JP3088503B2 - 積層セラミック部品 - Google Patents
積層セラミック部品Info
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- JP3088503B2 JP3088503B2 JP03210300A JP21030091A JP3088503B2 JP 3088503 B2 JP3088503 B2 JP 3088503B2 JP 03210300 A JP03210300 A JP 03210300A JP 21030091 A JP21030091 A JP 21030091A JP 3088503 B2 JP3088503 B2 JP 3088503B2
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- Non-Insulated Conductors (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉛を含有する積層セラ
ミックコンデンサや圧電積層部品を始めとする積層部品
の端子電極構造を有する積層セラミック部品に関するも
のである。
ミックコンデンサや圧電積層部品を始めとする積層部品
の端子電極構造を有する積層セラミック部品に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、積層セラミックコンデンサ等の積
層部品の端子電極は、ガラスフリットを含有するAg、
Ag−Pd、Cu等を焼付けた端子電極を下地として、
ワット浴によるNi電気メッキ、硫酸SnによるSn電
気メッキがほどこされていた。一方下地電極には一般に
B2 O3 を含有するPbO系、ZnO系のガラスフリッ
トが使用されている。
層部品の端子電極は、ガラスフリットを含有するAg、
Ag−Pd、Cu等を焼付けた端子電極を下地として、
ワット浴によるNi電気メッキ、硫酸SnによるSn電
気メッキがほどこされていた。一方下地電極には一般に
B2 O3 を含有するPbO系、ZnO系のガラスフリッ
トが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述した端子
電極に含まれるガラスは、特に鉛を含有する積層セラミ
ックには拡散あるいは反応し易く、セラミックを損傷し
やすくなっている。その結果、電極接着強度が弱くなる
問題点がある。またセラミックの損傷を最小限にして充
分大きな電極接着強度を得るために、端子電極の焼付け
温度幅が非常に狭くなるという問題がある。
電極に含まれるガラスは、特に鉛を含有する積層セラミ
ックには拡散あるいは反応し易く、セラミックを損傷し
やすくなっている。その結果、電極接着強度が弱くなる
問題点がある。またセラミックの損傷を最小限にして充
分大きな電極接着強度を得るために、端子電極の焼付け
温度幅が非常に狭くなるという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題を改善するた
め、本発明では積層セラミック部品の端子電極を、金属
と、PbO−Al 2 O 3 −SiO 2 系ガラスで構成し
て、セラミック素地にガラス成分の拡散のない構造をと
ることにより、電極接着強度の大きな積層セラミック部
品を得るようにしたものである。
め、本発明では積層セラミック部品の端子電極を、金属
と、PbO−Al 2 O 3 −SiO 2 系ガラスで構成し
て、セラミック素地にガラス成分の拡散のない構造をと
ることにより、電極接着強度の大きな積層セラミック部
品を得るようにしたものである。
【0005】
【作用】鉛を含有する積層セラミック部品の端子電極
は、通常、セラミック素地に、金属と、ガラスフリット
からなる端子電極ペーストを塗布し、乾燥後、焼付け
し、その後で電気メッキをほどこしている。
は、通常、セラミック素地に、金属と、ガラスフリット
からなる端子電極ペーストを塗布し、乾燥後、焼付け
し、その後で電気メッキをほどこしている。
【0006】ガラスフリットには、鉛と反応し易いB2
O3 が存在しているので焼付けのときこのB2 O3 が鉛
を含むセラミック素体に拡散する。このため素地が損傷
したり、電極強度が小さくなる。
O3 が存在しているので焼付けのときこのB2 O3 が鉛
を含むセラミック素体に拡散する。このため素地が損傷
したり、電極強度が小さくなる。
【0007】本発明では、金属と、PbO−Al 2 O 3
−SiO 2 系ガラスフリットとにより積層セラミックの
端子電極を構成しているので、セラミック素地に対して
ガラス成分の拡散やガラスと素体の反応の少ない端子電
極構造を持つ積層セラミック部品を得ることができる。
−SiO 2 系ガラスフリットとにより積層セラミックの
端子電極を構成しているので、セラミック素地に対して
ガラス成分の拡散やガラスと素体の反応の少ない端子電
極構造を持つ積層セラミック部品を得ることができる。
【0008】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明す
る。積層セラミック部品として、積層セラミック素地に
例えばPb(Mg1/3 Nb2/3)O3 −PbTiO3 系を
使用し、酸化鉛を67.88 wt%含有する積層コンデンサを
使用した。
