JP3105087B2 - 差圧検出器 - Google Patents

差圧検出器

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JP3105087B2
JP3105087B2 JP04234888A JP23488892A JP3105087B2 JP 3105087 B2 JP3105087 B2 JP 3105087B2 JP 04234888 A JP04234888 A JP 04234888A JP 23488892 A JP23488892 A JP 23488892A JP 3105087 B2 JP3105087 B2 JP 3105087B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種の工業プラントで用
いられる差圧伝送器に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の工業プラントで用いられる差圧伝
送器は、半導体圧力センサに過大な圧力が加えられたと
き半導体圧力センサが破損するのを防ぐために、過大圧
保護機構を備えている場合が多い。
【0003】図8には、過大圧保護機構を備えた差圧伝
送器の構成例が示されている。
【0004】この差圧伝送器は、高圧側ブロック1と低
圧側ブロック2とを接合し両ブロックの接合部外周を溶
接して一体化した検出器ブロック3を備えている。この
検出器ブロック3の左右の両側面には、断面波形をなす
高圧側の隔液ダイアフラム4及び低圧側の隔液ダイアフ
ラム5がそれぞれ装着されている。さらに、検出器ブロ
ック3の両側面には、隔液ダイアフラム4,5を覆うよ
うにしてカバー6,7がボルトにより固定されている。
各カバー6,7には導圧孔8,9がそれぞれ設けられて
おり、これら導圧孔8,9から流入する流体によって、
高圧側の隔液ダイアフラム4には高圧が加えられ、低圧
側の隔液ダイアフラム5には低圧が加えられるようにな
っている。
【0005】また検出器ブロック3の中央接合部には、
中央部を円錐状に凹ませた両ブロック1,2の各接合面
により内室が形成されている。その内室は、両ブロック
1,2の各接合面で外周部を固定されたセンタダイアフ
ラム10により、高圧側内室11と低圧側内室12とに
仕切られている。
【0006】検出器ブロック3の高圧側側面と隔液ダイ
アフラム4との間には間隙13が形成されており、この
間隙13が液通路14によって高圧側内室11に連通し
ている。同様に、検出器ブロック3の低圧側側面と隔液
ダイアフラム5との間には間隙15が形成されており、
この間隙15が液通路16によって低圧側内室12に連
通している。
【0007】一方、検出器ブロック3の上方には、セン
サカプセル17が設置されている。このセンサカプセル
17は、キャピラリチューブ18を介して検出器ブロッ
ク3の高圧側に接続され、もう一つのキャピラリチュー
ブ19を介して検出器ブロック3の低圧側に接続されて
いる。キャピラリチューブ18の一端部は液通路21を
介して高圧側内室11に連通し、キャピラリチューブ1
9の一端部は液通路22を介して低圧側内室12に連通
している。
【0008】センサカプセル17の内部にはセンサ室2
3が設けられており、そのセンサ室23に半導体圧力セ
ンサ24がセンサ台25に保持されて配設されている。
そしてセンサ室23にキャピラリチューブ18の先端部
を接続して高圧を導入すると共に、そのセンサ室内に半
導体圧力センサ24の下面を露出させている。またセン
サ台25にキャピラリチューブ19の先端部を接続し
て、半導体圧力センサ24の上面に低圧を加えている。
【0009】上記間隙13,15から液通路14,1
6、内室11,12、液通路21,22、及び両キャピ
ラリチューブ18,19を通って半導体圧力センサ24
の上面側と下面側とに至る間には、シリコンオイル等の
圧力伝達液が封入されている。この様な差圧伝送器にお
いて、各隔液ダイアフラム4,5に圧力が加わった時、
