JP3098191B2 - ゴム・熱可塑性エラストマー積層体 - Google Patents

ゴム・熱可塑性エラストマー積層体

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JP3098191B2
JP3098191B2 JP08167301A JP16730196A JP3098191B2 JP 3098191 B2 JP3098191 B2 JP 3098191B2 JP 08167301 A JP08167301 A JP 08167301A JP 16730196 A JP16730196 A JP 16730196A JP 3098191 B2 JP3098191 B2 JP 3098191B2
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thermoplastic elastomer
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polyamide
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秀一 武山
紀明 黒田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱劣化性に優れ
かつ振動疲労等の耐久性に優れたゴム・熱可塑性エラス
トマー積層体、並びにこのゴム・熱可塑性エラストマー
積層構造を有する空気入りタイヤ及びホースに関する。
さらに詳しくは、本発明は、それ自体が有する耐ガス透
過性と柔軟性とのバランスに優れた点を保持しつつ、積
層体成形時における耐熱劣化性が良好で、また成形後に
おける長期の振動による屈曲耐久性に優れた、タイヤ及
びホース等に供することができるゴム・熱可塑性エラス
トマー積層体の提供に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム組成物を表面処理し、溶液化された
ポリアミド系樹脂を500μ以下の厚さでコートして得
られたポリアミド系樹脂/ゴム積層物が、優れた耐溶剤
性、耐ガス透過性、ゴム配合物中の成分のマイグレーシ
ョン防止性、耐摩耗性等を示すことは、特開昭59−1
2366号公報により開示され既に公知のことである。
そして、かかる積層体は、特に、前記のような特性を有
するため、タイヤのインナーライナー層やホースの内管
等にも好適に用いられている。しかしながら、前記のポ
リアミド系樹脂は、実質的にゴムとの接着性が悪いとい
う問題があり、また、ゴムと積層した後に繰り返し過酷
な動的疲労を受けると亀裂を生ずるという欠点がある。
【0003】そこで、前記のポリアミド系樹脂に代え
て、ポリアミド系熱可塑性樹脂を連続相(マトリック
ス)とし、エラストマーを分散相(ドメイン)とする熱
可塑性エラストマー組成物とゴムとの積層体が本発明者
等によって考案され、これにより前記接着性が改良され
ると共に、特に耐ガス透過性と柔軟性とのバランスに優
れた素材を提供したが、未だその過酷な使用条件下にお
ける耐熱劣化性と動的疲労下での耐屈曲亀裂性の点で不
充分である。
【0004】また、ポリアミド系樹脂の耐熱性を改善す
ることを目的として、ポリアミド系樹脂へハロゲン化
銅、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、芳香族
アミンを添加すること(「ポリアミド樹脂ハンドブッ
ク」、日刊工業新聞社)、また、結晶核剤でポリアミド
系樹脂の結晶を微細化すること等は公知である。しかし
ながら、ポリアミド系樹脂を連続相とし、エラストマー
を分散相とする熱可塑性エラストマー組成物にこれらの
化合物を含有した組成物とゴム組成物を積層した場合
に、該積層体の押出成型、加硫等の成形加工時の耐熱劣
化性並びにその使用時の耐熱劣化性や、耐屈曲亀裂性が
共に向上するという事実を示す公知文献はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
アミド系熱可塑性樹脂を連続相とし、エラストマーを分
散相とする熱可塑性エラストマー組成物における耐ガス
透過性と柔軟性に優れた特性を維持しつつ、更にその加
硫時の耐熱劣化性を高め、かつ、これとゴム組成物とで
積層体を構成したときの使用時の耐熱劣化性と動的疲労
に対する耐屈曲亀裂性に優れたゴム・熱可塑性エラスト
マー積層体を提供することにある。また、本発明の目的
は、前記諸特性に優れたゴム・熱可塑性エラストマー積
層構造を有する空気入りタイヤ及びホースを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリア
ミド系熱可塑性樹脂組成物に、エラストマー組成物およ
び(i)ハロゲン化銅、ヒンダードフェノール、ヒンダ
ードアミン及び芳香族アミンより選ばれる化合物を1種
以上含む熱可塑性エラストマー組成物(A)からなる層
とゴム組成物(B)からなる層とを積層させてなるゴム
・熱可塑性エラストマー積層体が提供される。
【0007】本発明によれば、また、前記熱可塑性エラ
ストマー組成物(A)に、(ii)結晶核剤又は結晶化防
止剤を含むゴム・熱可塑性エラストマー積層体が提供さ
れる。
【0008】本発明によれば、前記熱可塑性エラストマ
ー組成物(A)からなる層、あるいはこの熱可塑性エラ
ストマー組成物(A)に(ii)結晶核剤又は結晶化防止
剤を含む層とゴム組成物(B)からなる層とからなるゴ
ム・熱可塑性エラストマー積層構造を用いて、耐ガス透
過性、柔軟性に優れ、しかも成形時における熱変性もな
く、また苛酷な使用条件にも耐える耐熱劣化性と使用時
の動的疲労に対する屈曲亀裂性を有した空気入りタイヤ
及びホースが提供される。
【0009】本発明によるゴム・熱可塑性エラストマー
積層体に用いられる熱可塑性エラストマー組成物は、ポ
リアミド系熱可塑性樹脂組成物とエラストマー組成物か
らなる組成物であって、前記ポリアミド系熱可塑性樹脂
組成物の少なくとも一部が連続相(マトリックス)をな
