JP3070313U - 電動式噴霧器 - Google Patents

電動式噴霧器

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JP3070313U
JP3070313U JP2000000851U JP2000000851U JP3070313U JP 3070313 U JP3070313 U JP 3070313U JP 2000000851 U JP2000000851 U JP 2000000851U JP 2000000851 U JP2000000851 U JP 2000000851U JP 3070313 U JP3070313 U JP 3070313U
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spraying
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耕平 佐藤
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Iris Ohyama Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池交換等が容易であり、吸排能力も優れた
電動式噴霧器を提供すること。 【解決手段】 ポンプ部50を液体タンク80の内部で
あって下底側近傍に設ける。また、液体タンク80の底
板を中央に向かって傾斜する形態に形成し、中心に噴霧
用液体が溜まる取水凹部を設けることにより、噴霧用液
体の残存防止や吸引効率の向上を達成することができ
る。また、前記液体タンク80の外周側に複数条の凹部
81設け、凹部81の上部に係合溝81を形成する。一
方、ポンプ部50を収納する下インナー70に係合突部
71eを形成し、係合突部71eを係合溝81に挿入し
て位置決めすることにより、噴霧用液体を収容した際に
作用する拡開作用を規制することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、草木等に生息する害虫等の駆除に使用可能な電動式噴霧器に関し、 特に液体タンク内の液体を十分に吸排することが可能な電動式噴霧器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動式噴霧器としては、本願出願人が開発した実公平6−18598号 公報に示すものがある。図15は、電池式噴霧器の斜視図、図16は、図15の 電池式噴霧器の正面図、図17は、容器及び蓋部が係合している状態の一部拡大 断面図である。なお、従来の電池式噴霧器は、駆動源が電池駆動であるので電池 式噴霧器とされているが、電動式噴霧器の1種であるので以下には、電動式噴霧 器として説明する。
【0003】 以下、図15乃至図17を参照して従来の電動式噴霧器について説明する。
【0004】 図15に示すように、電動式噴霧器101は、噴霧用液体が貯留される液体タ ンク103と、液体タンク103の開放上部を閉塞する蓋部104と、液体タン ク103内から吸引された噴霧用液体を案内する管105と、管105から案内 された噴霧用液体を外部に排出するノズル106とを有する。
【0005】 図15及び図16に示すように、前記液体タンク103は、透明ポリプロピレ ン製で、いわゆるバケツ形で形成されており、上面が解放された大きな開口を有 する。また、液体タンク103の両側、すなわち約180度離間して対向する位 置にそれぞれ1対の耳107a及び耳107bを有する耳107が形成されてい る。耳107a及び耳107bは、離間して形成されており、該耳107a及び 耳107b間に軸支されたピン108に回動自在にフック109が枢着されてい る。
【0006】 次に、蓋部104は、噴霧用液体が貯留される液体タンク103の開放上部を 閉塞するものであって、蓋部104の下面には、外周側に環状のリブ117を有 する底板116を有している。蓋部104内には、図16に示すように、電源と しての電池110、送液ポンプ111が配設されており、送液ポンプ111には 液体タンク103内に貯留された噴霧用液体を案内する管112が取り付けられ ている。
【0007】 そして、蓋部104は、蓋部104の上部に設けられた把持部114の両端に 設けられた係止部に前記フック109を係止させることによって蓋部104と液 体タンク103とを係合させる。
【0008】 従来の電動式噴霧器101は、図15に示すスイッチ113が押してオンする と、図16に示す送液ポンプ111が駆動して液体タンク103内に貯留されて いる噴霧用液体を管112を介して吸引して外部に通じる管105に案内する。 この管105に案内された噴霧用液体は、図15に示すノズル106に案内され て外部に噴霧される。
【0009】 電動式噴霧器101の駆動を停止させるには、図15に示すスイッチ113を 再度押してオフすればよい。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電動式噴霧器101は、以下のような点で改良が望まれ ている。
【0011】 (1)従来の電動式噴霧器101は、蓋部104の底面に設けられた底板11 6内に電源部としての電池110、送液ポンプ111などが配設されているため に、土埃等の多い噴霧場所で電池交換を行う場合には、塵埃等が蓋部104内に 入り込んでしまい、電源部のみならず送液ポンプ111などの駆動部にも塵埃等 が入り込み、駆動部等の故障を将来する可能性がある。
【0012】 (2)また、一般的に電動式噴霧器101を使用しない場合であっても電池1 10を装填しておくことが多いので、湿度の多い物置等に長期間収納しておく場 合には、電池の液漏れや錆等が生じて送液ポンプ111等の故障を招く場合があ る。
【0013】 (3)また、従来の電動式噴霧器101は、図15に示すように、ノズル10 6が取り付けられている管が短いので背の低い人などが高い場所に噴霧する場合 等は、電動式噴霧器101全体を所持しながら噴霧しなければならず、噴霧作業 が困難な場合があり、しかもノズル106が固定であるためノズルが取り付けら れた管の握り部を回転した状態で噴霧しなければならず、しかも噴霧量も一定で あるので噴霧をしたくない部位にまでも噴霧してしまう可能性がある。