この圧力が圧力伝達液によってセンタダイアフラム10
の左右の両面にそれぞれ伝えられて、センタダイアフラ
ム10が左右の圧力差に応じてたわむ。その結果、隔液
ダイアフラム4,5に加わった圧力に応じた高圧側及び
低圧側の圧力が、半導体圧力センサ24の上下面に伝え
られて、その圧力差が測定される。
【0010】このとき、両隔液ダイアフラム4,5に加
わる圧力差が所定値以上になると、各隔液ダイアフラム
4,5のうちの一方が、検出器ブロック3のバックアッ
プ面に当接して、それ以上の圧力を液通路14あるいは
液通路16以降には伝えなくなる。これにより、過大な
圧力が検出器ブロック3に加えられても、その過大圧力
が半導体圧力センサ24に伝達されるのを防ぎ、半導体
圧力センサ24が破損するのを防止している。
【0011】ここで、上記半導体圧力センサ24につい
てさらに詳しく説明する。半導体圧力センサ24は、単
結晶シリコンの優れた弾性を利用して圧力差の検出を行
っている。すなわち、薄膜シリコンダイアフラムの両面
に高圧と低圧とを加わえ、その圧力差によって生じる応
力で薄膜シリコンダイアフラムを変形させ、その変形量
から応力を検出している。
【0012】上記半導体圧力センサ24の構成例を図9
及び図10に示す。
【0013】同図に示す半導体圧力センサ24は、単結
晶半導体基板31の一方の面をエッチングして、所定の
領域に方形状の空洞32を設け、その空洞32の薄膜領
域で薄膜シリコンダイアフラムを形成している。そして
単結晶半導体基板31の一方の面に、空洞32を囲むよ
うにして、円筒状の導圧路33を有するセンサ台25を
接合している。
【0014】また単結晶半導体基板31の他方の面に、
薄膜シリコンダイアフラムの半径方向の歪み及び接線方
向の歪みをそれぞれ検出する各一対の応力センサ34
a,34b、35a,35bが埋設されている。これら
応力センサは、ピエゾ抵抗素子からなり(以下、応力セ
ンサを「ピエゾ抵抗素子」と呼ぶ)、ブリッジ回路を構
成するように相互に接続されている。
【0015】そして単結晶半導体基板31の他方の面
を、パッシベーション及び絶縁のために、上記各ピエゾ
抵抗素子34、35の上から二酸化シリコン膜36で覆
い、さらにその上をポリシリコンシールド膜37で覆っ
ている。
【0016】また各ピエゾ抵抗素子に対応してアルミ電
極38を設け、各ピエゾ抵抗素子から出力される信号を
電気的に外部へ取り出すようになっている。また二酸化
シリコン膜36の一部に窓39を形成して、ポリシリコ
ンシールド膜37を、基板電位に固定している。
【0017】上記半導体圧力センサ24では、ポリシリ
コンシールド膜37により、環境温度の変化、時間の経
過によりセンサ出力が変化するのを防止している。すな
わち、ポリシリコンシールド膜37がないと、ピエゾ抵
抗素子を覆っている二酸化シリコン膜36の表面に外部
から付着するナトリウム等の可動イオン、あるいは二酸
化シリコン膜36内の可動イオンが移動するため、可動
イオンの移動によって二酸化シリコン膜36の電位が変
化し、環境温度の変化、時間の経過にともなってセンサ
出力が変化する。
【0018】さらに、シリコーンオイルで半導体圧力セ
ンサ24を覆うような上述した差圧伝送器では、半導体
圧力センサ24がセンサ室23の内壁との間で電気的絶
縁をとっているため、外部との間で電位差が生じること
になる。このような状況下では、シリコーンオイル中に
も可動イオンや分極した分子がセンサ表面に付着し、そ
の付着面が二酸化シリコン膜36であると、パッシベー
ション膜の電位が変化するのでセンサ出力が時間変化す
ることになる。
【0019】そこで、二酸化シリコン膜36の上面にポ
リシリコンシールド膜37を形成して、二酸化シリコン
膜36内の可動イオンを固定している。また、ポリシリ
コンシールド膜37により、シリコーンオイル中に含ま
れる可動イオンの影響を遮断して、ピエゾ抵抗素子への
影響を抑制している。
【0020】ところが、上述した半導体圧力センサ及び
