JP3103529B2 - 乳風味飲料 - Google Patents
乳風味飲料Info
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Description
ーや紅茶等の飲料に関する。さらに詳しくは、密閉容器
入りの乳風味コーヒー、乳風味紅茶に関し、ホットベン
ダーなどの加温状態で保存した場合でも、乳由来の劣化
臭の発生を抑制した乳風味飲料に関する。
れる缶コーヒー、缶紅茶などの密閉容器入り缶飲料は、
高温で長時間保存されるため、種々の問題を生じる。
た場合に生じる課題への対策として、特開平6−245
703号公報の発明のように缶コーヒー等を加温状態で
保存する場合に起こる乳蛋白質の沈殿や脂肪の分離に対
し、それを防止するために、乳製品を加えたコーヒー抽
出液に蔗糖脂肪酸エステルなどの乳化剤と微結晶セルロ
ースを添加する方法が知られている。
場合の牛乳由来の特有の劣化臭を生じる問題に対する対
策として、本出願人の出願にかかる特願平6−1877
13号がある。この発明は、ミルク入り飲料中にカルシ
ウム塩を添加することにより高温保存時の劣化臭および
/または色調の変化を抑制するものであるが、この技術
は牛乳由来の劣化臭発生の原因となる物質を選択的に除
去しようというものではない。
由来の劣化臭の原因物質を特定し、その物質を除外、あ
るいは削減した原料を選択して使用することにより加温
保存時の缶コーヒーや缶紅茶飲料などの乳風味飲料の安
定性を高める点にある。
するコーヒーや紅茶飲料をホットベンダーのような加温
状態で保存した場合に発生する劣化臭の原因について検
討したところ、乳脂肪由来の低中級脂肪酸、とくに炭素
数10以下の脂肪酸が加温保存中に分解、遊離し、乳特
有の劣化臭となっていることを発見した。
記表1のとおりである。
0)またはそれより炭素数の少ない脂肪酸類全体の合計
量が牛乳のそれの合計量より80重量%以下である脂肪
を使用することにより、低中級脂肪酸に起因する劣化臭
の発生を減少または回避するものである。
10以下の脂肪酸の合計量が牛乳のそれの80重量%以
下である脂肪分と(B)無脂乳固形分とを乳代替成分と
して含有することを特徴とする乳風味飲料に関する。
こえる程度に多くなると、劣化臭抑制効果はほとんど失
われてしまう。前記合計量は、好ましくは牛乳のそれの
50重量%以下、とくに好ましくは牛乳のそれの30重
量%以下である。
糖含有率が1重量%以下好ましくは0.5重量%以下で
ある乳風味飲料に関する。
の合計量が牛乳のそれの80重量%以下である脂肪分と
しては、牛乳などの乳中の低中級脂肪酸分を一部カット
したもの、例えば生クリーム、生クリーム乳化物などが
挙げられる。前記(A)成分の例としては、植物性脂肪
やその生クリームを挙げることができる。一般に、植物
性脂肪には約1.0重量%、生クリームには約3.0重
量%の乳糖が含まれている。
りである。
る。
(A)成分の脂肪分のみでは乳本来のもつコク味、風味
に欠ける点があるので、乳の蛋白質などを含む無脂乳固
形分を添加することにより、乳感、ボディ感、コク味、
風味を付与することに成功したものである。前記無脂乳
固形分としては、乳蛋白質濃縮物、脱脂粉乳などを挙げ
ることができる。乳蛋白質濃縮物とは、脱脂乳から限外
濾過膜透過成分である乳糖、ミネラル、水分などを除去
し、濃縮したものである。したがって、乳蛋白質濃縮物
は乳糖を含んでおらず、かりに含んでいても極めて僅か
である。
によって多少の差異はあるが、国内産牛乳では通常4.
