JP3030654B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP3030654B2
JP3030654B2 JP2297631A JP29763190A JP3030654B2 JP 3030654 B2 JP3030654 B2 JP 3030654B2 JP 2297631 A JP2297631 A JP 2297631A JP 29763190 A JP29763190 A JP 29763190A JP 3030654 B2 JP3030654 B2 JP 3030654B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な記録装置に関し、詳しくは、表面が特
定性状を有する記録体のその表面に、選択的に又は選択
的かつ可逆的に、加熱温度に応じた後退接触角を示す領
域が形成されるようにして潜像を形成せしめ、次いで又
はその潜像形成と同時に、潜像に顕色材を含有する記録
剤を供給して顕像化した後、これを記録紙に転写するよ
うにした記録装置に関する。
〔従来の技術〕 表面を液体付着性領域と非液体付着性領域とに区分け
して画像形成に供するようにした手段の代表的なものと
しては水(湿し水)なし平版印刷版を用いたオフセット
印刷方式があげられる。だが、このオフセット印刷方式
は原版からの製版工程及び刷版(印刷版)からの印刷工
程を一つの装置内に組込むことが困難であり、製版印刷
の装置の小型化は勢い困難なものとなっている。
例えば、比較的小型化されている事務用オフセット製
版印刷機においても、製版装置と印刷装置とは別個にな
っているのが普通である。
このようなオフセット印刷方式の欠陥を解消すること
を意図して、画像情報に応じた液体付着性領域及び非液
体付着性領域が形成でき、しかも、繰返し使用が可能な
(可逆性を有する)記録方法ないし装置が提案されるよ
うになってきている。その幾つかをあげれば次のとおり
である。
(1)水性現像方式 疎水性の光導電体層に外部より電荷を与えた後、露光
して光導電体層表面に疎水性部及び親水性部を有するパ
ターンを形成し、親水性部のみに水性現像剤を付着させ
て紙などに転写する(特公昭40−18992号、特公昭40−1
8993号、特公昭44−9512号、特開昭63−264392号などの
公報)。
(2)フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方
式 スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫
外線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミ
ック化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37
巻4号、287頁(1980)〕。
(3)内部偏倚力の作用を利用した方式 不定形状態と結晶性状態とを物理的変化により形成
し、液体インクの付着・非付着領域を構成する(特公昭
54−41902号公報)。
前記(1)の方式によれば、水性インクを紙などに転
写した後、除電により親水性部は消去され、別の画像情
報の記録が可能となる。即ち、一つの原版(光導電体)
で繰り返し使用が可能となる。だが、この方式は電子写
真プロセスを基本としているため帯電→露光→現像→転
写→除電という長いプロセスを必要とし、装置の小型化
やコストの低減、メンテナンスフリー化が困難であると
いった欠点をもっている。
前記(2)の方式によれば、紫外線と可視光との照射
を選択的にかえることによって親水性、疎水性を自由か
つ可逆的に制御できるものの、量子効率が悪いため反応
時間が非常に長くて記録速度が遅く、また安定性に欠け
るといった欠点をもっており、いまだ実用レベルには達
していないのが実情である。
更に、前記(3)の方式によれば、そこで使用される
情報記録部材は、記録後のものでは安定性があるが、記
録前のものでは温度変化により物理的構造変化が生じる
おそれがあることから保存性に問題が残されている。こ
れに加えて、記録された情報パターンの消去には熱パル
スを与え、次いで急冷する手段が採用されることから、
繰り返しの画像形成は繁雑さをまぬがれ得ないといった
不都合がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、従来の記録方式とは異なり、加熱状
態でかつ接触材料(B)と接触させた場合に後退接触角
が低くなる表面を有する部材(記録体(A))のその表
面に、容易な手段で選択的に又は選択的かつ可逆的に、
所望パターン領域を形成させ、これを顕像化せしめ普通
紙等へ転写させる装置を提供するものである。
本発明の他の目的は記録紙が異なってもバラツキのな
い転写画像が得られると共に記録体(A)表面の摩耗が
抑制された新規な記録装置を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の記録装置は、下記記録体(A)の表面を下記
接触材料(B)と接触させた状態で選択的に加熱させる
ことにより又は記録体(A)の表面を選択的に加熱した
状態で接触材料(B)と接触させることにより記録体
(A)の表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す潜像
領域を形成せしめる接触材料(B)を記録体(A)表面
に供給する手段と、記録体(A)の表面を加熱する手段
と、該潜像領域を顕像化させる記録剤付与手段と、記録
体(A)表面に付着された記録剤を中間画像保持部材に
転写する手段と、中間画像保持部材に付着された記録剤
を記録紙に転写する手段とを設けてなることを特徴とし
ている。
(A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触
角が低下する表面を有する記録体。
(B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の
低下開始温度以下で液体となるか、液体もしくは蒸気を
発生する固体。
また、本発明装置においては、前記潜像が形成された
