JP3087983U - 密封ガラスビン用パッキンと密封ガラスビン用キャップ - Google Patents

密封ガラスビン用パッキンと密封ガラスビン用キャップ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密封ガラスビン内の収容物が高温領域と冷却
領域との間を変化する際のビン内圧に対して、充分に対
応し得るようにした密封ガラスビン用パッキンと、該パ
ッキンを用いた密封ガラスビン用キャップを提案する。 【解決手段】 半硬質の合成樹脂材からなり、円板状の
パッキン本体1と、アウターサイドシール部2と、イン
ナーサイドシール部4と、からなる密封ガラスビン用パ
ッキン5を、アルミ材製のキャップ9の円筒部7に、そ
の内側に突設した係合突部8に、天蓋部6の裏側に接着
されることなく、パッキン外周縁5aによって係止す
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、日本酒やウイスキー、炭酸飲料等の内容物を密封収容するガラスビ ンの内容物の出入口である円筒状口部に装着されてガラスビンの口部を密封する 密封ガラスビン用パッキンと、該パッキンを装着した密封ガラスビン用キャップ に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
炭酸飲料等の発泡性内容物を密封収容するガラスビンの口部に装着されるキャ ップや、ガラスビンの口部とキャップとの間に介在されるパッキンの、最も本考 案に近似する従来技術として、例えば実開昭62ー38856号公報に開示され る構造のものを挙げることができる。
【0003】 この従来技術を、図9によって説明すると、本考案と同じようにアルミ材によ って形成される円板状の天蓋部20と、該天蓋部の外周縁から下向きに延設され る円筒部21と、からなるキャップ22の天蓋部20の裏側に、本考案と同じよ うな円板状のライナー本体23と、該ライナー本体の外周縁に下向きに突設され てガラスビンの口部外周面に圧接する外側環状凸条であるアウターサイドシール 部24と、ガラスビンの口部上端面に圧接する圧接部であるトップシール部25 と、トップシール部の内側にあってライナー本体23に下向きに突設されてガラ スビンの口部内周面に圧接する内側環状凸条であるインナーサイドシール部26 とを備えた密封ガラスビン用ライナー27が形成されている。
【0004】 この密封ガラスビン用ライナー27をキャップ22に形成するにあたって、こ の従来技術では、溶融されたポリエチレン等の合成樹脂をキャップ22の中に所 定量供給し、これをモールデイングパンチにより成形してライナー27とするイ ンシエルモールド法によってキャップ22に一体形成するようになっている。こ のインシエルモールド法によれば、ライナー27の形状に種々の工夫を施すこと ができるので、従来からライナー形状に種々の工夫が施され、密封性能の向上が 図られているが、密封ガラスビン内の収容物が高温領域と冷却領域との間を変化 する際のビン内圧に対して、充分に対応し得る密封性を持たせることが未だ不充 分であった。
【0005】 本考案は、密封ガラスビン内の収容物が高温領域と冷却領域との間を変化する 際のビン内圧に対して、充分に対応し得るようにした密封ガラスビン用パッキン と、該パッキンを用いた密封ガラスビン用キャップを提案しようとするもである 。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る考案は、実施形態を示す図面の参照符号を付して示せば、半硬 質の合成樹脂材からなり、円板状のパッキン本体1と、該パッキン本体1の外周 縁に下向きに突設されてガラスビンの口部外周面に圧接する外側環状凸条である アウターサイドシール部2と、ガラスビンの口部上端面に圧接する圧接部である トップシール部3と、トップシール部の内側にあってパッキン本体1に下向きに 突設されてガラスビンの口部内周面に圧接する内側環状凸条であるインナーサイ ドシール部4と、からなる密封ガラスビン用パッキン5に係る。
【0007】 また請求項2に係る考案は、半硬質の合成樹脂材からなる密封ガラスビン用パ ッキン5のデュロメータ硬さは、D45〜D60である請求項1に記載の密封ガ ラスビン用パッキン5に係る。