る。積層セラミック部品として、積層セラミック素地に
例えばPb(Mg1/3 Nb2/3)O3 −PbTiO3 系を
使用し、酸化鉛を67.88 wt%含有する積層コンデンサを
使用した。
【0009】端子電極材料としては、0.5 〜5μmの鱗
片状Ag粉末と球状Ag粉100重量部と1〜20μm
のガラス粉末5重量部を有機ビヒクルに充分分散したペ
ーストを使用し、700℃20分大気中で焼付けた。表
1に使用したガラス組成を示した。
片状Ag粉末と球状Ag粉100重量部と1〜20μm
のガラス粉末5重量部を有機ビヒクルに充分分散したペ
ーストを使用し、700℃20分大気中で焼付けた。表
1に使用したガラス組成を示した。
【0010】
【表1】
【0011】本実施例では端子電極構造をガラスの組成
により変化させた。表2に素地損傷距離及び電極強度を
示した。
により変化させた。表2に素地損傷距離及び電極強度を
示した。
【0012】
【表2】
【0013】これにより、PbO−Al2 O3 −SiO
2 系ガラスを使用した試料No.3のものだけが、素地が
素地損傷距離2μmときわめて短く、損傷を受けずらく
なっていることがわかる。電極強度においては、試料N
o.3が最高で試料No.5がこれにつぐ大きな値を示して
いるが、この2つのものについて、焼付け温度を600
℃、700℃として同様の価値を行ったところ、試料N
o.3のものは600℃の場合も700℃で焼付けた場合
と同様の結果であったが、試料No.5のものは、600
℃で焼付けたときは0kg/mm2 、800℃では0.5 kg/
mm2 の電極強度であった。
2 系ガラスを使用した試料No.3のものだけが、素地が
素地損傷距離2μmときわめて短く、損傷を受けずらく
なっていることがわかる。電極強度においては、試料N
o.3が最高で試料No.5がこれにつぐ大きな値を示して
いるが、この2つのものについて、焼付け温度を600
℃、700℃として同様の価値を行ったところ、試料N
o.3のものは600℃の場合も700℃で焼付けた場合
と同様の結果であったが、試料No.5のものは、600
℃で焼付けたときは0kg/mm2 、800℃では0.5 kg/
mm2 の電極強度であった。
【0014】またこの時の素地損傷距離は600℃で0
μm、800℃で40μmであり、これらのことより試
料No.5のガラス組成では、焼成温度が700℃の時に
のみかなりのものとなっているが、それ以外の場合は良
好ではなく、端子電極焼付温度幅が狭いことがわかる。
μm、800℃で40μmであり、これらのことより試
料No.5のガラス組成では、焼成温度が700℃の時に
のみかなりのものとなっているが、それ以外の場合は良
好ではなく、端子電極焼付温度幅が狭いことがわかる。
【0015】次に試料No.3において、ワット浴でNi
メッキした後、硫酸Sn浴でSnを電気メッキし、素地
損傷距離及び最小電極強度の評価を行った。その結果は
No.3の電気メッキ前と同じ結果を得た。
メッキした後、硫酸Sn浴でSnを電気メッキし、素地
損傷距離及び最小電極強度の評価を行った。その結果は
No.3の電気メッキ前と同じ結果を得た。
【0016】また試料No.3を焼付ける前にAgのみの
ペーストを塗布し、700℃で焼付けたサンプル及び試
料No.3を焼付けた後、Agのみのペーストを塗布し7
00℃で焼付けたサンプルについても同様の評価を行っ
たが、いずれも損傷距離0μm、最小電極強度1.1kg で
あった。
ペーストを塗布し、700℃で焼付けたサンプル及び試
料No.3を焼付けた後、Agのみのペーストを塗布し7
00℃で焼付けたサンプルについても同様の評価を行っ
たが、いずれも損傷距離0μm、最小電極強度1.1kg で
あった。
【0017】図1に試料No.1と試料No.3の端子電極
近傍のセラミック素地の状態を明確にした電子顕微鏡写
真を示す。これにより試料No.1では素地にガラスの拡
散を示す黒い部分がかなり存在しているが、試料No.3
ではほとんどガラスの拡散が存在せずセラミック素体に
損傷を与えていない、健全な構造であることがわかる。
近傍のセラミック素地の状態を明確にした電子顕微鏡写
真を示す。これにより試料No.1では素地にガラスの拡
散を示す黒い部分がかなり存在しているが、試料No.3
ではほとんどガラスの拡散が存在せずセラミック素体に
損傷を与えていない、健全な構造であることがわかる。
【0018】なお上記説明は、B2 O3 を含有しないガ
ラスとしてPbO−SiO2 −Al2 O3 を70:1
5:15の割合で使用した例について説明したが、Pb
O(60〜80):SiO2 (10〜20):Al2 O
3 (10〜20)で使用しても同様である。
ラスとしてPbO−SiO2 −Al2 O3 を70:1
5:15の割合で使用した例について説明したが、Pb
O(60〜80):SiO2 (10〜20):Al2 O
3 (10〜20)で使用しても同様である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では鉛を含
有する積層セラミック部品の端子電極構造として、端子
電極中のガラス成分がセラミック素体に拡散しないPb
O−Al 2 O 3 −SiO 2 系のものを使用するので、鉛
を含有する積層セラミック素体の素地損傷が少なく、電
極強度の大きい鉛を含有する積層セラミック部品を提供
