JP3063771B2 - 記録方法 - Google Patents

記録方法

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JP3063771B2
JP3063771B2 JP2274653A JP27465390A JP3063771B2 JP 3063771 B2 JP3063771 B2 JP 3063771B2 JP 2274653 A JP2274653 A JP 2274653A JP 27465390 A JP27465390 A JP 27465390A JP 3063771 B2 JP3063771 B2 JP 3063771B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、表面が特定性状を示す記録体のその表面
に、選択的に又は選択的かつ可逆的に、加熱温度に応じ
た後退接触角を示す領域を形成させる記録方法に関す
る。
〔従来の技術〕
表面を液体付着性領域と非液体付着性領域とに区分け
して画像形成に供するようにした手段の代表的なものと
しては水(湿し水)なし平版印刷版を用いたオフセット
印刷方式が挙げられる。たが、このオフセット印刷方式
は原版からの製版工程及び刷版(印刷版)からの印刷工
程を一つの装置内に組込むことが困難であり、製版印刷
の装置の小型化は勢い困難なものとなっている。
例えば、比較的小型化されている事務用オフセット製
版印刷機においても、製版装置と印刷装置とは別個にな
っているのが普通である。
このようなオフセット印刷方式の欠陥を解消すること
を意図して、画像情報に応じた液体付着性領域及び非液
体付着性領域が形成でき、しかも、繰り返し使用が可能
な(可逆性を有する)記録方法ないし装置が提案される
ようになってきている。その幾つかを挙げれば次のとお
りである。
(1)水性現像方式 疎水性の光導電体層に外部より電荷を与えた後、露光
して光導電体層表面に疎水性部及び親水性部を有するパ
ターンを形成し、親水性部のみに水性現像剤を付着させ
て紙などに転写する(特公昭40−18992号、特公昭40−1
8993号、特公昭44−9512号、特開昭63−264392号などの
公報)。
(2)フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方
式 スピロピラン、アゾ色素などの材料を含有した層に紫
外線を照射し、光化学反応により、これらフォトクロミ
ック化合物を親水化する〔例えば「高分子論文集」第37
巻4号、287頁(1980)〕。
(3)内部偏倚力の作用を利用した方式 不定形状態と結晶性状態とを物理的変化により形成
し、液体インクの付着・非付着領域を構成する(特公昭
54−41902号公報)。
前記(1)の方式によれば、水性インクを紙などに転
写した後、除電により親水性部は消去され、別の画像情
報の記録が可能となる。すなわち、一つの原版(光導電
体)で繰り返し使用が可能となる。だが、この方式は電
子写真プロセスを基本としているため帯電→露光→現像
→転写→除電という長いプロセスを必要とし、装置の小
型化やコストの低減、メンテナンスフリー化が困難であ
るといった欠点をもっている。
前記(2)の方式によれば、紫外線と可視光との照射
を選択的に変えることによって、親水性、疎水性を自由
かつ可逆的に制御できるものの、量子効率が悪いため反
応時間が非常に長くて記録速度が遅く、また安定性に欠
けるといった欠点をもっており、いまだ実用レベルには
達していないのが実情である。
更に、前記(3)の方式によれば、そこで使用される
情報記録部材は、記録後のものでは安定性があるが、記
録前のものでは温度変化により物理的構造変化が生じる
おそれがあることから保存性に問題が残されている。こ
れに加えて、記録された情報パターンの消去には熱パル
スを与え、、次いで急冷する手段が採用されることか
ら、繰り返しの画像形成は繁雑さをまねがれ得ないとい
った不都合がある。
そこで、上記従来の方式の欠点を解決する一手段とし
て、本発明者らの一人は、先に加熱状態でかつ液体と接
触させたときに後退接触角が低下する表面を有する記録
体(A)の表面と、液体、蒸気及び前記記録体(A)に
おける後退接触角の低下開始温度下で液体となるか又は
液体若しくは蒸気を発生する固体か選ばれる接触材料
(B)とを接触させた状態で、前記記録体表面の後退接
触角の低下開始温度以上に選択的に加熱することによ
り、又は該記録体(A)の表面を選択的に加熱した状態
で、該接触材料(B)と接触させることにより、該記録
体(A)表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す領域
(所望パターン領域であり、便宜上以降「潜像」又は
「潜像領域」と記すことがある)を形成し、該領域に記
録剤を付着させ、これを被転写体に転写する新しい記録
方法を提案した(特願平2−43599号)。なお、本方法
においては、前記潜像が形成された記録体(A)の表面
を、接触材料(B)の不存在下で加熱することによって
潜像の消去が行なえ、可逆的に画像形成が行なえる。
上記方法によれば、容易な手段で選択的に又は選択的
かつ可逆的に所望のパターンとなる液体付着性領域が形
成でき、該液体付着性領域に記録剤を供給し、これを紙
等の被記録媒体に転写することで、階調性のある鮮明な
画像が得られる。また、記録の前後にかかわらず、保存
性、安定性に優れた材料が使用されることによって、可
逆的な液体付着性領域の形成が一層可能になる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ただ、前記のような表面が特定性状を示す記録体を用
いる記録方法においては、記録剤によっては、被転写体
への転移性が悪くて、地肌汚れを起しやすい場合があ
る。
従って、本発明の目的は、前記の記録方法において、
被転写体への転移性が優れ、地肌汚れのしない画像記録
剤による記録方法を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、被転写体上での印字品質、
画像品質が良好な記録方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、加熱状態でかつ液体と接触させたと
きに後退接触角が低下する表面を有する記録体の表面
と、液体、蒸気及び前記記録体における後退接触角の低
下開始温度以下で液体となるか又は液体若しくは蒸気を
発生する固体から選ばれる接触材料とを接触させた状態
で、前記記録体表面の後退接触角の低下開始温度以上に
選択的に加熱することにより、又は前記記録体の表面を
選択的に加熱し、前記記録体の表面の加熱部が前記記録
体表面の後退接触角の低下開始温度以上に保持された状
態で前記接触材料と接触させることにより、前記記録体
表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す領域を形成さ
せた後、該領域に記録剤を接触付着させ、これを被転写
体に転写する記録方法であって、前記記録剤が着色剤と
これを溶解又は分散する展開剤とを含有し、しかも、前
記記録剤の表面張力が、前記記録体表面の前記接触材料
と接触加熱した後の臨界表面張力より、5dyn/cm以上大