【0014】 (4)また、従来の電動式噴霧器101は、図16に示すように、管112に より噴霧用液体を吸引するが、駆動部としての送液ポンプ111が蓋部104内 に配設されていることから、液体タンク103の底に残った噴霧用液体を吸引す る能力が足りず、噴霧用液体を最後まで十分に吸引することができない可能性が ある。
【0015】 (5)また、従来の電動式噴霧器101は、図15に示すように、スイッチ1 13により電源のオン・オフを行うものであるが、スイッチ113によって電源 をオフした場合に、送液ポンプ111内に噴霧用液体が残っており、そのままの 状態で長期間置くと内部の噴霧用液体が結晶状になり、送液ポンプ111が駆動 されなくなってしまう可能性がある。従って、送液ポンプ111のメンテナンス を容易にする対策がなされている。
【0016】 本考案は、上記の点に鑑みてなされたものであって、電池交換等が容易であり 、吸排能力も優れた電動式噴霧器を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本考案は、噴霧用液体を収容する液体タンクと、前記噴霧用液体を吸引・排出 する吸排駆動手段と、前記吸排駆動手段を駆動する電源部と、前記吸排駆動手段 及び前記電源部が配設されるインナー部と、前記噴霧用液体を噴霧する噴霧部と を有する電動式噴霧器であって、前記吸排駆動手段は、前記液体タンクの内部に 設けられたものである。
【0018】 また、前記吸排駆動手段は、前記液体タンクの内部であって下底側近傍に設け られたものである。
【0019】 また、前記インナー部は、下方に向かって幅が縮小する箱状であるものである 。
【0020】 また、前記インナー部は、前記電源部が配設される上インナーと、前記吸排駆 動手段を収納する収納カバーを有する下インナーとからなり、前記収納カバーは 、下方に向かって幅が縮小する箱状であるものである。
【0021】 また、前記下インナーは、前記上インナーに係止する複数の柱部を有するもの である。
【0022】 また、本考案は、噴霧用液体を収容する液体タンクと、前記噴霧用液体を吸引 ・排出する吸排駆動手段と、前記吸排駆動手段を駆動する電源部と、前記吸排駆 動手段及び前記電源部が配設されるインナー部と、前記噴霧用液体を噴霧する噴 霧部とを有する電動式噴霧器であって、前記液体タンクは、該液体タンクの外周 側に形成された複数条の凹部を有するものである。
【0023】 また、前記液体タンクは、前記凹部の上部に係合部を有し、前記インナー部は 、前記係合溝内に挿入される係合突部を有するものである。
【0024】 また、本考案は、噴霧用液体を収容する液体タンクと、前記噴霧用液体を吸引 ・排出する吸排駆動手段と、前記吸排駆動手段を駆動する電源部と、前記吸排駆 動手段及び前記電源部が配設されるインナー部と、前記噴霧用液体を噴霧する噴 霧部とを有する電動式噴霧器であって、前記液体タンクは、底板が中央に向かっ て傾斜する形態であるものである。
【0025】 また、本考案は、噴霧用液体を収容する液体タンクと、前記噴霧用液体を吸引 ・排出する吸排駆動手段と、前記吸排駆動手段を駆動する電源部と、前記吸排駆 動手段及び前記電源部が配設されるインナー部と、前記噴霧用液体を噴霧する噴 霧部とを有する電動式噴霧器であって、前記液体タンクは、底板の中心に前記噴 霧用液体が溜まる取水凹部を有するものである。
【0026】
【考案の実施の形態】
以下図面を参照して、本考案による電動式噴霧器の実施の形態について説明す る。
【0027】 図1は、本考案による電動式噴霧器の分解斜視図、図2は、本考案による電動 式噴霧器の一部仮想線で示した、正面からみた断面図、図3は、図2の側面から みた断面図、図4(a)は、本考案による電動式噴霧器のノズルの平面図、(b )は、(a)に示すノズルの正面からみた一部断面を含む正面図、及びノズルを 取り外した状態の説明図、図5は、本考案による電動式噴霧器のノズルの部分拡 大斜視図、図6(a)は、本考案による電動式噴霧器の上インナーの平面図、( b)は、(a)に示す上インナーのA−A断面図、図7は、本考案による電動式 噴霧器の下インナーの平面図、(b)は、(a)に示す下インナーのB−B断面 図、図8(a)は、本考案による電動式噴霧器のポンプ部の正面図、(b)は、 (a)に示すポンプ部の一部断面を含む側面図、図9(a)は、本考案による電 動式噴霧器の液密部材の平面図、(b)は、(a)に示す液密部材の正面図、図 10は、本考案による電動式噴霧器の液体タンクの一部断面を含む正面図、及び 下インナーが嵌挿される状態を仮想線で示した説明図、図11(a)は、本考案 による電動式噴霧器のポンプ部の駆動部の構成を示す正面図、(b)は、(a) に示すポンプ部の駆動部のC−C断面図、図12(a)は、本考案による電動式 噴霧器の第2の実施の形態を示すノズルの平面図、(b)は、(a)に示すノズ ルの正面からみた一部断面を含む正面図、及びノズルを取り外した状態の説明図 である。
【0028】 図1に示すように、本考案による電動式噴霧器1は、噴霧手段としての噴霧部 10と、把持部30と、インナー部としての上インナー40と、該上インナーに 配設された吸排駆動手段としてのポンプ部50と、上インナー40と結合してポ ンプ部50を覆う収納カバーを有するインナー部としての下インナー70と、噴 霧用液体を収容する液体タンク80と、下インナー70の下面に嵌合固定されて 液体タンク80に収容された噴霧用液体の液漏れを防ぐ液密部材75とを有する 。
【0029】 [噴霧部] 図1、図4(a)、図4(b)及び図5に示すように、噴霧手段としての噴霧 部10は、噴霧用液体を先端部に多数形成された微細孔から霧状に噴霧する複数 (この場合1対)の回転ノズル11と、回転ノズル11に噴霧用液体を導出する 連結部材12と、連結部材12に一方の端部が結合されて該連結部材12に噴霧 用液体を案内する伸縮可能な送液パイプ13と、該送液パイプ13の他方の端部 と結合され後述する吸排駆動手段としてのポンプ部50から噴霧用液体を案内す る可撓管14とからなっている。
【0030】 図1に示すように、前記噴霧部10の1対の回転ノズル11は、直管状の連結 部材12の両端に回転自在に設けられており、矢印Rで示すように、360度回 転可能となっている。従って、所定の部位に噴霧しようとする場合には、回転ノ ズル11を手動にて所定の角度回動して噴霧することができる。
