JP3070687B2 - 心疾患治療剤 - Google Patents
心疾患治療剤Info
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- JP3070687B2 JP3070687B2 JP2192575A JP19257590A JP3070687B2 JP 3070687 B2 JP3070687 B2 JP 3070687B2 JP 2192575 A JP2192575 A JP 2192575A JP 19257590 A JP19257590 A JP 19257590A JP 3070687 B2 JP3070687 B2 JP 3070687B2
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- Japan
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- acid
- taurine
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- heart disease
- myocardial
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は優れた心筋の強化・保護作用を有するタウリ
ンジペプチドを有効成分として含有する心疾患治療剤に
関する。
ンジペプチドを有効成分として含有する心疾患治療剤に
関する。
(従来の技術) 心筋細胞は心筋細胞膜を介してカルシウムイオン等の
恒常性を維持している。この細胞膜機能に障害がある場
合や、薬物など何らかの原因により過剰のカルシウムイ
オンが細胞内負荷されると(Ca2+−overload)、心筋細
胞は障害を受け、いわゆる心筋症と呼ばれる病変が生じ
たり、心筋壊死の原因となったりする。
恒常性を維持している。この細胞膜機能に障害がある場
合や、薬物など何らかの原因により過剰のカルシウムイ
オンが細胞内負荷されると(Ca2+−overload)、心筋細
胞は障害を受け、いわゆる心筋症と呼ばれる病変が生じ
たり、心筋壊死の原因となったりする。
摘出心筋を無カルシウム液で短時間灌流した後、カル
シウム含有液で再灌流を行うと、心筋の拘縮、電気的活
動の消失、細胞破壊、細胞内酵素の流出等が引き起こさ
れる。この現象はカルシウムパラドックスと呼ばれ、そ
の発生機序については上記のCa2+−overloadが重要な役
割を果たしていると考えられている。即ち、虚血−血液
再灌流時に生ずる心筋障害発生の要因の一つとしてCa2+
−overloadが示唆されている。カルシウムパラドックス
により心筋は最終的に不可逆的変化を生じるが、例えば
カルシウム拮抗剤等によりこの障害が軽減されることが
報告されている。
シウム含有液で再灌流を行うと、心筋の拘縮、電気的活
動の消失、細胞破壊、細胞内酵素の流出等が引き起こさ
れる。この現象はカルシウムパラドックスと呼ばれ、そ
の発生機序については上記のCa2+−overloadが重要な役
割を果たしていると考えられている。即ち、虚血−血液
再灌流時に生ずる心筋障害発生の要因の一つとしてCa2+
−overloadが示唆されている。カルシウムパラドックス
により心筋は最終的に不可逆的変化を生じるが、例えば
カルシウム拮抗剤等によりこの障害が軽減されることが
報告されている。
本発明者らは、本発明タウリンジペプチドがCa2+−ov
erload等による心筋障害や低カルシウム状態における心
筋機能低下に対して優れた心筋強化・保護作用を有する
ことを見出し本発明を完成した。
erload等による心筋障害や低カルシウム状態における心
筋機能低下に対して優れた心筋強化・保護作用を有する
ことを見出し本発明を完成した。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、タウリンジペプチド又はその薬学的
に許容される塩を有効成分として含有する心疾患治療剤
を提供することにある。
に許容される塩を有効成分として含有する心疾患治療剤
を提供することにある。
(本発明を解決するための手段) 本発明は次の一般式(I)で表される化合物又はその
薬学的に許容される塩の少なくとも一種を有効成分とし
て含有する心疾患治療剤である。
薬学的に許容される塩の少なくとも一種を有効成分とし
て含有する心疾患治療剤である。
R−NH−CH2−CH2−SO3H (I) 上記一般式(I)中、Rはアミノ酸残基を表し、好ま
しくは、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソ
ロイシン、セリン、スレオニン、メチオニン、プロリ
ン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、β−アスパ
ラギン酸、グルタミン酸、γ−グルタミン酸、フェニル
アラニン、チロシン等が挙げられる。
しくは、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソ
ロイシン、セリン、スレオニン、メチオニン、プロリ
ン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、β−アスパ
ラギン酸、グルタミン酸、γ−グルタミン酸、フェニル
アラニン、チロシン等が挙げられる。
本発明化合物中特に好ましい化合物を例示すれば以下
の通りである。
の通りである。
1.グルシルタウリン 2.アラニルタウリン 3.バリルタウリン 4.ロイシルタウリン 5.イソロイシルタウリン 6.セリルタウリン 7.スレオニルタウリン 8.メチオニルタウリン 9.プロリルタウリン 10.ヒドロキシプロリルタウリン 11.アスパルチルタウリン 12.β−アスパルチルタウリン 13.グルタミルタウリン 14.γ−グルタミルタウリン酸 15.フェニルアラニルタウリン 16.チロシルタウリン 本発明タウリンジペプチドはその薬学的に許容される
塩を包含し、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、
リン酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、ハロ酢酸、プロピオン
酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グル
