JP3072745B2 - トナー用ポリエステル樹脂 - Google Patents

トナー用ポリエステル樹脂

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JP3072745B2
JP3072745B2 JP03009223A JP922391A JP3072745B2 JP 3072745 B2 JP3072745 B2 JP 3072745B2 JP 03009223 A JP03009223 A JP 03009223A JP 922391 A JP922391 A JP 922391A JP 3072745 B2 JP3072745 B2 JP 3072745B2
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等 岩▲崎▼
正幸 田久
昌宏 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真法、静電記録法
や静電印刷法などにおいて静電荷像または磁気潜像の現
像に用いる乾式トナーとして有用なポリエステル樹脂に
関する。さらに詳しくは、耐ブロッキング性、溶融流動
性および低温定着性に優れ、特に高い溶融流動性が要求
されるフルカラー用、低温定着性が要求される高速複写
機および高速プリンター用として有用なトナー用ポリエ
ステル樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】静電荷像より恒久的な顕像を得るには、
光導電性感光体または静電記録体上に形成された静電荷
像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナーによって現
像したのち定着する方法が採られる。磁気潜像の場合は
磁気ドラム上の潜像を磁性体を含むトナーによって現像
した後、定着する方法が採られる。定着は光導電性感光
体または静電記録体上に現像によって得られたトナー像
を直接融着させるか、紙やフィルム上にトナー像を転写
した後、これを転写シート上に融着させることによって
行われる。トナー像の融着は溶剤蒸気との接触、加圧及
び加熱によって行われ、加熱方式には電気オーブンによ
る無接触加熱方式と加圧ローラーによる圧着加熱方式が
あるが、定着工程の高速化が要請される最近では主とし
て後者が用いられている。
【0003】乾式現像方式で使用されるトナーには1成
分系トナーと2成分系トナーがある。2成分系トナー
は、先ず樹脂、着色剤、荷電制御剤およびその他必要な
添加剤を溶融混練して十分に均一分散させた後、次いで
粗粉砕、微粉砕し、所定の粒度範囲に分級して製造され
る。1成分系トナーは上記の2成分系のトナーの各成分
の他に磁性鉄粉を添加して同様に製造される。
【0004】樹脂はトナー配合中の主成分であるため、
トナーに要求される性能の大部分を支配する。そのため
トナー用樹脂には、トナー製造段階においては溶融混練
工程での着色剤の分散性、粉砕工程での粉砕性の良いこ
となどが要求され、またトナーの使用段階においては定
着性、オフセット性、ブロッキング性および電気的性質
が良いことなど多用な性能が要求される。トナーの製造
に用いられる樹脂としてはエポキシ樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル系樹脂などが知ら
れているが、圧着加熱定着方式用樹脂としては主にスチ
レンと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が用いら
れてきた。しかしながら、より低温で定着が可能である
ことや定着されたトナー像の耐塩ビ可塑剤性が優れてい
ることから、ポリエステル樹脂が注目されている。
【0005】さらに、カラー画像を得るためには、上述
の現像工程において3〜4色のトナーを転写紙に付着さ
せ、次いで定着工程において各成分を溶融混合しながら
発色し、定着させなければならない。フルカラートナー
用バインダーには上述のごとく定着工程での混合性の良
い樹脂、換言すれば、溶融流動性の良い樹脂が強く望ま
