JP3071900B2 - 羽毛の防炎加工法 - Google Patents

羽毛の防炎加工法

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JP3071900B2
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feathers
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煕隆 長瀬
猛 日比野
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東海製油工業株式会社
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  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、羽毛の防炎加工法に関する。
【0002】
【従来技術】詰物を用いた、衣服類や寝具類は安全性の
面から、その防炎加工が強くのぞまれている。しかしな
がら、羽毛の防炎加工は、現実にはほとんど実施されて
おらず、天然または合成繊維の防炎加工に関する特許公
報はあっても、天然繊維の例は、羊毛、アルパカ、カシ
ミア、モヘヤ、ピキューニヤ、グアナコ、ラクダ、絹、
リヤマ、皮革、人毛にとどまり、羽毛は例示すらされて
いないのが実状である。羽毛は1g当りの比容積は10
6.7ccであるのに対し、同じ詰物として使用される
合成繊維は90.7cc、綿は87.8ccであるか
ら、この羽毛の特徴である比容積の高さ、すなわち嵩高
性からくる保温性の高さを損わない防炎加工でなけれ
ば、消費者のニーズに答えることはできない。ところ
が、羽毛は極めて傷みやすいものであり、とりわけ、ダ
ウンは羽軸をもたず、こまかいしなやかな羽枝が放射状
に伸びた構造をもつため、加工により極めて破損しやす
い性質をもっているため、このような羽毛の処理は、む
しろ敬遠されていた。羊毛のような単なる天然繊維の防
炎加工法は従来から多数提案されており、これらのなか
で、本発明に近い処理剤を使用した防炎加工技術として
は、特公昭49−30879号、特公昭50−1759
6号、特公昭51−20640号、特公昭52−128
37号公報がある。特公昭49−30879号公報に、
ジルコニウムと有機キレート剤または、ふっ素イオンと
の錯化合物の使用が開示されており、特公昭50−17
596号公報には、有機キレート剤で、またはふっ素イ
オンを解離する化合物で形成されるアニオン型チタン錯
化合物含有水溶液の使用が開示されており、特公昭51
−20640号公報には、酸性条件下でのタングステン
のアニオンコンプレックスの使用が開示されている。ま
た、特公昭52−12837号公報には、水溶性チタン
化合物とN−メチロール化合物の使用が開示されてい
る。しかしながら、繰り返して言うが、これらの技術は
羽毛のような極めて破損しやすい物品は、その念頭には
存在していなかったのである。
【0003】
【目的】本発明の目的は、極めて痛みやすい羽毛を全く
痛めることなく、高い嵩高性を保持したまヽ耐洗濯性の
ある防炎加工法をほどこす点にある。
【0004】
【構成】本発明は、(a)コラーゲン、ゼラチン、卵蛋
白、血漿蛋白、カゼインおよび豆汁よりなる群から選ば
れた蛋白質、(b)フッ化チタンカリウム、フッ化チタ
ンナトリウムおよびフッ化チタンアンモニウムよりなる
群から選ばれたフッ化チタン塩、(c)オキシカルボン
酸を含有する薬剤により羽毛を処理することを特徴とす
る羽毛の防炎加工法に関する。本発明による羽毛の嵩高
性を維持しつつ、耐洗濯性ある防炎性能が得られる理由
は、フッ化チタン塩を強酸性下において水不溶性コンプ
レックスに変化させ、それを羽毛に吸収させる方法は、
良好な難燃性を示すが耐久性がない。そこで、本発明で
は、羽毛の嵩高性を阻害せずかつ難燃性を低下させない
薬剤を研究し、コラーゲン、ゼラチン、卵蛋白、血漿蛋
白、カゼインおよび豆汁よりなる群から選ばれた蛋白質
が有効なことを見出した。強酸性下においてフッ化チタ
ン塩水不溶性コンプレックスを難燃性を目的として羽毛
に加工する時、適当量の前記蛋白質が混在することによ
り、耐洗濯堅牢度が向上し、しかも、羽毛の嵩高性を阻
害せず難燃性にも悪影響がなかった。その理由について
は、フッ化チタン塩の水不溶性コンプレックスが羽毛に
吸着する時、前記蛋白質が羽毛に吸着しているフッ化チ
タン塩の水不溶性コンプレックスを覆い、さらに羽毛に
対し前記蛋白質が親和性があり、その接着力が大いに耐
洗濯性向上に寄与していると考えられる。この証拠とし
て比較例にも述べるが、フッ化チタンカリウムのコンプ
レックスのみによる不溶性物固着法とは、耐洗濯性にお
いて効果の有無がはっきり表れる。ゼラチンは精製度に
応じて特級から5種まで6種類、またニカワは上級品か
らガムテープ用まで4種類あったりするが、本発明で用
いる蛋白質は臭気や着色がないことが好ましい。また、
前記蛋白質の使用量は、羽毛に対して5%〜80%が必
要であり、5%以下だと耐久性が乏しく、また80%以
上になると羽毛の嵩高性に難が生じる。好ましくは10
%〜50%である。一方、フッ化チタン塩としては、と
りわけフッ化チタンカリウムが好ましい。その使用量
は、羽毛に対し3〜20wt%が必要で、好ましくは5
〜10wt%である。又、オキシカルボン酸は、防炎処
理浴中で前記蛋白質とフッ化チタン塩がコンプレックス
を形成する上でのもう一つの錯塩形成剤及び安定化剤と
して作用し、かつ好ましからざる沈でんを防止し、羽毛
への沈着を強固にする作用がある。オキシカルボン酸と