【0031】 図4(a)及び(b)に示すように、回転ノズル11は、ノズルカバー11a と、ノズル本体11bとを有していて、図示してはいないが、ノズルカバー11 a後端内周側に雌ねじが形成され、ノズル本体11b先端外周面に雄ねじが形成 されており、両者は螺合結合されて分離可能となっている。
【0032】 また、図示してはいないが、前記ノズルカバー11aの先端部前面11aに は、噴霧用液体を霧状に噴霧するための微細孔が多数形成されており、ノズル本 体11bの先端部には螺旋状の溝が複数形成されている。従って、前記ノズルカ バー11aの微細孔とノズル本体11bの先端部に形成された螺旋状の溝とによ って、噴霧用液体が霧状に噴霧されることとなる。
【0033】 また、ノズル本体11bの後端側には、一体に形成された屈曲管11cが樹脂 成形により一体に形成されている。この屈曲管11cの開放端部11c側は拡 開された開口部11dを有している。この開口部11dには、図4(a)及び( b)に示すように、係合部材としてのピン15が取付固定されている。また、ノ ズル本体11bは、図4(b)に示すように、Oリング16を介して連結部材1 2の一方の端部と螺合結合されている。
【0034】 一方、連結部材12は、図4(b)に示すように、断面略T字状の形態を有し ており、前述したように、送液結合部12aと送液パイプ13とが螺合結合され ている。
【0035】 また、前記回転ノズル11の開放端部11c側に取付固定された係合部材と してのピン15は、図4(b)に二点差線で示すように、一方の側の回転ノズル 11に対して180度回転した状態で連結部材12と着脱可能となっている。す なわち、図5に示すように、回転ノズル11の開放端部11c側に取付固定さ れた係合部材としてのピン15は、連結部材12の前記ピン15と対応する外周 面に形成された被係合部としての溝12e内に係合して周回することによって回 転可能となっており、該溝12e内に位置する間は取り外すことができない構成 となっている。しかし、図4(b)に二点差線で示す位置に回転ノズル11があ る場合には、連結部材12の外周面に形成された被係合部としての溝12eは形 成されておらず、係合解除部としての切欠部12dが形成されている。従って、 この状態で前記ピン15は、前記溝12eとの係合が解除されて取り外し可能と なっている。このように、回転ノズル11を容易に脱着することができるので、 連結部材12内にこびり付いた汚れなどを容易に除去することができる。
【0036】 また、図1に示すように、送液パイプ13は、前段パイプ13aと、後段パイ プ13bの2段形式となっており、前段パイプ13aを後段パイプ13b内に収 納可能となっている。そして、調節部13cにより任意の長さに調節して伸縮自 在に位置決めすることができる。しかして、本実施の形態では、2段階のパイプ の長さ調整を行っているが、用途に応じて1段又は複数段に構成してもよく、ま たこのような送液パイプ13を交換可能な構成としてもよい。
【0037】 また、図1に示すように、送液パイプ13の後端側には、可撓管14が取り付 けられている。この可撓管14は、ビニール管等を使用することができ、作業性 のし易いものを用いることができる。
【0038】 [把持部] 図1、図2、図3に示すように、把持部30は、後述するインナー部を把持し ており、取手31と、該取手31が取付固定されたカバー2とを有する。本実施 の形態では、取手31は、図2に示すように、ねじ33によりカバー32に下方 から螺合結合されている。
【0039】 取手31は、図2に示すように、断面略U字状の形態を有しており、一方の端 部近傍に電源スイッチ41のスイッチノブ41aが挿入される凹部31a及び孔 31bが形成されている。
【0040】 図1及び図2に示すように、前記カバー32は、樹脂成形されており、上面が やや曲面を有する表面形状となっており、前記取手31の下方に対応する位置に 大きな凹部32aが形成されている。この凹部32aにより取手31を握りやす くしている。
【0041】 また、前記カバー32の側端部32’には、フック係止部32bが一体に形成 されている。このフック係止部32bは、後述する液体タンク32に設けられた フック85により固定されて液体タンク32と一体に携行することができる。
【0042】 [インナー部] 図1に示すように、インナー部は、上インナー40と、下インナー70とから なる。
【0043】 (a)図1、図6(a)及び(b)、図2、図3に示すように、上インナー4 0は、樹脂で形成されており、電源部42が配設される上インナー筐体43であ る。この上インナー筐体43は、図6(a)に示すように、平面視が略四角形状 で且つ4隅がアール状の曲面となっており、図2及び図6(b)から明らかなよ うに、上インナー筐体43に一体に形成され弾性力を有して外方に付勢する舌片 43aに案内されて前記カバー32の内周側に内嵌され把持される構成となって いる。
【0044】 また、図6(a)及び(b)に示すように、上インナー40の上インナー筐体 43の中央に配設された電源部42は、電源としての複数の電池44(図2に二 点鎖線にて図示)が搭載される凹部で形成された電池搭載部42aが設けられて おり、この電池搭載部の近傍に電源部としての電源スイッチ41が固設される突 起43bが一体に形成されている。また、図6(b)に示すように、前記上イン ナー筐体43の電源部42の底面下部には、脚43c、43cが突設されており 、該脚43c、43cには、図1に示すように、吸排駆動手段としてのポンプ部 50が配設されている。従って、本実施の形態によれば、電源部42を構成する 電池44、電源スイッチ41、及びその他図示せぬ電源回路は、上インナー40 に配設されてなるから、吸排駆動手段としてのポンプ部50とは完全に分離独立 された構成となっている。従って、仮に電池の液漏れや錆等が生じた場合であっ ても吸排駆動手段としてのポンプ部50に影響を及ぼすおそれが全くない。また 、電池44の交換時には、フック係止部32bからフック85を解除してカバー 32を取り外すだけでよく簡単に行うことができ、しかも外部の塵埃等が吸排駆 動手段としてのポンプ部50内に侵入することがないから故障を招く要因を少な くすることができる。