【0008】 また請求項3に係る考案は、アルミ材によって形成され、円板状の天蓋部6と 、該天蓋部6の外周縁から下向きに延設される円筒部7と、からなるキャップの 円筒部7に内側に凹状に向かって窪み、これによって円筒部7の内周面に凸状に 突出する係合突部8を形成し、該係合突部8に、請求項1に係る密封ガラスびん 用パッキン5が、天蓋部6の裏側に接着されることなく、パッキン外周縁5aに よって係止されるようになっている密封ガラスビン用キャップ9に係る。
【0009】 図1は、本考案に係る密封ガラスビン用キャップ9の一実施形態を示すもので 、薄肉のアルミ材によって形成され、外径が29.7mmの天蓋部6と該天蓋部 6の外周縁から19.4mm程下向きに垂下形成される円筒部7とからなり、該 円筒部7の上部側に内側に凹状に向かって窪み、これによって天蓋部6から2. 9mm位置で円筒部7の内周面に凸状に突出する係合突部8を形成してある。な お、符号10は円筒部7の下部側に適宜形成された補強リブである。
【0010】 図2は、本考案に係る密封ガラスビン用パッキン5の一実施形態を示すもので 、ポリエチレン等の合成樹脂材によって形成され、可塑剤等を投入してデュロメ ータ硬さは、D45〜D60(JISK7215ー1986)程度の半硬質性を 有するよう形成されるが、そのうち約D49前後が最適である。
【0011】 上述のように、本考案にあっては、キャップ5が半硬質性の合成樹脂材によっ て形成される必要があるが、その理由は後述する。
【0012】 この半硬質性を有する合成樹脂材料によって型形成され、厚みが0.8mmで 、18.6程度の直径の円板状のパッキン本体1と、該パッキン本体1の外周縁 に下向きにその上端面から2.9mm程度突設されてガラスビンの口部外周面に 圧接する外側環状凸条であるアウターサイドシール部2と、ガラスビンの口部上 端面に圧接する圧接部で、上端面から1.6mm程度の厚みのトップシール部3 と、トップシール部3の内側にあってパッキン本体1に下向きに2.4mm程度 突設されてガラスビンの口部内周面に圧接する内側環状凸条であるインナーサイ ドシール部4と、からなり、図4に示すように、アウターサイドシール部2の内 周面は45度より若干鋭角なテーパー面11となっており、またトップシール部 3の平坦面には0.1mm程度の環状小隆条12が形成され、更にインナーサイ ドシール部4の外周面は、45度より若干鈍角なテーパー面13となっている。
【0013】 図3は、上記構成からなる密封ガラスビン用キャップ9に密封ガラスビン用パ ッキン5を装着して、これをガラスビン14の口部15に嵌着しようとする状態 を示すものである。
【0014】 即ち、図3または図4に示すように、密封ガラスビン用パッキン5を密封ガラ スビン用キャップ9の天蓋部6の裏側に係止させるのであるが、この係止手段は 、キャップ9の円筒部7の内周面に突設した係合突部8にパッキン5の外周縁5 aを係合させるようにしたものである。この係合順序として、予め円筒部7に係 合突部8を突設しておき、これに半硬質性のパッキン5を若干強制力をかけて係 合してもよく、或いは先ずパッキン5をキャップ9の天蓋部6の裏側に沿わせて おき、その後に円筒部7に係合突部8を形成して、該パッキン5の外周縁を係合 突部8に係止させるようにしてもよい。
【0015】 本考案の特徴とする点は、上記の説明から明らかなようにパッキン5をキャッ プ5の天蓋部6の裏側に接着剤等によって固着しないで、上記の係合手段によっ て係止させることである。その理由は後述する。
