JP3084403B2 - タイルパネルの取付工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、建築物或いは構築物の壁面に使用される
タイルパネルの取付工法に関するものである。

従来の技術 鋼板等の基板の表面にタイルを張り付けたタイルパネ
ルを、建築物等の骨組等へ固定した乾式工法のタイル壁
を構築する方法が考えられている。

発明が解決しようとする課題 上記タイルパネルの工法においては、基板をボルトそ
の他の手段によって骨組等へ固定するが、この場合、タ
イルの表面からボルト等を挿入することは出来ないか
ら、タイル表面より突出したフランジを基板へ一体に形
成し、このフランジ部分で骨組等へ固定している。しか
しながら、このようにすると、フランジ及びボルト等が
表面に露出することとなって、折角の外観を損なう欠点
がある。この発明は、かかる従来のタイルパネルの施工
方法の欠点を解消することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 上記の課題を解決するため、この発明では、 基板の表面に多数のタイルを張付けたタイルパネルに、
その一部のタイルを取除いた空白部を設け、この空白部
において前記基板に開口部を形成するとともに、その基
板の裏面に、ボルト穴を有する断面溝形の固定片をその
溝部が開口部側に向くようにして取り付け、前記基板の
開口部よりボルトを、そのボルト頭が固定片の溝部内に
ほぼ収まるようにして、固定片のボルト穴から支持部に
ねじ込むことによって、前記基板を支持部へ固定し、そ
の後この空白部をタイルで埋めることを特徴とする。

作用 上記の方法によれば、部分的にタイルをのぞいた空白
部で固定するから、固定用のフランジなどを設ける必要
がない。しかも、この空白部は、固定後にタイルを充填
するから、外観を損なうことがない。

実施例 第７図以下は、この種地下室の施行方法を、その施行
順に従って示したもので、まず、第７図のように地盤上
に下部梁（１）を設置し、次にこの下部梁（１）上に、
第８図のように、プレキャストコンクリート製の壁パネ
ル（２）（３）を設置して、それら壁パネル（２）
（３）を相互に連結し、かつ、各壁パネル（２）（３）
と下部梁（１）とを連結する。更に、各壁パネル（２）
（３）の上端に上部梁（４）を設置して、それらを互い
に連結し、地下室壁体（５）を構築する（第９図）。次
いで、第10図のように、地下室壁体（５）下方及び内部
の土を排出しながら沈下させるか、或いは、地下室壁体
（５）を圧入させながら内部の土を排出して、所定の深
さまで沈下させ、しかる後、第11図で示すように、底部
に礎版コンクリート（６）を打設するものである。

第５図で示すように、前記外壁パネル（２）（３）
は、壁方向の直線部に配置されるフラットなパネル
（２）と、コーナー部に配置されるため平面から見てＬ
字形に屈曲したパネル（３）とからなり、それらの各コ
ーナー部分に埋め込んだボックス状の連結部（８）
（８）を、第６図のようにボルト（９）で相互に固定す
るようにしている。更に、第４図で示すように、上記の
ように互いに連結されるパネル（２）（３）の上端部分
には、そのフランジ（10）（10）が内外平行となるよう
にして配置される前記の上部梁（４）が、そのウエブ
（11）を連結部（８）へボルト（12）で締結して取り付
けられ、この上部梁（４）によって、各パネル（２）
（３）同士を更に一体化させている。

同じく第４図において、上部梁（４）の上面には、予
め、支持プレート（13）が長手方向に間隔をおいて溶接
されており、この支持プレート（13）上に、そのフラン
ジ（14）（14）が上下平行となるようにして配置される
Ｈ形鋼の土台（15）が、その下側のフランジ（14）にお
いてボルト（16）で固定される。この土台（15）の上部
フランジ（14）上には、第２図のように、上部階の床板
（39）の端部が設置されている。同じく、土台（15）の
上面に、その床板（16）の外側において、Ｃチャンネル
を組み合わせた軸組（17）が、ボルト（18）で固定さ
れ、この軸組（17）の外側に地上階の外壁パネル（19）
が取り付けられている。なお、地下室の外壁パネル
（２）（３）の外側面には、発泡ポリスチレン（20）と
保護板（21）とからなる断熱材（22）が貼り付けられて
いる。そして、この断熱材（22）よりも上部側における
地下室外壁パネル（２）（３）の外側面部から、前記土
台（15）の外側面に跨がって、防水シート（23）を設置
するとともに、その外側に断熱材（24）を介して、この
考案のタイルパネル（25）を張り付けて、この部分を覆
うものである。