し、この連続相中に前記エラストマー組成物の少なくと
も一部が分散相(ドメイン)として均一に混合されてい
るものであり、これらの組成比は、フィルムの厚さ、耐
ガス透過性、柔軟性等のバランスで適宜決めればよい
が、好ましい範囲は重量部でポリアミド系熱可塑性樹脂
/エラストマー組成物比が10/90〜90/10、更
に好ましくは15/85〜90/10である。
【0010】そして、このポリアミド系熱可塑性樹脂に
は、空気透過係数が25×10-12cc・cm/cm2 ・sec
・cmHg以下、好ましくは0.1×10-12 〜10×10
-12cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg、フレオンガス(HFC
134a)のガス透過係数で5.0mg・mm/24h・cm
2 以下、好ましくは、2.0mg・mm/24h・cm2 以下
で、ヤング率が500MPa 超、好ましくは500〜30
00MPa の任意のポリアミド樹脂を用いることができ、
かかるポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6
(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N
46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N1
2)、ナイロン610(N610)、ナイロン612
(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/N6
6)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66
/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロ
ン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナ
イロン66/PPS共重合体等が含まれる。
【0011】また、前記エラストマーには、空気透過係
数が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHgより大き
く、ヤング率が500MPa 以下の任意のエラストマー成
分もしくはそれらの任意のブレンド又はこれらにエラス
トマーの分散性や耐熱性などの改善その他のために一般
的にエラストマーに配合される補強剤、充填剤、架橋
剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤などの配合剤を必要
量添加したエラストマー組成物を用いることができる。
【0012】かかるエラストマーとしては、例えば、ジ
エン系ゴム及びその水素添加物(例えば、NR,IR、
エポキシ天然ゴム、SBR,BR(高シスBR及び低シ
スBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR)、オ
レフィン系ゴム(例えば、エチレンプロピレンゴム(E
PDM,EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレン
ゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチ
レンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、ア
クリルゴム(ACM)、アイオノマー)、含ハロゲンゴ
ム(例えば、Br−IIR,Cl−IIR、イソブチレ
ンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IP
MS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(C
HC,CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CS
M)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩
素化ポリエチレン(M−CM))、シリコンゴム(例え
ば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴ
ム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含イオウゴ
ム(例えば、ポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例え
ば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエ
ーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系
ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン
系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えば、スチレン系
エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステ
ル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミ
ド系エラストマー)等が含まれる。
【0013】本発明によれば、前記ポリアミド系熱可塑
性樹脂組成物とエラストマー組成物とからなる熱可塑性
エラストマー組成物に対して、ポリアミド系熱可塑性樹
脂組成物100重量部に対し(i)ハロゲン化銅、ヒン
ダードフェノール、ヒンダードアミン及び芳香族アミン
より選ばれる化合物の1種以上を0.001〜1.0重
量部、好ましくは0.005〜0.5重量部配合する
か、或いは又前記(i)の化合物に加えて更に(ii)結
晶核剤又は結晶化防止剤を(i)及び(ii)の総量で
0.001〜1.0重量部、好ましくは0.01〜0.