【0045】 (b)図1、図7(a)及び(b)、図2、図3に示すように、下インナー7 0は、樹脂で形成されており、吸排駆動手段としてのポンプ部50が液密に収納 される下インナー筐体71である。この下インナー筐体71は、図2及び図3か ら明らかなように、上インナー筐体43と連結されるものであるから、上インナ ー筐体43と同様に平面視が略四角形状で且つ4隅がアール状の曲面を有する台 座壁71aを有しているが、この台座壁71aの下部は液体タンク80の略楕円 形状の上面開口部を閉塞するために該液体タンク80の上面開口部と同様に略楕 円形状で形成されている。
【0046】 前記台座壁71aの内周側には、図1、図7(a)及び(b)に示すように、 4カ所に柱部71bが立設されている。これらの各柱部71bは、図2、図6( a)及び(b)に示すように、上インナー筐体43の取付部43dに係止して上 インナー筐体43の上方からねじにより螺合結合される。そして、前記各柱部7 1bによって上インナー筐体43内に搭載される電池44等の荷重による撓みを 十分防ぐことができる強度となっている。
【0047】 また、下インナー筐体71は、下部に吸排駆動手段としてのポンプ部50を液 密に収納する収納カバー71cが一体に形成されており、該収納カバー71cを 下方に向かって幅が縮小する箱状に形成して液体タンク80内の液量を極力多く したものである。この収納カバー71cの最下端部には、取水突部71dが形成 されており、この取水突部71dを通して液体タンク80内の噴霧用液体を吸引 することができる。しかも、前記収納カバー71c内に収納される吸排駆動手段 としてのポンプ部50を液体タンク80の噴霧用液体の液面よりも下方、すなわ ち、液体タンク80の内部に位置するように構成したので、ポンプの吸引能力を 格段に向上させることができるものとなっている。
【0048】 また、図1、図2、図6(b)に示すように、前記下インナー筐体71の側面 側の両下端部には、係合突部71eが一体に形成されている。この係合突部71 eは、後述する液体タンク80内に噴霧用液体が収容された場合であっても該液 体タンク80の側面に係合して上方開口部の撓みを規制する作用をなすものであ る。
【0049】 前述したように、本実施の形態による上インナー40と上インナー筐体43、 下インナー70と下インナー筐体71は、それぞれ樹脂成形により一体に形成し たものとして説明しているが、上インナー40と上インナー筐体43、下インナ ー70と下インナー筐体71のそれぞれを適宜別の部材により構成する事を妨げ るものではなく、適宜変えて設計することができるものである。
【0050】 [電源部] 図6(a)及び(b)に示すように、上インナー40の上インナー筐体43に 配設された電源部42は、電池44が搭載される電池搭載部42a、電源スイッ チ41、及びその他図示せぬ電源回路を有している。しかして、図14(a)及 び(b)に示すように、前記電源スイッチ41は、3つのモードを選択すること ができるようになっている。すなわち、正転モード(F)、逆転モード(B)、 停止モード(S)である。
【0051】 正転モード(F)は、吸排駆動手段としてのポンプ部50のモータを駆動して 液体タンク80内の噴霧用液体を吸引して噴霧部10側に排出して回転ノズル1 1から噴霧用液体を霧状に霧化して噴射するものである。
【0052】 逆転モード(B)は、吸排駆動手段としてのポンプ部50のモータを逆転させ るモードである。従って、噴霧部10側の回転ノズル11からは噴霧用液体は噴 射されず、噴霧用液体が案内される経路、すなわち、回転ノズル11、送液パイ プ10、可撓管14、ポンプ部50内に残存する噴霧用液体を液体タンク80に 戻す作用をする。これは、前記噴霧用液体が案内される経路に噴霧用液体が長期 間残っていると、内部の噴霧用液体が結晶状に固化したりすることが起こり、特 にポンプ部50の駆動経路の故障等を誘起させる原因を除去するためのものであ る。このようなモードを選定するようにしたので、電動式噴霧器1のメンテナン スが容易となっている。
【0053】 また、停止モード(S)は、ポンプ部50の駆動を停止させるものである。
【0054】 [ポンプ部] 図1、図2、図3、図8(a)及び(b)、図11(a)及び(b)には、噴 霧用液体を吸引・排出する吸排駆動手段としてのポンプ部50が図示されている 。
【0055】 図1、図2、及び図6(b)に示すように、ポンプ部50は、上インナー筐体 43の脚43c、43cに長手状のブリッジ51の上端が取付固定されている。 このブリッジ51の下端には、駆動手段である駆動ユニット52が取付固定され ている。前記ブリッジ51及び前記駆動ユニット52により吸排駆動手段として のポンプ部50を構成している。
【0056】 図2及び図3から明らかなように、吸排駆動手段としてのポンプ部50は、取 水突部71dとの結合部を除いて上インナー40と下インナー70により全体が 被覆される構成であり、しかも駆動手段である駆動ユニット52が貯留手段であ る液体タンク80の液面内に埋没し、該液体タンク80の下底側近傍に位置する 構成となっている。通常、液体タンク80内には、所定の液量が収容されている のでこの所定の液量が入った状態の上面を液面とすると、駆動ユニット52は、 液面内に位置するものであればよいが、ポンプ部50の駆動能力、すなわちポン プの効率を向上させるために、本実施の形態による電動式噴霧器1のポンプ部5 0を液体タンク80の下底側に設けるように構成したものである。従って、本実 施の形態による吸排駆動手段としてのポンプ部50は、ブリッジ51を用いてい るが、ブリッジ51を省略して上インナー筐体43の脚43c、43cを改良し て直接取り付ける構成のものであってもよい。
【0057】 また、図1、図3から明らかなように、下インナー筐体71の収納カバー71 cは、駆動ユニット52の形態に沿って下部を絞り込む構成としている。これは 、液体タンク80内の噴霧用液体の液量を考慮したものであって、しかも液体タ ンク80の小型化を図るためのものである。
【0058】 図2に示すように、前記ブリッジ51は、樹脂成形されており、ブリッジ51 の上部には、上インナー筐体43の脚43c、43cに下方からねじ等の固定部 材により固定するための略矩形状の座51aが形成されている。また、ブリッジ 51は、軽量化、及び強度を向上させるための略三角形状の堤51bを形成して いる。また、図8(b)から明らかなように、ブリッジ51は、モータ53を取 り付けるとともに該モータ53の駆動力を伝達するためのギヤケース51cを有 している。