第１図は、上記タイルパネル（25）の取付方法を示
す。まず、土台（15）のウエブ（26）の外側に、平面か
ら見てコの字形のブラケット（27）が、その両端部にお
いて溶接され、このブラケット（27）の中央部に螺子穴
（28）が形成されている。他方、上部梁（４）の外側の
フランジ（10）には、そのフランジ（10）に螺子穴（2
9）が形成され、この螺子穴（29）の内側において、モ
ルタルを充填した際に被覆されることがないようカップ
状のケース（30）が溶接されている。タイルパネル（2
5）は、基板（31）の表面に多数のタイル（32）（32）
…を貼り付けたものであるが、予め、その一部のタイル
（32）を取り除いた、即ち貼り付けられていない空白部
（33）（33）が形成されており、この空白部（33）（3
3）において露出する基板（31）に、開口部（34）が形
成されている。更に、基板（31）の裏面には、第２図及
び第３図のように、裏面方向に突出するような断面溝形
の固定片（35）が、その溝部が開口部（34）側に向くよ
うにして外方に突出したリップ（36）（36）部分におい
て溶接して固着され、この固定片（35）の中央部にボル
ト穴（37）が形成されている。そして、タイルパネル
（25）の設置に際して、空白部（33）における開口部
（34）よりボルト（38）を、そのボルト頭が固定片（3
5）の溝部内にほぼ収まるようにして、前記固定片（3
5）のボルト穴（37）から前記螺子穴（28）（29）にね
じ込んで締め付けることにより、このタイルパネル（2
5）を固定する。しかる後、空白部（33）へ各々タイル
（32）を充填し、基板（31）表面に接着することによっ
て仕上げるものである。

発明の効果 以上のように、この発明によれば、タイルを取り除い
た空白部の開口部から挿入したボルトを、固定片のボル
ト穴から支持部にねじ込むことによって、基板を支持部
へ固定するため、従来のように基板にフランジを設ける
必要がなく、しかも、固定片の溝内にボルト頭がほぼ収
まるようになっているので、空白部にタイルを充填して
埋めるときに、タイルがボルトに干渉して浮き上がると
いった不具合が生じず、外観を損なうという欠点がな
い。さらに、空白部は、タイルを除いた形状となってい
るから、タイルをカットするといった加工をすることな
くそのまま充填でき、作業が容易で、且つ、充填後は他
のタイル表面と全く変わることがなく、きわめて優れた
外観を得ることができる。また、基板の裏面に取り付け
た固定片を介して支持部に固定するので、基板をビス等
によって支持部に直接固定する構造のものと比べて、基
板の材質や厚み等にあまり関係なく基板を確実に固定す
ることができ、タイルパネルの薄型化等を実現すること
ができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】 第１図は、この発明のタイルパネルの施工方法を示す外
壁部分の要部縦断斜視図、第２図は、タイルパネルの取
付状態の縦断面図、第３図は、第２図の要部の拡大図、
第４図は、地下室の外壁部の縦断面図、第５図は、地下
室の外壁パネルの斜視図、第６図は、同じく外壁パネル
の接合部の拡大断面図、第７図−第９図は、地下室の施
工方法を示す斜視図、第10図及び第11図は、同じく縦断
面図である。 （25）……タイルパネル、（31）……基板、（32）……
タイル、（34）……開口部、（35）……固定片、（37）
……ボルト穴、（38）……ボルト。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−131266（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E04F 13/08 102

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基板の表面に多数のタイルを張付けたタイ
   ルパネルに、その一部のタイルを取除いた空白部を設
   け、この空白部において前記基板に開口部を形成すると
   ともに、その基板の裏面に、ボルト穴を有する断面溝形
   の固定片をその溝部が開口部側に向くようにして取り付
   け、前記基板の開口部よりボルトを、そのボルト頭が固
   定片の溝部内にほぼ収まるようにして、固定片のボルト
   穴から支持部にねじ込むことによって、前記基板を支持
   部へ固定し、その後この空白部をタイルで埋めることを
   特徴とするタイルパネルの取付工法