それを用いた差圧伝送器では、環境温度の変化により大
きな影響を受けるという欠点がある。
【0021】上述した差圧伝送器では、環境温度が変化
すると圧力伝達液の熱膨張により各間隙13,15の容
積が変化し、高圧側及び低圧側の隔液ダイアフラム4,
5が検出器ブロック3に押し当てられる過大圧保護圧力
の大きさが大きく変化する問題がある。
【0022】また半導体圧力センサ24は、薄膜ダイア
フラムの部分が半導体基板31,二酸化シリコン膜3
6,ポリシリコンシールド膜37の3層構造となってお
り、それらの熱膨張率の差が大きいため、温度変化によ
り薄膜ダイアフラムが降伏すると温度が元に戻ったとし
ても半導体圧力センサに温度ヒステリシスが生じて、そ
の温度ヒステリシスがピエゾ抵抗素子に残留歪みとなっ
て作用する。このため、温度が元の値に戻っても歪み
(応力)が残りセンサ出力が元に戻らない。半導体圧力
センサは補償が不可欠であることから、温度により発生
するヒステリシスの温度補償ができないとなると実用上
問題がある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の半
導体圧力センサ及び差圧伝送器等の差圧検出器は、環境
温度の変化に影響を受け易く、温度変化により測定精度
の信頼性が低下する可能性があった。
【0024】本発明は以上のような実情に鑑みてなされ
たもので、温度変化により受ける影響が少なく信頼性の
高い差圧検出器を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の差圧検出器は、高圧側ブロックと低圧側ブロ
ックとを接合してなる検出器ブロックの両側面に隔液ダ
イアフラムを設けると共に、前記検出器ブロックの接合
面に当該接合面で形成される内室を第1,第2の内室に
分離するセンタダイアフラムを設け、前記各隔液ダイア
フラムに夫々加えられる圧力を、前記第1の内室及び第
2の内室に夫々対応する通路を介して導き、さらに前記
第1の内室及び第の2内室の各圧力を夫々対応する通路
を介して感圧素子に導いて前記各圧力の差圧を検出する
ものにおいて、前記センタダイアフラムを、その中央部
を高圧側あるいは低圧側に球面状に突出させて、当該中
央部の周辺部を凸側に折り返した形状のものとした。
【0026】上記目的を達成するために本発明の差圧検
出器は、半導体基板の一方の面をエッチングして薄膜半
導体ダイアフラムとなる部分を形成し、該薄膜半導体ダ
イアフラムに複数のピエゾ抵抗素子を設け、前記各ピエ
ゾ抵抗素子及び前記半導体基板の少なくとも一部を絶縁
性膜で覆い、前記薄膜半導体ダイアフラムの両面に各々
圧力を加え、その圧力差により生じる前記薄膜半導体ダ
イアフラムの変位を前記各ピエゾ抵抗素子で検出するも
のにおいて、前記薄膜半導体ダイアフラムの主要面と電
気的及び機械的に接続する導電性膜を、前記絶縁性膜上
に形成するものとした。
【0027】
【作用】本発明の差圧検出器では、検出器ブロックの内
室に設けられるセンタダイアフラムを、中央部が高圧側
あるいは低圧側に球面状に突出し、かつ中央部の周辺部
が凸側に折り返された形状にしたことにより、センタダ
イアフラムが図2に実線で示すような圧力−変位特性を
示すものとなる。すなわち、センタダイアフラムに加え
られる圧力が所定の圧力以上になると、センタダイアフ
ラムの圧力に対する変位量が急に大きくなる。
【0028】従って、使用最低温度下における過大圧保
護圧力PL を、上記した変位量が急に大きくなる変化点
での圧力PC よりも大きな値にすることにより、使用最
高温度下における過大圧保護圧力PH と使用最低温度下
における過大圧保護圧力PLとの差、すなわち過大圧保
護圧力の温度変化量(PH−PL)が、従来のものに比
べて大幅に減少する。
【0029】また本発明の他の差圧検出器では、薄膜半
導体ダイアフラムの主要面には絶縁膜が形成されずに薄
膜半導体ダイアフラムの大部分は薄膜半導体と導電性膜
との2層構造となるので、温度変化により絶縁膜と導電