【0059】 次に、駆動手段である駆動ユニット52は、モータ53と、ポンプケース55 からなっている。
【0060】 図8(a)及び(b)に示すように、前記モータ53は、ブリッジ51のギヤ ケース51cの一側面に取付固定されており、また、モータ53の筐体は、図3 に示すように、収納カバー71cの絞り込み部71cに係止されるようになっ ている。こうすることによって、ブリッジ51、及びブリッジ51に取り付けら れたモータ53は、安定して保持されるとともにモータ53の駆動時に発生する 振動等を防ぎ静音化が図られている。従って、収納カバー71cは、液体タンク 80内の噴霧用液体の液量を多くするとともにモータ53の駆動時に発生する振 動等を防ぐような構成となっている。
【0061】 また、図8(a)及び(b)に示すように、ブリッジ51のギヤケース51c 内には、ギヤ部材54が収納されており、前記モータ53の駆動軸53aには、 第1のギヤ部材である小径のギヤ54aが取り付けられている。この第1のギヤ 部材であるギヤ54aには、該ギヤ54aと略同径のモータ53の駆動力を付与 する第2のギヤ部材である伝達ギヤ54bが回転可能に係合し、この伝達ギヤ5 4bには第3のギヤ部材である大径のトルク発生ギヤ54cが回転可能に係合し ている。
【0062】 前記第3のギヤ部材であるトルク発生ギヤ54cの回転軸60には、ポンプケ ース55内に回転可能に収容された第1のポンプ作動ギヤである駆動ギヤ56a が軸支されている。
【0063】 前記モータ53の駆動力は、前記第1のギヤ部材であるギヤ54aから第2の ギヤ部材である伝達ギヤ54aに伝達されて第3のギヤ部材であるトルク発生ギ ヤ54cに伝達される。第3のギヤ部材であるトルク発生ギヤ54cにより大き なトルクを発生させてポンプケース55内の第1のポンプ作動ギヤである駆動ギ ヤ56aに駆動力を付与してポンプを作動させる。
【0064】 次に、図11(a)及び(b)に示すように、ポンプ作用をなすポンプケース 55内には、3以上、本実施の形態では3つのポンプ作動ギヤが配設されている 。この3つのポンプ作動ギヤによりポンプの効率を大幅に向上させることが可能 となっている。
【0065】 図11(a)に示すように、ポンプケース55内には、第1のポンプ作動ギヤ である駆動ギヤ56a、第2のポンプ作動ギヤであるギヤ56b、第3のポンプ 作動ギヤであるギヤ56cが配設されており、これら第1、第2、第3のポンプ 作動ギヤ56a、56b、56cによりポンプケース55内を真空状態にして吸 引力を発生する。
【0066】 図11(a)及び(b)に示すように、ポンプケース55は、液体タンク80 内の噴霧用液体を吸引する取水ノズル55aと、3つのポンプ作動ギヤを収納す る収納部55bと、取水ノズル55aから吸引された噴霧用液体を排出し、前記 取水ノズル55aと所定の角度θ離間した位置に配設された排出パイプ57を有 している。
【0067】 前記取水ノズル55aは、先端部に複数の溝55a,55a、本実施の形 態では2つの溝が形成されている。取水ノズル55aの先端部は、図3に示すよ うに、液体タンク80の底板82の取水凹部82a内に位置するようになってい て、前記溝55a,55aに図示せぬパッキンなどのシール部材を介して下 インナー筐体71の取水突部71d内に嵌挿されて該取水突部71dと取水ノズ ル55aとの間からの噴霧用液体の侵水を防ぐ構成となっている。従って、下イ ンナー筐体71内に収容される吸排駆動手段としてのポンプ部50は、液体タン ク80内の液面以下に配置されていても噴霧用液体とは隔離された状態が保持さ れている。
【0068】 前記取水ノズル55aは、前述したように、排出パイプ57と所定の角度θだ け離間した位置に配設されている。所定の角度θは、ポンプの作用効率が最もよ い状態となるように設定されており、該角度θはポンプ作動ギヤの枚数やポンプ ケースの形態等を考慮して適宜設定される。
【0069】 次に、ポンプケース55は、図11(a)に示すように、正面からみて3つの ポンプ作動ギヤを収納する収納部55bを有している。
【0070】 図11(a)に示すように、この収納部55bの上部には、第1のポンプ作動 ギヤである駆動ギヤ56aが配設され、該駆動ギヤ56aの下部に並列に該駆動 ギヤ56aと噛合する第2、第3のポンプ作動ギヤであるギヤ56b、ギヤ56 cが配設されている。すなわち、少なくとも第1のポンプ作動ギヤである駆動ギ ヤ56aと第2のポンプ作動ギヤであるギヤ56bとが噛合し、第2のポンプ作 動ギヤであるギヤ56bと第3のポンプ作動ギヤであるギヤ56cとが噛合し、 第3のポンプ作動ギヤであるギヤ56cと第1のポンプ作動ギヤである駆動ギヤ 56aとが噛合する状態になっており、図11(a)に示すように、駆動ギヤ5 6aが矢印で示す反時計方向に回転すると、ギヤ56b、ギヤ56cは矢印で示 すように時計方向に回転する。
【0071】 前記収納部55bは、正面からみておむすび状の形態を有しているが、図11 (a)から明らかなように、駆動ギヤ56a、ギヤ56b、ギヤ56cそれぞれ のギヤの外径に沿って包み込むような形態を有している。これは、収納部55b 内の吸引力を増加させて内部に流れる噴霧用液体の流路をスムーズに形成してポ ンプの効率を向上させるものである。
【0072】 しかも、本実施の形態によるポンプ部50の収納部55bには、第2のポンプ 作動ギヤであるギヤ56bと、第3のポンプ作動ギヤであるギヤ56cとの間に 山形形状の提壁55bが形成されている。従って、取水ノズル55aから吸引 される噴霧用液体は、第3のポンプ作動ギヤ56cから提壁55bの山を乗り 越えて第2のポンプ作動ギヤであるギヤ56b側に流入して排出される。
【0073】 また逆に、第1のポンプ作動ギヤである駆動ギヤ56aが逆転されると、前記 とは逆の方向に流れることとなる。
【0074】 本出願人の実験によれば、収納部55b内に流入する噴霧用液体を吸引する吸 引力、すなわち排出される流量は、前記山形形状の提壁55bが無い場合より も前記提壁55bがあるときの方が多くなるという結果を得た。この提壁55 bの山形形状の大きさは、第2のポンプ作動ギヤであるギヤ56bと、第3の ポンプ作動ギヤであるギヤ56cの径を考慮して設計すればよいが、前述したよ うに、ギヤ56b、ギヤ56cの外径に沿った覆うような形態とすればよい。本 実施の形態では、ギヤ配置により山形形状となっているが、この山形形状に限定 されるものでないことは勿論である。
