JP3094990B2 - 糸通しミシン - Google Patents

糸通しミシン

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JP3094990B2
JP3094990B2 JP10175023A JP17502398A JP3094990B2 JP 3094990 B2 JP3094990 B2 JP 3094990B2 JP 10175023 A JP10175023 A JP 10175023A JP 17502398 A JP17502398 A JP 17502398A JP 3094990 B2 JP3094990 B2 JP 3094990B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縫製に先立って、
縫針の目孔への糸通し動作を実行する糸通しミシンに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ミシンの縫製準備に際して、縫針
の目孔への糸通し作業(以下、針孔糸通しという)を自
動化する試みが数多くなされている。針孔糸通しの基本
的構成としては、例えば実公昭54−43878号の提
案がある。この提案では、針棒と平行に上下動する糸通
し棒が所定高さで回動することにより、この糸通し棒下
端に設けた糸通しフックを縫針の目孔に挿通させ、この
挿通した糸通しフックに作業者が上糸を掛け渡して針孔
糸通しを実行していた。
【0003】また、この糸通しフックへの上糸の掛け渡
しについても機構的に行って作業者の手を煩わせないこ
ととした提案もある。例えば特開昭63−89194号
である。この提案では、糸通し棒の回動によって、縫針
の目孔の正面に上糸を張り渡す糸張り部材が記載されて
いる。
【0004】こうした機構を用いて針孔糸通しを実行す
るに当り、糸通しフックや糸張り部材が押え足等にぶつ
からない様に、針棒を所定の上昇位置に移動させてから
針孔糸通しを実行する必要がある。そこで、針孔糸通し
に先立って、針棒が所定位置となる様に上軸を回転して
針棒を上昇させる作業を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、作業者が針棒
を所定の上昇位置に移動させるのを忘れると、糸通しフ
ック等が押え足等のミシン本体や周辺の部材に衝突する
可能性がある。
【0006】本発明の糸通しミシンは、かかる課題を解
決し、針孔糸通し動作を実行する際に糸通しフック等の
糸通し手段が他の部材に衝突するのを防止することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達するために
なされた請求項1記載の発明は、上糸供給源から引出さ
れて針棒下端の針棒糸案内に掛けられた上糸の先端側
を、縫針の目孔の正面又は背面を横切る位置へ配設する
ための上糸配設手段と、糸通し棒を下降させ、該配設さ
れた上糸を目孔内へ取り込んで糸通し動作を実行するた
めの糸通し手段とを備え、前記糸通し手段によって糸が
前記目孔に通される糸通しミシンにおいて、前記糸通し
棒の下降に先立って前記縫針とその周辺の部材とを離間
させる離間手段と、前記糸通しミシンが縫製制御中であ
るか否かを判断する第1判断手段と、該第1判断手段が
前記縫製制御中であると判断したとき、前記糸通し手段
の動作を禁止する第1禁止手段と、前記第1禁止手段に
より糸通し動作が禁止された場合、再び糸通し手段が操
作されなければ、前記離間手段による離間を行わない制
御手段と備えることを特徴とする。
【0008】本発明の糸通しミシンにおいては、糸通し
棒の下降に先立って、離間手段が、縫針とその周辺の部
材とを離間させる。このように縫針とその周辺の部材と
が隔離されると、糸通し動作を実行する際に糸通し手段
が他の部材に衝突することがない。
【0009】この結果、糸通し手段は縫針の目孔への糸
通しを実行でき、ミシン本体や周辺の部材等に衝突する
ことがない。また、本発明では、前記糸通しミシンが縫
製制御中であるか否かを第1判断手段によって判断し、
前記縫製制御中であると判断されたときには、第1禁止
手段が前記糸通し手段の動作を禁止する。そして、前記
第1禁止手段により糸通し動作が禁止された場合、再び
糸通し手段が操作されなければ、前記離間手段による離
間が行われない。
【0010】請求項2記載の発明は、上糸供給源から引
出されて針棒下端の針棒糸案内に掛けられた上糸の先端
側を、縫針の目孔の正面又は背面を横切る位置へ配設す
るための上糸配設手段と、糸通し棒を下降させ、該配設
された上糸を目孔内へ取り込んで糸通し動作を実行する
ための糸通し手段とを備え、前記糸通し手段によって糸
が前記目孔に通される糸通しミシンにおいて、前記糸通
し棒の下降に先立って前記縫針とその周辺の部材とを離
間させる離間手段と、前記糸通しミシンの押え足が上昇
しているか否かを判断する第2判断手段と、該第2判断
手段が前記上昇していないと判断したとき、前記糸通し
手段の動作を禁止する第2禁止手段と、前記第2禁止手
段により糸通し動作が禁止された場合、再び糸通し手段
が操作されなければ、前記離間手段による離間を行わな
い制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】本発明でも、請求項1記載の発明と同様
