JP3083250B2 - 法面の補強・緑化工法 - Google Patents

法面の補強・緑化工法

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JP3083250B2
JP3083250B2 JP07209337A JP20933795A JP3083250B2 JP 3083250 B2 JP3083250 B2 JP 3083250B2 JP 07209337 A JP07209337 A JP 07209337A JP 20933795 A JP20933795 A JP 20933795A JP 3083250 B2 JP3083250 B2 JP 3083250B2
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英一 小堂
忠雄 飯島
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ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社
株式会社エコ・グリーン
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地盤の掘削等に
より形成された傾斜面(法面)の保護、補強を行う工
法、特に、補強と同時に植物の生育可能な緑化基盤を法
面に造成可能とする法面の補強・緑化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、地盤の掘削や盛り土等により
生じた地盤の傾斜面(法面)は、種々の法面保護工によ
って保護、補強されている。このような法面保護工とし
て、たとえば、法面の形状に沿って型枠材(法枠)を設
置し、この型枠材にモルタル・コンクリートを吹き付け
ることによって法面を保護、補強するフリーフレーム工
法等の吹付法枠工や、砂質土に連続長繊維を三次元的に
からませて法面に敷設し、砂質土に疑似粘着力と変形抵
抗性とを持たせることで法面を保護、補強するテクソル
工法等の補強土工法が知られている。
【0003】前者の吹付法枠工によれば、モルタル・コ
ンクリートが地盤の法面に直接的に吹き付けられるた
め、法面、法枠が一体となり、法面に十分な強度が確保
できる。また、法面が地盤に対する擁壁として機能する
ため、地盤の安定化が十分にはかられる。
【0004】上記吹付法面工においては、法枠の設置等
に熟練工による特殊技能が要求される。これに対し、後
者の補強土工法においては、砂質土に連続長繊維を三次
元的にからませれば足りるため、施工の機械化が可能と
なり、施工の際の作業性が向上される。
【0005】ところで、近年の土木事業においては、自
然破壊が大きな問題となっており、法面の緑化による景
観の向上や環境の保全および自然保護が、地盤の掘削、
盛り土等により生じた法面に広く要求されている。しか
しながら、上記の吹付法枠工においては、モルタル・コ
ンクリートを地盤の法面に直接的に吹き付けるため、法
面における緑化基盤の造成が容易に行えない。また、上
記補強土工法では、植物の生育し難い砂質土を法面に敷
設するため、この補強土工法においても、緑化基盤が得
られない。
【0006】そこで、たとえば、上記補強土工法におけ
る砂質土に代えて、肥料材の混合された粘性の高い埴壤
土を土壌とし、この埴壤土に適当な植物の種子を混合し
て連続長繊維とからませることにより、この埴壤土の層
(土壌)を法面での植物の生育基盤(緑化基盤)とする
テクソルグリーン工法等のような緑化工法が提供されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな埴壤土と連続長繊維との組み合わせによる公知の緑
化工法においては、上記のように、埴壤土と連続長繊維
とを三次元的にからませて法面に敷設するにすぎないた
め、法面の表面的な強度しか得られず、地盤の擁壁とし
ての機能性は期待できない。
【0008】そこで、たとえば、前述した吹付法枠工と
上記緑化工法とを組み合わせることで法面の補強、緑化
の双方を得る構成が考えられる。しかし、吹付法枠工に
おいては、モルタル・コンクリートを法面に直接的に吹
き付けるため、法枠間に砂質土と連続長繊維との吹き付
けによる緑化基盤を造成しても、法面に対する緑化基盤
の安定化が容易に確保できない。
【0009】そして、この場合においては、法枠間毎に
緑化基盤を造成するため、緑化基盤の造成後における型
枠材の露出が避けられない。従って、法面の景観を損な
い、十分な自然環境の復元がはかれない。
【0010】更に、吹付法面工は、上述したように、コ
ストが高く、また、特殊技能を持つ熟練工による作業が
要求されるため、施工が容易に行えない。そして、公知
の緑化工法では、その施工の際に、所定の土に肥料材、
