JP3088893B2 - データ受信装置 - Google Patents

データ受信装置

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JP3088893B2
JP3088893B2 JP06015709A JP1570994A JP3088893B2 JP 3088893 B2 JP3088893 B2 JP 3088893B2 JP 06015709 A JP06015709 A JP 06015709A JP 1570994 A JP1570994 A JP 1570994A JP 3088893 B2 JP3088893 B2 JP 3088893B2
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相変調方式のディジ
タル無線通信に用いられるデータ受信装置に関し、特
に、同期検波した受信信号の位相誤差を幅広く自動修正
できるように構成したものである。
【0002】
【従来の技術】4値の位相変調方式であるπ/4シフト
QPSKでは、送信側は、I軸およびQ軸上に信号点配
置された4つのシンボルの内のいずれかを送信し、次に
I軸およびQ軸から45°回転した軸上に信号点配置さ
れた4つのシンボルの内のいずれかを送信し、次に再び
I軸およびQ軸上のシンボルの内のいずれかを送信する
という動作を順次繰返す。伝送すべき情報は、シンボル
と次に送信されるシンボルとの間の位相差によって表わ
される。この位相差としては、±π/4および±3π/
4を取ることができ、それぞれの位相差が予め決められ
た(0,0)(0,1)(1,0)(1,1)のいずれ
かの情報を表わしている。
【0003】この位相差(送信側の変調位相差を△φと
すると)の信号点は、I軸を横軸、Q軸を縦軸に表示し
た位相ダイヤグラムにおいて、図3の黒丸と重なる位置
に表示される。各信号点に付された矢印は、次の信号の
遷移方向を示している。つまり、現在の位相差△φがπ
/4であるときは、次の位相差△φとして、より大きい
3π/4を取ることもできれば、より小さい−π/4ま
たは−3π/4を取ることもできる。これに対して、現
在の位相差△φが3π/4のときは、次の位相差△φと
して、より大きい位相差を取ることはできず、また、現
在の位相差△φが−3π/4のときは、次の位相差△φ
として、さらに小さい位相差を取ることはできない。
【0004】一方、受信側は、受信信号を同期検波して
同相成分と直交成分とを検出し、それらの成分で表わさ
れる位相(変調位相)のシンボル間の位相差を判別し
て、送られた情報を取出す。このとき、受信した変調信
号の中心周波数と同期検波に用いる局部発振器の発振周
波数との間に周波数誤差△fが存在する場合には、変調
位相の位相差△φrに位相誤差θeが含まれてしまう。
こうした事態に対処するため、データ受信装置には、こ
の位相誤差θeを補償する手段が設けられており、それ
により復号における誤り率の改善が図られている。
【0005】この種の従来のデータ受信装置は、図5に
示すように、π/4シフトQPSK変調波信号を受信す
るアンテナ1と、受信信号を波形整形する受信用ルート
ナイキスト・バンドパス・フィルタ2と、ルートナイキ
スト・バンドパス・フィルタ2の出力の振幅を制限する
リミタアンプ3と、リミタアンプ3の出力からベースバ
ンドの同相成分および直交成分を検出するための直交検
波部を構成する局部発振器4、π/2移相器5および乗
算器6、7と、直交検波部の同相および直交出力に含ま
れる2倍の搬送波成分を除去するローパスフィルタ8、
9と、ローパスフィルタ8、9の出力をディジタル信号
に変換するA/D変換器10、11と、A/D変換器10、11
の出力に応じて記憶している変調位相データを出力する
アークタンジェントROM12と、1シンボル周期におけ
る変調位相の位相差△φrを検出するための位相遅延検
波部を構成する遅延器13および減算器14と、位相遅延検
波部の出力からビット・タイミングを再生するタイミン
グ再生回路16と、位相遅延検波部から出力された変調位
相△φrの位相差に含まれる位相誤差θeを補償する自
動周波数制御回路17と、自動周波数制御回路17の出力に