きいことを特徴とする記録方法が提供される。
また、本発明によれば、加熱状態でかつ液体と接触さ
せたときに後退接触角が低下する表面を有する記録体の
表面と、液体、蒸気及び前記記録体における後退接触角
の低下開始温度以下で液体となるか又は液体若しくは蒸
気を発生する固体から選ばれる接触材料とを接触させた
状態で、前記記録体表面の後退接触角の低下開始温度以
上に選択的に加熱することにより、又は前記記録体の表
面を選択的に加熱し、前記記録体の表面の加熱部が前記
記録体表面の後退接触角の低下開始温度以上に保持され
た状態で前記接触材料と接触させることにより、前記記
録体表面に加熱温度に応じた後退接触角を示す領域を形
成させ、しかも前記接触材料として記録剤を兼ねるもの
を使用し、前記記録体の表面に付着した記録剤を被転写
体に転写する記録方法であって、前記記録剤が着色剤と
これを溶解又は分散する展開剤とを含有し、しかも前記
記録剤の表面張力が、前記記録体表面の前記接触材料と
接触加熱した後の臨界表面張力より、5dyn/cm以上大き
いことを特徴とする記録方法が提供される。
すなわち、本発明者らは、前記の新しい記録方法にお
いて、画像形成が良好に行なえる記録剤について検討し
た結果、該記録剤の表面張力が、前記記録体表面の前記
接触材料と接触加熱した後の臨界表面張力よりも5dyn/c
m以上、好ましくは10dyn/cm以上、更に好ましくは15dyn
/cm以上大きければ、被転写体への転移性が優れ、地肌
汚れのしないことを見いだした。なお、記録体表面の臨
界表面張力は、n−アルカン系基準物質について測定し
た触媒角より公知のZismann plotにより求められる。
本発明においては、記録剤として上記の条件を満足す
るものであれば、水性、油性にかかわらず使用すること
ができる。本発明で用いられる記録剤の具体例を挙げる
と、例えば水性インクとしては、展開剤である水、湿潤
剤及び染料からなる水溶性インク、展開剤である水、湿
潤剤、顔料及び分散用高分子化合物からなる水性顔料分
散インクあるいは顔料又は染料を界面活性剤を用いて展
開剤である水に分散させたエマルジョンインク等が用い
られる。水性インクに用いられる湿潤剤としては、次の
ような水溶性の有機液体化合物が挙げられる。
エタノール、メタノール、プロパノール等の一価アル
コール類;エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、グリセリン、低分子量のポリ
エチレングリコール、ヘキシレングリコール等の多価ア
ルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テト
ラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアル
キルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエー
テル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多
価アルコールアリールエーテル類;N−メチル−2−ピロ
リドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロ
ラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合
物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ
エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等の
アミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫
黄化合物類;プロピレンカーボネート、炭酸エチレン
等。
これら溶媒は、水と共に単独若しくは複数混合して用
いられる。
着色材として用いられる水溶性染料としては、カラー
・インデックスにおいて、酸性染料、直接染料、塩基性
染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で、耐
水、耐光性の優れたものが用いられる。これら染料の具
体例としては、例えば次のものが挙げられる。
C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142 C.I.アシッド・レッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,5
2,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,2
89 C.I.アシッド・ブルー9,29,45,92,249 C.I.アシッド・ブラック1,2,7,24,26,94 C.I.フード・イエロー3,4 C.I.フード・レッド7,9,14 C.I.フード・ブラック2 C.I.ダイレクト・イエロー1,12,24,26,33,44,50,142,14
4,865 C.I.ダイレクト・レッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,8
1,83,89,225,227 C.I.ダイレクト・オレンジ26,29,62,102 C.I.ダイレクト・ブルー1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,8
7,90,98,163,165,199,202 C.I.ダイレクト・ブラック19,22,32,38,51,56,71,74,7
5,77,154,168 C.I.ベーシック・イエロー1,2,11,13,14,15,19,21,23,2
4,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,65,67,70,73,
77,87,91 C.I.ベーシック・レッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,2
7,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,
82,102,104,109,112 C.I.ベーシック・ブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,
47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,12
0,122,124,129,137,141,147,155 ベーシック・ブラック2,8 等。
顔料としては、有機顔料としてアゾ系、フタロシアニ
ン系、アンスラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジ
ン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリ
レン系、イソインドレノン系、アニリン・ブラック、ア
ゾメチン系、カーボン・ブラック等が挙げられ、無機顔
料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺
青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げ