に、糸通し棒の下降に先立って離間手段が縫針とその周
辺の部材とを離間させる。このため、糸通し動作を実行
する際に糸通し手段が他の部材に衝突することがない。
また、本発明では、前記糸通しミシンの押え足が上昇し
ているか否かを第2判断手段によって判断し、前記上昇
していないと判断されたときには、第2禁止手段が前記
糸通し手段の動作を禁止する。そして、前記第2禁止手
段により糸通し動作が禁止された場合、再び糸通し手段
が操作されなければ、前記離間手段による離間が行われ
ない。
【0012】請求項3記載の発明は、上糸供給源から引
出されて針棒下端の針棒糸案内に掛けられた上糸の先端
側を、縫針の目孔の正面又は背面を横切る位置へ配設す
るための上糸配設手段と、糸通し棒を下降させ、該配設
された上糸を目孔内へ取り込んで糸通し動作を実行する
ための糸通し手段とを備える糸通しミシンにおいて、前
糸通し棒の下降に先立って前記縫針とその周辺の部材
とを離間させる離間手段と、前記糸通しミシンが縫製制
御中であるか否かを判断する第1判断手段と、該第1判
断手段が前記縫製制御中であると判断したとき、前記糸
通し手段の動作を禁止する第1禁止手段と、前記糸通し
ミシンの押え足が上昇しているか否かを判断する第2判
断手段と、該第2判断手段が前記上昇していないと判断
したとき、前記糸通し手段の動作を禁止する第2禁止手
段と、前記第1禁止手段又は第2禁止手段により糸通し
動作が禁止された場合、再び糸通し手段が操作されなけ
れば、前記離間手段による離間を行わない制御手段と
備えることを特徴とする。
【0013】すなわち、本発明は、請求項1記載の発明
の構成と請求項2記載の発明の構成とを兼ね備えてい
る。このため、請求項1記載の発明に対応する作用・効
果と請求項2記載の発明に対応する作用・効果とが同時
に発生する。そして、前記第1禁止手段又は第2禁止手
段により糸通し動作が禁止された場合、再び糸通し手段
が操作されなければ、前記離間手段による離間が行われ
ない。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の構成に加え、前記針棒が所定量以上上昇
しているか否かを判断する第3判断手段と、該第3判断
手段が前記上昇していないと判断したとき、前記糸通し
手段の動作を禁止する第3禁止手段と、を、更に備える
ことを特徴とする。 このため、請求項1〜3のいずれ
かに記載の発明の作用に加えて、前記針棒が所定量以上
上昇しているか否かを第3判断手段によって判断し、前
記上昇していないと判断されたときには、第3禁止手段
が前記糸通し手段の動作を禁止する。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具体化した実施の
形態を図面に基づき説明する。なお、本実施の形態のミ
シンは、針孔糸通しに加えて自動的に天秤部への糸掛け
(以下、天秤糸掛けという)も実行し得る機能を備えた
全自動糸掛け糸通しミシンである。
【0016】図1に全自動糸掛け糸通しミシンのミシン
ヘッド1を面板3方向から見た斜視図を示す。 ミシン
ヘッド1の上部には、糸立て棒5と、この糸立て棒5に
取り付けられた糸駒7から引き出された上糸wを前面側
へ折り返す上部糸掛け9とが設けられている。さらにミ
シンヘッド1には、上部糸掛け9の直前から上面を横切
って正面に回り、正面上部から下部へ下ると共に面板3
の下部前面を経た後に背面まで至る案内溝11が設けら
れている。
【0017】また、ミシンヘッド1の正面側には、案内
溝11を挟んで上下に一つずつ押しボタンスイッチSW
1,SW2が設けられている。下方のスイッチSW1は
縫製開始を指示する起動スイッチであり、上方のスイッ
チSW2は後述する天秤糸掛け及び針孔糸通しの実行を
指示する糸通しスイッチである。以下、SW1を起動ス
イッチ、SW2を糸通しスイッチという。
【0018】案内溝11は、図2に示す様に、正面から
見ると、糸調子皿13の二枚の皿15−15間を通り、
糸道17の中間部近傍を糸取りバネ19の上方で斜めに
横切り、そのまま下がって針棒21の下部に設けられた
針棒糸案内23を巻いてなだらかに面板3の下部前方を
湾曲した経路をなし、さらに背面へ所定量だけ回り込ん
でいる。この背面へ回り込んだ案内溝11の終点部25
には糸切り用のカッター27が取り付けられている。
【0019】案内溝11の正面部分のミシンヘッド1内
部には、糸道17の前方側を上下に揺動する天秤30が
配設されている。天秤30はその先端部に、図3(イ)
〜(ハ)に示す様に、上糸wをすくい上げることができ
る様に下方から上方へ屈曲した鈎爪31と、鈎爪31の
上を覆う様に配設された覆い棒32と、この覆い棒32
に固定された押えカバー33とを備える。そして、鈎爪
31と押えカバー33とにより、図3(イ)に示す様
に、面板3側から見て、やや湾曲した細長い糸保持孔3
4が形成されている。
【0020】押えカバー33は、図3(ロ)に示す様
に、上方から見ると糸道17をまたぐ断面「コ」字状を
なし、糸道17の前方側に位置する前板35と、後方側
に位置する後板36と、両板35,36を糸道17の正
面側で連結する連結板37とからなる。
【0021】また、鈎爪31の先端は、前板35とオー
バーラップし、図2に示す様に糸道17側へやや曲がっ
ている。一方、後板36には、図3(ハ)に示す様に、
この鈎爪31の先端が露出する様に切欠き38が形成さ
