JP3093119B2 - 排ガス浄化用ハニカム構造体触媒の製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用ハニカム構造体触媒の製造方法

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JP3093119B2
JP3093119B2 JP06304204A JP30420494A JP3093119B2 JP 3093119 B2 JP3093119 B2 JP 3093119B2 JP 06304204 A JP06304204 A JP 06304204A JP 30420494 A JP30420494 A JP 30420494A JP 3093119 B2 JP3093119 B2 JP 3093119B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関からの酸素濃度
の高い排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を低減
する排ガス浄化用ハニカム構造体触媒の製造方法に関
し、さらに詳しくはリーンバーンガソリンエンジン、デ
ィーゼルエンジン等の内燃機関からの排ガス中のNOx
を低減する浄化用ハニカム構造体触媒の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】大気汚染防止を目的として、近年、リー
ンバーンガソリンエンジン自動車およびディーゼルエン
ジンを搭載した自動車またはコージェネレーション発電
機等の内燃機関からの排ガスのように、高い酸素濃度の
内燃機関からの排ガスを浄化することが急務となってい
る。
【0003】こうした用途の触媒としては、非常に高い
ガス空間速度で使用されるために圧力損失を可能な限り
低減する必要があり、一般にガス流通方向に形成された
多数の直通管状通路(セルと呼ぶ)を有するコージェラ
イトあるいはムライト等からなるセラミック製もしくは
複数の金属からなる金属製のハニカム構造体各セルの表
面に、所望の触媒を薄膜状に塗布したハニカム構造体触
媒が使用されている。
【0004】こうした触媒は基材としてのハニカム構造
体の各セル表面に所望の触媒成分を薄膜状に塗布するこ
とによって製造される。ハニカム構造体の各セルに触媒
成分を塗布する方法としては、粉末状のアルミナ、シリ
カ、ゼオライト、シリカ・アルミナ、チタニア、ジルコ
ニア等から選択された酸化物もしくは複合酸化物である
多孔質担体に、有効成分を担持し、触媒とし、これをア
ルミナゾル、シリカゾル等の適当な固着剤と混合して水
性スラリーとなし、このスラリーに前記のハニカム構造
体をディッピングした後、セル内部の余分なスラリーを
加圧空気で除去し、乾燥後、熱処理(焼成)して調製さ
れる。
【0005】金属や金属酸化物を有効成分とし、これを
アルミナ、シリカ等の多孔質担体上に担持した触媒をハ
ニカム構造体のセル表面にウォッシュコートによって塗
布し、各種の反応用のハニカム構造体触媒を製造する場
合、該ハニカム構造体触媒に所望の反応特性と寿命を付
与するために、可能な限り多量の触媒成分をハニカム構
造体のセル表面に塗布しなければならない。
【0006】従来の方法によって多量の触媒成分を塗布
する場合には、使用するコート用水性スラリーの粘度と
安定性の問題から該スラリー中の触媒成分濃度には制限
があり、コート回数が著しく増加して製造コストが上昇
するという経済性の面で問題があった。また、多量の触
媒成分を塗布した場合には、各セル表面に塗布される触
媒成分の膜厚が塗布量に応じてその厚さが増加する。膜
厚の増加は触媒成分が塗布されたハニカム構造体触媒の
調製における熱処理工程または反応に使用されている状
態において、繰り返し熱衝撃を受けることから塗布膜に
歪みが発生し、亀裂が生じることによって塗布された触
媒成分が剥離しやすくなり、結果として反応特性と寿命
が低下するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした従