記録体(A)の表面を、接触材料(B)の不存在下で加
熱することによって潜像の消去が行なえ、可逆的に画像
形成がなし得るものである。
本発明者らは、前記従来の技術に記述したごとき欠陥
を解消し、新規な記録方式について多くの研究・検討を
行なった。その結果、液体に接した状態で加熱されると
冷却後においても後退接触角が低くなり、かつ、液体不
存在下の加熱により後退接触角が高くなるという機能を
表面に有する部材が記録体として有用であることを見い
だした。そして、このような機能を有する記録体(A)
はその表面が(1)疎水基の表面自己配向機能をもつ有
機化合物を含む部材、又は(2)疎水基をもつ有機化合
物であって疎水基を表面に配向した部材であることも併
せて確めた。
(1)にいう“表面自己配向機能”とは、ある化合物
を支持体上に形成した固体又は或る化合物自体による固
体を空気中で加熱すると、表面において疎水基が空気側
(自由表面側)に向いて配合する性質があることを意味
する。このことは、(2)においても同様にいえること
である。一般に、有機化合物では疎水基は疎水性雰囲気
側へ向きやすい性質をもっている。これは、固−気界面
の界面エネルギーが低くなる方に向うために生じる現象
である。また、この現象は疎水基の分子長が長くなるほ
どその傾向がみられるが、これは分子長が長くなるほど
加熱における分子の運動性が上がるためである。
更に具体的には、末端に疎水基を有する(即ち表面エ
ネルギーを低くする)分子であると、空気側(自由表面
側)を向いて表面配向しやすい。同様にCH2 nを含む
直鎖状分子ではCH2CH2の部分が平面構造をしてお
り、分子鎖どうしが配向しやすい。また、 を含む分子も の部分が平面構造をしており、分子鎖どうしが配向しや
すい。殊に、弗素などの電気陰性度の高い元素を含む直
鎖状分子は自己凝集性が高く、分子鎖どうしが配向しや
すい。
これらの検討結果をまとめると、より好ましくは、自
己凝集性の高い分子を含んだり平面構造をもつ分子を含
み、かつ、末端に疎水基を有する直鎖状分子、或いは、
そうした直鎖状分子を含む化合物は表面自己配向機能が
高い化合物といえる。
これまでの記述から明らかなように、表面自己配向状
態と後退接触角とは関連があり、また、後退接触角と液
体付着性との間にも関係がある。即ち、固体表面での液
体の付着は、液体の固体表面での主にタッキングによっ
て生じる。このタッキングはいわば液体が固体表面を滑
べる時の一種の摩擦力とみなすことができる。従って、
本発明でいう“後退接触角”θrは、 (但し、γ:真空中の固体の表面張力 γsl:固−液界面張力 γlV:液体がその飽和蒸気と接しているときの表面張力 πe:平衡表面張力 γf:摩擦張力 γs:吸着層のない固体の表面張力である) の関係式が成立つ(斉藤、北崎ら「日本接着協会誌」Vo
l.22、No.12,No.1986号)。
従って、θrの値が低くなるときγf値は大きくな
る。即ち、液体は固体面を滑べりにくくなり、その結
果、液体は固体面に付着するようになる。
これら相互の関連から推察しうるように、液体付着性
は後退接触角θrがどの程度であるかに左右され、その
後退接触角θrは表面自己配向機能を表面に有する部材
の何如により定められる。それ故、本発明装置において
は、記録体(A)はその表面に所望パターン領域の形成
及び/又は記録剤による顕像化の必要から、必然的に、
表面自己配向機能を表面に有する部材が選択されねばな
らばい。
本発明装置で用いられる記録体(A)は、既述のとお
り、「加熱状態でかつ液体と接触された場合に後退接触
角θrが低下する表面」を有するものである。
記録体(A)はその表面が上記のような性状を有して
さえいれば、形状等は任意である。従って、記録体
(A)はフィルム状であっても、適当な支持体や成形体
上に表面が上記のような性状を有する別の塗工膜などが
設けられていてもかまわない。成形体自体であってもか
まわないが、その表面は上記のような性状を有している
ことが必要である。
この記録体(A)は、接触材料(B)の種類によって
は潜像領域における液体付着性部分が親油性又は親水性
のいずれかになり、従って、複写物を得る際には油性イ
ンク、水性インクの記録剤のいずれも必要に応じて使い
わけられる。
ここで、“加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後
退接触角θrが低下する表面を形成する”部材ないし材
料を幾つかに分類した例を第1図に示す。第1図(a)
は自己配向機能を有する化合物の例で、高分子重合体の
側鎖に疎水基を有する化合物であり、主鎖Lと疎水基R
とは結合基Jにて結合している。
第1図(b)は、疎水基を有する有機化合物において
その疎水基を表面に配向した部材の例で、有機又は無機
材料Mの表面に、物理的又は化学的結合により、前記疎
水基を有する化合物Oを形成した部材である。第1図
(c)は、第1図(b)であげた疎水基を有する有機化
合物Oのみからなる部材の例である。
第1図(d)は、直鎖状分子が高分子の側鎖にある例
で、主鎖Lと前記分子を結合基Jによりつなぎ、末端に
疎水基Rをもつ自己凝集性又は平面構造を有する分子鎖
Nが中間にある化合物である。
なお、第1図(a)(d)の例においては、高分子化
合物の主鎖Lは直線状でも網かけ構造でもよい。第1図
(b)の例においては、累積LB膜のように、疎水基含有
化合物Oの上にさらに疎水基含有化合物Oが積層されて
いてもよい。第1図(c)の例においては、主鎖(L)
をもつことなく又は有機・無機材料(M)などに結合す
ることなく、疎水基含有化合物Oのみによる構造であ
る。
前記の疎水基としては、分子の末端が好ましくは−CH
3や−CF3、−CF2H、−CFH2、−C(CF3)3、−C(CH3)3など
によっており、より好ましくは、分子運動性が高い点で
分子長の長いものが有利である。中でも、前記疎水基と
しては、−F及び/又は−Clが1つ以上ある置換アルキ
ル基( のようなものでもよい)或いは無置換のアルキル基であ
って、炭素数4以上のものが望ましい。弗素置換、塩素
置換のいずれのものも用いれるが、弗素置換のものの方