れている。天秤30は、図4に示す様に、上軸40と平
行に配設された副軸41に揺動可能に取り付けられてお
り、この取り付け部分の近傍にカム孔42を形成した基
部43を備える。カム孔42には、上軸40に固着され
た天秤クランク44のクランクピン45が挿通される。
カム孔42は、クランクピン45の回転半径とほぼ等し
い曲率に形成された中央の円弧部46と、副軸41側の
端部に形成された直線部47と、もう一方の端部に形成
された小さな曲率の短円弧部48とからなり、上軸40
の回転により、天秤30を図示矢印の様に円弧運動させ
る。なお、この円弧運動において、天秤30は、図3
(イ)に一点鎖線で示す様に、糸道17の下端部50を
越える位置まで揺動可能な様に、カム孔42とクランク
ピン45との取り付け関係が決定されている。
【0022】一方、糸道17の下端部50には、上方へ
くぼんだ凹入部51を有する糸受け52が配設されてい
る。糸受け52の凹入部51に対向する位置には、押え
ローラ53が近接・離間可能に配設されている。押えロ
ーラ53は、縫製時には、図示しないカム機構により、
糸受け52に近接・離間し、上糸wの張力を調節する働
きをする。また、天秤30と糸受け52との中間部に
は、糸取りバネ19及び糸道17を巻く様にガイド部材
55が配設されている。
【0023】案内溝11の、これら天秤部分より先の面
板3への湾曲部分には、針棒21の前方側に並設された
糸通し棒60の下端部が位置している。この糸通し棒6
0の構成について説明する。
【0024】面板3の内部には、図5に示す様に、針棒
21を支承する枠体61が取り付けられており、糸通し
棒60は、針棒21と平行な軸線上を上下動及び回動可
能にこの枠体61に支承されている。この枠体61に支
承された糸通し棒60の下部には、この糸通し棒60の
上下動及び回動により後述のガイド機構及びリンク機構
を作動させて、縫針62の目孔63の正面に上糸wを張
り渡す糸張り部材64と、この張り渡された上糸wを目
孔63内へ取り込む糸通し部材65とが取り付けられて
いる。
【0025】まず、糸張り部材64の構成を説明する。
【0026】糸張り部材64は、図6(イ)に示す様
に、針棒糸案内23に近い側から、ミシンヘッド1の前
方に向かって背面側へ回り込む様にほぼ同じ高さに並ん
で配設された第1の糸張り部66,第2の糸張り部67
及び第3の糸張り部68と、これら三つの糸張り部6
6,67,68より上方やや離れてかつさらに背後へ回
り込んだ位置に配設された糸端保持部材70とを備え
る。
【0027】第1の糸張り部66の下部には、針棒21
側に突出する糸掛け爪71が形成されている。また、第
2の糸張り部67の下部には、第1の糸張り部66の糸
掛け爪71のやや上方において、第1の糸張り部66よ
りも正面側へ突出する押え爪72が形成されている。さ
らに、第3の糸張り部68の上部には、第2の糸張り部
67の押え爪72と並び、この押え爪72とほぼ同じ高
さで正面側へ突出する押え片73が形成されている。
【0028】これらの内、第1,第2の糸張り部66,
67は、図6(ロ)に示す様に、一枚の板材を断面略
「ロ」字状に折り曲げて一体に形成されている。これら
両糸張り部66,67の配置関係を細かく説明すると、
両糸張り部66,67が正面から見て一部オーバーラッ
プする様に、第2の糸張り部67が第1の糸張り部66
の若干後方に所定の隙間74を介して離間されている。
そして、第1,第2の糸張り部66,67は、糸通し棒
60に回動自在に取り付けられた断面「コ」字状の金具
75に直接取り付けられている。
【0029】また、第3の糸張り部68は、一端を糸通
し棒60に嵌合されると共にピン76にて回り止めされ
た回動アーム77の自由端に形成されている。
【0030】さらに、糸端保持部材70は、上糸wが案
内された場合に、この上糸wを下側から支える受け板8
0と、受け板80に立設された支柱81に摺動自在に取
り付けられた押え皿82とを備える。この押え皿82
は、支柱81に取り付けられたバネ83により下方に付
勢されている。また、受け板80の支柱81近傍には、
この支柱81の接線方向に伸びる一本の受け溝84が刻
設されている。
【0031】この糸端保持部材70は、受け板80から
延出された腕80aの端部に下向きに立設された支軸8
0bを介して、第3の糸張り部68に回動自在に支持さ
れている。
【0032】一方、前述の「コ」字状の金具75の一端
には、長手方向中央部に太径部分を有する異形ピン85
が遊嵌されている。糸端保持部材70は、この異形ピン
85と支柱81に各端部を遊嵌された連結レバー86に
より、「コ」字状金具75と連結されている。また、支
柱81は、糸通し棒60に遊嵌された摺動ガイド87の
下面に形成されたガイド溝88に摺動自在に係合されて
いる。
【0033】摺動ガイド87は、糸通し棒60に対して
は上下をE形止め輪Eにて固定され、上面から垂直に配
設された断面「コ」字状の溝89を介して枠体61下部
に水平に突設されたピン61aと摺動自在に係合してい
る。この摺動ガイド87は、「コ」字状の溝89により
糸通し棒60を垂直に上下動するガイドの役割を果たす
と共に、下面のガイド溝88を介して支柱81を水平方
向にガイドする役割をも果たしている。
【0034】次に、糸通し部材65の構成を説明する。
糸通し部材65は、図7に示す様に回動アーム77の背
面に取り付けられ、図示右方向に延出されると共に正面