来技術の課題を解決し、多量の触媒成分を少ないコート
回数で経済的に塗布し、かつ多量の触媒成分の各セル表
面への付着によってコート膜厚が増加しても触媒成分の
剥離、脱落を最小限に抑制できるハニカム構造体触媒の
製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、コ
ート用水性スラリーに剥離防止剤として特定の径を有す
るシリカ系セラミック繊維を含有させることによって達
成される。
【0009】すなわち、本発明は、ガスの流通方向に形
成された多数のセルを有するハニカム構造体の表面に、
触媒を固着させてなる排ガス浄化用ハニカム構造体触媒
の製造方法であって、該触媒を水性スラリー化してハニ
カム構造体表面にコートして固着させるに際し、該触媒
とアルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、ジルコニ
アゾルから選択された少なくとも1種のゾルからなる固
着剤と酢酸、無水酢酸、酢酸のアルカリ塩から選択され
た少なくとも1種の粘度低下剤、および該触媒のメジア
ン径の0.95〜12.5倍の繊維径を有するシリカ系
セラミック繊維からなる剥離防止剤とを含有するコート
用水性スラリーを該ハニカム構造体表面に塗布し、該触
媒をハニカム構造体表面に固着させ、次いで焼成(熱処
理)することを特徴とする排ガス浄化用ハニカム構造体
触媒の製造方法にある。
【0010】本発明に用いられる触媒成分は特に制限さ
れないが、好ましくは銀または銀化合物を含有する少な
くとも1種以上の活性成分が多孔質耐熱性担体上に担持
されたものである。銀化合物としては酸化銀や塩化銀、
臭化銀といったハロゲン化銀や炭酸銀、硫酸銀、燐酸銀
等が例示される。触媒特性からこれらの活性成分の量は
銀に換算して好ましくは0.01〜20.0重量%、さ
らに好ましくは0.05〜15.0重量%含有すること
が望ましい。銀に換算した量が0.01重量%未満では
窒素酸化物の除去効率が小さく、20.0重量%を超え
た場合には、高温での窒素酸化物の除去効率が劣ったも
のとなる。
【0011】多孔質耐熱性担体としては、シリカ、アル
ミナ、チタニア、ジルコニア等の酸化物あるいはシリカ
・アルミナ、ゼオライトといったこれらの複合酸化物等
が挙げられる。この耐熱性多孔質担体は通常酸化物の状
態で使用されるが、特に酸化物に限定されるものではな
く、熱分解を経ていない水和酸化物上に前記の銀もしく
は銀化合物を担持し、最終的に熱処理して触媒となすこ
ともできる。
【0012】耐熱性多孔質担体上への前記銀もしくは銀
化合物の担持方法は特に限定されるものではなく、任意
の方法でよいが、例えば硝酸銀水溶液に前記の担体粉末
を懸濁させた後に、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム
等の水溶性塩素化合物の水溶液を添加し、担体上に塩化
銀として担持させた後、熱処理して触媒となすことがで
きる。
【0013】本発明ではこのようにして得られた触媒を
コート用水性スラリーとする。このコート用水性スラリ
ーには、触媒に加えて固着剤と粘度低下剤、さらに剥離
防止剤とを含有する。
【0014】固着剤はコート用スラリーでハニカム構造
体の各セル表面にウォッシュコートした後、熱処理(焼
成)によって触媒の粒子をハニカム構造体のセル表面に
強固に固着させるためのものであって、具体的にはアル
ミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾル
の中から選択された少なくとも1種以上のゾルから選択
される。
【0015】また、水性スラリーの粘度を低下させるた
めの粘度低下剤としては、酢酸、無水酢酸、もしくは酢
酸カリウム、酢酸ナトリウム等の酢酸のアルカリ塩の少
なくとも1種以上が選択されるが、この他に、シュウ
酸、酒石酸、アクリル酸等のカルボン酸もしくはその誘
導体を使用してもよい。粘度低下剤の含有量は水性スラ
リー中の触媒重量に対して、好ましくは0.5〜15.