5重量部配合する。この配合量が少ないとゴム・熱可塑
性エラストマー積層体における所望の耐熱劣化性及び耐
屈曲亀裂性が発揮できず、逆に大きすぎても一定以上の
作用効果は達成されないので経済的に無駄である。
【0014】前記の添加剤(i)におけるハロゲン化銅
としては、例えば、ヨウ化第1銅、ヨウ化第2銅、塩化
第1銅、塩化第2銅、臭化第1銅、臭化第2銅、フッ化
第1銅及びフッ化第2銅等、及びこれらハロゲン化銅化
合物とハロゲン化カリウム等との混合物等が、また、ヒ
ンダードフェノールとしては、n−オクタデシル−3−
(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェ
ニル)プロピオネート、1,1,3−トリス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタ
ン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
ベンジルベンゼン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル)−S−トリアジ
ン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、エ
チレングリコール−ビス−〔3,3−ビス(3′−t−
ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)ブチレート〕、テ
トラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、3,
9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,
1−ジメチルエチル〕2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ〔5,5〕ウンデカン、1,6−ヘキサンジオー
ル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコ
ール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N′−ヘ
キサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシシンナムアミド)、N,N′−ビス〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニル〕ヒドラジン、2,2′−オキサミド−ビス−エ
チル−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)テレフタレ
ート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチ
ル〕イソシアヌレート、2,2′−チオ−ジエチレンビ
ス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕及び、2,2−ビス〔4−
{2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒド
ロシンナモイルオキシ)}エトキシフェニル〕プロパン
等が含まれる。
【0015】また、ヒンダードアミンとしては、コハク
酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒド
ロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮
合物、ポリ〔{6−(1,1,3,3)−テトラメチル
ブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジ
イル}{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6)−テ
トラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、2−〔3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−
n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル)、N,N′−ビス(3−アミ
ノプロピル)エチレンジアミノ−2,4−ビス〔N−ブ
チル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリ
アジン縮合物等が、芳香族アミンとしては、フェニル−
β−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、
1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、
−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメ
チル・キノリン、N−N′−ジフェニル−p−フェニレ
ンジアミン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−
フェニレンジアミン、ジアリル−p−フェニレンジアミ
ン、N−フェニル−N′−(1,3ジメチルブチル)−
p−フェニレンジアミン等が含まれる。
【0016】前記の添加剤(ii)における、結晶核剤と
しては、無機系微粒子(例えば、タルク、シリカ、グラ
ファイト)、金属酸化物(例えば、酸化マグネシウム、
酸化アルミニウム)、オリゴマー(例えば、カプロラク
タム二量体)、高融点ナイロン(融点200℃以上の例
えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6・66、
ナイロン6T、ナイロン22、ナイロン46)、カルボ
ン酸(例えば、アジピン酸、安息香酸)、カルボン酸ア
ミド(例えば、スクシンアミド、マロンアミド、フタル
アミド)、カルボン酸金属塩(例えば、アジピン酸ナト