しては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、メゾ修酸
及びグリコール酸などを適宜使用することができ、その
使用量は羽毛に対して0.5〜5wt%で、好ましくは
1〜3wt%である。この処理は20〜130℃の範囲
の温度及びPH4以下、好ましくは2.5〜3.0が良
い。このための酸としては塩酸、リン酸が適当である。
好ましい処理方法として、温度80〜90℃で、45分
程度処理するのがよく、この間に羽毛への吸尽が完成さ
れ、耐洗濯性ある処理物が得られる。
【0005】
【実施例】
実施例1 良く洗浄されたグース羽毛(ダウン70%、スモールフ
ェザー30%)を下記の薬剤を含む溶液で処理した。 ゼラチン 20%(対羽毛重量%) フッ化チタンカリウム 5%(対羽毛重量%) 塩 酸 (35%) 5%(対羽毛重量%) クエン酸 1.7%(対羽毛重量%) 即ち、この薬剤を羽毛の30倍の水に溶解したのち、こ
の中へ羽毛を浸漬し(この際濡れを補うために非イオン
系の浸透剤を0.1%以下使用することがのぞまし
い。)、液を45分間浸漬させると、ゼラチンとフッ化
チタンカリウム及びクエン酸はコンプレックスを形成し
ながら大部分が羽毛に吸尽した。しかるのちに残余の薬
剤を水で良く洗浄除去したあと、脱水、乾燥した。この
ようにして得た処理羽毛は無処理の羽毛と、手触り、嵩
高性、色調などと全く変化がなく、極めて商品価値が高
いものであり、表1のようにすぐれた耐洗濯性のある防
炎性、嵩高性を有するものであった。 実施例2 良く洗浄されたグース羽毛(ダウン70%、スモールフ
ェザー30%)を、下記の薬剤により実施例1と同様に
処理した。 ゼラチン 20%(対羽毛重量%) フッ化チタンカリウム 5%(対羽毛重量%) リン酸 5%(対羽毛重量%) クエン酸 1.7%(対羽毛重量%) 得られた結果は表1に示す。 実施例3 良く洗浄されたグース羽毛(ダウン70%、スモールフ
ェザー30%)を、下記の薬剤を用い実施例1と同様に
処理した。 ゼラチン 20%(対羽毛重量%) フッ化チタンカリウム 5%(対羽毛重量%) 硫 酸 (98%) 5%(対羽毛重量%) クエン酸 1.7%(対羽毛重量%) その結果は表1に示す。 比較例1 本発明のゼラチンの存在の有意義性を立証するため、以
下の様な処法で実施例1と同じ処理を行った。 フッ化チタンカリウム 10%(対羽毛重量%) 塩 酸 (35%) 10%(対羽毛重量%) クエン酸 3.5%(対羽毛重量%) その結果は表1に示す。 比較例2 特公昭52−12837号公報記載の下記薬剤により実
施例1の羽毛を処理した。 ジメチロールエチレン尿素 10(wt%) 四塩化チタン(50%soln.) 5(wt%) 水 85(wt%) その結果は表1に示した。
【0006】
【表1】 このデータを求めるための測定方法はつぎのとおりであ
る。なお、ゼラチン以外の蛋白質についてもほゞ同様の
結果が得られた。
【0007】(1)防炎性のテスト 45゜メセナミンバスケット法による。試料は2gにて
行なう(炭化長10cm以上あるものは不合格)。 (2)洗濯方法 一般家庭用洗濯機を用い、60℃で洗濯、40℃ですす
ぎを行う。すなわち、試料を洗剤(商品名;ザブ酵素)
1g/リットル、浴比1:50、60℃で15分間洗濯
を行ない、ついで、40℃の同量のお湯で5分間づつ2
回すすいでから、2分間遠心脱水して、60℃で風乾し
た。この一連のサイクルを1回として5回行ない、得ら
れた試料をテストに供した。 (3)ドライクリーニング方法 消防法の防炎性能にかかる耐洗濯性能の基準に従った。 (4)嵩高性 日本羽毛寝具製造業協同組合規定の充填材料用羽毛の試
験方法6−4に準じた。 (5)損傷率 日本羽毛寝具製造業協同組合規定の充填材料用羽毛の試
験方法6−6に準じた。
【0008】
【効果】本発明により、羽毛の嵩高性など、羽毛本来の
特性を全く痛めることなく、耐洗濯性にすぐれた羽毛の
防炎加工が達成できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−82876(JP,A) 特開 昭58−76579(JP,A) 特開 平3−90681(JP,A) 特開 平5−98569(JP,A) 特開 昭50−160599(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 11/00 - 11/84 D06M 13/184 - 13/238 D06M 19/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)コラーゲン、ゼラチン、卵蛋白、
    血漿蛋白、カゼインおよび豆汁よりなる群から選ばれた
    蛋白質、(b)フッ化チタンカリウム、フッ化チタンナ
    トリウムおよびフッ化チタンアンモニウムよりなる群か
    ら選ばれたフッ化チタン塩、(c)オキシカルボン酸を
    含有する薬剤により羽毛を処理することを特徴とする羽
    毛の防炎加工法。
  2. 【請求項2】 (a)コラーゲン、ゼラチン、卵蛋白、
    血漿蛋白、カゼインおよび豆汁よりなる群から選ばれた
    蛋白質5〜80重量%(対羽毛)、(b)フッ化チタン
    カリウム、フッ化チタンナトリウムおよびフッ化チタン
    アンモニウムよりなる群から選ばれたフッ化チタン塩3
    〜20重量%(対羽毛)、(c)オキシカルボン酸0.
    5〜5重量%(対羽毛)を含有する薬剤により羽毛を処
    理することを特徴とする羽毛の防炎加工法。
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