JP3066603B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な記録装置に関し、詳しくは、表面が特
定性状を示す記録体のその表面に、選択的に又は選択的
かつ可逆的に、加熱温度に応じた後退接触角を示す領域
を形成し、この領域に顕色材を含有する記録剤を供給し
て顕像化するようにした記録装置に関する。
〔従来の技術〕
表面を液体付着性領域と非液体付着性領域とに区分け
して画像形成に供するようにした手段の代表的なものと
しては水(湿し水)なし平版印刷版を用いたオフセット
印刷方式があげられる。だが、このオフセット印刷方式
は原版からの製版工程及び刷版(印刷版)からの印刷工
程を一つの装置内に組込むことが困難であり、製版印刷
の装置の小型化は勢い困難なものとなっている。
例えば、比較的小型化されている事務用オフセット製
版印刷機においても、製版装置と印刷装置とは別個にな
っているのが普通である。
このようなオフセット印刷方式の欠陥を解消すること
を意図して、画像情報に応じた液体付着性領域及び非液
体付着性領域が形成でき、しかも、繰返し使用が可能な
(可逆性を有する)記録方法ないし装置が提案されるよ
うになってきている。その幾つかをあげれば次のとおり
である。
(1)水性現像方式 疎水性の光導電体層に外部より電荷を与えた後、露光
して光導電体層表面に疎水性部及び親水性部を有するパ
ターンを形成し、親水性部のみに水性現像剤を付着させ
て紙などに転写する(特公昭40−18992号、特公昭40−1
8993号、特公昭44−9512号、特開昭63−264392号などの
公報)。
(2)フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方
式 スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫
外線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミ
ック化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37
巻4号、287頁(1980)〕。
(3)内部偏倚力の作用を利用した方式 不定形状態と結晶性状態とを物理的変化により形成
し、液体インクの付着・非付着領域を構成する(特公昭
54−41902号公報)。
前記(1)の方式によれば、水性インクを紙などに転
写した後、除電により親水性部は消去され、別の画像情
報の記録が可能となる。即ち、一つの原版(光導電体)
で繰り返し使用が可能となる。だが、この方式は電子写
真プロセスを基本としているため帯電→露光→現像→転
写→除電という長いプロセスを必要とし、装置の小型化
やコストの低減、メンテナンスフリー化が困難であると
いった欠点をもっている。
前記(2)の方式によれば、紫外線と可視光との照射
を選択的にかえることによって親水性、疎水性を自由か
つ可逆的に制御できるものの、量子効率が悪いため反応
時間が非常に長くて記録速度が遅く、また安定性に欠け
るといった欠点をもっており、いまだ実用レベルには達
していないのが実情である。
更に、前記(3)の方式によれば、そこで使用される
情報記録部材は、記録後のものでは安定性があるが、記
録前のものでは温度変化により物理的構造変化が生じる
おそれがあることから保存性に問題が残されている。こ
れに加えて、記録された情報パターンの消去には熱パル
スを与え、次いで急冷する手段が採用されることから、
繰り返しの画像形成は繁雑さをまねがれ得ないといった
不都合がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、加熱状態でかつ液体と接触させた場
合に後退接触角が低くなる表面を有する部材(記録体
(A))のその表面に、容易な手段で選択的に又は選択
的かつ可逆的に、所望パターン領域が形成できる装置を
提供するものである。
本発明の他の目的は、前記パターン領域に顕色材を含
有した記録剤(例えば液体インク)を供給すれば当初か
ら良好な可視画像が得られ、この可視画像を普通紙など
に転写し固定して、階調性のある鮮明な画像が得られる
ようにした装置を提供するものである。
本発明の更に他の目的は、所望パターン領域の形成・
消去、顕像化、転写等すべての工程において、保存性並
びに安定性にすぐれた記録体(A)が使用されることに
よって、可逆的に複数回の前記工程が行ないうる新規な
記録装置を提供するものである。
本発明のまた他の目的は、記録体(A)表面を常時良
好な状態に維持しておくことによって、多数枚の複写に
おいても良質の記録物が得られるようにした装置を提供
するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明装置は、下記記録体(A)の表面を下記接触材
料(B)と接触させた状態で選択的に加熱させることに
より又は記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態で
接触材料(B)と接触させることにより記録体(A)の
表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す潜像領域を形
成せしめる接触材料(B)を記録体(A)表面に供給す
る手段と、潜像形成のために記録体(A)表面を加熱す
る手段と、顕色剤を含有する記録剤を該潜像領域に付与
し顕像化させる記録剤付与手段と、記録体(A)表面に
付着された記録剤を記録紙に転写する手段とを少なくと
も具備してなり、更に記録体(A)表面を清浄するため
のクリーニング手段、及び記録紙への転写後に液体又は
蒸気又は加熱により液体となる固体の不存在下で加熱す
ることにより潜像を消去する手段を設けたことを特徴と
する。
(A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触
角が低下する表面を有する記録体。
(B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の
低下開始温度以下で液体となるか液体もしくは蒸気を発
生する固体。
本記録装置は、可逆的に画像形成をなし得るものであ
る。
本発明者らは、従来技術に記述したごとき欠陥を解消
し、新規な記録方式について多くの研究・検討を行なっ
た。その結果、液体に接した状態で加熱され冷却後後退
接触角が低くなり、かつ、液体不存在下の加熱により後
退接触角が高くなるという機能を表面に有する部材が記
録体として有用であることを見いだした。そして、この
ような機能を有する記録体(A)はその表面が(1)疎
水基の表面自己配向機能をもつ有機化合物を含む部材、
又は(2)疎水基をもつ有機化合物であって疎水基を表
面に配向した部材であることも併せて確めた。
(1)にいう“表面自己配向機能”とは、ある化合物
を支持体上に形成した固体又はある化合物自体による固
体を空気中で加熱すると、表面において疎水基が空気側
(自由表面側)に向いて配向する性質があることを意味
する。このことは、(2)においても同様にいえること
である。一般に、有機化合物では疎水基は疎水性雰囲気
側へ向きやすい現象をもっている。これは、固−気界面
の界面エネルギーが低くなる方に向うために生じる現象
である。また、この現象は疎水基の分子長が長くなるほ
どその傾向がみられるが、これは分子長が長くなるほど
加熱における分子の運動性が上がるためである。
更に具体的には、末端に疎水基を有する(即ち表面エ
ネルギーを低くする)分子であると、空気側(自由表面
側)を向いて表面配向しやすい。同様にCH2を含む
直鎖状分子ではCH2CH2の部分が平面構造をしてお
り、分子鎖どうしが配向しやすい。また、 を含む分子も の部分が平面構造をしており、分子鎖どうしが配向しや
すい。殊に、フッ素などの電気陰性度の高い元素を含む
直鎖状分子は自己凝集性が高く、分子鎖どうしが配向し
やすい。
これらの検討結果をまとめると、より好ましくは、自
己凝集性の高い分子を含んだり平面構造をもつ分子を含
み、かつ、末端に疎水基を有する直鎖状分子、或いは、
そうした直鎖状分子を含む化合物は表面自己配向機能が
高い化合物といえる。
これまでの記述から明らかなように、表面自己配向状
態と後退接触角とは関連があり、また、後退接触角と液
体付着性との間にも関係がある。即ち、固体表面での液
体の付着は、液体の固体表面での主にタッキングによっ