性膜との機械的変形が生じても薄膜半導体ダイアフラム
への影響は少ない。
【0030】しかも、薄膜半導体ダイアフラムの主要面
に導電性膜が直接接していることから、基板側の電位と
導電性膜側の電位とが一定電位に保持されてピエゾ抵抗
素子付近の絶縁膜中及びその表面の可動イオンが固定さ
れる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0032】図1には、本発明の第1実施例に係る差圧
伝送器の検出器ブロック部分の断面構造が示されてい
る。なお本実施例は検出器ブロック以外の部分の構成
は、既に説明した図8に示す差圧伝送器と同様の構成で
あるとする。
【0033】本実施例の差圧伝送器は、高圧側ブロック
41と低圧側ブロック42とがセンタダイアフラム43
の外周部を挟み込むようにして接合されており、両ブロ
ック41,42の接合部の外周とセンタダイアフラム4
3の外縁部とが溶接されて検出器ブロック44が構成さ
れている。
【0034】上記検出器ブロック44の接合面には、セ
ンタダイアフラム43により第1の内室45と第2の内
室46とに分離された内室が形成されている。
【0035】上記内室の一方の面を形成する高圧側ブロ
ック41の接合面は、センタダイアフラム43の外周部
を挟み込む外縁部がフラット面となっていて、その外縁
部の内側が所定幅だけフラット面に対し所定角度高圧側
に傾いたテーパ部となっている。そしてテーパ部に周囲
を囲まれた中央部が低圧側に突出した球面部となってい
る。
【0036】また上記内室の他方の面を形成する低圧側
ブロック42の接合面は、センタダイアフラム43の外
周部を挟み込む外縁部がフラット面となっている。その
外縁部の内側には所定幅のテーパ面が、高圧側に傾き、
かつ高圧側ブロック41のテーパ面よりも傾き角度で形
成されている。そしてテーパ部に周囲を囲まれた中央部
が低圧側に湾曲した凹面部となっている。
【0037】上記センタダイアフラム43は、上記内室
の形状に対応して中央部が低圧側へ突出した球面状をな
し、かつその外周部が低圧側へ折り返されたテーパ状を
なしており、内室内では固定部を除いて両ブロックの接
合面に接触しないように配置されている。
【0038】このような形状をなす内室に対して、第
1,第2の内室45,46の各中央部と高圧側,低圧側
の間隙13,15との間に、液通路47,48がそれぞ
れ設けられている。また第1,第2の内室45,46に
おける球面部の周辺部と、その各周辺部に対応する高圧
側,低圧側の間隙13,15における周辺部との間に、
それぞれ上下に2本の液通路49,50及び51,52
が設けられている。
【0039】そして液通路50の中間から分岐した液通
路53の先端部に、半導体圧力センサ24に高圧を導く
ためのキャピラリチューブ18が接続されている。また
液通路52の中間から分岐した液通路54の先端部に、
半導体圧力センサ24に低圧を導くためのキャピラリチ
ューブ19が接続されている。
【0040】図2には上記形状をなすセンタダイアフラ
ム43の圧力−変位特性が示されている。同図におい
て、縦軸は高圧と低圧との差圧によりセンタダイアフラ
ム43に加えられる圧力を示しており、低圧側に向けて
加えられる圧力を正にしている。横軸は加えられる圧力
に応じたセンタダイアフラム43の変化量を示してお
り、低圧側へ向けての変位を正にしている。また、同図
に実線で示す特性曲線L1がセンタダイアフラム43
(本実施例)のものであり、破線で示す特性曲線L2が
図8に示すセンタダイアフラム10のものである。
【0041】本実施例によるセンタダイアフラム43
は、加えられる圧力が大きくなるのに応じて、センタダ
イアフラム43の変位量が一定の割合で変化し、ある圧
力PCに達したところで、圧力の増加に対する変位量の
割合がそれまでよりも急に大きくなる。
【0042】一方、従来構造のセンタダイアフラム10
では、加えられる圧力が大きくなるのに応じて、過大圧
保護圧力PH ′に達するまで、センタダイアフラム10