54重量%、外国産牛乳では通常4.92重量%である
から、第二発明において乳糖含有率を1重量%以下にす
るということは、通常の牛乳を用いる場合に較べて乳糖
の量が25重量%以下に削減されたことを意味してい
る。
ことが好ましいが、多くても1重量%以下、好ましくは
0.5重量%以下であることが望ましい。図2に見られ
るように乳糖の存在はギ酸の生成量を著しく高いものと
し、製品に酸味、渋味を生じさせるので好ましくない。
ては、乳蛋白質濃縮物があり、これを(B)成分として
使用することが好ましい。
牛乳の脂肪量に応じた量で添加することができるが、コ
ーヒーや紅茶には、これらの乳代替物のほかに、甘味
料、乳化剤、重曹など缶コーヒー、缶紅茶製造時に使用
される添加剤が含まれているので、これらの添加剤中に
含まれている乳糖の量も考慮することが好ましい。ま
た、これらの添加剤は単糖類および/または乳糖以外の
二糖類を含まないものであることが好ましい。本発明の
乳風味飲料全体の中に含まれる全乳糖の量は1重量%以
下、好ましくは0.5重量%以下であることが望まし
い。
もできるが、ダイエット中の人などのために、糖アルコ
ールおよび/または非糖類甘味料(ジテルペン配糖体)
を使用することが好ましい。
デヒド基が還元されて生じた多価アルコールすなわちエ
リスリトール、ソルビトール、マルチトール、キシリト
ール、マンニトールなどを挙げることができ、前記非糖
類甘味料(ジテルペン配糖体)の例としては、ステビオ
サイド、アスパルテーム、グリチルリチンなどを挙げる
ことができる。
ー、紅茶液などに、低中級脂肪酸を含まない脂肪、また
は低中級脂肪酸の脂質に占める割合が牛乳に比べ低い乳
原料と無脂乳固形分とを牛乳の代替として添加すること
である。コーヒーや紅茶液の抽出の条件は、従来の一般
的な方法で実施でき、コーヒー豆、茶葉、焙煎条件、抽
出条件などは特に限定されない。また、これら乳代替物
の混合と同時に、甘味料、乳化剤、重曹など缶コーヒ
ー、缶紅茶製造時に使用される原料を添加することがで
きる。上記のような方法により得られた乳風味飲料調合
液は、均質化して缶等の容器に充填し、密閉して加熱殺
菌を行い製品とする。
本発明はこれに限定されるものではない。
利用した乳風味飲料)焙煎し、粉砕したコーヒー豆を抽
出してコーヒー抽出液を得た。この抽出液100部(重
量部、以下同じ)に、下記表5に組成を示す菜種分別油
よりなる植物性脂肪乳化物(脂肪分25wt%)3部、
乳蛋白質濃縮物〔森永乳業(株)製、トータルミルクプ
ロテイン、乳糖は実質的に含まない〕1部、砂糖6部、
乳化剤(蔗糖脂肪酸エステル)0.1部を添加して調合
液を調製し、重曹を添加してpHを6.7に調整した。
肪酸量に対する実施例1〜3中の低中級脂肪酸量の含有
割合は図1のとおりである。
た乳風味飲料)焙煎し、粉砕したコーヒー豆を抽出して
コーヒー抽出液を得た。この抽出液100部に、前記植
物性脂肪乳化物3部、脱脂粉乳2部、砂糖6部、乳化剤
(蔗糖脂肪酸エステル)0.1部を添加し、調製した調
合液に重曹を添加し、pHを6.7に調整した。
利用した乳風味飲料)焙煎し、粉砕したコーヒー豆を抽
出してコーヒー抽出液を得た。この抽出液100部に、
生クリーム(脂肪45%)2部、前記乳蛋白質濃縮物1
部、砂糖6部、乳化剤(蔗糖脂肪酸エステル)0.1部
を添加し、調製した調合液に重曹を添加し、pHを6.
7に調整した。
飲料)焙煎し、粉砕したコーヒー豆を抽出してコーヒー
抽出液を得た。この抽出液100部に、牛乳20部、砂
糖6部、乳化剤(蔗糖脂肪酸エステル)0.1部を添加
し、調製した調合液に重曹を添加し、pHを6.7に調
整した。
で調製した調合液を均質化後、缶に充填し、巻き締めて
密封し、レトルト殺菌を行い、缶入りコーヒー飲料を製
造した。この缶コーヒーを80℃で保存した。官能評価
は缶コーヒーの劣化臭に対し敏感な専門パネリスト5人
により、劣化臭については5段階評価、総合評価につい
ては4段階評価の採点法で行い、その結果を表6に示し
た。
価 :◎大変良好 ○良好△劣化 ×著しく劣化
る官能検査も行なった。官能評価は前述の試験と同様の
条件で高温保存後、缶コーヒーの酸味臭に対して敏感な
専門パネリスト5人で、7段階評価の採点法により官能
評価を行った。すなわち、酸味評価方法は、評点法で
「非常に良い」=+7、「良い」=+6、「やや良い」
=+5、「普通」=+4、「やや悪い」=+3、「悪
い」=+2、「非常に悪い」=+1の7段階とした。
5重量部を抽出してコーヒー抽出液を得た。この抽出液
にエリスリトール3.5重量部、ステビア0.002重
量部、牛乳3.2重量部、乳蛋白質濃縮物1重量部、植
物性脂肪2.3重量部、重曹0.05重量部を添加し、
全体を100重量部とした。得られたコーヒーの乳糖含
有率は0.4重量%であった。
ル3.5重量部、ステビア0.001重量部、牛乳3.
