JP3690626B2 - ダイヤモンドコーティングドリルおよびエンドミル及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非鉄金属材料、電子材料、光学部品などの加工に用いられる工具、特に気相合成法による薄膜のダイヤモンドコーティング層を有する切削工具とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種加工に用いられる切削工具材料としては、硬度、熱伝導性外の特性により天然又は合成の単結晶乃至多結晶ダイヤモンドが優れたものとして知られている。又合成ダイヤモンドとしては、超高圧の焼結法による焼結ダイヤモンドと、低圧の気相合成法によるダイヤモンドコーティング層によるものとが実用されている。
【0003】
上記の各種のダイヤモンドは夫々に特徴を有するが、コストその他の面より、気相合成法によるダイヤモンドコーティング層によるものが最も好ましいとされながら、生成したダイヤモンドコーティング層の接着力や品質に不安定性があるなどの問題を残している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ダイヤモンドコーティング層の接着力を高めるための方法や、品質や層厚を高めるための方法は非常に沢山に提案されているが、未だ充分とは言えない状態である。
また層厚を薄くし、高品質で平滑な表面を有するダイヤモンドコーティング層を得るため、合成気体中に窒素を含有せしめることが特開平7−172988号公報によって提案されている。
【0005】
上記提案は、エアノズル、ウォーターノズルなどにおいて、層厚の薄い即ち微粒薄膜ダイヤモンドコーティング層が、素晴らしい効果を発揮すると言う、優れた提案であるが、未だ充分な実用の域に達していない模様である。
【0006】
切削加工分野では超硬合金の表面にダイヤモンド層を10〜30μm被覆し、切削工具として実用化されてきたが、薄膜のダイヤモンドコーティング法は実用化されていない。超硬合金工具は切削時に激しい熱衝撃が加わるため、超硬合金母材とコーティング層はかなり強固に接合していることが要求されている。
一般によく用いられるダイヤモンドコーティングの母材としては、Si結晶が用いられ、その膜厚を薄膜から厚膜まで自由に制御する技術はすでに公知のところであるが、超硬合金を母材とする工具のような、厳しい環境条件で用いられる工具におけるダイヤモンドコーティングについてはまだ検討が十分なされていない。とくに切削加工の分野においては、このような微粒薄膜コーティング層は実用されていない。これは所要のコーティング層の生成に困難性があると共に、コーティング層に適した切削工具形状などの問題の研究が不充分なためと思われる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような課題に着目し、試作研究を重ねた結果到達したもので、その特徴とするところを列記すれば次の通りである。
【0008】
切削加工におけるダイヤモンドコーティングの問題は種々検討、研究を重ねた結果、コート層の剥離、エッジ部欠けが問題となり、ダイヤモンド層の摩耗は特に大きな問題でないことを見いだした。
すなわち超硬合金の熱膨張係数とダイヤモンドの熱膨張係数の差を少なくし、かつ刃先にかかる圧縮応力の軽減などにより解決される。とくに刃先にかかる応力の低減ではコート層の厚みを薄くすることは超硬合金では非常に難しい。それは、超硬合金上では初期のダイヤモンド層はCoなどの金属の反応によりダイヤモンド層が炭素、あるいはアモルファスダイヤモンドに変化するため数μmのオーダーでは完全なダイヤモンド結晶にならない。これは図5に示したアモルファス層から図6に示す結晶化が進行し、20〜30μmを積むと図7の如く完全結晶となる。
【0009】
本発明の骨子は超硬合金上にて、3μm以下の薄膜ダイヤモンドコーティング層を形成させることに成功したものである。とくにスローアウェイチップ、ドリル、エンドミルなど工具刃先にかなりの熱応力がかかる切削工具での問題を解決したことを特徴とする。