れている。溶融流動性の良好な樹脂バインダーを用いた
場合、定着工程での耐オフセット現象が生じる問題があ
る。しかしながら、オフセット現象を防止するため、バ
インダーを架橋化させたり、高分子化させたりすると、
溶融流動性が低下するため、フルカラートナー用のバイ
ンダー用樹脂としては適さない。従って、フルカラー用
複写機の場合、耐オフセットをえるため、定着ローラー
表面にシリコンオイル等を塗布している。
【0006】定着部の高速化、省エネルギー化が強く望
まれている最近、フルカラー以外の一般複写機、プリン
ターにおいても、定着ローラーにシリコンオイル等を塗
布するなどのオフセット防止の手法が用いられている例
も少なくない。また、フルカラートナー用や高速複写機
用トナーのためのバインダー樹脂は、粘度が低いにもか
かわらず、Tg は高いものでなければならない。Tg が
高く耐ブロッキング性に優れ、かつ溶融粘度が低いと言
う、ポリマー設計上相容れない特性を兼備する樹脂の登
場が強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶融
流動性および低温定着性が良好で、耐ブロッキング性に
優れ、かつ溶融粘度の温度依存性の少ないトナー用樹脂
を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段、および作用】本発明のト
ナー用ポリエステル樹脂は、(a)テレフタル酸成分お
よび/またはイソフタル酸成分から導かれる単位、
(b)全カルボン酸成分に対して80モル%以下の下記式
(1):
【0009】
【化2】 式中、Rは炭素数2または3のアルキレン基であり、x
およびyは整数であって、2≦(x+y)≦6である。
で表されるジオール成分から導かれる単位、および
(c)全カルボン酸成分に対して20モル以上の脂肪族ジ
オールから導かれる単位からなり、(a)を全カルボン
酸成分単位に対して40〜 100モル%含み、(b)の脂肪
族ジオールから導かれる単位中脂環式ジオールから導か
れる単位が全カルボン酸成分単位に対して1〜60モル%
含まれ、脂環式ジオール単位以外の脂肪族ジオール単位
を全カルボン酸成分単位に対して40〜99モル%含む架橋
構造を有しないポリエステル樹脂であって、ガラス転移
温度Tg が40〜70℃、軟化温度が70〜130℃であり、重
量平均分子量Mw が4000〜 16000、数平均分子量Mn が
2000〜8000であり、溶融粘度が5000ポイズになる温度T
1 が 100〜 145℃、溶融粘度が 500ポイズになる温度T
2 が 125〜 175℃であり、その温度差(T2 −T1)が20
℃以上であることを特徴とする。
【0010】本発明で言うテレフタル酸および/または
イソフタル酸成分とは、テレフタル酸、イソフタル酸ま
たはそれらの低級アルキルエステルのことを言う。これ
らの芳香族ジカルボン酸成分は樹脂のガラス転移温度T
g を上げる効果があり、これを用いたトナーの耐ブロッ
キング性を向上させる。このためテレフタル酸、イソフ
タル酸成分単位は全カルボン酸成分単位に対して40〜 1
00モル%含まれる必要があり、好ましくは60〜 100モル
%含まれる。
【0011】必要に応じてテレフタル酸成分および/ま
たはイソフタル酸成分に加えて用いられるその他のジカ
ルボン酸の成分の具体例としては、フタル酸、セバシン
酸、イソデシル琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、アジピ
ン酸、およびこれらのモノメチル、モノエチル、ジメチ
ル、ジエチルエステルなどおよびこれらの酸無水物が挙
げられる。これらのジカルボン酸成分はトナーの定着性
や耐ブロッキング性に大きく影響を与えるので、ポリエ
ステル樹脂の要求性能に応じて請求範囲に記載の組成範
囲を超えない範囲で使用できる。
【0012】本発明で用いる式(1)で表されるジオー
ルの具体例としては、ポリオキシエチレン(2.0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.
