JP3077653B2 - 電界効果トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタ及びその製造方法

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JP3077653B2
JP3077653B2 JP09325039A JP32503997A JP3077653B2 JP 3077653 B2 JP3077653 B2 JP 3077653B2 JP 09325039 A JP09325039 A JP 09325039A JP 32503997 A JP32503997 A JP 32503997A JP 3077653 B2 JP3077653 B2 JP 3077653B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界効果トランジ
スタ及びその製造方法に関し、特に、チャネル層の厚さ
方向に沿ってドレイン電流が流れる縦型電界効果トラン
ジスタ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電界効果トランジスタ(以下、F
ETとも称する)には、チャネル層の厚さ方向に沿って
ドレイン電流が流れる縦型FETと、チャネル層の厚さ
方向に垂直にドレイン電流が流れる横型FETが知られ
ている。
【0003】図5は、例えば、特開昭56−50142
7号公報に開示されている従来例1の縦型FETを示す
断面図であり、この縦型FETは、n型GaAs基板1
上に、n型GaAsドレイン層2、n型AlGaAsチ
ャネル層3が順次積層され、n型AlGaAsチャネル
層3上に、メサストライプ状のn型GaAsソ−ス層4
が形成されている。そして、このn型GaAsソ−ス層
4上にソース電極5が、このn型GaAsソ−ス層4の
両側方のn型AlGaAsチャネル層3上にゲート電極
6、6がそれぞれ形成されている。一方、n型GaAs
基板1の下面にはドレイン電極7が形成されている。
【0004】この縦型FETでは、ゲ一ト電極6、6に
電圧を印加すると、空乏領域がメサストライプ状のn型
GaAsソ−ス層4の下のn型AlGaAsチャネル層
3内を横方向に拡がりチャネル抵抗が変化する。この縦
型FETでは、n型GaAsソース層4をメサストライ
プ状に加工する際に、n型AlGaAsチャネル層3が
エッチングストッパ層の役割を果たしており、実効ゲ−
ト長をn型AlGaAsチャネル層3の厚さにより決定
することができるという特徴を有する。
【0005】また、図6は、例えば、Mishra等に
より提案されている従来例2の縦型FETを示す断面図
である。なお、この縦型FETについては、Mishra et
al.,Electronics Letters, Vol.20, pp.145-146, 1984
に詳細に記載されている。この縦型FETは、n型Ga
As基板1上に、n型GaAsドレイン層2、n型Ga
Asチャネル層11、n型AlGaAsソ一ス層12、
n型GaAsコンタクト層13が順次形成され、n型G
aAsコンタクト層13の表面からn型GaAsチャネ
ル層11の内部までメサストライプが形成されている。
【0006】そして、このメサストライプの両側面及び
メサストライプにより露出した両側方のn型GaAsチ
ャネル層11上にゲート電極6、6が形成され、n型G
aAsコンタクト層13上にソース電極5が形成されて
いる。一方、n型GaAs基板1の下面にはドレイン電
極7が形成されている。この縦型FETでは、メサスト
ライプの両側面に堆積したゲート電極6、6の厚さによ
りゲート長が決定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来例1の
縦型FETの第1の問題点は、ゲート電極6、6とメサ
ストライプ状のn型GaAsソ−ス層4の側壁との間に
間隙が存在するため、間隙がない場合と比べて余分に空
乏層を拡げる必要があり、ピンチオフ電圧が不必要に大
きくなる点に加えて、相互コンダクタンスが大きいFE
Tの作製が困難な点である。
【0008】第2の問題点は、ゲート電極6、6の横方
向の寸法が、実効ゲート長を決定するn型AlGaAs
チャネル層3の厚さに比べて大きく、ゲ−ト電極6、6
に垂直に下方向に延びる空乏層の多くがゲートの寄生容
量として寄与するために、ゲート容量が比較的大きく高