基づいて変調位相差の角度を判定する判定器18と、判定
器18の出力を2値データに変換するデコーダ19と、デコ
ーダ19の出力を受信データとして出力する受信データ出
力端子20とを備えている。
【0006】A/D変換器10、11は、ローパスフィルタ
8、9の出力をディジタル信号に変換するため、シンボ
ルレートのM倍(M:正整数)のサンプリング周波数で
動作する。
【0007】また、アークタンジェントROM12は、A
/D変換器10、11からXとYとの信号が入力されると、
それらをアドレス信号として、tan-1(X/Y)に対
応する変調位相データφrを読出して出力する。
【0008】また、位相遅延検波部を構成する遅延器13
は、アークタンジェントROM12の出力を1シンボル周
期分遅延させ、また、減算器14は、現時点の変調位相で
あるアークタンジェントROM12の出力から1シンボル
前の変調位相である遅延器13の出力を減算する。
【0009】また、自動周波数制御回路17は、タイミン
グ再生回路16の出力するビット・タイミング信号に同期
して位相遅延検波部の出力を取込み、判定器18の出力を
参照しながら、位相遅延検波部の出力である変調位相差
△φrに生じた位相誤差θeを補償する。
【0010】図3は、位相遅延検波部が、受信したπ/
4シフトQPSK変調波信号を基に位相遅延検波して得
た変調位相差△φrを表わす位相ダイアグラムであり、
位相誤差θeがゼロの場合を示している。また、図4の
位相ダイアグラムは、受信した被変調信号の中心周波数
と直交検波部の局部発振器4の発振周波数との間に周波
数誤差△fがあるために位相誤差θeが生じているとき
の変調位相差△φrを表わしている。
【0011】このデータ受信装置は、次のように動作す
る。直交検波部は、受信したπ/4シフトQPSK変調
波信号をベースバンド信号に周波数変換する。この時、
変調波信号のシンボルレートをfR=1/T、A/D変
換器10、11のサンプリング周波数をfS=1/TS=Mf
R(M:正整数)とすると、A/D変換器10、11の出力
X(kTS)、Y(kTS)は次の式(1)、(2)のよう
になる。 X(kTS)=cos(φ(kTS)−2πΔfkTS) (1) Y(kTS)=sin(φ(kTS)−2πΔfkTS) (2) 式(1)、(2)において、φ(kTS)は受信されたπ
/4シフトQPSK変調波信号の送信変調位相であり、
Δfはこの変調信号の中心周波数と局部発振器4の発振
周波数との間の周波数誤差である。
【0012】一方、アークタンジェントROM12は、X
(kTS)およびY(kTS)をそれぞれアドレス信号とし
て、記憶しているデータの中からtan-1(X(kTS
/Y(kTS))に対応する変調位相データφr(kTS)を
出力する。これを受けて位相遅延検波部では、減算器14
が、このφr(kTS)から、遅延器13の出力する1シンボ
ル周期分遅延したφr((k−M)TS)を減算し、次式
(3)で表される受信変調位相差Δφrを出力する。
【0013】 Δφr(kTS)=φr(kTS)−φr((k−M)TS) =Δφ(kTS)+θe (3) このΔφ(kTs)は、式(4)で表される送信変調位
相差成分であり、θeは、式(5)で表されるΔfに起
因する位相誤差である。 Δφ(kTS)=φ(kTS)−φ((k−M)TS) (4) θe=−2πΔfMTS=−2πΔfT (5)
【0014】この位相遅延検波部の出力を位相ダイヤグ
ラムで表示すると(位相ダイヤグラムでは、I,Q平面
上の横軸IにcosΔφrが、縦軸QにsinΔφrが表
示される)、θe=0(Δf=0)の時には、式(3)
よりΔφr(kTS)=Δφ(kTS)となり、また、π/4
シフトQPSK変調の送信変調位相差Δφ(kTS)が±
π/4または±3π/4であるから、受信変調位相差△
φrは、図3のように表わせる。また、θe≠0(Δf
≠0)の時は、図4に示すように、位相ダイアグラム上
で送信変調位相差と受信変調位相差△φrとの間に一定
の位相誤差θeが生じる。その結果、受信変調位相差△
φrと判定境界(I軸、Q軸)との間のノイズマージン
が減少し、ノイズによっては判定境界を乗越える場合が
生じるため、受信データの誤り率特性が劣化してしま
う。