2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロ
ピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シプロピレン(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど
が挙げられ、これらのジオールは単独でまたは2以上を
組合せて使用される。芳香族ジオールはガラス転移温度
Tg を上げる効果があるため、耐ブロッキング性が向上
する。特に、2.1≦n≦2.5であるポリオキシプロピレ
ン(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン及び2.0≦n≦3.0であるポリオキシエチレン
(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンが好ましい。このようなジオール成分は樹脂のTg
を高め、反応を制御するという点で好ましいが、高温で
熱分解をおこし易いため、高い反応温度を必要とする芳
香族ジカルボン酸との併用には、その量が限られる。ジ
オール成分単位の量は全カルボン酸成分単位に対して80
モル%以下とする。好ましくは70モル%以下である。
【0013】本発明で使用する脂肪族ジオールの具体例
としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、ポリエチ
レングリコールなどが挙げられ、これらの脂肪族ジオー
ルは単独または2以上を組合せて使用される。これらの
脂肪族ジオールは、縮重合反応速度を向上せしめる作用
を有する。これらの中でも定着性の点からエチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオールが好
ましい。脂肪族ジオール単位の量は全カルボン酸成分単
位に対して20モル%以上、好ましくは30モル%以上であ
る。
【0014】本発明で使用する脂肪族ジオールは、その
一部として脂環式ジオールを含む。脂環式ジオールの具
体例としては、1,4−シクロヘキサンジオール、水添
ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシシクロヘキシル)プロパン、ポリオキシエチレン−
2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパ
ン、水添ビスフェノールS、水添ビスフェノールF、
1,4−ビス(1−ヒドロキシエチル)シクロヘキサ
ン、ポリオキシエチレン−1,4−シクロヘキサンジオ
ール、ポリオキシプロピレン−1,4−シクロヘキサン
ジオール、4,4′−ビスシクロヘキサンジオールなど
が挙げられ、これらの成分は、ガラス転移温度Tg の向
上、軟化温度の低下、および耐摩耗性の向上に有効であ
る。このような脂環式ジオール全単位の量はカルボン酸
成分単位に対して1〜60モル%、好ましくは5〜50モル
%である。脂環式ジオール単位の量が1モル%未満であ
れば本発明で期待される効果が得られず、60モル%を超
えると反応の進行が遅くなる場合がある。
【0015】ポリエステルの特性を損なわない限り、一
般にポリエステル全体に基づき、10モル%以下の範囲
で、上記以外のモノマーを使用してもさしつかえない。
本発明において最も重要な点は、上記ポリエステル樹脂
のガラス転移温度Tgが40〜70℃であり、軟化温度が70
〜 130℃で、重量平均分子量Mw が4000〜 16000であ
り、数平均分子量Mn が2000〜8000であり、溶融粘度が
5000ポイズになる温度T1 が 100〜 145℃、溶融粘度が
500ポイズになる温度T2 が 125〜175℃であり、その
温度差(T2 −T1)が20℃以上であることである。
【0016】ポリエステル樹脂にシリカ等の無機粉末を
加えると、耐ブロッキング性が良好となり、その効果は
Tg が低いものほど顕著である。しかしながら、Tg が
40℃未満の樹脂に関しては、無機粉末を加えても耐ブロ
ッキング性は良好とならない。Tg が50℃以上の樹脂に
関しては無機粉末を加えなくとも耐ブロッキング性は良
好である。また、Tg が70℃を超えると、軟化温度が高
くなり、溶融流動性が低下するためフルカラー用及び高
速プリンター用トナーには適さない。従って、Tg は70
℃以下であることが必要である。従って、Tg は40〜70
℃である必要があり、好ましくは50〜70℃である。
【0017】ポリエステル樹脂の軟化温度が70℃未満で
あると、溶融流動性および低温定着性は向上するが、T
g が低下し、耐ブロッキング性が著しく低下する。軟化
温度が 130℃を超えると溶融流動性および低温定着性が
低下するため、フルカラートナー用および定着性本位の
高速複写機には適さない。従って、軟化温度は70〜 130
℃である。
【0018】重量平均分子量Mw が4000未満であるとT
g が著しく低下し、耐ブロッキング性が悪化する。重量