側へ曲げられた糸通しフック90と、この糸通しフック
90を挟んで配設された二枚のフックガード91とを備
える。各フックガード91の先端には、図8に示す様
に、糸通しフック90の先端の下向鈎92に向かって誘
導溝93が形成されている。
【0035】この様に構成された糸張り部材64及び糸
通し部材65は、糸通し棒60の上下動及び回動により
所定位置で所定タイミングのもとに作動する。その上下
動及び回動動作について、機構と共に説明する。糸通し
棒60には、図5に示す様に、糸通し棒60の上部を覆
う様に配設されたガイド部材95が上下摺動自在に取り
付けられている。ガイド部材95は、上部所定位置に斜
めに刻設された長孔からなる回動カム孔96を備える。
糸通し棒60は、その上部に貫通固定された係合ピン9
7の一端を介してこの回動カム孔96と係合している。
なお、糸通し部材60は、ガイド部材95の頂板と係合
ピン97との間に取り付けられたバネ98により上方か
ら付勢されている。この結果、係合ピン97は、通常は
回動カム孔96の下端に当接している。
【0036】また、ガイド部材95は、枠体61の上部
に取り付けたバネ99と連結されており、このバネ99
によって上方へ付勢されている。そして、このガイド部
材95の上端には、糸通し棒60と平行に摺動するラッ
ク100の上端に設けられた押え板101が上方から当
接している。ラック100は、ギア102〜104を介
して専用のパルスモータ105により上下に駆動され
る。
【0037】ラック100が下降すると、糸通し棒60
はガイド部材95と共に下降し、係合ピン97の図示左
端側が、針棒21の所定位置に取り付けられた当接部材
106と当接すると、その位置で停止する。当接部材1
06の取り付け位置は、縫針62の目孔63の位置を考
慮して決定されており、この糸通し棒60の停止位置
で、糸通し部材65の糸通しフック90が目孔63の高
さと一致する様になされている。さらにラック100が
下降すると、カム孔96に沿って係合ピン97が摺動さ
れ、糸通し棒60が回動する。この回動動作により、糸
張り部材64及び糸通し部材65が、図9(イ)〜
(ハ)に示す様に、回動する。
【0038】糸通し棒60が図示時計方向に回動する
と、回動アーム77がこの糸通し棒60と一体に時計方
向に回動する。すると、受け板80が図示左方へ押し出
され、支柱81はガイド溝88内を図示左方へ摺動す
る。これに伴い、連結レバー86に引かれて「コ」字状
金具75が糸通し棒60に対して図示反時計方向へ回動
する。この結果、図9(ロ)に示す様に、糸張り部材6
4が広がって第1,第2の糸張り部66,67と糸端保
持部材70との間隔が最大となると共に、糸通しフック
90が縫針62の目孔63内へ挿通する。この状態か
ら、糸通し棒60が反対方向へ回動すると、図9(ハ)
に示す様に、さっきとは逆の動きにより糸張り部材64
が縮んだ状態に復帰する。
【0039】次に、案内溝11を介して上糸wを準備す
る手順について、図1,図2,図6(イ)及び図9
(イ)を参照しつつ説明する。
【0040】まず、ミシンヘッド1の針棒21後方側に
配設された押え足レバー110を操作して押え足112
を上げて糸調子皿13を開放状態とする。次に、糸駒7
から上糸wを引出し、上部糸掛け9に掛けた後、案内溝
11に沿って正面から背面まで案内していく。すると、
上糸wは、ミシンヘッド1の正面側で糸調子皿13の皿
15−15間に案内され、糸取りバネ19に上方から掛
かり、続いて針棒糸案内23に掛かった後、第1の糸張
り部66の糸掛け爪71の上に掛かり、さらに第2の糸
張り部67の押え爪72の直下を通って第3の糸張り部
68の押え片73に下方から掛かる。その後、糸端保持
部材70の受け板80と押え皿82との間に侵入し、さ
らに回り込んでカッター27により切断される。
【0041】こうして糸張り部材64に上糸wが準備さ
れた状態が前述の図9(イ)である。上糸wは案内溝1
1の終点部25まで回り込んでいるから、図示の様に、
支柱81の根元部分に食い込む様に糸端保持部材70に
保持されている。なお、上糸wは、案内溝11に沿って
全体として若干のたるみを持っている。
【0042】次に、全自動糸掛け糸通しミシンの制御系
統の構成について図10にて説明する。
【0043】この全自動糸掛け糸通しミシンの制御系統
は、CPU,ROM,RAM等を備え、天秤糸掛け,針
孔糸通し及び縫製の制御を司る電子制御回路120を中
心に構成される。電子制御回路120には、入力側に起
動スイッチSW1及び糸通しスイッチSW2が接続さ
れ、出力側にはミシンモータドライバ122とパルスモ
ータドライバ124を介してミシンモータ125とパル
スモータ105が接続されている。また、電子制御回路
120には、上軸40の位相角度から針棒最上位置(以
下、NP1という)の時に検出信号を送出するNP1セ
ンサ130と、同じく天秤最上位置(以下、NP2とい
う)の時に検出信号を送出するNP2センサ132とが
接続されている。さらに、電子制御回路120には、押
え足レバー110と連動して押え足112が上昇した状
態、即ち糸調子皿13が開放状態の時に検出信号を送出
する押え足上位置センサ134と、図5に示す様に糸通
し棒60のガイド部材95の頂部に取り付けられて糸通
し棒60の上端が所定量以上突出した時に作動して検出
信号を送出する糸通し確認センサ136とが接続されて
