JP3099977B2 - 油中水型乳化化粧料およびその製造方法 - Google Patents

油中水型乳化化粧料およびその製造方法

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JP3099977B2 JP03130408A JP13040891A JP3099977B2 JP 3099977 B2 JP3099977 B2 JP 3099977B2 JP 03130408 A JP03130408 A JP 03130408A JP 13040891 A JP13040891 A JP 13040891A JP 3099977 B2 JP3099977 B2 JP 3099977B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油中水型乳化化粧料お
よびその製造方法に係り、特に、粉体を含む油中水型乳
化化粧料の安定性および使用感の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油中水型乳化化粧料は、肌表面を
オイル膜でカバーし水分蒸発を防ぐため、肌荒れ等に有
効であり、また、撥水性があることから化粧崩れを防ぐ
効果があるので、基礎化粧品や仕上げ化粧品に広く使用
されている。このような油中水型乳化化粧料の従来例と
して、シリコン油を基材としたものが知られている。シ
リコン油は、滑沢性、撥水性に優れ、特に揮発性シリコ
ンは塗布時の伸びが良く化粧くずれし難いことから近年
多用されている。しかしながら、シリコン油を基材とし
て安定性が良好な油中水型乳化化粧料を得るのは極めて
困難であった。従って、油中水型乳化化粧料の安定性を
向上することが強く要望されていた。
【0003】従来、ファンデーションのように粉体を含
む油中水型乳化化粧料の調製方法としては、親油性界面
活性剤と粉体とを油相に分散させておき、70〜80℃
に加熱した後同程度の温度に加熱した水相を添加してこ
れをホモミキサー等で攪拌する方法が存在する。この方
法は、非常に簡単な方法であるが、均一且つ微細なエマ
ルションを得ることが困難である等のため、エマルショ
ンの合一ないしは破壊が生じて水相が分離したり、ま
た、粉体の凝集、沈殿が生じる等安定性が良好な油中水
型乳化化粧料を得るためには適切な方法ではなかった。
【0004】そこで、油中水型エマルションの保存安定
性を向上するために、親油性増粘剤(ゲル化剤)として
デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、
金属石鹸等を添加した油中水型乳化化粧料が存在する。
【0005】また、油中水型乳化化粧料の他の製造例と
して、水相に油相を加えてゆき転相させる方法もある。
さらに、ゲルや液晶を利用して均一微細なエマルション
を得るために、第1段階で脂肪酸グリセライドに攪拌し
ながら多価アルコールを加えてゲル(D)を作り、これ
に水相(W)を添加してW/D(ゲルエマルション)を
調製し、第2段階でこのゲルエマルションに油相を添加
する方法も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】親油性増粘剤を使用し
た従来の油中水型乳化化粧料は、粉体の分散性が不良で
ある、のびが悪い、べたつき感がある等使用感を大きく
低下させるという問題があった。
【0007】また、水相に油相を加えて転相させる従来
の油中水型乳化化粧料では、油相の量が少ないと転相せ
ず、また、エマルションの粒子径は冷却温度に依存する
ため微細なエマルションを得る上で急冷を必要とし、固
形油性成分の凝固による粉体の凝集が引き起こされる。
従って、粉体を含む均質な油中水型乳化化粧料を得るの
は困難であった。
【0008】さらに、ゲルや液晶を利用した従来の油中
水型乳化化粧料の製造方法は、第1段階で生成する液晶
相やゲル相が非常に高粘度なため、工業的にこの方法を
利用する場合にはその取扱いが困難となり実用的に不利
であった。また、粉体の分散性も悪く、そして、化粧料
としてのべたつき感もある等化粧料の使用感も悪化する
という問題があった。
【0009】そこで、この発明はこのような従来の課題
を解決するために、ゲル化剤等を使用しなくても安定性
に優れ、かつ使用感にも優れた油中水型乳化化粧料およ
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、油性基材中
に、この油性基材に溶解しない油性成分と水相とをそれ
ぞれ分散乳化させた、親油性増粘剤を含まない油中水型
乳化化粧料およびこの製造方法を提供することにより、
前記目的を達成して前記課題を解決している。本発明に
係る油中水型乳化化粧料には、親油性粉体をさらに分散
混合できる。この親油性粉体の混合は、エマルションの
形成後に行うことが望ましい。そして、前記油性基材と