平均分子量Mw が16000を超えると溶融流動性および低
温定着性が低下し、フルカラートナー用および高速複写
機には適さない。数平均分子量Mn についても同様のこ
とが言える。すなわち、数平均分子量Mn が2000未満で
あるとTg が著しく低下し、耐ブロッキング性が悪化す
る。数平均分子量Mnが8000を超えると溶融流動性およ
び低温定着性が低下し、フルカラートナー用および高速
複写機には適さなくなる。従って、重量平均分子量Mw
は4000〜 16000、数平均分子量Mn は2000〜8000でなけ
ればならない。
【0019】溶融粘度が5000ポイズになる温度T1 が 1
00℃未満であるとTg が著しく低下し、耐ブロッキング
性が悪化する。また、溶融粘度が5000ポイズになる温度
1 が 145℃を超えると溶融流動性および低温定着性が
低下し、フルカラートナー用および高速複写機には適さ
なくなる。従って、5000ポイズになる温度T1 は 100〜
145℃でなければならない。
【0020】更に、溶融粘度が 500ポイズになる温度T
2 が 125℃未満であるとTg が著しく低下し、耐ブロッ
キング性が悪化する。また、溶融粘度が 500ポイズにな
る温度T2 が 175℃を超えると溶融流動性および低温定
着性が低下し、フルカラートナー用および高速複写機に
は適さなくなる。従って、 500ポイズになる温度T2
125〜 175℃でなければならない。
【0021】溶融粘度が5000〜 500ポイズ近辺の状態
は、ポリエステル樹脂トナー製造時溶融混練する粘度で
あり、トナーとして用いる場合にも、紙に定着させた
り、フルカラーとして、多色を溶融混合させたりするの
もこの粘度領域であるため重要な粘度領域である。5000
〜 500ポイズ近辺の溶融粘度の温度依存性が高いと、ト
ナー製造時に少しの温度変化に応じてトナー特性が変化
したり、トナーとして使用する場合も複写機の中及び外
の温度環境に応じて、定着性が変化したり、フルカラー
用としても、溶融混合状態が変わり色むらの原因にな
る。従って、5000ポイズになる温度T 1 と 500ポイズに
なる温度T2 の差(T2 −T1)は20℃以上が必要であ
る。
【0022】本発明において「軟化温度」とは、島津製
作所(株)製フローテスター CFT-500を用いて1mmφ×
10mmのノズル、荷重30Kf、昇温速度3℃/min の等速昇
温下で測定した時、サンプル1.0g中の1/2が流出し
た温度を言う。また、5000ポイズ、 500ポイズの粘度は
同機種を用いてノズル0.5mmφ×15mm、荷重10kg、昇温
速度3℃/min の等速昇温下で測定し、その温度粘度カ
ーブより算出した。
【0023】ガラス転移温度Tg とは、示差走差熱量計
を用いて、昇温速度5℃/min で測定した時のチャート
のベースラインとTg 近傍の吸熱カーブの接線の交点の
温度を言う。重量平均分子量Mw 、数平均分子量Mn は
東ソー社製GPC HCL-8200により測定した。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明の実
施の態様がこれに限定されるものではない。 実施例1 表−1の組成に従って、モノマーを反応容器に投入し
た。但し、反応上、表−1の組成に全酸成分に対して40
モル%のエチレングリコールを過剰に投入した。さらに
重合触媒である三酸化アンチモンを対酸成分に対して40
0ppm投入した。次に内温を 230℃、攪拌回転数を200rpm
に保ち、常圧下で5時間エステル化反応を行った。そし
て、内温を 240℃、攪拌回転数200rpmに保ち、真空度が
1.0mmHgになるまで40分かけて徐々に減圧した。反応の
終点は軟化温度を追跡し、所望の軟化温度に到達した時
とした。
【0025】淡黄色の樹脂R−1〜R−5を得た。それ
らの樹脂の物性を表−1に示す。表−1より、樹脂R−
1〜R−5は、軟化温度および分子量が低くて、Tg が
高いことより、溶融流動性が良好で、耐ブロッキング性
が良好であり、5000ポイズになる温度T1 と 500ポイズ
になる温度T2 に差があることより、溶融流動性の温度
依存性が少なく、環境によってフルカラートナー用では
色むらが少なく、トナー製造時における溶融混練工程も
安定することがわかる。
【0026】
【表1】 実施例2 表−2の組成に従って、モノマーを反応容器に仕込む以
外は実施例1と同様の操作を行い、樹脂R−6〜R−10
を得た。樹脂R−6〜R−10の物性値を表−2に示す。
表−2より、樹脂R−6〜R−10は実施例−1の結果と
同様に、軟化温度および分子量が低くて、Tg が高いこ
とより、溶融流動性が良好で、耐ブロッキング性が良好
であり、5000ポイズになる温度T1 と 500ポイズになる
温度T2 に差があることより、溶融流動性の温度依存性
が少なく、環境によってフルカラートナー用では色むら
が少なく、トナー製造時における溶融混練工程も安定す
ることがわかる。
【0027】
【表2】 比較例1 表−3に示す組成に従ってモノマーを反応容器に仕込む