が効果的である。これらの材料においては、アルキル基
炭素数と機能との関係では、炭素数が3以下であると、
記録装置に適する機能が低くなってしまう。
この機能発現の原理はいまだ完全に明らかにされた訳
ではなく、従って、不明な点が多いが、以下のことが推
定される。
まず、上記化合物により形成された記録体(A)の表
面は、前記疎水基がかなり配向した表面となっているこ
とが考えられる。従って、この表面は液体反撥性を有す
る(疎水基は表面エネルギーが小さいため)。この状態
で、記録体(A)の表面が接触材料(B)に接して加熱
を受けると、加熱による疎水基の分子運動が活発とな
り、かつ、接触材料(B)との相互作用を受けて、記録
体(A)の表面の少なくとも一部の配向(整列)状態が
別の状態(即ち、別の配向状態又は配向が乱れた状態)
にかわり、冷却後もその別の状態を維持するためと思わ
れる。なお、記録体(A)の表面に接触材料(B)が接
した状態のもとで加熱することは、接触材料(B)の形
態いかんにより、記録体(A)の表面が加熱された状態
のもとに液体を接触させることになる。
この加熱前は、疎水基が表面に整列(配向)している
ため、記録体(A)の表面エネルギーは極めて少ない。
ところが、前記の接触材料(B)が接した状態のもの
での加熱により、配向状態は乱れて表面エネルギーが高
まる。後退接触角θrは、液体の種類にかからわず、固
体と液体との表面エネルギーのバランスで決定される。
このため、固体の表面エネルギーが高まれば、液体の種
類にかかわらず、後退接触角θrは低くなる。従って、
液体に対する付着性は増大することになる。
更に、記録体(A)の表面が別の状態(元の配向状態
とは異なる「別の配向状態」又は「配向が乱れた状
態」)で接触材料(B)の不存在下に加熱を受けると、
接触材料(B)との相互作用が生じないため、元の整列
(配向)状態にもどると思われる。
従って、接触材料(B)の存在は単なる記録体(A)
の表面を加熱後の急冷を行なうためのものではなく、記
録体(A)の表面の化合物との何らかの相互作用をおこ
すものであり、この相互作用があって、はじめて別の状
態(別の配向状態又は配向が乱れた状態)への変化がお
こると思われる。
前記のとおり、記録体(A)の表面を形成する部材
(化合物)の疎水基として、アルキル基又は弗素あるい
は塩素置換のアルキル基が採用された場合には、アルキ
ル基の炭素数が4以上であるのが望ましいのは、記録体
(A)の表面にアルキル基がある程度整列(配向)し、
しかも加熱時に活発な分子運動をするのに必要な数に由
来しているものと思われる。また、接触材料(B)が記
録体(A)の表面とともに加熱を受けた時、記録体
(A)表面の分子中に接触材料(B)の分子がとりこま
れることも考えられる。さらに、アルキル基中に電気陰
性度の高いフッ素や塩素があると、液体特に極性液体と
の相互作用が大きくなるため、水素のみのアルキル基を
含有する化合物よりも大きな付着性変化が得られる。ま
た、フッ素を含有するアルキル基は、自己凝集性が強い
ため、表面自己配向機能が高く、更に、表面エネルギー
が低いため、地肌よごれ防止の点ですぐれている。
更にまた、記録体(A)の表面は液体反撥性を有する
が、これを固体の表面エネルギーで記述すると、本発明
者らの検討では、50dyn/cm以下であることが記録装置と
して望ましいことがわかった。これ以上の高い値では記
録剤に対して記録体(A)の表面が、時として、ぬれて
しまい、地肌よごれをおこすおそれがある。
ここで、記録体(A)の表面を形成する化合物の詳細
を述べる。まず、第1図(a)及び(d)のタイプにつ
いてビニル系高分子側鎖にアルキル基(フッ素置換及び
/又は塩素置換のものも含む)を有する化合物などが考
えられる。具体的には、式(I)(II)(III)(IV)
(V)(VI)及び(VII) R:−H、−CH3、−C2H5、−CF3又は−C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又はフッ素若しくは塩素置換ア
ルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中にCF
2 l、CH2 l又は をもつ疎水基(l≧4) n′:1以上の整数 をモノマーとした重合体があげられる。
その他のポリマーとしては、式(VIII)(IX)及び
(X)に示したごときものがあげられる。
R:−H、−CH3、−C2H5、−CF3又は−C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又はフッ素もしくは塩素置換ア
ルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中にCF
2 l、CH2 l又は 含む疎水基(l≧4) n:10以上の整数 これら具体例でRfをより詳しくいえば下記(1)から
(20)までのものを例示することができる。
(1)−CH2CF2CHFCF3 (6)−CH2(CF2)10H (7)CF2 6O−CF2CF3 (8)CH2 4NH−CF2CF3 (9)CF2 6CF3 (10)CH2)10C8F17 (13)−CH2NHSO2C8F17 (16)−CH2CF2CF2CF3 (17)−CH2CH2CH2CH2F (18)−CH2(CF2)6CF3 (19)−CH2(CF2)5CF3 (20)CH2)3CF3 これらの化合物のうちでも、特に、下記(XI)の材料
の使用が効果的である。
〔但し、R1:水素、−CnH2n+1又は−CnF2n+1(n=1又
は2以上の整数) R2:CH2 p(p≧1の整数) 又はCH2 qN(R3)SO2− (R3は−CH3又は−C2H5、q≧1の整数) m:6以上の整数 である。〕 従って、本発明における記録体(A)表面の部材の最
も好ましい具体的化合物としては などが挙げられる。
さらに、これら式(I)(II)(III)(IV)(V)
(VI)(VII)及び(XI)のモノマーどうし(2種以上
のモノマーの共重合体)の他に、他のモノマー例えばエ
チレン、塩化ビニル、スチレン、ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレン、ビニルアルキルエーテル、酢酸ビニ
