JP3067259B2 - ダイヤモンド被覆硬質材料及びその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド被覆硬質材料及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材との密着強度に優
れ、高い靭性を備えたダイヤモンド被覆硬質材料、及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンド及びダイヤモンド状炭素は
極めて硬度が高く、化学的に安定であり、高い熱伝導率
や音波伝播速度を始めとする数多くの優れた特性を備え
ているため、これらの特性を生かした下記の分野等で広
く実用化されている。
【0003】例えば、タングステン(W)基超硬合金やセ
ラミックス焼結体の基材表面にダイヤモンド又はダイヤ
モンド状炭素を被覆したスローアウエイチップ、ドリ
ル、マイクロドリル、エンドミル等はダイヤモンド被覆
切削工具と呼ばれ、AlやCu又はこれらの合金等を高速で
切削でき且つ仕上げ面が極めて良好であるため、主にこ
れら軟金属類の切削に多用されている。又、耐摩工具の
ひとつであるボンディングツールでは、表面をダイヤモ
ド被覆することにより、半導体装置のワイヤボンディン
グが高い寸法精度で長時間実施出来るようになつてい
る。このほか、放熱板を始めとする各種機械部品、スピ
ーカー等の各種振動板、或は各種の研磨加工用砥石等と
して使用されている。
【0004】これらの用途のうち切削工具や耐摩工具等
のように、基材表面にダイヤモンド被覆層を形成する場
合には、一般に気相からダイヤモンド又はダイヤモンド
状炭素を形成するが、その方法としてマイクロ波プラズ
マCVD法、RFプラズマCVD法、EA−CVD法、
誘磁場マイクロ波プラズマCVD法、RF熱プラズマC
VD法、DCプラズマCVD法、DCプラズマジェット
CVD法、熱フィラメントCVD法、燃焼法など数多く
の方法が知られている。
【0005】ところで、ダイヤモンド被覆切削工具等の
ように、W基超硬合金等の硬質材料の基材表面にダイヤ
モンド又はダイヤモンド状炭素からなるダイヤモンド被
覆層を形成したダイヤモンド被覆硬質材料においては、
硬質材料基材とダイヤモンド被覆層の密着強度が不足し
ているためダイヤモンド被覆層が剥離しやすく、このた
め極めて早期に寿命に至る場合が多かった。
【0006】この硬質材料基材とダイヤモンド被覆層の
密着強度が低い原因として、次のことが考えられてい
る: ダイヤモンド及びダイヤモンド状炭素はあらゆ
る物質と中間相を持たないため、他物質との濡れ性が悪
い。 ダイヤモンド及びダイヤモンド状炭素と硬質材
料基材の熱膨張係数が一般に大きく異なるため、ダイヤ
モンド被覆層中に残留応力が発生している。 炭素の
拡散が容易なFe、Co、Ni等の金属元素を含む超硬合金が
基材である場合、これら金属元素上にダイヤモンドの同
位体であるグラファイトが優先的に生成しやすく、この
ためダイヤモンド被覆時の初期核発生密度が低くなる。
【0007】これに対して、ダイヤモンド被覆層の密着
強度を向上させるための試みが従来から行われ、例えば
特開昭61−291493号公報にはダイヤモンドと近似する熱
膨張係数を持つ窒化ケイ素(Si3N4)又は炭化ケイ素 (Si
C)を主成分とする焼結体を基材として用いる方法が記載
されている。しかし、基材としてSi3N4やSiCを用いると
前記の熱膨張係数の問題は解決されるが、基材そのも
のの強度がW基超硬合金より小さくなり、強度不足によ
り破損する場合が増加する。
【0008】又、特開平1−201475号公報に記載のごと
くW基超硬合金の基材表面を酸溶液でエッチングしてFe
やCo等の金属元素を除去する方法、或は特開昭61−1245
73号公報に記載のごとくダイヤモンドの砥粒又は砥石に
より基材表面に傷つけ処理を行うことにより、ダイヤモ
ンドの核発生密度を向上させる方法も提案されている。
しかし、通常のW基超硬合金とダイヤモンド又はダイヤ
モンド状炭素との結合力自体が弱いので、これらの方法
によっても切削工具や耐摩工具として充分な密着強度を