周波動作に不利になる点である。第3の問題点は、高い
ドレイン電圧の印加により形成される高電界領域が、比
較的低い禁制帯幅を有するn型GaAsドレイン層2の
内部に拡がるために、高いドレイン電圧の下で用いる大
電力用途に不利な点である。
【0009】また、従来例2の縦型FETの第1の問題
点は、メサストライプの側壁に蒸着により金属を堆積し
て得られる金属ゲート電極6、6の厚さがゲート長を規
定するため、ゲ−ト長がプロセスの変動の影響を受け易
く、実効ゲ−ト長の制御が因難で、FETの製造におけ
る均一性と再現性が良くない点である。
【0010】第2の問題点は、実効ゲート長を決めるゲ
ート電極6、6の厚さに比べてその横方向の寸法が大き
く、ゲート電極に垂直に下方向に延びる空乏層の多くが
ゲートの寄生容量として寄与するために、ゲート容量が
比較的大きく高周波動作に不利であるという点である。
第3の問題点は、高いドレイン電圧の印加により形成さ
れる高電界領域が、比較的低い禁制帯幅を有するn型G
aAsドレイン層2の内部に拡がるために、高いドレイ
ン電圧の下で用いる大電力用途に不利な点である。
【0011】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、高ドレイン電圧の印加により大電力増幅が
可能で、高周波特性に優れ、しかも生産性を向上させる
ことが可能な電界効果トランジスタ及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、次のような電界効果トランジスタ及びそ
の製造方法を提供する。すなわち、本発明の電界効果ト
ランジスタは、半導体基板上に、第1の半導体からなる
チャネル層と、該チャネル層の一方の主面に該チャネル
層の横幅より広い横幅をもって形成された前記第1の半
導体より広い禁制帯幅を有する第2の半導体からなるソ
ース層と、前記チャネル層の他方の主面に形成され前記
第1の半導体より広い禁制帯幅を有する第3の半導体か
らなるドレイン層と、前記チャネル層の側面と該ドレイ
ン層の表面それぞれに接するように形成されたゲート電
極と、前記ソース層に形成されたソース電極と、前記ド
レイン層に形成されたドレイン電極とを備えたものであ
る。
【0013】前記第3の半導体をAlを含有するIII
−V族化合物半導体とし、前記ドレ イン層の少なくとも
前記ゲート電極と接触する面に、Alを含有する高抵抗
層を 形成してもよい。
【0014】本発明の電界効果トランジスタの製造方法
は、半導体基板上に、第1の半導体からなるチャネル層
と、該チャネル層の一方の主面に形成され前記第1の半
導体より広い禁制帯幅を有する第2の半導体からなるソ
−ス層と、前記チャネル層の他方の主面に形成され前記
第1の半導体より広い禁制帯幅を有する第3の半導体か
らなるドレイン層とを有する積層構造を形成する工程
と、前記チャネル層及びソース層を選択的に除去する工
程と、前記チャネル層をさらに選択的に除去する工程と
を備えた方法である。
【0015】前記チャネル層及びソース層を選択的に除
去する工程の後に、露出した前記ドレイン層の表面をイ
オン注入損傷し、その表面を高抵抗層とする工程を設け
てもよい。
【0016】本発明の電界効果トランジスタでは、第1
の半導体からなるチャネル層の一方の主面に、前記第1
の半導体より広い禁制帯幅を有する第2の半導体からな
るソ−ス層を形成したことにより、ソース層とチャネル
層の界面においては伝導帯工ネルギ−が不連続となり、
このソ−ス層からチャネル層に電子が注入された場合、
注入された電子はホット電子としてチャネル層を走行す
ることになり、チャネル層を横断するのに要する時間
(チャネル走行時間)が短縮される。これにより、電流
利得遮断周波数を向上させることが可能となる。
【0017】また、前記チャネル層の他方の主面に、前
記第1の半導体より広い禁制帯幅を有する第3の半導体
からなるドレイン層を形成したことにより、耐圧特性を
改善することが可能になる。また、チャネル層の側面と
ドレイン層の表面それぞれに接するようにゲート電極を
形成したことにより、該ゲート電極のゲート長がチャネ
ル層の厚さで決まる短いゲート長となり、しかもゲート
電極の寄生容量が低減され、直流特性および高周波特性
が向上する。さらに、ヘテロ・ドレイン構造とすること
により、大きな禁制帯幅を有するドレイン層内部でのイ
