JP3107497B2 - 熱可塑性樹脂シートの成形プレス装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂シートの成形プレス装置

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JP3107497B2 JP31440194A JP31440194A JP3107497B2 JP 3107497 B2 JP3107497 B2 JP 3107497B2 JP 31440194 A JP31440194 A JP 31440194A JP 31440194 A JP31440194 A JP 31440194A JP 3107497 B2 JP3107497 B2 JP 3107497B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂シートの成
形プレス装置に関し、特に、一対のプレス盤がそれぞれ
独立的に移動可能な形式の熱可塑性樹脂シートの成形プ
レス装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂シートの成形プレス
装置は駆動源として空圧シリンダー機構あるいは油圧シ
リンダー機構を用い、そこにプレス盤を直結したいわゆ
るプレス盤直動タイプのものが多く用いられており、近
年では、生産性を挙げるためにプレス盤の移動に高速性
が求めら、しかも成形に高いプレス圧力が必要とされる
場合が多いことから、油圧プレスを用いるものが主流と
なっている。また、より高いプレス圧力を得るために、
実公平6−28262号公報に示されるようにトグル機
構を組み入れたものも知られている。
【0003】さらに、駆動源としてサーボモーター等の
電動モーターを用い、その回転力を動力変換機構を用い
て直線運動に変換して、プレス盤を移動するようにした
成形プレス装置も知られている。このものはプレス盤の
移動速度は早くかつ位置決め制御も容易でありることか
ら成形サイクルを短縮化できる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】駆動機構として油圧
機構を用いる成形プレス装置の場合に、成形サイクルの
高速化、高圧化が進むに連れて油圧ポンプの出力の大き
いものが必要とされるようになり、必然的に、そのメン
テナンスが煩雑化し、また、騒音、油洩れ等の作業環境
の悪化の問題も生じている。さらに、油圧プレスはプレ
ス盤が高速で昇降するために、停止時の振動、騒音が大
きく、また、金型に対する負荷も大きいことから、金型
強度をトグル機構等の機械的移動機構を持つものに比べ
て高いものとすることが求められる。さらに、プレス盤
の位置決め制御はリンク機構や電動モーターを用いるも
のと比較して比較的困難である。
【0005】トグル機構を組み入れて高速化と共に高圧
化を図ったものの場合には、プレス盤の位置決めは容易
であるが、その機構上ストロークが原則一定であり、同
一装置で多種の金型を用いようとする場合には、個々の
金型の高さを同じにすることが必要となり汎用性に乏し
いという不都合を持つ。前記実公平6−28262号公
報に開示のものはこの不都合を一部解消したものである
が、構成が複雑であり設備費用がかさむうえに、金型交
換ごとに部分的な微調整を必要とし、作業性が高いとは
いえない。
【0006】サーボモーター等の電動モーターを用いた
成形プレス装置では高速性と制御の容易性は達成可能で
あるが、高いプレス圧力を得るのは困難であり、特に、
高速性と高圧力の双方を同時に満足するためには大容量
のモーターを必要とする。通常、そのためには特別のモ
ーターを設計する必要があり、現状では価格、スペース
のいずれの点からも満足なものは得られていない。駆動
源としてサーボモーターを用いた成形プレス装置のこの
ような不都合を改良したものとして、例えば、クラン
ク、カム、トグル機構等の機械的機構を用いて速度を変
化させてプレス盤の移動時に高速を得、型締め時にのみ
低速にしてプレス圧力を高めるようにしたものが知られ
ている。このものは、高速性を優先させるとどうしても