【0016】 このようにキャップ9にパッキン5を係止した状態で、該キャップ9をガラス ビン14の口部15に被嵌し、図示しないキャップ締付機で、該キャップ9をガ ラスビン口部15に装着することになる。即ち、ガラスビン14の口部15に装 着される前のキャップ9の円筒部7は、口部15のネジ山16の外径より若干大 きな内径の円筒で、この円筒部7をガラスビン口部15に嵌挿して、図示しない キャップ締付機のトッププレッシャーで天蓋部6をガラスビン口部15の軸方向 に向けて110〜160kgfの圧力で加圧する。このとき、パッキン5のトッ プシール部3がガラスビン口部15の上端面15aを圧接し、特に該シール部3 に形成した環状小隆条12が強く上端面15aに圧接してシール性を高めること になる。またアウターサイドシール部2のテーパー面11がガラスビン口部15 の先端部外周面15aに接触する。しかして、更にキャップ9の円筒部7を、図 示しないキャップ締付機のサイドプレッシャーでガラスビン口部15のネジ山1 6に向けて加圧し変形させて、円筒部7をネジ山16に強く螺着し、これによっ て円筒部7のコーナー部7aが、パッキン5のアウターサイドシール部2のテー パー面11をガラスビン口部15の先端部の丸みを帯びた外周縁部15bに圧接 させ、図5に示すように、該テーパー面11は、その直線状態から外周縁部15 bの丸みに沿うよう変形してシール性を高めることになり、同時にパッキン5の インナーサイドシール部4のテーパー面13も、その直線状態からガラスビン口 部15の先端部の丸みを帯びた内周縁部15cに圧接し、図5に示すように、該 テーパー面13は内周縁部15cの丸みに沿うよう変形してシール性を高めるこ とになる。
【0017】 このように、本考案によれば、パッキン5とガラスビン口部15との間で、ト ップシール部3、アウターサイドシール部2及びインナーサイドシール部4の3 重構成によってシールされることになるから、ガラスビン口部15の密封性を確 実強固に行われることになると共に、以下に述べるように、従来の図9に示す密 封ガラスビン用ライナーに比べて種々の優れた作用効果を発揮する。
【0018】 本考案の一実施形態の密封ガラスビン用パッキン5を装着したキャップ9と、 図9に示す密封ガラスビン用ライナーをキャップに一体形成した従来例との作用 効果上の差異を図6〜図8を参照して説明する。
【0019】 図6〜図8のA列は、本考案の一実施形態を示し、B列は図9に示す従来技術 を示す。
【0020】 ガラスビン14には、アルコール飲料が充填される場合を例に取って説明する と、アルコール飲料のアルコール度数が20度以下の場合には、60°C〜70 °Cに加熱することにより殺菌される。このアルコール飲料がガラスビンに瓶詰 めされる際に、加熱・冷却の過程でキャップの形状が変化するが、この形状変化 は加熱の状況により3つのタイプが考えられる。
【0021】 1番目のタイプは、予め加熱されたアルコール飲料をガラスビン14に充填す る際のパッキンの変形状態はどのようになるかということであり、2番目のタイ プは、常温又は低温に維持された未殺菌のアルコール飲料をガラスビン14に充 填し、キャップを密封した後に、ガラスビン14ごと加熱(パストライズ)する 場合のパッキンの変形状態はどのようになるのかということであり(高級清酒を 瓶詰めする際に香りをガラスビン14の内部に閉じ込めたい場合に、この加熱方 法が採用される。)、また3番目のタイプは、2番目と同じように、常温又は低 温に維持された未殺菌のアルコール飲料をガラスビン14に充填し、キャップを 密封した後に、ガラスビン14ごと加熱(パストライズ)する場合であるが、内 容物が発泡性を有するアルコール飲料の場合のパッキンの変形状態はどうなるの か、ということである。
【0022】 一番目のタイプを図6によって説明すると、予め加熱されたアルコール飲料は 当然のことながら熱膨張しており、この熱膨張した状態のアルコール飲料がガラ スビン14に充填されると、ビン内の残留しているエアーも加熱された状態で密 封されることになるから、充填後冷却されるとアルコール飲料及び残留エアーは その体積が縮小し、ガラスビン14の内部が陰圧状態に陥る。
【0023】 このとき本考案の一実施形態を示すA列によれば、先ず(a)に示すように、 充填直後は常温充填とさほど変化がなく、キャップ9の変形をきたすことはない 。しかし、その後ビン内部が冷却されるとビン14内部が陰圧となる。この際に 、本考案によれば、パッキン本体1はキャップ9の天蓋部6には何ら接着されて いないため、(b)に示すように、パッキン5の中央部であるパッキン本体1の 部分が陰圧によりビン14の内奥部に引き込まれた状態となり、アルミキャップ 9の天蓋部6とパッキン本体1との間に図示のように真空部分の隙間Pが生じる 。これがために、パッキン本体1と一体のインナーサイドシール部4のテーパー 面13はより一層強くビン口部15先端部の内周縁部15cに圧接し、両者間の 密着性が高まり、密封性を増すことができる。しかも、キャップ9の天蓋部6は 図示のように変形することはない。
