JP3085869U - 枚葉紙を排出する機械のための排紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排出されてパイルの上に積み重ねられる枚葉
紙の後方端のための振動するストッパを使用することな
く、排出方向またはこれと反対方向を向いている側面が
できるだけ正確に平坦なパイルをつくる。 【解決手段】 枚葉紙の先行端に割り当てられたストッ
パ面１２．１が、揃え面区域１２’と、その上方に向か
って続く受け止め面区域１２’’とに区分されており、
前記受け止め面区域１２’’は、排出方向に関して揃え
面区域１２’よりも下流側に配置されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、パイルを形成するために枚葉紙が排出方向に供給されるパイルステ ーションと、排出方向で枚葉紙の先行端と後方端とをパイルの上で揃えることが 可能なストッパ面が構成されたストッパとを有する、枚葉紙を排出する機械、特 に印刷機のための排紙装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

このような排紙装置は、ドイツ特許明細書３９２３４７５Ｃ２から公知である 。

【０００３】 側面が平坦で平滑なパイルを形成する要求が通常存在しているが、この要求は 、一方では枚葉紙の先行端、また他方では枚葉紙の後方端にそれぞれ割り当てら れたストッパのストッパ面の相互間隔を、排出される枚葉紙の判型の対応する長 さに合わせて調整することを前提とする。このような調整は、通常、公知の排紙 装置の場合には、排出方向に関して側方に揺動可能なストッパがその都度排出さ れる枚葉紙の後方端のためにピボット接続されているキャリッジの、水平方向に 行われる相応の移動によって行われる。先行端に割り当てられたストッパは定置 に支持された軸に配置されており、通常はこの軸によって（およびこの軸に作用 する相応の駆動装置によって）揃え位置と、この揃え位置よりも傾いた位置との 間で一定の周波数で揺動させられ、これらのストッパのストッパ面は揃え位置に あるときには垂直であり、排出方向に関して下流側にあるパイルの側面に当接す る。

【０００４】 排出される枚葉紙のそれぞれ後方端に割り当てられたストッパは、運転時に、 揃え位置と、この揃え位置から押し離された位置との間で、水平方向に振動する 運動を行い、揃え位置にいるときには、排出方向に関して上流側にあるパイルの 側面に当接する。

【０００５】 排出される枚葉紙の後方端のためのストッパに、前述したような振動する運動 を印加するという方策は、明らかに、上流側および下流側を向いているパイルの 側面をできるだけ正確に平坦に構成するために講じられるものである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしそのためには、排出される枚葉紙の判型に合わせて調整可能なストッパ の特別な構成と、（公知の排紙装置の場合のように）排出される枚葉紙を減速さ せるための制動装置と、枚葉紙の後方端のためのストッパを支持するキャリッジ と、さらには、相応のアクチュエータを備えるさらに別の駆動装置とが必要であ る。

【０００７】 本考案の目的は、排出される枚葉紙の後方端のための振動するストッパを使用 することなく、排出方向またはこれと反対方向を向いている側面ができるだけ正 確に平坦なパイルをつくる、冒頭に述べた排紙装置を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案によれば、先行端に割り当てられたストッ パ面が揃え面区域と受け止め面区域とに区分されており、受け止め面区域は、ス トッパ面の上側領域に設けられ、排出方向に関して揃え面区域よりも下流側に配 置されている。

【０００９】 それによって、パイルの上方に、排出方向に見てパイルの輪郭を越えて延びる 、ストッパ面によって区切られた枚葉紙落下空間が生じる。この枚葉紙落下空間 は下方に向かって、排出方向ないしこれと反対方向に、枚葉紙の先行端に割り当 てられたストッパの揃え面区域と、後方端に割り当てられたストッパの揃え面と によって区切られた、枚葉紙パイル空間へと移行する。この枚葉紙パイル空間の 排出方向の長さは、有利な実施態様では、パイルを形成する枚葉紙の対応する長 さと正確に一致している。