種子等を混合し団粒化させる混合・撹拌のための装置、
埴壤土を吹き付けるための装置、および、連続長繊維を
吹き付けるための装置等の種々の専用の装置が必要とな
るため、施工が煩雑化しやすいとともに、その施工にか
なりの設備投資が要求される。
【0011】従って、公知の吹付法枠工と緑化工法との
組み合わせにおいては、コストの上昇が避けられず、法
面の補強と緑化との両立が安価かつ容易に確保できな
い。
【0012】また、公知の緑化工法においては、埴壤土
と連続長繊維とを三次元的にからませるとはいえ、法面
の表面上への吹き付けによって、緑化基盤となる土壌を
法面に沿って造成しているにすぎない。つまり、急勾配
の法面等においては、緑化基盤となる土壌の層がさほど
厚くできず、緑化に適した基盤の造成が十分に行えなく
なる虞れがある。
【0013】ところで、地盤等の掘削においては、多量
の掘削土が生じ、この掘削土は、通常不要となるため、
土捨場と称する所定の廃棄場所に廃棄することになる。
しかし、掘削土は多量であるため、掘削土の廃棄場所が
容易に確保できず、廃棄場所に苦慮しているのが現状で
ある。
【0014】そこで、掘削土を緑化基盤の土壌として再
利用することも考えられるが、公知の緑化工法において
は、所定の埴壤土、つまりは専用の土に肥料材、種子等
を混合して植物の生育可能な表土とし、これを法面に沿
って敷設することで緑化基盤とするため、地盤の掘削等
により生じた掘削土の再利用がはかれない。そして、長
年にわたって雨等にさらされた掘削土のpHは酸性側に傾
いていることが多く、酸性の土壌においては、植物の生
育に大きな役割を果たす微生物の働きが低下しやすいた
め、掘削土を緑化基盤の土壌として単純に再利用して
も、植物の生育基盤としての機能性は大して期待できな
い。
【0015】この発明は、法面の補強と緑化との両立を
安価かつ容易に確保するとともに、地盤の掘削等により
生じた掘削土の再利用を可能とする法面の補強・緑化工
法の提供を目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明の法面の補強・緑化工法の実施の一形態に
よれば、植物繊維系素材および多孔質系素材からなる各
基材に特定の微生物を含有させて2系統の微生物混合材
とし、この2系統の微生物混合材を適当な比率で混在さ
せてなる肥料材を所定の土に混合して、植物の生育土壌
となる表土とする。そして、浸水性、保水性および保温
性を持ち、かつ土壌中で自然分解可能な繊維分解素材に
耐腐食性の化学繊維を適当な比率のもとで混合し結合さ
せた不織布からなる袋体に、現地周辺の植物調査に基づ
いて選定された肥料木となる在来種の木本植物の種子、
および、草本植物の種子の少なくともいずれかを付着さ
せ、この袋体に表土を詰めて枕状表土体を形成する。
【0017】更に、枕状表土体を地盤の法面に沿って段
階上に積み重ねて配置し、この積み重ねられた枕状表土
体の全面を植物の幹の通過可能な所定大の網目を持つ網
状被覆材で覆うとともに、永久アンカーを所定の複数箇
所で対象地盤に定着させ、この永久アンカーへの連結に
より網状被覆材を地盤に固定して、植物の生育可能な緑
化基盤としている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。
【0019】この発明に係る法面の補強・緑化工法にお
いては、図1に示すように、表土10の収納された枕状表
土体12を地盤14の法面(傾斜面)14a に沿って積み重ね
て配置することで、植物の生育可能な法面の緑化基盤15
としている。
【0020】そして、この発明の実施の形態において
は、たとえば、所定大以上の石礫、根系等の除去によっ
て、地盤14の掘削により生じた掘削土から現地発生土を
分別、採取し、この現地発生土を表土10に利用してい
る。掘削土からの現地発生土の選別は、たとえば、バイ
ブレータースクリーン等の選別機械(図示しない)によ
って行われ、通常、3cm四方程度の目を持つメッシュ状
スクリーンを通過したものが、掘削土からの現地発生土
として選別、採取される。
【0021】ここで、この発明では、この掘削土から採
取した現地発生土に肥料材を混合して、植物の生育土壌
となる表土10を得ている。
【0022】ところで、土壌に生育するある種の微生物
が、植物生体に大きな役割を果たしていることが一般に
知られ、この種の微生物として、微生物菌、光合成菌、
放射菌、糸状菌、担子菌、酵母菌等が挙げられる。通
常、これら微生物の生育、繁殖に適する環境として、土
壌中のpHがアルカリ性または中性であることが好ましい
とされている。
【0023】しかし、掘削土から採取した現地発生土の
pHが常に最適に保たれているとは限らず、通常は酸性側
に傾いていることが多いとされる。土壌中のpHが酸性側
に傾いていると、微生物の働きが低下するため、植物の
