JP3079606B2 - 土の供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、苗箱に床土や覆土を
供給する装置に用いるもので、苗箱に供給された土が左
右の両角で薄くならないようにするものである。

【０００２】

【従来の技術と問題点】土が入ったホッパーの下に旋回
する平ベルトを設け、ホッパーナ内の土をこの平ベルト
で取り出してその下の苗箱に供給する手段が播種機の床
土供給装置および覆土供給装置に用いられている。とこ
ろで、従来のホッパーの土の取出口は、実開昭５２−１
３４５１８号公報の第１図に見られるように、上縁が直
線であった。

【０００３】すると、平ベルトでホッパーから取り出さ
れた土は、左右の両端がくずれたり、平ベルトから苗箱
に落下するとき飛散するので、その第２図のように、苗
箱の左右の両角で土が不足していた。発明者は、上記の
問題点を防ぐため、ホッパーの左右の側壁に放出口を設
けて不足する上記の土を補うことを試みた（同上第３
図）が、繰出板が複雑となるうえ、苗箱の横巾以上に広
く土を繰り出さなければならないので、土の損失が多か
った。

【０００４】

【問題点を解消するための手段】この発明は、上記の問
題点を解消するため、土が入ったホッパー２と、そのホ
ッパー２の下で旋回してホッパー２内の土を一定の厚み
で取り出す平ベルト４と、この平ベルト４の下で移動し
て平ベルト４の端から落下する土を受け取る苗箱１６を
備え、ホッパー２の土の取出口７には下縁１４の左右の
両端が切り上がった繰出板８が設けられていることを特
徴とする土の供給装置とした。

【０００５】

【作用】この発明は、上記のように構成されるので、ホ
ッパー内の土は、平ベルトの旋回で、この平ベルトの上
面と繰出板の下縁との厚みで取り出され、平ベルトの端
から落下し、移動している苗箱内に供給される。

【０００６】

【効果】ここに、平ベルトの旋回でホッパーから取り出
された土は、繰出板の下縁が左右の両端で切り上がって
いるため、左右の両端において中央部よりも厚くなる。
この土は、平ベルトの回転でその端まで移動したのち、
落下して移動中の苗箱で受け取られる。ここに、その土
は、移動中に左右の両端がくずれたり、落下の途中に両
端のものが中央のものよりも多く飛散する傾向にある
が、両端で厚く取り出されているので、これが補われ、
苗箱には左右の両端まで均平に供給される。

【０００７】

【実施例】つぎに、この発明の実施例を説明する。図１
のように、左右一対の支枠１，１の上で床土を入れるホ
ッパー２が支板３，３で支えられている。ホッパー２の
下端部よりもやや広巾の平ベルト４が右端を突出するよ
うにしてホッパー２の下に設けられている。平ベルト４
は、左の動輪５と右の遊動輪６に巻き掛けられ、動輪５
の回転で時計方向に旋回するように出来ている。

【０００８】ホッパー２は右下に取出口７を備え、その
右側に繰出板８が上下に移動するように設けられてい
る。すなわち、繰出板８は、上から見て左右の両端に図
１の右に伸びる支持板９，９を備え、この支持板９，９
の右端が横向のピン１０で支板３，３に取付けられる。
回動軸１１が支持板９，９の上部に取付けられ、左右の
支板３，３上の天板１２に設けられた調節ねじ１３がこ
の回動軸１１にねじ込まれ、調節ねじ１３を回すと、支
持板９，９がピン１０を中心に回り、繰出板８が平ベル
ト４に対して上下に移動するようになっている。

【０００９】図２のように、繰出板８の下縁１４は、左
右の両端で切り上がっている。すなわち、ホッパー２に
は、比較的乾燥した床土が入れられるので、平ベルト４
が時計方向に旋回すると、断面が平ベルト４の上面と繰
出板８の下縁１４の形をした土が、この平ベルト１４の
上で図１の右に取り出される。支枠１，１の間には複数
のローラ１５，１５……が設けられ、内巾が３０ｃｍ×
６０ｃｍ程度の苗箱１６，１６が長手方向に載せられ
て、平ベルト４の下で図１の左に一定の速度で送られる
ように出来ている。このローラ１５，１５……で構成さ
れたコンベヤに代えて、チエン式やベルト式のものも用
いられる。

【００１０】図２のように、左右一対の誘導板１７，１
７が繰出板８の左右に設けられ、その下端が平ベルト４
の中央部に達している。この誘導板１７，１７の図１の
左側の下縁は、平ベルト４の上面に沿うように設けら
れ、平ベルト４が取り出した土をくずさないようになっ
ている。この下縁には、平ベルト４に向けてブラシを突
出することも出来る。

【００１１】上端が外に開いた左右一対の案内板１８，
１８が誘導板１７，１７の下から苗箱１６の上にわたっ
て設けられ、誘導板１７，１７から落下する床土を外側
に飛散させないようになっている。それぞれの案内板１
８，１８は、両端が左右の支板３，３に固定された取付
板１９に長孔を通したねじ２０，２０で取付けられ、図
２の左右に移動し、苗箱１６の内巾の差異に対応させる
ようになっている。また、下端が左寄に傾いた反射板２
１が取付板１９の下にこれと一体に設けられている。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明を施した土の供給装置の切断側面図。

【図２】それを右側から見た一部の断面図。

【符号の説明】

２ ホッパー ４ 平ベルト ７ 取出口 ８ 繰出板 １４ 下縁 １６ 苗箱

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 土が入ったホッパー２と、そのホッパー
   ２の下で旋回してホッパー２内の土を一定の厚みで取り
   出す平ベルト４と、この平ベルト４の下で移動して平ベ
   ルト４の端から落下する土を受け取る苗箱１６を備え、
   ホッパー２の土の取出口７には下縁１４の左右の両端が
   切り上がった繰出板８が設けられていることを特徴とす
   る土の供給装置。