備えたダイヤモンド被覆硬質材料を得ることが困難であ
つた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来の
事情に鑑み、超硬合金の基材表面にダイヤモンド被覆層
を有し、優れた密着強度と高い靭性を備えたダイヤモン
ド被覆硬質材料、及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のダイヤモンド被覆硬質材料にあつては、タ
ングステンとモリブデンの複合炭化物を主成分とし、結
晶構造が(MoW)2Cの複合炭化物又はMo2Cの炭化物を含む
硬質相と、該硬質相を結合しているコバルト又はニッケ
ルの結合相とからなるタングステン−モリブデン基超硬
合金の基材の表面に、ダイヤモンド又はダイヤモンド状
炭素からなるダイヤモンド被覆層を形成したことを特徴
とする。
【0011】又、本発明のダイヤモンド被覆硬質材料の
製造方法においては、ダイヤモンド被覆層を形成する前
の基材を真空中又は不活性ガス中において該超硬合金の
焼結温度で熱処理することにより基材表面の結合相を減
少させ、及び/又は前記基材をダイヤモンド砥粒と共に
溶媒中において超音波振動させることにより傷付け処理
し、その後基材表面にダイヤモンド被覆層を形成するこ
とが密着強度の向上に有効である。
【0012】
【作用】通常のW基超硬合金は極めて硬度が高く、又靭
性の点でSi3N4やSiCよりも優れている。ところが、この
W超硬合金の硬質相にモリブテン(Mo)を固溶させると、
結晶構造が(MoW)Cの単純ヘキサゴナル型の複合炭化物、
結晶構造がMo2Cの炭化物及び/又は(MoW)2Cの複合炭化
物が生成し、特にMo2C又は(MoW)2Cは針状結晶となりや
すく、その場合には硬度及び靭性が低下することが知ら
れている。従って、Moを固溶したW−Mo基超硬合金は切
削工具材料等として一般的ではなく、ダイヤモンド被覆
硬質材料の基材としても使用されていなかった。
【0013】かかるW−Mo基超硬合金の製造方法につい
ては、例えば、特公昭58−9821号公報、特公昭59−4500
号公報、特公昭59−10422号公報、特公昭60−31896号公
報、特公昭61−54727号公報、特公昭62−5981号公報、
及び特公昭63−30980号公報等に記載されている。特に
特公昭60−31896号公報には、Moの添加による硬度や靭
性の低下を防ぐため、Mo2C及び(MoW)2Cを粒状結晶とし
て析出させる方法が開示されている。
【0014】本発明においては、上記のごとく硬度や靭
性が低いため従来あまり一般的ではなかったW−Mo基超
硬合金に着目し、ダイヤモンド被覆硬質材料の基材とし
て検討を重ねた結果、Moの添加によって生成する炭化物
Mo2C又は複合炭化物(MoW)2Cがダイヤモンド被覆層との
密着強度を向上させることを見いだした。この原因は明
らかではないが、Mo2C及び(MoW)2Cとダイヤモンド及び
ダイヤモンド状炭素との濡れ性が良いためと考えられ
る。
【0015】かかるW−Mo基超硬合金をダイヤモンド被
覆硬質材料の基材とする場合、硬質相中の金属部分にお
けるMoの割合が5〜95重量%であることが好ましく、ま
た結合相の割合は0.5〜60重量%であることが好まし
い。その理由は、上記Moの割合が5重量%未満ではMo2C
又は(MoW)2Cの生成が不十分であり、95重量%を越える
と基材の強度が不足するためである。また結合相につい
ては0.5重量%未満では基材としての抗折力が不十分と
なり、60重量%を越えると基材の強度が不足するためで
ある。
【0016】上記(MoW)2C又はMo2Cは通常は針状結晶と
して析出するが、その場合には硬度や靭性が低下する反
面、この針状結晶が基材表面においてダイヤモンド被覆
層内に侵入し、アンカーのごとく作用してダイヤモンド
被覆層の剥離を防止することが判明した。従って、ダイ
ヤモンド被覆層の基材としては、(MoW)2C又はMo2Cの少
なくとも一部が針状結晶であることが密着強度を高める
うえで好ましく、特にこの針状結晶のダイヤモンド被覆
層への侵入深さが0.3μm以上である場合に効果が大き