て生じる。このタッキングはいわば液体が固体表面を滑
べる時の一種の摩擦力とみなすことができる。従って、
本発明でいう“後退接触角”θrは、前記摩擦力をγ
とすると、 (但し、γ :真空中の固体の表面張力 γsl:固−液界面張力 γlV:液体がその飽和蒸気と接しているときの
表面張力 πe :平衡表面張力 γf :摩擦張力 γs :吸着層のない固体の表面張力である) の関係式が成立つ(斉藤、北崎ら「日本接着協会誌」Vo
l.22、No.12,1986)。
従って、θrの値が低くなるときγ値は大きくな
る。即ち、液体は固体面を滑べりにくくなり、その結
果、液体は固体面に付着するようになる。
これら相互の関連から推察しうるように、液体付着性
は後退接触角θrがどの程度であるかに左右され、その
後退接触角θrは表面自己配向機能を表面に有する部材
の如何により定められる。それ故、本発明方法において
は、記録体(A)はその表面に所望パターン領域の形成
及び/又は記録剤による顕像化の必要から、必然的に、
表面自己配向機能を表面に有する部材が選択されねばな
らばい。
本発明方法で用いられる記録体(A)は、既述のとお
り、「加熱状態でかつ液体と接触された場合に後退接触
角θrが低下する表面」を有するものである。
記録体(A)はその表面が上記のような性状を有して
さえいれば、形状等は任意である。従って、記録体
(A)はフィルム状であっても、適当な支持体や成形体
上に表面が上記のような性状を有する別の塗工膜などが
設けられていてもかまわない。成形体自体であってもか
まわないが、その表面は上記のような性状を有している
ことが必要である。
この記録体(A)は、接触材料(B)の種類によって
は潜像領域における液体付着性部分が親油性又は親水性
のいずれかになり、従って、複写物を得る際には油性イ
ンク、水性インクのいずれも必要に応じて使いわけられ
る。
ここで、“加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後
退接触角θrが低下する表面を形成する”部材ないし材
料を幾つかに分類した例を第1図に示す。第1図(a)
は自己配向機能を有する化合物の例で、高分子重合体の
側鎖に疎水基を有する化合物であり、主鎖Lと疎水基R
とは結合基Jにて結合している。
第1図(b)は、疎水基を有する有機化合物において
その疎水基を表面に配向した部材の例で、有機又は無機
材料Mの表面に、物理的又は化学的結合により、前記疎
水基を有する化合物Oを形成した部材である。
第1図(c)は、第1図(b)であげた疎水基を有す
る有機化合物Oのみからなる部材の例である。
第1図(d)は、直鎖状分子が高分子の側鎖にある例
で、主鎖Lと前記分子を結合基Jによりつなぎ、末端に
疎水基Rをもつ自己凝集性又は平面構造を有する分子鎖
Nが中間にある化合物である。
なお、第1図(a)(d)の例においては、高分子化
合物の主鎖Lは直線状でも網かけ構造でもよい。第1図
(b)の例においては、累積LB膜のように、疎水基含有
化合物Oの上にさらに疎水基含有化合物Oが積層されて
いてもよい。第1図(c)の例においては、主鎖(L)
をもつことなく又は有機・無機材料(M)などに結合す
ることなく、疎水基含有化合物Oのみによる構造であ
る。
前記の疎水基としては、分子の末端が好ましくは−CH
3や−CF3、−CF2H、−CFH2、−C(CF3、−C(C
H3などによっており、より好ましくは、分子運動性
が高い点で分子長の長いものが有利である。中でも、前
記疎水基としては、−F及び/又は−Clが1つ以上ある
置換アルキル基( のようなものでもよい)或いは無置換のアルキル基であ
って、炭素数4以上のものが望ましい。フッ素置換、塩
素置換のいずれのものも用いうるが、フッ素置換のもの
の方が効果的である。これらの材料においては、アルキ
ル基炭素数と機能との関係では、炭素数が3以下である
と、記録方法に適する機能が低くなってしまう。
この機能発現の原理はいまだ完全に明らかにされた訳
ではなく、従って、不明な点が多いが、以下のことが推
定される。
まず、上記化合物により形成された記録体(A)の表
面は、前記疎水基がかなり配向した表面となっているこ
とが考えられる。従って、この表面は液体反撥性を有す
る(疎水基は表面エネルギーが小さいため)。この状態
で、記録体(A)の表面が接触材料(B)に接して加熱
を受けると、加熱による疎水基の分子運動が活発とな
り、かつ、接触材料(B)との相互作用を受けて、記録
体(A)の表面の少なくとも一部の配向(整列)状態が
別の状態(即ち、別の配向状態又は配向が乱れた状態)
にかわり、冷却後もその別の状態を維持するためと思わ
れる。なお、記録体(A)の表面に接触材料(B)が接
した状態のもとで加熱することは、接触材料(B)の形
態如何により、記録体(A)の表面が加熱された状態の
もとに液体を接触させることになる。
この加熱前は、疎水基が表面に整列(配向)している
ため、記録体(A)の表面の表面エネルギーは極めて少
ない。
ところが、前記の接触材料(B)が接した状態のもと
での加熱により、配向状態は乱れて表面エネルギーが高
まる。後退接触角θrは、液体の種類にかからわず、固
体と液体との表面エネルギーのバランスで決定される。
このため、固体の表面エネルギーが高まれば、液体の種
類にかかわらず、後退接触角θrは低くなる。従って、
液体に対する付着性は増大することになる。
更に、記録体(A)の表面が別の状態(元の配向状態
とは異なる「別の配向状態」又は「配向が乱れた状
態」)で接触材料(B)の不存在下に加熱を受けると、
接触材料(B)との相互作用が生じないため、元の整列
(配向)状態にもどると思われる。
従って、接触材料(B)の存在は単なる記録体(A)
の表面を加熱後の急冷を行なうためのものではなく、記
録体(A)の表面の化合物との何らかの相互作用をおこ
すものであり、この相互作用があって、はじめて別の状
態(別の配向状態又は配向が乱れた状態)への変化がお
こると思われる。
前記のとおり、記録体(A)の表面を形成する部材
(化合物)の疎水基として、アルキル基又はフッ素ある
いは塩素置換のアルキル基が採用された場合には、アル
キル基の炭素数が4以上であるのが望ましいのは、元
素、記録体(A)の表面にアルキル基がある程度整列
(配向)し、しかも加熱時に活発な分子運動をするのに
必要な数なのだと思われる。また、接触材料(B)が記
録体(A)の表面とともに加熱を受けた時、記録体
(A)表面の分子中に接触材料(B)の分子がとりこま
れることも考えられる。さらに、アルキル基中に電気陰
性度の高いフッ素や塩素があると、液体、特に極性液体
との相互作用が大きくなるため、水素のみのアルキル基
を含有する化合物よりも大きな付着性変化が得られる。
また、フッ素を含有するアルキル基は、自己凝集性が強
いため、表面自己配向機能が高く、更に、表面エネルギ
ーが低いため、地肌よごれ防止の点ですぐれている。
更にまた、記録体(A)の表面は液体反撥性を有する
が、これを固体の表面エネルギーで記述すると、本発明
者らの検討では、50dyn/cm以下であることが記録装置と
して望ましいことがわかった。これ以上の高い値では記
録剤に対して記録体(A)の表面が、時として、ぬれて
しまい、地肌よごれをおこすおそれがある。
ここで、記録体(A)の表面を形成する化合物の詳細
を述べる。まず、第1図(a)及び(d)のタイプにつ
いてビニル系高分子側鎖にアルキル基(フッ素及び/又
は塩素置換のものも含む)を有する化合物などが考えら
れる。具体的には、式(I)(II)(III)(IV)
(V)(VI)及び(VII) R:−H、−CH3,−C2H5,−CF3又は−C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又はフッ素若しくは塩素置換
アルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中にCF2
、CH2 又は をもつ疎水基(l≧4) n′:1以上の整数 をモノマーとした重合体があげられる。
その他のポリマーとしては、式(VIII)(IX)及び
(X)に示したごときものがあげられる。
R:−H、−CH3、−C2H5、−CF3又は−C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又はフッ素もしくは塩素置換
アルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中にCF2