発芽、生育の妨げとなる虞れがある。
【0024】そこで、この発明の法面の補強・緑化工法
においては、たとえば、アルカリ性植物繊維を基盤に培
養した各種微生物を、保水性の高い素材からなる基材に
含有させて微生物混合材とし、この微生物混合材を肥料
材として現地発生土に混合することで、植物の生育に適
した表土10を得ている。
【0025】微生物混合材の基材として、植物繊維系素
材、多孔質系素材の2種類が利用され、各基材への微生
物の含有により、2系統の微生物混合材が形成される。
そして、この2系統の微生物混合材が適当な比率で混在
されて、肥料材として現地発生土に混合される。
【0026】微生物混合材の基材となる植物繊維系素材
として、たとえば、バーク堆肥、ピートモス等が利用で
きる。また、たとえば、バイオカーボン、木炭、ヤシガ
ラ、人工陶土等が、微生物混合材の基材となる多孔質系
素材として利用できる。
【0027】このような微生物混合材は、土壌中のpHを
中性程度に調整する、いわゆるpH調整機能を有すること
が一般に知られている。つまり、このような微生物混合
材を現地発生土に混合させると、微生物混合材によるpH
調整により、土壌のpHが5.5〜7.0 に調整されるため、
酸性であった現地発生土のpHを中性程度に維持すること
が可能となる。
【0028】そして、現地発生土のpHを中性程度に維持
することによって、基材に含有された微生物の生育、繁
殖が促進されるため、植物生体の発芽、生育に適した表
土10が確保できる。
【0029】つまり、微生物混合材を肥料材として混合
することによって、採取した現地発生土を植物の発芽、
生育に適した土壌(表土)に改良できるため、緑化基盤
15の土壌としての現地発生土、つまりは掘削土の再利用
が十分に可能となる。
【0030】ここで、多孔質系素材を基材とする微生物
混合材においては、多孔質系素材の持つ高い保水性によ
り、基材が微生物の生育のよい基盤になる。これに対
し、植物繊維系素材を基材とする微生物混合材において
は、微生物が基材の植物繊維を徐々に分解して植物全体
に供給するため、pH調整機能を持つ肥料材としての効果
が持続される。
【0031】つまり、植物繊維系素材、多孔質系素材を
基材とする2系統の微生物混合材を適当な比率で混在さ
せて肥料材とし、これを現地発生土に混合することで、
持続性の高いpH調整機能が十分に確保できる。
【0032】なお、現地発生土に対する植物繊維系素
材、多孔質系素材を基材とした2系統の微生物混合材の
混在比率は、現地発生土の土質、環境等に応じて適宜調
整される。
【0033】そして、図1、図2に示すように、この発
明においては、上記表土10を袋体16に詰めることで、階
段上に積載可能な枕状表土体12を形成している。
【0034】ここで、この発明においては、浸水性、保
水性および保温性を持ち、かつ土壌中で自然分解可能な
繊維分解素材に耐腐食性の化学繊維を適当な割合で混合
し結合させた不織布から、袋体16が形成されている。そ
して、現地周辺の植物調査に基づいて選定された肥料木
となる在来種の木本植物の種子、および、草本植物の種
子が、たとえば、貼着や埋め込み等によって、袋体16の
裏面、表面の少なくともいずれかに予め付着されてい
る。
【0035】なお、肥料木となる木本植物の種子とし
て、たとえば、その地域に適したマメ科の根粒植物の種
子が選定される。
【0036】袋体(不織布)16の繊維分解素材として、
たとえば、天然繊維やジュート繊維等が利用できる。一
般には、天然繊維である綿、麻等が不織布の繊維分解素
材として使用される。
【0037】ところで、天然繊維等の繊維分解素材自体
はさほど大きな剛性を持たない。しかしながら、この発
明の袋体16をなす不織布においては、この天然繊維等の
繊維分解素材に耐腐食性の化学繊維を混合しているた
め、剛性の高い強靭な化学繊維が不織布、つまりは袋体
16の補強材として機能し、袋体として要求される程度の
強度が不織布に付与される。
【0038】なお、綿、麻等の天然繊維は浸水性、通気
性を持つため、これらの繊維分解素材を備えた不織布か
らなる袋体16によれば、種子の発芽、植物の生育等に適
した水分、酸素等の供給が確実に得られる。従って、袋
体16が植物の生育等を妨げることもない。
【0039】そして、土壌中での経年変化により、不織
布の繊維分解素材部分は土壌中で分解し消滅され、なお
かつそれにより残された化学繊維も、特定の網目を持た
ない。そのため、この点からも、不織布、つまりは袋体
16が種子の発芽、植物の生育等の妨げとなることがな
い。
【0040】このような袋体16においては、袋体に付着
された植物の根系の伸長する6か月程度で繊維分解素材
を土壌中に分解、消滅させることが好ましい。そして、
この袋体16をなす不織布によれば、繊維分解素材に対す
る化学繊維の混合量の比率によって、その消滅までの期