ル、ビニルアルコールなどとの共重合体も上記化合物と
して適する。
また、式(XI)のモノマーと官能基を有する重合性モ
ノマー例えば CH2=C(CH3)COO(CH2)2OH CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH3 CH2=CHCOOCH2CH(OH)C8F17 などの1種以上とで共重合物をつくり重合物中に官能基
を多数導入するか、式(XI)のモノマーと官能基を有す
る重合性モノマーとの共重合物をつくり、続いて、官能
基を多数含んだ共重合物どうしを架橋試薬をもちいて架
橋することにより製造した架橋性重合体も材料としてす
ぐれている。架橋試薬としては、ホルムアルデヒド、ジ
アルデヒド、N−メチロール化合物、ジカルボン酸、ジ
カルボン酸クロライド、ビスハロゲン化合物、ビスエポ
キシド、ビスアジリジン、ジイソシアネートなどがあげ
られる。このようにして得られた架橋重合物の一例を下
記に示す。
上記の式において、Aブロックは前記の熱的性質の変
化をもたらすアルキル基であり、一方、Bブロックは鎖
状ポリマーどうしを架橋している(架橋試薬としてジイ
ソシアネートを用いて架橋したもの)部位である。
架橋体による膜を得るには、前記の共重合物と架橋試
薬とを混合した溶液をコート液として基板上に塗布し、
加熱又は電子線照射や光照射により架橋重合膜を得るよ
うにすればよい。
なお、上記モノマーから重合体を得るには、溶液重
合、電解重合、乳化重合、光重合、放射線重合、プラズ
マ重合、グラフト重合、プラズマ開始重合、蒸着重合な
ど、材料により適当な方法が選択される。
次に、第1図(b)に示した化合物について述べる。
ここでは、式(XII)、(XIII)及び(XIV)に示す材料 R −COOH …(XII) R −OH …(XIII) R CH2 nSiX …(XIV) (R:炭素数4以上のアルキル基又はフッ素又は塩素置換
のアルキル基を含有した基、もしくは、分子鎖中にCF
2 l、CH2 l又は を含む疎水基(l≧4)) n:1以上の整数 X:塩素、メトキシ基又はエトキシ基) 等をガラス、金、銅などの無機材料やポリイミド、ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレートなどの有機材料
表面に物理吸着又は化学結合した材料(表面エネルギー
が約50dyn/cm以下であるのが好ましい)であることが望
ましい。
式(XII)(XIII)及び(XIV)の具体例として CF3CF2 5COOH, CF3CF2 7COOH, CF3CF2 7(CH2 2OH, HCF2 10COOH, HCF2 10CH2OH, FCF2 6CH2CH2−Si(CH3)2Cl, CF2Cl(CF3)CF(CF2)5COOH, CF3(CF2)7(CH2)2SiCl3 などがあげられる。
第1図(c)に示す化合物としては式(XII)、式(X
III)や式(XIV)の材料のみの構造体があげられる。
続いて、上記化合物を用いた記録体(A)について述
べる。
記録体(A)の構成としては、支持体(耐熱温度50〜
300℃のものが望ましい)上に前記の表面部材を形成し
たものである。従って、記録体(A)の形状は円筒状で
あってもエンドレスベルト状であってもかまわない。本
発明装置においては、記録体(A)の表面形成材料と他
の部材、例えば疎水性ポリマー、疎水性無機材料との混
合物を支持体上に形成すると、印字における地肌よごれ
防止の点ですぐれている。また、熱伝導性を上げるため
には、金属粉を上記化合物に混入するとよい。更に、支
持体と上記化合物との密着性を向上するためにプライマ
ー層を支持体−化合物間にもうけることもできる。耐熱
性支持体としては、ポリイミド、ポリエステルなどの樹
脂フィルムやガラスやNi、Al、Cu、Cr、Ptなどの金属や
金属酸化物等が好ましい。これら支持体は平滑でも粗面
や多孔質であってもよい。
次に、接触材料(B)について説明する。
接触材料(B)は、先に記載したとおりであるが、端
的にいえば、当初から液体あるいは蒸気であるか、又
は、記録体(A)にいう後退接触角θrの低下開始温度
以下で結果的に液体を生じさせる固体である。ここでの
蒸気は、記録体(A)の表面又は表面近傍で、少なくと
もその一部が凝縮して液体を生ぜしめ、その液体が記録
体(A)の表面を濡らすことができるものであれば充分
である。一方、ここでの固体は、前記後退接触角θrの
低下開始温度以下で液体となるか、液体を発生させる
か、又は、蒸気を発生させるものである。固体から発生
された蒸気は記録体(A)の表面又はその近傍で凝縮し
て液体を生じさせることは前記の場合と同様である。
これら接触材料(B)をより具体的にいえば次のとお
りである。
即ち、接触材料(B)の一つである液体としては、水
の他に、電解質を含む水溶液、エタノール、n−ブタノ
ール等のアルコール、グリセリン、エチレングリコール
等の多価アルコール、メチルエチルケトン等のケトン類
のごとき有極性液体や、n−ノナン、n−オクタン等の
直鎖状炭化水素、シクロヘキサン等の環式状炭化水素、
m−キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素のごとき無
極性液体があげられる。また、これらの混合体でもよい
し、さらには極性液体であってもかまわない。
接触材料(B)の他の一つである蒸気としては水蒸気
の外に、接触材料(B)の液体の蒸気であれば使用でき
るが、特にエタノール蒸気やm−キシレン蒸気などの有
機化合物の蒸気(噴霧状態のものを含む)があげられ
る。この有機化合物蒸気の温度は記録体(A)の表面を
形成する化合物の融点或いは軟化点以下である必要があ
る。
接触材料(B)の他のもう一つである固体としては、
高級脂肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲル(ポリ
アクリルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲル)、シ
リカゲル、結晶水を含んだ化合物などがあげられる。