してはシリコン油が望ましい。また、本発明に係る油中
水型乳化化粧料のタイプとしては、液状ファンデーショ
ンであることが好適である。
【0011】
【作用】本発明者は、油中水型乳化化粧料の保存安定性
について鋭意検討したところ、油性基材(O1)中に、水
相(W)と油性基材とは異なる他の油性成分(O2)を分
散させることにより、油中水型乳化化粧料の保存安定性
を顕著に向上することを見い出した。以下に本発明によ
り油中水型乳化化粧料の保存安定性を向上できる作用に
ついて説明する。
【0012】分散乳化された水相(W)相互の間には、
分散乳化された油性成分(O2)が存在し、そして、分散
された水相の界面活性剤と分散された油性成分の界面活
性剤とが互いに吸着して、水相(W)の周囲に油性成分
(O2)が吸着した構造となる。水相の界面活性剤と油性
成分の界面活性剤との吸着層は、ゲル化してゲルネット
ワークが形成される。この時、連続相(油性基材)を通
しての水相エマルションの移動を抑制できること、およ
び、水相エマルションはその周囲に吸着した油性成分に
より保護されていること、によりエマルションの合一や
破壊による水相(W)の分離を抑制できる。
【0013】また、親油性粉体(P)が含有されても、
この粉体の周囲に油性成分が吸着して粉体を均一、かつ
安定に分散できるために、粉体が水相(W)に吸着した
り、粉体が凝集しそれに伴う粉体の沈降を抑制すること
ができる。
【0014】そして、本発明によれば、水相や粉体を油
性基材中に均一、かつ安定して分散できるため、水相の
分離や粉体の凝集,沈殿を防止して化粧料の使用感を向
上することがてきる。水相の分離や粉体の凝集,沈殿が
生じると、化粧料を塗布する際に抵抗感が一様でなくな
り、そして化粧仕上がりにも「化粧むら」が生じる。ま
た、化粧料の安定化に際して、ゲル化剤を使用しないた
め、べたつき感等を無くして使用感を向上し、工業的に
本発明法を利用する場合にその取扱を容易にする。
【0015】本発明に係る油性基材としては、パラフィ
ン等の固形炭化水素、流動パラフィン,スクワラン等の
液状炭化水素、ワセリン等のペースト状炭化水素、ステ
アリン酸,オレイン酸等の高級脂肪酸、ラウリルアルコ
ール,ステアリルアルコール等の高級アルコール、ゴマ
油等の植物油や動物油、ミリスチン酸エステル等の合成
エステル油、ラノリン等のロウ、ポリブテン等の不飽和
炭化水素、シリコン油、パーフルオロポリエーテル等の
フッ素系油等の公知の油性基材を広く使用することがで
きる。これらの油性基材は単独あるいは二種以上を混合
して使用することができる。いかなる油性基材を使用す
るかは、化粧料のタイプが、固形化粧料であるか、液体
化粧料であるか、半固形状化粧料であるか、等によって
決定される。
【0016】本発明による油中水型乳化化粧料の安定性
の向上の効果は、油性基材中にシリコン油が10重量%
以上含有されている場合に顕著となる。シリコン油は、
滑沢性、撥水性に優れ、かつ使用感にも優れた特性を有
するが、安定な油中水型エマルションを形成し難い性質
を有している。シリコン油としては、ジメチルポリシロ
キサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニ
ルポリシロキサン、メチルハイビロジェンポリシロキサ
ン等があり、特に、ジメチルポリシロキサン、ジメチル
シクロポリシロキサン等の揮発性シリコン油が望まし
い。揮発性シリコン油は、油性感、べたつき感をより軽
減して使用感を一層向上できる。
【0017】油性基材中に分散される油性成分として
は、油性基材に溶解しないものであり、油性基材中に分
散できるものである。油性基材中に、該油性基材に溶解
しない他の油性成分を分散させることにより、化粧料に
油性成分の存在に起因する付加的特性を付与することが
できる。例えば、油溶性ビタミン(生理活性)、パーフ
ルオロ化合物等のフッ素系オイル、ホホバ油(使用感の
改良)、ポリブテン(つや出し)、ワックス類(粘度を
500〜数万cpの範囲内で調整)等、化粧料に所望の
特性を広く付加することができる。このような油性成分
としては、例示したものを単独で使用するばかりでな
く、二種以上を同時に使用することもできる。
【0018】油性基材中に分散される油性成分は、油性
基材に溶解しないものである。これは、油性基材に溶解
しないことにより、油中油型のエマルション(O/O
)が形成し易いことによる。例えば、油性基材として
ジメチルポリシロキサンを使用した場合は、油性成分と
してこれに溶解しない、パラフィン、スクワラン、ワセ
リン、オレイン酸、ステアリルアルコール、ビーズワッ
クス、エステルガム等の固形料、ゴマ油、ミリスチン酸
セチル、ポリブテンの一種または二種以上を使用するこ
とができる。また、油性基材に炭化水素を使用した場合
には、油性成分として、ジメチルポリシロキサン(0.