られる。
顔料分散用化合物としては、ポリアクリルアミド、ポ
リアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレン
アクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレ
イン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水
溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニ
ウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有す
る高分子化合物、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、
カゼイン等の蛋白質、アラビアゴム、トラガントゴム等
の天然ゴム類、サポニン等のグルコシド類、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチ
ルセルロース、等のセルロース誘導体、リグニンスルホ
ン酸及びその塩、セラック等の天然高分子化合物、等が
挙げられる。
なお、表面張力を調整する目的で、界面活性剤を添加
することもできる。界面活性剤としては、カチオン系、
アニオン系、ノニオン系又は両性系の各界面活性剤が用
いられる。これらは、単独でも2種以上が併用されても
良い。界面活性剤の具体例としては、例えばアニオン系
界面活性剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸等、ノ
ニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレン誘導
体、糖の高級脂肪酸エステル等、両性系界面活性剤とし
てはスルホベタイン系、アミノ酸系等が挙げられる。
油性の記録剤としては、水性インクと同様に、油溶性
材染料を展開剤である有機溶媒に溶解したものや、顔料
を展開剤である有機溶媒に分散させたもの、顔料又は染
料を展開剤である油性ベースに乳化させたもの、等が用
いられる。
油性染料の具体例としては、例えば次のものが挙げら
れる。
C.I.ソルベント・イエロー1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,1
2,14,16,17,26,27,29,30,39,40,46,49,50,51,56,61,80,
86,87,89,96 C.I.ソルベント・オレンジ12,23,31,43,51,61 C.I.ソルベント・レッド1,2,3,16,17,18,19,20,22,24,2
5,26,40,52,59,60,63,67,68,121 C.I.ソルベント・バイオレット7,16,17 C.I.ソルベント・ブルー2,6,11,15,20,30,31,32,35,36,
55,58 C.I.ソルベント・ブラウン2,10,15,21,22 C.I.ソルベント・ブラック3,10,11,12,27 等。
また、染料を溶解したり、顔料を分散するための展開
剤としては、n−オクタン、n−デカン、ミネラネスピ
リット、リグロイン、ナフサ、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の炭化水素類;ジブチルエーテル、ジヘキシル
エーテル、アニソール、フェネトール、ジベンジルエー
テル等のエーテル類;メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコ
ール類;ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の
多価アルコールエーテル類;エチレングリコールモノメ
チルアセタート、エチレングリコールモノエチルアセタ
ート、エチレングリコールモノブチルアセタート等の多
価アルコールアセタート類;オレイン酸等が挙げられ
る。
このなかで特に好ましく使用できるものとしては、表
面張力が高いことからグリセリン、エチレングリコール
等が挙げられる。これら溶媒は、展開剤として単独若し
くは複数混合して使用することができる。
油性インクにおいても、先に例示した顔料を用いるこ
とができる。油性の顔料分散剤の例としては、ポリメタ
クリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸
ビニル、塩ビ−酢ビ共重合体、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルブチラール等のビニル系共重合体、エチルセ
ルロース、メチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポ
リエステル、ポリアミド、フェノール樹脂等の縮重合樹
脂、ロジン、セラック、ゼラチン、カゼイン、等の天然
樹脂等がある。
本発明で用いられる記録体は、前記のように、液体に
接した状態で加熱すると冷却後、後退接触角が低くな
り、かつ液体不存在下で加熱すると後退接触角が高くな
る機能を示す表面を有する。更に詳しくは、該記録体の
表面が、(i)疎水基の表面自己配向機能をもつ有機化
合物を含む部材、又は(ii)疎水基をもつ有機化合物で
あって疎水基を表面に配向した部材からなる。(i)に
いう“表面自己配向機能”とは、ある化合物を支持体上
に形成した固体又はある化合物自体による固体を空気中
で加熱すると、表面において疎水基が空気側(自由表面
側)に向いて配合する性質があることを意味する。この
ことは、(ii)においても同様にいえることである。
一般に、有機化合物では、疎水基は疎水性雰囲気側へ
向きやすい傾向をもっている。これは、固−気界面の界
面エネルギーが低くなる方に向うために生じる。また、
この傾向は、疎水基の分子長が長くなるほど認められる
が、これは分子長が長くなるほど、加熱における分子の
運動性が上がるためである。
更に具体的には、末端に疎水基を有する(すなわち表
面エネルギーを低くする)分子であると、空気側(自由
表面側)を向いて表面配向しやすい。同様にCH2
を含む直鎖状分子ではCH2CH2の部分が平面構造をし
ており、分子鎖同士が配向しやすい。また、 を含む分子も の部分が平面構造をしており、分子鎖同士が配向しやす
い。殊に、弗素などの電気陰性度の高い元素を含む直鎖
状分子は自己凝集性が高く、分子鎖同士が配向しやす
い。
この配向性の状態と後退接触角とは関係があり、また
後退接触角と液体付着性との間にも関係がある。すなわ
ち、固体表面での液体の付着は、液体の固体表面での主
にタッキングによって生じる。このタッキングは、いわ
ば液体が固体表面を滑べる時の一種の摩擦力とみなすこ
とができる。従って、本発明でいう“後退接触角”θr
は、前記摩擦力をγとすると、 との関係式が成立つ〔斉藤、北崎ら「日本接着協会誌」
22、12,(1986)〕。
従って、θrの値が低くなるときγ値は大きくな
る。すなわち、液体は固体面を滑べりにくくなり、その
結果、液体は固体面に付着するようになる。
これら相互の関連から推察しうるように、液体付着性
は後退接触角θrがどの程度であるかに左右され、その
後退接触角θrは表面自己配向機能を表面に有する部材
