する理由は、PVAが一般に水硬性物質中
のアルカリ性領域において安定であり、且つ水硬性物質
の水和反応を阻害せず、水に溶解してセメント等の水硬
性物質のマトリックス中に均一に分散して水硬性物質等
の粒子間の結合作用を果たし、更に強力な皮膜を形成す
ることによるとされている。 【0005】そして、上記した従来技術においては、P
VAを使用することによって強度の向上やその他の点で
かなりの効果を奏することができるが、未だ改良の余地
があり、特に水硬性成形物の軽量化の点では充分満足の
ゆくものではない。 【0006】一方、水硬性成形物の軽量化のためにパー
ライトやポリスチレンビーズなどの軽量骨材を配合する
ことが従来から行われており、その際にPVAを併用す
ることも知られている。しかしそのような従来技術で
は、水硬性成形物の軽量化は達成できるものの、得られ
る成形物の強度が軽量骨材の添加によって大幅に低下す
る傾向があり、軽量で且つ強度に優れた水硬性成形物が
得られないというのが現状である。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、軽量
でしかも強度やその他の物性においても優れている水硬
性成形物を得ることである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明者は研究を続けてきた。その結果、PVAと
ゲル化剤を水硬性物質に配合して常温でそのまま成形し
次いで養生する代わりに、PVAとゲル化剤を配合した
水硬性物質を少なくとも養生に至るまでの段階、すなわ
養生前の任意の段階で、特定の温度に加熱して水硬性
組成物中に含まれているPVA粉末を膨潤した吸水ゲル
化粒体の形態にし、そのようなPVAの吸水ゲル粒体を
含む成形物を養生すると、得られる成形物中に多数の空
隙が形成されて成形物の軽量化を図ることができるこ
と、しかも空隙が存在するにも拘わらず成形物の強度が
優れていることを見出して本発明を完成した。 【0009】 すなわち、本発明は、水硬性物質、ポリ
ビニルアルコール系重合体(以下「PVA系重合体」と
いう)粉末およびPVA系重合体粉末用のゲル化剤を含
む水硬性組成物を成形した後、養生して水硬性成形物を
製造する方法であって、水硬性組成物の調製段階、水硬
性組成物の調製後で且つ成形前の段階および成形途中の
段階のうちの少なくとも1つの段階で、水硬性組成物を
30〜80℃の温度に10〜120分加熱して、水硬性
組成物中に含まれているポリビニルアルコール系重合体
粉末を吸水ゲル粒体の形態にした後に、養生を行うこと
を特徴とする水硬性成形物の製造方法である。 【0010】本発明において、水硬性物質としては水と
反応して硬化する無機物質のいずれもが使用でき特に限
定されず、例えば各種ポルトランドセメント、高炉セメ
ント、アルミナセメント、石膏、水滓スラグ、水酸化カ
ルシウム、珪石粉などを挙げることができる。水硬性物
質は1種類のみを使用してもまたは2種以上を組み合わ
せて使用してもよい。 【0011】また、PVA系重合体粉末としては、水硬
性組成物中にそのまま溶解せずに組成物中に含まれる水
を吸収して膨潤し、しかもゲル化のための加熱処理時に
ゲル化剤と反応して吸水ゲル粒体の形態になって水硬性
組成物または成形物中に存在し得るものであればいずれ
でもよく、変性されていない通常のPVAおよび変性さ
れたPVAのいずれであってもよい。変性されたPVA
の例としては、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和カ
ルボン酸成分を共重合させたカルボキシル変性PVA、
硫酸基やリン酸基を導入したイオン変性PVA、アセト
アセチル基やシリル基を導入したPVAなどを挙げるこ
とができる。変性PVAを使用する場合は、上記したカ
ルボキシル変性PVAを使用するのが好ましい。PVA
系重合体は1種類のみを使用しても、または2種以上を
併用してもよい。 【0012】また、PVA系重合体の重合度は特に制限
されないが、500以上であるのが好ましく、1500
以上であるのがより好ましい。500以上の重合度を有
するPVA系重合体を使用すると、得られる水硬性成形
物の強度をより高くすることができる。更に、PVA系
重合体のケン化度も特に限定されないが、80モル%以
上であるのが好ましく、90モル%以上であるがより好
ましく、95モル%以上であるのが一層好ましい。 【0013】そして、PVA系重合体粉末の粒径は、粒
径が小さい方が水硬性組成物中に均一に分散させること
ができ、しかも水硬性組成物や水硬性成形物中で吸水ゲ
ル粒体を形成し易く、その上PVA系重合体粉末の単位