0重量%、さらに好ましくは1.0〜12.0重量%で
ある。粘度低下剤の含有量が0.5重量%未満では粘度
低下効果を発現できず、15.0重量%を超えると触媒
の担体成分が溶解し、触媒性能を劣化させる恐れを有す
るのみならず、過剰であるために経済性に劣る。
【0016】上記した触媒成分、固着剤、粘度低下剤を
含有した水性スラリーは撹拌、混合され、さらに水性ス
ラリー中の触媒は湿式粉砕機で粉砕され、触媒のメジア
ン径を好ましくは0.1〜15.0μm、さらに好まし
くは0.5〜12.0μmとされる。触媒のメジアン径
が0.1μm未満ではスラリー粘度が上昇し、結果とし
てハニカム構造体への触媒固着の不均一性、ハニカム構
造体触媒からの触媒の剥離率の増加を招く。他方、触媒
メジアン径が15.0μmを超えると水性スラリー中の
触媒の沈降が著しく、安定性に欠ける。
【0017】上記のように湿式粉砕して調製された水性
スラリーは、最終的に剥離防止剤を加えてコート用水性
スラリーが完成される。剥離防止剤はシリカまたはシリ
カとアルミナ、カルシア等からなるシリカ系セラミック
繊維であり、耐熱性の繊維状物質であるが、成分は特に
限定されるものではなく、シリカを主成分とする耐熱性
のあるセラミック繊維物質であればよい。該剥離防止剤
(シリカ系セラミック繊維)の繊維径は好ましくは6.
0〜15.0μm、さらに好ましくは8.0〜13.0
μmである。また平均繊維長さは好ましくは30〜30
0μm、さらに好ましくは60〜200μmである。繊
維径が6.0μm未満では繊維径が細すぎることから強
度上に問題があり、水性スラリーの調製時に所望の繊維
長を維持できないという欠点がある。他方、繊維径が1
5.0μmを超えると、水性スラリー中の触媒成分粒子
径より著しく大きくなることにより、触媒成分粒子と剥
離防止剤との均一混合が困難となる。また、平均繊維長
さが30μm未満では、コート膜に発生する亀裂防止に
十分な効果が得られず、平均繊維長さが300μmを超
えると水性スラリーをハニカム構造体の各セルにウォッ
シュコートする場合に、セルプラグを発生し易くなるの
で好ましくない。前記のような繊維径と長さを持つ剥離
防止剤は、水性スラリー中の触媒成分に対して1.0〜
20.0重量%、さらに好ましくは2.0〜10.0重
量%添加される。添加量が1.0重量%未満では剥離防
止効果が減少する。また、添加量が20.0重量%を超
えると経済性の面で劣る。
【0018】本発明によるハニカム構造体触媒の製造
は、上記のようにして調製されたコート用水性スラリー
に、ハニカム構造体をディップして引き上げた後、ハニ
カム構造体の各セル内部の余分なスラリーを加圧空気に
よって除去する(ウォッシュコート)。
【0019】さらに乾燥した後、ウォッシュコートを繰
り返す。こうして所望の触媒成分量をハニカム構造体の
セル表面に固着させ、最終的に熱処理(焼成)して触媒
成分が強固に固着されたハニカム構造体触媒を得る。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例等によってさらに詳細
に説明する。
【0021】実施例1 ビーカーに純水250gを採り、硝酸銀4.14gを添
加して溶解した。40℃のこの液に粉末アルミナ水和酸
化物(商品名:Pural SB、Condea社製)
100gを加えて撹拌、懸濁し、別に調製した塩化アン
モニウム1.4gを純水50gに溶解した水溶液を15
分間で添加してアルミナ水和酸化物粒子表面に塩化銀を
担持させた。60分間熟成した後、スプレードライし、
得られた粉末をさらに390℃で60分間焼成すること
により銀に換算して2.97重量%を含有する銀/アル
ミナ触媒を得た。
【0022】次に、この触媒45gと純水100g、酢
酸2.25gおよびアルミナゾル(Al23含有率1
0.5重量%)21.4gを加えて撹拌、混合し、湿式