【0015】自動周波数制御回路17は、このΔfに起因
する位相誤差θeを補償する。自動周波数制御回路17
は、先ず、タイミング再生回路16で再生されたビット・
タイミング信号に同期して、識別する時点での位相遅延
検波部の出力Δφr(nT)を取込み、次式(6)により
判定器18の出力Δφd(nT)(なお、判定器18は、自動
周波数制御回路17の出力が第1象限にあると判定したと
きはπ/4を、第2象限にあると判定したときは3π/
4を、第3象限にあると判定したときは−3π/4を、
第4象限にあると判定したときは−π/4を出力する)
との平均誤差βを求め、これを位相誤差θeの推定値と
する。 β=(1/NS)Σ[Δφr((n−i)T)−Δφd((n−i)T)] (6) (Σはi=0からNS−1まで加算、NS:正整数) 次に、式(7)により、Δφr(nT)からβを減算して
位相誤差θeの補償された変調位相差Δφe(nT)を得
る。
【0016】 Δφe(nT)=Δφr(nT)−β (7) この時、受信された変調信号の中心周波数と局部発振器
4の周波数との間の周波数誤差Δfが|Δf|<fR
8であるならば、位相誤差θeは式(5)より|θe|
<π/4となるので、判定器18は、判定境界(判定閾
値)を図4のI軸およびQ軸に採ることにより、当初か
ら定常的な判定誤りを侵すことなく判定結果を出力する
ことができる。そのため、平均誤差βは、位相誤差θe
の正しい推定値となり、式(7)により位相誤差θeを
補償することが可能となる。また、判定器18は、それを
受けて、さらに誤りを含まない判定結果を出力すること
ができる。
【0017】このように、自動周波数制御回路17を備え
る従来のデータ受信装置は、受信した変調信号の中心周
波数と局部発振器4の周波数との間の周波数誤差Δfが
|Δf|<fR/8であるならば、このΔfの影響を補
償し、受信データの誤り率特性の劣化を改善することが
できる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のデータ
受信装置では、受信された変調信号の中心周波数と局部
発振器4の周波数との間の周波数誤差ΔfがfR/8≦
|Δf|<fR/4(fR:シンボルレート)である場合
には、位相遅延検波部の出力に含まれる位相誤差θeが
π/4≦|θe|<π/2となるので、図4のI,Q平
面上において識別時点でのΔφr(nT)の信号点の存在
する象限が変わってしまい、判定器18は当初から定常的
な判定誤りを生じることになる。そのため、自動周波数
制御回路17は、θeの正しい推定値を得ることができ
ず、誤った方向に位相補償を行なってしまう。その結
果、受信データの誤り率特性が著しく劣化するという問
題点がある。
【0019】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、変調信号の中心周波数と局部発振器4の
周波数との間の周波数誤差Δfに起因して、位相遅延検
波部の出力にπ/4≦|θe|の位相誤差θeが生じる
場合でも、それを補償することができる、広い自動周波
数制御範囲を備えたデータ受信装置を提供することを目
的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、位
相変調の受信信号に対する直交検波に使用する局部発振
器と、前記受信信号における変調位相を求め、この変調
位相の1シンボル周期での位相差を求める位相遅延検波
部と、受信信号の中心周波数と局部発振器の発振周波数
との間の周波数差に起因して前記位相差に生じる位相誤
差θeを補償する自動周波数制御手段とを備えるπ/4
シフトQPSK変調方式のデータ受信装置において、位
相遅延検波部から出力された位相差に生じている位相誤
差θeの大きさの範囲とその向きとを、ゼロクロスの情
報を用いて判定するゼロクロス判定手段と、前記ゼロク
ロス判定手段が位相誤差θeの大きさをπ/4≦|θe
|と判定したとき、位相遅延検波部の出力する位相差に
πK/4(Kは正または負の整数)を付加して自動周波
数制御手段に出力する位相加算手段とを設けている。
【0021】また、前記ゼロクロス判定手段が、位相ダ
イアグラムのI軸またはQ軸を横切る(即ち、ゼロクロ