リウム、安息香酸ナトリウム)、及び高級アルコールワ
ックス(例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコ
ール、オレインアルコール)等が使用できる。また、結
晶化防止剤としては、塩化リチウム、臭化リウチム、フ
ッ化リチウム等が有効に用いられる。
【0017】本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成
物において、前記した特定のポリアミド系熱可塑性樹脂
とエラストマー成分との相溶性が異なる場合は、更に適
当な相溶化剤を用いて両者を相溶化させるのが好まし
い。更に相溶化剤を混合することにより、ポリアミド系
熱可塑性樹脂とエラストマー成分との界面張力が低下
し、その結果、分散相を形成しているエラストマー粒子
径が微細になることから両成分の特性はより有効に発現
されることになる。そのような相溶化剤としては、一般
的にポリアミド系熱可塑性樹脂及びエラストマー成分の
両方又は片方の構造を有する共重合体、或いはポリアミ
ド系熱可塑性樹脂又はエラストマー成分と反応可能なエ
ポキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキ
サゾリン基、水酸基等を有した共重合体の構造をとるも
のとすることができる。これらは混合されるポリアミド
系熱可塑性樹脂とエラストマー成分の種類によって選定
すればよいが、通常使用されるものにはスチレン/エチ
レン・ブチレンブロック共重合体(SEBS)及びその
マレイン酸変性物、EPDM、EPDM/スチレン又は
EPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体及びその
マレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共重合体、反
応性フェノキシン等を挙げることができる。かかる相溶
化剤の配合量には特に限定はないが、好ましくはポリマ
ー成分(ポリアミド系熱可塑性樹脂とエラストマー成分
の総和)100重量部に対して0.5〜10重量部が良
い。
【0018】本発明によるゴム・熱可塑性エラストマー
積層体におけるゴム層の材料には特に限定はなく、従来
からタイヤ用又はホース用ゴム材料として一般に使用さ
れている任意のゴム材料とすることができる。かかるゴ
ムとしては、例えば、NR,IR,BR,SBR,NB
R等のジエン系ゴム、ブチル系ゴム、ハロゲン化ブチル
ゴム、イソブチレン−P−メチルスチレン共重合体のハ
ロゲン化物、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EP
M)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム
(EPDM)、CR,CHR,CHC,CM,CSM等
の塩素系ゴム、スチレン系エラストマー等にカーボンブ
ラック等の補強剤、プロセスオイル等の軟化剤、可塑剤
及び加硫剤、加硫助剤及び老化防止剤、加工助剤等の配
合剤を添加したゴム組成物とすることができる。
【0019】本発明における熱可塑性エラストマー組成
物(A)の製造方法は、予めポリアミド系熱可塑性樹脂
と前記のエラストマー成分(ゴムの場合は未加硫物)と
を2軸混練押出機等で溶融混練し、この混練中又は混練
前に(i)のハロゲン化銅、ヒンダードフェノール、ヒ
ンダードアミン、芳香族アミンから選ばれる化合物の1
種以上を添加する。また、必要により、(ii)の結晶核
剤又は結晶化防止剤を(i)と同時又は順次に添加す
る。そうして、連続相(マトリックス)を形成するポリ
アミド系樹脂中にエラストマー成分並びに前記(i)成
分のみ、或いは(i)成分及び(ii)成分を分散させ
る。エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加
硫剤及び必要に応じ加硫助剤を添加し、エラストマー成
分を動的に加硫させてもよい。また、ポリアミド系熱可
塑性樹脂又はエラストマー成分への各種配合剤(加硫
剤、加硫助剤は除く)は、上記混練中に添加してもよい
が、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。前記
ポリアミド系熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分並び
に前記添加剤成分(i)、あるいは同成分(i)及び
(ii)の混練に使用する混練機としては、特に限定はな
く、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2
軸混練押出機等が挙げられる。中でもポリアミド系熱可
塑性樹脂成分とエラストマー組成物成分と添加剤成分
(i)、あるいは成分(i)及び(ii)の混練、並びに
エラストマー成分の動的加硫には2軸混練押出機を使用
するのが好ましい。更に、2種類以上の混練機を使用し
て順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は
ポリアミド系熱可塑性樹脂成分が溶融する温度以上であ
ればよい。また、混練時の剪断速度は1000〜750
0 sec-1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒
から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の
加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。
【0020】本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物
には、更に一般的にポリマー配合物に配合される充填剤
(炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、クレー
等)、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の補強
剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤、顔料、染料、老化防止
剤等を上記空気(ガス)透過率、ヤング率の要件を損な
わない限り任意に配合することもできる。また、前記エ
ラストマー成分は熱可塑性樹脂との混合の際にエラスト
マー成分を動的に加硫する事もできる。エラストマー成
分を動的に加硫する場合の加硫剤、加硫助剤、加硫条件
(温度、時間)等は、添加するエラストマー成分の組成
に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものでは
ない。
【0021】加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架
橋剤)を用いることができる。具体的には、イオン系加
硫剤としては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオ
ウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジ
サルファイド、アルキルフェンアマイド(CBS)、N
−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンア
マイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフ
ェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチ
アゾール等、を例示でき、例えば、0.5〜4phr 〔ゴ
ム成分(ポリマー)100重量部あたりの重量部〕程度
用いることができる。また、有機過酸化物系の加硫剤と
しては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロ
パーオキサイド、2,4−ビクロロベンゾイルパーオキ
サイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,
5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例
えば、1〜20phr 程度用いることができる。更に、フ
ェノール樹脂系の加硫剤としては、アルキルフェノール
樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲ
ンドナーとアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架
橋系等が例示でき、例えば、1〜20phr 程度用いるこ
とができる。その他として、亜鉛華(5phr 程度)、酸
化マグネシウム(4phr 程度)、リサージ(10〜20
phr 程度)、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイル
キノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、
ポリ−p−ジニトロソベンゼン(2〜10phr 程度)、
メチレンジアニリン(0.2〜10phr 程度)が例示で
きる。
【0022】また、必要に応じて、加硫促進剤を添加し
てもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニ
ア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般
的な加硫促進剤を、例えば、0.5〜2phr 程度用いる
ことができる。具体的には、アルデヒド・アンモニア系
加硫促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等、グ
アジニン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアジニン
等、チアゾール系加硫促進剤としては、ジベンゾチアジ
ルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチア
ゾール及びそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩等、ス
ルフェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘキシル
ベンゾチアジルスルフェンアマイド(CBS)、N−オ
キシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンアマイ
ド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェン
アマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチアゾ
ール等、チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチル
チウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエチルチ
ウラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモノサル
ファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムテト
ラサルファイド等、ジチオ酸塩系加硫促進剤としては、
Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジエチルジ
チオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチオカーバ
メート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメート、T
e−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチ
オカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、
ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等、チオウレ
ア系加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチ
ルチオウレア等を挙げることができる。また、加硫促進
助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いること
ができ、例えば、亜鉛華(5phr 程度)、ステアリン酸
やオレイン酸及びこれらのZn塩(2〜4phr 程度)等
が使用できる。
【0023】上記方法で作成された熱可塑性エラストマ
ー組成物(A)は、次に押出し成形またはカレンダー成
形によってフィルム化される。フィルム化の方法は、通
常の熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーをフィルム
化する方法によれば良い。
【0024】このようにして得られる薄膜は、ポリアミ
ド系熱可塑性樹脂成分の連続相(マトリックス)中に少
なくとも一部のエラストマー成分が不連続相(ドメイ
ン)として分散した構造をとり、更に前記添加成分
(i)、あるいは成分(i)及び(ii)が前記連続相及
び不連続相中に均一分散された状態をとっている。かか
る状態の分散構造をとることにより、前記フィルムに柔
軟性と耐ガス透過性のバランスを付与することが可能
で、かつエラストマー成分が分散、架橋しているため
に、耐熱変形性改善、耐溶剤・耐水性向上と共に、添加
成分(i)及び結晶核剤、結晶化防止剤(ii)の配合に
より耐熱劣化性の改善及び良好な化学的安定性のため
に、振動疲労による耐屈曲亀裂性の向上等の効果を得る
ことが出来、またポリアミド系熱可塑性樹脂が連続相と
してエラストマー成分の分散相を覆っているため、ポリ
アミド系熱可塑性樹脂の加工が可能となるため通常の樹
脂用成形機、即ち押出し成形又はカレンダー成形によっ
てフィルム化することが可能となる。
【0025】本発明に係る前記熱可塑性エラストマー組
成物(A)の薄膜から成る空気透過防止層を有する空気
入りタイヤの製造方法についてその一例を説明すると、
予め前記の如く混練した熱可塑性エラストマー組成物
(A)を所定の幅と厚さの薄膜状に押出し、それをタイ
ヤ成型用ドラム上に円筒に貼り着ける。その上に未加硫
ゴムからなるカーカス層、ベルト層、トレッド層等の通
常のタイヤ製造に用いられる部材を順次貼り重ね、ドラ
ムを抜き去ってグリーンタイヤとする。次いで、このグ
リーンタイヤを常法に従って加熱加硫することにより、
所望の耐熱劣化性と耐屈曲亀裂性を有する軽量化空気入
りタイヤを製造することができる。なお、カーカス層の
外周面に空気透過防止層を設ける場合にも、これに準じ
て行うことができる。本発明による前記空気透過防止層
を接着せしめるゴム層の材料には特に限定はなく、従来
からタイヤ用ゴム材料として一般に使用されている任意
のゴム材料(例えば、NR,IR,BR,SBR等のジ
エン系ゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピ
レン共重合ゴム、スチレン系エラストマー等にカーボン
ブラック、プロセスオイル、加硫剤等の配合剤を添加し
たゴム組成物)とすることができる。
【0026】また、本発明に係る前記熱可塑性エラスト
マー組成物(A)の薄膜からなるガス透過防止層を有す
るホースの製造方法についてその一例を説明すると、先
ず、前記の如く予め混練調製した熱可塑性エラストマー
組成物(A)のペレットを使用して、予め離型剤を塗布
したマンドレル上に樹脂押出機によりクロスヘッド押出
方式で熱可塑性エラストマー組成物(A)を押出し、内
管を形成する。更に、内管上に樹脂用押出機を使用し他
の本発明の又は一般の熱可塑性エラストマー組成物を押
出し、又は、ゴム用押出機にて未加硫ゴム組成物を押出
し、内管外層を形成してもよい。次に、内管上に必要に
応じ接着剤を塗布、スプレー等により施こす。更に、内
管上に編組機を使用して、補強糸又は補強鋼線を編組す
る。必要に応じ補強層上に外管との接着のために接着剤
を塗布した後に、ゴム組成物を同様にクロスヘッドのゴ
ム用押出機により押出し、外管を形成する。最後に加硫
を施した後にマンドレルを引き抜くと、本発明のホース
が得られる。なお、上記製造方法では、マンドレルを使
用しているが、通常のゴム/樹脂複合ホースの製造法に
よりマンドレルを用いずに製造することもできる。本発
明のホースは、少なくとも内管、補強層及び外管を有
し、必要に応じて更に内管は内層と外層で構成されるも
のであるが、そのホースの使用目的、使用条件等によっ
ては、内管を更に多層化したり、ストレス・クラック防
止層等を設けたりしてもよい。
【0027】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに説明す
るが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するもので
ないことは言うまでもない。
【0028】実施例1〜5及び比較例1,2 (1)先ず、以下の表1におけるI〜VII で示す配合比
を用いてサンプルを作成する。各ナイロン樹脂ペレット
及び相溶化剤を二軸混練押出機の第1の投入口より投入
し、溶融混練した後に第2の投入口よりゴム成分のペレ
ットを投入し、ナイロン樹脂中にゴム成分を微細に分散
させた後、第3の投入口よりエラストマー100重量部
に対し、亜鉛華0.5重量部、ステアリン酸2.0重量
部、ステアリン酸亜鉛1.0重量部を架橋系として投入
し、ゴム成分を動的に架橋させ、ゴム相の分散を固定さ
せた。次いで、第4の投入口よりヨウ化銅、イルガノッ
クス1010、チヌビン144、結晶核剤A、結晶核剤
B、結晶化防止剤C等を投入する。得られた熱可塑性エ
ラストマー組成物をストランド状に押出し、水冷で冷却