の何如により定められる。それ故、本発明方法において
は、記録体はその表面に所望パターン領域の形成及び記
録剤による顕像化の必要から、必然的に、表面自己配向
機能を表面に有する部材が選択される。
本発明方法で用いられる記録体は、既述のとおり、
「加熱状態でかつ液体と接触された場合に後退接触角θ
rが低下する表面」を有するものである。
記録体はその表面が上記のような性状を有してさえい
れば、形状等は任意である。従って、記録体はフィルム
状であっても、適当な支持体や成形体上に表面が上記の
ような性状を有する別の塗工膜などが設けられていても
かまわない。成形体自体であってもかまわないが、その
表面は上記のような性状を有していることが必要であ
る。
ここで、“加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後
退接触角θrが低下する表面を形成する”部材ないし材
料を幾つかに分類した例を第1図に示す。第1図(a)
は自己配向機能を有する化合物の例で、高分子重合体の
側鎖に疎水基を有する化合物であり、主鎖Lと疎水基R
とは結合基Jにて結合している。
第1図(b)は、疎水基を有する有機化合物において
その疎水基を表面に配向した部材の例で、有機又は無機
材料Mの表面に、物理的又は化学的結合により、前記疎
水基を有する化合物0を形成した部材である。第1図
(c)は、第1図(b)であげた疎水基を有する有機化
合物0のみからなる部材の例である。
第1図(d)は、直鎖状分子が高分子の側鎖にある例
で、主鎖Lと前記分子を結合基Jによりつなぎ、末端に
疎水基Rをもつ自己凝集性又は平面構造を有する分子鎖
Nが中間にある化合物である。
なお、第1図(a)(d)の例においては、高分子化
合物の主鎖Lは直線状でも網掛け構造でもよい。第1図
(b)の例においては、累積LB膜のように、疎水基含有
化合物0の上に更に疎水基含有化合物0が積層されてい
てもよい。第1図(c)の例においては、主鎖(L)を
もつことなく又は有機・無機材料(M)などに結合する
ことなく、疎水基含有化合物0のみによる構造である。
前記の疎水基としては、分子の末端が好ましくは−CH
3や−CF3、−CF2H、−CFH2、−C(CF3、−C(C
H3などになっており、より好ましくは、分子運動性
が高い点で分子長の長いものが有利である。中でも、前
記疎水基としては、−F及び/又は−Clが1つ以上ある
置換アルキル基( のようなものでもよい)あるいは無置換のアルキル基で
あって、炭素数4以上のものが望ましい。弗素置換、塩
素置換のいずれのものも用いられるが、弗素置換のもの
の方が効果的である。これらの材料においては、アルキ
ル基炭素数と機能との関係では、炭素数が3以下である
と、記録方法に適する機能が低くなってしまう。
この機能発現の原理はいまだ完全に明らかにされた訳
ではなく、従って、不明な点が多いが、以下のことが推
定される。
まず、上記化合物により形成された記録体の表面は、
前記疎水基がかなり配向した表面となっていることが考
えられる。従って、この表面は液体反撥性を有する(疎
水基は表面エネルギーが小さいため)。この状態で、記
録体の表面が接触材料に接して加熱を受けると、加熱に
よる疎水基の分子運動が活発となり、かつ接触材料との
相互作用を受けて、記録体の表面の少なくとも一部の配
向(整列)状態が別の状態(すなわち、別の配向状態又
は配向が乱れた状態)に変わり、冷却後もその別の状態
を維持するためと思われる。なお、記録体の表面に接触
材料が接した状態のもとで加熱することは、接触材料の
形態如何により、記録体の表面が加熱された状態のもと
に液体を接触させることになる。
この加熱前は、疎水基が表面に整列(配向)している
ため、記録体の表面の表面エネルギーは極めて少ない。
ところが、前記の接触材料が接した状態のものでの加
熱により、配向状態は乱れて表面エネルギーが高まる。
後退接触角θrは、液体の種類にかかわらず、固体と液
体との表面エネルギーのバランスで決定される。このた
め、固体の表面エネルギーが高まれば、液体の種類にか
かわらず、後退接触角θrは低くなる。従って、液体に
対する付着性は増大することになる。
更に、記録体の表面が別の状態(元の配向状態とは異
なる「別の配向状態」又は「配向が乱れた状態」)で接
触材料の不存在下に加熱を受けると、接触材料との相互
作用が生じないため、元の整列(配向)状態にもどると
思われる。
従って、接触材料の存在は、単に記録体の表面を加熱
後急冷するためのものではなく、記録体の表面の化合物
との何らかの相互作用を起こすものであり、この相互作
用があって、はじめて別の状態(別の配向状態又は配向
が乱れた状態)への変化が起こると思われる。
前記のとおり、記録体の表面を形成する部材(化合
物)の疎水基として、アルキル基又は弗素若しくは塩素
置換のアルキル基が採用された場合には、アルキル基の
炭素数が4以上であるのが望ましいのは、記録体の表面
にアルキル基がある程度整列(配向)し、しかも加熱時
に活発な分子運動をするのに必要な数なのだと思われ
る。また、接触材料が記録体の表面と共に加熱を受けた
時、記録体表面の分子中に接触材料の分子がとりこまれ
ることも考えられる。更に、アルキル基中に電気陰性度
の高い弗素や塩素があると、液体、特に極性液体との相
互作用が大きくなるため、水素のみのアルキル基を含有
する化合物よりも大きな付着性変化が得られる。また、
弗素を含有するアルキル基は、自己凝集性が強いため、
表面自己配向機能が高く、更に、表面エネルギーが低い
ため、地肌よごれ防止の点ですぐれている。
更にまた、記録体の表面は液体反撥性を有するが、こ
れを固体の表面エネルギーで記述すると、50dyn/cm以下
であることが記録方法として望ましい。これ以上の高い
値では記録剤に対して記録体の表面が、時として、濡れ
てしまい、地肌よごれを起こすおそれがある。
ここで、記録体の表面を形成する化合物の詳細を述べ
る。まず、第1図(a)及び(d)のタイプについて
は、ビニル系高分子側鎖にアルキル基(弗素及び/又は
塩素置換のものも含む)を有する化合物などが考えられ
る。具体的には、式(I)(II)(III)(IV)(V)
(VI)及び(VII)で示されるモノマーからの重合体が
挙げられる。
〔R:−H、−CH3,−C2H5,−CF3又は−C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又は弗素若しくは塩素置換ア
ルキル基を含有した基、又は分子鎖中にCF2 、C
H2 若しくは をもつ疎水基(l≧4) n′:1以上の整数〕 その他のポリマーとしては、式(VIII)(IX)及び
(X)に示されるものが挙げられる。
〔R:−H、−CH3、−C2H5、−CF3又は−C2F5 Rf:C4以上のアルキル基又は弗素若しくは塩素置換ア
ルキル基を含有した基、又は分子鎖中にCF2 、C
H2 若しくは を含む疎水基(l≧4) n:10以上の整数〕 これら具体例でRfをより詳しくいえば、下記(1)か
ら(20)までのものを例示することができる。