65〜100万cp)を使用することができる。
【0019】シリコン油が油性基材の油中水型乳化化粧
料では、スクワランやエステル油を油性成分として配合
することによりW/O型エマルションの安定性が向上
し、さらに油性成分の混合によりシリコン油の持つきし
み感が改良され、滑らかな化粧料とすることができる。
また、パラフィンを油性基材として使用した化粧料にシ
リコン油を油性成分として配合することにより、さらに
撥水性が高く皮膚に付着性の良好な化粧料を提供するこ
とができる。
【0020】油性成分(O2)を油性基材(O1)に分散さ
せるためには、油性成分を乳化できる界面活性剤を使用
することが好ましい。このような界面活性剤としては、
油性基材に親和性を有する部分と、油性成分に親和性を
有する部分とを備えるものであって、HLBが3以下の
ものが好ましく、油性基材および油性成分の種類に応じ
て適宜選択される。特に、グリコール、グリセリン等の
多価アルコールとオレイン酸,ステアリン酸,カプロン
酸,オクタン酸等の高級脂肪酸との水酸基を残さない飽
和エステル、エステル油、植物油、ステアリル変性シリ
コン,セチル変性シリコン,ミリスチル変性シリコン等
の脂肪酸変性シリコン(構造式を別紙の
【化1】 に示す)、パーフルオロ界面活性剤等のフッ素系のもの
が好適である。シリコン油には、他の油性成分を均一に
混合することが困難であったが、このような界面活性剤
を使用することにより、油性成分を均一に混合すること
ができる。また、油性成分が固体の場合、油性基材中に
均一に分散することは困難であり経時で凝集してくる
が、前記界面活性剤を使用することによって固体状の油
性成分でも油性基材中で凝集,沈降することなく均一に
分散することができる。これにより、油性基材と油性成
分との間に比重差がある場合でも、油性成分を油性基材
中に安定して分散乳化することができる。
【0021】本発明において、水相としては、各種の化
粧料に使用される水溶性物質であり、例えば、水,エタ
ノール,グリセリン,ソルビトール,プロピレングリコ
ール,1,3−ブチレングリコール等の低級アルコール
または多価アルコールの一種または二種以上が挙げられ
る。そして、このような水相を油性基材中に分散する界
面活性剤としては、HLBが3を越え8以下のものが好
ましく、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸グ
リセリド、ポリオキシアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性界面活
性剤、4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、
シリコン系界面活性剤等の公知の界面活性剤を使用する
ことができる。これらの界面活性剤は単独あるいは二種
以上を混合して使用することもできる。
【0022】本発明における水相および油性成分のミセ
ルの粒径は、0.3〜20μであることが望ましい。
0.3μ未満のミセルを形成することは高度な機械的攪
拌力を必要とし一般的でなく、20μを越えると、エマ
ルションの合一等が生じる場合もあるからである。
【0023】本発明の油中水型乳化化粧料には、顔料等
の粉体を混合することができる。例えば、タルク,マイ
カ,セリサイト,カオリン,シリカ,ポリスチレンパウ
ダ,アクリルパウダ,ナイロンパウダ等の体質顔料、酸
化チタン,亜鉛華,酸化鉄,酸化コバルト,酸化クロ
ム,群青,雲母チタン,紺青等の無機着色顔料、有機タ
ール着色顔料、無機または有機着色染料等の一種または
二種以上を使用することができる。
【0024】これらの粉体のうち親油性でないものは、
予め親油処理される。親油処理としては、粉体の表面に
油性基材を焼き付ける等して固定する方法や、界面活性
剤を吸着させる方法等がある。例えば、シリコン処理粉
体、金属石鹸処理粉体、高級脂肪酸処理粉体、パラフィ
ン処理粉体、キトサン処理粉体が挙げられる。そして、
油性基材中に粉体を安定して分散させるために、粉体は
より微細なものであることが望ましい。粉体の粒径とし
ては、40μ以下であることが望ましく、特に、水相や
油性成分のミセルより小さいことが望ましい。粉体の微
細化は公知の方法を使用することにより可能であり、ハ
ンマーミル,ビーズミル,ポールミル,ジェットミル,
ピンミルを使用することが好ましい。
【0025】次に本発明の化粧料中の各種成分の配合割
合について説明する。(油性基材(O)/水相
(W))の重量比は、化粧料が固形または半固形の場合
では、1〜19の範囲にあることが望ましく、特に3/