【0075】 また、本実施の形態によるポンプ作動ギヤは、第1のポンプ作動ギヤである駆 動気や56aと第2のポンプ作動ギヤであるギヤ56b及び第3のポンプ作動ギ ヤであるギヤ56cとが同径になっているが、第2のポンプ作動ギヤであるギヤ 56bと第3のポンプ作動ギヤであるギヤ56cとを同径とし、これよりも第1 の作動ギヤである駆動ギヤ56aの径を大きくすることによってポンプの吸引能 力を向上させることができる。このようなポンプ作動ギヤの歯の数、径の大きさ 、ギヤの枚数などは必要なポンプの吸引能力に応じたものを適宜選定する。
【0076】 次に、図11(b)に示すように、ポンプケース55の収納部55bは、断面 略凸状に形成されている。この収納部55bには、前述したように、第1のポン プ作動ギヤである駆動ギヤ56a、第2、第3のポンプ作動ギヤであるギヤ56 b、ギヤ56cが配設されているが、これらのポンプ作動ギヤ56a乃至56c は、収納部55bの側壁面及び開口面を閉塞する側との間が密接する状態で配置 されことがポンプの吸引能力の向上や騒音防止の点で望ましい。しかしながら、 図11(b)にも示すように、ポンプ作動ギヤ56a乃至56cと収納部55b とのクリアランス62(開口面側のみ図示している)がゼロということはできず 、ポンプの吸引能力の向上や作動時の騒音抑制をどのように達成するかが本考案 者らの課題となっている。
【0077】 そこで、本考案者は、収納部55bを閉塞する閉塞手段58に改良を試みたも のである。
【0078】 閉塞手段58は、前記ポンプケース55に嵌挿される閉塞蓋58aと、シール 作用をなす液密部材であるOリング59と、前記閉塞蓋58aの少なくとも一方 の面に設けられた減振材61とを有している。
【0079】 図8(a)及び(b)、図11(b)に示すように、閉塞蓋58aは、断面の 厚さが平板状で、正面が収納部55bに嵌挿して落としぶた状に閉塞するために 収納部55bの正面の形状と略同一の形態を有している。
【0080】 また、図8(b)、図11(b)に示すように、閉塞蓋58aの外周には、収 納部55b内を流れる噴霧用液体が漏れないように密閉するOリング59が設け られている。そして、図8(b)に示すように、ポンプケース55は、閉塞蓋5 8aがブリッジ51のギヤケース51に取付固定された取付板63に密接させて 図示せぬ固定手段により固定されている。
【0081】 しかして、前記閉塞蓋58aと前記取付板63との間には、減振材61が設け られている。この減振材は、本実施の形態ではグリースが用いられている。すな わち、図11(b)に示すように、ポンプ作動ギヤ56a乃至56cは、ポンプ 作動時にクリアランス62側に揺動運動を行い、部材間との衝突によってこれが 騒音の一因ともなっているが、減振材61であるグリースは、前記閉塞蓋58a と前記取付板63との間に油膜を形成して前記部材間の衝突によって発生する騒 音の遮音作用をなす。その結果、本考案による電動式噴霧器1は、騒音の発生を 著しく抑制することができるものとなっている。また、前記減振材61は、前記 揺動運動に基づく振動や、各部材が有する寸法誤差を吸収して部材間の密接度を 高め、ポンプの効率を向上させる作用を奏する。なお、前記減振材61としては 、フエルト、ゴム、合成樹脂等からなる少なくとも1以上の素材を用いてもよい 。
【0082】 また、本考案による電動式噴霧器1は、吸排駆動手段であるポンプ部50の全 体が貯留手段である液体タンク80の液面よりも下方に位置するように構成して いるので、前記ポンプ部50の作動及び振動等に伴う騒音等を更に軽減して静音 化が図られている。
【0083】 [液密部材] 図1、図9(a)及び(b)に示すように、シール作用をなす液密部材75は 、略楕円形状でなっていて、外周側に舌部75aが形成されている。この液密部 材75は、ゴム等の弾性力を有する部材が用いられている。
【0084】 前記液密部材75は、図2に示すように、下インナー70の下インナー筐体7 1の下部に嵌挿されて固着されており、液体タンク80の上面の開放部からの噴 霧用液体の液漏れを防ぐ作用をなすものである。
【0085】 [液体タンク] 図1、図2、図3、図10に示すように、貯留手段である液体タンク80は、 合成樹脂などの樹脂で成形されており、上面全面が略楕円形状の広口の開口部8 0aを有して噴霧用液体を収容するのに十分な容積を有する深さHとなっている 。この液体タンク80の両端上部には、図2に示すように、カバー32のフック 係止部32bと係止するフック85が設けられている。このフック85によりカ バー32を係止して電動式噴霧器1全体を携行することが可能となる。また、図 1に示すように、液体タンク85には、前記フック85と所定距離離間した位置 にベルト掛け部86が設けられている。従って、フック85がベルト掛け部86 と同じ位置にないので、液体タンク80を肩に掛けたままカバー32を外して電 池交換等を行うことが可能である。このベルト掛け部86は、液体タンク80と 一体に形成されているが、別体で構成してもよい。本実施の形態では、液体タン ク80は透明合成樹脂からなり、内部に貯留する噴霧用液体の液量の確認が容易 容易であり、また、前記液体タンク80は、広口であることから、噴霧用液体の 投入が容易なものになっている。
【0086】 図1及び図10に示すように、液体タンク80の両側面には、複数条の凹部8 1が形成されている。この凹部81は、図3に示すように、液体タンク80の外 周側に凹曲面形状で形成されおり、該凹部81によって液体タンク80の強度を 増加させるものである。また、液体タンク80に形成された前記凹部81の内周 側上部には、図1及び図10に示すように、係合部としての係合溝81aが形成 されている。係合部としての係合溝81aは、図10に示すように、下インナー 70と液体タンク80とが係合する場合に、下インナー70の下インナー筐体7 1の係合突部71eが前記係合溝81a内に挿入されて位置決めされる。従って 、液体タンク80は、噴霧用液体が収容されると、図1に示す開口部80a側が 外方向に拡開しようとする作用が働くが、前記係合突部71eが前記係合溝81 a内に挿入されることによって液体タンク80の前記拡開作用を規制してカバー 32と確実に合体固定することができる。