の変位量がある程度一定の割合で変化し、特性曲線L1
のような変化点は存在していない。
【0043】センタダイアフラム43が低圧側に撓んだ
場合(正方向の変位)において、使用最低温度下におけ
る過大圧保護圧力PL での変位量をVL 、使用最高温度
下における過大圧保護圧力PH での変位量をVH とする
と、高圧側の間隙13の体積は、VL とVH の間の値V
T の変位量に応じた内室内の容積と同一体積にする。セ
ンタダイアフラム43が高圧側に撓んだ場合(負方向の
変位)、使用最低温度下における過大圧保護圧力P-L
の変位量をV-L、使用最高温度下における過大圧保護圧
力P-Hでの変位量をV-Hとすると、低圧側の間隙15の
体積は、V-LとV-Hの間の値V-Tの変位量に応じた内室
内の容積と同一体積にする。
【0044】また間隙13,15内の圧力伝達液が全て
内室側へ移動しても、センタダイアフラム43が対向す
る接合面に接触しないように内室の幅が調整されてい
る。
【0045】さらに本実施例では、過大圧保護圧力
L ,P-Lの絶対値が、圧力変位量特性の変化点となる
圧力PC ,P-Cの絶対値よりも大きくなるように設定す
る。
【0046】以上のように構成された本実施例では、高
圧側の隔液ダイアフラム4に圧力が加わってセンタダイ
アフラム43が図2に示す特性曲線L1に従って撓んで
いく。そして圧力が大きくなり圧力PT となったところ
で、センタダイアフラム43の変位量がVT となり、高
圧側の間隙13内の圧力伝達液が全て第1の内室45へ
移動する。その結果、隔液ダイアフラム4は検出器ブロ
ック44の側面に当接し、それ以上の圧力を内室へ伝え
なくなる。
【0047】このとき、使用最低温度下における過大圧
保護圧力PL での変位量VL を、センタダイアフラム4
3の特性曲線L1の特性変化点の変位量VC よりも大き
く設定しているため、温度変化により圧力伝達液が熱膨
張して間隙13の体積が変化しても、過大圧保護圧力の
変化量は従来に比べて大幅に減少する。従来の場合には
使用最低温度から使用最高温度まで温度変化した場合に
は、過大圧保護圧力の変化量は(PH ′−PL )である
のに対して、本実施例の場合には(PH −PL)であ
る。
【0048】また低圧側の隔液ダイアフラム5に圧力が
加わえられた場合も同様であり、温度変化に対応した過
大圧保護圧力の変化量は従来に比べて大幅に減少する。
【0049】この様に本実施例によれば、検出器ブロッ
ク44に設けたセンタダイアフラム43を、その中央部
(支持径よりも内側の部分)が低圧側に球面状に突出
し、当該中央部の周辺部が低圧側に折り返された形状と
して、センタダイアフラム43に図2に示す特性曲線L
1のような特性を持たせたので、温度変化に対応した過
大圧保護圧力の変化量を、従来に比べて大幅に減少する
ことができる。
【0050】その結果、圧力伝達液が熱膨張しても半導
体圧力センサ24を過大な圧力から保護することができ
る。
【0051】次に、図3〜図5を参照して前記第1実施
例の差圧伝送器における検出器ブロック部分の変形例に
ついて説明する。なお、各図において、図1に示す検出
器ブロックと同一部分には同一符号を付している。
【0052】図3に示す変形例は、検出器ブロック44
の内室を第1実施例と同様の形状に形成し、その内室に
センタダイアフラム61を設けている。このセンタダイ
アフラム61は、その外縁部が両ブロック間に挟まれて
固定され、高圧側ブロック41の接合面のテーパ部にダ
イアフラム外周部が初期状態において接触し、かつ中央
部が両接合面には接しないように保持されている。
【0053】また高圧側ブロック41のテーパ部にダイ
アフラム外周部を所定の応力Fで押し付けている。
【0054】この様に構成することにより、高圧側の隔
液ダイアフラム4に圧力が加わったときには、その圧力
が上記応力Fと等しくなるまではセンタダイアフラム6
1の中央球面部のみが撓むこととなるので、センタダイ
アフラム61のスティフネス(硬さ)は大きい。また逆