、CH2 又は を含む疎水基(l≧4) n:10以上の整数 これら具体例でRfをより詳しくいえば下記(1)から
(20)までのものを例示することができる。
(1)−CH2CF2CHFCF3 (6)−CH2(CF210H (7)CF2 6O−CF2CF3 (8)CH2 4NH−CF2CF3 (9)CF2 6CF3 (10)CH210C8F17 (13)−CH2NHSO2C8F17 (15)c・s−CH2CH2−(CF36CF(CF3 (16)−CH2CF2CF2CF3 (17)−CH2CH2CH2CH2F (18)−CH2(CF26CF3 (19)−CH2(CF25CF3 (20)CH23CF3 これらの化合物のうちでも、特に、下記(XI)の材料 〔但し、R1:水素、−CnH2n+1又は−CnF2n+1(n=1又
は2以上の整数) R2:CH2 (p≧1の整数)又はCH2 qN
(R3)SO2−(R3は−CH3又は−C2H5、q≧1の整数) m:6以上の整数 である。〕 従って、本発明における記録体(A)表面の部材の最
も好ましい具体的化合物としては などが挙げられる。
さらに、これら式(I)(II)(III)(IV)(V)
(VI)(VII)及び(XI)のモノマーどうし(2種以上
のモノマーの共重合体)の他に、他のモノマー例えばエ
チレン、塩化ビニル、スチレン、ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレン、ビニルアルキルエーテル、酢酸ビニ
ル、ビニルアルコールなどとの共重合体も上記化合物と
して適する。
また、式(XI)のモノマーと官能基を有する重合性モ
ノマー例えば CH2=C(CH3)COO(CH22OH CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH3 CH2=CHCOOCH2CH(OH)C8F17 などの1種以上とで共重合物をつくり重合物中に官能基
を多数導入するか、式(XI)のモノマーと官能基を有す
る重合性モノマーとの共重合物をつくり、続いて、官能
基を多数含んだ共重合物どうしを架橋試薬をもちいて架
橋することにより製造した架橋性重合体も材料としてす
ぐれている。架橋試薬としては、ホルムアルデヒド、ジ
アルデヒド、N−メチロール化合物、ジカルボン酸、ジ
カルボン酸クロライド、ビスハロゲン化合物、ビスエポ
キシド、ビスアジリジン、ジイソシアネートなどがあげ
られる。このようにして得られた架橋重合物の一例を下
記に示す。
上記の式において、Aブロックは前記の熱的性質の変
化をもたらすアルキル基であり、一方、Bブロックは鎖
状ポリマーどうしを架橋している(架橋試薬としてジイ
ソシアネートを用いて架橋したもの)部位である。
架橋体による膜を得るには、前記の共重合物と架橋試
薬とを混合した溶液をコート液として基板上に塗布し、
加熱又は電子線照射や光照射により架橋重合膜を得るよ
うにすればよい。
なお、上記モノマーから重合体を得るには、溶液重
合、電解重合、乳化重合、光重合、放射線重合、プラズ
マ重合、グラフト重合、プラズマ開始重合、蒸着重合な
ど、材料により適当な方法が選択される。
次に、第1図(b)に示した化合物について述べる。
ここでは、式(XII)、(XIII)及び(XIV)に示す材料 R−COOH …(XII) R−OH …(XIII) RCH2 nSiX …(XIV) (R:炭素数4以上のアルキル基又はフッ素又は塩基置
換のアルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中に
CF2 、CH2 又は を含む疎水基(l≧4)) n:1以上の整数 X:塩素、メトキシ基又はエトキシ基) 等をガラス、金、銅などの無機材料やポリイミド、ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレートなどの有機材料
表面に物理吸着又は化学結合した材料(表面エネルギー
が約50dyn/cm以下であるのが好ましい)であることが望
ましい。
式(XII)(XIII)及び(XIV)の具体例として CF3CF2 5COOH, CF3CF2 7COOH, CF3CF2 (CH2 2OH, HCF2 10COOH, HCF2 10CH2OH, FCF2 6CH2CH2−Si(CH32Cl, CF2Cl(CF3)CF(CF25COOH, CF3(CF2(CH22SiCl3 などがあげられる。
第1図(c)に示す化合物としては式(XII)、式(X
III)や式(XIV)の材料のみの構造体があげられる。
続いて、上記化合物を用いた記録体(A)について述
べる。
記録体(A)の構成としては、前記の表面部材その
もので形成したもの、支持体(好ましくは耐熱性支持
体)上に前記の表面部材を形成したもの、とに大別され
る。の態様は上記化合物(表面部材)そのものをフィ
ルム状あるいは板状、あるいは、円柱状に成形したもの
である。この際、フィルム状の場合は、フィルムの厚さ
は1μm〜5mmが望ましい。
の態様においては、上記化合物がある程度支持体内
部へ侵入していてもかまわない。記録体(A)自体の膜
厚は30Å〜1mmが望ましい。ただし、熱伝導性の点では1
00Å〜10μm、耐摩耗性の点では10μm〜1mmがすぐれ
ている。支持体の耐熱温度としては、50℃〜300℃が望
ましい。
支持体の形状は、ベルト状、板状、ドラム状いずれで
もよく、装置の使用用途に応じて選定する。特に、ドラ
ム状は装置における寸法精度を出せる点ですぐれてい
る。板状のものは、記録紙サイズに応じてその大きさを
決めればよい。
さらに、上記化合物(記録体(A)の表面形成材料)
と他の部材、例えば疎水性ポリマー、疎水性無機材料と
の混合物を支持体上に形成すると、印字における地肌よ
ごれ防止の点ですぐれている。また、熱伝導性を上げる
ためには、金属粉を上記化合物に混入するとよい。更
に、支持体と上記化合物との密着性を向上するためにプ
ライマー層を支持体と化合物間にもうけることもでき
る。耐熱性支持体としては、ポリイミド、ポリエステル
などの樹脂フィルムやガラスやNi、Al、Cu、Cr、Ptなど
の金属や金属酸化物等が好ましい。これら支持体は平滑
でも粗面や多孔質であってもよい。
なお、上記化合物(記録体(A)の表面形成材料)に
よる塗工膜は0.01〜100μm、好ましくは1〜10μmで
ある。
次に、接触材料(B)について説明する。
接触材料(B)は、先に記載したとおりであるが、端
的にいえば、当初から液体あるいは蒸気であるか、又
は、記録体(A)にいう後退接触角θrの低下開始温度
以下で結果的に液体を生じさせる固体である。ここでの
蒸気は、記録体(A)の表面又は表面近傍で、少なくと
もその一部が凝縮して液体を生ぜしめ、その液体が記録
体(A)の表面を濡らすことができるものであれば充分
である。一方、ここでの固体は、前記後退接触角θrの
低下開始温度以下で液体となるか、液体を発生させる
か、又は、蒸気を発生させるものである。固体から発生
された蒸気は記録体(A)の表面又はその近傍で凝縮し
て液体を生じさせることは前記の場合と同様である。
これら接触材料(B)をより具体的にいえば次のとお
りである。
即ち、接触材料(B)の一つである液体としては、水
の他に、電解質を含む水溶液、エタノール、n−ブタノ
ール等のアルコール、グリセリン、エチレングリコール
等の多価アルコール、メチルエチルケトン等のケトン類
のごとき有極性液体や、n−ノナン、n−オクタン等の
直鎖状炭化水素、シクロへキサン等の環式状炭化水素、
m−キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素のごとき無
極性液体があげられる。また、これらの混合体でもよい
し、各種分散液や液状インクも使用できる。さらに望ま
しくは極性液体の方がよりすぐれている。
接触材料(B)の他の一つである蒸気としては水蒸気
の外に、接触材料(B)の液体の蒸発であれば使用でき
るが、特にエタノール蒸気やm−キシレン蒸気などの有
機化合物の蒸気(噴霧状態のものを含む)があげられ
る。この有機化合物蒸気の温度は記録体(A)の表面を
形成する化合物の融点或いは軟化点以下である必要があ
る。
接触材料(B)の他のもう一つである固体としては、
高級脂肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲル(ポリ
アクリルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲル)、シ
リカゲル、結晶水を含んだ化合物などがあげられる。
なお、後述するところからより明らかになるが、接触
材料(B)として、前記液状インクのごとき“顕色剤を
含有した記録剤”を用いた場合には、潜像形成と同時に
顕像化が行なわれることになる。
続いて、加熱手段(潜像形成手段)について説明す
る。
加熱手段としてはヒーター、サーマルヘッドなどによ
る接触加熱の他に、電磁波(レーザー光源、赤外線ラン
プなどの発光源からの光線をレンズで集光する)による
非接触加熱がある。また、電子線照射及び光(UV光)照
射によった場合にも実質的に加熱がなされていれば所期
の目的を達成するすることができる。
第2図(a)は基板1上に記録体(A)の表面を構成
する前記化合物の膜2が形成され、この膜面に接触材料
(B)のうちの例えば液体3が存在している状態を示し
ている。この状態において、膜2を加熱すると、膜2表
面は後退接触角θrが低下して著しい濡れを示し、液体
付着性を有してしまうのが認められる。更に、この液体
付着性を有する膜2を空気中、真空中又は不活性ガス雰
囲気中で再び加熱する(第2図(b))と膜2表面は後
退接触角θrが高まってゆき再び液体反撥性を示すのが
認められる。
このような現象と幾分類似した現象を示すものとし
て、先にあげた特公昭54−41902号公報に記載された方
法がある。だが、ここに開示されている方法では記録材
料に実質的にディスオーダーでかつ一般的に不定形のメ
モリ物質の層を得るようにしている点でメカニズム上大
きく相違したものとなっている。すなわち、本発明で
は、接触材料(B)の存在なしでは、記録体(A)表面
には状態変化がおこりえない。また、特公昭54−41902
号公報に記載された方法では、簡単な操作で可逆性を得
ることはできない。
第3図(a)のごとく、画像情報に応じて液体3の接
触下で膜2に熱を加える(第3図(b−1)のように、
液体不存在のものに膜2に画像情報に応じて熱を加えた
状態のもとで液体と接触させても同様である)と、加熱
部分の膜2の表面が液体付着性化される。図中、4はヒ
ーター、31は液体供給口、41は赤外線ランプ、5はレン
ズ、6はシャッターを表わしている。
第3図(a)は膜2の加熱は基板1を通して行なって
いる例であるが、第3図(b−2)に示した例は、液体
3を通して加熱がなされている例である。
この膜2の水溶液接触下での加熱前後の水溶液の接触
角の変動、及び、このものを更に空気中で加熱した場合
の水溶液の接触角の変動の一例を第4図に示した。第4
図において、○は前進接触角、△は後退接角を表わして
いる。
一般に、後退接触角が90゜以上の高い値の場合、その
表面は液体反撥性を示し、90゜以下の低い値の場合、そ
の表面は液体付着性を示す。
接触材料(B)に接した状態での記録体(A)表面の
加熱温度としては、50℃〜250℃の範囲が望ましく、さ
らに望ましくは80℃〜150℃である。加熱時間は、0.1m
秒〜1秒程度で望ましくは、0.5m秒〜2m秒である。加熱
のタイミングとしては、潜像形成であれば、記録体
(A)表面を加熱した後、冷めないうちに接触材料
(B)に接触させる。記録体(A)表面に接触材料
(B)を接触させた状態のもとに記録体(A)表面を加
熱させる、のいずれかでもよい。
続いて、記録体(A)表面に実際に画像情報の記録を
行なう手段についてより詳細に説明する。
一つは、液体又は蒸気雰囲気下で画像信号に応じて記
録体(A)の表面を加熱し、記録体(A)の表面に液体
付着領域を形成(潜像形成)し、その後、この潜像部に
記録剤を接触させる手段により潜像部に記録剤を付着さ
せ(現像)、この後、記録紙に記録体(A)表面の記録
剤を転写する方法である(間接記録方法)。さらに、上
記の方法において、記録剤を転写後、再び潜像部に記録
剤を接触させる手段を行えば、記録体(A)を印刷版と
して用いた印刷方法となる。また、上記の方法におい
て、記録剤を転写後、液体又は蒸気の不存在下で潜像を
形成した記録体(A)の表面を加熱し潜像を消去するこ
とにより、記録体(A)が再生可能な記録方法(繰り返
し記録法)となる。第5図(a),(b)に間接記録方
法(印刷法)、記録体の可逆的な記録方法(繰り返し記
録方法)の代表的なプロセスを示す。
次に記録剤について述べる。
本発明の記録装置において記録体(A)表面上に可視
画像を得るには、記録剤として筆記用インク、インクジ
エット用インク、印刷インク、電子写真用トナー等の従
来の印字記録方法に用いられてきた記録剤の中から、本
発明装置に応用されるプロセスに適合するものを選択し
使用することができる。
より具体的な例を挙げると、例えば水性インクとして
は、水、湿潤剤、染料を主体とする水溶性インク又は
水、顔料、分散用高分子化合物、湿潤剤を主体とした水
性顔料分散インク、顔料又は染料を界面活性剤を用いて
水に分散せしめたエマルジョン・インク等が用いられ
る。水性インクに用いられる湿潤剤としては、次のよう
な水溶性の有機液体化合物が挙げられる。
エタノール、メタノール、プロパノール等の一価アル
コール類;エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコー
ル類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多
価アルコールのエーテル類;N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラク
タム等の複素環式化合物;モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類
等。
水溶性染料としては、カラー・インデックスにおいて
酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料、食用染
料に分類される染料が用いられる。代表的な染料の例と
しては、 C.I.アシッド・イエロー17,23,42,44,79,142 C.I.アシッド・レッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,
52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,
289 C.I.アシッド・ブルー9,29,45,92,249,890 C.I.アシッド・ブラック1,2,7,24,26,94 C.I.フード・イエロー3,4 C.I.フード・レッド7,9,14 C.I.フード・ブラック2 C.I.ダイレクト・イエロー1,12,24,26,33,44,50,142,
144,865 C.I.ダイレクト・レッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,8
0,81,83,89,225,227 C.I.ダイレクト・オレンジ26,29,62,102 C.I.ダイレクト・ブルー1,2,6,15,22,25,71,76,79,8
6,87,90,98,163,165,202 C.I.ダイレクト・ブラック19,22,32,38,51,56,71,74,
75,77,154,168 C.I.ベーシック・イエロー1,2,11,13,14,15,19,21,2
3,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,65,67,70,
73,77,87,91 C.I.ベーシック・レッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,
27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,7
8,82,102,104,109,112 C.I.ベーシック・ブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,4
5,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,1
20,122,124,129,137,141,147,155 ベーシック・ブラック2,8 等を挙げることができる。
顔料としては、有機顔料としてアゾ系、フタロシアニ
ン系、アンスラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジ
ン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリ
レン系、イソインドレノン系、アニリン・ブラック、ア
ゾメチンアゾ系、カーボン・ブラック等が挙げられ、無
機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、
紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙
げられる。
顔料分散用化合物として、ポリアクリルアミド、ポリ
アクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンア
クリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイ
ン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶
性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウ
ムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を含む高分子化
合物、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、カゼイン等
の蛋白質、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム
類、サポニン等のグルコキシド類、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ース、等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸及び
その塩、セラミック等の天然高分子化合物、等が挙げら
れる。
油性の記録剤としては、水性インクと同様に、油溶性
染料を有機液体化合物に溶解したものや、顔料を有機液
体化合物に分散せしめたもの、顔料又は染料を油性ベー
スに乳化させたもの、等が用いられる。
油性染料の代表的な例としては、 C.I.ソルベント・イエロー1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,
12,14,16,17,26,27,29,30,39,40,46,49,50,51,56,61,8
0,86,87,89,96 C.I.ソルベント・オレンジ12,23,31,43,51,61 C.I.ソルベント・レッド1,2,3,16,17,18,19,20,22,2
4,25,26,40,52,59,60,63,67,68,121 C.I.ソルベント・バイオレット7,16,17 C.I.ソルベント・ブルー2,6,11,15,20,30,31,32,35,3
6,55,58,71,72 C.I.ソルベント・ブラウン2,10,15,21,22 C.I.ソルベント・ブラック3,10,11,12,13 等が挙げられる。
また、染料を溶解したり、顔料を分散するための油性
ベースとしては、n−オクタン、n−デカン、ミネラネ
スピリット、リグロイン、ナフサ、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素類;ジブチルエーテル、ジヘ
キシルエーテル、アニソール、フェネトール、ジベンジ
ルエーテル等のエーテル類;メタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の
アルコール類等を例示することができる。
油性インクにおいても先に例示した顔料を用いること
ができる。油性の顔料分散剤の例としては、ポリメタク
リル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビ
ニル、塩ビ−酢ビ共重合体、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルブチラール等のビニル系共重合体、エチルセル
ロース、メチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリ
エステル、ポリアミド、フェノール樹脂等の縮重合樹
脂、ロジン、セラミック、ゼラチン、カゼイン、等の天
然樹脂等がある。
次に、記録体(A)をはじめ、本発明装置における構
成について述べる。
記録体(A)は、加熱状態でかつ液体と接触させた場
合に後退接触角が低下する表面(便宜上「膜2」又は
「記録体(A)表面」を記すことがある)を有している
ものであれば、その形態にとらわれない。従って、記録
体(A)は、剛体円筒形状であっても、柔軟性を有する
フィルム形状であってもかまわない。剛体円筒形状記録
体(円筒状剛体の表面に膜2が形成されたもの)は、記
録体を稼働する際位置ずれ等が生じにくいため制御性に
優れているので、望ましくは剛体円筒形状の記録体が良
い。このような記録体(A)の作製は膜2を基板上に成
膜する方法や、成形体そのもので作成する方法がよい。
特に、前記成形体は一般に機械強度が弱いため基板上に
成膜する方法が望ましい。なお、成形体そのもので記録
体(A)をつくる場合においても、その表面には膜2が
形成されていなければならないことはいうまでもない。
記録体基板に樹脂を用いた場合、このものは熱の良導
体とはいいがたく、記録体(A)表面が加熱され液体付
着性を有するまでにはある程度の時間を要する。そこ
で、熱の良導体を基板の全体に又は基板1上の部分に用
いることが考えられてよい。
第6図(a)は例えば金属のような熱の良導体を基板
(金属基板11)としてその上に有機薄膜12を蒸着し、更
にその上に、膜2を形成するようにすれば、垂直方向の
熱伝導速度が向上する。ここでの有機薄膜12としてはポ
リイミド、ポリエステル、フタロシアニンなどが例示で
きる。印字ドットが比較的大きくてよい場合にはこの構
成で十分であるが、両方向への熱拡散により液体付着性
を有する部分が拡大するため一層の高密度印字を目的と
する場合には適さない。第6図(b)は、そのため、基
板1上に熱の良導部分を区切って設けることにより面方
向への熱拡散を防ぎ液体付着性を有する部分2aの微小化
を図ったものである。第6図(b)において、11aは微
小された金属膜を表わしている。
続いて、加熱による潜像形成手段について述べる。上
記したごとく、加熱源としては、ヒーターやサーマルヘ
ッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線ランプのご
とき電磁波による非接触加熱源が望ましい。
これらの具体例として、液体と接した状態で記録体
(A)表面を加熱する手段を述べる。なお、便宜上、基
板1上に膜2が形成されているタイプの記録体(A)を
例にとって説明を進めることにする。まず、あらかじめ
記録体(A)表面に液体3を接しておき、その接した状
態で基板1側又は液体3側から加熱を行う手段(第7図
(a)及び(b))や、初めに記録体(A)表面側から
加熱を行い直ちに液体3を記録体加熱部(記録体(A)
表面)に接触させる手段(第7図(c)及び(d))の
採られるのが望ましい。
液体3の供給手段としては、記録体(A)下部に皿を
設け液体を満たし記録体(A)が皿中の液体3に常に接
するようにし、加熱源を皿の近傍又は皿の中に配置する
構成が最も簡単な構成となる。皿の替わりに、液体を充
填したスポンジ状多孔質体34を用いても良い。光や電子
線による潜像形成手段も上記構成と基本的に同様であ
る。
第7図において、42はレーザー光源、43はサーマルヘ
ッドである。このようにして、記録体(A)表面には潜
像が形成される。
上記手段により画像信号に応じて選択的に付与された
液体付着性領域に記録剤(インク)を付着させる手段と
しては、記録剤3aを充填した皿を潜像形成手段配置位置
に対して記録体(A)の進行方向に配置し常に記録体
(A)に接しておく構成が最も簡単である(第8図及び
第9図)。なお、第8図及び第9図に示すごとく、潜像
形成に用いる液体を記録剤と兼用すると一つの皿で構成
でき、潜像形成と顕像化とを一体化できるため、装置を
小型化できる。
間接記録の場合、前記のとおり、例えば剛体円筒管が
記録体基板として用いられるのが有利である。潜像形成
及び現像(顕像化)後、例えば記録体上の記録剤は記録
紙と直接接する手段を設けることで記録紙の毛管作用に
より、記録紙へ記録剤は転写される(転写手段)。転写
