JP3095862B2 - 水域環境改善用資材の製造法及び水域環境改善用資材 - Google Patents

水域環境改善用資材の製造法及び水域環境改善用資材

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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、護岸用コンクリートブ
ロック等の資材に塗布することによって水質を改善する
ことを目的とする水域環境改善用塗料を用いた水域環境
改善用資材の製造方法、及び当該資材に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、地球規模で種々の原因により環境
破壊が進行し、水系においてもこの例外ではない。例え
ば海域においては沿岸部、特に港湾部の汚濁により魚貝
類が激減し、河川や湖沼においても富栄養化が進行して
いる。かかる問題を解決するため、海域においては人工
魚礁の投入が現在行なわれているが、当該人工魚礁は概
ねコンクリート製であるため、これを海水中に放置して
おくと、表層に水酸化カルシウム (Ca(OH)2 ) 等のコン
クリート中のアルカリ成分が溶出して付近のpHが上昇
し、藻類が当該人工魚礁に付着し難くなり、藻類を食料
とする魚貝類の繁殖も困難となり、かえって当該人工魚
礁周辺が死の海と化する危険性をもはらんでいる。
【0003】また、河川や湖沼において、コンクリート
製の護岸や河床が設けられている場所では、上記海域の
場合と同様コンクリート中のアルカリ成分が水中に溶出
して、藻類その他の水生植物が、当該護岸や河床に付着
し難く、かかる藻類による重金属の吸収等の浄化作用が
妨げられ、その結果として河川、湖床等の水質の汚濁が
進行する大きな要因となっている。
【0004】上記の人工魚礁や護岸等のコンクリート中
のアルカリ成分の溶出による環境破壊を防ぐ目的で、コ
ンクリート表面をエポキシ樹脂でコーティングする方法
や水酸化第一鉄をさらに含めてコーティングする方法が
採用されている。しかし、当該方法においては、コンク
リートの表面が生物学的に活性化されているわけではな
いので、藻類の繁殖が遅いという欠点がある。また、生
物学的活性化を図るため、天然物である貝殻粉、カキ殻
粉等を樹脂等に混入してコーティングする方法も試みら
れているが、十分な成果をあげるには至っていない。
【0005】さらに、間伐材や、シイタケ等の担子菌類
の栽培に原木として用いられた木材等は放置されがちで
あるが、かかる間伐材等の積極的利用方法も検討される
べきである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、水域
におけるコンクリート及びその他の資材によりなる人工
構築物の表面を改質して、藻類又は水生植物を短期間に
人工構築物に付着させ、かかる藻類等の働きにより魚貝
類の繁殖及び水質の浄化を可能にする塗料を用いた水域
環境改善用資材の製造方法、及び当該資材に関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
ついて鋭意検討した結果、光栄養細菌を水質浄化成分と
して含む水域環境改善用塗料を水域環境改善用資材の有
効成分として用いることで上記課題を解決し得ることを
見出した。すなわち、本願は以下の (1) 及び(2) に
示される発明を提供するものである。
【0008】(1) 光栄養細菌、担体、及び当該光栄養
細菌の栄養成分を含有することを特徴とする水域環境改
善用塗料を水圏と接触する人工構築物の表面に塗布し又
は吹き付けることを特徴とする水域環境改善用資材の製
造方法。 (2) 光栄養細菌、担体、及び当該光栄養細菌の栄養成
分を含有することを特徴とする水域環境改善用塗料で表
面を被覆したことを特徴とする水域環境改善用資材。
【0009】以下、 (1) 及び (2) の発明について詳