粉砕機を用いて触媒のメジアン径を8.5μmとし、固
形分濃度28.0重量%の水性スラリーを調製した。こ
のスラリーの粘度を測定したところ15cpsであっ
た。湿式粉砕したスラリーに剥離防止剤として繊維径1
0μm、平均繊維長さ100μmであるシリカ系セラミ
ック繊維を触媒重量に対して6.0重量部添加し撹拌、
混合した。
【0023】このスラリーに直径20mm、高さ16m
m、セル数200セル/平方インチのコージェライト製
ハニカム構造体をディップし、引き上げた後に加圧空気
によってセル内の余分なスラリーを除去した。50℃で
5分間予備乾燥した後、190〜200℃で乾燥した触
媒成分を固着させ、この操作を2回繰り返した。最終的
に600℃で90分間空気中で焼成しハニカム構造体触
媒を得た。得られたハニカム構造体触媒は197g/L
の触媒成分がコートされた。
【0024】剥離試験は次のようにして実施した。ハニ
カム構造体触媒を180℃で2時間乾燥してデシケータ
中で冷却し、ハニカム構造体触媒の重量(W1)を測定
し、このハニカム構造体触媒を800℃に維持した電気
炉に入れ15分間保持、ただちに室温下に15分間放置
した。この操作を2回繰り返した後、ハニカム構造体触
媒を水中に入れ、28KHzの超音波処理を10分間実
施した。180℃2時間乾燥してデシケータ中で冷却し
た後の受領(W2)を測定し、剥離率を下記の式から求
めた。下記の式においてW0はウォッシュコート前のハ
ニカム構造体のみの重量である。
【0025】剥離率(%)={(W1−W2)/(W1
0)}×100 このようにして得られた剥離率をコート回数、コート量
と共に表1に示す。
【0026】実施例2 ビーカーに純水1,000gを採り、硝酸銀5.7gを
添加して溶解した。40℃に維持されたこの液に、粉末
シリカ(商品名:トクシール UR、トクヤマ社製)1
00gを加えて撹拌、懸濁し、別に調製した塩化アンモ
ニウム2.0gを純水50gに溶解した水溶液を15分
間で添加してシリカ粒子表面に塩化銀を担持させた。6
0分間熟成して濾過、洗浄を繰り返した後、スプレード
ライで乾燥し、さらに350℃で60分間焼成すること
により銀に換算して3.4重量%を含有する銀/シリカ
触媒を調製した。
【0027】次に、この触媒45g、酢酸カリウム3.
6g、純水100gおよびシリカゾル(SiO2含有率
20.5重量%)17.6gを撹拌、混合し、さらに湿
式粉砕機を用いて触媒のメジアン径を6.5μmとし、
固形分濃度31.4重量%である水性スラリーを調製し
た。このスラリーの粘度は85cpsであった。次いで
湿式粉砕したスラリーに剥離防止剤として繊維径8.5
μm、平均繊維長さ180μmであるシリカ系セラミッ
ク繊維を触媒重量に対して12.0重量部添加し、撹
拌、混合した。
【0028】この水性スラリーを実施例1に記載と同様
の方法でハニカム構造体セル表面に触媒成分を2回ウォ
ッシュコートしてハニカム構造体触媒を調製した。得ら
れたハニカム構造体触媒は178g/Lの触媒成分がコ
ートされた。
【0029】また、実施例1と同様に剥離試験を行な
い、その剥離率をコート回数、コート量と共に表1に示
す。
【0030】実施例3 ビーカーに純水250gを採り、硝酸銀7.4gを添加
して溶解した。40℃に維持されたこの液に、粉末チタ
ニア(商品名:C−2、石原産業社製)100gを加え
て撹拌、懸濁し、別に調製した塩化アンモニウム2.8
gを純水50gに溶解した水溶液を15分間で添加して
チアニア粒子表面に塩化銀を担持させた。60分間熟成
して濾過、洗浄を繰り返した後、スプレードライで乾燥
し、さらに350℃で60分間焼成することにより銀に
換算して4.4重量%を含有する銀/チタニア触媒を調
製した。
【0031】次に、この触媒50g、酢酸2.5g、純
水100gおよびチタニアゾル(TiO2含有率30.