2〜9であることが好ましい。この比が1未満である
と、水相成分が多くなり、固形または半固形の化粧料に
することが困難となり、かつエマルションの安定性が損
なわれるからである。また、この比が19を越えると、
水相成分を添加した効果を十分発揮することができない
からである。
【0026】化粧料が液体状の場合には、前記(油性基
材(O1)/水相(W))の重量比は3/7〜19の範囲
にあることが望ましい。この重量比が3/7未満である
と、油性基材が少なくなり、転相のおそれもある。一
方、この比が19を越えると水相成分を添加した効果を
十分発揮することができないからである。
【0027】油性成分(O2)の重量比(O2 /O1)は、
1/19〜3/7の範囲にあることが望ましく、特に、
1/9〜3/7が好ましい。また、油性成分(O2)の水
相(W)に対する重量比(O2 /W)は、1/4〜4で
あることが望ましい。この重量比が1/4未満である
と、油性成分が少ないことにより油中水型エマルション
を十分安定化することができず、また、この比が4を越
えると、油性成分(O2)エマルションの安定性を損なう
からである。
【0028】油性成分(O2)と水相(W)との油性基材
(O1)に対する重量比 〔(O2 +W)/(O1)〕は、7/3以下であることが
望ましい。油性成分と水相成分との合計量が7/3を越
えると、油性基材の量が少なくなり、転相の問題があ
る。特に、1以下であることが好ましい。
【0029】油性成分を油性基材中に分散させるために
は、前記O2 /O1 型のエマルションを形成する界面活
性剤の配合量は、油性成分(O2)に対して5重量%以上
であることが望ましい。5重量%未満では、油性成分を
安定して分散することができない。また、水相(W)を
油性基材中(O1)に分散させるための界面活性剤の配合
量は、水相に対して5〜30重量%、特に、5〜20重
量%であることが好ましい。5重量%未満であると水相
成分を安定して分散することができず、また、30重量
%を越えると使用感が損なわれる。
【0030】本発明の化粧料に含有される粉体の配合量
は、化粧料の種類によって適宜決定されるものであり、
0〜95重量%の範囲で粉体を化粧料中に配合すること
ができ、比較的広範囲の配合量が可能である。粉体を化
粧料中に例えば、5〜40重量%、特に10〜30重量
%配合することにより乳液状ファンデーションを得るこ
とができる。粉体の配合量が多いとパウダー状ないしは
ケーキ状となり、粉体の配合量が少ないとリキッド状と
なる。粉体を配合する際には、十分攪拌することが好ま
しく、特に粉体の配合量に応じてミキサーを選択する必
要がある。粉体の配合量が多い時には、ヘシシェルミキ
サーを使用し、粉体の配合量が少なくなるにしたがっ
て、ホモミキサー、ディスパージョンミキサーを使用す
る。
【0031】本発明の油中水型乳化化粧料には、粉体の
他、更に通常化粧料に用いられるその他の成分と、水性
成分、または油性成分として、本発明の効果を損なわな
い範囲で添加することができる。このような成分とし
て、保湿剤、細胞間脂質(セラミド等)、紫外線吸収
剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、
増粘剤、色素、香料、アルカリ金属,アルカリ土類金
属,アルミニウムの硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩等の無機
塩、収斂剤、酸化防止剤、ビタミン剤等の医薬品、乳
酸,乳酸ナトリウム、コンドロイチン4硫酸ナトリウム
等の多糖硫酸塩,単糖類硫酸塩、等を挙げることができ
る。
【0032】本発明は、液体状、固形状、半固形状の各
種の化粧料に適用することができ、具体的には、ハンド
クリーム,ナイトクリーム等のフェースクリーム、ヘア
ークリーム、ボディクリーム、日焼け止めクリーム、フ
ァンデーション(リキッド状、クリーム状、パウダー
状)、マスカラ、アイライナー、チークカラー、アイシ
ャドー、口紅(スティック状、リキッド状)である。特
に、乳液状のファンデーションにおいて、エマルション
の安定化、使用感の向上等本発明の効果がより顕著にな
る。
【0033】次に本発明に係る油中水型乳化化粧料の製
造方法について説明する。先ず、第1の工程では、油性
基材中に親油性界面活性剤により油性成分を分散混合し
て、油性成分が油性基材中に存在する油中油型のエマル
ションを形成する。次いで第2の工程では、親水性界面
活性剤を使用して油性基材中に水相を、好ましくは20
〜90℃で、特に望ましくは30〜70℃で分散乳化し
て微細なエマルションを形成し、次いで室温まで冷却す