ンパクトイオン化が生じ難くなる。これにより、高いド
レイン電圧の下での動作が可能になり、大電力用として
の用途が実現可能になる。
【0018】本発明の電界効果トランジスタの製造方法
では、チャネル層及びソース層を選択的に除去する工程
と、前記チャネル層をさらに選択的に除去する工程とを
有することにより、金属の堆積条件やリソグラフィの精
度に依存せず、結晶成長時のチャネル層の厚さで決まる
短いゲ一ト長のゲート電極を形成することが可能にな
る。これにより、優れた直流特性および高周波特性を有
する縦型の電界効果トランジスタが再現性良く作製さ
れ、生産性も高まる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の電界効果トランジスタ及
びその製造方法の各実施形態について図面に基づき説明
する。
【0020】[第1の実施形態]図1は本発明の第1の
実施形態の電界効果トランジスタ(FET)を示す断面
図であり、図において、21は半絶縁性GaAs基板
(半導体基板)、22はn型GaAsコンタクト層(ド
レイン・コンタクト層)、23はGaAsより禁制帯幅
が広いn型半導体(第3の半導体)からなるドレイン
層、24はn型GaAs(第1の半導体)チャネル層、
25はGaAsより禁制帯幅が広いn型半導体(第2の
半導体)からなるソース層、26はドレイン層23の表
面に形成された高抵抗層、27はチャネル層24の側面
とドレイン層23の表面の高抵抗層26それぞれに接す
るように形成されたゲート電極である。
【0021】ソ−ス層25の横幅はチャネル層24の横
幅より広くなるように作製されており、ゲ−ト電極27
はチャネル層24の両側面に接するように形成されてお
り、このゲ−ト電極27はチャネル層24に対してショ
ットキー障壁が形成されている。このゲート電極27は
ドレイン層23とも接触するが、このゲート電極27が
接触するドレイン層23の表面は改質されて高抵坑層2
6とされている。
【0022】ここで、半導体基板として半絶縁性GaA
s基板21を用いたのは、集積化の容易さを考慮したか
らであるが、デバイスの用途によっては、他の材質から
なる半導体基板、例えば、n型GaAS基板の上にFE
Tを構成することも可能である。また、半絶縁性GaA
S基板21の上に形成したn型GaAsコンタクト層2
2は、ドレイン側のオ−ミック電極の接触抵抗を下げる
目的で導入したものであるから、半導体基板としてn型
GaAs基板を用いる場合には省略することも可能であ
る。
【0023】ドレイン層23としては、例えば、A1の
組成が0.25のn型AlGaAsが好適に用いられる
が、その他の組成、例えば、n型AlGaAsやGaA
sに格子整合するn型InGaPなどを用いてもよい。
また、ドレイン層23の表面の内、ゲート電極27と接
触する部分はゲートの寄生容量を増加させる要因となる
ため、その接触部分近傍を高抵抗層26に改質しておく
ことが望ましい。
【0024】また、縦型FETに要求される動作周波故
がそれほど高くない場合には、高抵抗層26を設けず、
ドレイン層23の表面を元のn型のままにしておいても
構わない。ドレイン層23を構成するn型半導体のドナ
ー濃度と厚さは自由に選択することができる。例えば、
ドナー濃度を低くするかまたはドレイン層23の厚さを
厚くすることにより、FETの耐圧を高めることができ
る。
【0025】ドレイン層23の上には、n型GaAsチ
ャネル層24が形成されている。このチャネル層24の
ドナー濃度とチャネル層24の幅は、いずれも縦型FE
Tのしきい値電圧や流し得る最大のドレイン電流を規定
する重要なパラメータとなる。また、チャネル層24の
厚さ(ソース層25とドレイン層23との間隔)は、そ
の両側面に堆積されるゲ−ト電極27のゲート長を決定
しており、縦型FETの電流利得遮断周波数等の高周波
特性を決定する重要なパラメ−タとなる。
【0026】チャネル層24の上に位置するソース層2
5としては、n型InGaPまたはn型AlGaAsを
用いることができる。ただし、ソース抵抗を低減して高
い相互コングクタンスを得るためには、高濃度のドーパ
ントをド−ピングすることができるn型InGaPの方
が適している。
【0027】ソース電極5及びドレイン電極7はオーム
性電極であり、例えば、AuGe/Ni系の材料を蒸着
により形成し、その後400℃程度の熱処理を行うこと
で実現することができる。また、ソース抵抗を低減する