なお、後述するところからより明らかになるが、接触
材料(B)として、液状インクのごとき“顕色剤を含有
した記録剤”を用いた場合には、潜像形成と同時に顕像
化が行なわれることになる。
続いて、加熱手段について説明する。
加熱手段としてはヒーター、サーマルヘッドなどによ
る接触加熱の他に、電磁波(レーザー光源、赤外線ラン
プなどの発光源からの光線をレンズで集光する)による
非接触加熱がある。
第2図(a)は支持体1上に記録体(A)の表面を構
成する前記化合物の膜2が形成され、この膜面に接触材
料(B)のうちの例えば液体3が存在している状態を示
している。この状態において、膜2を加熱すると、膜2
表面は後退接触角θrが低下して著しい濡れを示し、液
体付着性を有してしまうのが認められる。更に、この液
体付着性を有する膜2を空気中、真空中又は不活性ガス
雰囲気中で再び加熱する(第2図(b))と膜2表面は
後退接触角θrが高まっていき再び液体反撥性を示すの
が認められる。
このような現象と幾分類似した現象を示すものとし
て、先にあげた特公昭54−41902号公報に記載された方
法がある。だが、ここに開示されている方法では記録材
料に実質的にデイスオーダーでかつ一般的に不定形のメ
モリ物質の層を得るようにしている点でメカニズム上大
きく相違したものとなっている。すなわち、本発明で
は、接触材料(B)の存在なしでは、記録体(A)表面
には状態変化がおこりえない。また、特公昭54−41902
号公報に記載された方法では、簡単な操作で可逆性を得
ることはできない。
第3図(a)のごとく、画像情報に応じて液体3の接
触下で膜2に熱を加える(第3図(b−1)(b−2)
のように、液体不存在のものに膜2に画像情報に応じて
熱を加えた状態のもとで液体と接触させても同様であ
る)と、加熱部分の膜2の表面が液体付着性化される。
図中、4はヒーター、31は液体供給口、41は赤外線ラン
プ、5はレンズ、6はシャッターを表わしている。
第3図(a)は膜2の加熱は支持体1を通して行なっ
ている例であるが、第3図(b−1)(b−2)に示し
た例は直接膜2に加熱がなされている例である。
この膜2の水溶液接触下での加熱前後の水溶液の接触
角の変動、及び、このものを更に空気中で加熱した場合
の水溶液の接触角の変動の一例を第4図に示した。第4
図において、○は前進接触角、△は後退接角を表わして
いる。
一般に、後退接触角が90°以上の高い値の場合、その
表面は液体反撥性を示し、90°以下の低い値の場合、そ
の表面は液体付着性を示す。
接触材料(B)に接した状態での記録体(A)表面の
加熱温度としては、50℃〜250℃の範囲が望ましく、さ
らに望ましくは80℃〜150℃である。加熱時間は、0.1m
秒〜1秒程度で望ましくは0.5m秒〜2m秒である。加熱の
タイミングとしては、潜像形成であれば、記録体
(A)表面を加熱した後、冷めないうちに接触材料
(B)に接触させる、記録体(A)表面に接触材料
(B)を接触させた状態のもとに記録体(A)表面を加
熱させる、のいずれかでもよい。一方、潜像消去であれ
ば、接触材料(B)の不存在下で記録体(A)表面を50
〜300℃、望ましくは100〜180℃に加熱すればよい。加
熱時間はいずれの場合も1m秒〜10秒程度で好ましくは10
m秒〜1秒である。
続いて、記録体(A)表面に実際に画像情報の記録を
行なう手段についてより詳細に説明する。
一つは、液体又は蒸気雰囲気下で画像信号に応じて記
録体(A)の表面を加熱し、記録体(A)の表面に液体
付着領域を形成(潜像形成)し、その後、この潜像部に
記録剤を接触させる手段により潜像部に記録剤を付着さ
せ(現像)、続いて、記録紙に記録体(A)表面の記録
剤を転写する方法である(間接記録方法)。さらに、こ
の方法において、記録剤を転写後、再び潜像部に記録剤
を接触させる手段を行えば、記録体(A)を印刷版とし
て用いた印刷方法となる。また、上記の方法において、
記録剤を記録紙に転写後、液体又は蒸気の不存在下で潜
像を形成した記録体(A)の表面を加熱し潜像を消去す
ることにより、記録体(A)が再生可能な記録方法とな
る。第5図(a),(b)に間接記録方法(印刷法)、
記録体の可逆的な記録方法(繰り返し記録方法)の代表
的なプロセスを示す。
次に、記録体(A)をはじめ、本発明装置における構
成について述べる。
記録体(A)は、加熱状態でかつ液体と接触させた場
合に後退接触角が低下する表面(これまでと同様「膜
2」又は「記録体(A)表面」と記すことがある)を支
持体上に有しているものであればよい。
記録体(A)の支持体に樹脂を用いた場合、このもの
は熱の良導体とはいいがたく、記録体(A)表面が加熱
され液体付着性を有するまでにはある程度の時間を要す
る。そこで、熱の良導体を支持体の全体に又は支持体1
上の部分に用いることが考えられてよい。
第6図(a)は例えば金属のような熱の良導体を支持
体(金属基板11)としてその上に有機薄膜12を蒸着し、
更にその上に、膜2を形成するようにすれば、垂直方向
の熱伝導速度が向上する。ここでの有機薄膜12としては
ポリイミド、ポリエステル、フタロシアニンなどが例示
できる。印字ドットが比較的大きくてよい場合にはこの
構成で十分であるが、両方向への熱拡散により液体付着
性を有する部分が拡大するため一層の高密度印字を目的
とする場合には適さない。第6図(b)は、そのため、
支持体1上に熱の良導体部分を区切って設けることによ
り面方向への熱拡散を防ぎ液体付着性を有する部分2aの
微小化を図ったものである。第6図(b)において、11
aは微小された金属膜を表わしている。
続いて、加熱による潜像形成手段について述べる。上
記したごとく、加熱源としては、ヒーターやサーマルヘ
ッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線ランプのご
とき電磁波による非接触加熱源が望ましい。
これらの具体例として、液体と接した状態で記録体
(A)表面を加熱する手段を述べる。なお、便宜上、基
板1上に膜2が形成されているタイプの記録体(A)を
例にとって説明を進めることにする。まず、あらかじめ
記録体(A)表面に液体3を接しておき、その接した状