いる。
【0044】次に、この電子制御回路120の実行する
制御処理について説明する。図11,図12にその制御
処理のフローチャートを示す。
【0045】前述の様に、糸駒7から上糸wを引き出し
て案内溝11に沿って所定の位置へ案内する。ミシンに
電源を投入すると、まず、初期化が実行され、パルスモ
ータ105その他各種モータの原点セットを実行する
(ステップ1;以下、ステップのことを単にSと表
す)。
【0046】次に、糸通しスイッチSW2が押下されて
オン状態となったか否かを判断する(S2)。糸通しス
イッチSW2がオン状態になると、次の処理に進み、起
動スイッチSW1がオフ状態であるか否かを判断する
(S3)。この処理で起動スイッチSW1がオフ状態で
あると判断された場合には、押え足112が上位置、即
ち糸調子皿13が開放状態であるか否かを判断する(S
4)。起動スイッチSW1がオン状態の場合又は押え足
112が上げられていない場合には、以下の処理へ進ま
ずS2へ戻る。即ち、糸通しスイッチSW2は、モメン
タリに作動するスイッチであって、S3又はS4が否定
判断の場合は再び押下されないと以下の処理が実行され
ない。
【0047】一方、起動スイッチSW1がオフ状態であ
り、かつ押え足112が上位置にある場合にのみ次の処
理に進んで、ミシンモータ125を駆動する(S5)。
ミシンモータ125が駆動されると、上軸40が回転す
る。この上軸40の回転により天秤クランク44も回転
し、天秤30が揺動されて天秤糸掛けが開始される。ま
た、クランクピン45に連結された針棒クランク142
が、この天秤クランク44の回転運動を上下の往復運動
に変換し、この往復運動を針棒抱き144を介して針棒
21に伝える。この結果、針棒21は上下動される。
【0048】ミシンモータ125は、上軸40が1回転
以上したか否か及び上軸40の位相角度がNP1となり
NP1センサ130が検出信号を出力したか否かを確認
して停止される(S6,S7,S8)。本実施の形態で
は、このS7の処理において上軸40の位相角度がNP
1となったのを確認してから、ミシンモータ125を停
止することにより、後述する針孔糸通し動作を実行する
際に糸通し部材65等が押え足112その他の部材に衝
突するのを防止している。すなわち、ミシンモータ12
5及びS5〜S8の処理を記憶した電子制御回路120
のROMが、本発明の離間手段に相当する。また、本実
施の形態において、S3における判断処理を記憶した電
子制御回路120のROMが本発明の第1判断手段に、
S3からS2へ移行するための処理を記憶した電子制御
回路120のROMが本発明の第1禁止手段に、S4に
おける判断処理を記憶した電子制御回路120のROM
が本発明の第2判断手段に、S4からS2へ移行するた
めの処理を記憶した電子制御回路120のROMが本発
明の第2禁止手段に、S7における判断処理を記憶した
電子制御回路120のROMが本発明の第3判断手段
に、S7からS5へ移行するための処理を記憶した電子
制御回路120のROMが本発明の第3禁止手段に、そ
れぞれ相当する。
【0049】上述のS5〜S8の処理の間に実行される
天秤糸掛けについて説明する。図13(イ)〜(ハ)に
示す様に、天秤30が振り下ろされる際に、案内溝11
に沿って糸道17のほぼ中央を横切って準備された上糸
wに天秤30の先端の押えカバー33が当接する。この
とき、図13(ロ)に示す様に、上糸wは、押えカバー
33の前板35と後板36の下面に当接しており、特に
後板36側では切欠き38に掛かる格好になる。天秤3
0は、上糸wと当接したままさらに下方に振り下ろされ
て上糸wを糸道17に沿って引き出していく。
【0050】この時、上糸wは、上流側及び下流側から
共に引き出される。ただし、上糸wの端は糸端保持部材
70に挟まれて保持されており、一方、糸調子皿13は
開放状態にあるから、上糸wは下流側ではたるみがなく
なる程度にたぐりよせられ、上流側から必要量が引き出
されることになる。
【0051】天秤30が更に下降して糸道17の下端部
50を越える位置に至る。すると、前板35と後板36
のまん中で上糸wが糸保持孔34内へ落ち込むのを阻止
していた糸道17がなくなる。また、糸調子皿13と天
秤30先端との位置関係及び糸取りバネ19のはね上げ
動作により、上糸wが斜め上方に引き上げられる。この
結果、上糸wは、押えカバー33の切欠き38から外
れ、糸受け52の凹入部51内に侵入すると共に、糸保
持孔34の奥部に掛かる。糸保持孔34の奥部は糸道1
7の下端部50より上方にあるため、この状態から天秤
30が上方へ揺動しても再び下端部50を越えることは
ない。
【0052】以上の様にして、糸受け52及び天秤30
の糸保持孔34への天秤糸掛けが完了する。
【0053】この間、針棒21は、前述の様に針棒クラ
ンク142を介して伝達される上下の往復運動を行って
いる。
【0054】ここで、図2に示す様に、案内溝11に沿
って案内された上糸wは、針棒糸案内23に掛かった
後、図示左方へ渡されている。従って、針棒21が下降
し始めると、針棒糸案内23によって上糸wは下方へ押
されることになる。この際、上述の様に、上糸wの端は
糸端保持部材70に保持されているから、上糸wは上流
側から針棒糸案内23の下降分の約2倍量だけ引き出さ
れる。なお、この際には、上糸wは針棒糸案内23によ