間が調整できるため、枕状表土体12を形成するに適した
袋体が容易に確保できる。
【0041】なお、繊維分解素材の自然分解、消滅され
る時期においては、通常、袋体16に付着された種子の植
物の根系が伸長し、残された化学繊維と共に表土10にか
らむため、植物の根系が表土の補強材として機能する。
従って、繊維分解素材の分解、消滅後においても、表土
10の強度は十分に維持されて、天然繊維の消滅後におけ
る表土の侵食や滑落が防止される。
【0042】上記のような袋体16によりなる枕状表土体
12は、図1に示すように、地盤の法面14a に沿って階段
状に積み重ねられて多数配置される。そして、法面14a
に沿って積み重ねられた枕状表土体12の全面が網状被覆
材18で覆われるとともに、永久アンカー20が所定の複数
箇所で地盤14に対して定着され、この永久アンカーの頭
部への連結により網状被覆材を固定することで、この発
明の法面の補強・緑化工法における緑化基盤15が造成さ
れる。
【0043】網状被覆材18として、たとえば、四角形や
菱形等の網目を持つ硬質樹脂ネットが利用できる。硬質
樹脂ネット(網状被覆材)18の網目は、たとえば、植物
の幹の通過可能な程度の大きさ、つまりは3cm以上の大
きさに形成されている。
【0044】そして、硬質樹脂ネット18は、通常、所定
幅で長尺に形成されているため、図1、図3に示すよう
に、たとえば、左右方向に延ばして敷設され、地盤の法
面14a の高さに合わせて複数枚並設される。そして、並
設された硬質樹脂ネット18間の隙間の発生を防止するよ
うに、隣接する硬質樹脂ネットは所定範囲L1、たとえ
ば、10cm程度重ね合わせられて配置され、永久アンカー
20の頭部定着部への重ね合わせ部分の連結によって、硬
質樹脂ネットが法面14a 、ひいては地盤14に対して固定
される。
【0045】図3に示すように、この永久アンカー20
は、たとえば、上下左右に1m 程度ずつ離反した等間隔
位置で整列して多数配置され、地盤14に応じた荷重のも
とで定着、若しくは緊張、定着される。このような永久
アンカー20のアンカー引張材として、たとえば、防錆加
工の施されたPC鋼棒、PC鋼より線および鋼棒等が利用で
きる。
【0046】なお、この発明の実施の形態においては、
永久アンカー20が、端末にねじ部を有するPC鋼棒として
例示されている。そして、この永久アンカー20は、公知
の工法において地盤14の複数箇所に定着、若しくは緊
張、定着され、網状被覆材18が、座鉄板22を介したナッ
ト23の螺着によって、永久アンカーの定着部頭部延出端
20a に対して連結される(図1、図3参照)。
【0047】上記のように、この発明の法面の補強・緑
化工法においては、pH調整機能の持続性を高める植物繊
維系素材と、その高い保水性により微生物の生育基盤と
なり得る多孔質系素材とをそれぞれの基材とする2系統
の微生物混合材を、肥料材として現地発生土に適当な比
率で混在させるため、2系統の微生物混合材の混在によ
り得られる持続性の高いpH調整機能により、現地発生土
が植物の発芽、生育に適した土壌に改良される。つま
り、現地発生土、ひいては掘削土が、植物の生育土壌と
なる表土10として再利用可能となる。
【0048】そして、分別された所定大以上の大きさの
石礫、植物の根系等を地盤14の掘削の際の生じた廃棄土
として廃棄すれば足りるため、掘削により生じる廃棄土
の量が確実に低減される。従って、掘削土(廃棄土)の
廃棄場所の確保が比較的容易になるとともに、廃棄量の
軽減に伴って、廃棄に要する費用も確実に低減化され
る。
【0049】また、この発明では、木本植物、草本植物
の種子の付着された袋体16に表土10を詰めて枕状表土体
12を形成し、この枕状表土体を地盤の法面14a に沿って
積み重ね、硬質樹脂ネット18で覆うことによって法面の
緑化基盤15としている。つまり、枕状表土体12が緑化基
盤15の一構成基材となり、一構成基材毎に土壌の強度が
得られるとともに、硬質樹脂ネット18による被覆のもと
で枕状表土体が保持されるため、緑化基盤の層が安定し
た状態で十分に厚く造成できる。
【0050】そして、表土10は袋体16に詰め込まれてい
る。つまり、表土10は袋体16によって覆われるため、表
土の侵食等が施工直後から確実に防止できる。
【0051】更に、不織布の繊維分解素材となる天然繊
維が高い保温性を持つため、袋体16への表土10の収納に
より、表土の凍土、凍害等が防止でき、地山の風化の抑
制効果が十分に期待できる。
【0052】また、枕状表土10を地盤の法面14a に沿っ
て階段状に積み重ねることで、緑化基盤15の全体的な表
面積が増大するため、緑化基盤における受光率、保水率
等が十分に高く維持できる。従って、植物の生育に適し
た緑化基盤15が容易に確保できる。
【0053】また、この発明では、永久アンカー20が、