コン酸、乳酸、マロン酸、フマール酸、アントラニル
酸、安息香酸、ケイ皮酸、p−トルエンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸、スルファニル酸等の酸との酸付加
塩、或いはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カ
ルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、その他のア
ルミニウム等の金属との塩、又はアンモニウム、有機ア
ミンとの塩などが挙げられる。
塩を包含し、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、
リン酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、ハロ酢酸、プロピオン
酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グル
コン酸、乳酸、マロン酸、フマール酸、アントラニル
酸、安息香酸、ケイ皮酸、p−トルエンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸、スルファニル酸等の酸との酸付加
塩、或いはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カ
ルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、その他のア
ルミニウム等の金属との塩、又はアンモニウム、有機ア
ミンとの塩などが挙げられる。
又、本発明化合物はその金属錯化合物を包含し、例え
ば亜鉛、ニッケル、コバルト、銅、鉄等との錯化合物が
挙げられる。
ば亜鉛、ニッケル、コバルト、銅、鉄等との錯化合物が
挙げられる。
これらの塩並びに金属錯化合物は公知の方法により遊
離の本発明タウリンジペプチドより製造でき、或いは相
互に変換することができる。
離の本発明タウリンジペプチドより製造でき、或いは相
互に変換することができる。
本発明化合物において光学異性体が存在する場合に
は、本発明はそのいずれをも包含する。
は、本発明はそのいずれをも包含する。
本発明化合物は公知物質であり、例えば「Chem.Phar
m.Bull.36(1),70−77(1988)」や「Chem.Pharm.Bul
l.36(8),2796−2801(1988)」等の文献記載の方法
によって製造することができる。
m.Bull.36(1),70−77(1988)」や「Chem.Pharm.Bul
l.36(8),2796−2801(1988)」等の文献記載の方法
によって製造することができる。
(作用) 次に本発明化合物の薬理作用について述べる。
(1)心筋保護作用 ICR系の14乃至16日目妊娠マウスの胎児心臓を細裁
し、0.06%トリプシン−0.01%コラゲナーゼの酵素液を
添加して、37℃で10分間振盪しながら反応させ細胞を分
離した。これに10%仔牛血清を含むイーグルMEM培養液
を加え遠心した後、集めた細胞を培養液中に再分散させ
た。心筋細胞は繊維芽様細胞とは付着時間が違うことか
ら、再分散させた細胞液を37℃で95%空気−5%二酸化
炭素飽和水蒸気状態で1時間インキュベートし、繊維芽
細胞を除去した後、1mlあたり2×105乃至4×105個に
調製して40乃至44時間の前培養後、カルシウムパラドッ
クスの実験に用いた。
し、0.06%トリプシン−0.01%コラゲナーゼの酵素液を
添加して、37℃で10分間振盪しながら反応させ細胞を分
離した。これに10%仔牛血清を含むイーグルMEM培養液
を加え遠心した後、集めた細胞を培養液中に再分散させ
た。心筋細胞は繊維芽様細胞とは付着時間が違うことか
ら、再分散させた細胞液を37℃で95%空気−5%二酸化
炭素飽和水蒸気状態で1時間インキュベートし、繊維芽
細胞を除去した後、1mlあたり2×105乃至4×105個に
調製して40乃至44時間の前培養後、カルシウムパラドッ
クスの実験に用いた。
培地を除去して被検薬を含むEGTA培地(Ca2+−free)
を1ml添加した後、20乃至22℃に10分間放置した。次い
で細胞を無EGTA培地(Ca2+−free)で洗った後、速やか
に被検薬を含む1mMCa2+培地を入れ、1分間後の細胞の
形態変化(水腫、風船様)を観察した。結果の一例を第
1表に示す。
を1ml添加した後、20乃至22℃に10分間放置した。次い
で細胞を無EGTA培地(Ca2+−free)で洗った後、速やか
に被検薬を含む1mMCa2+培地を入れ、1分間後の細胞の
形態変化(水腫、風船様)を観察した。結果の一例を第
1表に示す。
(2)心筋強化作用 心筋細胞の培地を低カルシウム培地(0.5mMCa2+)に
変えると細胞の拍動振幅が低下する。この低カルシウム
培地に被検薬を共存させて、心筋細胞の振幅低下に対す
る作用を調べた。
変えると細胞の拍動振幅が低下する。この低カルシウム
培地に被検薬を共存させて、心筋細胞の振幅低下に対す
る作用を調べた。
結果の一例を第1図に示す。
(効果) 第1表の試験結果から明らかなように、本発明タウリ
ンジペプチドはカルシウムパラドックスによる心筋の形
態変化に対して優れた防御作用を有する。また、第1図
に示すように、低カルシウム培地での心筋の拍動振幅の
低下を、本発明化合物は有意に軽減する。
ンジペプチドはカルシウムパラドックスによる心筋の形
態変化に対して優れた防御作用を有する。また、第1図
に示すように、低カルシウム培地での心筋の拍動振幅の
低下を、本発明化合物は有意に軽減する。
このように、本発明化合物はCa2+−overload等による
心筋障害に対して優れた心筋保護作用を有すると共に、
低カルシウム状態における心筋の拍動振幅の低下を軽減
し、心筋機能を正常化する心筋強化作用を併せ有する。
従って、本発明タウリンジペプチドは、心筋梗塞等の虚
血性心疾患、心臓手術時の虚血状態などにおける心筋障
害並びに心不全、狭心症など種々の心疾患の治療、予防
薬剤として有用である。
心筋障害に対して優れた心筋保護作用を有すると共に、
低カルシウム状態における心筋の拍動振幅の低下を軽減
し、心筋機能を正常化する心筋強化作用を併せ有する。
従って、本発明タウリンジペプチドは、心筋梗塞等の虚
血性心疾患、心臓手術時の虚血状態などにおける心筋障