【0024】 このように、パッキン本体1は、ビン内部の陰圧のためにビン内奥部側に引き 込まれるように変形するが、この変形の際に、パッキン本体1は前述のように半 硬質合成樹脂材で形成されているため、該パッキン5がビン内部に脱落するとい うようなことはなく、またシール性も充分に発揮させることができる。
【0025】 これに対して、従来例(図9)は、図6のB列によれば、(a)に示すように 、充填直後は常温充填とさほど変わらずキャップ22の変形をきたすことはない 。その後、冷却されるとビン内部が陰圧となる。この際に、従来例によれば、キ ャップ22の天蓋部20とライナー27がインシエルモールド法によって一体形 成されているため、(b)に示すように、ライナー27の中央部はキャップ22 の天蓋部20に支えられており、びん内奥部に引き込まれるというような変形が なく、それがためにインナーサイドシール部26はビン口部15の先端部内周縁 部15cに対して密着性を高めることがなく、密封性が増すことがない。
【0026】 二番目のタイプを図7によって説明すると、前述のように、常温又は低温に維 持されたアルコール飲料がビン内部に充填密封され、その後にビン外部から加熱 されるとアルコール飲料およびビン内部の残留エアーは共に熱膨張する。熱膨張 係数はアルコール度数が高いほど大きくなるが、ビン内部の残留エアーの残留率 によってはアルコール飲料の度数が15度を越えるとびん内部が大きな陽圧とな っり、またビン内部のアルコール飲料が冷却されると、アルコール飲料と残留エ アーは体積が縮小し、ビン内部は陰圧となる。
【0027】 このとき本考案の一実施形態を示すA列によれば、先ず(a)に示すように、 アルコール飲料の密封充填されたビンがその外部から加熱されると、アルコール 度数と残留エアーの残留率とによって、ビン内部が大きな陽圧となって、アルミ キャップ9を押し上げるよう変形させる。また、その後にアルコール飲料が冷却 されると、ビン内部は陰圧となる。この際に、本考案によれば、パッキン本体1 はキャップ9の天蓋部6には何ら接着されていないため、(b)に示すように、 ビン内部の陰圧によりパッキン5のパッキン本体1のみがビン内奥部側に引き込 まれた状態となり、押し上げられたままのアルミキャップ9とパッキン本体1と の間に図示のように真空部分の隙間Pが発生する。これがために、パッキン本体 1と一体のインナーサイドシール部4のテーパー面13はより一層強くビン口部 15先端部の内周縁部15cに圧接し、両者間の密着性が高まり、密封性を増す ことができる。しかも、キャップ9の天蓋部6は図示のように若干外部に丸みを 帯びるよう変形するが、この丸みによって外観上の体裁がむしろ向上することに なる。
【0028】 また、前述と同じように、パッキン本体1は、ビン内部の陰圧のためにビン内 奥部側に引き込まれるように変形しても、パッキン本体1は前述のように半硬質 合成樹脂材で形成されているため、この変形の際に、該パッキン5がビン内部に 脱落するというようなことはなく、またシール性も充分に発揮することができる 。
【0029】 これに対し、従来技術を示す図7のB列によれば、アルコール飲料の密封充填 されたビンがその外部から加熱されると、アルコール度数と残留エアーの残留率 とによって、ビン内部が大きな陽圧となって、(a)に示すように、アルミキャ ップ22を押し上げるよう変形させる場合がある。この点は、本考案と同じ現象 であるが、その後にアルコール飲料が冷却され、ビン内部は陰圧となった場合の 現象が著しく異にする。
【0030】 即ち、従来例によれば、キャップ22の天蓋部20とライナー27がインシエ ルモールド法によって一体形成されているため、(b)に示すように、ライナー 27の中央部はキャップ22の天蓋部20に支えられており、びん内奥部に引き 込まれるというような変形がなく、それがためにインナーサイドシール部26は ビン口部15の先端部内周縁部15cに対して密着性を高めることがなく、密封 性が増すことがない。