って張られた状態であり、たるみは生じていない。従っ
て、糸張り部材64に当初案内された状態を保ってい
る。
【0055】一方、針棒21の上昇の際には、針棒糸案
内23は、上糸wには殆ど力を加えることなく上昇す
る。このため、針棒21が下降する際に引き出された余
分の上糸wが、このままでは、糸張り部材64側にたる
みとして残ってしまう。しかし、天秤30の上下の揺動
と針棒21の上下動とは連動しているから、針棒21下
降の際には天秤30が振り下げられ、針棒21上昇の際
には天秤30が振り上げられている。従って、前述のよ
うに針棒糸案内23によって引き出されて余った上糸w
は、図13(イ)に一点鎖線で示す様に、針棒21の上
昇と共に実行される天秤30の振り上げ動作に伴い、そ
の鈎爪31によって上方へ引き上げられる。
【0056】従って、糸張り部材64の近傍において、
上糸wのたるみが残ることがない。この結果、糸張り部
材64には、当初案内溝11に沿って案内したと同じ状
態が維持されて、針棒21が最上位置に停止される(S
7,S8)。次に、パルスモータ105を正転する(S
9)。なお、「パルスモータ105が正転する」とは、
ラック100を下降させる方向に駆動する場合をいう。
【0057】パルスモータ105が正転されると、図9
(イ)〜(ハ)及び図14(イ)〜(ハ)に示す様に、
針孔糸通しが実行される。その動作について説明する。
パルスモータ105が正転されると、前述の様に、糸通
し棒60が下降する。糸通しフック90が目孔63と同
じ高さになると、糸通し棒60はその高さで回動する。
この結果、図9(ロ)に示す様に、糸張り部材64が拡
開状態となると、第1,第2の糸張り部66,67は縫
針62を越える位置に回動した状態となる。
【0058】この拡開動作の際には、上糸wの端部は、
糸端保持部材70に保持されているから、上糸wは、主
に上流側から引き出され、縫針62の目孔63正面に張
り渡される。この時、上糸wは、図示の様に、隙間74
を介して第1の糸張り部66の下側に入り込み、目孔6
3にほぼ当接する状態となる。
【0059】この目孔63に上糸wが当接した状態、即
ち糸張り部材64による糸張り動作においては、上糸w
は、第2の糸張り部67と糸端保持部材70との間に張
り渡された状態となる。しかも、糸張り部材64の拡開
時において、図9(イ),(ロ)に示す様に、糸端保持
部材70はガイド溝88に沿って、まっすぐに図示左方
へ移動している。従って、糸端保持部材70は、この図
示左方への大きなストロークにより上糸wを針棒糸案内
23側から引き出すことになる。この結果、上述の天秤
30の振り上げ時に、上糸wのたるみを完全に吸収しき
れない場合にも、この大きなストロークによって、残っ
ていたたるみが解消される。
【0060】こうして、糸張り部材64による糸張り動
作が実行されるのと同時に、糸通し部材65が図示時計
周りに回動している。この結果、糸通しフック90が、
図14(イ)に示す様に、目孔63を挿通して正面側へ
突き出されると共に、上糸wが、フックガード91の誘
導溝93を通って下向鈎92に引っ掛かる。
【0061】こうして目孔63を挿通した糸通しフック
90に上糸wが引っ掛かったか否かを、糸通し確認セン
サ136のオン信号により確認する(S10)。糸通し
確認センサ136がオンとなったら、タイマーをセット
して所定時間経過するまでパルスモータ105を正転し
続ける(S12)。この処理は、機差等によって上糸w
が糸通しフック90に掛かっていない場合があることを
考慮したものであり、上糸wが糸通しフック90に確実
に掛かってから次の動作に移るためのものである。
【0062】所定時間経過した後に、今度はパルスモー
タ105を逆転する(S13)。なお、この際に、これ
までの正転に要したパルス数Cが電子制御回路120内
の所定のメモリ領域に記憶される。パルスモータ105
が逆転されると、糸通し棒60が回動して、図9(ハ)
に示す様に、糸張り部材64が縮んだ状態に復帰し、糸
通し部材65も回動して、目孔63から通しフック90
が抜け出す。さらに糸通し棒60が回動して、係合ピン
97が回動カム孔96の下端に当接するとこの回動は停
止し、今度は糸通し棒60がガイド部材95と共に上昇
する。
【0063】この結果、図14(ロ),(ハ)に示す様
に、糸通しフック90に引っ掛かった上糸wは目孔63
を挿通して引き出される。この時上糸wの糸端は、支柱
81の表面から外側へ移動し、溝84に沿って受け板8
0と押え皿82との間から外れ落ちる。
【0064】パルスモータ105は、逆転直前に記憶し
た正転時のパルス数Cと一致するパルス数だけ逆転さ
れ、停止される(S14,S15)。以上の結果、天秤
糸掛けと針孔糸通しが完了し、次に起動スイッチSW1
が押下されてオン状態となると縫製制御が開始される
(S16)。
【0065】縫製制御が指示されると、まず押え足11
2が下げられているか否かを判断し(S17)、押え足
112が上位置にある場合にはS16に戻って縫製を開
始しない。一方、押え足112が下げられている場合に
は、ミシンモータ125が駆動されて縫製が実行される
(S18)。このミシンモータ125による縫製は、も
う一度起動スイッチSW1が押下されてオフ状態となる
まで続行される(S19)。
【0066】起動スイッチSW1が押下されてオフ状態
となった場合には、NP2センサ132から検出信号が