【００１０】 枚葉紙パイル空間に対して、排出方向にこれを越えて延びる枚葉紙落下空間は 、飛行軌道上を受け止め面区域に向かって運動している枚葉紙に、パイルの上へ スムーズに降下するために必要なスペースを与えるので、各枚葉紙は、降下して いく枚葉紙に、枚葉紙パイル空間しか与えられていない場合に、生じる可能性が ある、特にその後方端が、後方端に割り当てられたストッパの上面の上にとどま ることがない。

【００１１】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の実施の形態について図面を参照して説明する。

【００１２】 枚葉紙を処理する輪転印刷機の図１に示す区域は、最後の処理部の後に続く排 紙装置１を含んでいる。このような処理部は、印刷ユニット、または例えばニス 引きユニットのような後処理ユニットであってよい。本例では、この最後の処理 部は、圧胴２．１を有する、オフセット印刷方法で作動する印刷ユニット２であ る。この圧胴２．１は、各枚葉紙３を、回転方向矢印５によって示された処理方 向に、圧胴２．１とこの圧胴２．１と協働するゴムブランケット胴２．２との間 の印刷用間隙を通して案内し、そして続いてこの枚葉紙３を、圧胴２．１に配置 された、枚葉紙３を枚葉紙３の先行端のくわえしろで把持するために備えられた くわえづめを開いてチェーン搬送装置４に渡す。チェーン搬送装置４は、排紙装 置１の各側壁に沿って作動時に循環運動する２つの無端の搬送チェーン６を含ん でいる。各搬送チェーン６は、回転軸が互いに一直線に並べられた、同期して駆 動される２つの駆動スプロケットホイール７のそれぞれ１つの巻き付けられてお り、また、本例では駆動スプロケットホイール７の向かい側に、処理方向に関し て上流側にあるそれぞれ１つのガイドスプロケットホイール８に沿って案内され る。２つの搬送チェーン６の間には、これらによって支持されて運ばれ、圧胴２ ．１に配置されたくわえづめの間の間隙を通り抜け、そしてこの際に各枚葉紙３ を、圧胴２．１に配置されたくわえづめが開く直前に、この枚葉紙３の先行端の 前述のくわえしろを把持して受け取り、この枚葉紙３を枚葉紙案内装置１０を越 えて枚葉紙制動装置１１に搬送し、そしてその場所で枚葉紙３を枚葉紙制動装置 １１に受け渡すために開くくわえづめ９．１を備えるくわえづめ装置９が延びて いる。この枚葉紙制動装置１１は、枚葉紙３を処理速度に比べて遅い排紙速度に し、そして、これらの枚葉紙３をこの排紙速度に達した後に枚葉紙制動部の側に 放させ、この結果、すでに減速された各枚葉紙３は最終的にパイルステーション １４で、枚葉紙のそれぞれ先行端に割り当てられている前縁ストッパ１２に当た り、そしてこの前縁ストッパ１２とそれに対向する、それぞれ後方端に割り当て られた後縁ストッパ１３で揃えられて、先行の枚葉紙３および／または後続の枚 葉紙３とともに、増えた分だけ昇降ユニットによって降下可能なパイル１４．１ を形成する。この昇降ユニットについては、図１ではパイル１４．１を支持する 紙載せ台１５と、この紙載せ台１５を支持する、一点鎖線で表された昇降チェー ン１６のみが図示されている。

【００１３】 搬送チェーン６は、一方の駆動スプロケットホイール７と他方のガイドスプロ ケットホイール８との間の経路に沿ってチェーン案内レールによって案内され、 したがってこのチェーン案内レールはスプロケット間チェーン部分のチェーン走 行路を規定している。本例では、枚葉紙３は、図１中では下側のスプロケット間 チェーン部分によって搬送される。チェーン走行路の、スプロケット間チェーン 部分が通る部分は、それに向き合って枚葉紙案内装置１０に形成された枚葉紙案 内面１７に沿って延びている。枚葉紙案内面１７と、この枚葉紙案内面１７上を 案内されていく各枚葉紙３との間には、作動時に支持搬送用エアクッションが形 成されることが好ましい。さらに、枚葉紙案内装置１０は枚葉紙案内面１７に連 通する、図１では、全体を代表して、概略的に接続管１８の形態のみで図示され ている吹付け空気ノズルを備えている。