細に説明する。先ず本発明において、水質浄化成分とし
て用いられる光栄養細菌とは、一般に光合成細菌 (Phot
osynthetic bacteria)と呼ばれている細菌のことをい
い、本願では「Bergey's Manual of Determinative Bac
teriology 8th edition (1974)」で確立された分類に従
い、光栄養細菌 (Phototrophic bacteria)として開示す
る。
【0010】かかる光栄養細菌の内、本発明において用
いられる種類は、特に限定されない。すなわち、ロドス
ピリラム属、ロドシュードモナス属、及びロドミクロビ
ウム属を含むロドスピリ・ラーシエ科;クロマチウム属
等を含むクロマティ・アーシエ科;クロロビウム属等を
含むクロロビ・アーシエ科のうち、いずれのものを用い
ることができる。また用いる光栄養細菌は、一種を用い
るのみならず、多種類の光栄養細菌の混合物を用いるこ
とができる。
【0011】上記光栄養細菌は、市販品を用いることも
可能であるし、通常公知の方法〔小林達治,土壌微生物
実験法(土壌微生物研究会編)、pp.207〜212(1977),
M.kobayashi and S.kurata, Process Biochemistry, vo
l.13, pp27-30(1978)、Carr,N.G., Methods in microbi
ology, vol.3B, pp.53(1969)、Pfennig, N.Annu.Rev.Mi
crobiol, vol.21, pp.285(1967) 、Van Niel, C.B., Me
thods in Enyymology,vol.23, pp.3(1971)、Whittenbur
y, R., Isolation of Anaerobes, No.5, 241(1971) 〕
により自然界から分離したものを用いることも可能であ
る。特に光栄養細菌は、糞尿の処理廃水等の廃液中に豊
富に存在するため、かかる廃液から分離するのが、経済
面からも、環境保全の観点からも好ましい。
【0012】なお、種々の寄託機関に寄託された光栄養
細菌を入手可能な限りにおいて用いることもできる。具
体的には、微工研菌寄第878 号(FERM P-878)として工
業技術院微生物工業研究所に寄託されているRhodospirl
lum rubrum、同じくRhodopseudomonas capsulatus (FER
M P-879)、同じくChromatium vinosum (FERM P-890)等
を用いることができる。
【0013】当該光栄養細菌は、後述の担体に対し、容
量比で100 〜1000に対し1程度の割合で添加するのが好
ましい。担体は、光栄養細菌を固定するために、本発明
水域環境改善用塗料に添加することが必要である。担体
としては、光栄養細菌の固定化率が高いという点より、
多孔質粒子が好ましく、より具体的には、パーライト、
バーミキュライト、珪藻土、活性炭、多孔質セラミック
ス等が好ましく、上記多孔質粒子の他、内部に固定化光
栄養細菌を含む担体を充填したポリビニル製のチューブ
や、アルギン酸ナトリウム及び/又はアルギン酸カルシ
ウム等の含水ゲル状担体をも好ましい担体として用いる
ことができる。
【0014】かかる担体は、後述するバインダー100重
量部に対して1〜1000重量部、好ましくは10〜300重量
部程度添加するのが好ましい。担体の添加量がこれより
も少ない場合は光栄養細菌の生育密度が低く、逆に多す
ぎる場合は、本発明塗料による塗膜の強度が低下する。
なお、上記担体と光栄養細菌を塗料に含ませるのみで
は、光栄養細菌の活動自体がほとんど見られず、光栄養
細菌を水質浄化成分として添加することによる所期の効
果が現われ難い。よって、本発明水域環境改善用塗料中
に当該光栄養細菌の栄養成分を包含させる必要がある。