に、低圧側の隔液ダイアフラム5に圧力が加わったとき
には、センタダイアフラム61の外周部は高圧側ブロッ
ク41のテーパ部で拘束されているため、センタダイア
フラム61の撓みは中央球面部のみで与えられ、同様に
スティフネスが大きい。
【0055】従って、この様な変形例では、センタダイ
アフラム61の特性曲線上の変化点は、前記第1実施例
の場合に比べると、圧力PC は変えずに、変異量VT
より小さな値にすることができる。
【0056】図4に示す変形例は、検出器ブロック44
の内室にセンタダイアフラム64を設け、そのセンタダ
イアフラム64の中央球面部を低圧側ブロック42の接
合面に初期状態において当接するように構成したもので
ある。
【0057】この様に構成された変形例においても、セ
ンタダイアフラム61のスティフネスを大きくすること
ができ、変異量VT をより小さな値にすることができ
る。
【0058】図5に示す変形例は、検出器ブロック44
の内室に設けたセンタダイアフラム64の中央球面部を
低圧側ブロック42の接合面に初期状態において当接さ
せ、かつ外周部を高圧側ブロック41のテーパ部に初期
状態において当接させるように構成したものである。
【0059】この様に構成された変形例によれば、セン
タダイアフラム63をブロックの接合面に当接させる際
に、特に押し付け力を与える必要がない。
【0060】また前記第1実施例及び各変形例では、セ
ンタダイアフラムの中央部を低圧側へ突出させ、かつそ
の周辺部を凸部側へ折り返す例を示したが、その逆にセ
ンタダイアフラムの中央部を高圧側へ突出させ、かつそ
の周辺部を高圧側へ折り返すように構成しても同様の効
果を得ることができる。
【0061】次に、本発明の差圧検出器を差圧伝送器の
半導体圧力センサに適用した例を第2実施例として説明
する。図6及び図7には本実施例の半導体圧力センサの
平面図及び側断面図がそれぞれ示されている。
【0062】本実施例の半導体圧力センサは、半導体基
板71の裏面にエッチングにより設けられた空洞部72
を有し、その空洞部72により半導体基板71の所定範
囲に薄膜領域73を形成している。以下、その薄膜領域
73を薄膜半導体ダイアフラムと称する。
【0063】薄膜半導体ダイアフラム73の上面には、
半径方向の歪み及び接線方向の歪みをそれぞれ検出する
各一対のピエゾ抵抗素子74a,74b、75a,75
bが、それぞれダイアフラムの中心を挟んで対向配置さ
れている。
【0064】また半導体基板71の上面は、薄膜半導体
ダイアフラム73の主要面76を除いて、半導体基板7
1及び各ピエゾ抵抗素子74,75を含む領域が絶縁膜
としての二酸化シリコン膜77で覆われている。そして
二酸化シリコン膜77及び薄膜半導体ダイアフラム73
の主要面76の上が、導電性膜としてのポリシリコンシ
ールド膜78で覆われている。
【0065】以上のように構成された半導体圧力センサ
は、差圧伝送器のセンサカプセル内部のセンサ室23に
設けられる。半導体基板71の裏面側がセンサ台に固定
され、空洞部72にキャピラリチューブを介して低圧が
導入される。また半導体基板71の上面側がセンサ室内
に露出され、当該センサ室に他のキャピラリチューブを
介して導入された高圧が加えられる。
【0066】以上のように構成された本実施例では、半
導体圧力センサの全面がポリシリコンシールド膜78に
てシールドされると共に、そのポリシリコンシールド膜
78が薄膜半導体ダイアフラム73上面のほとんど全面
を占有する主要面76に電気的及び機械的に接続され
る。
【0067】従って、二酸化シリコン膜77は薄膜半導
体ダイアフラム73の周辺部にのみ形成されているの
で、温度変化によって二酸化シリコン膜77とポリシリ
コンシールド膜78との間に機械的な変形が発生して
も、薄膜半導体ダイアフラム73への機械的な影響はほ
とんどなく、実用上問題がない程度の極めて小さなヒス
テリシスしか発生しない。
【0068】またポリシリコンシールド膜78を薄膜半
導体ダイアフラム73の主要面76と広い面積に亘って