プレス圧力が不足することに鑑みなされたものであり、
高い有効性はあるものの、その機構上、ストローク、特
に、上死点が固定されるためプレス盤の高さを一定に製
作しなければならない不都合を有する。
【0007】他の方法として、型締め時にのみ電動モー
ターの伝達軸のギア比率を変えて高いトルクを得、プレ
スする方法も知られているが、減速ギア、ベルト等設備
費用がかさみ、また、減速するために2段階プレスとな
りプレスの作動時間にロスを生じるため、早い成形サイ
クルを必要とする場合には必ずしも対応できない。さら
に他の方法として、型締め作動のときのみ油圧を用いる
ようにした、サーボモーターによる移動機構と油圧機構
による加圧機構との複合構造を持つものが知られている
実公平6−1784号公報参照)。この方法はプレス
盤の高速移動とプレス時の高圧力の双方を十分に満足す
るものであり有効なものであるが、油圧機構を用いるこ
とにより、全体構成が幾分複雑となることは否めない。
【0008】本発明は、従来知られた熱可塑性樹脂シー
トの成形プレス装置の持つ上記のような不都合を回避し
た成形プレス装置を得ることにあり、より具体的には、
電動モーターの容量を格別上げることなく、プレス盤の
移動の高速性と型締め時の高圧力の双方を同時に満足す
ることのできる熱可塑性樹脂シートの成形プレス装置を
得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による熱可塑性樹脂シートの成形プレス装置
は、基本的に、一対のプレス盤がそれぞれの独立的に移
動可能である熱可塑性樹脂シートの成形プレス装置にお
いて、プレス盤の駆動源として複数の電動モーターを用
い、該電動モーターの回転運動は、回転運動を直線運動
に変換する運動変換機構を介してプレス盤は移動され、
かつ、該複数の電動モーターの駆動力を2分割して個々
のプレス盤に独立的に伝達する態様と、全ての電動モー
ターの駆動力を一方のプレス盤にのみ伝達する態様との
双方の態様を選択的に取ることの可能な動力伝達機構を
有していることを特徴とする。
【0010】電動モーターに特に制限はないが、操作
性、制御性の観点からACサーボモーターであることが
好ましい。これは、始動時あるいは制動時等に瞬時に定
格以上の高トルクを出力可能であり応答性に優れている
ことによる。また、メンテナンスの面からもACサーボ
モーターは好ましい。電導モーターの回転運動を往復運
動に変換する運動変換機構にも特に制限はなく従来知ら
れたものを適宜使用し得るが、高速性と高い圧力下での
操作が必要とされることから、ボールネジ機構を持つ運
動変換機構を用いることは特に好ましい。また、動力伝
達機構における動力の伝達及び遮断手段にも特に制限は
なく任意の手段を用い得るが、応答速度が速く、伝達ト
ルクの制限及び作動タイミングが正確に計れることか
ら、動力軸に直結する電磁クラッチ、ブレーキを用いる
ことが特に推奨される。
【0011】
【作 用】通常の熱可塑性樹脂シートの成形プレス装置
において、プレス盤の移動にはその重量に依存はするも
のの大きなトルクは必要とされない。従って、本発明の
熱可塑性樹脂シートの成形プレス装置において、成形サ
イクル開始時でのプレス盤の移動には、複数の電導モー
ターの駆動力を2分割してそれぞれのプレス盤に伝達
し、各プレス盤を独立的に駆動して移動させる。それに
より、プレス盤は高速で移動する。所定距離移動して型
締め状態となり高い圧力が必要となった時点で、動力伝
達機構を操作して一方のプレス盤への動力伝達を遮断し
かつそのプレス盤を適宜の手段により固定する。そし
て、遮断された方の動力伝達系を他方のプレス盤を駆動
していた動力伝達系に接続する。それにより、他方のプ
レス盤にはすべての電動モーターのトルクが掛かること
となり、大きなプレス圧力を得ることができる。その状
態で成形が行われる。
【0012】成形終了後、動力伝達機構を操作して動力
伝達系の接続を解除して再度2分割すると共に固定され
ていたプレス盤の固定を解除し、2分割された動力伝達
系の一方を該固定が解除されたプレス盤に接続する。そ