スする)信号の数に基づいて、位相誤差θeの大きさの
範囲とその向きとを判定するように構成している。
【0022】
【作用】そのため、位相誤差θeがπ/4以上のときに
は、位相加算手段が、ゼロクロス判定手段の判定結果に
基づいて、位相遅延検波部の出力する位相差にπK/4
(Kは正または負の整数)を付加し、位相誤差θeを含
む位相差の信号点を本来の送信変調位相差の信号点が存
在していた象限にまで引戻す。従って、自動周波数制御
手段は、従来の位相補償方式をそのまま実行することに
より、常に正しい位相補償を行なうことができる。
【0023】ゼロクロス判定手段は、π/4シフトQP
SK変調方式の信号点の遷移方向における性質を利用し
て、位相誤差の大きさや向きを判定する。つまり、位相
誤差が生じたことによって、位相ダイアグラムの正また
は負のI軸やQ軸を横切る信号の頻度が変化するので、
それを検出することにより、位相誤差の大きさや向きを
判定する。
【0024】
【実施例】本発明の実施例におけるデータ受信装置は、
図1に示すように、被変調信号の中心周波数と局部発振
器4の発振周波数との間の周波数誤差によって変調位相
差△φrにπ/4≦|θe|<π/2の位相誤差θeが
生じているとき、その誤差を|θe|<π/4に低減す
る位相補償回路15を備えている。その他の構成は、従来
の装置(図5)と変わりがない。
【0025】この位相補償回路15は、図2に示すよう
に、位相遅延検波部から入力された変調位相差Δφr
含まれている位相誤差θeの大きさおよびその正負を判
定してその結果に従って制御信号を出力するゼロクロス
判定回路21と、ゼロクロス判定回路21の制御信号に応じ
て0、π/4または−π/4の位相回転を位相遅延検波
部の出力信号Δφrに加える位相加算回路22とから成
る。
【0026】ゼロクロス判定回路21は、位相ダイアグラ
ムのI、Q上においてΔφrの示す信号点が負のI軸を
横切る回数、正のQ軸を横切る回数および負のQ軸を横
切る回数をそれぞれカウントすることにより、位相誤差
θeの大きさとその正負とを判定する。
【0027】このデータ受信装置は、次のように動作す
る。直交検波部、アークタンジェントROM12および位
相遅延検波部の動作は、従来の装置と同じである。た
だ、A/D変換器10、11は、シンボルレートに対して十
分大きいサンプリング周波数を用いてA/D変換を行な
う。いま、受信したπ/4シフトQPSK変調波信号の
シンボルレートをfR=1/T、A/D変換器10、11の
サンプリング周波数をfS=1/TS=MfR(M:十分
大きな正整数)、A/D変換器10、11の出力をX(k
S)、Y(kTS)とすると、 X(kTS)=cos(φ(kTS)−2πΔfkTS) (1) Y(kTS)=sin(φ(kTS)−2πΔfkTS) (2) となる。ここで、φ(kTS)は受信されたπ/4シフト
QPSK変調波信号の送信変調位相、Δfはこの変調信
号の中心周波数と局部発振器4の周波数との間の周波数
誤差を表わす。
【0028】また、アークタンジェントROM12は、X
(kTS)およびY(kTS)をそれぞれアドレス信号とし
て、記憶しているデータの中からtan-1(X(kTS
/Y(kTS))に対応する変調位相データφr(kTS)を
出力し、これを受けて位相遅延検波部は、次式に示す受
信変調位相差Δφrを出力する。
【0029】 Δφr(kTS)=φr(kTS)−φr((k−M)TS) =Δφ(kTS)+θe (3) このΔφ(kTs)は送信変調位相差成分であり、θe
はΔfに起因する位相誤差である。Δφ(kTs)とθ
eとは、次式で表わされる。 Δφ(kTS)=φ(kTS)−φ((k−M)TS) (4) θe=−2πΔfMTS=−2πΔfT (5)
【0030】位相遅延検波部の出力する変調位相差Δφ
rは、θe=0(Δf=0)の場合には、図3の位相ダ
イアグラムで表わされ、また、θe≠0(Δf≠0)の
場合には、図4の位相ダイヤグラムで表わされる。
【0031】この図3に示すように、θe=0(Δf=
0)の場合では、第2象限および第3象限における信号
点の遷移方向は、負のI軸から離れる方向だけに限られ
ている。そのため、リミタアンプ3等のRF受信部によ