0重量%)8.3gを撹拌、混合し、さらに湿式粉砕機
を用いて触媒のメジアン径を1.2μmとし、固形分濃
度32.6重量%である水性スラリーを調製した。この
スラリーの粘度は36cpsであった。次いで湿式粉砕
したスラリーに剥離防止剤として繊維径12.5μm、
平均繊維長さ65μmであるシリカ系セラミック繊維を
触媒重量に対して2.0重量部添加し、撹拌、混合し
た。
【0032】この水性スラリーを実施例1に記載と同様
の方法でハニカム構造体セル表面に触媒成分を2回ウォ
ッシュコートしてハニカム構造体触媒を調製した。得ら
れたハニカム構造体触媒は215g/Lの触媒成分がコ
ートされた。
【0033】また、実施例1と同様に剥離試験を行な
い、その剥離率をコート回数、コート量と共に表1に示
す。
【0034】実施例4 ビーカーに純水250gを採り、硝酸銀1.59gを添
加して溶解した。40℃に維持されたこの液に、粉末ジ
ルコニア(商品名:RC、第一稀元素化学工業社製)1
00gを加えて撹拌、懸濁し、別に調製した炭酸ナトリ
ウム0.55gを純水50gに溶解した水溶液を15分
間で添加してジルコニア粒子表面に炭酸銀を担持させ
た。60分間熟成して濾過、洗浄を繰り返した後、スプ
レードライで乾燥し、さらに450℃で60分間焼成す
ることにより銀に換算して1.0重量%を含有する銀/
ジルコニア触媒を調製した。
【0035】次に、この触媒50g、無水酢酸5.5
g、純水100gおよびジルコニアゾル(ZrO2含有
率25.0重量%)22.0gを撹拌、混合し、さらに
湿式粉砕機を用いて触媒のメジアン径を1.0μmと
し、固形分濃度31.4重量%である水性スラリーを調
製した。このスラリーの粘度は41cpsであった。次
いで湿式粉砕したスラリーに剥離防止剤として繊維径1
2.5μm、平均繊維長さ180μmであるシリカ系セ
ラミック繊維を触媒重量に対して4.0重量部添加し、
撹拌、混合した。
【0036】この水性スラリーを実施例1に記載と同様
の方法でハニカム構造体セル表面に触媒成分を2回ウォ
ッシュコートしてハニカム構造体触媒を調製した。得ら
れたハニカム構造体触媒は185g/Lの触媒成分がコ
ートされた。
【0037】また、実施例1と同様に剥離試験を行な
い、その剥離率をコート回数、コート量と共に表1に示
す。
【0038】実施例5 ビーカーに純水250gを採り、硝酸銀14.9gを添
加して溶解した。40℃に維持されたこの液に、粉末ア
ルミナ水和酸化物(商品名:Pural SB、Con
dea社製)100gを加えて撹拌、懸濁し、別に調製
した炭酸ナトリウム5.1gを純水50gに溶解した水
溶液を15分間で添加してアルミナ水和酸化物粒子表面
に炭酸銀を担持させた。60分間熟成して濾過、洗浄を
繰り返した後、スプレードライで乾燥し、さらに450
℃で60分間焼成することにより銀に換算して10.0
重量%を含有する銀/アルミナ触媒を調製した。
【0039】次に、この触媒65g、酢酸2.0g、純
水100gおよびアルミナゾル(Al23含有率10.