の状態ですべての電動モーターを駆動することにより、
各プレス盤は相互に隔離する方向に高速で移動する。所
定距離移動した時点で、1回の成形サイクルは終了す
る。
【0013】すなわち、本発明によれば、動力伝達系中
に、複数の電動モーターの駆動力を2系列に分割して個
々のプレス盤に独立的に伝達する態様と、全ての電動モ
ーターの駆動力を一方のプレス盤にのみ伝達する態様と
の双方の態様を選択的に取ることの可能な動力伝達機構
を採用するのみで、プレス盤の移動の高速性と型締め時
の高圧力の双方を同時に満足した成形プレス装置を得る
ことができる。それにより、駆動源として通常の出力の
電動モーターの使用が可能となり、成形プレス全体を安
価に製作することができる。
【0014】また、一対のプレス盤の動作をそれぞれ独
立した状態で、その速度、タンミング、ストローク等の
設定することができ、従来の油圧プレスを駆動源とする
プレス装置の同様の感覚で使用することができる。ま
た、油圧機構を全く用いないことからメンテナンスも容
易でありかつ騒音を伴わない運転が機能となる。さら
に、電動モーターによる駆動であることから、プレス動
作が安定し、常に同一条件を再現可能であり、製品品質
が安定する。
【0015】
【実施例】以下、本発明による熱可塑性樹脂シートの成
形プレス装置を図面を参照した実施例に基づき、より詳
細に説明する。図1は、本発明による熱可塑性樹脂シー
トの成形プレス装置1の全体を示す説明用の側面図であ
り、上下の固定機枠2、3の間にタイバー4、4が立設
固定され、該タイバー4、4には、上下のプレス盤5、
8が上下方向に移動自在に取り付けられている。上下の
プレス盤5、8の相対向する面側には成形金型6、9が
適宜の手段により取り付けられ、また、それぞれの反対
面にはボールナット(図示されない)を装着した保持枠
体7、10が取り付けられている。該保持枠体7、10
の各ボールナットには、上下の固定機枠2、3に配備さ
れた後記する駆動機構により回転駆動される第1及び第
2のボールネジ軸20、30が螺合している。第1及び
第2のボールネジ軸20、30の少なくとも先端部分に
は上下のプレス盤5、8の移動距離に相当する長さ又は
それ以上の長さのネジ溝が設けられており、第1及び第
2のボールネジ軸20、30の回転は、ボールナットに
より直線運動に変換されて、上下のプレス盤5、8を相
互に近接する方向及び離間する方向に移動させる。この
実施例では、前記ボールナットとボールネジ軸とで、本
発明にいう回転運動を直線運動に変換する運動変換機構
が構成される。
【0016】なお、図1において、70は動力伝達軸、
80は制御盤、90は上下の成形金型6、9間を通過す
る成形用熱可塑性樹脂シートである。次に、図2を参照
して、本発明の動力伝達機構及び動力伝達系について説
明する。この実施例において、上方の固定機枠3上の前
記動力伝達軸70の上方位置には第1の支持枠2aが、
また、上方プレス盤5に係合する前記第2のボールネジ
軸20の上方位置には第1の支持枠2bが設けられてお
り、該支持枠2a、2b上には第1及び第2の電動モー
ター(好ましくはACサーボモーターであるが、これに
限らない)40、60が配置される。
【0017】第1の電動モーター40の出力軸41は適
宜のカップリングを介して、上下の固定機枠2、3に回
動自在に支承されている前記動力伝達軸70の延長部7
1に接続しており、該延長部71には図示しない軸受け
を介して第1の歯付きプーリ42が回動自在に装着され
る。そして、前記延長部71と第1の歯付きプーリ42
との間には、第1の歯付きプーリ42に固着された第1
のクラッチ板43と延長部71に摺動のみ可能に装着さ
れた第2のクラッチ板44とからなるクラッチ機構45
が介装される。なお、72は動力伝達軸70のための軸
受け支持体である。
【0018】第2の電動モーター60は第1の電動モー
ター40と同じ出力のものであり、その出力軸61には
第2の歯付きプーリ62が固定される。そして、該第2
の歯付きプーリ62と前記第1の歯付きプーリ42との
間には第1のタイミングベルトTaが巻装される。ま
た、出力軸61と前記上方プレス盤5に係合する前記第