かかる栄養成分としては、光栄養細菌を培養する際に通
常培養培地に添加する公知の成分、例えば、低級脂肪酸
等を挙げることができるが、火山灰性土壌地帯に豊富に
存在するくろぼくを当該栄養成分ならびに光栄養細菌の
増殖環境域として用いることが可能であり、かつ好まし
い。栄養成分の本発明水域環境改善用塗料中への添加量
は、用いる栄養成分の種類に応じて適宜決定される。例
えば、くろぼくを用いる場合は、後述のバインダー100
重量部に対して1〜1000重量部である。
【0015】上記の光栄養細菌、担体、及び当該光栄養
細菌の栄養成分を塗料化するためのバインダーを本発明
水域環境改善用塗料に含有させる必要がある。かかるバ
インダーとしては、例えばアクリルエマルジョン、ウレ
タンエマルジョン、又は通常バインダーとして用いられ
るエポキシ樹脂のように乾燥若しくは化合的架橋硬化に
よって耐水性の塗膜を形成可能なものであれば特に限定
されずに用いることができる。ただし、作業性、性能、
及び価格等を鑑みればアクリルエマルジョンを好ましい
ものとして採用することができる。
【0016】さらに、バインダー中に光合成細菌、担
体、及び当該光合成細菌の栄養成分に加えて、本発明塗
料を塗布した人工構築物への藻類又は水生植物の自然着
生を待たずに、当該人工構築物に早期に着生させるため
に、予め、藻類又は水生植物の胞子及び/又は静止細胞
体を添加することができる。ここで用いられる藻類又は
水生植物の種類は、人工構築物を用いる環境、例えば海
水であるか淡水であるか等に応じて選択され、その限り
において特に限定されるものではない。より具体的に
は、アオノリ属に代表されるアオサ科、クロレラ属に代
表されるオオキスチス科等を含む緑藻類;マツモに代表
されるナガマツモ科モヅクに代表されるモヅク科、ハバ
ノリに代表されるカヤモノリ科、マコンブ、トロロコン
ブ、アラメ、カジメ等に代表されるコンブ科、ワカメ属
と代表されるアイスワカメ科、ヒジキ、アカモク等に代
表されるホングワラ科等を含む褐藻類;アサクサノリ、
スサビノリ等に代表されるフシケノリ科、マフノリ等に
代表されるフノリ科、トサカノリ等に代表されるミリン
科、マクリ等に代表されるフジマツモ科、オゴノリ等に
代表されるオゴノリ科等を含む紅藻類等広く用いること
ができる。さらに、これらの胞子又は遊走子の添加量
は、当該胞子等の種類や企図する生育量に応じて、それ
らの性質上可能な限りにおいて自由に選択可能である。
【0017】本発明水域環境改善用塗料への適用にあた
っては、上記藻類又は水生植物の胞子及び/又は静止細
胞体をバインダー中に含ませ拡散させることが必要であ
る。かかる胞子及び/又は静止細胞体は、自然界のもの
を採取して用いることもできるし市販品を用いることも
できる。本発明水域環境改善用塗料は、上記の光栄養細
菌、担体、及び栄養成分、そして必要に応じて胞子等を
バインダーに配合することで調製することができる。
【0018】調製後、直ちに本発明塗料を使用する場合
には、上記成分を混合して、これを塗装に適する粘度の
液として用いることができる。例えば、光栄養細菌を含
む水と担体、胞子等、及び栄養成分を含む水溶液若しく
は粉体を混合した後、液体アクリルエマルジョンを少量
ずつ攪拌下に加え均一化したものを本発明塗料としてそ
のまま用いることができる。なお、かかる場合、具体的
塗装の方法に応じて増粘が必要な場合には、通常公知の
増粘剤、例えばポリビニルアルコールやカルボキシメチ
ルセルロース等を添加することもできる。
【0019】一方、調製後相当期間貯蔵する必要のある
場合には、光栄養細菌とその栄養成分を水の存在下に共
存させると、当該栄養成分が光栄養細菌によって消費さ
れてしまう故、光栄養細菌と、他の成分とは、予め分離
しておく必要があり、塗装の際に両者を混合するのが好
ましい。また、胞子等もその生存に適した状態で保存す
る必要があるので、たとえばアクリルエマルジョン中に