【0087】 次に、図10に示すように、液体タンク80は、底面の底板82が底上げされ た状態で形成されている。しかして、前記底板82は、中央に向かってやや傾斜 する形態となっており、しかも前記底板82の中心に取水凹部82aが一体に形 成されている。
【0088】 前記底板82の傾斜は、液体タンク80内の噴霧用液体が液体タンク80内に 残存することを防ぐためであり、しかも前記取水凹部82に噴霧用液体が溜まる ような構成となっている。この取水凹部82には、図2及び図3から明らかなよ うに、下インナー筐体71の取水突部71dの先端部が密接するような構成とな っており、この取水凹部82内の噴霧用液体を効率よく吸引することができる。
【0089】 [作用] 次に、本考案による電動式噴霧器1の作用について説明する。
【0090】 図1及び図14に示すように、電源スイッチ41のスイッチノブ41aを正転 モード(F)側にオンすると、吸排駆動手段であるポンプ部50のモータ53が 駆動してギヤ部材54(54a乃至54c)が駆動し、該駆動力がポンプ作動ギ ヤ56(56a乃至56c)に伝達されて液体タンク80内の噴霧用液体を吸引 する。そして、下インナー筐体71の取水突部71dから吸引された噴霧用液体 は、図11に示す排出パイプ57から排出されて図1に示す可撓管14、送液パ イプ13、連結部材12に案内されて回転ノズル11から霧状に霧化されて噴射 される。回転ノズル11は、図1に示すように、矢印R方向に適宜回転させて所 望の部位に噴霧用液体を噴射する。
【0091】 また、電動式噴霧器1を停止させる場合には、図14に示すように、電源スイ ッチ41のスイッチノブ41aを停止モード(S)にする。こうすることによっ て、モータ53の駆動力が遮断されて停止する。
【0092】 また、電動式噴霧器1を逆転モード(B)にする場合には、図14に示すよう に、電源スイッチ41のスイッチノブ41aを逆転モード(B)にする。こうす ることによって、図1に示す連結部材12、送液パイプ13、可撓管14、ポン プケース55内に残留する噴霧用液体を液体タンク80内に逆流させて戻すこと ができる。その結果、電動式噴霧器1の内部の噴霧用液体を除去することができ るので噴霧用液体の結晶化等を防ぎ故障等を防止するとともにメンテナンスも容 易である。
【0093】 [第2の実施の形態] 本考案による電動式噴霧器の第2の実施の形態としては、図12(a)及び( b)に示すように、回転ノズル11を改良したものであるが、図4(a)及び( b)に示す回転ノズル11と同一の構成及び機能を有するものについては同一の 符号を付して説明し、相違する点についてのみ詳細な説明をすることとする。
【0094】 図12(a)及び(b)に示すように、本実施の形態の噴霧部10は、複数の 回転ノズル11各々からの噴霧用液体の噴霧量を調整及び遮断する噴霧量調整遮 断手段を備えたものであり、連結部材12の回転ノズル11側の管開口部に噴霧 量調整遮断手段としての半月状の第1の半月閉塞板18が形成されており、また 回転ノズル11の連結部材12側の管開口部側に噴霧量調整遮断手段としての半 月状の第2の半月閉塞板19が形成されている。従って、図12(b)に示すよ うに、回転ノズル11を二点差線の状態の位置まで回転すると、噴霧量調整遮断 手段としての前記半月閉塞板18と前記半月閉塞板19とにより連結部材12か ら回転ノズル11側に供給される噴霧用液体を遮断することができる。こうする ことによって、電動式噴霧器の使用者は、一方の回転ノズル11だけを使用する ことも可能であり、噴霧量を調整しながら噴霧することができる。また、図12 (b)に二点差線で示すように、回転ノズル11を取り外すことも可能であるこ とは勿論である。また、本実施の形態によれば、前記半月閉塞板18及び19は 、前記連結部材12の両端にそれぞれ適用するように図示されているが、一方の みでもよいことは勿論であり、噴霧量調整遮断手段としては、前記半月閉塞板1 8及び19に限らず、バルブ等を設けてもよく、種々の構成を適用することがで きる。
【0095】 [第3の実施の形態] 本考案による電動式噴霧器の第3の実施の形態としては、図13に示すように 、吸排駆動手段であるポンプ部50を改良したものであるが、図8(a)及び( b)に示すポンプ部50と同一の構成及び機能を有するものについては同一の符 号を付して説明し、相違する点についてのみ詳細な説明をすることとする。
【0096】 図13に示すように、モータ53の本体部を図8(b)とは異なり、ブリッジ 51と平行に配設した点に特徴を有するものである。すなわち、前記モータ53 は、駆動軸53aが前記液体タンク80の側面と平行に配設されている。その結 果、図3に示すように、下インナー筐体71の収納カバー71cを小型化するこ とができ、液体タンク80内の噴霧用液体の容量を増加させることができる。
【0097】 図13に示すように、前記モータ53の駆動軸53aからの駆動力は、傘歯車 64a、傘歯車64bを介してブリッジ51のギヤケース51cに回転可能に配 設されているギヤ54aに伝達される。このギヤ54aの駆動力は、トルク発生 ギヤ54cに付与されてポンプケース55内のポンプ作動ギヤ56(56a乃至 56c)にトルク付与がなされる。
【0098】 図13に示す実施の形態によれば、ギヤ部材54のギヤ54aと、トルク発生 ギヤ54cとからなり、伝達ギヤ54bが省略されている。従って、装置の小型 化及び軽量化等を図ることができる。
【0099】 以上のように、本考案による電動式噴霧器は、上記実施の形態に限定されるも のではなく、本考案の趣旨の範囲内で適宜変更して構成することができることは いうまでもない。
【0100】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案による電動式噴霧器によれば、吸排駆動手段とし てのポンプ部を液体タンクの内部であって下底側近傍に設けたことから、ポンプ の吸引能力を格段に向上させることができる。
【0101】 また、前記液体タンクは、外周側に複数条の凹部を有することから強度が大き く、前記凹部の上部に形成された係合部としての係合溝に前記吸排駆動手段を収 納する下インナーに形成された係合突部が挿入され位置決めされることから、噴 霧用液体を収容した際に作用する外方向に拡開しようとする作用を規制すること が可能になっている。