【0010】
本発明の構成は超硬合金の熱膨張係数が5.0×10-6/℃以下であり、かつ主成分とするWCが90重量%以上である母材を用いることにより、切削加工時に発生するダイヤモンドコーティング層と超硬合金層の界面の応力を少なくさせたことにある。熱膨張係数が5.0×10-6/℃以上であれば、直ぐに膜剥離がおきるため、実用に適さなかった。また主成分とするWCが90重量%以下のときは微粒の薄膜コートが出来なかった。
該超硬合金の結晶粒は1μm以下が好ましい。また超硬合金の強度が200kg/mm2 以上が望ましい。これ以下の強度では信頼性にかける。
【0011】
次ぎの発明の要件はダイヤモンドコーティング層の結晶が粒径3μm以下であり、かつダイヤモンド相のラマン分光分析の結果によるダイヤモンド合成率(1333cm-1付近のダイヤモンドピークと1500cm-1〜1600cm-1の黒鉛構造の非晶質ピークの比率)が0.1以下であり、かつダイヤモンドコーティング層の表面粗さがRmax3μm以下であることを特徴とする。
ダイヤモンドコーティング層の結晶粒を3μm以下に制御すると、ダイヤモンドの膜強度が向上し、かつダイヤモンドコーティング層の表面粗度が良くなるため、ダイヤモンドコーティング層と被削材との間の摩擦係数が低減される。好ましくは、ダイヤモンドコーティング層の結晶粒径を1μm以下にすると、さらに耐剥離性が向上する。従って超微粒結晶の析出はさらに良い結果をだす。
【0012】
本発明の実施に当っては、超硬合金のWC結晶の粒径を細かく、望ましくは1μm以下の結晶で構成された超硬合金を用い、該WC結晶のエッジ部分に超微粒のダイヤモンド粒を種付けすることにより、微粒ダイヤモンドが析出されることを見いだした。
超硬合金をベースとするダイヤモンドコーティングにおいては、超硬合金のWC結晶のエッジ部分から微細なダイヤモンド結晶が析出することが明らかになった。
【0013】
またあらかじめ超微粒のダイヤモンド粒を種付けしておくと、該生成の初期から完全なダイヤモンドが合成されることを見いだした。すなわちコーティング初期から微粒でかつ完全結晶のダイヤモンド(図7)が生成されるので、薄膜で強度の強い気相合成ダイヤモンドが得られる。
【0014】
さらに超硬合金とダイヤモンドの界面の接着強度を向上させるためには、コーティング前処理としての熱処理即ち還元性雰囲気である水素、CH4 ,COなどのガス、あるいは還元雰囲気が形成される有機物などの溶液、固形物などの存在下で加熱されることが良い結果を得る。
【0015】
上記熱処理は、超硬合金基材表面の結合金属、特にCoの含有量を減少せしめる効果があり、その効果を上げるには処理雰囲気中に炭素元素を存在せしめておくことが好ましい。
【0016】
切削工具としては、工具の刃部のみが超硬合金で形成されているか、又は工具全体が一体の超硬合金で形成されている回転切削工具、旋削工具乃至はスローアウェイチップのようなその一部となるものである。
【0017】
スローアウェイ(TA)チップの場合、前記構成を具備した多角形の超硬合金薄板の少なくとも切刃面上に、前記構成を具備したダイヤモンドコーティング層を設ければ何のような形状でもよいが、その多角形状を次のような形に特定すれば、総型TAチップとして用いることが出来る。
【0018】
即ち多角形の少なくとも二つ以上の辺上に、各辺の一部を切欠いて、その切欠き縁により凹状の総型刃を形成する。この多角形を正方形、正三角形などの正多角形とし、切欠き縁を各辺の夫々対称位置に対称形状に形成すれば、更に効果的に使用することが出来る。
【0019】
上記のような形状を備えた総型TAチップの場合、切削条件によっては超硬合金並びにダイヤモンドコーティング層の構成は、必ずしも前記した要件を具備していなくても、使用可能と思われる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の具体的な実施状態を次の実施例の項で説明する。
【0021】
【実施例】
(実施例1)