る。この結果、油性基材を連続相とした、(W+O2)/
1 型の乳化化粧料を得ることができる。
【0034】そして、この化粧料に粉体を混合する場合
は、粉体が親油性でない場合は、粉体に親油処理をした
後、ホモミキサー、ディスパージョンミキサー等を使用
して粉体を化粧料に混合すれば良い。従来は、W/O型
エマルション中での粉体の分散安定性が不良であるた
め、粉体をエマルション形成前に油性基材中に混合して
いたが、本発明では油性基材中に分散する油性成分があ
り、この油性成分により粉体の分散安定性を向上するこ
とができるため、粉体を(W+O2)/O1 型エマルショ
ン形成後に混合することが望ましい。但し、エマルショ
ン形成前に粉体を混合することを妨げるものではない。
尚、本発明方法において、化粧料が半固形ないしは固形
状である場合は、粉体の混合は化粧料の冷却前に行う。
【0035】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。尚、
以下の説明において、各処方の配合割合は重量%で示し
た。
【0036】(実施例1) ファンデーション(液状) 油性基材 ジメチルポリシロキサン(10cs) 32.9 油性成分 流動パラフィン 10.0 ポリブテン 2.0 固形パラフィン 2.0 水相成分 精製水 25.0 1,3ブチレングリコール 5.0 界面活性剤 ジオクタン酸ネオペンチルグリコール(HLB1.3) 1.0 ポリエーテル変性シリコン(HLB4.5) 2.0 ジイソステアリン酸ジグリセリル(HLB6.0) 2.0 添加成分 パラベン 0.1 粉体 親油処理酸化チタン 8.0 親油処理タルク 5.0 親油処理セリサイト 3.0 親油処理酸化鉄 2.0
【0037】(実施例1の製法)ジメチルポリシロキサ
ンにジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ポリエーテ
ル変性シリコン、ジイソステアリン酸ジグリセリルを加
え、これらを70℃に加熱する。次いで、スクワラン,
ポリブテン,固形パラフィンを加え乳化機にて攪拌する
ことにより、油性基材中に油性成分が乳化したエマルシ
ョンを調製した。次いで、1,3ブチレングリコール、
パラベン、精製水を50℃に加熱し、これを先のエマル
ションに添加し乳化機を用いて攪拌し、室温まで冷却す
る。次いで、親油処理粉体を添加して攪拌混合すること
により、ファンデーション(液状)を得た。粉体はシリ
コン処理粉体(大東化成製、「ピグモライト(商品
名))を使用した。尚、以下に示す各実施例および比較
例は、本製法に準じて製造される。そして、半固形状お
よび固形状の化粧料の製造に際しては、粉体を化粧料の
冷却前に添加した。
【0038】 (比較例1) ファンデーション(液体状) 油性成分および油性成分の界面活性剤を添加しない以外
は、実施例1と同様にした。
【0039】 (実施例2) ファンデーション(クリーム状) 油性基材 流動パラフィン 21.9 油性成分 ジメチルポリシロキサン(10cs) 5.0 ジメチルポリシロキサン(1000cs) 5.0 水相 精製水 20.0 1,3ブチレングリコール 5.0 界面活性剤 ステアリル変性シリコン(HLB 0) 5.0 ジイソステアリン酸ジグリセリル(HLB6.0) 3.0 添加成分 パラベン 0.1 粉体 親油処理酸化チタン 10.0 親油処理タルク 10.0 親油処理セリサイト 10.0 親油処理酸化鉄 5.0
【0040】 (比較例2) ファンデーション(クリーム状) 油性成分および油性成分の界面活性剤を添加しない以外
は、実施例と同様にした。
【0041】(実施例3) 乳液 油性基材 ジメチルポリシロキサン(20cs) 70.4 油性成分 ワセリン 2.0 流動パラフィン 5.0 水相 精製水 20.0 界面活性剤 コレステロール(HLB1.0) 0.5 ポリエーテル変性シリコン(HLB4.5) 2.0 添加成分 0.1 パラベン
【0042】(比較例3) 乳液 油性成分および油性成分の界面活性剤を添加しない以外
は、実施例と同様にした。
【0043】(実施例4) 口紅 油性基材 流動パラフィン 38.6 固形パラフィン 20.0 ラノリン 5.0 油性成分 ジメチルポリシロキサン(10000cs) 8.0 界面活性剤 ジオクタン酸ネオペンチルグリコール(HLB1.3) 1.0 ジオレイン酸ジグリセリル(HLB7.0) 4.0 水相 精製水 15.0 1,3ブチレングリコール 2.0 添加剤 パラベン 0.1 赤色202号 0.3 粉体 酸化チタン 6.0
【0044】(比較例4) 口紅 油性成分および油性成分の界面活性剤を添加しない以外