態で基板1側又は液体3側から加熱を行う手段(第7図
(a)及び(b))や、初めに記録体(A)表面側から
加熱を行い直ちに液体3を記録体加熱部(記録体(A)
表面)に接触させる手段(第7図(c)及び(d))の
採られるのが望ましい。
液体3の供給手段としては、記録体(A)下部に皿を
設け液体を満たし記録体(A)が皿中の液体3に常に接
するようにし、加熱源を皿の近傍又は皿の中に配置する
構成が最も簡単な構成となる。皿の替わりに、液体を充
填したスポンジ状多孔質体34を用いても良い。光や電子
線による潜像形成手段も上記構成と基本的に同様であ
る。
第7図において、42はレーザー光源、43はサーマルヘ
ッドである。このようにして、記録体(A)表面には潜
像が形成される。
上記手段により画像信号に応じて選択的に付与された
液体付着性領域に記録剤(インク)を付着させる手段と
しては、記録剤3aを充填した皿を潜像形成手段配置位置
に対して記録体(A)の進行方向に配置し常に記録体
(A)に接しておく構成が最も簡単である(第8図及び
第9図)。なお、第8図及び第9図に示すごとく、潜像
形成に用いる液体を記録剤と兼用すると一つの皿で構成
でき、潜像形成と顕像化とを一体化できるため、装置を
小型化できる。
つぎに、記録体(A)表面に付着された記録剤を記録
紙に転写する手段(転写手段)について述べる。
間接記録の場合、潜像形成及び現像(顕像化)後、記
録体7上の記録剤3aは記録紙61に転写されるわけである
が、この工程においては、次のような問題を生じる場合
がある。
記録紙の種類により記録剤の転写量に差が生じたり、
あるいは記録体(A)の表面から記録紙が剥離しにくく
なるため、その印字画像にばらつきが生じる。こうした
現象がみられるのは、記録剤として液体を使用している
ため、記録紙への転写には、記録紙の毛管作用力や記録
紙と液体の粘着力が問題となること及び本発明に係る記
録体(A)は液体に対する付着力が大きいことによるも
のと考えられる。
また、本発明に係る記録体(A)は機械的強度がそれ
ほど強くないため、転写時に記録紙による擦れ等によっ
てその表面が傷ついたり、摩耗したりする問題も起こり
得る。
そこで、本発明装置においては、記録体(A)表面に
付着された記録剤を、直接記録紙に転写する手段を回避
し、上記記録体(A)表面に付着された記録剤を一旦中
間画像保持部材に転写し、その後この記録剤を記録紙に
転写する手段が採用されている(第10図、第11図、第12
図)。
中間画像保持部材としては、記録剤を保持し、かつ保
持された記録剤を記録紙に転写する能力を有するもので
あれば、どのような材質のものでも使用できるが、内部
浸透性を持たず吸液性を有する部材などが好ましく使用
される。内部浸透性を有する部は時としてと記録紙への
転移性が低下するので望ましくない。さらに記録剤が粘
性の高い液体である場合は、中間画像保持部材としては
内部浸透性を持たず液体に対し下粘着性を有する部材を
用いるのが好適である。内部浸透性を持たず吸液性を有
する部材としては、基板としてシリコーンやテフロンな
どの樹脂、金属、ガラスなどを用い、この表面に吸液性
を持つ材料を薄く塗布した部材などが挙げられる。吸液
性材料としては、たとえばポリビニルアルコール、ポリ
アクリルアミド、セルロース、デンプンなどや酸化チタ
ン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの多孔性の無機酸
化物などが挙げられる。塗布膜の厚みは100Å〜1μm
程度が良い。これら材料を溶解又は分散した液を上記基
板に塗布することによって中間画像保持部材が形成され
る。
この中間画像保持部材の形状は特に制約されず、ドラ
ム状あるいはベルト状のいずれであってもよい。また、
周長は記録体(A)の周長と同じでもあるいはこれより
長くてもかまわない。
つぎに、本発明に係る転写手段を第10図に基づいて説
明する。
第10図はドラム状の中間画像保持部材52aを記録体7
と記録紙61の間に配置し、かつ該中間画像保持部材52a
の任意の位置に加圧ローラ62を設けた構成の記録装置を
示したものである。
この装置によれば、記録体7の表面の潜像部に付着さ
れた着色インク3aは記録体7の回転により、これに当接
する中間画像保持部材52aの表面に一旦転写(付着)さ
れ、ついで該中間画像保持部材から加圧ローラ62により
記録紙に転写され、画像が形成される。
第11図は、第10図におけるドラム状の中間画像保持部
材の形状をロール状(52b)に代えた構成のものであ
り、その機能は第10図のものとほぼ同様であるが中間画
像保持部材を使い捨てにできるといったメリットがあ
る。
また、本発明装置においては、さらに、中間画像保持
部材から記録紙への記録剤の転写性を向上させるため
に、第12図のごとく例えば加圧ローラ62内にヒータ63の
ごとき加熱源を設け転写時に記録紙61及び記録剤3aを加
熱しながら転写してもよい。なお、上記のような転写
後、中間画像保持部材上の残存記録剤の洗浄除去手段
(図示せず)を設けてもよい。
なお、転写後、潜像消去を行わず現像及び転写を繰り
返えせば、この装置は印刷装置となる。一つの画像情報
の印刷が終了すれば、記録体7を交換することで又は潜
像消去を行なうことで、別の画像情報の記録・印刷が可
能となる。また、上記転写手段の後、液体又は蒸気の不
存在下で、即ち、空気中、真空中、又は、不活性ガス中
で潜像部(S)付近を加熱することにより、潜像を消去
すれば記録体7は繰返し使用可能な記録装置となる。な
お、潜像消去のための加熱源としては、ヒーターやサー
マルヘッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線ラン
プ41のごとき電磁波による非接触加熱源が望ましい。加
熱は記録体7表面の全面に行っても良く、潜像部(S)
のみ行っても良い。ただし、全面加熱の方が装置構成を
簡単にできるため、より望ましい。なお、潜像消去手段
は、消去のための加熱を行ったのち、再び、潜像形成を
行うまでの時間の間に記録体7表面が実質的に冷却する
位置に設ける。消去に必要な加熱温度は、記録体7表面
の材料により異なるが、記録体7表面の材料の後退接触
