JP3082535B2 - 車載レーダ装置 - Google Patents

車載レーダ装置

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JP3082535B2 JP05241783A JP24178393A JP3082535B2 JP 3082535 B2 JP3082535 B2 JP 3082535B2 JP 05241783 A JP05241783 A JP 05241783A JP 24178393 A JP24178393 A JP 24178393A JP 3082535 B2 JP3082535 B2 JP 3082535B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車載レーダ装置に係
り、特に車両前方を監視して、先行車との距離及び相対
速度を検出する車載レーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両前方に存在する物体を対
象物として、それらに対する距離及び相対速度を検出す
る車載レーダ装置が知られている。このような車載レー
ダ装置を用いて先行車の走行状態を監視する車両におい
ては、不当な接近時に自動的にブレーキを作動させて追
突を防止する機能や、車間距離を適当に維持して自動的
に追従走行する機能を実現することが可能である。
【0003】ところで、車載レーダ装置を用いて上述の
機能を実現するにあたっては、レーダ装置が、車両の走
行状態に関わらず常に先行車を監視する能力を有してい
ることが必要である。この場合、特に問題となるのは先
行車と自車との相対的な位置関係が変位するカーブ走行
時である。つまり、カーブ走行時に適切な監視状態を維
持するためには、レーダ装置の監視範囲を先行車の動き
に合わせて変動させることが必要である。
【0004】特開平5−126947号公報は、かかる
点に着目し、レーダ装置の監視範囲をステアリング切れ
角に連動させてなる車載レーダ装置を開示している。こ
の装置によれば、自車がカーブに差しかかりステアリン
グ操作が行われると、その操作に伴ってレーダ装置の監
視範囲が先行車方向に向けられることになり、先行車を
ロストする可能性が低減する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置は、あくまでも自車がカーブに差しかかった後
にレーダ装置の監視範囲が先行車方向に変化させるもの
である。一方、先行車と後続車との相対的な位置関係
は、先行車がカーブに差しかかった時点から変化し始め
るものであり、後続車が現実にカーブに差しかかる際に
は既に相対位置が大きく変動している場合もある。
【0006】つまり、上記従来のレーダ装置の如く、自
車がカーブに差しかかって実際にステアリングが操作さ
れて初めてレーダ装置の監視範囲が先行車の方向に変化
する構成では、先行車がカーブに差しかかった後自車が
カーブに差しかかるまでの間に、先行車をロストする可
能性があるという問題を有していた。
【0007】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、レーダ装置の監視範囲内に先行車に加えて静止
体が検出され始めた場合、その静止体が継続的に検出さ
れるものであるかを判別し、継続的に検出されるもので
ない場合には先行車がカーブに差しかかった結果路上の
静止体が検出され始めたと判断してカーブ走行時におい
て実行すべき処理をスタンバイ状態とすることにより上
記の課題を解決する車載レーダ装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成する車載レーダ装置の原理構成図を示す。すなわち上
記の目的は、図1に示す如く前方に存在する対象物に対
する距離及び相対速度を検出するレーダ手段1を備えて
なる車載レーダ装置において、該レーダ手段1のレーダ
監視範囲内に複数の対象物が存在していることを検出す
る複数対象物判別手段2と、当該車載レーダ装置の搭載
される車両の車速を検出する車速センサ3と、前記複数
対象物判別手段2が複数の対象物の存在を検出した場合
に、前記レーダ装置1がこれら複数の対象物に対して検
出する相対速度と、前記車速センサ3が検出する車速と
を比較し、相対速度と車速とが実質的に同一となる物体
については路上に停止している静止体であると判定し、