地盤14に対し、等間隔離反した多数の箇所において定
着、若しくは緊張、定着されているため、地盤に対する
硬質樹脂ネット18の固定ばかりでなく、永久アンカーに
よる地盤の安定化も同時に確保できる。このように、多
数の永久アンカー20を地盤14に定着させることによっ
て、永久アンカーの挿入された深さ分が、地盤の擁壁と
して機能するため、法面14a の補強、ひいては地盤の強
化が確実にはかられる。
【0054】つまり、この発明の法面の補強・緑化工法
によれば、法面14a の補強、緑化の両立が、施工を複雑
化することなく、現地発生土の再利用のもとでも容易に
可能となる。そして、この発明においては、特殊な施工
技術や設備等が必要ないため、安価な施工が可能とな
る。
【0055】ここで、この法面の補強・緑化工法におい
ては、現地周辺の植物調査に基づいて選定した在来種の
木本植物の種子、草本植物の種子を袋体16に付着して発
芽、生育させているため、その地域の土壌環境に適した
木本植物、草本植物を生育させることにより、その地域
本来の自然林に近い緑化が可能となる。そして、現地発
生土を表土10として再利用することで、その土壌に堆積
した種子による草本植物等の生育も期待できるため、こ
の点においても、自然林に近い緑化が可能となる。
【0056】なお、上記の実施の形態においては、木本
植物の種子、草本植物の種子の双方を袋体16に付着させ
ているが、植生による緑化が可能であれば足りるため、
木本植物の種子、草本植物の種子の双方に限定されず、
たとえば、いずれか一方の種子のみを袋体に付着させる
構成としてもよい。
【0057】しかし、木本植物においては、その根系が
斜面の奥行方向や上部方向に伸長する特性を持つため、
土層を斜面上に止める補強・保護効果が得られる。つま
り、木本植物を法面14a の緑化に利用することにより、
木本植物の根系が、地盤の法面14a に対する緑化基盤15
の連結材、補強材として機能するため、緑化基盤の強度
が十分に高く維持できる。
【0058】そして、この発明では、積み重ねられた枕
状表土体12が、硬質樹脂ネット18によって全体的に覆わ
れている。つまり、この発明によれば、表土10に対する
木本植物の根系のからみ合いに加えて、緑化基盤15の全
面が硬質樹脂ネット18で支持されるため、緑化基盤の全
体的な強度が確実に高くなり、強風等に起因する植物の
倒れが十分に阻止できる。
【0059】ここで、肥料木となる木本植物として、そ
の地域に適したマメ科の根粒植物等を利用すれば、肥料
木が、菌根の働きによる空中窒素固定作用のもとで植物
体中に蓄えられた窒素分を落葉、落枝や根系からの分泌
物等により土壌中、つまりは表土中に供給するため、表
土10の地力を高める等の肥料効果が期待できる。従っ
て、追肥等の要求されない永久的な緑化が、法面14a の
緑化基盤15において可能となる。
【0060】そして、この発明においては、上述したよ
うに、袋体16をなす不織布の繊維分解素材が自然分解、
つまり腐食、消滅されるため、緑化基盤15の造成後での
経年変化により、枕状表土体内の表土10が、繊維分解素
材の消滅のもとで露出される。そのため、肥料木となる
マメ科の植物の落葉、落枝との接触がはかられ、これら
からの窒素分の供給が容易に得られる。
【0061】従って、繊維分解素材を含む不織布によっ
て袋体16を形成することで、自然生体を最大限に生かし
た緑化が容易に可能となる。
【0062】なお、図1の参照符号24は、たとえば、一
対の支持パイプ30に遊挿された打ち込みピン28の打ち込
みにより地盤の法面14a に対して固定されたストッパで
あり、積み重ねられた枕状表土体12を網状板からなる本
体26で上下方向の所定個数毎に支持可能に、このストッ
パは構成されている。
【0063】ここで、図4に示すように、たとえば、麻
等の繊維分解素材からなる一対のメッシュ材34間に適当
量の藁材36を挟み込んで形成した積みワラシート38を、
重ねられる枕状表土体12間にそれぞれ介在、敷設すると
よい。このような構成では、積みワラシート38が保温性
を持つため、表土10の凍土、凍害等の防止により、この
点からも、地山の風化の抑制効果が十分に期待できる。
そして、積みワラシート38の藁材自体が肥料となるた
め、追肥の不要な緑化基盤15が得られる。
【0064】なお、藁材36を繊維分解素材からなるメッ
シュ材34で挟み込んで積みワラシート38を形成するた
め、積みワラシート自体が植物の発芽、育成の妨げとな
ることもない。
【0065】ところで、枕状表土体10は、その地盤14の
地形の基づく等高線に沿った階段状に積み重ねることが
好ましい。この構成では、その地域周辺の植物の侵入生
息を促進させるため、緑化基盤における、自然植物遷移
効果が大きく期待でき、この点からも、自然林に近い緑
化が十分にはかられる。