を行う位置は、現像後であれば、記録体のどの位置でも
かまわないが、現像後、直ちに転写が行われる位置が望
ましい。転写後、潜像消去を行わず現像及び転写を繰り
返えせば、この装置は印刷装置となる。一つの画像情報
の印刷が終了すれば、潜像消去を行なうことで、別の画
像情報の記録・印刷が可能となる。
また、上記転写手段による転写の後、液体又は蒸気の
不存在下で、即ち、空気中、真空中、又は、不活性ガス
中で潜像部付近を加熱することにより、潜像を消去すれ
ば記録体は繰返し使用可能な記録装置となる。なお、潜
像消去のための加熱源としては、ヒーターやサーマルヘ
ッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線ランプのご
とき電磁波による非接触加熱源が望ましい。加熱は記録
体表面の全面に行っても良く、潜像部のみ行っても良
い。ただし、全面加熱の方が装置構成を簡単にできるた
め、より望ましい。なお、潜像消去手段は、消去のため
の加熱を行ったのち、再び、潜像形成を行うまでの時間
の間に記録体表面が実質的に冷却する位置に設ける。消
去に必要な加熱温度は、記録体表面の材料により異なる
が、記録体表面の材料の後退接触角が低くなる開始温度
以上で分解点以下の温度が望ましい。消去に必要な加熱
温度は、当該記録体(A)表面の材料により異なるが、
記録体(A)表面の材料の後退接触角が低くなる開始温
度以上で分解点以下の温度が望ましい。すなわち、50〜
300℃、望ましくは100〜180℃に加熱すればよい。加熱
時間はいずれの場合も1m秒〜10秒温度で好ましくは10m
秒〜1秒である。
記録紙(被転写体)としては、透明樹脂フィルム、普
通紙、インクジェット用紙、タイプ紙などが適当であ
る。
ところで、本発明に係る記録体(A)表面はその使用
頻度に比例して疲労してゆき、液体付着性と反撥性との
間の変化が小さくなり、遂には記録画像が形成できなく
なったり、記録紙への記録剤の転写時に地肌汚れが生じ
るといったことが起りうる。こうした現象がみられるの
は、記録体(A)表面が液体付着性とされたり液体反撥
性とされたり規則的に又は不規則的に変化せしめられる
ことによるためであると考えられる。また、記録体
(A)上の記録剤が記録紙に転写される際、記録体
(A)、記録剤又は記録紙の種類、あるいはこれらの組
み合わせによっては完全に記録剤が記録紙に転写され
ず、記録体(A)上に残存することがありうる。このよ
うな場合、記録体(A)の潜像を除去するために記録体
(A)が加熱されると、記録剤中の液体成分は蒸発する
が色材が記録体(A)表面に固着してしまう。色材が固
着した記録体領域では、次サイクル以降の潜像形成、現
像、転写がうまく行なわれず、地肌汚れや印字品質の低
下をもたらす。あるいは記録体(A)を劣化させて耐用
繰り返し使用回数が減ってしまう。更に、前述したよう
に記録剤は皿あるいはローラーにより記録体(A)に供
給されるが、記録体(A)がベルト型であれドラム型で
あれ記録剤は第10図に示すように記録体7のエッジ部幅
まで供給されるかあるいは第11図に示すように印字幅ま
で供給される。ところが、第10図の如く記録剤3aが記録
体7のエッジ部幅まで供給される場合、記録剤3aが記録
体7側面に付着しやすくなる。そして繰り返し使用によ
りこの側面に付着した記録剤3a′が堆積し記録体7表面
にはみでて地肌汚れを起こしやすくなる。また、第11図
の如く記録剤3aが印字幅だけ供給される場合、記録体7
と記録剤供給手段との接触面のエッジ部は記録剤3aの表
面がでているため記録体7に記録剤3aが付着しやすくな
り、やはり地肌汚れを起こしやすくなる。第11図中、3b
は記録剤エッジ部表面、3a″は付着した記録剤、43はサ
ーマルヘッド、43aはサーマルヘッド43のエッジ部、44
は熱素子である。
そこで、本発明装置においては、以下に述べるような
手段を採用することによりこれらの問題点を解決してい
る。
まず、第12図に示す例では、記録剤3aが記録紙61に転
写された後の記録体7の表面にブレード52aが接触さ
れ、記録体7表面に残存する記録剤や紙粉を取り除くと
ともに、記録体7の表面を極くわずかに削るような手段
がとられている。従って、ブレード52aは記録体7表面
に一定の圧力で接するように調整されていることが必要
である。ブレード52aの材質としては金属、高分子材
料、セラミックスなどが適当である。図中、18は除去さ
れた前記残存した記録剤、紙粉、削りとられた記録体7
表面などのカスを表わしており、これらは汚れ受け53か
ら外部へと排出される。
記録体7表面にブレード52aが接していることから、
微小なキズが記録体7表面に生じる。だが、このキズは
記録体7表面をその溶融温度近傍まで例えば赤外線ラン
プ41等で熱することによって修復することができる。
第13図は、ブレード52bを記録体7の進行方向につき
ささるような格好で配置している例である。このような
形態のものでは、第12図の例に比べて、残存する記録剤
や紙粉の除去、記録体7表面の研磨がより効果的に行な
われる。但し、この例においては、記録体7表面とブレ
ード52bとの間の圧力を適切に維持させないと、びびり
音を発生させ記録体7表面に深い傷をつけることにな
る。
第14図は、ブレード52a,52bの代りに、ブラシ52cが用
いられ、残存する記録剤や紙粉を取り除くようにしてい
る。ブラシ52cはブレード52a、52bに比べて記録体7表
面の研削としての点では不充分であるが、取りつけが容
易という利点がある。
なお、これら第12図、第13図及び第14図に示した例で
は、多数枚の記録を行なう場合には、赤外線ランプ41等
による記録体7表面の加熱は多数枚記録終了後に行な
う。また、ブレード52a、52bやブラシ52cは記録体7表
面に常時接していなくても断続的に接するようにしても
かまわない。
以上はクリーニング手段として記録体(A)表面を研
磨する研磨手段(ブレード、ブラシ)を用いた例である
が、次にクリーニング手段としてクリーニング液に接触
させる手段を用いた例につき第15図を参照しながら説明
する。
第15図において、71はエンドレスベルト状記録体、72
a、72b、72cはローラー、73はインク液、73aは付着イン
ク、73bは残存インク、74は潜像形成のためのサーマル
ヘッド、75は転写ローラー、76は記録紙、77は潜像消去
のための赤外線加熱ランプ等の加熱手段、78はクリーニ
ング液、79はブレードである。この例では、記録体71上
の付着インク73aを記録紙76に転写させた後、記録体71
表面をクリーニング液78に接触させていることに特徴が
ある。これにより、記録紙76に転写されないで記録体71
表面上に残存しているインク73b等を除去することがで
きる。従って、記録体71の液体付着性の領域(潜像)
は、赤外線ランプ等の加熱手段77により液体反撥性に変
化し、除像が確実に行なわれる。このため、次サイクル
以降の画像に地肌汚れや印字品質の低下をもたらすこと
はない。
ここで、上記クリーニング液について説明する。第16
図は転写直後から除像直後までの記録体71表面の状態を
示す図で、(a)が転写直後、(b)がクリーニング直
後、(c)が除像直後である。また、Pは液体付着性領
域、Qは液体反撥性領域、Rは記録紙に転写されなかっ
た残存インクである。本発明で用いるクリーニング液に
要求される条件は2つある。その1つは、インクをよく
溶かすということで、もう1つは、PとQに対する付着
力の差が小さいということである。前者の条件は当然で
あるので、2番目の条件につき詳細に説明する。記録体
に付着する液体が異なるとPとQに対する付着力は絶対
的に異なる。液体のPとqに対する付着力がどちらも強
いか、あるいはどちらも弱い場合、すなわち液体のPと
Qに対する付着力の差が小さい場合、液体はQにはもち
ろん付着しないが、Pにも付着しない。一方、液体のP
に対する付着力がQに対する付着力よりも大きい場合、
すなわち液体のPとQに対する付着力の差が大きい場
合、液体はPに付着する。クリーニング液は、Rをそれ
自身に溶かし込んだ後、記録体表面に残存するようで
は、その後の除像に支障をきたす。従って、PとQに対
する付着力の差が小さい液体がクリーニング液として適
当である。このようなクリーニング液の具体例として
は、グリセリン、ホルムアミド、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の一種