【0031】 しかも、アルミキャップ22が熱膨張によって、前記(a)に示すようにアル ミキャップ22が大きく押し上げるよう変形すると、ビン内部が陰圧となっても 、その膨張変形した状態から復元することがないが、これに対し、キャップ22 の天蓋部20の裏面側のライナー27は、冷却後は収縮し、元の位置に復帰しよ うとするが、該ライナー27はインシエルモールド法によって天蓋部20の裏面 側に一体形成されているため、両者の熱膨張率や復元率のの差異により、ライナ ー27の中央部やシール部24,25,26にストレスクラックが生じやすく、 これによりビン内部のエアー漏れの原因となる。
【0032】 三番目のタイプを図8によって説明すると、発泡性のアルコール飲料は、これ がビン内部に充填密封されると、ビン14の内部には、その発泡性のゆえに常に 陽圧が掛かっているが、その後にビン外部から加熱されると発泡性アルコール飲 料の影響によって、ビン内部の陽圧が激しく上昇してアルミキャップは激しく上 部に押し上げられる。この場合に、アルミキャップがビンの螺着部に完全に螺着 されていなければ、該キャップはビン内部の大きな陽圧に耐えきれずビンから吹 き飛ばされる場合がある。
【0033】 これらの現象を、まず本考案の一実施形態を示すA列によれば、先ず(a)に 示すように、発泡性アルコール飲料の密封充填され,その後に外部から加熱され ると、ビン内部の大きな陽圧によって、アルミキャップ9とパッキン5が同時に 著しく凸状に押し上げられることになるが、これが冷却後には、アルミキャップ 9は凸状に膨張しきった形状のまま残り、これに対しパッキン5は、ビン内部の 通常の陽圧がかかった状態に維持されるよう復元し、(b)に示すように、少し 上部に膨らんだ状態となって、キャップ9の天蓋部6に対して若干の隙間Pを介 してフリーの状態となる。これは、前述のように、パッキン本体1がキャップ9 の天蓋部6には何ら接着されていないことによる現象であるは明白である。
【0034】 このようにパッキン本体1がキャップ9の天蓋部6からフリーの状態になるこ とによって、ビン口部の内周面に対するインナーサイドシール部4のシール性は 若干低下するが、その他のトップシール部3やアウターサイドシール部2のシー ル性は、該パッキン本体1が半硬質合成樹脂材で形成されていることと相まって 、そのビン口部との密着性により密封状態を充分に維持することができる。
【0035】 これに対し、従来技術を示す図8のB列によれば、(a)に示すように、発泡 性アルコール飲料の密封充填され,その後に外部から加熱されると、ビン内部の 大きな陽圧によって、アルミキャップ22とこれと一体のライナー27とは共に 凸状に大きく膨張し、しかして、ビン内部が冷却された後では、アルミキャップ 22は、凸状に膨張しきった形状のまま残留し、一方、ライナー27は冷却によ り収縮しようとするが、インシエルドモールド法によってアルミキャップ22の 天蓋部20に一体形成されているため、アルミキャップ22とライナー27との 熱膨張係数や収縮率の差異により、ライナー27にストレスクラックが発生し、 シール部に大きなストレスが溜まって亀裂が発生し、結果的にビン内部のアルコ ール飲料漏れやエアー漏れの原因となっている。
【0036】 以上のように、本考案によれば、アルコール飲料などの内容物をガラスビンの 内部に密封充填する際に、加熱状態の内容物をガラスビンに充填する場合、又は ガラスビンに内容物を充填した状態で加熱する場合、或いはこれらの内容物が発 泡性の内容物であってビン内部に大きな陽圧が負荷する場合にあっても、その加 熱領域から冷却領域の間で常に良好な密封性を維持することができるものである 。
【0037】
【考案の効果】
請求項1に係る考案に係る密封ガラスビン用パッキンによれば、半硬質の合成 樹脂材によって、円板状のパッキン本体と、アウターサイドシール部と、インナ ーサイドシール部とを一体形成してなるため、耐圧性とシール性とを充分に発揮 すると共に、ビン内部の加熱領域から冷却領域の範囲で常に充分の耐久性を発揮 することができる。