(1)−CH2CF2CHFCF3 (6)−CH2(CF210H (7)CF2 6O−CF2CF3 (8)CH2 4NH−CF2CF3 (9)CF2 6CF3 (10)CH2 10C8F17 (13)−CH2NHSO2C8F17 (15)c・s−CH2CH2−(CF36CF(CF3 (16)−CH2CF2CF2CF3 (17)−CH2CH2CH2CH2F (18)−CH2(CF26CF3 (19)−CH2(CF25CF3 (20)CH23CF3 これらの化合物のうちでも、特に、下記(XI)のモノ
マーを原料とする重合体がより望ましい。
〔R1:水素、−CnH2n+1又は−CnF2n+1(n=1又は2以
上の整数) R2:CH2 (p≧1の整数) 又はCH2 qN(R3)SO2− (R3は−CH3又は−C2H5、q≧1の整数) m:6以上の整数〕 従って、本発明における記録体表面の部材の好ましい
具体例としては、下記のモノマーからの重合体が挙げら
れる。
更に、これら式(I)(II)(III)(IV)(V)(V
I)(VII)及び(XI)のモノマー同士(2種以上のモノ
マー)の共重合体の他に、これらモノマーと他のモノマ
ー、例えばエチレン、塩化ビニル、スチレン、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン、ビニルアルキルエーテ
ル、酢酸ビニルなどとの共重合体も上記化合物として適
する。
また、式(XI)のモノマーと官能基を有する重合性モ
ノマー、例えば CH2=C(CH3)COO(CH22OH CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH3 CH2=CHCOOCH2CH(OH)C8F17 などの1種以上とで共重合物をつくり重合物中に官能基
を多数導入するか、式(XI)のモノマーと官能基を有す
る重合性モノマーとの共重合物をつくり、続いて、官能
基を多数含んだ共重合物同士を架橋試薬を用いて架橋す
ることにより製造した架橋性重合体も、上記材料として
すぐれている。架橋試薬としては、ホルムアルデヒド、
ジアルデヒド、N−メチロール化合物、ジカルボン酸、
ジカルボン酸クロライド、ビスハロゲン化合物、ビスエ
ポキシド、ビスアジリジン、ジイソシアネートなどが挙
げられる。このようにして得られた架橋重合物の一例を
下記に示す。
上記の式において、Aブロックは前記の熱的性質の変
化をもたらすアルキル基であり、一方、Bブロックは鎖
状ポリマー同士を架橋している(架橋試薬としてジイソ
シアネートを用いて架橋したもの)部位である。
架橋体による膜を得るには、前記の共重合物と架橋試
薬とを混合した溶液をコート液として基板上に塗布し、
加熱又は電子線照射や光照射により架橋重合膜を得るよ
うにすればよい。
なお、上記モノマーから重合体を得るには、溶液重
合、電解重合、乳化重合、光重合、照射線重合、プラズ
マ重合、グラフト重合、プラズマ開始重合、蒸着重合な
ど、材料により適当な方法が選択される。
次に、第1図(b)に示した化合物について述べる。
ここでは、式(XII)、(XIII)及び(XIV)に示す材料 Rf−COOH …(XII) Rf−OH …(XIII) RfCH2 nSiX …(XIV) 〔Rf:炭素数4以上のアルキル基又は弗素若しくは塩素
置換のアルキル基を含有した基、又は分子鎖中にCF2
、CH2 若しくは を含む疎水基(l≧4) n:1以上の整数 x:塩素、メトキシ基又はエトキシ基〕 等をガラス、金、銅などの無機材料やポリイミド、ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレートなどの有機材料
表面に物理吸着又は化学結合した材料(表面エネルギー
が約50dyn/cm以下であるのが好ましい)であることが望
ましい。
式(XII)(XIII)及び(XIV)の具体列としては、 CF3CF2 5COOH CF3CF2 7COOH CF3CF2 (CH2 2OH HCF2 10COOH HCF2 10CH2OH FCF2 6CH2CH2−Si(CH32Cl CF2Cl(CF3)CF(CF25COOH CF3(CF2(CH22SiCl3 などが挙げられる。
第1図(c)に示す化合物としては式(XII)、式(X
III)や式(XIV)の材料のみの構造体が挙げられる。
続いて、上記化合物を用いた記録体について述べる。
記録体の構成としては、前記の表面部材そのもので
形成したもの、支持体(好ましくは耐熱性支持体)上
に前記の表面部材を形成したもの、とに大別される。
の態様は上記化合物(表面部材)そのものをフィルム
状、板状、あるいは円柱状に成形したものである。この
際、フィルム状の場合は、フィルムの長さは1μm〜5m
mが望ましい。
の態様においては、上記化合物がある程度支持体内
部へ侵入していてもかまわない。記録体自体の膜厚は30
Å〜1mmが望ましい。但し、熱伝導性の点では100Å〜10
μm、耐摩耗性の点では10μm〜1mmがすぐれている。
支持体の耐熱温度としては、50℃〜300℃が望ましい。
支持体の形状は、ベルト状、板状、ドラム状いずれで
もよく、装置の使用用途に応じて選定する。特に、ドラ
ム状は装置における寸法精度を出せる点ですぐれてい
る。板状のものは、記録紙サイズに応じてその大きさを
決めればよい。
更に、上記化合物(記録体の表面形成材料)と他の部
材、例えば疎水性ポリマー、疎水性無機材料との混合物
を支持体上に形成すると、印字における地肌よごれ防止
の点ですぐれている。また、熱伝導性を上げるために
は、金属粉を上記化合物に混入するとよい。更に、支持
体と上記化合物との密着性を向上するためにプライマー
層を支持体と化合物間に設けることもできる。耐熱性支
持体としては、ポリイミド、ポリエステルなどの樹脂フ
ィルムやガラスやNi、Al、Cu、Cr、Ptなどの金属や金属
酸化物等が好ましい。これら支持体は平滑でも粗面や多
孔質であってもよい。
次に、接触材料について説明する。
接触材料は、先に記載したとおりであるが、端的に言
えば、当初から液体あるいは蒸気であるか、又は記録体
表面における後退接触角θrの低下開始温度以下で結果
的に液体を生じさせる固体である。ここでの蒸気は、記
録体の表面又は表面近傍で、少なくともその一部が凝縮
して液体を生ぜしめ、その液体が記録体の表面を濡らす
ことができるものであれば充分である。一方、ここでの
固体は、前記後退触媒角θrの低下開始温度以下で液体
となるか、液体を発生させるか、又は蒸気を発生させる
ものである。固体から発生された蒸気は記録体の表面又
はその近傍で凝縮して液体を生じさせることは前記の場
合と同様である。
これら接触材料をより具体的にいえば次のとおりであ
る。すなわち、接触材料の一つである液体としては、水
の他に、電解質を含む水溶液、エタノール、n−ブタノ
ール等のアルコール、グリセリン、エチレングリコール
等の多価アルコール、メチルエチルケトン等のケトン類
のごとき有極性液体や、n−ノナン、n−オクタン等の
直鎖状炭化水素、シクロヘキサン等の環式状炭化水素、
m−キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素のごとき無
極性液体が挙げられる。また、これらの混合体でもよい
し、各種分散液や液状インクも使用できる。更に望まし
くは、極性液体の方がよりすぐれている。
接触材料の他の一つである蒸気としては、水蒸気の外
に接触材料の液体の蒸気であれば使用できるが、特にエ