【0102】 また、前記液体タンクは、底板が中央に向かって傾斜する形態であり、底板の 中心に噴霧用液体が溜まる取水凹部を有することから、噴霧用液体が残存するこ とを防止して効率よく吸引することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による電動式噴霧器の分解斜視図であ
る。
【図2】本考案による電動式噴霧器の一部仮想線で示し
た、正面からみた断面図である。
【図3】図2の側面からみた断面図である。
【図4】(a)は、本考案による電動式噴霧器のノズル
の平面図、(b)は、(a)に示すノズルの正面からみ
た一部断面を含む正面図、及びノズルを取り外した状態
の説明図である。
【図5】本考案による電動式噴霧器のノズルの部分拡大
斜視図である。
【図6】(a)は、本考案による電動式噴霧器の上イン
ナーの平面図、(b)は、(a)に示す上インナーのA
−A断面図である。
【図7】(a)は、本考案による電動式噴霧器の下イン
ナーの平面図、(b)は、(a)に示す下インナーのB
−B断面図である。
【図8】(a)は、本考案による電動式噴霧器のポンプ
部の正面図、(b)は、(a)に示すポンプ部の一部断
面を含む側面図である。
【図9】(a)は、本考案による電動式噴霧器の液密部
材の平面図、(b)は、(a)に示す液密部材の正面図
である。
【図10】本考案による電動式噴霧器の液体タンクの一
部断面を含む正面図、及び下インナーが嵌挿される状態
を仮想線で示した説明図である。
【図11】(a)は、本考案による電動式噴霧器のポン
プ部の駆動部の構成を示す正面図、(b)は、(a)に
示すポンプ部の駆動部のC−C断面図である。
【図12】(a)は、本考案による電動式噴霧器の第2
の実施の形態を示すノズルの平面図、(b)は、(a)
に示すノズルの正面からみた一部断面を含む正面図、及
びノズルを取り外した状態の説明図である。
【図13】本考案による電動式噴霧器のポンプ部の第2
の実施の形態を示す、一部断面を含む側面図である。
【図14】(a)は、電源スイッチの平面図、(b)
は、(a)に示す電源スイッチの正面図である。
【図15】従来の電池式噴霧器の斜視図である。
【図16】図15の電池式噴霧器の正面図である。
【図17】容器及び蓋部が係合している状態の一部拡大
断面図である。
【符号の説明】
1 電動式噴霧器 10 噴霧部 11 回転ノズル 12 連結部材 13 送液パイプ 14 可撓管 15 ピン 16 Oリング 30 把持部 31 取手 32 カバー 33 ねじ 40 上インナー 41 電源スイッチ 42 電源部 43 上インナー筐体 44 電池 50 ポンプ部 51 ブリッジ 52 駆動ユニット 53 モータ 54 ギヤ部材 55 ポンプケース 57 排出パイプ 58 閉塞手段 59 液密部材 60 回転軸 61 減振材 70 下インナー 71 下インナー筐体 75 液密部材 80 液体タンク 85 フック 86 ベルト掛け部

Claims (9)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴霧用液体を収容する液体タンクと、前
    記噴霧用液体を吸引・排出する吸排駆動手段と、前記吸
    排駆動手段を駆動する電源部と、前記吸排駆動手段及び
    前記電源部が配設されるインナー部と、前記噴霧用液体
    を噴霧する噴霧部とを有する電動式噴霧器であって、 前記吸排駆動手段は、前記液体タンクの内部に設けられ
    たことを特徴とする電動式噴霧器。
  2. 【請求項2】 前記吸排駆動手段は、前記液体タンクの
    内部であって下底側近傍に設けられたことを特徴とする
    請求項1記載の電動式噴霧器。
  3. 【請求項3】 前記インナー部は、下方に向かって幅が
    縮小する箱状であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の電動式噴霧器。
  4. 【請求項4】 前記インナー部は、前記電源部が配設さ
    れる上インナーと、前記吸排駆動手段を収納する収納カ
    バーを有する下インナーとからなり、前記収納カバー
    は、下方に向かって幅が縮小する箱状であることを特徴
    とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1記載の電
    動式噴霧器。
  5. 【請求項5】 前記下インナーは、前記上インナーに係
    止する複数の柱部を有することを特徴とする請求項3記
    載の電動式噴霧器。
  6. 【請求項6】 噴霧用液体を収容する液体タンクと、前
    記噴霧用液体を吸引・排出する吸排駆動手段と、前記吸
    排駆動手段を駆動する電源部と、前記吸排駆動手段及び
    前記電源部が配設されるインナー部と、前記噴霧用液体
    を噴霧する噴霧部とを有する電動式噴霧器であって、 前記液体タンクは、該液体タンクの外周側に形成された
    複数条の凹部を有することを特徴とする電動式噴霧器。
  7. 【請求項7】 前記液体タンクは、前記凹部の上部に係
    合部を有し、前記インナー部は、前記係合部内に挿入さ
    れる係合突部を有することを特徴とする請求項5記載の
    電動式噴霧器。
  8. 【請求項8】 噴霧用液体を収容する液体タンクと、前
    記噴霧用液体を吸引・排出する吸排駆動手段と、前記吸
    排駆動手段を駆動する電源部と、前記吸排駆動手段及び
    前記電源部が配設されるインナー部と、前記噴霧用液体
    を噴霧する噴霧部とを有する電動式噴霧器であって、 前記液体タンクは、底板が中央に向かって傾斜する形態
    であることを特徴とする電動式噴霧器。
  9. 【請求項9】 噴霧用液体を収容する液体タンクと、前
    記噴霧用液体を吸引・排出する吸排駆動手段と、前記吸
    排駆動手段を駆動する電源部と、前記吸排駆動手段及び
    前記電源部が配設されるインナー部と、前記噴霧用液体
    を噴霧する噴霧部とを有する電動式噴霧器であって、 前記液体タンクは、底板の中心に前記噴霧用液体が溜ま
    る取水凹部を有することを特徴とする電動式噴霧器。
JP2000000851U 2000-01-14 2000-01-14 電動式噴霧器 Expired - Lifetime JP3070313U (ja)

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