2重量部、乳蛋白質濃縮物1重量部、植物性脂肪2.3
重量部を添加し、全体を100重量部とした。得られた
紅茶の乳糖含有率は0.4重量%であった。
5重量部を抽出してコーヒー抽出液を得た。この抽出液
に砂糖3.5重量部、牛乳20重量部、重曹0.05重
量部を添加し、全体を100重量部とした。実施例3と
比較例2に示した処方の調合液を均質化し、缶に充填、
密封して加熱殺菌を行い、ミルクコーヒー缶飲料とし
た。これらを高温保存して80℃で保存し、ギ酸の濃度
とpHを調べた。また、前述の官能試験方法と同じよう
にして、専門のパネリスト5名により官能試験評価を行
った。評価方法も前述と同様である。
1.(A)炭素数10以下の脂肪酸の合計量が牛乳のそ
れの80重量%以下である脂肪分、および(B)無脂乳
固形分、とを乳代替成分として含有することを特徴とす
る乳風味飲料。2. 前記乳代替成分中の全乳糖含有率
が1重量%以下である前項1記載の乳風味飲料。3.前
記乳代替成分中の全乳糖含有率が0.5重量%以下であ
る前項1または2記載の乳風味飲料。4. 前記(A)
成分である脂肪が植物性脂肪である前項1、2または3
記載の乳風味飲料。5. 前記植物性脂肪がナタネ油、
コメ油、オリーブ油、サフラワー油、トウモロコシ油、
ラッカセイ油、パーム油、大豆油、ゴマ油、ヒマワリ油
および綿実油よりなる群から選ばれた少なくとも1種で
ある前項4記載の乳風味飲料。6. 前記(A)成分で
ある脂肪が生クリームまたは生クリーム乳化物である前
項1、2、3、4または5記載の乳風味飲料。7. 前
記(A)成分である炭素数10以下の脂肪酸の合計量が
牛乳のそれの50重量%以下である前項1、2、3、
4、5または6記載の乳風味飲料。8. 前記(B)成
分である無脂乳固形分が乳蛋白質濃縮物または脱脂乳で
ある前項1、2、3、4、5、6または7記載の乳風味
飲料。9.前記乳風味飲料が単糖類および/または乳糖
以外の二糖類を含まないものである前項1、2、3、
4、5、6、7または8記載の乳風味飲料。10.前記
乳風味飲料が糖アルコールおよび/または非糖類甘味料
(ジテルペン配糖体)を含むものである前項1、2、
3、4、5、6、7、8または9記載の乳風味飲料。1
1.前記乳風味飲料全体の中の乳糖含有率が1重量%以
下である前項1、2、3、4、5、6、7、8、9また
は10記載の乳風味飲料。12.前記乳風味飲料全体の
中の乳糖含有率が0.5重量%以下である前項1、2、
3、4、5、6、7、8、9または10記載の乳風味飲
料。13.前記飲料がコーヒーまたは紅茶である前項
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11また
は12記載の乳風味飲料。
〜C10の脂肪酸量を1としたときの比較例1に対する前
記脂肪酸量を示す棒グラフである。
けるギ酸濃度変化と保存期間の関係を示すグラフであ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 炭素数10以下の脂肪酸の合計量が牛乳
のそれの80重量%以下である脂肪分と、無脂乳固形分
と、を乳代替成分として含有させることにより、乳風味
飲料を加温状態で保存した場合の乳由来の劣化臭の発生
を抑制する方法。 - 【請求項2】 炭素数10以下の脂肪酸の合計量が牛乳
のそれの80重量%以下である脂肪分と、無脂乳固形分
と、を乳代替成分として含有し、加温状態で保存した場
合の乳由来の劣化臭が発生すること抑制用の乳風味飲
料。 - 【請求項3】 炭素数10以下の脂肪酸の合計量が牛乳
のそれの80重量%以下である脂肪分と、無脂乳固形分
と、を乳代替成分として含有し、かつ、乳代替成分中の
全乳糖含有率が1重量%以下である、加温状態で保存し
た場合の乳由来の劣化臭が発生すること抑制用の乳風味
飲料。 - 【請求項4】 前記全乳糖含有率が0.5重量%以下で
ある請求項3記載の飲料。 - 【請求項5】 炭素数10以下の脂肪酸の合計量が牛乳
のそれの80重量%以下である脂肪分と、無脂乳固形分
と、を乳代替成分として含有し、全体の中の乳糖含有率
が1重量%以下である請求項3または4記載の乳風味飲
料。 - 【請求項6】 前記全体の乳糖含有率が0.5重量%以
下である請求項3から5いずれか記載の乳風味飲料。 - 【請求項7】 前記乳風味飲料が単糖類および/または
乳糖以外の二糖類を含まず、糖アルコールおよび/また
は非糖類甘味料(ジテルペン配糖体)を含むものである
請求項2から6いずれか記載の飲料。 - 【請求項8】 前記糖アルコールはエリスリトールであ
り、前記非糖類甘味料はステビアである請求項7記載の
飲料。 - 【請求項9】 密閉容器入りの飲料であることを特徴と
する請求項2から8いずれか記載の飲料
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-
1998
- 1998-08-19 JP JP10232648A patent/JP3103529B2/ja not_active Expired - Lifetime
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