重量当たりの吸水ゲル粒体の形成数が多くなり軽量化の
促進につながるので好ましい。そのような点から、PV
A系重合体粉末としては、限定されるものではないが、
一般に100メッシュ篩を通過する微粉の含有割合が7
0重量%以上のものを使用するのが好ましく、100メ
ッシュ篩を通過する微粉の含有割合が95重量%以上の
ものを使用するのがより好ましい。 【0014】また、PVA系重合体粉末の配合割合は、
水硬性物質の重量に基づいて、0.2〜10重量%の範
囲とするのがよく、0.5〜5重量%であるのがより好
ましい。PVA系重合体粉末の配合割合が0.2重量%
未満であると水硬性成形物の軽量化および強度の向上が
困難になり、一方10重量%を越えると耐水性および難
燃性が低下し易くなる。 【0015】更に、本発明では、上記したPVA系重合
体粉末と共にPVA系重合体用のゲル化剤を使用するこ
とが必要である。ゲル化剤としては硼酸、硼砂、硼酸ア
ンモニウム、2価および3価の各種鉄塩、鉛塩、ジルコ
ニウム塩、銀塩、アルミニウム塩、クロム酸塩、過マン
ガン酸塩などを挙げることができ、それらのうちでも特
に硼酸、硼砂が水硬性成形物に適した吸水ゲル粒体形成
の点で好ましい。上記したゲル化剤は1種類のみを使用
しても、または互いに悪影響を及ぼさない場合は2種以
上を併用してもよい。 【0016】ゲル化剤の種類などによってその使用量は
種々異なり得るが、一般にPVA系重合体粉末の重量に
基づいて、ゲル化剤を1〜30重量%の範囲で使用する
のが好ましく、5〜20重量%がより好ましい。ゲル化
剤は、それ自身は水硬性組成物中に含まれる水に溶解
し、組成物中に併存するPVA系重合体粉末をゲル化さ
せて、PVA系重合体粉末が溶解されずに膨潤した吸水
ゲル粒体の形態で水硬性組成物中または養生前の水硬性
成形物中に存在するための剤として働く。 【0017】本発明で使用する水硬性組成物は、上記し
た水硬性物質、PVA系重合体粉末およびゲル化剤の3
成分からなり、更に水硬性成形物の製造において使用さ
れ得ることが知られている種々の他の成分や材などを必
要に応じて含有していてもよい。そのような他の成分や
材としては、例えばビニロン、アクリル繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の合
成繊維、ガラスなどの無機繊維、合成パルプ、木材パル
プなどのパルプ類、シラスバルーン、パーレイト、ポリ
スチレンビーズなどの軽量骨材、シリカヒューム、微細
珪石粉などを挙げることができ、これら他の成分や材は
1種類のみを使用しても2種以上を用いてもよい。水硬
性組成物中のそのような他の成分や材を配合する場合に
は、それらの種類や水硬性物質の用途などに応じてその
配合量を適宜選択することができるが、一般に水硬性物
質の重量に基づいて、1〜50重量%の割合で配合する
のが好ましく、2〜20重量%がより好ましい。 【0018】そして、上記した水硬性物質、PVA系重
合体粉末、PVA系重合体用ゲル化剤および必要に応じ
て他の成分や材を水と共に混合して水硬性組成物を調製
する。その場合の固形分濃度は特に制限されないが、一
般に、5〜90重量%が好ましく、15〜85重量%が
より好ましい。水硬性組成物を調製する際の混合方法お
よび混合手段は特に限定されず、例えばコンクリートミ
キサー、スクリュー型混練装置、ペラー型混練装置など
によって混合することができる。その際の混合条件とし
ては、PVA系重合体粉末が溶解することなく膨潤した
吸水ゲル粒体になるよう条件を採用することが必要であ
る。 【0019】上記により調製した水硬性組成物を次いで
成形する。成形法は特に制限されず、水硬性成形物の製
造に使用されている方法のいずれもが採用でき、例えば
型枠成形法、押出成形法、抄造成形法、フローオン法、
乾式法などを挙げることができる。 【0020】 ここで重要なことは、本発明において
は、水硬性物質、PVA系重合体粉末およびゲル化剤を
必須成分として含む水硬性組成物を、養生前の任意の段
階で30〜80℃の温度で10〜120分加熱して、そ
こに含まれているPVA粉末を膨潤した吸水ゲル化粒体
にすることを必須にしている点である(なお、養生前の
かかる加熱処理を以下「ゲル化用加熱」という)。とこ
ろで、本発明において、上記の「養生前の任意の段階」
とは、水硬性組成物を調製する段階、水硬性組成物の調
製後で且つ成形前の段階および/または成形の途中の
階をいう。したがって本発明ではそれらの段階であれば
ゲル化用加熱の時期はいずれであってもよく、場合によ
ってはそれらの複数の段階にまたがって行ってもよい。 【0021】ゲル化用加熱は上記のように30〜80℃