5重量%)18.6gを撹拌、混合し、さらに湿式粉砕
機を用いて触媒のメジアン径を10.5μmとし、固形
分濃度36.1重量%である水性スラリーを調製した。
このスラリーの粘度は58cpsであった。次いで湿式
粉砕したスラリーに剥離防止剤として、繊維径10μ
m、平均繊維長さ180μmであるシリカ系セラミック
繊維を触媒重量に対して8.0重量部添加し、撹拌、混
合した。
【0040】この水性スラリーを実施例1に記載と同様
の方法でハニカム構造体セル表面に触媒成分を2回ウォ
ッシュコートしてハニカム構造体触媒を調製した。得ら
れたハニカム構造体触媒は205g/Lの触媒成分がコ
ートされた。
【0041】また、実施例1と同様に剥離試験を行な
い、その剥離率をコート回数、コート量と共に表1に示
す。
【0042】比較例1 ビーカーに純水250gを採り、硝酸銀4.14gを添
加して溶解した。40℃のこの液に粉末アルミナ水和酸
化物(商品名:Pural SB、Condea社製)
100gを加えて撹拌、懸濁し、別に調製した塩化アン
モニウム1.4gを純水50gに溶解した水溶液を15
分間で添加してアルミナ水和酸化物粒子表面に塩化銀を
担持させた。60分間熟成した後、スプレードライし、
得られた粉末をさらに390℃で60分間焼成すること
により銀に換算して2.97重量%を含有する銀/アル
ミナ触媒を調製した。
【0043】次に、この触媒45gと純水100g、酢
酸2.25gおよびアルミナゾル(Al23含有率1
0.5重量%)21.4gを加えて撹拌、混合し、さら
に湿式粉砕機を用いて触媒のメジアン径を8.5μmと
し、固形分濃度28.0重量%の水性スラリーを調製し
た。このスラリーの粘度を測定したところ15cpsで
あった。
【0044】この水性スラリーを実施例1に記載と同様
の方法でハニカム構造体セル表面に触媒成分を5回ウォ
ッシュコートしてハニカム構造体触媒を調製した。得ら
れたハニカム構造体触媒は153g/Lの触媒成分がコ
ートされた。
【0045】また、実施例1と同様に剥離試験を行な
い、その剥離率をコート回数、コート量と共に表1に示
す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、ウォッシュ
コートに用いる水性スラリーに剥離防止剤としてのシリ
カ系セラミック繊維を加えることにより、少ないコート
回数でより多くの触媒成分をハニカム構造体表面にコー
トすることが可能である。また、塗布された触媒成分の
コート膜が添加されたシリカ系セラミック繊維によって
強固に保持されているため、コート量が著しく多いハニ
カム構造体触媒であっても使用中の触媒成分の剥離が極
めて少なく、触媒の耐久性、製造における経済性、剥離
量が少ないことによる使用時の環境良化等の利点を有す
ることから、本発明により得られるハニカム構造体触媒
は、排ガス浄化用触媒への適用には極めて有利である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 23/58 B01D 53/36 C 35/04 301 102H (72)発明者 小島 光雄 新潟県新津市滝谷本町1番26号日揮化学 株式会社新津事業所内 (56)参考文献 特開 昭62−129146(JP,A) 特開 平4−131140(JP,A) 特開 昭58−30333(JP,A) 特開 昭54−136587(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86 B01D 53/94

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスの流通方向に形成された多数のセル
    を有するハニカム構造体の表面に、触媒を固着させてな
    る排ガス浄化用ハニカム構造体触媒の製造方法であっ
    て、該触媒を水性スラリー化してハニカム構造体表面に
    コートして固着させるに際し、該触媒とアルミナゾル、
    シリカゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾルから選択さ
    れた少なくとも1種のゾルからなる固着剤と酢酸、無水
    酢酸、酢酸のアルカリ塩から選択された少なくとも1種
    の粘度低下剤、および該触媒のメジアン径の0.95〜
    12.5倍の繊維径を有するシリカ系セラミック繊維か
    らなる剥離防止剤とを含有するコート用水性スラリーを
    該ハニカム構造体表面に塗布し、該触媒をハニカム構造
    体表面に固着させ、次いで焼成することを特徴とする排
    ガス浄化用ハニカム構造体触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記触媒は、銀または銀化合物から選択
    された少なくとも1種の活性成分が多孔質耐熱性担体に
    担持されたものであり、該活性成分を銀に換算して0.
    01〜20.0重量%含有する請求項1に記載の排ガス
    浄化用ハニカム構造体触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記コート用水性スラリーは、該スラリ
    ー中の触媒量に対して、前記粘度低下剤を0.5〜1
    5.0重量%含有する請求項1または2に記載の排ガス
    浄化用ハニカム構造体触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記コート用水性スラリー中の該触媒の
    メジアン径が0.1〜15.0μmであり、かつシリカ
    系セラミック繊維の繊維径が6.0〜15.0μmであ
    ることを特徴とする請求項1、2または3に記載の排ガ
    ス浄化用ハニカム構造体触媒の製造方法。
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