害並びに心不全、狭心症など種々の心疾患の治療、予防
薬剤として有用である。
第1図は低カルシウム培地(0.5mMCa2+)における心筋
細胞の拍動振幅の変化を測定した結果を示したものであ
る。
細胞の拍動振幅の変化を測定した結果を示したものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 家永 和治 兵庫県加東郡社町木梨字川北山442番1 日本臓器製薬株式会社生物活性科学研 究所内 (56)参考文献 特公 昭49−4210(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/185 A61P 9/10 CA(STN) MEDLINE(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】一般式(I): R−NH−CH2−CH2−SO3H (I) 〔式中、Rはアミノ酸残基を表す。〕 で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の少な
くとも一種を有効成分として含有する心筋障害治療剤。 - 【請求項2】虚血性心疾患治療剤である請求項1記載の
心筋障害治療剤。 - 【請求項3】狭心症治療剤である請求項1記載の心筋障
害治療剤。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2192575A JP3070687B2 (ja) | 1990-07-19 | 1990-07-19 | 心疾患治療剤 |
EP91810580A EP0467856B1 (en) | 1990-07-19 | 1991-07-18 | Aminoalkanesulfonic acid derivatives and pharmaceutical compositions for use in preventing or treating heart diseases |
DE69125216T DE69125216T2 (de) | 1990-07-19 | 1991-07-18 | Aminoalkanesulfonsäurederivate und pharmazeutische Zusammensetzungen davon zur Prävention oder Behandlung von Herzerkrankungen |
AT91810580T ATE150301T1 (de) | 1990-07-19 | 1991-07-18 | Aminoalkanesulfonsäurederivate und pharmazeutische zusammensetzungen davon zur prävention oder behandlung von herzerkrankungen |
ES91810580T ES2100222T3 (es) | 1990-07-19 | 1991-07-18 | Derivados del acido aminoalcansulfonico y compuestos farmaceuticos a utilizar para prevenir o tratar afecciones cardiacas. |
US08/167,459 US5430052A (en) | 1990-07-19 | 1993-12-15 | Aminoalkanesulfonic acid derivatives and pharmaceutical compositions for use in preventing or treating heart diseases |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2192575A JP3070687B2 (ja) | 1990-07-19 | 1990-07-19 | 心疾患治療剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0477423A JPH0477423A (ja) | 1992-03-11 |
JP3070687B2 true JP3070687B2 (ja) | 2000-07-31 |
Family
ID=16293565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2192575A Expired - Lifetime JP3070687B2 (ja) | 1990-07-19 | 1990-07-19 | 心疾患治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3070687B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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---|---|---|---|---|
JP2007516938A (ja) * | 2003-06-23 | 2007-06-28 | ニューロケム (インターナショナル) リミテッド | アミロイド関連疾患を治療するための方法および組成物 |
JP4711857B2 (ja) * | 2006-03-01 | 2011-06-29 | 日本クラウンコルク株式会社 | 紙パック用のスパウト |
CN101045346A (zh) * | 2006-03-30 | 2007-10-03 | 冷鹭浩 | 一种超声波焊接结构的塑料复合板 |
JP5607930B2 (ja) | 2006-10-12 | 2014-10-15 | ビーエイチアイ リミテッド パートナーシップ | 3−アミノ−1−プロパンスルホン酸を送達するための方法、化合物、組成物および媒体 |
JP4881333B2 (ja) * | 2008-02-22 | 2012-02-22 | 株式会社ジェイ・イー・ジェイ | 樹脂製プレート |
-
1990
- 1990-07-19 JP JP2192575A patent/JP3070687B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0477423A (ja) | 1992-03-11 |
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