の温度で行うことが必要であり、40〜70℃がより好
ましい。ゲル化用加熱時の温度が30℃よりも低いとP
VA系重合体粉末の膨潤・吸水ゲルが充分に行われなく
なり、一方80℃よりも高いと折角形成された吸水ゲル
粒体が養生前に溶解等によって消失してしまって、水硬
性成形物中に空隙が形成されなくなる。また、ゲル化用
加熱の時間は10〜120分とするのが好ましく、20
〜90分がより好ましい。加熱時間が短か過ぎるとPV
A系重合体粉末から膨潤した吸水ゲル粒体が形成にくく
なり、一方長すぎると折角形成された吸水ゲル粒体がや
はり養生前に消失し易くなる。 【0022】また、PVA系重合体粉末からの吸水ゲル
粒体の形成をPVA系重合体粉末の膨潤度の点から見る
と、水硬性組成物中に配合されたPVA系重合体粉末
が、水硬性組成物または水硬性成形物中で、配合前のP
VA系重合体粉末の重量の約5〜15倍、好ましくは7
〜12倍に膨潤した状態で吸水ゲル粒体を形成するよう
にして、上記したゲル化用加熱を施すとよい。 【0023】本発明では、上記のゲル化用加熱を採用す
ることによって、PVA系重合体粉末を膨潤した吸水ゲ
ル粒体状で成形物中に多数分散存在させることができ、
その吸水ゲル粒体が成形物の養生後に多数の独立した空
隙(独立気泡)となって水硬性成形物中に存在するよう
になり、成形物を軽量なものとする。 【0024】次いで、上記により得られたPVA系重合
体の膨潤した吸水ゲル粒体を分散含有する成形物を養生
することによって最終的な水硬性成形物を製造する。そ
の際の養生法は特に制限されず、水硬性成形物の既知の
養生法のいずれもが採用でき、例えばオートクレーブ養
生、スチーム養生、自然養生などを挙げることができ
る。そのうちでも、加熱を伴うオートクレーブ養生およ
びスチーム養生が好ましく、オートクレーブ養生がより
好ましい。限定されるものではないが、オートクレーブ
養生を採用する場合は、約120〜180℃の飽和蒸気
圧下で5〜20時間養生を行うのが好ましい。 【0025】そして、上記のような養生の結果、最終的
な水硬性成形物が得られる。得られた水硬性成形物中に
は多数の独立した空隙(独立気泡)が形成されていて、
これが成形物を軽量なものとしており、しかも多数の空
隙の存在にも拘わらず得られる水硬性成形物は強度に優
れている。本発明の方法で得られる水硬性成形物が多数
の独立気泡を有し且つ強度に優れる理由は明確ではない
が、養生前の成形物中に形成されていた膨潤したPVA
系重合体の吸水ゲル粒体が最後の養生工程において溶解
等によって消失すると同時に水硬性成形物のマトリック
ス中に浸透して補強作用を果たすと共に、吸水ゲル粒体
が存在していた部分に独立した空隙が残留して成形物の
軽量化を果たすものと考えられる。 【0026】本発明で製造される水硬性成形物は、建
築、土木、船舶などの種々の分野で広く使用することが
でき、特にその優れた軽量性と強度により、屋根、外
壁、内壁、床材、門扉、道路用ブロック、護岸用ブロッ
クなどの建材として極めて有効に使用できる。 【0027】 【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
中、得られた成形物のかさ比重、曲げ強度および長さ変
化率(寸法安定性)は次のようにして求めた。 【0028】かさ比重:JIS A5413に準拠し
て、試験片を熱風乾燥器に入れて105℃±5℃で24
時間乾燥し、その時の重量/体積の値として求めた。曲げ強度(曲げたわみ) :JIS A1408「建築ボ
ード類の曲げ試験法」に準拠して、スパン長5cmで測
定した。長さ変化率(寸法安定性) :JIS A5416に準拠
して、60℃で一昼夜乾燥したものを基準とし、20℃
で一昼夜水に浸漬した時の長さを測定してその変化率を
求めた。 【0029】 《実施例1〜2および比較例1〜2》 (1) ポルトランドセメント50重量部、珪石粉30
重量部、木材パルプ5重量部、PVA粉末[(株)クラ
レ製;重合度1750;ケン化度合98.5モル%;1
00メッシュパス品]3重量部および下記の表1に示す
割合の硼酸を混合した後、水を加えて固形分濃度30重
量%の水性スラリーを形成した。 (2) 上記(1)で得られた水性スラリーを、実施例
1〜2では温度45℃で30分間加熱処理した。また、
比較例1〜2では加熱処理を施さなかった。 【0030】(3) 上記(2)の加熱処理スラリーま
たは未加熱スラリーを型枠に流し込んだ後、固形分濃度
が60〜70重量%になるようにプレスして搾液し、厚
さ8mmの板材を作製した。 (4) 上記(3)で得られた板材を160℃の飽和蒸