24時間以上共存させることは、好ましくなく、上記光栄
養細菌と同様に塗装の際に混合するのが好ましい。
【0020】なお、担体及び栄養成分は、例えばアクリ
ルエマルジョン中に予め配合しても長期間保存すること
が可能である。さらに、本発明水域環境改善用塗料に
は、上記成分の他に、例えばのこぎり屑、パーク屑等の
多孔質有機物や分散剤を添加することもできる。叙上の
ごとくして得た本発明水域環境改善用塗料を水圈に接触
する対象物の表面に塗布し又は吹き付けることによって
水域環境改善用資材を製造することが可能である。
【0021】ここで、水圈とは、地球の表面上、水でお
おわれている部分をいい、海、河川、湖沼等を含むもの
とする。水圏に接触する対象物とは、例えば護岸用や消
波用として用いられるテトラポット等の資材や人工魚礁
に用いられる資材等の人工構築物、並びに自然界に存在
する岩石、砂礫や、シイタケ等の担子菌類の栽培に原木
として用いられたクヌギ、コナラ、ブナ等の木材若しく
は間伐材等に広く用いることができる。
【0022】本発明水域環境改善用塗料の上記の資材上
に塗布又は吹き付けの方法としては、対象となる資材の
種類、形状、数量によってはけ塗り法、ローラー法、ス
プレー法等を用いることができる。なお、資材への塗布
回数は、1回でも可能であるが、2ないし3回行うの
が、乾燥時間を早め、かつ塗膜強度を上げ得るという点
で好ましい。すなわち、一度に厚塗りをすると乾燥し難
く、かつ生成膜も脆くなる傾向にある。逆に薄すぎると
うコンクリートのアルカリ浸出防止効果や表面の生物学
的活性化が劣る傾向にある。後の塗膜の厚みとしては30
〜500 μm 程度、好ましくは、50〜150 μm 程度が好ま
しい。また、塗装前に資材の表面を洗浄・乾燥するの
が、剥離等塗装不良を防ぐという意味で好ましい。な
お、かかる洗浄・乾燥は通常公知の方法で行なうことが
できる。
【0023】このようにして製造された水域環境改善用
資材を、水域の環境の改善を企図する水域において所望
の形態に構築する。なお、水中での構築作業実施時期
は、本発明水域環境改善用資材上での生育を企図する藻
類又は水生植物の種類によって異なる。例えば、特定の
海藻の生育を企図して本発明水域環境改善用資材を海中
に施工・設置する場合には、当該海藻の遊走子の放出時
期を考慮して冬季に施工・設置するのが好ましい。
【0024】ところで、光栄養細菌を水質浄化成分とし
て含ませることで、藻類又は水生植物の資材上での生育
が促進されるのは、光栄養細菌自身が分泌するビタミン
12、アミノ酸、核酸類等がかかる藻類等の生長に極め
て好影響を与えるためであると考えられる。さらに、一
般に光栄養細菌の有するpH低下作用により、コンクリー
ト資材より浸出するアルカリ成分を中和する作用を有す
るためとも考えられる。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明についてさらに
具体的に説明する。 〔参考例〕 水域環境改善用塗料の調製 (1)内容積1m3の攪拌槽付混合槽に水道水250kg を入
れ、これに分散剤としてポイズ530(花王(株))を3kg加
え、担体として未焼成の珪藻土粉末100kg を少量ずつ加
えて分散させた。次に光栄養細菌 Rhodopseudomonas ca
psulatus(本菌株は、工業技術院微生物工業研究所に微
工研菌寄第879号(FEPM P-879)として寄託されてい
る。)を含む水50l、くろぼく10kgを加え分散させた
後、アクリルエマルジョンXA-3634A( 東亜ペイント(株)
製、固型分50%,pH=5)を少量ずつ、計200kg 加えて均一
化させた。さらにこれに、10%アンモニア水300gと増粘
剤としてカセローズCMC(四国化成工業(株)製)1.5kgを
加え、更に30分間攪拌・混合した。そして、これを80メ
ッシュの金網でろ過し、本発明水域環境改善用塗料610k
gを得た。