目的では、ソ一ス層25の上にさらに高濃度n型GaA
s層をソース・コンタクト層として初期のエピタキシャ
ル成長時に準備しておき、ソース電極5をこのソース・
コンタクト層の上に形成しても良い。ゲート電極27に
は、チャネル層24に対してショットキー障壁を形成す
る金属を用いる。ここでは、チャネル層24の窪んだ両
側の側面部にも被覆性良く金属を堆積させるため、例え
ば、反応性スパッタ等により形成したケイ化タングステ
ン(WSi:タングステンシリサイド)膜を用いる。
【0028】このFETでは、ゲート電極27に負電圧
を印加すると、チャネル層24の両側から空乏層が形成
され、これにより、チャネル層24の縦方向の電気抵抗
が変化する。いま、ソース電極5に対してドレイン電極
7に正電圧を印加すると、ドレイン電極7からソース電
極5に向かってドレイン電流が縦方向に流れるが、この
ドレイン電流の大きさはゲート電圧の値に応じて変化す
る。したがって、ゲ−ト電圧をパラメ−タとしてドレイ
ン電圧とドレイン電流の関係をプロットすると、図2に
示すような電流−電圧特性が得られる。
【0029】次に、本実施形態のFETの製造方法につ
いて図面を参照して説明する。まず、図3(a)に示す
ように、半絶縁性GaAs基板21の上に、n型GaA
sコンタクト層22、n型AlGaAsドレイン層3
1、n型GaAsチャネル層32、n型InGaPソー
ス層33を順次エピタキシャル成長させる。
【0030】次いで、図3(b)に示すように、絶縁膜
34を全面に成膜し、フォトリソグラフィと絶縁膜エッ
チングにより、この絶縁膜34を線幅パタ−ンの絶縁膜
34aに加工する。その後、この絶縁膜34aをマスク
として異方性ドライエッチングを行うことにより、図3
(c)に示すように、n型GaAsチャネル層32及び
n型InGaPソース層33を選択的にエッチング加工
する。
【0031】次いで、図3(d)に示すように、露出し
たn型AlGaAsドレイン層31の表面を高抵抗層3
5に改質する。この表面改質の方法としては、AlGa
Asを直接酸化する方法、またはイオン注入により半導
体にダメージを導入する方法のいずれかの方法が用いら
れる。直接酸化する方法では、例えば、ドレイン層31
がAlGaAsの場合には、水蒸気雰囲気での熱酸化に
よりA1GaAsを直接的に高抵抗の酸化膜に改質する
ことができる。また、イオン注入によるダメ−ジ導入法
では、ドレイン層31を構成する材料としてAlGaA
s以外にInGaP等を用いることもできる。
【0032】次いで、図4(e)に示すように、n型G
aAsチャネル層32のみを両側面から選択的にエッチ
ングし、該n型GaAsチャネル層32の横幅を減少さ
せ、n型InGaPソース層33より横幅の狭いn型G
aAsチャネル層24とする。この横幅がFETのしき
い値電圧を決定する。
【0033】次いで、図4(f)に示すように、反応性
スパッタにより、ケイ化タングステン(WSi)膜37
を全面に成膜する。次いで、図4(g)に示すように、
WSi膜37を等方的にドライエッチングし、その後、
絶縁膜34aを除去する。これにより、n型GaAsチ
ャネル層24の両側面部だけにWSi膜37が残り、実
効的なゲート長がn型GaAsチャネル層24の厚さで
決まるゲート電極27が得られる。
【0034】最後に、図4(h)に示すように、フォト
レジストのパターンを用いて、n型GaAsコンタクト
層22の面出しを行うと同時に、n型AlGaAsドレ
イン層31及び高抵抗層35を所定の形状に加工し、n
型InGaPソース層33の上とn型GaAsコンタク
ト層22の上にそれぞれオーム性のソ−ス電極5および
ドレイン電極7を形成する。以上の工程により、図4
(h)に示す縦型FETが完成する。
【0035】一般に、FETの耐圧は高電界領域でのイ
ンパクト・イオン化の発生と関連が深く、高電界が生じ
る場所としては、ゲート電極27のドレイン端近傍であ
ることが良く知られている。インパクト・イオン化はキ
ャリアが禁制帯幅以上に加速されたときに生じる現象で
あるため、その発生頻度は、一般に禁制帯幅が大きな半
導体ほど少なくなる。したがって、ゲートのドレイン端
近傍の材料に禁制帯幅が大きくかつインパクト・イオン
化率の小さな半導体を用いれば、FETの耐圧を向上さ
せることができる。
【0036】この場合、ゲート直下の半導体材料には、
FETを高速に動作させるために移動度の大きな材料を