【0066】また、上記の実施の形態においては、網状
被覆材として硬質樹脂ネット18を例示しているが、階段
状に積み重ねた枕状表土体10の全面を被覆し地盤14に対
して固定可能であれば足りるため、硬質樹脂ネットに限
定されず、たとえば、菱形金網40から、網状被覆材を形
成してもよい。
【0067】図5、図6に示すように、このような菱形
金網(網状被覆材)40として、たとえば、硬質樹脂ネッ
ト18と同様に、植物の幹等の通過可能な3cm程度以上の
大きさの菱形の網目を持つものが利用できる。この種の
菱形金網40は、通常、上下方向に延ばして敷設され、地
盤の法面14a の幅に合わせて複数枚並設される。そし
て、硬質樹脂ネット18と同様に、並設された菱形金網40
間の隙間の発生を防止するように、隣接する菱形金網は
所定範囲L1、たとえば、10cm程度重ね合わせられ、永久
アンカー20の頭部定着部への重ね合わせ部分の連結によ
って、菱形金網が法面14a に対して固定されている。
【0068】菱形金網40を網状被覆材として利用する場
合においては、永久アンカー20が上下方向で2m 程度、
左右方向で1m 程度離反した整列位置において多数定
着、若しくは緊張、定着される。
【0069】このように、菱形金網40を網状被覆材とし
て利用する構成においても、法面14a に沿って積み重ね
た枕状表土体12を全面的に被覆し、永久アンカー20によ
り、菱形金網を法面に対して固定すれば足りるため、硬
質樹脂ネットと同様の効果が得られる。
【0070】そして、この場合においても、永久アンカ
ー20が地盤14に対して多数定着されるため、地盤の強化
および法面14a の補強が十分に行える。
【0071】ところで、硬質樹脂ネット18は金属製の菱
形金網40に比較して十分に軽量であるため、急勾配の法
面14a に使用しても、永久アンカーの頭部定着部延出端
20aに作用する荷重が十分に抑制される。つまり、急勾
配の法面14a の網状被覆材として硬質樹脂ネット18を利
用すれば、永久アンカーの頭部定着部延出端20a にかか
る負荷が十分に低減されるため、永久アンカー20の安全
性が十分に確保できる。
【0072】これに対し、菱形金網40には、自重が重い
反面、安価に提供できるという利点がある。つまり、曲
げ方向への荷重が永久アンカーの頭部定着部延出端20a
にかかり難い比較的緩やかな勾配の法面14a での網状被
覆材として、菱形金網40を利用すれば、安価な網状被覆
材が容易に確保できる。
【0073】従って、法面14a の傾斜に応じて網状被覆
材を選択することで、硬質樹脂ネット18、菱形金網40の
利点を十分に生かした緑化基盤15の造成が可能となる。
【0074】なお、菱形金網40においては、それ自体が
高い剛性を有するため、左右方向での永久アンカー20の
間隔を2m 程度としても、枕状表土体16に対する被覆材
としての機能は損なわれない。
【0075】また、硬質樹脂ネット18、菱形金網40のい
ずれを網状被覆材として利用しても、木本植物、草本植
物等の生育により、これら網状被覆材は外観上確認困難
な程度に覆われるため、植物の生育後における緑化基盤
15の外観は損なわれない。
【0076】なお、この発明の実施の形態において例示
した上記寸法は、いずれも硬質樹脂ネット18、菱形金網
40の施工の際での一例にすぎないため、この寸法に限定
されず、他の寸法のもとで硬質樹脂ネット、菱形金網を
網状被覆材として施工してもよい。
【0077】また、この発明の実施の形態においては、
網状被覆材として、硬質樹脂ネット18、菱形金網40を例
示しているが、植物の幹等の通過可能な大きさの網目を
持ち、地盤の法面14a に沿って積み重ねられた枕状表土
体12を全面的に被覆すれば足りるため、上記の硬質樹脂
ネット、菱形金網に限定されず、他の網状体を網状被覆
材として利用してもよい。
【0078】ところで、上述したこの発明の実施の形態
においては、木本植物の種子、草本植物の種子の付着さ
れた袋体16に表土10を詰めることで枕状表土体12を形成
し、この枕状表土体を地盤の法面14a に沿って積み重ね
ることで緑化基盤15としている。しかし、その地域の環
境や施工の時期等によっては、種子の発芽、植物の生育
が十分に得られない場合も考えられる。このような場合
においては、必要に応じて、造成後の緑化基盤15の表面
上に、対応する種子を付着させ、これらの種子の発芽、
生育のもとで、緑化基盤に植生を確保してもよい。
【0079】このような場合の種子の付着工法として、
たとえば、機械施工による植生工、いわゆる植生基材吹
付工が利用できる。この植生基材吹付工は、種子散布工
と厚層吹付工とに分類され、たとえば、表土10となる現
地発生土の土質、硬度等によって使い分けられる。
【0080】たとえば、種子散布工においては、一般
に、平均吹付厚が1cm 未満とされるため、植生の生育良