相対速度と車速とが実質的に同一とならない物体につい
ては路上を移動している移動体であると判定する対象物
特性判定手段4と、該対象物特性判定手段4が、移動体
と静止体とを共に検出した場合に、静止体の継続検出時
間をカウントする静止体計時手段5と、該静止体計時手
段5によりカウントされた時間が所定時間以上となった
場合、車両がカーブに差しかかっていると判定する走行
状態判定手段6とを有する車載レーダ装置により達成さ
れる。
【0009】
【作用】本発明に係る車載レーダ装置において、前記レ
ーダ手段1は、所定の監視範囲内に存在する物体を対象
物として、個々に距離及び相対速度を検出する。ここ
で、前記レーダ手段1の監視範囲は車両前方に向けて設
定されており、走行路が直進路である場合先行車を対象
物として認識する。また、車両前方に、先行車に加えて
新たな物体が検出された場合、その変化は前記複数対象
物判別手段2によって検出される。
【0010】ところで、前記レーダ手段1が路上に停止
している静止体を検出した場合、その静止体に対する自
車の相対速度は、前記車速センサ3の検出する車速と実
質的に同一となる。前記対象物特性判定手段4は、かか
る点に着目して前記レーダ手段1が複数の対象物を検出
した場合に、個々の対象物が移動体であるか静止体であ
るかを判定する。
【0011】この場合において、前記レーダ手段1が移
動体と静止体とを共に検出するのは、移動体である先行
車がカーブに差しかかって前記レーダ手段1の監視範囲
から部分的に外れてその代わりに路上の静止物が対象物
として検出される場合の他、直進路走行中に一時的に先
行車が走行レーンを変更した場合等にも生ずる。
【0012】ここで、直進路走行時では、路側の静止体
を検出しても、車両が走行するにつれて車両と路側の静
止体との相対位置関係が変動し、その静止体が長期に渡
って検出されることがない。
【0013】前記走行状態判定手段6は、かかる点に着
目し、前記静止体計時手段5におけるカウントが所定時
間継続した場合に、前記レーダ手段1が移動体と共に静
止体を検出しているのは、先行車がカーブに差しかかっ
た結果であると判断して、自車がカーブ手前を走行中で
あることを判定する。
【0014】
【実施例】図2は、本発明の一実施例である車載レーダ
装置のブロック構成図を示す。同図に示すように、本実
施例の車載レーダ装置は、スペクトル処理回路10、車
速センサ20、及びFM−CWレーダ30から構成され
る。
【0015】スペクトル処理回路は、前記した複数対象
物判別手段2,対象物特性判定手段4,静止体計時手段
5,走行状態判定手段6を実現する車載レーダ装置の要
部であり、車速センサ20は、当該車載レーダ装置が搭
載される車両の車速を検出してスペクトル処理回路にそ
の検出結果を供給するセンサである。
【0016】また、FM−CWレーダ30は、前記した
レーダ手段1に相当し、車両前方に向けて所定の変調波
を発信し、車両前方に存在する物体を対象物として距離
及び相対速度を検出する公知の装置である。
【0017】以下、本実施例の要部であるスペクトル処
理回路10が、前記した複数対象物判別手段2,対象物
特性判定手段4,静止体計時手段5,走行状態判定手段
6を実現すべく実行する処理内容について説明するが、
それに先立って、FM−CWレーダ30の構成、及びF
M−CWレーダ30による距離及び相対速度の検出原理
について説明する。
【0018】図2において、搬送波発生回路31、周波
数変調回路32、変調電圧発生回路33、サーキュレー
タ34、及び送信アンテナ35は、FM−CWレーダ3
0の送信側回路を構成する。
【0019】すなわち、変調電圧発生回路33は振幅が
三角形状に変化する三角波が出力され、変調波として周
波数変調回路32に供給される。これにより搬送波発生
回路31からの搬送波は周波数変調され、図3(A)に
おいて実線で示されるように時間経過に伴って所定の変
動幅Δf,変調周波数fm(=1/T)で周波数が三角
形状に変調する変調波信号が出力される。
【0020】そして、この変調波信号は、サーキュレー
タ34を介して送信アンテナ35に供給されて被検出物
たる障害物へ向けて発信されると共に、後述する受信側
回路のミキサ37に供給される。
【0021】また、受信アンテナ36、ミキサ37、増
幅回路38、アンチエリアシングフィルタ39、及び高
速フーリエ変換処理回路(FFT信号処理回路)40