用いる必要があるが、ゲートのドレイン端近傍では、高
電界の存在により多くのキャリアが飽和速度で走行する
ため、ドレイン側に禁制帯幅が大きくかつ移動度の小さ
な半導体を用いても、FETの高周波特性にはあまり影
響しない。
【0037】従来より知られている横型FETでは、積
層された半導体層の上にゲート電極を平面的に形成して
いるために、ゲ−ト電極の下部とドレイン領域で半導体
材料の種類を変更することは極めて困難であったが、実
効ゲ−ト長を半導体層の厚さで規定することができる縦
型FETでは、ゲート領域とドレイン領域それぞれに互
いに異なる半導体材料を用いることが可能となる。本実
施形態の縦型FETでは、ドレイン層23を構成するn
型半導体がチャネル層24を構成するn型GaAsより
広い禁制帯幅を有するため、耐圧特性を改善することが
できる。
【0038】また、ソ−ス層25を構成する半導体の禁
制帯幅を、チャネル層24を構成する半導体の禁制帯幅
より大きくすると、ソース層25とチャネル層24の界
面では伝導帯工ネルギ−が不連続となる。このとき、ソ
−ス層25からチャネル層24に電子が注入されると、
注入された電子はホット電子としてチャネル層24内を
走行することになり、チャネル層24を横断するのに要
する時間(チャネル走行時間)が短縮される。すなわ
ち、ヘテロ接合からなる広い禁制帯幅を有するソース層
25の導入により、FETの電流利得遮断周波数を向上
させることができる。
【0039】また、ソース層25とチャネル層24それ
それを構成する半導体の種類が異なる場合、チャネル層
24のみを選択的にエッチングすることのできるエッチ
ング液またはエッチングガスを使用することにより、チ
ャネル層24の横幅に比べてソース層25の横幅の方を
広くとることができる。その結果、ソース抵抗を低減す
ることができる。また、この選択的エッチングを用いる
ことにより、ゲ−ト電極27の形成を簡単かつ高精度で
行うことができる。
【0040】さらに、ゲ−ト電極27が接触するドレイ
ン層23の表面をn型半導体のままの状態とすると、ゲ
−ト電圧の印加によりドレイン層23のキャリアも応答
を示すため、寄生のゲ−ト容量が増加しFETの高周波
特性が劣化する。そこで、ゲート電極27が接触するド
レイン層23の表面のみを高抵抗層26に改質すること
により、この寄生ゲ−ト容量の増加を防止し、高周波特
性の劣化を抑制することができる。
【0041】[第2の実施形態]本発明の第2の実施形
態のFETの製造方法について図面に基づき説明する。
本実施形態の製造方法は、上述した第1の実施形態の製
造方法と基本的な構成要素は全く同様であるから、図3
及び図4を準用することにより本実施形態のFETの製
造方法を説明することにする。
【0042】まず、図3(a)に示すように、半絶縁性
GaAs基板21の上に、分子線エピタキシ法により、
Siを1×1018cm-3添加したn型GaAsコンタク
ト層22を500nm、Siを1×1017cm-3添加し
たAl組成が0.25のn型AlGaAsドレイン層3
1を400nm、Siを1×1017cm-3添加したn型
GaAsチャネル層32を300nm、Siを3×10
18cm-3添加したGa組成が0.51のn型InGaP
ソース層33を300nm順次成長させる。
【0043】次いで、図3(b)に示すように、例え
ば、低圧CVD法を用いて、SiO2からなる絶縁膜3
4を全面に200nm堆積する。次いで、フォトリソグ
ラフィを用いて、例えば、図示しない線幅1.5μmの
フォトレジストパタ−ンを形成し、これをマスクとして
前記パターンの絶縁膜34aを形成する。SiO2を用
いた絶縁膜34を加工する場合には、例えば、バッファ
−ド弗酸が好適に用いられる。
【0044】次いで、図3(c)に示すように、絶縁膜
45aをマスクとして、n型InGaPソース層33と
n型GaAsチャネル層32を順次、異方性ドライエッ
チングを用いて加工する。この際、BCl3とSF6の混
合ガスをエッチングガスに用いることにより、エッチン
グはn型AlGaAsドレイン層31の表面が露出した
ところで自動的に停止する。
【0045】次いで、図3(d)に示すように、水蒸気
を含む窒素零囲気にて400℃の熱処埋を行うことで、
n型AlGaAsドレイン層31の表面のみを選択的に
酸化して高抵抗層35を形成する。これは、主としてA
lGaAsに含まれるA1が酸化により高抵抗のアルミ