【００１４】 印刷された枚葉紙３がパイル１４中で互いにくっつき合うのを防止するために 、駆動スプロケットホイール７から枚葉紙制動部１１までの、枚葉紙３の経路上 には乾燥機１９と粉かけ装置２０が備えられている。

【００１５】 枚葉紙案内面１７が乾燥機１９によって過度に加熱されるのを防止するために 、枚葉紙案内装置１０には、図１に、枚葉紙案内面１７に付属した冷却剤容器２ ３に接続された入口管２１と出口管２２によって概略的に示された冷却剤循環路 が組み込まれている。

【００１６】 前縁ストッパ１２と後縁ストッパ１３は、それぞれ相互間隔をおきながら、排 出方向に対して横向きに並んでいる。前縁ストッパ１２は、図示しないやり方で ２つの回転位置の間で往復するように回転可能なストッパ軸２５と回転不能に連 結されており、この場合前縁ストッパ１２は、図２に示す、これらの回転位置の うちの第１の回転位置のときに揃え位置におり、一定のクロック周波数で両方の 回転位置を交互に占める。

【００１７】 前縁ストッパ１２と後縁ストッパ１３は、パイル１４．１を形成する枚葉紙を 揃えるための基準となる、パイル１４．１の方を向いた平坦な面区域を構成して いる。後縁ストッパ１３の場合、この面区域は、少なくとも枚葉紙がパイル１４ ．１に連続して積み重ねられている間は垂直であるとともに、もっとも単純な場 合には静止しており、その際にパイル１４．１の、ストッパ面１３．１の方を向 いている側面に接触するのが好ましいストッパ面１３．１である。

【００１８】 前縁ストッパ１２の場合、前述した平坦な面区域は、前縁ストッパ１２が前述 した揃え位置にいるときには同じく垂直であり、パイル１４．１の、前縁ストッ パ１２の方を向いている側面に接触するのが好ましい、前縁ストッパ１２の下側 領域に構成された揃え面区域１２’である。

【００１９】 パイル１４．１の、ストッパ面１３．１の方を向いている側面がこのストッパ 面１３．１と、またパイル１４．１の、揃え面区域１２’の方を向いている側面 がこの揃え面区域１２’と、それぞれ上述したように有利には接触することは、 これらの側面が格別に平坦に構成されることを保証する。このような接触は、前 縁ストッパ１２に向かう方向に飛行軌道上にある枚葉紙の各々に、その飛行方向 （排出方向に相当）に関して下流側でパイル１４．１を越えて延びる枚葉紙落下 空間２６が与えられていることによって可能となるものであり、この枚葉紙落下 空間２６は、枚葉紙３がそれぞれのストッパ面の間に挟み込まれたり、枚葉紙の 後方の縁部領域が後端ストッパ１３の上に載ってしまうことなく、枚葉紙３を受 け止めることができる。

【００２０】 枚葉紙落下空間２６は、上側領域で排出方向およびこれと反対方向に、前縁ス トッパ１２の前述した揃え面区域１２’と、後縁ストッパ１３の同じく前述した ストッパ面１３．１とによって区切られている枚葉紙パイル空間２７の上側で、 枚葉紙パイル空間２７に続いている。