は、FM−CWレーダ40の受信回路を構成している。
【0022】すなわち、上記送信アンテナ35から発信
された変調波がFM−CWレーダ30の監視範囲内に存
在する障害物で反射した場合に、受信アンテナ36はそ
の反射波を受信してミキサ37に供給する。そして、ミ
キサ37以降の回路により、反射波の解析を行うもので
ある。
【0023】図3(A)中に破線及び一点鎖線で示す波
形は、受信アンテナ36が受信した反射波の周波数変動
の様子を表している。ミキサ37では、かかる反射波の
状態を表す信号とサーキュレータ34から供給される発
信波の状態を表す信号とが差分演算により結合され、両
者の周波数差に応じた周波数で変動するビート信号が生
成される。
【0024】図3(B)は、かかるビート信号の周波数
変動状況を示しており、三角変調波の周波数上昇区間の
周波数をfup、周波数下降区間の周波数をfdownとし
て、図3(A)に示す反射波に対応するビート信号を破
線及び一点鎖線で表したものである。この場合fupは、
変調波が周波数上昇区間にある間の発信波の周波数と受
信波の周波数との差に相当し、またfdownは、変調波が
周波数下降区間にある間の発信波の周波数と受信波の周
波数との差に相当している。
【0025】ミキサ37からのビート信号は、増幅回路
38で増幅され、アンチエリアシングフィルタ39に供
給される。アンチエリアシングフィルタ39に供給され
たビート信号は、ここで上昇区間のビート信号、及び下
降区間のビート信号に分離された後、それぞれFFT信
号処理回路40に供給される。そして、FFT信号処理
回路40は、各区間のビート信号についてFFT処理を
施し、fup及びfdownについてのパワースペクトルを算
出する。
【0026】図4は、車両前方に2つの障害物が存在す
る場合におけるFFT信号処理回路40のパワースペク
トルを、上昇区間(図4(A))と下降区間(図4
(B))とに分けて表したものである。
【0027】つまり、車両前方に2つの障害物が存在す
る場合、受信アンテナ36には個々の障害物についての
反射波が受信される。このため、発信波と受信波の周波
数差を表すビート信号は個々の障害物に対応した数だけ
形成され、この結果FFT信号処理回路40において
は、2つのピークを有するパワースペクトルが検出され
ることになる。
【0028】ところで、車両と前方障害物との間に相対
速度がないとすると、送信アンテナ35から発信された
変調波は、変調波が障害物に達し、その後反射して戻っ
てくるのに要する時間が経過した後に受信アンテナ36
に到達する。この場合、反射波の周波数にドップラシフ
トが重畳されることはなく、反射波の周波数変動を表す
波形は、図3(A)中に一点鎖線で示す如く発信波を単
に時間的に平行移動した波形となるはずである。
【0029】そして、上昇区間におけるビート信号の周
波数をfup、下降区間におけるビート信号の周波数をf
downとすると、図3(B)中に一点鎖線で示すように、
fup=fdownが成立することになる。そして、fup=f
downの大きさは、車両と障害物との距離に応じた値を示
すことになる。
【0030】一方、車両と障害物との間に相対速度vが
存在する場合、反射波には相対速度に応じたドップラシ
フトが重畳される。そして、例えば両者が接近する傾向
にあるとすれば、反射波の周波数は全体的に高周波側へ
シフトし、反射波の周波数変動を表す波形は、図3
(A)中に破線で示す如く、距離に応じて時間的に平行
移動した波形(図中、一点指鎖線で示す波形)を更に高
周波側へ平行移動した波形となる。
【0031】つまり、相対速度vが“0”である場合に
比べてfupは小さく、またfdownは大きく、それぞれ相
対速度vに応じて変化することになる。このため、 fr =(fup+fdown)/2 ・・・(1) なる概念を導入すれば、fup及びfdownに重畳されたい
たドップラシフト成分が互いに相殺されて、その値は車
両と前方障害物との距離を表す特性値となり、 fd =(fdown−fup)/2 ・・・(2) なる概念を導入すれば、fup及びfdownに重畳されてい
た距離成分が互いに相殺されてドップラシフト成分のみ
が残り、その値は車両と前方障害物との相対速度を表す
ことになる。
【0032】尚、変調波の中心周波数がf0 ,変調周波
数がfm,変調幅がΔf,相対速度がv,距離がLであ
るとすれば、光速cに対してfr 及びfd の理論値は次
式のようになる。