い。
【0017】尚、(MoW)2C又はMo2Cが針状結晶になると
粒状の場合に比べて基材として重要な靭性が低下するも
のの、両者の抗折力を比較した特公昭60−31896号公報
によれば針状結晶の場合の具体的数値は120〜175kg/mm
2であって、現在広く実用されているSi3N4やSiCに比べ
て相当高い値である。例えば、住友電気工業株式会社製
の高強度Si3N4焼結体であるNS130の抗折力は130kg/mm2
である。加えて、本発明の基材においては、針状結晶そ
のものを微細化したり或は粒状結晶と混在させるこいよ
って、更に高い抗折力を得ることも可能である。
【0018】以上説明したW−Mo基超硬合金は、通常のW
C系や、WC−TiC系、WC−TaC系等のW基超硬合金に1重量
%以上のMoを添加することにより、通常の粉末冶金法に
より製造できる。従って最終組成では、必要に応じて硬
質相中に周期律表の4A、5A、6A族元素の少なくと
も1種の元素(W及びMoを除く)の炭化物、窒化物又は
炭窒化物を含んでも良く、その含有量は硬質相の約30重
量%以下が好ましく、かかる組成であっても本発明の効
果は失われない。尚、(MoW)2C又はMo2Cが針状結晶とし
て生成するのが通常であるが、特公昭60−31896号公報
に記載されるごとく結合相中にFe、Be、Mg、Ca等の不純
物元素を添加することにより、粒状結晶として生成させ
ることも出来る。
【0019】又、製造したW−Mo基超硬合金の表面にお
ける結合相を内部よりも少なくすることにより、ダイヤ
モンド被覆層の形成初期におけるグラファイト生成を抑
制して密着強度を高めることが考えられるが、従来公知
の酸等によるエッチング処理では結合相の除去が極めて
表面のみに限られ効果が薄いこと、さりとて過度にエッ
チングすると硬質相の保持自体が困難になることが解っ
た。本発明方法では、焼結後若しくは研削加工後のW−M
o基超硬合金基材を真空中又は窒素やアルゴン等の不活
性ガス中において該超硬合金の焼結温度で熱処理するこ
とにより、結合相を減少させた表面改質相を生成させる
ことができ、密着強度に優れたダイヤモンド被覆層を形
成できた。
【0020】又、ダイヤモンド被覆層の形成初期にダイ
ヤモンド核の発生を促すために、W−Mo超硬合金基材の
表面を傷付け処理することが好ましいが、従来のダイヤ
モンド砥粒又は砥石による傷付け処理では表面の針状結
晶が欠損又は破壊されるので好ましくない。そこで本発
明方法においては、W−Mo超硬合金基材をダイヤモンド
砥粒と共に水、アルコール、アセトン等の溶媒中におい
て超音波振動させることにより、表面の針状結晶を壊す
ことなく、針状結晶の全体にダイヤモンド核を発生させ
ることができ、針状結晶がダイヤモンド被覆層に侵入し
た状態を作ることが可能となった。
【0021】ダイヤモンド被覆層はダイヤモンド又はダ
イヤモンド状炭素のいずれでも或はこれらの複合層でも
良いし、更にホウ素や窒素等を含んでも良く、その形成
方法はCVD法等の従来公知のいずれの方法も使用でき
る。又、ダイヤモンド被覆層の厚さに関しては、0.1μm
未満では耐摩耗性等の諸性能の向上が認められず、又20
0μmを越えても性能の向上がもはや認められないので、
0.1〜200μmの範囲が望ましい。
【0022】
【実施例】(Mo7W3)C粉末とCo粉末及びC粉末を用いて、
配合組成が(MoW)C−6wt%Co及び合金炭素量が反応率
(結合炭素量/理論炭素量)で100%になるように秤量
して配合し、有機溶剤中で湿式混合した後乾燥した。こ
の混合粉末を型押し成形し、真空中にて1450℃で焼結す
ることにより、内接円12.7mm、厚み3.18mm、コーナーR
0.8mm及び逃げ角20°のスローアウエイチップ形状のW−
Mo基超硬合金を得た。又、上記(Mo7W3)C粉末の代わり
に微量添加物としてFeを0.2wt%含む(Mo7W3)C粉末を用
い、配合組成が(MoW)C−12wt%Coとなるように配合した
以外上記と同様にしてW−Mo基超硬合金を作製した。
更に、Feを含まず配合組成が(MoW)C−2wt%TaC−1wt%T
iN−4wt%Coとなるように配合した以外上記と同様にし