好な普通土等を表土10とした場合に利用できる。種子散
布工は、通常、水力式植生基材吹付機が利用される。
【0081】これに対し、厚層吹付工においては、その
平均吹付厚が1 〜15cm程度まで厚くできるため、植生の
生育不良土壌である砂質土や硬質土等を表土10とした場
合に補助基材となる土等と共に木本植物の種子、草本植
物の種子を吹き付けることで、土壌基盤15における植生
の生育が十分に期待できる。このような厚層吹付工にお
いては、水力式植生基材吹付機や空気式植生基材吹付機
が利用できる。
【0082】この発明の法面の補強・緑化工法において
は、積み重ねられた枕状表土体12が硬質樹脂ネット18、
菱形金網40等の網状被覆材で覆われているにすぎず、散
布された種子は、網状被覆材の網目を介して枕状表土
体、つまりは袋体16の表面や露出された表土10等に直接
的に付着されるため、緑化基盤15の造成後での種子の散
布、吹き付けのもとでも、緑化基盤における植生の確保
が十分に可能となる。
【0083】このような、緑化基盤15の造成後における
種子の散布、吹き付けのもとでも、枕状表土体12、つま
りは袋体16の表面に種子が付着すれば、種子の発芽、植
物の生育が得られるため、植生が緑化基盤で十分に確保
できる。つまり、袋体16、ひいては枕状表土体12に対し
て種子を付着させれば足りるため、袋体への種子の付着
は、事前の作業のみに限定されず、網状被覆材での被覆
後においても行うことが可能である。
【0084】なお、緑化地盤造成後での種子の付着は、
植生の生育不良時等に限定されず、たとえば、種子を付
着させることなく配置した枕状表土体12に対して、網状
被覆材で覆った後に、上記の種子散布工、厚層吹付工に
よって種子を付着させてもよい。
【0085】また、この発明の実施の形態においては、
地盤14の掘削等により生じた掘削土から分別、採取され
た現地発生土を表土10として利用しているが、これに限
定されない。つまり、掘削土の再利用の不能な場合や掘
削土から十分な現地発生土が得られない場合、および、
盛り土による地盤の法面等においては、現地発生土以外
の土を利用して表土を得ることもできるため、あらゆる
土質の地盤での法面の補強、緑化が、この発明の法面の
補強・緑化工法において十分に可能となる。
【0086】上述したこの発明の実施の形態は、この発
明を説明するためのものであり、この発明を何等限定す
るものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の
施されたものも全てこの発明に包含されることはいうま
でもない。
【0087】
【発明の効果】上記のように、この発明の法面の補強・
緑化工法によれば、pH調整機能の持続性を高める植物繊
維系素材と、その高い保水性により微生物の生育基盤と
なり得る多孔質系素材とをそれぞれの基材とする2系統
の微生物混合材を、肥料材として現地発生土に適当な比
率で混在させるため、2系統の微生物混合材の混在によ
り得られる持続性の高いpH調整機能により、現地発生土
が植物の発芽、生育に適した土壌に改良される。つま
り、現地発生土、ひいては掘削土が、植物の生育土壌と
なる表土として再利用可能となる。
【0088】そして、分別された所定大以上の大きさの
石礫、植物の根系等を地盤の掘削の際の生じた廃棄土と
して廃棄すれば足りるため、掘削により生じる廃棄土の
量が確実に低減される。従って、掘削土の廃棄場所の確
保が比較的容易になるとともに、廃棄量の軽減に伴っ
て、廃棄に要する費用も確実に低減化される。
【0089】また、植物繊維系素材、多孔質系素材を基
材とする2系統の微生物混合材を適当な比率で混在させ
れば足りるため、あらゆる土質の地盤での法面の補強、
緑化が、この発明の法面の補強・緑化工法において十分
に可能となる。
【0090】そして、袋体に表土を詰めた枕状表土体を
地盤の法面に沿って積み重ねるため、枕状表土体が緑化
基盤の一構成基材となり、一構成基材毎に土壌の強度が
得られる。従って、緑化基盤の層が安定した状態で十分
に厚く造成できる。
【0091】また、繊維分解素材からなる一対のメッシ
ュ材間に適当量の藁材を挟み込んで積みワラシートと
し、この積みワラシートを重ねられる枕状表土体間にそ
れぞれ介在、敷設すれば、積みワラシートが保温性を持
つため、表土の凍土、凍害等の防止により、この点から
も、地山の風化の抑制効果が十分に期待できる。そし
て、積みワラシートの藁材自体が肥料材となるため、追
肥の不要な緑化基盤が得られる。
【0092】更に、枕状表土体をその地盤の地形の基づ
く等高線に沿った階段状に積み重ねれば、その地域周辺
の植物の侵入生息を促進させるため、緑化基盤におけ
る、自然植物遷移効果が大きく期待でき、自然林に近い