以上の湿潤剤あるいは水が例示できる。これらはインク
の湿潤剤、溶媒としても使用されているが、インクの付
着に寄与するのは主に色材であるので、インクの湿潤
剤、溶媒に使用される液体をクリーニング液として使用
しても何らさしつかえない。たとえ液体が記録体表面に
残存しても除像時に気化するので問題はない。クリーニ
ング液に溶解した残存インクはクリーニング液全体に拡
散していくので、記録体表面近傍の色材濃度は低く、色
材が記録体表面に付着することはほとんどない。
第17図は記録体71表面をクリーニング液78に接触させ
てクリーニングを行なう手段の変形例である。図中78A
はフィルター、78Bはポンプである。この例は、クリー
ニング液78がポンプ78Bにより循環され、途中にフィル
ター78Aが設けてあることに特徴がある。このような構
成によれば、常に色材が混入していないクリーニング液
78を記録体71表面に供給することができるので、色材が
記録体71表面に再付着することを確実に防止し、信頼性
を向上できる。
第18図は記録体71表面をクリーニング液78に接触させ
てクリーニングを行なう手段の別の変形例である。この
例は、クリーニング液78中の色材の濃度を検知する色材
濃度検知装置78Cと、交換時期表示板78Dを設けたことに
特徴がある。色材濃度検知装置78Cはクリーニング液78
中の色材濃度を検知して色材の濃度がクリーニング効果
を妨げる濃度以上であるとき所定の信号を出力し、交換
時期表示板78D等により使用者に交換時期を知らせる。
従って、第17図の例と同様、色材が記録体71表面に再付
着することを確実に防止し、信頼性を向上できる。
次に、クリーニング手段のさらに別の例につき第19図
を参照しながら説明する。
第19図において、81は記録体、82はローラー、83はイ
ンク、83aは付着インク、83bは残存インク、84は潜像形
成用サーマルヘッド、85は転写ローラー、86は記録紙、
87はローラー、88は微粒子、89はブレード、90は除像用
赤外線ランプである。この例は、転写後、液体吸収性の
微粒子88を残存インク83bの部分に塗布し、残存インク8
3bをこの微粒子88に吸収させた後、微粒子を除去するこ
とで、残存インク83bを除去することを特徴とする。
上記液体吸収性の微粒子88としては、記録体81の摩耗
を防止するため、記録体81表面よりも硬度の柔らかく、
かつインク83に不溶の材料が望ましい。また、記録体81
表面から容易に除去できるように記録体81に非粘着性で
あり、しかも記録体81表面を汚染しない材料がよい。さ
らに、多孔質材料のごとくその表面積が広い方がよく、
約30〜900m2/g、好ましくは約100〜800m2/gの範囲が適
当である。粒子径は0.1〜20μmの範囲、好ましくは1
〜10μmの範囲のものが扱いやすい。液体吸収能力は微
粒子1gに対し10〜500gの液体を吸収できることが望まし
い。具体的材料としては、多孔質のファーネスブラッ
ク、カーボンブラック、カオリンのごときカーボンや、
粘土あるいは酸化亜鉛、酸化チタン、キナクリドンなど
の有機顔料を用いることができる。また、高分子吸収体
も用いることができる。
微粒子88の記録体81への塗布手段は、本例ではローラ
ー87を用いているが、特に多孔質発泡性ローラーが好ま
しく、その材料としては、発泡性のスポンジゴム、ポリ
ウレタン、シリコーン樹脂などがよい。また、微粒子88
の搬送性を良くするため微粒子88にキャリアー粒子を混
合したものを使用してもよい。この場合、キャリアー粒
子としては粒状シリコーン、粒状テフロンなどが挙げら
れる。微粒子88の記録体への塗布は、本例では、図示の
ごとく微粒子容器にローラー87を入れ、容器内の微粒子
88を撹拌しながらローラー87にて記録体81表面に塗布し
ている。残存インク83bを吸収した微粒子88はブレード8
9により除去する。除去にはブラシ等を用いてもよい。
除去した微粒子88は廃棄してもよいし、乾燥の後、再利
用してもよい。
第20図は液体吸収性の微粒子88を用いて記録体81表面
をクリーニングする別の例である。ここでは、微粒子88
の記録体81への塗布手段としてウェブ91を用いている。
このような構成としても第19図のものと同様な効果が得
られる。また、塗布手段として、ブラシ等を利用するこ
ともできる。
次に、クリーニング手段のさらに別の例につき説明す
る。
この例は、第10図及び第11図により説明したような問
題が生じたとき又は生じないようにするため、記録体の
非印字部ないし記録体側面に付着した記録剤の除去ない
し洗浄手段を設けたことを特徴とする。このような除去
及び洗浄手段としては、吸液性部材で構成されたローラ
ー、ウェッブ、ブレードなどを用い、直接記録体に接し
て物理的に記録剤を吸収すると同時にかきとる手段など
が適する。第21図(a)、(b)はドラム型記録体91の
側面に付着した記録剤を除去する手段の二例である。
(a)はブレード93による除去、(b)はローラー94に
よる除去である。第22図は記録体92表面の非印字部に付
着した記録剤を除去する手段95の例である。この時の記
録体92表面での除去手段95と印字部の位置関係を第23図
に示す。この例では熱源としてサーマルヘッド97を用
い、記録体92とサーマルヘッド97の間に記録剤96を保持
した。図示の如く印字部は熱素子(97a)列の端までで
ある。記録剤96の端面96aはサーマルヘッドエッジ近傍
である。非印字部付着記録剤除去手段(この図ではロー
ラ)95の端は、この記録剤面96aと印字部の端の中間に
位置するように配置する。第24図に示す如く、記録体両
端に配置する除去手段95,95は一体になっていても良
い。第24図では除去手段95にローラーを用い、ローラー
どうしを一つの軸で結合している。また、記録体側面と
記録面の記録剤除去手段を一体の手段としても良い。第
25図はこの例で、径の異なるローラー95A,95Bを用い、9
5Aの周面で記録体表面を95Bの周面で記録体側面を洗浄
する。第26図はブレードによる一体化した別の除去手段
95′の例である。また、記録紙の大きさに応じて記録体
92面の記録剤除去領域を変えても良い。第27図にこの例
を示す。記録紙の巾に応じて印字領域も変わる。これに
応じて除去手段の移動機構98により記録体92表面の除去
領域を変える。移動機構98としては、モータやソレノイ
ドコイルなどの機械的手段や、圧電素子などが有効であ
る。
〔実施例〕
実施例1 含フッ素アクリレート材料として住友3M社製撥水撥油
剤「フロラードFC−720」を用いポリイミドフィルム
(東レデュポン社製500H)上にコートした後、90℃にて
2時間乾燥して約100μm厚の膜(表面エネルギー:約1
0dyn/cm)を製膜した。第12図に示したように、このフ
ィルムを丸めて、φ100、長さ100mmのアルミ製円筒にま
きつけて記録体を作製し、熱転写プリンター用サーマル
ヘッドの加熱部をフィルム面に接して配置した。さらに
このサーマルヘッドを液体インクが接するようにインク
容器(皿)内に置いた。液体インクとしてはフタロシア
ニン系のシアンインク(染料濃度1重量%、溶媒:濃度
0.05モルのNaOH水溶液)を用いた。
サーマルヘッドに適当な信号を送り加熱したところ、
加熱部のみインクが付着した。さらに、第12図に示すご
とく記録紙(三菱製紙社製NMコート紙)を円筒状記録体
に接して搬送したところ、インクが紙に転写された。こ
のインク付着部は、そのまま放置しておいてもインクの
付着性を示し、印刷機として機能した。
約1000枚の記録を行った後、記録体(A)表面にポリ
ウレタンゴム製ブレード1cmあたり20gfの力で接触させ
てカス8を取り除き、再び記録を続けたところ良質のコ
ピーが得られた。
実施例2 ポリイミド基板上への膜の作製は実施例1と同条件と
した。さらに、実施例1と同様に記録剤と接した状態で
加熱し、膜表面を液体付着性化させるとともに複写を行
なった。この膜に対し、第13図に示したごとく空気中に
て、赤外線ランプにて130℃で約1秒間記録体表面の加
熱を行った。この時の液体付着性化及び液体撥発性回復
の結果は、第4図に示したように、液中加熱により減少
した後退接触角は、空気中加熱により元の値にもどって
いるのが認められた。すなわち、液体反撥性が回復して
いることがわかる。この一連の操作結果より画像情報の
記憶及び消去が確認できた。
実施例3 記録体材料として、含フッ素アクリレートモノマーで
あるビスコート17F(大阪有機化学社製)を原料とした