るノイズの影響を除いては、Δφrの信号点が負のI軸
を横切ることはない。
【0032】また、図4に示すように、|Δf|<fR
/8の周波数誤差Δfに起因して|θe|<π/4の位
相誤差θeが生じている時には、判定境界(判定閾値)と
なるI軸およびQ軸までのノイズマージンが減少し、受
信データの誤り率特性が劣化するが、この影響は、自動
周波数制御回路17によって補償され、誤り率特性が改善
される。なお、この|θe|<π/4の場合にも、ノイ
ズの影響を除いては、Δφrの信号点が負のI軸を定常
的に横切ることはない。
【0033】しかし、周波数誤差ΔfがfR/8≦|Δ
f|<fR/4の場合には、Δfに起因してπ/4≦|
θe|<π/2の位相誤差θeが生じるが、この時に
は、図4におけるθeをこの大きさにまで広げることに
よって分かるように、信号点の遷移経路が定常的に負の
I軸を横切るようになる。また、この時には、π/4≦
θe<π/2であるならば、Δφrの信号点の遷移経路
が負のQ軸を横切る回数に比べて、正のQ軸を横切る回
数の方が多くなる。一方、−π/2<θe≦−π/4の
場合には、逆に、Δφrの信号点の遷移経路が負のQ軸
を横切る回数に比べて、正のQ軸を横切る回数の方が少
なくなる。
【0034】位相補償回路15では、ゼロクロス判定回路
21が位相遅延検波部の出力Δφr(kTS)を取込み、位相
ダイヤグラムにおいてΔφr(kTS)の信号点が、負のI
軸を横切る回数、正のQ軸を横切る回数および負のQ軸
を横切る回数をそれぞれカウントし、その結果に従って
3種類の制御信号SEL(i)(i=1,2,3)を出力
する。このゼロクロス判定回路21は、具体的に次の手順
によってその処理を行なう。
【0035】いま、Δφr(kTS)の角度をnビットを使
って表わそうとすると、2πを2n個に区分したπ/2
n-1を1単位として、その大きさを表わすことができ
る。言換えると、Δφr(kTS)の分解能をnビットとす
ると、各時刻でのΔφr(kTS)の値は、次の式(8)に
よって表わされる。 Δφr(kTS)=(π/2n-1)×m (8) m=0,1,2,‥,2n-1 この時、図3、図4に示すように、第1象限、第2象
限、第3象限、第4象限に存在するΔφr(kTS)は、そ
れぞれ、mの値によって次のように区別される。 0≦m<2n-2 : 第1象限 2n-2 ≦m<2n-1 : 第2象限 (9) 2n-1 ≦m<3・2n-2 : 第3象限 3・2n-2 ≦m≦2n-1 : 第4象限
【0036】さて、ゼロクロス判定回路21は、まず、Δ
φr(kTS)のN0個(N0:正整数)のサンプル値を取込
み、Δφr(kTS)の示す信号点がI,Q軸を横切る場合
には、各サンプル値の存在する象限が変わってくること
を利用して、負のI軸を横切る回数CT1、正のQ軸を
横切る回数CT2および負のQ軸を横切る回数CT3を
それぞれ次のように求める。
【0037】CT1は、サンプル値が第2象限から第3
象限に変化した回数と第3象限から第2象限に変化した
回数との和であり、式(9)の関係を用いて、次式(1
0)により求めることができる。ただし、サンプリング
周波数fS =1/TS はシンボルレートfR にくらべて
十分高いものとする。 CT1={[Δφr((k-1)TS):2n-2≦m<2n-1]∩ [Δφr(kTS):2n-1≦m<3・2n-2]である回数} +{[Δφr((k-1)TS):2n-1≦m<3・2n-2]∩ [Δφr(kTS):2n-2≦m<2n-1]である回数} (10) なお、「A∩B」は、集合A、Bの両方に属している要
素の集合を表わす。
【0038】また、同様にCT2は、サンプル値が第1
象限から第2象限に変化した回数と第2象限から第1象
限に変化した回数との和として、次式(11)により求
めることができる。 CT2={[Δφr((k-1)TS):0≦m<2n-2]∩ [Δφr(kTS):2n-2≦m<2n-1]である回数} +{[Δφr((k-1)TS):2n-2≦m<2n-1]∩ [Δφr(kTS):0≦m<2n-2]である回数} (11) 同じくCT3は、サンプル値が第3象限から第4象限に
変化した回数と第4象限から第3象限に変化した回数と