2のボールネジ軸20との間には後記する従来知られた
クラッチ・ブレーキ機構66が介装される。
【0019】すなわち、クラッチ・ブレーキ機構66
は、第2の電動モーター60の出力軸61の下端部に固
定された第1のクラッチ板63、機枠2に固定されたブ
レーキ板64、所定の間隔で平行に配置された2枚のク
ラッチ片からなり前記第1のクラッチ板63とブレーキ
板64との間で移動可能とされた第2のクラッチ板6
5、及び、第2のクラッチ板65の前記2枚のクラッチ
片の間において第2のボールネジ軸20に固定された第
3のクラッチ板21とから構成される。
【0020】第2のクラッチ板65を上方に操作するこ
とにより、第2の電動モーター60の出力軸61の下端
部に固定された第1のクラッチ板63と第2のボールネ
ジ軸20に固定された第3のクラッチ板21とは第2の
クラッチ板65を介して接続されてクラッチ「続」の状
態となり、第2の電動モーター60の回転力は第2のボ
ールネジ軸20に伝達される。第2のクラッチ板65を
下方に操作することにより、第2のクラッチ板65は機
枠2に固定されたブレーキ板64と第2のボールネジ軸
20に固定された第3のクラッチ板21とに衝接し、ク
ラッチ「断」状態となると同時に、第2のボールネジ軸
20に対して制動力を作用させ、その回動を阻止する。
【0021】さらに、前記動力伝達軸70の下方位置に
は第3の歯付きプーリ73が固定され、前記下方のプレ
ス盤8に係合する第2のボールネジ軸30にも前記第3
の歯付きプーリ73の同じ高さ位置において第4の歯付
きプーリ31が固定される。そして、第3の歯付きプー
リ73と第4の歯付きプーリ31との間には第2のタイ
ミングベルトTbが巻装される。
【0022】なお、第1、第2の電動モーター40と6
0とは同一出力のACサーボモータを用いることが推奨
され、かつ、特に図示しないが、サーボモータにはそれ
ぞれあらかじめ定められたストロークで停止するような
制御システム、具体的には、回転量を正確に規制するた
めにパルス列制御システムを用い、かつ、それにプレス
盤の位置を検知する位置センサーとを併用して、電動モ
ーターの駆動・停止やクラッチ機構の断続操作を行うよ
いにすることが望まれる。
【0023】以下、上記の熱可塑性樹脂シートの成形プ
レス装置の作動を説明する。成形プレス装置1は、その
非作動時において、第1の歯付きプーリ42と動力伝達
軸70との間に介装されたクラッチ機構45は「断」状
態とされ、第2の電動モーター60の出力軸61と上方
プレス盤5に係合する第2のボールネジ軸20との間に
介装されたクラッチ・ブレーキ機構66は「続」状態と
される。その状態で、熱可塑性樹脂シート90を上下の
プレス盤5と8の間に搬入する(図1参照)。シート9
0が所定位置となった時点で、制御盤80を操作して、
第1と第2の電動モーター40、60を駆動する。
【0024】第1の電動モーター40の回転力は、動力
伝達軸70、第3の歯付きプーリ73、第2のタイミン
グベルトTb、第4の歯付きプーリ31を介して、下方
のプレス盤8に係合する第2のボールネジ軸30に伝達
され、その回転力は保持枠体10に装着されたボールナ
ットにより直線運動に変換されて、下方のプレス盤8を
上方に向けて移動する。一方、第2の電動モーター60
の回転力は、クラッチ・ブレーキ機構66が「続」状態
にあることから、上方のプレス盤5に係合する第2のボ
ールネジ軸20に伝達され、該第2のボールネジ軸30
の回転力は保持枠体7に装着されたボールナットにより
直線運動に変換されて、上方のプレス盤5を下方に向け
て移動する。
【0025】なお、この状態で、第2の電動モーター6
0の回転力は、第2の歯付きプーリ62と第1のタイミ
ングベルトTaを介して第1の歯付きプーリ42に伝達
されるが、第1の歯付きプーリ42と動力伝達軸70と
の間に介装されるクラッチ機構45は「断」状態とされ
ており、第1の歯付きプーリ42が回転(空転)するの
みで、その回転力は動力伝達軸70には伝達されない。
【0026】上下のプレス盤5、8は第1と第2の電動