【0033】 fr =4fm・Δf・L/c ・・・(3) fd =2v・f0 /c ・・・(4) 従って、図4に示すように2つのスペクトルピークが得
られた場合においては、FMu1とFMd1とをペアとし、
またFMu2とFMd2とをペアとし、例えば、fr =(F
Mu1+FMd1)/2,fd =(FMd1−FMu1)/2な
る演算を行えば、前者のペアのスペクトルピークを生ぜ
しめた障害物との距離L及び相対速度vが得られ、後者
のペアについても同様の処理を施すことにより、そのス
ペクトルピークを生ぜしめた距離L及び相対速度vが得
られることになる。
【0034】このようにFM−CWレーダ30は、その
前方に存在する個々の物体についてそれぞれfup及びf
downをスペクトルピークとして検出し、個々の物体に対
する距離L及び相対速度vを検出するものである。従っ
て、車両走行時において、FM−CWレーダ30により
車両前方を監視することとすれば、その監視範囲内に存
在する物体の挙動を確実に検出することができ、例えば
自動ブレーキシステムへの応用や車間距離警報装置への
応用等により高度な車両制御を実現することが可能とな
る。
【0035】ところで、FM−CWレーダ30を用いて
かかる車載レーダ装置を実現しようとする場合、FM−
CWレーダ30は車両の走行状態に関わらず先行車を監
視し得るものでなければならない。走行中に先行車をロ
ストする可能性があるのでは、自動ブレーキシステム等
高い安全性の要求されるシステムへの適用は事実上不可
能となるからである。
【0036】この場合において、先行車をロストする可
能性が高いのはカーブ走行時である。すなわち、図5
(A),(B)に示すように、自車(イ)の直進方向を
FM−CWレーダ30の監視範囲(同図中、斜線領域)
として設定した車載レーダ装置においては、図5(A)
に示す如く時刻t0 において先行車(ロ)、自車(イ)
共に直進路を走行中であれば、FM−CWレーダ30の
監視範囲は先行車に占有され、先行車がロストされる可
能性は極めて少ない。
【0037】一方、FM−CWレーダ30の監視範囲が
その後変動しないとすれば、図5(B)に示す如く時刻
1 において先行車(ロ)がカーブに差しかかると、先
行車(ロ)と自車(イ)との横方向の相対位置が変化す
ることになり、先行車(ロ)が徐々にFM−CWレーダ
30の監視範囲内から外れ、代わりにガードレールポー
ル(ハ)等の静止体が入り込むことになる。
【0038】図6は、かかる状況下においてFM−CW
レーダ30が検出するパワースペクトルを基に、上記
(1)〜(4)式に従って演算した車両前方対象物に対
する距離L、及び相対速度vの結果を時をおって表した
ものであり、図6(A),(B)はそれぞれ先行車
(ロ)に対する距離L、及び相対速度vを、図6
(C),(D)は、それぞれガードレールポール(ハ)
に対する距離L、及び相対速度vを表したものである。
【0039】すなわち、時刻t1 以降においては、図6
(C),(D)に示すようにガードレールポール(ハ)
に対する距離L、及び相対速度vが断続的に検出される
一方、先行車(ロ)についてのパワースペクトル強度が
小さくなることから、図6(A),(B)に示すよう
に、先行車(ロ)に対する距離L及び相対速度vについ
ては、データに抜けが生じ、または検出不能の状態とな
る。
【0040】かかる事態の発生を防止して、自動ブレー
キシステム等への適用可能な車載レーダ装置を実現する
ためには、先行車(ハ)がカーブに差しかかって自車
(イ)との横方向の相対位置が変化し始めたら、その変
化に追従してFM−CWレーダ30の監視範囲を変化さ
せることが必要条件である。
【0041】本実施例の車載レーダ装置は、かかる条件
を満たすべくスペクトル処理回路10が、以下に説明す
る処理を実行することにより、自車(イ)がカーブ手前
を走行中であることを判定し得る点に特徴を有するもの
である。
【0042】図7は、かかる機能を実現すべく、FM−
CWレーダ30が検出したパワースペクトル及び車速セ
ンサ20の検出する車速に基づいてスペクトル処理回路
10が実行するスペクトル処理ルーチンのフローチャー
トを示す。
【0043】ところで、自車(イ)に先行して先行車
(ロ)が存在し、その先行車(ロ)がカーブに差しかか
った場合は、図6(A)〜(D)に示す状態が検出され
る前提として、FM−CWレーダ30が先行車(ロ)に
