JP3083380U - 椅子内蔵杖 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】すっきりとした棒状の外観を保ち、必要な時に
は中から折畳みの椅子を取り出して座ることができ、使
用しない場合の杖は自立させておくことができる機能を
備えた椅子内蔵杖を提供する。 【解決手段】杖の内部に空洞を作り、そこに畳めば全体
が棒状になる折り畳み式の椅子を内蔵させ、把持部か杖
の側面を開閉させることによって出し入れ口とする。杖
の側面には開閉自在な支持棒８を取り付けて、杖を立た
せる働きを持たせる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は杖の中に折り畳み式の椅子を内蔵させることによって杖と椅子を一体 化し、杖使用者の便宜を図ったものであるとともに、椅子使用時などには杖を傍 に安全に立てておける工夫をこらしたものである。

【０００２】

【従来の技術】

杖を使用していても体力に自信が無くて出かけることを躊躇している人達にと って、杖と椅子が一体化したものは非常に便利である。これまで考案されていた ものはほとんど、杖の外周にさまざまな付属品を付けて椅子としても使えるよう にしたものであった。また、椅子として使用している時は、杖が椅子そのものあ るいは椅子の一部に変化して、杖としての機能はなくなる形態になっていた。使 用しない時の杖は壁などに立て掛けたり、付属の紐等を利用して何かにぶらさげ たりするか、そういう場所がない時には手に持っているのが通常であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、外周にさまざまな付属品を付けた椅子兼用の杖は、普段の歩行 時には突起部が邪魔で危険をともなうだけでなく、体裁も悪いという問題点を有 している。

【０００４】 また、椅子として使用している時、杖が椅子又は椅子の一部に変形してしまっ ていては、足腰の弱っている利用者が立ち上がる際に、体を支えるために是非欲 しいと思う杖がなくて不便であるという問題点を有している。

【０００５】 さらに、腰掛けていたりすると杖は不要だが、立て掛ける場所もない場合、常 に手に持っていなければならず、不便な上に、時には斜めになって他の歩行者が 足を引っ掛ける等の危険も生じるという問題点も有している。

【０００６】 本考案は一本の棒状の杖としての外観をそこなわず、しかも必要なときには杖 から取り出して手早く簡単に椅子を使用することができ、座ってからは杖を傍ら に立てておく機能を備えた椅子内蔵杖を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の杖は、杖の内部に空洞部を作り、取り出 した後は完全に杖と切り離して使える三本もしくはそれ以上の脚を持った折り畳 み椅子を内蔵させることを特徴とする。

【０００８】 また、本考案の杖は、その側面に少なくとも二本の開閉自在な縦長の棒を取り 付け、それを開いて杖本体を支える形で杖を自立させることができる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。 図１は内部構造を示す側断面図である。杖の本体１に折り畳み椅子２が内蔵さ れており、椅子の座部４は畳んだ形で、その先に付いた輪状の紐によって把持部 ３の下部に引っ掛けてぶらさげることができる。椅子を杖から出し入れするため に、把持部３を蝶番、螺子もしくは凹凸の組み合わせなどによって下の棒部と切 り離し可能とするか、あるいは杖の棒部の側面に縦長の扉を取り付ける。

【０００１０】 把持部３（または棒部側面に付けられた扉）を開けて杖から取り出した椅子は 、座部４を広げると即座に図２のような形になって座ることができる。椅子を杖 に納める時は、座部４を持って上に引き上げて脚部を真直ぐに整えてから、取り 出した時と同じ箇所から入れる。椅子は、図２に示すように三本脚のものが最も 安定感があり、しかも部材が少なくてすむが、座り心地を重視するなら四本脚以 上のものでもよい。三本脚の場合は辺部を前、頂点部を後ろにして座ると不安定 で座り心地も悪い。頂点部を前にすると安全で座り心地はよいが、両足の間に頂 点部の突起が出て体裁が悪く、女性などにとっては抵抗感もある。その欠点を補 うため、図２は前部になる脚の頂点部を低くした形態のものを示している。脚部 ２は軽金属、プラスチック、木材等の軽くて丈夫な材質で作られ、座部４は布、 ビニール等の畳みやすい材料で作られている。