した後、樹脂用ペレタイザーでペレット化した。次に、
このペレットをT型ダイスを有する40mm口径の樹脂用
単軸押出機で、幅400mm及び厚さ0.20mmのフィル
ムを作成した。
【0029】
【表1】
【0030】(2)一方、以下の表2に示す配合比を用
いて、ゴム用バンバリー混練機で混練する。各ゴムポリ
マーをバンバリー混練機に投入し、1分混練後、各オイ
ル等を入れ更に1分間混練した。ラムを上げ内部の混練
物を反転させ、再びラムを下げ更に2分間混練し、混練
後のゴム組成物をゴム用ロールにて加硫系を添加混練
し、各2mmの未加硫のゴムシートを作成した。
【0031】
【表2】
【0032】(3)上記(2)により作成したゴムシー
ト(150mm×150mm×2mm)にウレタン系接着剤を
塗布し、これに上記(1)で作成したフィルムを貼り合
わせ、ゴム組成物と熱可塑性エラストマーの積層体を得
た。この積層体を小型ハンドプレスにてプレス温度18
0℃、処理時間10分、プレス圧力2.3MPa でプレス
した。
【0033】(4)また、上記(1)で作成したフィル
ムから幅360mmを切り出し、タイヤ用成型ドラムに貼
り、スプライス部を通常使用されるフェノール樹脂系接
着剤にて接合した。次に、このフィルム上にカーカス、
サイド、ベルト、トレッド等のタイヤ部材を積層し、イ
ンフレートさせてグリーンタイヤを作製した。このグリ
ーンタイヤを185℃で15分間、圧力2.3MPa で加
硫し、タイヤサイズ165SR13のタイヤに仕上げ
た。
【0034】(5)上記(1)で作成したフィルムを用
いて、熱可塑性エラストマー組成物の破断強度、破断伸
びを測定した。次に、上記(3)で作成した積層体を用
いて、加硫後の耐熱評価試験を行った。更に、上記
(4)で作製したタイヤを用いて、タイヤの耐久性走行
試験を行った。
【0035】なお、これらの試験に用いた試験測定方法
及び評価方法は、以下のとおりである。
【0036】熱可塑性エラストマー材料の破断強度、破
断伸び JIS K6251「加硫ゴム引張試験方法」に準じ
た。試験片は、上記(1)の各例で作成したフィルム又
はシートサンプルを、押出成形時の押出方向に平行にJ
IS3号ダンベルで打ち抜いた。得られた応力−歪曲線
より破断強度、破断伸びを求める。
【0037】熱可塑性エラストマー材料の加硫後の破断
強度及び伸びの保持率 上記(3)の各例で作成した積層体を、トルエンに24
時間浸漬させた後、熱可塑性エラストマーフィルムを剥
離する。剥離した熱可塑性エラストマーフィルムを3号
ダンベルで打ち抜き、オートグラフにて引張試験を行
う。破断強度、伸びの保持率は、以下の式で求める。
【0038】タイヤの耐久走行試験 上記(4)の各例で作製した165SR13スチールラ
ジアルタイヤ(リム13×4 1/2−J)を用い、空気圧
200kPa で1500ccクラス乗用車において4名乗用
時相当の荷重(65kg/人)を与え、実路上を2万km走
行する。走行後に、タイヤをリムから外し、タイヤ内面
のライナー層を目視観測し、ライナー層にクラック目視
できるシワ、ライナー層の剥離・浮き上がりがあるもの
を不合格、ないものを合格と判定する。本試験は、ライ
ナー層の強度劣化、接着劣化等を実車にて総合的に評価
することを目的とする。
【0039】得られた結果を、以下の表3に示した。
【表3】
【0040】実施例6〜10及び比較例3,4 (1)ゴム・熱可塑性エラストマー積層構造におけるゴ
ム組成物層としてゴム組成物Bからなる組成のものを用
いた点でのみ異なり、その他熱可塑性エラストマー組成
物の試験体の作成方法は、前記実施例1〜5及び比較例
1,2における(1)〜(3)に記載のものと同じであ
る。
【0041】(2)また、ホースの試験体について次の
ように作製した。クロスヘッド構造の樹脂用押し出し機
を用い、内管内層として150μmの前記表1の熱可塑
性エラストマー組成物I〜VII のチューブを予め離型剤
を塗布した9mm外径のナイロン11のマンドレル上に
9.2mm内径で押し出した後、ブチル系ゴム組成物Bを
ゴム用押し出し機を用いて2mmの厚さに押し出し成型し
た。次に、編組機を用い、ディップ処理したポリエステ
ル繊維(東レ社製、テトロン1500/d)を編組し、
補強層を形成した。さらに、ゴム用押し出し機を使用
し、ブチル系ゴム組成物Bを押し出し成型後、ナイロン
ラッピングテープにて2重にラッピングし、加硫缶中で
153℃×60分間加圧加硫させ、ラッピングテープを
除去し、マンドレルを引き抜いて低透過性ホースを得
た。
【0042】(3)上記(1)で作成した熱可塑性エラ
ストマー組成物の試験体を用いて加硫後の耐熱評価試験
を行った。更に、上記(2)で作製したホースを用い
て、ホースの柔軟性、HFC134ガス透過性およびイ
ンパルス耐久性の試験を行った。
【0043】なお、これらの試験に用いた熱可塑性エラ
ストマー材料の破断強度、破断伸び、並びにこれらの保
持率に関する試験方法は、前記実施例1〜5及び比較例
1,2で用いたものと同じであり、その他のホースに関
する試験方法及び評価方法は、以下のとおりである。
【0044】ホース柔軟性の測定方法 所定の半径を有する円弧に沿ってホースを曲げ、曲げ力
を測定する。曲げ半径は、ホース外径の10倍(10
D)から測定し始め、3倍まで順次曲げ力を測定する
(n=2)。この結果得られた曲げ力と曲げ半径との関
係をプロットした曲線より、規定の半径(4倍)の時の
数値を読みとる。一般に、従来ゴムホースの柔軟性は、
2.0kgf のレベルであり、樹脂チューブ構造のホース
では、6〜7kgf のレベルにあるものがある。このよう
な樹脂チューブ構造のホースでは、エンジン・ルーム等
の狭いスペースにおいて機器へホースを装着させる場
合、明らかに作業性が悪く、経験的に、曲げ力3.5kg
f 以下であれば作業性が良好となる。また、振動吸収性
も柔軟性と相関があるが、この関係は非線型であり、曲
げ力が3.5kgf 程度以上になると、急激に反力が増大
し、振動吸収性が極端に悪くなる。従って、ホースの曲