対応したパワースペクトル、すなわち移動体のパワース
ペクトルと、ガードレールポール(ハ)に対応したパワ
ースペクトル、すなわち静止体のパワースペクトルとを
検出するはずである。
【0044】これに対して、先行車(ハ)が存在しない
場合、又は先行車(ハ)が自車(イ)の進行方向上を直
進している場合は、静止体のパワースペクトル、または
移動体のパワースペクトルだけが検出されることにな
る。
【0045】つまり、車載レーダ装置の監視範囲を変化
させることが必要となるのは、FM−CWレーダ30の
FFT信号処理回路40が、移動体のパワースペクトル
と静止体のパワースペクトルとを共に検出した場合に限
定される。本ルーチンは、かかる特性に着目して自車
(イ)の走行状態を判定するものである。
【0046】すなわち、図7に示すルーチンにおいて
は、先ずステップ100において、FFT信号処理回路
40の検出したパワースペクトルに基づいて複数の対象
物が認識できるのを待つ。複数の対象物が認識できなけ
れば、移動体と静止体とが共に検出されることはないか
らである。この意味で、このステップ100は、前記し
た複数対象物判別手段2に相当する。
【0047】そして、上記ステップ100において複数
の対象物を認識したら、本ルーチンの要部であるステッ
プ110へ進んで、認識した複数の対象物中に移動体と
静止体とが共に含まれているかを判別する。この場合、
このステップ110は、前記した対象物特性判定手段4
に相当し、具体的には図8に示す対象物特性判定ルーチ
ンを実行することにより実現される。
【0048】以下、図8に示す対象物特性判定ルーチン
の内容について、図9に示すパワースペクトルの状態図
を参照して説明する。尚、図9(A)〜(E)に示すス
ペクトルについては、以下スペクトルA〜スペクトルE
と称す。
【0049】図8に示すルーチンを実行するに際し、ス
ペクトル処理回路10は先ずFFT信号処理回路40の
検出したパワースペクトルを読み込む処理を実行する
(ステップ111)。すなわち、FFT信号処理回路4
0の検出したパワースペクトルのうち図9(A)に示す
上昇区間スペクトルをスペクトルAとして、また図9
(B)に示す下降区間スペクトルをスペクトルBとして
読み込む。
【0050】かかる処理を終えたら、スペクトルA,B
のスペクトルピークから静止体に係るピークスペクトル
を識別すべく、以下ステップ112〜113の処理を実
行する。
【0051】ところで、FM−CWレーダ30が、その
監視範囲内に存在する静止体についてスペクトルピーク
を検出する場合、そのスペクトルピークからは自車の車
速と等しい相対速度vが検出されるはずである。
【0052】ここで、FFT信号処理回路40が検出し
たスペクトルA及びスペクトルBから相対速度を演算す
る場合は、上記(2)式に従って、“fd =(fdown−
fup)/2”なる演算を行い、その結果と上記(4)式
“fd =2v・f0 /c”の関係より相対速度vを求め
ることになる。
【0053】言い換えれば、仮に相対速度vが車速Vに
等しいとすれば、 fd =2V・f0 /c ・・・(5) が成立するはずであり、従って2V・f0 /c=(fdo
wn−fup)/2、すなわち fdown−fup=4V・f0 /c ・・・(6) が成立するはずである。
【0054】つまり、図9に示すスペクトルA,B中
に、上記(6)式“fdown−fup=4V・f0 /c”の
関係を満たすスペクトルピークのペアが存在すれば、そ
のスペクトルピークは静止体に係るものであると判断す
ることができる。
【0055】かかる原理に従い、本実施例においては、
静止体のスペクトルピークを検出するにあたって先ず車
速センサ20より自車の車速Vを検出し、その車速Vに
起因して生ずる周波数差(4V・f0 /c)分だけスペ
クトルBを低周波側へシフトし、シフト後のスペクトル
をスペクトルCとして記憶する処理を行う(ステップ1
12)。
【0056】そして、図9に示すようにスペクトルAか
ら、このスペクトルCを減算する処理を行い、その結果
残存したスペクトルピークからなるスペクトルを、スペ
クトルDとして記憶する(ステップ113)。
【0057】この場合、例えば図9中に示すスペクトル
ピーク(ハ)が、静止体に係るスペクトルピークである
場合、スペクトルBを車速相当分だけ低周波側にシフト
してなるスペクトルC中のスペクトルピーク(ハ)は、
上昇区間スペクトルとして検出されたスペクトルA中の