することができる。
有する積層セラミック部品の端子電極構造として、端子
電極中のガラス成分がセラミック素体に拡散しないPb
O−Al 2 O 3 −SiO 2 系のものを使用するので、鉛
を含有する積層セラミック素体の素地損傷が少なく、電
極強度の大きい鉛を含有する積層セラミック部品を提供
することができる。
【図1】端子電極近傍の電極部分及びセラミック素地部
分の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
分の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相庭 尚 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィ−ディ−ケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−219115(JP,A) 特開 平2−109314(JP,A) 特開 平2−268411(JP,A) 特開 平2−86665(JP,A) 特開 平2−150009(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/00 - 4/40
Claims (3)
- 【請求項1】 鉛を含有する積層セラミック部品に形成
する端子電極において、Ag、Pd、Cuの一種類もし
くは二種類以上の金属またはこれらの金属合金と、Pb
O−Al 2 O 3 −SiO 2 系ガラスで構成された端子電
極を有することを特徴とする積層セラミック部品。 - 【請求項2】 上記端子電極は、Ag、Pd、Cuの一
種類もしくは二種類以上の金属またはこれらの金属合金
とPbO−Al 2 O 3 −SiO 2 系の組成を有するガラ
スで構成された下地電極と、その上部にガラスフリット
を含有しないAg、Pd、Cuの少なくとも一種類以上
の金属またはこれらの金属合金で構成された焼付け型の
端子電極構造を有することを特徴とする請求項1記載の
積層セラミック部品。 - 【請求項3】 Ag、Pd、Cuの一種類もしくは二種
類以上の金属またはこれらの金属合金と、PbO−Al
2 O 3 −SiO 2 系の組成を有するガラスで構成された
電極を下地とし、その上部に電気メッキあるいは無電解
メッキによりNi、SnあるいはCu・Ni・Sn、N
i・Sn/Pb、Cu・Ni・Sn/Pbをメッキした
ことを特徴とする請求項1記載の積層セラミック部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03210300A JP3088503B2 (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 積層セラミック部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03210300A JP3088503B2 (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 積層セラミック部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0536564A JPH0536564A (ja) | 1993-02-12 |
JP3088503B2 true JP3088503B2 (ja) | 2000-09-18 |
Family
ID=16587122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03210300A Expired - Fee Related JP3088503B2 (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 積層セラミック部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3088503B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06254051A (ja) * | 1993-03-01 | 1994-09-13 | Nippon Tenganyaku Kenkyusho:Kk | 立体視検査方法とその装置 |
-
1991
- 1991-07-26 JP JP03210300A patent/JP3088503B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06254051A (ja) * | 1993-03-01 | 1994-09-13 | Nippon Tenganyaku Kenkyusho:Kk | 立体視検査方法とその装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0536564A (ja) | 1993-02-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20000118 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20000627 |
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