【0038】 また請求項2に係る考案は、半硬質の合成樹脂材からなる密封ガラスビン用パ ッキンのデュロメータ硬さは、D45〜D60である場合が耐圧性とシール性の 何れに対しても優れた効果を発揮する。パッキンの前記硬さがD45以下である 場合にはシール性は期待することができても、充分な耐圧性を有しないため、ビ ン内部の加熱領域から冷却領域の範囲で常に充分の耐久性を発揮することができ ない恐れがある。また、パッキンの前記硬さがD60以上であると、当然のこと ながらシール性を発揮することが困難である。
【0039】 また請求項3に係る密封ガラスビン用キャップによれば、アルミ材によって形 成され、円板状の天蓋部と、該天蓋部の外周縁から下向きに延設される円筒部と 、からなるキャップの円筒部に内側に凹状に向かって窪み、これによって円筒部 の内周面に凸状に突出する係合突部を形成し、この係合突部に、請求項1に係る 密封ガラスびん用パッキンが、天蓋部の裏側に接着されることなく、パッキン外 周縁によって係止されるようになっているため、パッキンのキャップへの充分な 装着性を維持しながら、ビン内部の加熱領域から冷却領域までのビン内部の温度 変化による熱膨張率や収縮率又はビン内部の強力な陽圧によるパッキンの追従変 形をキャップに阻害されることなくキャップから独立して良好に達成することが でき、その結果、ビン内部とキャップとの間の密封性を苛酷な条件下でも良好に 維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係る密封ガラスビン用キャップの一
実施形態の一部縦断正面図である。
【図2】 本考案に係る密封ガラスビン用パッキンの一
実施形態の一部縦断斜視図である。
【図3】 本考案に係る密封ガラスビン用キャップに密
封ガラスビン用パッキンを装着して、これをガラスビン
に装着する途上の正面図である。
【図4】 本考案に係る密封ガラスビン用キャップにパ
ッキンを装着した状態の一部断面正面図である。
【図5】 本考案に係る密封ガラスビン用キャップをガ
ラスビンに装着した状態の一部断面正面図である。
【図6】 本考案に係る実施形態であるA列と従来技術
であるB列との作用効果の差異を説明するための比較説
明図である。
【図7】 本考案に係る実施形態であるA列と従来技術
であるB列との作用効果の差異を説明するための比較説
明図である。
【図8】 本考案に係る実施形態であるA列と従来技術
であるB列との作用効果の差異を説明するための比較説
明図である。
【図9】 従来技術の密封ガラスビン用キャップの縦断
正面図である。
【符号の説明】
1 パッキン本体 2 アウターサイドシール部 3 トップシール部 4 インナーサイドシール部 5 密封ガラスビン用パッキン 6 天蓋部 7 円筒部 8 係合突部 9 密封ガラスビン用キャップ

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半硬質の合成樹脂材からなり、円板状の
    パッキン本体と、該パッキン本体の外周縁に下向きに突
    設されてガラスビンの口部外周面に圧接する外側環状凸
    条であるアウターサイドシール部と、ガラスビンの口部
    上端面に圧接する圧接部であるトップシール部と、トッ
    プシール部の内側にあってパッキン本体に下向きに突設
    されてガラスビンの口部内周面に圧接する内側環状凸条
    であるインナーサイドシール部と、からなる密封ガラス
    ビン用パッキン。
  2. 【請求項2】 半硬質の合成樹脂材からなる密封ガラス
    ビン用パッキンのデュロメータ硬さは、D45〜D60
    である請求項1に記載の密封ガラスビン用パッキン。
  3. 【請求項3】 アルミ材によって形成され、円板状の天
    蓋部と、該天蓋部の外周縁から下向きに延設される円筒
    部と、からなるキャップの円筒部に内側に凹状に向かっ
    て窪み、これによって円筒部の内周面に凸状に突出する
    係合突部を形成し、この係合突部に、請求項1に係る密
    封ガラスびん用パッキンが、天蓋部の裏側に接着される
    ことなく、パッキン外周縁によって係止されるようにな
    っている密封ガラスビン用キャップ。
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