てW−Mo基超硬合金を作製した。
【0023】上記のごとく複数作製したスローアウエイ
チップ形状の超硬合金ないし超硬合金から次の各基
材を準備した: 基材A…超硬合金のまま 基材B…超硬合金を再び真空中にて1450℃で熱処理し
たもの 基材C…超硬合金を5%硝酸を用いて室温で3分間エッ
チングしたもの 基材D…超硬合金のまま 基材E…超硬合金を再び真空中にて1450℃で熱処理し
たもの 基材F…超硬合金を5%硝酸を用いて室温で3分間エッ
チングしたもの 基材G…超硬合金のまま 基材H…超硬合金を再び真空中にて1450℃で熱処理し
たもの 基材I…超硬合金を5%硝酸を用いて室温で3分間エッ
チングしたもの
【0024】次に、上記各基材A〜Iを粒径8〜16μmの
ダイヤモンド砥粒2gと共にエチルアルコール中に投じ、
15分間の超音波振動を与えた。その後、各基材を2.45GH
zのμ波プラズマCVD装置に入れて900℃に加熱し、全
圧80torrとした水素−2%メタンの混合プラズマ中に4〜
10時間保持して層厚5〜12μmのダイヤモンド被覆層を形
成することにより、下記表1に示す本発明例のダイヤモ
ンド被覆切削チップ1〜12を作製した。
【0025】比較のため、上記と同一形状であって、組
成がWC−6wt%CoのWC基超硬合金からなる基材J、及び
組成がSi3N4−4wt%Al2O3−4wt%ZrO2−3wt%Y2O3のSi3
N4系焼結体からなる基材Kを準備し、上記と同一条件で
それぞれダイヤモンド被覆層を形成して、比較例のダイ
ヤモンド被覆切削チップ13〜15とした。尚、比較例
の基材JとKには、前記の熱処理又はエッチング処理並
びに超音波での傷付け処理は行わなかった。
【0026】
【表1】
【0027】得られた各チップの断面を電子顕微鏡によ
り観察すると、基材A〜C及びG〜Iでは(MoW)2Cの針
状結晶が存在し、基材D〜Fでは(MoW)2Cの粒状結晶が
存在した。特に基材BとHでは針状結晶がダイヤモンド
被覆層に0.3μm以上侵入していることが認められた。
又、基材B、C、E、F、H、Iでは表面のCo相が内部
に比べ少ないことが確認でき、特に基材B、E、Hでは
表面から深さ8μmまでCo相が減少していた。尚、各基材
A〜Kの表面に形成したダイヤモンド被覆層について
は、ラマン分光分析法によつてダイヤモンドの特徴であ
る1333cm-1のピークを確認した。
【0028】又、同様に得られた各ダイヤモンド被覆切
削チップ1〜15を用いて、下記する条件で断続切削試
験を行った: 被削材 :Al−18wt%Si合金(ブロック材) 切削速度:700m/min. 送 り :0.1mm/rev. 切り込み:1.0mm 切 削 油:水溶性エマルジョンタイプ
【0029】上記断続切削試験の結果、比較例のチップ
14及び15は切削初期に切れ刃に大きな欠損が発生し
たので試験を中止し、比較例のチップ13は4分後に逃
げ面摩耗幅が0.14mmとなり且つ被削材との溶着が激しく
なったので試験を中止した。これに対して本発明例のチ
ップ1〜12は4分後においても被覆層の剥離、切れ刃
の欠損、被削材との溶着がなく、摩耗量も少なかった。
そこで、本発明例のチップについては更に断続切削試験
を続け、15分後の逃げ面摩耗幅を測定し、切れ刃の状態
及び被削材との溶着状態を観察し、結果を下記表2に示
した。
【0030】
【表2】 チップ番号 基材 逃げ面摩耗幅(mm) 切れ刃等の状態 1 A 0.09 正常摩耗 2 A 0.07 正常摩耗 3 B 0.04 正常摩耗 4 B 0.03 正常摩耗 5 C 0.08 正常摩耗 6 C 0.06 正常摩耗 7 D 0.14 微小剥離あり 8 E 0.10 微小剥離あり 9 F 0.12 微小剥離あり 10 G 0.08 正常摩耗 11 H 0.03 正常摩耗 12 I 0.07 正常摩耗
【0031】上記試験結果から、本発明例のチップ1〜
12は比較例のSi3N4を基材とするチップ14、15に
比べて高い靭性を持ち、且つまた通常のW基超硬合金を
基材とするチップ13に比べてダイヤモンド被覆層の密
着強度に優れることが解る。更に本発明例のチップのな