の和として、次式(12)により求めることができる。 CT3={[Δφr((k-1)TS):2n-1≦m<3・2n-2]∩ [Δφr(kTS):3・2n-2≦m<2n-1]である回数} +{[Δφr((k-1)TS):3・2n-2≦m<2n−1]∩ [Δφr(kTS):2n-1≦m<3・2n-2]である回数} (12) この時、N1<N0なる正整数N1 を閾値として設定し、 CT1<N1 (13) であるならば、ゼロクロス判定回路21は、位相誤差θe
が|θe|<π/4であると判定し、判定信号SEL
(1)を出力する。
【0039】また、 [CT1≧N1]∩[CT2>CT3] (14) であるならば、つまり、信号点が負のI軸を横切る回数
がN1 以上で、かつ、負のQ軸を横切る回数が正のQ軸
を横切る回数より少ないならば、ゼロクロス判定回路21
は、位相誤差θeがπ/4≦θe<π/2であると判定
し、判定信号SEL(2)を出力する。
【0040】また、 [CT1≧N1]∩[CT2<CT3] (15) であるならば、つまり、信号点が負のI軸を横切る回数
がN1 以上で、かつ、負のQ軸を横切る回数が正のQ軸
を横切る回数より多いならば、ゼロクロス判定回路21
は、位相誤差θeが−π/2<θe≦−π/4であると
判定し、判定信号SEL(3)を出力する。
【0041】次に、位相加算回路22は、ゼロクロス判定
回路21からの制御信号に従って、式(16)に示す演算
を行ない、位相遅延検波部の出力Δφr(kTS)に対して
πK/4(K=0,−1,1)の位相回転を加える。
【0042】 Δφc(kTS)=Δφr(kTS)+Kπ/4 制御信号=SEL(1);K=0 制御信号=SEL(2);K=−1 制御信号=SEL(3);K=1 (16)
【0043】この結果、fR/8≦|Δf|<fR/4の
周波数誤差Δfが存在する場合でも、位相補償回路15の
出力Δφc(kTS)における位相誤差θeは|θe|<π
/4となる。
【0044】自動周波数制御回路17は、位相補償回路15
の出力Δφc(kTS)に残留する|θe|<π/4の位相
誤差θeを補償する。この動作は、前述した従来の装置
の自動周波数制御回路17のそれと基本的には同じであ
り、先ずタイミング再生回路16により再生されたビット
・タイミング信号に同期して識別時点での位相補償回路
15の出力Δφc(nT)を取込み、次式(17)により、
判定器18の出力Δφd(nT)との平均誤差βを求め、こ
れをΔφc(kTS)に残留する位相誤差θeの推定値とす
る。 β=(1/NS)Σ[Δφc((n−i)T)−Δφd((n−i)T)] (17) (Σはi=0からNS−1まで加算、NS:正整数) この場合、位相補償回路15の出力Δφc(kTS)に残留す
る位相誤差θeはπ/4以下に低減されているため、Δ
φc(kTS)の信号点は、図4の位相ダイヤグラムの黒丸
の位置にある。従って、I軸およびQ軸を判定境界(判
定閾値)とすることにより、判定器18は、定常的な判断
誤りを生じることなく判定を下すことができ、その結
果、式(17)のβはθeの正しい推定値となる。
【0045】自動周波数制御回路17は、式(18)によ
り、Δφc(nT)からβを減算した値Δφe(nT)を出
力する。この値は、送信変調位相差Δφ(nT)と等しい
値となる。 Δφe(nT)=Δφr(nT)−β =Δφ(nT) (18) 自動周波数制御回路17の出力Δφe(nT)は、判定器18
により角度判定された後、デコーダ19を介して2値の受
信データに変換される。
【0046】このように、実施例の装置では、受信され
た変調信号の中心周波数と局部発振器4の周波数との間
にfR/8≦|Δf|<fR/4の周波数誤差Δfが存在
し、位相遅延検波部の出力にπ/4≦|θe|<π/2
の位相誤差θeが生じているときでも、自動周波数制御
回路17の前に設けた位相補償回路15が位相誤差θeをπ
/4以下に低減するため、自動周波数制御回路17は自動
周波数制御を正常に行なうことができ、その結果、正し
い受信データが復号される。この装置は、等価的に従来
の装置の2倍の周波数範囲において自動周波数制御が可
能である。
【0047】なお、実施例では位相誤差θeがπ/4≦
|θe|<π/2の場合について詳しく説明したが、こ