送出されるのを待ってミシンモータ125を停止する
(S20,S21)。
【0067】この結果、天秤30が最上位置に振り上げ
られた状態、従って針棒21も上昇して縫針62が布か
ら抜けた状態で上軸40が停止し、図示しない糸釜から
の糸抜けがスムーズに実行される。
【0068】以上説明した様に、本実施の形態によれ
ば、針孔糸通しに先立って針棒21を最上位置近傍へ上
昇させるから、針孔糸通しの際に、糸張り部材64及び
糸通し部材65が押え足112等の縫針62周辺の部材
に衝突することがない。また、この針棒21を最上位置
近傍へ上昇させる際に並行して天秤糸掛けを実行してい
るから、針棒21の下降時に生じる余分の糸量を天秤3
0の振り上げ動作によって吸収することができる。従っ
て、針棒21の下降に伴って上糸wが引き出されたにも
関わらず、この引き出された上糸wがたるんで糸張り部
材64の各爪71,72等から外れ落ちるといったこと
がない。この結果、その後の糸張り部材64による糸張
り動作によって、上糸wは所定通りの緊張状態にて縫針
62の目孔63正面に張り渡される。
【0069】このことから、針孔糸通しの際に、糸通し
部材65等が押え足112等に衝突することなくスムー
ズに作動し、しかも、目孔63を挿通した糸通しフック
92に確実に上糸wを引っ掛けることができる。この結
果、針孔糸通しを確実に実行することができる。
【0070】また、本実施の形態では、糸端保持部材7
0と第2の糸張り部67との間に上糸wを張り渡して緊
張状態としており、しかも、この糸端保持部材70が大
きなストロークで上糸wを上流側から引き出しつつ糸張
り動作を実行するから、天秤糸掛け動作により十分に上
糸wのたるみを吸収することができなくても、残ったた
るみを相当量吸収する能力があり、上糸wを所定の緊張
状態にて確実に張り渡すことができる。さらに、この大
きなストロークで動く糸端保持部材70によれば、天秤
糸掛けによりたるみ吸収を行わない場合の実験において
も、この大きなストローク動作により、針棒21の上下
動に伴って発生する上糸wのたるみを十分吸収すること
が可能なことを確認している。
【0071】この様に、たるみ吸収手段は針棒糸案内2
3に対して上流側に限らず、この糸端保持部材70の様
に下流側にあってもよいのである。さらに、本実施の形
態の様に、針棒糸案内23の上流と下流の両方でたるみ
吸収を実行すれば、たるみはほぼ完全に解消されて、針
孔糸通しに失敗することは殆どない。
【0072】加えて、本実施の形態によれば、針棒糸案
内23に上糸wを掛けて針孔糸通しを実行しているか
ら、この針孔糸通しが終了すれば、直ちにそのまま縫製
を開始できる。なお、本実施の形態の構成に代えて、例
えば自動糸調子ミシン等の上糸供給モータを用いてたる
みを吸収する構成としてもよく、新たにたるみ吸収専用
のモータを設ける構成とすることも可能である。
【0073】また、本実施の形態では、上糸wを目孔6
3の正面に所定の緊張状態で張り渡す構成を採用した
が、目孔63の正面又は背面で適度にたるんだ状態で配
設し、この配設された上糸wをエア等で目孔63内へ吹
き込む構成とした針孔糸通し装置を備えるミシンに適用
することもできる。この様なミシンであっても、上糸w
がたるめば、上糸を目孔に狙いを定めることができなく
なり、針孔糸通しに失敗する。しかし、本実施の形態同
様に、糸通しに先立ってたるみ吸収を実行することによ
り、この問題を解決できる。なお、この構成のミシンの
たるみ吸収動作は、単にたるみを吸収するのみではな
く、目孔の正面に上糸を配設し直すという形で実行され
る。本発明において「たるみ吸収」という場合は、かか
る場合も含むものである。
【0074】さらに、針棒の上昇位置は最上位置近傍に
限らず、例えば押え足112を下げて針孔糸通しを実行
する構成であれば、最上位置近傍まで上昇させる必要は
ない。以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明は
何らこれに限定されず、例えば、糸通しフック90が上
糸wを目孔63内へ引き込む構成に代えて押し込む構成
とする等、その要旨を逸脱しない範囲の種々なる態様を
採用できる。
【0075】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、
通し棒の下降に先立って、離間手段が、縫針とその周辺
の部材とを離間させる。このように縫針とその周辺の部
材とが隔離されると、糸通し手段が、ミシン本体や周辺
の部材等に衝突することがない。従って、スムーズに針
孔糸通しを実行することができる。
【0076】また、請求項1記載の発明では、前記糸通
しミシンが縫製制御中のときは糸通し手段の動作を禁止
し、請求項2記載の発明では、押え足が上昇していない
ときは糸通し手段の動作を禁止し、請求項3記載の発明
では、そのいずれの場合にも糸通し手段の動作を禁止す
る。更に、請求項4記載の発明では、前記針棒が所定量
以上上昇していないと判断されたときにも糸通し手段の
動作を禁止する。
【0077】従って、部材同士の衝突を避け、確実に、
針孔糸通しを実行することができる。そして、糸通し動
作が禁止された場合、再び糸通し手段が操作されなけれ
ば、離間手段による離間が勝手には行われない。
【0078】以上の結果、本発明のミシンは、極めて取