緑化が十分にはかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る法面の補強・緑化工法の概略縦
断面図である。
【図2】法面の補強・緑化工法における、枕状表土体の
概略斜視図である。
【図3】法面の補強・緑化工法で永久アンカーに連結さ
れた状態における硬質樹脂ネット(網状被覆材)の一部
破断の概略平面図である。
【図4】上下の枕状表土体間への敷設前における、積み
ワラシートの概略分解斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態の変形例における、図1
に対応する法面の補強・緑化工法の概略縦断面図であ
る。
【図6】図5の変形例における、法面の補強・緑化工法
で永久アンカーに連結された状態における菱形金網(網
状被覆材)の、図3に対応する一部破断の概略平面図で
ある。
【符号の説明】
10 表土 12 枕状表土体 14 地盤 14a 法面 15 緑化基盤 16 袋体 18 硬質樹脂ネット(網状被覆材) 36 藁材 38 積みラワシート
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−180015(JP,A) 特開 平2−167010(JP,A) 特開 平6−7029(JP,A) 特開 平4−357212(JP,A) 特開 平6−257157(JP,A) 特開 昭62−29622(JP,A) 特開 昭59−44425(JP,A) 特開 昭53−34306(JP,A) 実開 平3−29536(JP,U) 実公 昭46−349(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/20 102

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物繊維系素材および多孔質系素材から
    なる各基材に特定の微生物を含有させて2系統の微生物
    混合材とし、この2系統の微生物混合材を適当な比率で
    混在させてなる肥料材を所定の土に混合して、植物の生
    育土壌となる表土とし、 浸水性、保水性および保温性を持ち、かつ土壌中で自然
    分解可能な繊維分解素材に耐腐食性の化学繊維を適当な
    比率のもとで混合し結合させた不織布からなる袋体に、
    現地周辺の植物調査に基づいて選定された肥料木となる
    在来種の木本植物の種子、および、草本植物の種子の少
    なくともいずれかを付着させるとともに、袋体内に表土
    を詰めて枕状表土体を形成し、 枕状表土体を地盤の法面に沿って段階上に積み重ねて配
    置し、この積み重ねられた枕状表土体の全面を植物の幹
    の通過可能な所定大の網目を持つ網状被覆材で覆うとと
    もに、永久アンカーを所定の複数箇所で対象地盤に定着
    させ、この永久アンカーへの連結により網状被覆材を地
    盤に固定して、植物の生育可能な緑化基盤とする法面の
    補強・緑化工法。
  2. 【請求項2】 植物繊維系素材および多孔質系素材から
    なる各基材に特定の微生物を含有させて2系統の微生物
    混合材とし、この2系統の微生物混合材を適当な比率で
    混在させてなる肥料材を所定の土に混合して、植物の生
    育土壌となる表土とし、 浸水性、保水性および保温性を持ち、かつ土壌中で自然
    分解可能な繊維分解素材に耐腐食性の化学繊維を適当な
    比率のもとで混合し結合させた不織布からなる袋体に表
    土を詰めて枕状表土体を形成し、 枕状表土体を地盤の法面に沿って段階上に積み重ねて配
    置し、この積み重ねられた枕状表土体の全面を植物の幹
    の通過可能な所定大の網目を持つ網状被覆材で覆い、永
    久アンカーを所定の複数箇所で対象地盤に定着させ、こ
    の永久アンカーへの連結により網状被覆材を地盤に固定
    するとともに、 少なくとも、網状被覆材での枕状表土体の被覆後におい
    て、現地周辺の植物調査に基づいて選定された肥料木と
    なる在来種の木本植物の種子、および、草本植物の種子
    の少なくともいずれかを袋体に付着させて、植物の生育
    可能な緑化基盤とする法面の補強・緑化工法。
  3. 【請求項3】 繊維分解素材からなる一対のメッシュ材
    間に適当量の藁材を挟み込んで積みワラシートとし、法
    面に沿って積み重ねられる上下の枕状表土体間に、この
    積みワラシートをそれぞれ介在、敷設した請求項1また
    は2記載の法面の補強・緑化工法。
  4. 【請求項4】 枕状表土体が、その対象地盤の地形に基
    づく等高線に沿って階段状に積み重ねられた請求項1な
    いし3のいずれか記載の法面の補強・緑化工法。
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