モーター40と60の回転速度に比例した速度で相互に
接近し、あらかじめ定められたストロークを移動する。
ここで、あらかじめ定められたストロークとは、上下の
プレス盤5、8に取り付けた成形金型6、9が上下方向
に離間した状態の初期位置から加圧対象物(熱可塑性樹
脂シート)に接触する位置までの距離、すなわち、加圧
を始めるまでに必要とされる移動距離として定められ
る。なお、電動モーターの回転数が同じ場合であって
も、第3、第4の歯付きプーリ73、31の径を適宜調
整することにより、上下のプレス盤5、8に対して、そ
れぞれ独立した移動速度、移動距離を設定することが可
能となる。
【0027】上下のプレス盤5、8が上記のストローク
移動した時点で、制御盤80を操作してクラッチ・ブレ
ーキ機構66の第2のクラッチ板65を下方に移動さ
せ、クラッチ「断」状態とするとともに、第2のクラッ
チ板65を機枠2に固定されたブレーキ板64と第2の
ボールネジ軸20に固定された第3のクラッチ板21と
に接続して、第2のボールネジ軸20すなわち上方のプ
レス板5を機枠に対して固定する。その操作と同時にあ
るいはその直後に、クラッチ機構45を「続」状態とす
る。
【0028】それにより、第2の電動モーター60の回
転力の第2のボールネジ軸20への伝達は遮断され、該
回転力は第2の歯付きプーリ62と第1のタイミングベ
ルトTaを介して第1の歯付きプーリ42に伝達され、
さらに、クラッチ機構45を介して動力伝達軸70伝達
される。その結果、動力伝達軸70はすでに伝達されて
いる第1の電動モーター40の回転力と第2の電動モー
ター60の回転力との和のトルクで回転することとな
り、そのトルクは第3の歯付きプーリ73、第2のタイ
ミングベルトTb、第4の歯付きプーリ31、第2のボ
ールネジ軸30に伝達され、下方のプレス盤8は増圧し
た状態とされる。その増圧状態で熱可塑性樹脂シート9
0は成形を受ける。
【0029】成形後に、制御機構80を操作して好まし
くは電動モーター40、60を一旦停止し、クラッチ機
構45を「断」状態、クラッチ・ブレーキ機構66を
「続」状態に切り替え、各電動モーター40、60を逆
転駆動する。それにより、上下のプレス盤5、8は相互
に離反する方向に高速で移動し、位置センサの情報によ
り、方元位置に復帰して停止する。以下、同じ操作が繰
り返され熱可塑性樹脂シートの成形が連続して行われ
る。
【0030】上記のように、この動力伝達機構を持つ成
形プレス装置においては、増圧は連続した流れで行われ
また各回転部材の回転方向の変化も伴わない。それによ
り、作動がスムースとなりまた騒音も伴わない状態で、
高速で高圧プレスによる成形を行うことができる。次
に、図3を参照して、動力伝達機構の他の実施例を説明
する。この実施例においては、下方の固定機枠3には所
定の距離をおいて第1及び第2の電動モーター140、
160が配置される。
【0031】第1の電動モーター140の出力軸141
は、3つのベベルギア142、143、144を直交状
にかみ合わせた第1の歯車伝動装置145の一つのベベ
ルギア142に適宜のカップリングを介して連結してお
り、該ベベルギア142に直交状に歯螺するベベルギア
143には前記した下方のプレス盤8に係合した第1の
ボールネジ軸30が適宜のカップリングを介して接続し
ている。さらに、該ベベルギア143に直交状に歯螺す
るベベルギア144の出力軸146は、下方の固定機枠
3に取り付けられた適宜のクラッチ機構(好ましくは電
磁クラッチであるが、機械クラッチであってもよい)1
50の一方の出力軸151に適宜のカップリングを介し
て連結している。
【0032】第2の電動モーター160は第1の電動モ
ーター150と同じ出力のものであり、かつ、第1の電
動モーター150の場合と同様に、その出力軸161を
3つのベベルギア162、163、164を直交状にか
み合わせた第2の歯車伝動装置165の一つのベベルギ
ア162に適宜のカップリングを介して接続している。
そして、該ベベルギア163に直交状に歯螺するベベル
ギア163は適宜のカップリングを介して、図1に示し
た動力伝達軸70の一端に接続しており、さらに該ベベ