げ力は、3.5kgf 以下が好ましく、2.0kgf 以下が
さらに好ましい。
【0045】ホースのガス透過性の測定方法 JRA規格(日本冷凍空調工業会規格)のJRA200
1に準ずる。ホース長0.45mの金具アッセンブリホ
ースに、冷媒(HFC134a)をホース内容積1cm3
当り0.6±0.1グラム封入する。温度100℃に9
6時間放置し、24時間後と96時間後の間の減量(ガ
ス透過量)を測定し、gf/m/72時間に数値を換算す
る。従来、ゴムホースのガス漏れ量は20〜25gf/m
/72時間であり、また、ゴムホースの冷媒交換周期は
約2年である。一方、メンテナンス・フリー化のために
は、交換周期10年が必要とされる。従って、メンテナ
ンス・フリー化のためには、ガスの種類にかかわらず、
ガス漏れ量が5gf/m/72時間以下であることが必要
である。
【0046】ホースのインパルステスト JIS K6375 7.7項に準拠した衝撃圧力試験
(インパルステスト)を行った。試験油は、JIS K
2213(タービン油)に規定する2種に相当する鉱物
油を用い、油温93℃で、最高圧力200kgf /cm2
矩形波を繰り返し加え、破壊に至る日数を測定した。な
お、20万回まで衝撃圧力を加え、内管内層材の劣化亀
裂に起因して破壊しないものは、20万回で試験を打切
った。
【0047】得られた結果を、以下の表4に示した。
【表4】
【0048】前記の表3及び表4に示す結果によれば、
連続相の熱可塑性樹脂にナイロン6/66単独、及びナ
イロン6/66とナイロン11、分散相にエラストマー
成分として変性ブチル(イソブチレン−P−メチルスチ
レン共重合体の臭化物)を使用した熱可塑性エラストマ
ー組成物に耐熱劣化剤(i)単独、さらに結晶核剤、結
晶化防止剤を併用した組成物I〜V、及びそれらをタイ
ヤ及びホースの内面に使用したものは、NR/SBR系
ゴム組成物及びそれを使用したタイヤについては、良好
な加硫後物性保持率、タイヤ耐久性(タイヤ内面のクラ
ック発生を防ぐ)が得られ、IIR/塩素化ブチルをベ
ースとしたフレオンホースでも同様に良好な加硫後の物
性保持率とホースの柔軟性、ガス透過性、耐インパルス
性を得られることがわかる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ポリアミド系熱可塑性樹脂を連続相とし、エラストマー
組成物を分散相とする熱可塑性エラストマー組成物自体
が有する耐ガス(空気)透過性と柔軟性とのバランスに
優れた点を保持しつつ、その積層体成形時における耐熱
劣化性が良好で、また、成形後における長期の耐屈曲亀
裂性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を得ることが
できるので、これをタイヤ及びホースの積層構造物に利
用することによって、耐ガス(空気)透過性及び柔軟性
を有し、かつ耐熱劣化性及び動的耐久性に優れたタイヤ
及びホース等を供することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−263888(JP,A) 特開 平7−80996(JP,A) 国際公開97/45489(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B60C 1/00 B60C 5/00 - 5/24 B29D 30/00 - 30/72 F16L 9/00 - 9/22 F16L 11/00 - 11/24 EPAT(QUESTEL) WPI/L(QUESTEL)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド系熱可塑性樹脂組成物に、エ
    ラストマー組成物および(i)ハロゲン化銅、ヒンダー
    ドフェノール、ヒンダードアミン及び芳香族アミンより
    選ばれる化合物を1種以上含む熱可塑性エラストマー組
    成物(A)からなる層とゴム組成物(B)からなる層と
    を積層させてなるゴム・熱可塑性エラストマー積層体。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性エラストマー組成物(A)
    に、(ii)結晶核剤又は結晶化防止剤を含む、請求項1
    に記載のゴム・熱可塑性エラストマー積層体。
  3. 【請求項3】 前記エラストマー組成物が、ジエン系ゴ
    ム及びその水素添加物、オレフィン系ゴム、含ハロゲン
    系ゴム、シリコンゴム、含イオウゴム、フッ素ゴム並び
    に熱可塑性エラストマーの群より選ばれた少なくとも1
    種を含む組成物である、請求項1または2に記載のゴム
    ・熱可塑性エラストマー積層体。
  4. 【請求項4】 前記ポリアミド系熱可塑性樹脂組成物の
    少なくとも一部が連続相をなし、前記エラストマー組成
    物の少なくとも一部が分散相を形成している、請求項1
    〜3に記載のゴム・熱可塑性エラストマー積層体。
  5. 【請求項5】 前記(ii)の結晶核剤が、無機系微粒
    子、金属酸化物、オリゴマー、高融点ナイロン、カルボ
    ン酸、カルボン酸アミド、カルボン酸金属塩、カルボン
    酸エステル、高級アルコールワックスより選ばれる化合
    物の1種以上であり、また、(ii)の結晶化防止剤が、
    塩化リチウム等の金属塩より選ばれる1種以上である、
    請求項2〜4に記載のゴム・熱可塑性エラストマー積層
    体。
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載
    のゴム・熱可塑性エラストマー積層構造を有する空気入
    りタイヤ。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載
    のゴム・熱可塑性エラストマー積層構造を有するホー
    ス。
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