【０００１１】 三本もしくはそれ以上の椅子の脚２は図３に示す取り付け金具７によって連結 され、その外側に補強のための締め具５が取り付けられている。また、各脚は図 ５のように互いに他の脚に乗るような形で上下に組み合わされているのでしっか り固定されてはずれにくい。その各脚の噛み合わせをより強めるために、接触部 分をそれぞれ平らな形にする。

【０００１２】 図４は、杖の側面に取り付けた支持棒８を開いて杖を立てた図であるが、その 仕組みは図６に基づいて説明する。支持棒８は、杖下部の挿入部６と上部に付け られた伸縮性のある支持棒取り付けベルト９とによって杖に付けられている。支 持棒８の上部は少し杖本体と離れる方向に曲っており、その先には二本の支持棒 を連結させるための部材１０が付いている。支持棒８を開いて杖を立てるために は、連結部材１０を持って少し上に引っ張り、支持棒の下部を挿入部６から抜き 出した後、把持部３の下についているフック１１に連結部材１０を引っ掛ける。 そのことにより支持棒８の上部は杖本体と密着することになり、逆に、取り付け ベルト９より下の部分は杖本体から離れて杖を立たせるための支持の働きをする ことになる。

【０００１３】 本考案の椅子内蔵杖における杖機能のみを使用するときは、椅子を出し入れす る把持部３（または杖側面部に付けられた扉）がしっかり閉まっていること、及 び立てておくときの支えになる棒８の下部が挿入部６にきちんとはまっているこ とを確認する。椅子使用に際しては必ず一本だけ低くなっている頂点部を前にし て座る。使用しない杖を立て掛けるところがない時は、なるべく手に持たず支持 棒８を出して立てておく。

【０００１４】

【考案の効果】

本考案は、上述のとおりに構成されているので、次に記載する効果を有する。

【０００１５】 椅子が内蔵されている形態の杖なので、付属の部材等が歩行の邪魔になること はなく、体裁よく使用できる上、使用者は、疲れた時にはいつでも手早く椅子を 取り出して座ることが出来る。

【０００１６】 杖の側面に付いている支持棒を開いて杖を立てておくことができるので、椅子 に座っている間、不要な杖を立て掛ける場所をさがしたり手に持ったりするよう な不便さがなくなる。

【０００１７】 足腰が弱っていると、杖を使用していても何時疲れて座りたくなるか分からず 、不安で外出が出来ない、そのためますます足腰が弱るといった悪循環に陥って いる人は多い。また椅子付き杖はあっても持ち運びに不便で体裁も悪く使用がた めらわれるという人達にも本考案は便利である。家に閉じこもりがちで体力の衰 えとともに孤独感も感じているような高齢者達も、本考案品を使用すれば気軽に 街にあるいは公園にも出かけられ、友人達とゆっくり座って会話を楽しむことが 出来、心身のケアを行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の内部構造を説明するための側断面図で
ある。

【図２】杖から取り出した椅子を広げた場合の斜視図で
ある。

【図３】内部構造を説明するための横断面図である。

【図４】支え棒を出して杖を立てた場合の斜視図であ
る。

【図５】椅子脚取り付け部の斜視図である。

【図６】支持棒の開閉機構を説明するための部分拡大側
面図である。

【符号の説明】

１ 杖部 ２ 椅子脚部 ３ 杖の把持部 ４ 椅子の座部 ５ 椅子脚締め具 ６ 支持棒挿入部 ７ 椅子脚取り付け金具 ８ 支持棒 ９ 支持棒取り付けベルト １０ 支持棒連結部材 １１ フック

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 杖の内部に椅子を納めるための空洞があ
   り、そこに内蔵されている三本もしくはそれ以上の脚を
   持った折り畳み椅子を取り出して、座面を広げると即座
   に椅子として使用できる椅子内蔵杖。
2. 【請求項２】 請求項１の椅子内蔵杖において、杖本体
   の側面に少なくとも二本の開閉自在の支持棒が取り付け
   てあり、杖として使用しない時にはその支持棒を開くこ
   とによって立てておくことが出来る椅子内蔵杖。