気圧下に10時間オートクレーブ養生し、得られた板材
から試験片を採り、そのかさ比重、曲げ強度、長さ変化
率を上記した方法により求めた。その結果を表1に示
す。 【0031】《参考例1〜2》 上記実施例1において、水性スラリーに加熱処理を施す
代わりに、その(3)の工程により得られた搾液後の板
材をその養生前に下記の表1に示した温度で30分間加
熱処理した以外は実施例1と同様にして板材を製造し、
それから試験片を採って、そのかさ比重、曲げ強度、長
さ変化率を上記した方法により求めた。その結果を表1
に示す。 【0032】《参考例3》 硼酸の配合量を表1に示すように変えた以外は参考例2
と同様に行った。その結果を表1に示す。 【0033】《参考例4》 PVA粉末として200メッシュパス品を使用した以外
参考例2と同様に行った。その結果を表1に示す。 【0034】 【表1】【0035】 上記表1の結果から、養生に至るまでの
段階、すなわちPVA粉末およびゲル化剤を含む水硬性
組成物(水性スラリー)の段階または成形後で且つ養生
の前の段階でゲル化用加熱を施している実施例1〜2お
よび参考例1〜4による場合は、かさ比重が小さくて軽
量であり、それにも拘わらず強度(曲げ強度)に優れた
成形物が得られることがわかる。それに対して、本発明
におけるゲル化用加熱を行わない比較例1および2の場
合は、得られる成形物のかさ比重が大きく且つ強度が小
さいことがわかる。 【0036】《参考例5〜6》 下記の表2に示すように、未変性PVAの代わりにイタ
コン酸を2モル%共重合したPVA共重合体粉末(重合
度1750;ケン化度合98モル%;100メッシュパ
ス品)を3重量部使用し、硼酸0.3重量部の代わりに
第2硫酸鉄0.5重量部を使用し、且つ搾液後の板材の
ゲル化用加熱を40℃、60分として、養生を下記の表
2に示す条件で行った以外は参考例2と同様にして板材
を作製し、それより得た試験片のかさ比重、曲げ強度、
長さ変化率を上記した方法により求めた。その結果を表
2に示す。 【0037】《参考例7〜8および比較例3》 下記の表2に示すように、未変性PVA3重量部の代わ
りにマレイン酸を3モル%共重合したPVA共重合体粉
末(重合度1750;ケン化度合97モル%;100メ
ッシュパス品)を表2に示す量で使用し、硼酸0.3重
量部の代わりに第2硫酸鉄を表2に示す量で使用し、且
つ搾液後の板材のゲル化用加熱を40℃、30分とし
て、養生を160℃で10時間行った以外は参考例2
同様にして板材を作製し、それより得た試験片のかさ比
重、曲げ強度、長さ変化率を上記した方法により求め
た。その結果を表2に示す。 【0038】 【表2】【0039】 上記表2の結果から、養生に至るまでの
段階、すなわちPVA粉末およびゲル化剤を含む水硬性
成形物に対して養生の前にゲル化用加熱を施している
考例5〜8では、かさ比重が小さくて且つ強度(曲げ強
度)の大きな成形物が得られること、それに対してゲル
化用加熱を行っていない比較例3では得られる成形物の
かさ比重が大きく、軽量性に欠けていることがわかる。 【0040】《参考例》 PVA粉末として、50メッシュパス品(100メッシ
ュオン品)を使用した以外は実施例1と同様に行ったと
ころ、得られる板材のかさ比重は1.10であり、粒度
の大きなPVA系重合体粉末を使用した場合には、水硬
性成形物の軽量化が幾分達成されにくい。 【0041】 【発明の効果】本発明の方法により、PVA系重合体粉
末とそのゲル化剤を水硬性組成物中に配合して、養生に
至るまでの段階(養生前の段階)で30〜80℃という
比較的低温の加熱処理を10〜120分という短い時間
施すだけで、軽量性に富み、しかも強度に優れた水硬
性成形物を極めて簡単な操作で円滑に製造することがで
きる。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 水硬性物質、ポリビニルアルコール系重
    合体粉末およびポリビニルアルコール系重合体用のゲル
    化剤を含む水硬性組成物を成形した後、養生して水硬性
    成形物を製造する方法であって、水硬性組成物の調製段
    階、水硬性組成物の調製後で且つ成形前の段階および成
    形途中の段階のうちの少なくとも1つの段階で、水硬性
    組成物を30〜80℃の温度に10〜120分加熱し
    て、水硬性組成物中に含まれているポリビニルアルコー
    ル系重合体粉末を吸水ゲル粒体の形態にした後に、養生
    を行うことを特徴とする水硬性成形物の製造方法。
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