ナ(AI23)に変化する性質を用いたものである。
【0046】次いで、図4(e)に示すように、例え
ば、クエン酸と過酸化水素の混合水溶液を用いて、n型
GaAsチャネル層32のみを選択的にエッチングし、
その線幅が細いn型GaAsチャネル層24とする。残
りの線幅は、例えば、0.5μmとすることができる。
その後、図4(f)に示すように、反応性スバッタ法を
用いてWSi膜37を全面に150nm程度堆積させ
る。
【0047】次いで、図4(g)に示すように、例え
ば、SF6ガスを用いた等方性ドライエッチングにより
WSi膜37を加工し、n型GaAsチャネル層24の
両側面部のみにWSi膜37を残す。このようにして残
ったWSi膜37がゲート電極27として機能する。次
いで、フォトリソグラフィを用いてn型AlGaAsド
レイン層31に開口を形成し、n型GaAsコンタクト
層22の表面を露出させる。
【0048】最後に、図4(h)に示すように、露出し
たn型GaAsコンタクト層22とn型InGaPソ−
ス層33の上に、例えば、AuGe/Niからなるオー
ム性電極を蒸着し、その後400℃で熱処埋を行うこと
により、ドレイン電極7とソース電極5を形成する。以
上の工程により、縦型FETが完成される。以上説明し
たように、本実施形態のFETの製造方法によれば、上
述した第1の実施形態のFETの製造方法と同様の効果
を奏することができる。
【0049】[第3の実施形態]本発明の第3の実施形
態のFETの製造方法について図面に基づき説明する。
本実施形態の製造方法は、上述した第1及び第2の実施
形態の製造方法と基本的な構成要素は全く同様であるか
ら、図3及び図4を準用することにより本実施形態のF
ETの製造方法を説明することにする。
【0050】ここでは、第2の実施形態と同様の方法に
より、絶縁膜45aをマスクとして、n型InGaPソ
ース層33とn型GaAsチャネル層32を順次、異方
性ドライエッチングを用いて加工する(図3(c))。
ただし、絶縁膜34aとして形成するSiO2膜の膜厚
は、例えば、400nmと少し厚めにしておくものとす
る。
【0051】次いで、図3(d)に示すように、例え
ば、ホウ素(B)を全面にイオン注入することにより、
高抵抗層35をn型AlGaAsドレイン層31の表面
露出部に形成する。ここでは、SiO2の厚さが厚いの
で、ホウ素(B)イオンはn−InGaPソース層33
には注入されない。良好な高抵抗層35を形成するため
のイオン注入条件は、n型A1GaAsドレイン層31
の厚さとドナー濃度とよって異なるが、例えば、加速エ
ネルギ−70keVでドース量1×1014cm-2とする
ことができる。
【0052】その後の工程は、第2の実施形態と同様に
行うことにより、図4(h)に示すような縦型FETが
完成される。以上説明したように、本実施形態のFET
の製造方法によれば、上述した第1の実施形態のFET
の製造方法と同様の効果を奏することができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の電界効果ト
ランジスタによれば、第1の半導体からなるチャネル層
の一方の主面に、前記第1の半導体より広い禁制帯幅を
有する第2の半導体からなるソ−ス層を形成したので、
ソース層とチャネル層の界面においては伝導帯工ネルギ
−が不連続となり、このソ−ス層からチャネル層に注入
された電子がホット電子としてチャネル層を走行し、チ
ャネル層を横断するのに要する時間(チャネル走行時
間)を短縮することができ、電流利得遮断周波数を向上
させることができる。
【0054】また、前記チャネル層の他方の主面に、前
記第1の半導体より広い禁制帯幅を有する第3の半導体
からなるドレイン層を形成したので、耐圧特性を改善す
ることができる。また、チャネル層の側面とドレイン層
の表面それぞれに接するようにゲート電極を形成したの
で、該ゲート電極のゲート長をチャネル層の厚さで決ま
る短いゲート長とすることができ、しかもゲート電極の
寄生容量を低減させることができる。したがって、直流
特性および高周波特性を向上させることができる。さら
に、ヘテロ・ドレイン構造としたので、大きな禁制帯幅
を有するドレイン層内部でのインパクトイオン化が生じ
難くなり、高いドレイン電圧の下で動作させることがで
き、大電力用としての用途を実現することができる。