図1(イ)及び(ロ)は工具全体が一体の超硬合金1よりなるエンドミルの実施例の正面図及び側面図で、工具長Aは45mm、刃径Bは5mmで、4枚刃の刃長Cは20mmである。なお超硬合金1の材質はJISK10(WC−6%Co)で、刃長C(切れ刃構成部)の部分は次の製造法により全面がハッチングで示すようにダイヤモンドコーティング層2の薄膜で被われている。この薄膜は刃先部分3(切れ刃)のみに設けてもよいが、製作上も使用上もむしろ刃長C全体に設けた方が有利なことが多いので、実施例はそれによった。
【0022】
WC層の結晶粒径が0.5μm、結合層のCo含有量が4重量%、熱膨張係数が4.5×10-6/℃の超硬合金基材に機械加工を施して、図1におけるダイヤモンドコーティング層2のないエンドミル基体を作成した。
この基体を本出願人が国際公開番号WO94/13852公報で示したような熱処理、即ち基体を熱フィラメントCVD装置に装入して、H2 −1%CH4 の雰囲気で基体温度約900℃、1時間程度以上保持した。
【0023】
この熱処理により、超硬合金表面上へのダイヤモンド結晶の析出がしやすくなり、接着力が向上するが、熱処理による析出物や煤が超硬合金表面上に残存する場合は、これを除去してWC結晶が該表面に良くでるようにしておく必要がある。
【0024】
上記析出物や煤の除去は、CVD装置内雰囲気をH2 に置換して加熱除去するか、又は同装置より取出して洗浄やエッチングを施すなどして行うことが出来る。何れにしても、次の超微粒ダイヤモンドの種付けや、CVD装置によるダイヤモンドコーティング層の生成には、除去された表面の表面粗さをRmax1μm程度以下としておくことが好ましく、本実施例においては加熱によって除去した。
【0025】
上記除去したエンドミル基体をよく洗浄して、切り刃形成面上に0〜1/8μm程度以下の超砥粒ダイヤモンドを分散種付けした。上記除去した切り刃形成面は、結合金属が少なく、硬質相粒子間の間隔が狭くて、微小な亀裂が生じており、手作業による分散種付けに好影響を与えているようであった。なおこの超微粒ダイヤモンドとして不純物を減少して親水性を高めたものを使用した超微粒ダイヤモンドコロイド溶液によれば、水中における均一な分散種付けが行なえることが、牧田寛氏(徳島大学・NEW DIAMOND.1996.Vol,12No.3)によって報じられており、これによることも可能と考えられる。
【0026】
上記熱処理並びに生成物を除去したエンドミル基材を、切れ刃側を上にして前記熱フィラメントCVD装置内に直立して装入し、下記条件で切れ刃部の全長にわたってダイヤモンドコーティング層を形成した。
【0027】
上記のように種付けしないで行なう従来の反応時間に比べ、1/2程度以下にしたことにより、ダイヤモンドの粒成長が抑制されて、粒径が1μm以下で厚みは5μmまでの、緻密な高品質の微粒ダイヤモンドコーティング層2を基材表面と強い接着力で得ることができた。
【0028】
このダイヤモンドコーティング層2をラマン分光分析により測定したところ、図7に示すような、1333cm-1付近のダイヤモンドピークのみでダイヤモンド相と同定することができた。またダイヤモンドコーティング層2の表面の粗さはRmax1μm以下であった。なお、上記ダイヤモンド相のダイヤモンド合成率(1333cm-1付近のダイヤモンドピークと1500〜1600cm-1の黒鉛構造の非晶質ピークの比率)は、0.1以下が必要である。
【0029】
このように、基材表面と強い接着力を持った緻密で高品質の薄膜によるダイヤモンドコーティング層によって構成された切れ刃によれば、例えば従来焼結ダイヤモンド切れ刃によって高Si−Al合金の切削を行なった場合、刃先のチッピングよりRmax1μmの切削面を得ることはできず、また従来の気相合成法によるダイヤモンドコーティング層においては、膜厚が10μm乃至30μm程度となり、鋭い刃先構成の形成は困難で、かつ熱歪による剥離を生じたが、これらの問題を一挙に解消することができる。
【0030】