の考え方を位相誤差θeがさらに大きい場合にまで拡張
することが可能である。そのときの位相誤差θeの大き
さの範囲とその向きとは、位相ダイアグラムの正または
負のI軸またはQ軸のいずれかを横切る信号の数に着目
して求めることができ、この位相誤差θeの大きさの範
囲とその向きとの判定を位相補償回路15のゼロクロス判
定回路21で行ない、位相加算回路22で、ゼロクロス判定
回路21の判定結果に基づいて、位相遅延検波部の出力Δ
φr(nT)にπK/4(Kは正または負の整数)の位相
回転を加えることにより、位相誤差θeを含む位相差Δ
φr(nT)の信号点は、本来の送信変調位相差の信号点
の象限に引戻される。その結果、自動周波数制御回路17
での正しい自動周波数制御が可能となる。
【0048】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明のデータ受信装置は、受信された変調信号の
中心周波数と局部発振器4の周波数との周波数誤差Δf
により、位相遅延検波部の出力にπ/4≦|θe|の位
相誤差θeが生じる場合でも、的確に自動周波数制御を
行なうことができ、Δfに起因する誤り率特性の劣化を
幅広く改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータ受信装置における一実施例の構
成を示すブロック図、
【図2】実施例のデータ受信装置における位相補償回路
の構成を示すブロック図、
【図3】位相遅延検波部の出力を表わす位相ダイアグラ
ム(θe=0の場合)、
【図4】位相遅延検波部の出力を表わす位相ダイアグラ
ム(θe≠0の場合)、
【図5】従来のデータ受信装置の構成を示すブロック図
である。
【符号の説明】
1 アンテナ 2 受信用ルートナイキスト・バンドパス・フィルタ 3 リミタアンプ 4 局部発振器 5 π/2移相器 6、7 乗算器 8、9 ローパスフィルタ 10、11 A/D変換器 12 アークタンジェントROM 13 遅延器 14 減算器 15 位相補償回路 16 タイミング再生回路 17 自動周波数制御回路 18 判定器 19 デコーダ 20 受信データ出力端子 21 ゼロクロス判定回路 22 位相加算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−212422(JP,A) 特開 平7−212423(JP,A) 特開 平7−212425(JP,A) 特開 平6−224960(JP,A) 特開 平3−128550(JP,A) 特表 平6−508495(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/00 - 27/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相変調の受信信号に対する直交検波に
    使用する局部発振器と、前記受信信号における変調位相
    を求め、この変調位相の1シンボル周期での位相差を求
    める位相遅延検波部と、前記受信信号の中心周波数と前
    記局部発振器の発振周波数との間の周波数差に起因して
    前記位相差に生じる位相誤差θeを補償する自動周波数
    制御手段とを備えるπ/4シフトQPSK変調方式のデ
    ータ受信装置において、 前記位相遅延検波部から出力された位相差に生じている
    前記位相誤差θeの大きさの範囲とその向きとを、ゼロ
    クロスの情報を用いて判定するゼロクロス判定手段と、 前記ゼロクロス判定手段が前記位相誤差θeの大きさを
    π/4≦|θe|と判定したとき、前記位相遅延検波部
    の出力する前記位相差にπK/4(Kは正または負の整
    数)を付加して前記自動周波数制御手段に出力する位相
    加算手段とを設けたことを特徴とするデータ受信装置。
  2. 【請求項2】 前記ゼロクロス判定手段が、位相ダイア
    グラムのI軸またはQ軸を横切る信号の数に基づいて、
    前記位相誤差θeの大きさの範囲とその向きとを判定す
    ることを特徴とする請求項1に記載のデータ受信装置。
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