【0055】本発明の電界効果トランジスタの製造方法
によれば、チャネル層及びソース層を選択的に除去する
工程と、前記チャネル層をさらに選択的に除去する工程
とを有するので、金属の堆積条件やリソグラフィの精度
に依存せず、結晶成長時のチャネル層の厚さで決まる短
いゲ一ト長のゲート電極を形成することができ、優れた
直流特性および高周波特性を有する縦型の電界効果トラ
ンジスタを再現性良く作製することができ、したがっ
て、製造歩留まりを向上させることができ、生産性を高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の電界効果トランジ
スタを示す断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態の電界効果トランジ
スタの電圧−電流特性を示す図である。
【図3】 本発明の第1〜第3の各実施形態の電界効果
トランジスタの製造方法を示す過程図である。
【図4】 本発明の第1〜第3の各実施形態の電界効果
トランジスタの製造方法を示す過程図である。
【図5】 従来例の縦型FETを示す断面図である。
【図6】 従来例の他の縦型FETを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 n型GaAs基板 2 n型GaAsドレイン層 3 n型AlGaAsチャネル層 4 n型GaAsソ−ス層 5 ソース電極 6 ゲート電極 7 ドレイン電極 11 n型GaAsチャネル層 12 n型AlGaAsソ一ス層 13 n型GaAsコンタクト層 21 半絶縁性GaAs基板(半導体基板) 22 n型GaAsコンタクト層(ドレイン・コンタク
ト層) 23 ドレイン層 24 n型GaAsチャネル層 25 ソース層 26 高抵抗層 27 ゲート電極 31 n型AlGaAsドレイン層 32 n型GaAsチャネル層 33 n型InGaPソース層 34 絶縁膜 34a 絶縁膜 35 高抵抗層 37 ケイ化タングステン(WSi)膜

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に、第1の半導体からなるチ
    ャネル層と、該チャネル層の一方の主面に該チャネル層
    の横幅より広い横幅をもって形成された前記第1の半導
    体より広い禁制帯幅を有する第2の半導体からなるソー
    ス層と、前記チャネル層の他方の主面に形成され前記第
    1の半導体より広い禁制帯幅を有する第3の半導体から
    なるドレイン層と、前記チャネル層の側面と該ドレイン
    層の表面それぞれに接するように形成されたゲート電極
    と、前記ソース層に形成されたソース電極と、前記ドレ
    イン層に形成されたドレイン電極とを備えてなることを
    特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】前記第3の半導体をAlを含有するIII
    −V族化合物半導体とし、前記ドレ イン層の少なくとも
    前記ゲート電極と接触する面に、Alを含有する高抵抗
    層が 形成されていることを特徴とする請求項1記載の電
    界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】半導体基板上に、第1の半導体からなるチ
    ャネル層と、該チャネル層の一方の 主面に形成され前記
    第1の半導体より広い禁制帯幅を有する第2の半導体か
    らな るソース層と、前記チャネル層の他方の主面に形成
    され前記第1の半導体より広 い禁制帯幅を有する第3の
    半導体からなるドレイン層とを有する積層構造を形成
    る工程と、前記チャネル層及びソース層を選択的に除去
    する工程と、前記チャ ネル層をさらに選択的に除去する
    工程とを備えたことを特徴とする電界効果トラ ンジスタ
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記チャネル層及びソース層を選択的に除
    去する工程の後に、露出した前記ド レイン層の表面をイ
    オン注入損傷し、その表面を高抵抗層とする工程を設け
    たこ とを特徴とする請求項3記載の電界効果トランジス
    タの製造方法。
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