タノール蒸気やm−キシレン蒸気などの有機化合物の蒸
気(噴霧状態のものを含む)が挙げられる。この有機化
合物蒸気の温度は、記録体の表面を形成する化合物の融
点あるいは軟化点以下である必要がある。
接触材料の他のもう一つである固体としては、高級脂
肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲル(ポリアクリ
ルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲル)、シリカゲ
ル、結晶水を含んだ化合物などが挙げられる。
なお、接触材料として、前記液状インクのごとき記録
剤を用いた場合には、潜像形成と同時に顕像化が行なわ
れることになる。
続いて、加熱手段について説明する。
加熱手段としてはヒーター、サーマルヘッドなどによ
る接触加熱の他に、電磁波(レーザー光源、赤外線ラン
プなどの発光源からの光線をレンズで集光する)による
非接触加熱がある。
第2図(a)は基板1上に記録体の表面を構成する前
記化合物の膜2が形成され、この膜面に接触材料のうち
の例えば液体3が存在している状態を示している。この
状態において、第3図(a)に示されるように膜2を加
熱すると、膜2表面は後退接触角θrが低下して著しい
濡れを示し、液体付着性を有してしまうのが認められ
る。更に、この液体付着性を有する膜2を空気中、真空
中又は不活性ガス雰囲気中で再び加熱する〔第2図
(b)〕と、膜2表面は後退接触角θrが高まってゆき
再び液体反撥性を示すのが認められる。
このような現象と幾分類似した現象を示すものとし
て、先に挙げた特公昭54−41902号公報に記載された方
法がある。だが、ここに開示されている方法では、記録
材料に実質的にデイスオーダーでかつ一般的に不定形の
メモリ物質の層を得るようにしている点で、メカニズム
上大きく相違したものとなっている。すなわち、本発明
では、接触材料の存在なしでは、記録体表面には状態変
化が起こり得ない。また、特公昭54−41902号公報に記
載された方法では、簡単な操作で可逆性を得ることはで
きない。
第3図(a)のごとく、画像情報に応じて液体3の接
触下で膜2に熱を加える〔第3図(b−1)のように、
液体不存在のものに膜2に画像情報に応じて熱を加えた
状態のもとで液体と接触させても同様である〕と、加熱
部分の膜2の表面が液体付着性化される。図中、4はヒ
ーター、31は液体供給口、41は赤外線ランプ、5はレン
ズ、6はシャッターを表わしている。
第3図(a)は膜2の加熱を基板1を通して行なって
いる例であるが、第3図(b−2)に示した例は、液体
3を通して加熱がなされている例である。
この膜2の水溶液接触下での加熱前後の水溶液の接触
角の変動、及び、このものを更に空気中で加熱した場合
の水溶液の接触角の変動の一例を第4図に示した。第4
図において、○は前進接触角、△は後退接触角を表わし
ている。
一般に、後退接触角が90゜以上の高い値の場合、その
表面は液体反撥性を示し、90゜以下の低い値の場合、そ
の表面は液体付着性を示す。
接触材料に接した状態での記録体表面の加熱温度とし
ては、50℃〜250℃の範囲が望ましく、更に望ましくは8
0℃〜150℃である。加熱時間は0.1ミリ秒〜1秒程度
で、望ましくは0.5ミリ秒〜2ミリ秒である。加熱のタ
イミングとしては、潜像形成であれば、記録体表面を
加熱した後、冷めないうちに接触材料に接触させる、
記録体表面に接触材料を接触させた状態のもとに記録体
表面を加熱させる、のいずれかでよい。一方、潜像消去
であれば、接触材料が不存在下で記録体表面を50〜300
℃、望ましくは100〜180℃に加熱すればよい。加熱時間
はいずれの場合も1ミリ秒〜10秒程度で、好ましくは10
ミリ秒〜1秒である。
続いて、記録体表面に実際に画像情報の記録を行なう
手段について、より詳細に説明する。
本発明においては、液体又は蒸気雰囲気下で画像信号
に応じて記録体の表面を加熱し、記録体の表面に液体付
着領域を形成(潜像形成)し、その後、この潜像部に記
録剤を接触させる手段により潜像部に記録剤を付着させ
(現像)、この後、記録紙に記録体表面の記録剤を転写
する方法(間接記録方法)が基本となる。また、該方法
において、接触材料として記録剤を兼ねるものを使用す
ると、潜像形成と現像が同時に行なわれる。更に、これ
らの方法において、記録剤が転写後、再び潜像部に記録
剤を接触させる手段を行なえば、記録体を印刷版として
用いた印刷方法となる。また、これらの方法において、
記録剤を転写後、液体又は蒸気の不存在下で潜像を形成
した記録体の表面を加熱し潜像を消去することにより、
記録体が再生可能な記録方法となる。第5図(a)及び
(b)に間接記録方法(印刷法)、記録体の可逆的な間
接記録方法(繰り返し記録方法)の代表的なプロセスを
示す。
次に、記録体をはじめ、記録方法における装置構成に
ついて述べる。
記録体は、加熱状態でかつ液体と接触させた場合に後
退接触角が低下する表面(便宜上「膜2」又は「記録体
表面」と記すことがある)を有しているものであれば、
その形態にとらわれない。従って、記録体は、剛体円筒
形状であっても、柔軟性を有するフィルム形状であって
もかまわない。ただ、剛体円筒形状記録体(円筒状剛体
の表面に膜2が形成されたもの)は、記録体を稼働する
際位置ずれ等が生じにくく制御性に優れているので、剛
体円筒形状の記録体が好ましい。このような記録体の作
製は膜2を基板上に成膜する方法や、成形体そのもので
作成する方法が採用される。特に、前記成形体は一般に
機械強度が弱いため基板上に成膜する方法が望ましい。
なお、成形体そのもので記録体をつくる場合において
も、その表面には膜2が形成されていなければならない
ことはいうまでもない。
記録体基板に樹脂を用いた場合、このものは熱の良導
体とは言いがたく、記録体表面が加熱され液体付着性を
有するまでにはある程度の時間を要する。そこで、熱の
良導体を基板の全体に又は基板1上の部分に用いること
が考えられてよい。
第6図(a)は、例えば金属のような熱の良導体を基
板(金属基板11)とし、その上に有機薄膜12を蒸着し、
更にその上に、膜2を形成したものであるが、このよう
にすると垂直方向の熱伝導速度が向上する。ここでの有
機薄膜12としては、ポリイミド、ポリエステル、フタロ
シアニンなどが例示される。印字ドットが比較的大きく
てよい場合にはこの構成で充分であるが、両方向への熱
拡散により液体付着性を有する部分が拡大するため、一
層の高密度印字を目的とする場合には適さない。第6図
(b)は、そのため、基板1上に熱の良導部分を区切っ
て設けることにより面方向への熱拡散を防ぎ、液体付着
性を有する部分2aの微小化を図ったものである。第6図
(b)において、11aは微小化された金属膜を表わして
いる。
続いて、加熱による潜像形成手段について述べる。上
記したごとく、加熱源としては、ヒーターやサーマルヘ
ッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線ランプのご
とき電磁波による非接触加熱源が望ましい。
これらの具体例として、液体と接した状態で記録体表
面を加熱する手段を述べる。なお、便宜上、基体1上に
膜2が形成されているタイプの記録体を例にとって説明