接触させているので、半導体基板71とポリシリコンシ
ールド膜78とが一定電位に保持されることとなり、ピ
エゾ抵抗素子付近の二酸化シリコン膜77中及び表面の
可動イオンが固定される。よって、ピエゾ抵抗素子のセ
ンサ出力が経時ドリフトするのを防止できる効果があ
る。
【0069】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施
可能である。
【0070】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、温
度変化に影響されず、常に信頼性の高い差圧検出値を得
ることのできる差圧検出器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る差圧伝送器に備えら
れた検出器ブロックの断面図。
【図2】図1に示す検出器ブロックに設けられたセンタ
ダイアフラムの圧力−変位特性曲線及び従来の差圧伝送
器に設けられたセンタダイアフラムの圧力−変位特性曲
線を比較して示す図。
【図3】前記第1実施例に係る差圧伝送器の検出器ブロ
ック部分の第1の変形例を示す図。
【図4】前記第1実施例に係る差圧伝送器の検出器ブロ
ック部分の第2の変形例を示す図。
【図5】前記第1実施例に係る差圧伝送器の検出器ブロ
ック部分の第3の変形例を示す図。
【図6】本発明の第2実施例に係る半導体圧力センサの
平面図。
【図7】図6に示す半導体圧力センサのA−A線矢示断
面図。
【図8】従来の差圧伝送器の断面図。
【図9】図8の差圧伝送器に備えられた半導体圧力セン
サの平面図。
【図10】図8の差圧伝送器に備えられた半導体圧力セ
ンサの断面図。
【符号の説明】
4,5…隔液ダイアフラム、13,15…間隙、41…
高圧側ブロック、42…低圧側ブロック、43,61,
62,63…センタダイアフラム、45…第1の内室、
46…第2の内室、71…半導体基板、72…空洞、7
3…薄膜半導体ダイアフラム、74,75…ピエゾ抵抗
素子、76…主要面、77…二酸化シリコン膜、78…
ポリシリコンシールド膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 13/02 G01L 19/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧側ブロックと低圧側ブロックとを接
    合してなる検出器ブロックの両側面に隔液ダイアフラム
    を設けると共に、前記検出器ブロックの接合面に当該接
    合面で形成される内室を第1,第2の内室に分離するセ
    ンタダイアフラムを設け、前記各隔液ダイアフラムに夫
    々加えられる圧力を、前記第1の内室及び第2の内室に
    夫々対応する通路を介して導き、さらに前記第1の内室
    及び第2の内室の各圧力を夫々対応する通路を介して感
    圧素子に導いて前記各圧力の差圧を検出する差圧検出器
    において、 前記センタダイアフラムは、その中央部が高圧側あるい
    は低圧側に球面状に突出し、当該中央部の周辺部が凸側
    に折り返された形状をなすことを特徴とする差圧検出
    器。
  2. 【請求項2】 半導体基板の一方の面における所定領域
    をエッチングして薄膜半導体ダイアフラムとなる部分を
    形成し、該薄膜半導体ダイアフラムに複数のピエゾ抵抗
    素子を設け、前記各ピエゾ抵抗素子及び前記半導体基板
    の少なくとも一部を絶縁性膜で覆い、前記薄膜半導体ダ
    イアフラムの両面に各々圧力を加え、その圧力差により
    生じる前記薄膜半導体ダイアフラムの変位を前記各ピエ
    ゾ抵抗素子で検出する差圧検出器において、 前記薄膜半導体ダイアフラムの主要面と電気的及び機械
    的に接続する導電性膜を、前記絶縁性膜上に形成したこ
    とを特徴とする差圧検出器。
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