以外は、実施例1と同様の操作を行って樹脂R−11〜R
−15を得た。樹脂R−11〜R−15の物性値を表−3に示
す。
【0028】表−3より、樹脂R−11は芳香族ジオール
を対酸成分中90モル%含んでいるため反応性が低く、分
子量が上昇しない。そのため、Tg も上昇しない。樹脂
R−12は、脂環式ジオールを用いていないので、分子量
Mw を4000程度に設定したとき、Tg が38℃と低下し、
耐ブロッキング性が不良となる。樹脂R−13は、分子量
が 57000と高くなった場合、Tg は72℃と上昇し、耐ブ
ロッキング性は極めて良好となるが、軟化温度も 188℃
と上がり、5000ポイズ、500ポイズになる温度も 200℃
を超えてしまうため溶融流動性が低下し、フルカラー用
および定着性本位の高速複写機には適さない。
【0029】樹脂R−14は、軟化温度が低く、Tg が50
℃であるため、フルカラー用および低温定着性本位の高
速複写機には適していると思われるが、5000ポイズにな
る温度T1 と 500ポイズになる温度T2 の差が小さいこ
とより、フルカラートナー用として用いる場合、複写機
内の温度環境変化で溶融流動性が変化し、色むらを生じ
る原因となる。
【0030】樹脂R−15は、分子量が4000まで達してい
ないため、Tg が極めて低く、溶融流動性は良好である
が、耐ブロッキング性が不良となる。
【0031】
【表3】 比較例2 表−4の組成に従って、モノマーを仕込む以外は、実施
例1と同様の操作を行って樹脂R−16,R−17を得た。
樹脂R−16,17の物性値を表−4に示す。表−4より樹
脂R−16は水添ビスフェノールAを多量に用いているた
め10時間反応させても分子量が上がらず、溶融流動性は
良好であるがTg が上昇せず、耐ブロッキング性が不良
である。
【0032】樹脂R−17は、軟化温度 103℃であること
より低温定着性、溶融流動性は良好であり、溶融粘度の
温度依存性も少ないが、Tg が38℃と低いことより耐ブ
ロッキング性が不良となる。
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂から調製され
る乾式トナーは、溶融流動性および低温定着性が良好
で、耐ブロッキング性に優れ、かつ溶融粘度の温度依存
性が小さい。従って、このトナーは、特に高い溶融流動
性が要求されるフルカラー用、低温定着性が要求される
高速複写機および高速プリンター用などとして有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田久 正幸 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三菱レイヨン株式会社 豊橋事業所内 (72)発明者 伊藤 昌宏 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番地 60号 三菱レイヨン株式会社 商品開発 研究所内 (72)発明者 伊藤 弘一 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番地 60号 三菱レイヨン株式会社 商品開発 研究所内 (56)参考文献 特開 平2−269364(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 G03G 9/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)テレフタル酸成分および/または
    イソフタル酸成分から導かれる単位、(b)全カルボン
    酸成分に対して80モル%以下の下記式(1): 【化1】 式中、Rは炭素数2または3のアルキレン基であり、x
    およびyは整数であって、2≦(x+y)≦6である。 で表されるジオール成分から導かれる単位、および
    (c)全カルボン酸成分に対して20モル以上の脂肪族ジ
    オールから導かれる単位からなり、(a)を全カルボン
    酸成分単位に対して40〜 100モル%含み、(c)の脂肪
    族ジオールから導かれる単位中脂環式ジオールから導か
    れる単位が全カルボン酸成分単位に対して1〜60モル%
    含まれ、脂環式ジオール単位以外の脂肪族ジオール単位
    を全カルボン酸成分単位に対して40〜99モル%含む架橋
    構造を有しないポリエステル樹脂であって、ガラス転移
    温度Tg が40〜70℃、軟化温度が70〜 130℃であり、重
    量平均分子量Mw が4000〜 16000、数平均分子量Mn が
    2000〜8000であり、溶融粘度が5000ポイズになる温度T
    1 が 100〜 145℃、溶融粘度が 500ポイズになる温度T
    2 が 125〜 175℃であり、その温度差(T2 −T1)が20
    ℃以上であることを特徴とするトナー用ポリエステル樹
    脂。
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