角が低くなる開始温度以上で分解点以下の温度が望まし
い。
記録紙(被転写体)61としては、透明樹脂フィルム、
普通紙、インクジェット用紙、タイプ紙などが適当であ
る。
次に記録剤について述べる。
本発明の記録装置において記録体(A)表面上に可視
画像を得るには、記録剤として筆記用インク、インクジ
ェット用インク、印刷インク、電子写真用トナー等の従
来の印字記録方法に用いられてきた記録剤の中から、前
記プロセスに適合するものを選択し使用することができ
る。
より具体的な例を挙げると、例えば水性インクとして
は、水、湿潤剤、染料を主体とする水溶性インク又は
水、顔料、分散用高分子化合物、湿潤剤を主体とした水
性顔料分散インク、顔料又は染料を界面活性剤を用いて
水に分散せしめたエマルジョン・インク等が用いられ
る。水性インクに用いられる湿潤剤としては、次のよう
な水溶性の有機液体化合物が挙げられる。
エタノール、メタノール、プロパノール等の一価アル
コール類;エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコー
ル類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多
価アルコールのエーテル類;N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラク
タム等の複素環式化合物;モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類
等。
水溶性染料としては、カラー・インデックスにおいて
酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料に分類さ
れる染料が用いられる。代表的な染料の例としては、 C.I.アシッド・イエロー17,23,42,44,79,142 C.I.アシッド・レッド1,8,13,14,18,26,27,35, 37,42,52,82,87,89,92,97, 106,111,114,115,134,186, 249,254,289 C.I.アシッド・ブルー9,29,45,92,249,890 C.I.アシッド・ブラック1,2,7,24,26,94 C.I.フード・イエロー3,4 C.I.フード・レッド7,9,14 C.I.フード・ブラック2 C.I.ダイレクト・イエロー1,12,24,26,33,44,50 142,144,865 C.I.ダイレクト・レッド1,4,9,13,17,20,28,31, 39,80,81,89,225, 227 C.I.ダイレクト・オレンジ26,29,62,102 C.I.ダイレクト・ブルー1,2,6,15,22,25,71,76, 79,86,87,90,98,163, 165,202 C.I.ダイレクト・ブラック19,22,32,38,51,56, 71,74,75,77,154,168 C.I.ベーシック・イエロー1,2,11,13,14,15,19, 21,23,24,25,28,29, 32,36,40,41,45,49, 51,53,63,65,67,70, 73,77,87,91 C.I.ベーシック・レッド2,12,13,14,15,18,22, 23,24,27,29,35,36,38, 39,46,49,51,52,54,59, 68,69,70,73,78,82,102, 104,109,112 C.I.ベーシック・ブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35, 41,45,47,54,62,65,66, 67,69,75,77,78,89,92, 93,105,117,120,122, 124,129,137,141,147, 155 ベーシック・ブラック2,8 等を挙げることができる。
顔料としては、有機顔料としてアゾ系、フタロシアニ
ン系、アンスラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジ
ン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリ
レン系、イソインドレノン系、アニリン・ブラック、ア
ゾメチンアゾ系、カーボン・ブラック等が挙げられ、無
機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、
紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙
げられる。
顔料分散用化合物として、ポリアクリルアミド、ポリ
アクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンア
クリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイ
ン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶
性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウ
ムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を含む高分子化
合物、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、カゼイン等
の蛋白質、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム
類、サポニン等のグルコキシド類、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ース、等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸及び
その塩、セラミック等の天然高分子化合物、等が挙げら
れる。
油性の記録剤としては、水性インクと同様に、油溶性
染料を有機液体化合物に溶解したものや、顔料を有機液
体化合物に分散せしめたもの、顔料又は染料を油性ベー
スに乳化させたもの、等が用いられる。