かでは、基材中のMoとWの複合炭化物が粒状結晶より針
状結晶である場合、及び更にその表面の結合相を適切に
減少させた場合に、ダイヤモンド被覆層の密着強度が高
くなることが解る。又、硬質相中にTaCやTiN等の4A、
5A、6A族元素の炭化物、窒化物、炭窒化物を含む基
材を用いたチップ10〜12も、ダイヤモンド被覆層の
密着強度に対する効果は変わらないことが明らかであ
る。
【0032】参考のために、上記基材Aを10%硝酸を用
いて室温で20分間エッチングし、得られた基材表面に上
記と同様にして層厚8μmのダイヤモンド被覆層を形成し
たチップを用いて、上記と同じ条件で断続切削試験を行
ったところ、2分後の切れ刃観察において既にダイヤモ
ンド被覆層の大きな剥離が認められた。これは、過度の
エッチングにより硬質相が結合相で保持されなくなった
為と考えられる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、超硬合金の基材表面に
ダイヤモンド被覆層を有し、優れた密着強度と高い靭性
を備えたダイヤモンド被覆硬質材料を提供することが出
来る。このダイヤモンド被覆硬質材料は、スローアウエ
イチップの外、ドリル、マイクロドリル、エンドミル、
ルーター、リーマ等の各種切削工具、ボンディングツー
ル等の各種耐摩工具、研磨加工用の各種砥石、各種機械
部品その他として、幅広い分野に適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−94062(JP,A) 特開 平2−47264(JP,A) 特開 平2−138434(JP,A) 特公 昭61−20628(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/00 - 16/56 B23B 27/14 C22C 1/05 C22C 29/00 - 29/18 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タングステンとモリブデンの複合炭化物
    を主成分とし、結晶構造が(MoW)2Cの複合炭化物又はMo2
    Cの炭化物を含む硬質相と、該硬質相を結合しているコ
    バルト又はニッケルの結合相とからなるタングステン−
    モリブデン基超硬合金の基材の表面に、ダイヤモンド又
    はダイヤモンド状炭素からなるダイヤモンド被覆層を形
    成したことを特徴とするダイヤモンド被覆硬質材料。
  2. 【請求項2】 上記(MoW)2C又はMo2Cの少なくとも一部が
    針状結晶であることを特徴とする、請求項1記載のダイ
    ヤモンド被覆硬質材料。
  3. 【請求項3】 基材表面における前記複合炭化物の針状
    結晶がダイヤモンド被覆層中に0.3μm以上侵入している
    ことを特徴とする、請求項2記載のダイヤモンド被覆硬
    質材料。
  4. 【請求項4】 上記硬質相が、周期律表の4A、5A、
    6A族元素の少なくとも1種の元素(タングステン及び
    モリブデンを除く)の炭化物、窒化物又は炭窒化物を含
    むことを特徴とする、請求項1記載のタングステン被覆
    硬質材料。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のダイヤモンド被覆硬質材
    料を製造する方法において、前記超硬合金からなる基材
    を真空中又は不活性ガス中において該超硬合金の焼結温
    度で熱処理した後、ダイヤモンド被覆層を形成すること
    を特徴とするダイヤモンド被覆硬質材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のダイヤモンド被覆硬質材
    料を製造する方法において、前記超硬合金からなる基材
    をダイヤモンド砥粒と共に溶媒中において超音波振動さ
    せた後、ダイヤモンド被覆層を形成することを特徴とす
    るダイヤモンド被覆硬質材料の製造方法。
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