ルギア163に直交状に歯螺するベベルギア164の出
力軸166は、前記クラッチ機構150の他方の出力軸
152に適宜のカップリングを介して連結している。
【0033】一方、上方の固定機枠2の前記動力伝達軸
70の上方位置には、該動力伝達軸70の他方端に適宜
のカップリングを介して連結する回動軸171が適宜の
軸受け支持体172を介して回動自在に支承されてお
り、該回動軸171には第1の歯付きプーリ173が固
定される。さらに、上方の固定機枠2の前記プレス盤5
の上方位置には、図2に示したと同様なクラッチ・ブレ
ーキ機構166(図示されない)を内装する軸受け支持
体174が固定されており、該軸受け支持体174の一
方の回転軸175aは上方のプレス盤5に係合する前記
第2のボールネジ軸20の上方端側に適宜のカップリン
グを介して接続しており、他方の回転軸175bには第
2の歯付きプーリ176が固定される。そして、第1と
第2の歯付きプーリ173と176とにはタイミングベ
ルト178が巻装される。なお、179は遊転プーリで
ある。
【0034】上記の動力伝達機構を持つ熱可塑性樹脂シ
ートの成形プレス装置の作動を説明する。プレス装置1
は、その非作動時においては、下方の固定機枠に設けた
クラッチ機構150は「断」状態とされ、上部の固定機
枠に取り付けた軸受け支持体74内のクラッチ・ブレー
キ機構166は「続」状態とされる。その状態で、熱可
塑性樹脂シート90を上下のプレス盤5と8の間に搬入
し、シート90が所定位置となった時点で、制御盤80
を操作して、第1と第2の電動モーター140、160
を作動する。
【0035】第1の電動モーター140の回転力は第1
の歯車伝動装置145を介して第2のボールネジ軸30
に伝動され、下方のプレス盤8を上方に向けて移動す
る。一方、第2の電動モーター160の回転力は第2の
歯車伝動装置165を介して動力伝達軸70に伝達さ
れ、該動力伝達軸70の回転力は、第1の歯付きプーリ
173、タイミングベルト178、第2の歯付きプーリ
176を介して、回転軸175bに伝達される。回転軸
175bと第1のボールネジ軸20との間に介装される
クラッチ・ブレーキ機構166は「続」の状態であるこ
とから、回転軸175bの回転力は他方の回転軸175
aから第1のボールネジ軸20に伝動され、上方のプレ
ス盤5を下方に向けて移動する。
【0036】前記の実施例の場合と同様に、上下のプレ
ス盤5、8が所定のストローク移動した時点で、制御盤
80を操作してクラッチ・ブレーキ機構166を操作し
てクラッチ「断」の状態とすると共に、第2のボールネ
ジ軸20すなわち上方のプレス板5を機枠に対して固定
する。その操作と同時にクラッチ機構150を「続」状
態とする。
【0037】それにより、第2の電動モーター160の
回転力は、第2のボールネジ軸20への伝達が遮断され
る一方、第2の歯車伝動装置165のベベルギア16
4、クラッチ機構150、第1の歯車伝動装置145の
ベベルギア144を介して、第1の歯車伝動装置145
のベベルギア143に伝達される。ベベルギア143に
はすでに第1の電動モーター140の回転力が伝達され
ており、その結果、ベベルギア143は第1の電動モー
ター140の回転力と第2の電動モーター160の回転
力との和のトルクで回転する。そのトルクは第2のボー
ルネジ軸30に伝達され、下方のプレス盤8を増圧した
状態とする。その増圧状態で熱可塑性樹脂シート90は
成形を受ける。
【0038】成形後に、制御機構80を操作して好まし
くは電動モーター140、160を一旦停止し、クラッ
チ機構150を「断」状態、クラッチ・ブレーキ機構1
66を「続」状態に切り替え、各電動モーター140、
160を逆転駆動する。それにより、上下のプレス盤
5、8は相互に離反する方向に高速で移動して、元位置
に復帰する。以下、同じ操作が繰り返され熱可塑性樹脂
シートの成形が連続して行われる。
【0039】この動力伝達機構においても、増圧は連続
した動作として行われまた各回転部材の回転方向の変化
も伴わない。それにより、各歯車のバックラッシュの影
響は少なく、操作がスムースで騒音も伴わない状態で、