【0026】かかる塗料の分析値は、固型分:35% 粘
度:1050cps(25℃)pH;7.5 であった。 (2)前記参考例(1)において、アクリルエマルジョ
ンXA-3634Aと共に、人工培養により得られた緑藻である
Chlorella vulgarisの胞子を担体に対して0.01重量%加
えて、本発明水域環境改善用塗料を調製した。 (3)前記参考例(1)において、アクリルエマルジョ
ンXA-3634Aと共に人工培養により得られたアサクサノリ
の遊走子を担体に対して0.01重量%加えて、本発明水域
環境改善用塗料を調製した。
【0027】
【実施例1】 水域環境改善用資材の構築 (1)参考例(1)で得られた本発明水域環境改善用塗
料を予め希塩酸で洗浄し乾燥したコンクリート製の人工
魚礁にスプレーを用いてその表面に塗布し、この操作を
3回繰返し魚礁の表面積1m2当り300gの塗料を使用した
(厚さ約90μm)。そして対照として用いた当該塗料を
塗布しない人工魚礁と、自然界に多種類存在する緑藻類
の付着生長の結果を比較した。
【0028】その結果、処理区のものは拡大鏡で観察し
たところ、5週間後には1cm2 当り107 〜108 細胞の緑
藻が認められたが、対照区では未だその付着・増殖は認
められなかった。さらに1ヶ月経過後処理区のものは表
層域が緑藻で覆いつくされたが、対照区の表層には、何
も着生していなかった。 (2)参考例(2)で得られた本発明水域環境改善用塗
料を予め希塩酸で洗浄し、乾燥したコンクリート製の人
工魚礁にスプレーを用いてその表面に塗布し、この操作
を3回繰返し魚礁の表面積1m2 当り300gの塗料を使用し
た(厚さ約90μm) 。そして対照として用いた当該塗料
を塗布しない人工魚礁と、藻類の不着生長の結果を比較
した。
【0029】その結果、処理区のものは拡大鏡で観察し
たところ、3週間後には、1cm2 当り108 細胞の緑藻が
認められたが、対照区には、未だその付着は認められな
かった。さらに1ヶ月経過後の処理区には、表層域がす
べて緑藻で覆いつくされ、表層が緑藻で盛り上がってい
ることか観察されたものの、対照区の表層には、何も着
生していなかった。なお、着生した緑藻の大部分は、Ch
lorella vulgarisであった。 (3)参考例(3)で得られた本発明水域環境改善用塗
料を予め希塩酸で洗浄し、乾燥したコンクリート製の人
工魚礁にスプレーを用いてその表面に塗布し、この操作
を3回繰返し魚礁の表面積1m2 当り300gの塗料を使用し
た(厚さ約90μm) 。そして対照として用いた当該塗料
を塗布しない人工魚礁と、藻類の付着生長の結果を比較
した。
【0030】本実施例は遊走子の放出時期である冬期に
開始されたが、対照の無処理区のものはアサクサノリの
増殖が全く認められなかったのに対し、処理区のものは
人工魚礁の表層全体にわたって15cm位まで生長していた
のが認められた。
【0031】
【発明の効果】本発明により、水圏に接触する対象物の
表面を改質して、藻類又は水生植物を短期間に当該対象
物に付着させ、かかる藻類等の働きにより魚貝類の繁殖
及び水質の浄化を可能にする水域環境改善用資材及びそ
の製造方法の提供が可能となった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光栄養細菌、担体、及び当該光栄養細菌
    の栄養成分を含有することを特徴とする水域環境改善用
    塗料を水圏と接触する対象物の表面に塗布し又は吹き付
    けることを特徴とする水域環境改善用資材の製造方法。
  2. 【請求項2】 光栄養細菌、担体、及び当該光栄養細菌
    の栄養成分を含有することを特徴とする水域環境改善用
    塗料で表面を被覆したことを特徴とする水域環境改善用
    資材。
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