スペクトルピーク(ハ)と同一のピーク波形を示すこと
となり、上記ステップ113の処理を施してなるスペク
トルD中には、FM−CWレーダ30の監視範囲内に存
在する移動体に起因して形成されたスペクトルピーク
(ロ)のみが正負対象に残存するのみとなる。
【0058】従って、スペクトルD中にスペクトルピー
クが存在すれば、FM−CWレーダ30の監視範囲内に
移動体、すなわち先行車(ロ)が存在することになり、
またスペクトルD内に何らのスペクトルピークも存在し
なければ、自車(イ)の前に適当な先行車が存在してい
ないことになる。
【0059】そこで、本ルーチンにおいては、上記ステ
ップ113においてスペクトルDを求める処理を行った
ら、その後スペクトルDに適当なスペクトルピークが存
在しているかを見て(ステップ114)、スペクトルピ
ークが存在する場合に限り静止体の有無を判定する処理
を行うこととした。
【0060】すなわち、上記ステップ114においてス
ペクトルDにスペクトルピークが存在すると判別された
場合は、次にスペクトルAからスペクトルDの正部分の
スペクトルピークを減算し、その結果をスペクトルEと
して記憶する処理を行う(ステップ115)。
【0061】この場合、上記したようにスペクトルD中
に残存するスペクトルピーク(ロ)は、移動体に係るも
のであることが担保されたものであり、これをスペクト
ルAから減じれば、その結果得られるスペクトルEは、
FM−CWレーダ30の監視範囲内に存在する静止体に
係るスペクトルピークのみからなることが担保されるこ
ととなる。
【0062】従って、スペクトルE中にスペクトルピー
クが存在していれば、FM−CWレーダ30の監視範囲
内に静止体が存在していると判断することが可能であ
る。そこで、本ルーチンにおいては、スペクトルEを求
める処理を終えたら、そのスペクトルEに適当なスペク
トルピークが存在しているか否かを判別して(ステップ
116)、静止体の有無を判断することとした。
【0063】そして、上記ステップ114又はステップ
116の何れかにおいて条件が不成立となった場合はス
テップ117へ進んで、図7中ステップ110の条件が
不成立であると判定し、上記ステップ114及びステッ
プ116において共に条件成立と判別された場合は、ス
テップ118へ進んで図7中ステップ110の条件成立
と判定してルーチンを終了する。
【0064】本実施例のスペクトル処理回路10は、こ
のようにして移動体に係るスペクトルピークと、静止体
に係るスペクトルピークとが共にFM−CWレーダ30
の監視範囲内に検出されているかを判別するものであ
る。
【0065】ところで、FM−CWレーダ30により移
動体と静止体とが共に検出されるのは、先行車(ロ)が
カーブに差しかかって、FM−CWレーダ30の監視範
囲内に必然的に静止体が入り込んでくる場合の他、直進
路走行時に一時的に先行車(ロ)と自車(イ)との相対
位置が変動した場合にも生じ得る。
【0066】従って、先行車(ハ)がカーブに差しかか
ったことを誤検出なく認識するためには、移動体と静止
体とが共に検出された際に、その状況が確実に先行車が
カーブに差しかかった結果生じたものであることを確認
する必要がある。
【0067】そこで、本実施例の車載レーダ装置におい
ては、図7中ステップ110の条件が成立すると判別さ
れた場合、その状態が所定時間継続したかを見ることと
している(ステップ120)。そして、かかる状況が所
定時間継続した場合に限り、先行車(ロ)がカーブに差
しかかっていると判別して(ステップ130)今回の処
理を終了する。
【0068】このように、本ルーチンにおいては、この
ステップ120が前記した静止体計時手段5に相当し、
またステップ130が前記した走行状態判定手段6に相
当している。尚、本実施例の車載レーダ装置において
は、ステップ120の判定に用いる所定時間を1sec に
設定している。
【0069】このように、本実施例の車載レーダ装置に
よれば、先行車(ロ)がカーブに差しかかって、以後F
M−CWレーダ30の監視範囲内から先行車(ロ)が外
れることが予測される状況をいち早く検知することがで
き、先行車のロストを防止すべくFM−CWレーダ30
の監視範囲を先行車に追従させる等の処置を適切に実行
することが可能となる。
【0070】尚、先行車(ロ)の方向にFM−CWレー
ダ30の監視範囲を調整する手法としては、FM−CW