図2の斜視図で示すように、上記ダイヤモンドコーティングエンドミル1′により、JIS記号ADC12のSi−11wt%、Cu−2.5wt%残AlよりなるAl合金ブロック4に切削加工を行って、同ドリルによるスパイラルコンプレッサーの溝加工(取代0.1mm)の疑似テストを行った。図中矢印は該エンドミル1′の回転方向並びに進行方向を示す。
【0031】
なお上記疑似テストの条件及び結果は図3及び図4に示す通りであるが、図中Adはアクシャルデプス、Rd=ラジアルデプスを示し、表中の黒丸は同形の超硬合金エンドミル、黒三角は同形の従来の標準ダイヤモンドコーティング(CVDによる柱状結晶などの15μm程度の膜厚)エンドミル、黒四角は上記実施例1のエンドミルによるものを示す。
【0032】
図3により了解できるように、実施例によるものは従来の超硬合金切れ刃によるものに比し、逃げ面摩耗幅が安定して遥かに少なく、又図4によって了解されるように、ワークの切削面の表面粗さは従来の超硬合金切れ刃は勿論、標準ダイヤモンドコーティングエンドミルよりも良好である。
【0033】
(実施例2)
図8(イ)及び(ロ)はダイヤモンドコーティングスローアウェイ(TA)チップの平面図及び側面図で、図9はその切れ刃先部3の展開図である。
当TAチップは、実施例1と同質の超硬合金基材を用いて図面通りに形成した超硬合金TAチップ5に、ダイヤモンドコーティング層2の形成下限ライン6即ち厚みDの略中間に当る点線より刃先側に実施例1と同様な方法により同様のダイヤモンドコーティング層2を形成した。
【0034】
このダイヤモンドコーティング層2の形成方法並びにその品質、厚み、表面粗さは、実施例1と同様にしたが、ダイヤモンドコーティング層2を設ける部分は、TAチップの殆ど全周面上でも、切れ刃先部3のみでもよい。
【0035】
当実施例の一辺の長さEは6mmで、厚みDは2.38mmである。各辺のすくい面の交わるコーナーには0.2mmのRを設け、各辺の中央には幅Fが2.3mm、深さGが0.5mm傾斜角Hが90°の凹状総形刃7を形成した。この凹状総形刃7の1番角Iは16°で、その幅Kは0.2mm、2番角Lは16°である。
【0036】
上記実施例TAチップをクランプ式バイトシャンクに取付けて総形切削試験を行ったところ、前記実施例1と同傾向の結果を得ることが出来た。
【0037】
これは従来の粗粒や柱状乃至ダイヤモンドライクカーボンの含まれた10μm乃至30μm程度の厚みによるダイヤモンドコーティング層によったエンドミル切れ刃先では、シャープな総形切削が困難であったものが、本5μm程度以下の高品質のダイヤモンドコーティング層によるシャープな切れ刃先により、これが可能となったものと思われる。因みに刃先部分3の拡大顕微鏡写真を図10に、同部分の逃げ面の拡大顕微鏡写真を図11により示す。
【0038】
(実施例3)
本実施例は図12に示すように実施例2の正方形に対し正三角形のTAチップ形状とし、凹状総形刃7も、中央部に設けず片寄った対称位置に設けた例である。一辺の長さEは16.5mm、厚みDは3.18mm、切れ刃の幅Fは2.3mm、傾斜角Hは90°、1番角Iは11°、2番角Lは20°である。この切削試験の結果も良好であった。
【0039】
このようにTAチップに凹状の総形刃を多角形の各辺に設けることにより、単一刃に比し、設けた刃数だけチップの寿命を倍増することができる。従って切削の品質と共に、その効率を飛躍的に向上させることができる。
なお実施例においては、正多角形の各辺の中央部又は対称位置に総形刃を設けるものについて示し、この形が製作上及び使用上最も効果的であるが、必要によっては辺のいくつかを残して、2辺以上に中央部や対称位置以外の位置に設けてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上各項において述べたように、本発明によればアルミニウム合金等の非鉄金属材料、電子材料、光学部品の精密で表面粗さの小さい切削が可能であり、寿命も長い。またTAチップとして用いる時は総形切削を極めて効率的に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)及び(ロ)は、実施例1のエンドミルの正面図及び側面図である。