油性染料の代表的な例としては、 C.I.ソルベント・イエロー1,2,3,4,5,6,7,8,9, 10,11,12,14,16,17, 26,27,29,30,39,40, 46,49,50,51,56,61, 80,86,87,89,96 C.I.ソルベント・オレンジ12,23,31,43,51,61 C.I.ソルベント・レッド1,2,3,16,17,18,19,20, 22,24,25,26,40,52,59, 60,63,67,68,121 C.I.ソルベント・バイオレット7,16,17 C.I.ソルベント・ブルー2,6,11,15,20,30,31,32, 35,36,55,58,71,72 C.I.ソルベント・ブラウン2,10,15,21,22 C.I.ソルベント・ブラック3,10,11,12,13 等が挙げられる。
また、染料を溶解したり、顔料を分散するための油性
ベースとしては、n−オクタン、n−デカン、ミネラネ
スピリット、リグロイン、ナフサ、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素類;ジブチルエーテル、ジヘ
キシルエーテル、アニソール、フェネトール、ジベンジ
ルエーテル等のエーテル類;メタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の
アルコール類等を例示することができる。
油性インクにおいても先に例示した顔料を用いること
ができる。油性の顔料分散剤の例としては、ポリメタク
リル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビ
ニル、塩ビ−酢ビ共重合体、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルブチラール等のビニル系共重合体、エチルセル
ロース、メチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリ
エステル、ポリアミド、フェノール樹脂等の縮重合樹
脂、ロジン、セラミック、ゼラチン、カゼイン、等の天
然樹脂等がある。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 第10図に示す記録装置を用いて画像記録を行なった。
記録体(A)としては、直径30mm、厚み50μmのポリイ
ミドシームレスフィルム(商品名カプトン:東レ・デュ
ポン社製)上に含フッ素アクリレート材料(商品名:ビ
スコート17F:大阪有機化学工業社)をスピンコートした
ものを用い、これを直径30mmのアルミ円柱に被せたもの
を用いた。接触材料(B)及び記録剤としては水性黒色
インクを、加熱源としてはサーマルヘッドを用いた。
また、中間画像保持部材としてはシリコーン樹ローラ
(直径30mm)に吸水性材料であるポリビニルアルコール
を膜厚5000Åとなるようにコートしたものを用いた。
以上の条件で画像記録を行なったところ記録体上の記
録剤は全て中間画像保持部材に転移し、ついで記録紙上
に転写された。また、記録体表面の摩耗もほとんどなか
った。
実施例2 実施例1において、中間画像保持部材として、ウレタ
ンゴム上に酸化マグネシウム微粒子/ポリアクリルアミ
ド分散液をコートしたものを用いた以外は実施例1と同
様に画像記録を行なったところ、実施例1とほぼ同様な
結果が得られた。
〔発明の効果〕
本発明の装置によれば、記録剤は中間画像保持部材を
介して記録紙に転写されることから、たとえ記録紙の種
類が異なっていても均一かつ鮮明な転写画像が得られ、
しかも記録体(A)表面の劣化を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は表面自己配向機能を有する形態の模式的な四例
の図である。 第2図及び第3図は本発明装置を基本的に説明するため
の図である。 第4図は本発明の実施で用いらる記録体(A)表面に液
体を接触させた状態で記録体(A)表面を加熱した場
合、その記録体(A)表面にみられる後退接触角θrの
変化を表わした図である。 第5図は本発明装置を用いた場合の二つの態様を示した
ものである。 第6図、第7図、第8図、第9図、第10図、第11図、及
び第12図は本発明装置の実施の様子を表わした図であ
る。 1……基板 2……膜 3……液体(3a……着色インク) 4……ヒーター 5……レンズ 6……シャッター 7……記録体(A) 52a……中間画像保持部材(ドラム状) 52b……中間画像保持部材(ロール状)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00 B41M 5/26 B41C 1/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記記録体(A)の表面を下記接触材料
    (B)と接触させた状態で選択的に加熱させることによ
    り又は記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態で接
    触材料(B)と接触させることにより記録体(A)の表
    面に加熱温度に応じた後退接触角を示す潜像領域を形成
    せしめる接触材料(B)を記録体(A)表面に供給する
    手段と、記録体(A)の表面を加熱する手段と、該潜像
    領域を顕像化させる記録剤付与手段と、記録体(A)表
    面に付着された記録剤を中間画像保持部材に転写する手
    段と、中間画像保持部材に付着された記録剤を記録紙に
    転写する手段とを設けてなることを特徴とする記録装
    置。 (A)加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後退接触
    角が低下する表面を有する記録体。 (B)液体、蒸気又は記録体(A)にいう後退接触角の
    低下開始温度以下で液体となるか液体もしくは蒸気を発
    生する固体。
  2. 【請求項2】接触材料(B)の供給手段と記録剤付与手
    段とを一体化した請求項(1)記載の記録装置。
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