高速で高圧プレスによる成形を行うことができる。上記
の説明は本発明による熱可塑性樹脂シートの成形プレス
装置の幾つかの実施例の説明であって、他に多くの変形
例が存在する。例えば、電動モーターとして同一出力の
ACサーボモーターを用いるものを説明したが、これに
限らず他のDCサーボモーター、ステッピングモーター
のような電動モーターを用いることもできる。また、電
動モーターとして同じ規格のものを用いることも必須で
はなく、図2に示す例においては、第1の歯付きプーリ
ー42の回転数を、第2の歯付きプーリー62との径を
調節することにより動力伝達軸70の延長部71の回転
数と同じとすることを条件に、また、図3に示す場合に
あっては、第2の歯車伝動装置165のベベルギアの歯
数を調整すること等により、第1の歯車伝動装置145
のベベルギア142と144との回転数を同じとするこ
とを条件に、異なった回転数を持つ電動モーターを用い
ることもできる。
【0040】さらに、図示のものではすべて縦型の成形
プレス装置として説明したが横方向に各プレス盤が移動
する形式のものであっても本発明は等しく適用可能であ
る。さらに、一方の電動モーターの回転力を他方の電動
モーターの回転力に付加するための手段も任意であり、
図示のもののように、ベルト伝動とクラッチ機構の組み
合わせに限らず、歯車伝動とクラッチ機構の組み合わせ
であってもよい。クラッチ機構は摩擦クラッチが好まし
いが噛み合いクラッチであってもよく、また、電磁クラ
ッチに限らず、空気圧クラッチ、機械クラッチ等であっ
てもよい。運動変換機構のボールネジ機構は作動の円滑
性から好ましいものであるが、これに限らず、通常のネ
ジ伝動も含め任意の回転−直線運動変換機構を用い得
る。
【0041】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂シートの成形プレ
ス装置は上記の構成であるので、通常の電動モーターを
用いて、プレス盤の移動の高速性と型締め時の高圧力の
双方を同時に満足することができる。それにより、成形
プレス全体を安価に製作することができる。
【0042】また、一対のプレス盤の動作をそれぞれ独
立した状態で、その速度、タンミング、ストローク等の
設定することができ、従来の油圧プレスを駆動源とする
プレス装置の同様の感覚で使用することができる。ま
た、油圧機構を全く用いないことからメンテナンスも容
易でありかつ騒音を伴わない運転が機能となる。さら
に、電動モーターによる駆動であることから、プレス動
作が安定し、常に同一条件を再現可能であり、製品品質
が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱可塑性樹脂シートの成形プレス
装置の全体を示す図。
【図2】動力伝達機構の一実施例を説明する図。
【図3】動力伝達機構の他の実施例を説明する図。
【符号の説明】
2、3…機枠、5、8…プレス盤、40…第1の電動モ
ーター、60…第2の電動モーター、45…第2の電動
モーターの回転力を動力伝達軸に断続するためのクラッ
チ、66…第1の電動モーターの回転力をプレス盤5に
断続するためのクラッチ・ブレーキ機構、70…動力伝
達軸

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のプレス盤がそれぞれの独立的に移
    動可能である熱可塑性樹脂シートの成形プレス装置にお
    いて、プレス盤の駆動源は複数の電動モーターであり、
    電動モーターの回転運動を直線運動に変換する運動変換
    機構を介してプレス盤は移動され、かつ、該複数の電動
    モーターの駆動力を2系列に分割して個々のプレス盤に
    独立的に伝達する態様と、全ての電動モーターの駆動力
    を一方のプレス盤にのみ伝達する態様との双方の態様を
    選択的に取ることの可能な動力伝達機構を有しているこ
    とを特徴とする熱可塑性樹脂シートの成形プレス装置。
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