【００２１】 枚葉紙３の先行端に割り当てられている前縁ストッパ１２は、前述した揃え面 区域１２’と、受け止め面区域１２’’とに区分されたストッパ面１２．１を構 成しており、この受け止め面区域１２’’は、揃え面区域１２’の上側にあって この揃え面区域１２’に続いており、排出方向に関して下流側に設けられた、枚 葉紙落下空間２６の仕切を構成し、そのために、前述した揃え面区域１２’より も下流側に配置されている。上流側に位置する、枚葉紙落下空間２６の仕切は、 有利には（前述したように）少なくとも連続的にパイルが形成されている間は垂 直に立っている、後縁ストッパ１３に構成されたストッパ面１３．１によって構 成される。後縁ストッパ１３の各ストッパ面１３．１の上側および／または下側 の端部、ならびに、前縁ストッパ１２の揃え面区域１２’の下側の端部には、好 ましくは、それぞれパイル１４．１から離れるように傾斜または湾曲した面区域 が続いており、これらの面区域のうち、下側の端部に続いているほうの面区域は 、パイル１４．１がいかなる理由からであれ前縁ストッパ１２および後縁ストッ パ１３より下に降下させられてから再びパイル上面の形成レベルまで上昇させら れるときに、パイル１４．１の上側領域が、揃え面区域１２’とストッパ面１３ ．１との間に位置する枚葉紙パイル空間の中へ、この上側領域が損傷を受けるこ となく沈むことを可能にする。

【００２２】 受け止め面区域１２’’は、有利な実施形態では、それぞれの揃え面区域１２ ’にすぐ続く領域において、最初はパイル１４．１から離れるように傾斜し、ま たはパイル１４．１に対して凹面となるように湾曲し、その後で垂直に延びる。 受け止め面区域１２’’と揃え面区域１２’との間の移行は、１つの有利な実施 形態では連続的であり、それに対して他の実施形態では、揃え面区域１２’と受 け止め面区域１２’’は屈曲部位で合流する。

【図面の簡単な説明】

【図１】枚葉紙を処理する輪転印刷機の排紙装置を含ん
でいる区域を、排紙装置に設けられたパイルステーショ
ンとともに示す概略図である。

【図２】図１の部分ＩＩである。

【符号の説明】

１ 排紙装置 ２ 印刷ユニット ２．１ 圧胴 ３ 枚葉紙 ４ チェーン搬送装置 ５ 回転方向矢印 ６ 搬送チェーン ７ 駆動スプロケットホイール ８ ガイドスプロケットホイール ９ くわえづめ装置 ９．１ くわえづめ １０ 枚葉紙案内装置 １１ 制動・支持装置 １２ 前縁ストッパ １２’ 揃え面区域 １２’’ 受け止め面区域 １３ 後縁ストッパ １３．１ ストッパ面 １４．１ パイル １５ 紙載せ台 １６ 昇降チェーン １７ 枚葉紙案内面 １８ 接続管 １９ 乾燥機 ２０ 粉かけ装置 ２１ 入口管 ２２ 出口管 ２３ 冷却剤容器 ２５ ストッパ軸 ２６ 枚葉紙落下空間 ２７ 枚葉紙パイル空間

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)実用新案権者 390009232 Ｋｕｒｆｕｅｒｓｔｅｎ−Ａｎｌａｇｅ 52−60，Ｈｅｉｄｅｌｂｅｒｇ，Ｆｅｄｅ ｒａｌ Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｇｅｒ ｍａｎｙ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パイルを形成するために枚葉紙が排出方
   向に供給されるパイルステーションと、排出方向で枚葉
   紙の先行端と後方端とをパイルの上で揃えることが可能
   なストッパ面が構成されたストッパとを有する、枚葉紙
   を排出する機械、特に印刷機のための排紙装置におい
   て、先行端に割り当てられたストッパ面（１２．１）が
   揃え面区域（１２’）と受け止め面区域（１２’’）と
   に区分されており、前記受け止め面区域（１２’’）
   は、前記ストッパ面（１２．１）の上側領域に設けら
   れ、かつ排出方向に関して前記揃え面区域（１２’）よ
   りも下流側に配置されていることを特徴とする、枚葉紙
   を排出する機械のための排紙装置。
2. 【請求項２】 前記受け止め面区域（１２’’）と前記
   揃え面区域（１２’）が互いに直接続いている、請求項
   １記載の排紙装置。
3. 【請求項３】 前記受け止め面区域（１２’’）と前記
   揃え面区域（１２’）が互いに連続的に移行している、
   請求項２記載の排紙装置。