り扱い易く、しかも針孔糸通しを確実に実行することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態の外観を示す斜視図である。
【図2】 その案内溝の構成を示す正面図である。
【図3】 (イ)は天秤部の正面図、(ロ)はその一部
平面図、(ハ)は同じく一部背面図である。
【図4】 天秤の揺動動作を示す説明図である。
【図5】 針棒及び糸通し棒の構成を示すミシンヘッド
内の背面図である。
【図6】 (イ)はその糸通し棒下端に設けられた糸張
り部材の斜視図、(ロ)は糸張り部材の拡開状態におけ
る断面図である。
【図7】 糸張り部材の一部と糸通し部材の平面図であ
る。
【図8】 糸通し部材の一部側面図である。
【図9】 (イ)〜(ハ)は糸張り部材の糸張り動作を
示す平面図である。
【図10】 実施の形態の制御系統の構成を表すブロッ
ク図である。
【図11】 その制御系統の実行する制御処理のフロー
チャートである。
【図12】 その制御処理の続きを表わすフローチャー
トである。
【図13】 (イ)〜(ハ)は天秤の糸掛け動作を説明
する説明図である。
【図14】 (イ),(ロ)は糸通し部材の糸通し動作
を示す斜視図、(ハ)は同じく断面図である。
【符号の説明】
w…上糸 7…糸駒 9…上部糸掛け 11…案
内溝 21…針棒 23…針棒糸案内 30…天秤 60…糸通し棒
62…縫針 63…目孔 64…糸張り部材 65…糸通し部材
70…糸端保持部材 88…ガイド溝 105…パルスモータ 110…
押え足レバー 120…電子制御回路 125…ミシンモータ 1
30…NP1センサ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上糸供給源から引出されて針棒下端の針
    棒糸案内に掛けられた上糸の先端側を、縫針の目孔の正
    面又は背面を横切る位置へ配設するための上糸配設手段
    と、糸通し棒を下降させ、 該配設された上糸を目孔内へ取り
    込んで糸通し動作を実行するための糸通し手段とを備
    え、前記糸通し手段によって糸が前記目孔に通される糸
    通しミシンにおいて、 前記糸通し棒の下降に先立って前記縫針とその周辺の部
    材とを離間させる離間手段と、 前記糸通しミシンが縫製制御中であるか否かを判断する
    第1判断手段と、 該第1判断手段が前記縫製制御中であると判断したと
    き、前記糸通し手段の動作を禁止する第1禁止手段と、前記第1禁止手段により糸通し動作が禁止された場合、
    再び糸通し手段が操作されなければ、前記離間手段によ
    る離間を行わない制御手段と を備えることを特徴とする
    糸通しミシン。
  2. 【請求項2】 上糸供給源から引出されて針棒下端の針
    棒糸案内に掛けられた上糸の先端側を、縫針の目孔の正
    面又は背面を横切る位置へ配設するための上糸配設手段
    と、糸通し棒を下降させ、 該配設された上糸を目孔内へ取り
    込んで糸通し動作を実行するための糸通し手段とを備
    え、前記糸通し手段によって糸が前記目孔に通される糸
    通しミシンにおいて、 前記糸通し棒の下降に先立って前記縫針とその周辺の部
    材とを離間させる離間手段と、 前記糸通しミシンの押え足が上昇しているか否かを判断
    する第2判断手段と、 該第2判断手段が前記上昇していないと判断したとき、
    前記糸通し手段の動作を禁止する第2禁止手段と、前記第2禁止手段により糸通し動作が禁止された場合、
    再び糸通し手段が操作 されなければ、前記離間手段によ
    る離間を行わない制御手段と を備えることを特徴とする
    糸通しミシン。
  3. 【請求項3】 上糸供給源から引出されて針棒下端の針
    棒糸案内に掛けられた上糸の先端側を、縫針の目孔の正
    面又は背面を横切る位置へ配設するための上糸配設手段
    と、糸通し棒を下降させ、 該配設された上糸を目孔内へ取り
    込んで糸通し動作を実行するための糸通し手段とを備
    え、前記糸通し手段によって糸が前記目孔に通される糸
    通しミシンにおいて、 前記糸通し棒の下降に先立って前記縫針とその周辺の部
    材とを離間させる離間手段と、 前記糸通しミシンが縫製制御中であるか否かを判断する
    第1判断手段と、 該第1判断手段が前記縫製制御中であると判断したと
    き、前記糸通し手段の動作を禁止する第1禁止手段と、 前記糸通しミシンの押え足が上昇しているか否かを判断
    する第2判断手段と、 該第2判断手段が前記上昇していないと判断したとき、
    前記糸通し手段の動作を禁止する第2禁止手段と、前記第1禁止手段又は第2禁止手段により糸通し動作が
    禁止された場合、再び糸通し手段が操作されなければ、
    前記離間手段による離間を行わない制御手段と を備える
    ことを特徴とする糸通しミシン。
  4. 【請求項4】 前記針棒が所定量以上上昇しているか否
    かを判断する第3判断手段と、 該第3判断手段が前記上昇していないと判断したとき、
    前記糸通し手段の動作を禁止する第3禁止手段と、 を、更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の糸通しミシン。
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