レーダ30により左右をサーチして、先行車(ロ)のス
ペクトルピークがより高いレベルで検出される方向にF
M−CWレーダ30の向きを調整する手法が公知であ
り、本実施例の車載レーダ装置においても、上記手法を
適用することが可能である。
【0071】また、上記実施例においては、前記したレ
ーダ手段1を実現する機構としてFM−CWレーダ30
を用いているが、レーダ手段1としては、対象物との距
離及び相対速度を検出することが可能であれば足り、例
えば公知のパルスドップラ式レーダや、間欠FM−CW
レーダ等によって実現してもよい。
【0072】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、先行車が
カーブに差しかかって、先行車と自車との横方向の相対
的位置が変動した場合に、その変化状況を確実に検出す
ることができる。従って、自車が現実にカーブに差しか
かるまで走行路がカーブすることを検出できない装置と
異なり、自車がカーブの手前に達した時点でいち早く走
行路がカーブすることを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車載レーダ装置の原理構成図であ
る。
【図2】本発明の一実施例である車載レーダ装置のブロ
ック構成図である。
【図3】FM−CWレーダにより距離及び相対速度の検
出原理を説明するための図である。
【図4】FM−CWレーダの検出するパワースペクトル
の一例である。本実施例装置のである。
【図5】FM−CWレーダの監視範囲を調整する必要性
を説明するための図である。
【図6】先行車がカーブに差しかかった際に検出される
距離及び相対速度の一例である。
【図7】本実施例の車載レーダ装置の要部であるスペク
トル処理回路が実行するスペクトル処理の内容を表すフ
ローチャートである。
【図8】本実施例の車載レーダ装置の要部であるスペク
トル処理回路が実行する対象物特性判定処理の内容を表
すフローチャートである。
【図9】本実施例の車載レーダ装置の動作を説明するた
めのパワースペクトルの状態図である。
【符号の説明】
1,30 FM−CWレーダ 2 複数対象物判別手段 3,20 車速センサ 4 対象物特性判定手段 5 静止体計時手段 6 走行状態判定手段 10 スペクトル処理回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−288839(JP,A) 特開 平4−305184(JP,A) 特開 平4−313090(JP,A) 特開 平5−232214(JP,A) 特開 平5−72333(JP,A) 実開 平2−119799(JP,U) 特公 平3−78596(JP,B2) 特公 平3−77560(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 13/34 G01S 13/60 G01S 13/91 - 13/93 G01S 17/93

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前方に存在する対象物に対する距離及び相
    対速度を検出するレーダ手段を備えてなる車載レーダ装
    置において、 該レーダ手段のレーダ監視範囲内に複数の対象物が存在
    していることを検出する複数対象物判別手段と、 当該車載レーダ装置の搭載される車両の車速を検出する
    車速センサと、 前記複数対象物判別手段が複数の対象物の存在を検出し
    た場合に、前記レーダ装置がこれら複数の対象物に対し
    て検出する相対速度と、前記車速センサが検出する車速
    とを比較し、相対速度と車速とが実質的に同一となる物
    体については路上に停止している静止体であると判定
    し、相対速度と車速とが実質的に同一とならない物体に
    ついては路上を移動している移動体であると判定する対
    象物特性判定手段と、 該対象物特性判定手段が、移動体と静止体とを共に検出
    した場合に、静止体の継続検出時間をカウントする静止
    体計時手段と、 該静止体計時手段によりカウントされた時間が所定時間
    以上となった場合、車両がカーブに差しかかっていると
    判定する走行状態判定手段とを有することを特徴とする
    車載レーダ装置。
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