溶液重合(溶液:1−1−1−トリクロロエタン)による
重合物を用いた。この重合体をフレオン113にて希釈し
コード液とした。スピンコートにより、直径30mmのポリ
イミドシームレスフィルム(東レデュポン社製:カプト
ン)からなる支持体上に記録体材料層を形成し、130℃
にて1時間加熱乾燥した。記録体材料層の厚さは約1μ
mとした。サーマルヘッドの加熱面を記録体表面に接し
て配置し、さらにこのサーマルヘッドを水性黒色インク
(接触材料兼記録剤)が接するようにインク容器内に置
いた。また、クリーニング手段は第19図の如き構成とし
た。その他の手段の配置も第19図と同様である。ここで
クリーニング手段にて用いる吸収性微粒子としては平均
粒子径5μmの酸化チタンを採用し、これをポリエチレ
ン容器に入れ、ウレタンスポンジローラーにて撹拌し、
記録体表面に塗布し、シリコーン樹脂ブレードにより微
粒子を除去した。その結果、付着インクはほぼ完全に除
去できた。
実施例4 支持体として直径15mmのシリコーン樹脂ローラを用い
実施例3と同様にして該支持体上に記録体材料層を形成
し記録体を作製した。接触材料、潜像形成のための加熱
手段は実施例3と同様にし、クリーニング手段は第20図
の如き構成とした。ここでクリーニング手段にて用いる
吸収性微粒子としては平均粒子径5μmの酸化チタンを
採用し、これをポリエチレン容器に入れ、アクリル繊維
でできたウェブにて撹拌し、記録体表面に塗布し、シリ
コーン樹脂ブレードにより微粒子を除去した。その結
果、実施例3と同様な効果が得られた。
実施例5 クリーニング手段として第22図の構成のものを用いた
以外は実施例3と同様にして記録装置を構成した。この
クリーニング手段は吸水部材としてろ紙を用い、これを
アルミニウム製ローラーに巻きつけたものである。この
ような構成によっても上記と同様な効果が得られた。
実施例6 クリーニング手段として第26図の構成のものを用いた
以外は実施例4と同様にして記録装置を構成した。この
クリーニング手段は吸水部材としてろ紙を用い、これを
積層して第26図の如くブレードとしたものである。この
ブレードを第22図で示す非印字領域に接触させてクリー
ニングを行ったところ、上記と同様な効果が得られた。
実施例7 記録体基板として厚さ50μmのポリイミドフィルム
(東レデュポン社製)を用い、この上に含フッ素アクリ
レート材料17F(大阪有機化学工業製)を1−1−1−
トリクロロエタン中で溶液重合したポリマーからなる記
録体材料の層を形成した。潜像形成液体及びインクとし
て水性黒色インクを用い、クリーニング液としてpH10の
ホウ酸塩水溶液を用い、第15図、第17図の装置構成で画
像記録を行った。その結果、他の実施例と同様、記録体
上に残存したインクをほぼ完全に除去できた。
〔発明の効果〕
本発明の装置によれば、記録体上に液体付着領域と非
液体付着領域とが簡単に形成でき、また、その二つに区
分された領域を元の状態に戻すことが容易であるばかり
でなく、多数枚印刷を容易に行なうことが可能である。
また、記録体表面の残存インクのクリーニング手段を設
けたので、地肌汚れがなく、高品質な記録画像の提供が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は表面自己配向機能を有する形態の模式的な四例
の図である。 第2図及び第3図は本発明装置に適用される方法を基本
的に説明するための図である。 第4図は本発明の実施で用いらる記録体(A)表面に液
体を接触させた状態で記録体(A)表面を加熱した場
合、その記録体(A)表面にみられる後退接触角θrの
変化を表わした図である。 第5図は本発明装置に適用される方法の二つの態様を示
したものである。 第6図、第7図、第8図及び第9図は本発明装置の実施
の様子を表わした図である。 第10図及び第11図は記録体表面の非印字領域及び記録体
側面に記録剤が付着して残存する様子を示す図である。 第12図、第13図及び第14図はクリーニング手段を備えた
記録装置の構成例を示す図である。 第15図は別のタイプのクリーニング手段を備えた記録装
置の構成例を示す図である。 第16図は転写直後から除像直後までの記録体表面の状態
を示す図である。 第17図及び第18図は第15図に示すタイプのクリーニング
手段の変形例を示す図である。 第19図及び第20図はさらに別のタイプのクリーニング手
段を備えた記録装置の構成例を示す図である。 第20図、第21図、第22図、第23図、第24図、第25図、第
26図及び第27図はさらに別のタイプのクリーニング手段
の説明図である。 1……基板 2……膜 3……液体(3a……記録剤) 7,71,81,81′,92……記録体 52a,,52b……ブレード 52c……ブラシ 78……クリーニング液 88……微粒子 93……ブレード 94,95,95A,95B……ローラー
フロントページの続き (72)発明者 竹本 武 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 岡田 康之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭60−255482(JP,A) 特開 平3−55283(JP,A) 特許3030445(JP,B2) 特公 昭54−41902(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00 B41C 1/10 B41M 5/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記記録体(A)の表面を下記接触材料
    (B)と接触させた状態で選択的に加熱させることによ
    り又は記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態で接
    触材料(B)と接触させることにより記録体(A)の表
    面に加熱温度に応じた後退接触角を示す潜像領域を形成
    せしめる接触材料(B)を記録体(A)表面に供給する
    手段と、潜像形成のために記録体(A)表面を加熱する
    手段と、顕色剤を含有する記録剤を該潜像領域に付与し
    顕像化させる記録剤付与手段と、記録体(A)表面に付
    着された記録剤を記録紙に転写する手段とを少なくとも
    具備してなり、更に記録体(A)表面を清浄するための
    クリーニング手段、及び記録紙への転写後に液体又は蒸
    気又は加熱により液体となる固体の不存在下で加熱する
    ことにより潜像を消去する潜像消去手段を設けたことを
    特徴とする記録装置。 (A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触
    角が低下する表面を有する記録体。 (B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の
    低下開始温度以下で液体となるか液体もしくは蒸気を発
    生する固体。
  2. 【請求項2】前記の接触材料(B)の供給手段と記録剤
    付与手段とを一つにしたことを特徴とする請求項1に記
    載の記録装置。
  3. 【請求項3】前記クリーニング手段は、記録体(A)表
    面を研磨する研磨手段であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の記録装置。
  4. 【請求項4】前記クリーニング手段は、記録体(A)表
    面をクリーニング液に接触させる手段であることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】前記クリーニング手段は、記録体(A)表
    面に微細な液体吸収性の微粒子を塗布し、残存記録剤を
    吸収したのち当該微粒子を除去する手段であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
  6. 【請求項6】前記クリーニング手段は、記録体(A)表
    面の非印字領域及び/又は記録体(A)側面に付着した
    記録剤を除去する手段であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の記録装置。
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