【図2】実施例1のエンドミルによる疑似テストを行う方法を説明する斜視図である。
【図3】疑似テストの条件及びその結果を示す図表である。
【図4】図3と同様の図表である。
【図5】ダイヤモンド層のラマン分光分析結果を示す図表で、アモルファス層が現れている。
【図6】ダイヤモンド層のラマン分光分析結果を示す図表で、アモルファス層中にダイヤモンドの結晶化が進んでいることが現れている。
【図7】ダイヤモンド層のラマン分光分析結果を示す図表で、全面がダイヤモンド結晶のみであることが現れている。
【図8】(イ)及び(ロ)は実施例2のTAチップの平面図及び側面図である。
【図9】実施例2の刃先部を説明する展開図である。
【図10】実施例2の刃先部分の組織を示す拡大顕微鏡写真である。
【図11】図7の刃先部分の逃げ面の組織を示す拡大顕微鏡写真である。
【図12】実施例3のTAチップを示す(イ)正面図、(ロ)前面図、(ハ)一部側面図である。
【符号の説明】
1 一体の超硬合金
1′ ダイヤモンドコーティングエンドミル
2 ダイヤモンドコーティング層
3 刃先部分
4 Al合金ブロック
5 超硬合金TAチップ
6 ダイヤモンドコーティング層2の形成下限ライン
7 凹状総形刃
A 工具長
B 刃径
C 刃長
D TAチップの厚み
E TAチップの一辺の長さ
R コーナーのR
F 辺より切欠いた刃の幅
G 辺より切欠いた刃の長さ
H 辺に切欠いた刃の傾斜角
I 凹状総形刃の1番角
K Iの幅
L 凹状総形刃の2番角
Ad アクシャルデプス
Rd ラジアルデプス
Claims (4)
- 刃部を形成する工具の一部のみが超硬合金で構成されているか、又は工具全体が一体の超硬合金で構成されている工具において、切れ刃が、超硬合金基材の所要表面上に気相合成法によって生成されたダイヤモンドコーティング層によって形成され、かつ該超硬合金基材並びに、ダイヤモンドコーティング層は下記A、B及びCの総べてを具備していることを特徴とするダイヤモンドコーティングドリルおよびエンドミル。
A.超硬合金基材は熱膨張係数が5.0×10-6/℃以下であり、かつ主成分とするWCを90重量%以上含有している。
B.ダイヤモンドコーティング層は、ダイヤモンド相の結晶の粒径が3μm以下であり、かつラマン分光分析の結果によるダイヤモンド合成率(1333cm-1付近のダイヤモンドピークと1500cm-1〜1600cm-1の黒鉛構造の非晶質ピークの比率)が、0.1以下である。
C.ダイヤモンドコーティング層の表面粗さは、Rmax3μm以下であり、ダイヤモンドコーティング層の厚みは5μm以下である。 - 超硬合金素材は、WC層の結晶粒径が1μm以下で、抗折力強度が200kg/mm2以上であることを特徴とする請求項1記載のダイヤモンドコーティングドリルおよびエンドミル。
- 全体が一体の超硬合金で形成された工具がエンドミル又はドリルであり、該エンドミル又はドリルのダイヤモンドコーティング層は下記A又はBの何れかに形成されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のダイヤモンドコーティングドリルおよびエンドミル。
A.切れ刃構成部全体にのみダイヤモンドコーティング層が形成されている。
B.切れ刃構成部中の切れ刃のみにダイヤモンドコーティング層が形成されている。 - 超硬合金基材を炭素、水素などの還元性雰囲気中で熱処理する工程と、該基材のダイヤモンドコーティング層を形成すべき部分に超微粒ダイヤモンドを種付けする工程を経た超硬合金基材を、気相合成装置に挿入し、上記種付け周面上にダイヤモンド結晶の結晶粒径が3μm以下で、層厚が5μm以下のダイヤモンドコーティング層を形成することを特徴とするダイヤモンドコーティングドリルおよびエンドミルの製造方法。
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