を進めることにする。まず、あらかじめ記録体表面に液
体3を接しておき、その接した状態で基板1側又は液体
3側から加熱を行なう手段〔第7図(a)及び(b)〕
や、初めに記録体表面側から加熱を行ない直ちに液体3
を記録体加熱部(記録体表面)に接触させる手段〔第7
図(c)及び(d)〕を採用することが望ましい。
液体3の供給手段としては、記録体下部に皿を設け液
体を満たし記録体が皿中の液体3に常に接するように
し、加熱源を皿の近傍又は皿の中に配置する構成が最も
簡単な構成となる。皿の替わりに、液体を充填したスポ
ンジ状多孔質体34を用いても良い。電磁波による潜像形
成手段も上記構成と基本的に同様である。
第7図において、42はレーザー光源、43はサーマルヘ
ッドである。このようにして、記録体表面には潜像が形
成される。
上記手段により画像信号に応じて選択的に付与された
液体付着性領域に記録剤(インク)を付着させる手段と
しては、記録剤3aを充填した皿を潜像形成手段配置位置
に対して記録体の進行方向に配置し常に記録体に接して
おく構成が最も簡単である(第8図及び第9図)。な
お、第8図及び第9図に示すごとく、潜像形成に用いる
液体を記録剤と兼用すると一つの皿で構成でき、潜像形
成と顕像化とを一体化できるため、装置を小型化でき
る。
間接記録においては、前記のとおり、例えば剛体円筒
管が記録体基板として用いられるのが有利である。潜像
形成及び現像(顕像化)後、例えば記録体上の記録剤3a
は記録紙61と直接接する手段を設けることで記録紙の毛
管作用により、記録紙61へ記録剤3aは転写される(転写
手段)。転写を行なう位置は、現像後であれば、記録体
のどの位置でもかまわないが、現像後、直ちに転写が行
なわれる位置が望ましい。転写後、潜像消去を行なわず
現像を繰り返えせば、この装置は印刷装置となる。第10
図に上記印刷装置の例を示す。一つの画像情報の印刷が
終了すれば、記録体を交換することで又は潜像消去を行
なうことで、別の画像情報の記録・印刷が可能となる。
また、上記転写手段の後、液体又は蒸気の不存在下
で、すなわち、空気中、真空中、又は不活性ガス中で潜
像部付近を加熱することにより潜像を消去すれば、記録
体は繰り返し使用可能な記録装置となる(第11図)。な
お、潜像消去のための加熱源としては、ヒーターやサー
マルヘッドのごとき接触加熱源やレーザーや赤外線ラン
プのごとき電磁波による非接触加熱源が望ましい。加熱
は記録体全面に行なっても良く、潜像部のみ行なっても
良い。但し、全面加熱の方が装置構成を簡単にできるた
め、より望ましい。なお、潜像消去手段は、消去のため
の加熱を行なったのち、再び潜像形成を行なうまでの時
間の間に記録体表面が実質的に冷却する位置に設ける。
消去に必要な加熱温度は、当該記録体表面の材料により
異なるが、記録体表面の材料の後退接触角低下開始温度
以上でかつ分解点以下の温度が望ましい。
記録紙(被転写体)としては、透明樹脂フィルム、普
通紙、インクジェット用紙、タイプ紙などが適当であ
る。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。な
お、以下において示す部及び%はいずれも重量基準であ
る。
実施例1 インクの調製 下記組成の混合物を50℃で撹拌溶解し、10μmのテフ
ロンフィルターで不溶物を濾別して、インク1を調製し
た。
(インク1) C.I.ダイレクトブラック19 3 % グリセリン 20 % 水酸化ナトリウム(pH調整剤) 0.1% 純水 残量 記録体用機能部材の臨界表面張力の測定 膜材料(記録体の表面材料)として含弗素アクリレー
ト材料であるダイキン工業社製撥水撥油剤「TG−702」
を用い、これをフレオンTF(三井フロロケミカル社製)
で2倍に希釈し、スライドガラスにコート後、90℃で2
時間乾燥し、約1μm厚の膜を製膜した。次に、これを
第3図(a)のように、膜2表面に純水を接触させた状
態でガラス基板側から加熱した(加熱温度130℃、5
秒)。これを用い、n−アルカン系標準液体として、n
−ヘキサン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカンを
用いて接触角測定を行ない、臨界表面張力を求めたとこ
ろ16dyn/cmであった。
インク表面張力の測定 引き上げ板式表面張力計(協和科学社製)にてインク
1の表面張力を測定したところ、68dyn/cmであった。従
って、上記記録体部材の臨界表面張力に対して52dyn/cm
高い。
印字評価 上記と同様に膜材料としてTG−702を用いてフレオンT
Fで2倍に希釈し、ポリイミドフィルム1(東レデュボ
ン社製カプトン2000V)上にコートし、90℃で2時間乾
燥して約1μm厚に製膜したフィルムを作製した。
次に、第12図に示すごとく、膜2上にインク供給部35
を設け、その真下のフィルム下部にサーマルヘッド43を
フィルムに接して配置した。インク1をインク供給部に
充填し、画像情報に応じて、サーマルヘッド43を駆動
し、このフィルムを矢印の方向へ動かしたところ、膜2
上に画像情報に応じてインク3bが付着し、これを記録紙
へ転写した。転写画像は、地肌汚れもなく鮮明であっ
た。転写後も膜2のインク付着性は保持され、繰り返し
同一パターンの印刷が可能であった。更に、空気中で膜
2を加熱したところ、インク付着性は除去された。
実施例2 インクの調製 下記組成の混合物を50℃で撹拌溶解し、10μmのテフ
ロフィルターで不溶物を濾別して、インク2を調製し
た。
(インク2) C.I.ダイレクトブラック154 4 % エチレングリコール 30 % ホルムアミド 10 % テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(15%
水溶液) 0.5% 純水 残量 上記インク2を用い、実施例1と同様にして表面張力
測定及び印字評価を行なったところ、インク表面張力は
50dyn/cmで、記録部材の臨界表面張力との差が34dyn/cm
であった。また、画像は鮮明で地肌汚れもなかった。
実施例3 インクの調製 下記組成の混合物を50℃で撹拌溶解し、10μmのテフ
ロンフィルターで不溶物を濾別して、インク3を調製し
た。
(インク3) C.I.フードブラック 2 4 % グリセリン 35 % ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5 % 水酸化ナトリウム 0.2% 純水 残量 上記インク3を用い、実施例1と同様にして表面張力
測定及び印字評価を行なったところ、インク表面張力は
35dyn/cmで、記録部材の臨界表面張力との差が19dyn/cm
であった。また、画像は鮮明で地肌汚れもなかった。
実施例4 インクの調製 下記組成の混合物を50℃で撹拌溶解し、10μmのテフ
ロンフィルターで不溶物を濾別して、インク4を調製し
た。
(インク4) C.I.ソルベントブラック 27 4% エチレングリコール 40% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 56% 上記インク4を用い、実施例1と同様にして表面張力
測定及び印字評価を行なったところ、インク表面張力は
30dyn/cmで、記録部材の臨界表面張力との差が14dyn/cm