は、実施例と同様にした。
【0045】(実施例5) クリーム 油性基材 デカメチルシクロペンタシロキサン 35.8 油性成分 流動パラフィン 15.0 ビーズワックス 2.0 固形パラフィン 2.0 重質イソパラフィン 3.0 界面活性剤 イソノナン酸イソノナン(HLB 0) 1.0 ソルビタンセスキオレエート(HLB3.7) 3.0 水相 精製水 30.0 プロピレングリコール 8.0 添加剤 パラベン 0.2
【0046】(比較例5) クリーム 油性成分および油性成分の界面活性剤を添加しない以外
は実施例5と同様にした。
【0047】(実施例6)以上の実施例1〜5および比
較例1〜5の各々の処方の化粧料について、化粧料の経
時安定性の評価を次の方法により行った。評価結果を表
1に示す。0℃,室温、40℃(恒温槽利用)に一ヵ月
放置して、試作直後の安定性を評価した。
【0048】「水相の分離」、または、「粉体の凝集、
浮遊、沈殿」、ないしはこれらに基づく化粧料(固形化
粧料)表面の「色むら,あせ」が観察されるか否かを評
価の基準とした。そして、これらが全く観察されないも
のを「○」、これらが僅かに観察されるものを「△」、
これらがはっきりと観察されるものを「×」とそれぞれ
判定した。これらの結果を
【表1】 に示す。
【0049】また、実施例1〜5および比較例1〜5の
各々の処方の化粧料について、女性パネラー20名に化
粧料の使用感の良否について評価した。水相分離、粉体
の凝集、浮遊、沈殿が発生すると、化粧料の塗布時の抵
抗感が不均一になり、粉体の凝集,沈殿が発生すると化
粧むらが生じる。そこで、使用感の評価は、化粧料塗布
時の「抵抗感」が一様であるか、そして、「化粧むら」
があるか、を評価の基準とした。
【0050】抵抗感が一様なものを「○」、抵抗感に僅
かに違いがあるものを「△」、抵抗感の違いをはっきり
と観察できるものを「×」と判定した。また、化粧むら
がないものを「○」、化粧むらが僅かに体感されるもの
を「△」、化粧むらがはっきりと体感されるものを
「×」と判定した。これらの結果も
【表1】に示す。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、油性基材中に、この油性基材とは異なる油性成分と
水相とをそれぞれ分散する構成としたために、安定性に
優れ、かつ使用感にも優れた油中水型乳化化粧料を提供
することができる。そして、本発明に係る製造方法によ
れば、工業的な取扱も非常に良好となる。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油性基材中に、この油性基材に溶解しな
    油性成分と水相とがそれぞれ分散乳化されており、且
    つ親油性増粘剤を含まないことを特徴とする油中水型乳
    化化粧料。
  2. 【請求項2】 さらに、親油性粉体が分散されている請
    求項1記載の油中水型乳化化粧料。
  3. 【請求項3】 前記化粧料が液状ファンデーションであ
    る請求項2記載の油中水型乳化化粧料。
  4. 【請求項4】 前記油性基材がシリコン油である請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載の油中水型乳化化粧
    料。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の油中水型乳化化粧料を製
    造する方法であって、油性基材中に、この油性基材に溶
    解しない油性成分を、親油性増粘剤を使用せずに分散乳
    化する工程と、さらに水相を分散乳化する工程と、を有
    する油中水型乳化化粧料の製造方法。
  6. 【請求項6】 さらに、親油性粉体を分散混合する工程
    を有する請求項5記載の油中水型乳化化粧料の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記粉体の混合をエマルションの形成後
    に行う請求項6記載の油中水型乳化化粧料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記化粧料が液状ファンデーションであ
    る請求項6または7記載の油中水型乳化化粧料の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記油性基材がシリコン油である請求項
    5ないし8のいずれか1項に記載の油中乳化化粧料の製
    造方法。
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