であった。また、画像は鮮明で地肌汚れもなかった。
実施例5 インクの調製 下記組成の混合物を50℃で撹拌溶解し、10μmのテフ
ロンフィルターで不溶物を濾別して、インク5を調製し
た。
(インク5) C.I.ダイレクトブルー199 3 % グリセリン 35 % ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5 % シリコン系界面活性剤(K607;信越化学社製) 0.01% 水酸化ナトリウム 0.2 % 純水 残量 上記インク5を用い、実施例1と同様にして表面張力
測定及び印字評価を行なったところ、インク表面張力は
32dyn/cmで、記録部材の臨界表面張力との差が16dyn/cm
であった。また、画像は鮮明で地肌汚れもなかった。
実施例6 インクの調製 下記組成の混合物を50℃で撹拌溶解し、10μmのテフ
ロンフィルターで不溶物を濾別して、インク6を調製し
た。
(インク6) C.I.ダイレクトレッド9 4 % エチレングリコール 25 % ジエチレングリコールモノフェニルエーテル 5 % 水酸化ナトリウム 0.2% 純水 残量 上記インク6を用い、実施例1と同様にして表面張力
測定及び印字評価を行なったところ、インク表面張力は
34dyn/cmで、記録部材の臨界表面張力との差が18dyn/cm
であった。また、画像は鮮明で地肌汚れもなかった。
比較例1 インクの調製 下記組成の混合物を50℃で撹拌溶解し、10μmのテフ
ロンフィルターで不溶物を濾別して、インク7を調製し
た。
(インク7) C.I.ダイレクトブラック 154 4 % グリセリン 40 % 弗素系界面活性剤(フロラードF129;住友スリーエム
社製) 0.5% 純水 残量 上記インク7を用い、実施例1と同様にしてインク表
面張力測定及び印字評価を行なったところ、インク表面
張力は18dyn/cmで、記録部材の臨界表面張力との差が2d
yn/cmであった。また、画像はにじみ、地肌汚れがひど
かった。
比較例2 インクの調製 下記組成の混合物を80℃で撹拌溶解し、10μmのテフ
ロンフィルターで不溶物を濾別して、インク8を調製し
た。
(インク8) C.I.ソルベントブラック 27 4% エチレングリゴール 60% エチレングリコールモノブチルエーテル 35% 1H,1H,9H−ヘキサデカフロロ−1−ノナノール 1% 上記インク8を用い、実施例1と同様にしてインク表
面張力測定及び印字評価を行なったところ、インク表面
張力は17dyn/cmで、記録部材の臨界表面張力との差が1d
yn/cmであった。また、画像はにじみ、地肌汚れがひど
かった。
以上の結果から、本発明の記録方法によると、鮮明で
地肌汚れのない画像が得られることが分かる。
〔発明の効果〕
請求項(1)の記録方法は、記録剤を選択することに
よって、該記録剤の表面張力が、記録体表面の接触材料
と接触加熱した後の臨界表面張力より、5dyn/cm以上大
きくなるような構成としたことから、本記録方法によれ
ば、鮮明で地肌汚れのない、しかも高解像度で階調性の
高い画像が得られる。
また、請求項(2)の記録方法は、接触材料として前
記の記録剤を兼ねるものを使用するという構成としたこ
とから、潜像形成と顕像化とを一本化することができる
ので、記録装置を小型化できるという効果が加わる。
【図面の簡単な説明】
第1図は表面自己配向機能を有する形態の模式的な四例
の図である。 第2図及び第3図は本発明方法を基本的に説明するため
の図である。 第4図は本発明の実施で用いられる記録体表面に液体を
接触させた状態で記録体表面を加熱した場合、その記録
体表面にみられる後退接触角θrの変化を表わした図で
ある。 第5図は本発明方法の二つの態様を示したものである。 第6図、第7図、第8図、第9図、第10図、第11図、及
び第12図は本発明方法の実施の様子を表わした図であ
る。 1……基板、2……記録層、2a……微小化された記録
層、3……液体、3a……記録剤、3b……付着した記録
剤、4……ヒーター、5……レンズ、6……シャッタ
ー、7……記録体、11……金属基板、11a……微小化さ
れた金属膜、12……有機薄膜、31……液体供給口、34…
…スポンジ状多孔質体、35……インク供給部、41……赤
外線ランプ、42……レーザー光源、43……サーマルヘッ
ド、61……記録紙、62……転写ローラー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−255482(JP,A) 特開 平3−55283(JP,A) 特公 昭54−410902(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00 B41C 1/10 B41M 5/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱状態でかつ液体と触媒させたときに後
    退接触角が低下する表面を有する記録体の表面と、液
    体、蒸気及び前記記録体における後退接触角の低下開始
    温度以下で液体となるか又は液体若しくは蒸気を発生す
    る固体から選ばれる接触材料とを接触させた状態で、前
    記記録体表面の後退接触角の低下開始温度以上に選択的
    に加熱することにより、又は前記記録体の表面を選択的
    に加熱し、前記記録体の表面の加熱部が前記記録体表面
    の後退接触角の低下開始温度以上に保持された状態で前
    記接触材料と接触させることにより、前記記録体表面に
    加熱温度に応じた後退接触角を示す領域を形成させた
    後、該領域に記録剤を接触付着させ、これを被転写体に
    転写する記録方法であって、前記記録剤が着色剤とこれ
    を溶解又は分散する展開剤とを含有し、しかも前記記録
    剤の表面張力が、前記記録体表面の前記接触材料と接触
    加熱した後の臨界表面張力より、5dyn/cm以上大きいこ
    とを特徴とする記録方法。
  2. 【請求項2】加熱状態でかつ液体と接触させたときに後
    退接触角が低下する表面を有する記録体の表面と、液
    体、蒸気及び前記記録体における後退接触角の低下開始
    温度以下で液体となるか又は液体若しくは蒸気を発生す
    る固体から選ばれる接触材料とを接触させた状態で、前
    記記録体表面の後退接触角の低下開始温度以上に選択的
    に加熱することにより、又は前記記録体の表面を選択的
    に加熱し、前記記録体の表面の加熱部が前記記録体表面
    の後退接触角の低下開始温度以上に保持された状態で前
    記接触材料とを接触させることにより、前記記録体表面
    に加熱温度に応じた後退接触角を示す領域を形成させ、
    しかも前記接触材料として記録剤を兼ねるものを使用
    し、前記記録体の表面に付着した記録剤を被転写体に転
    写する記録方法であって、前記記録剤が着色剤とこれを
    溶解又は分散する展開剤とを含有し、しかも前記記録剤
    の表面張力が、前記記録体表面の前記接触材料と接触加
    熱した後の臨界表面張力より、5dyn/cm以上大きいこと
    を特徴とする記録方法。
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