JP3062392B2 - 波形形成装置およびこの出力波形を用いた電子楽器 - Google Patents

波形形成装置およびこの出力波形を用いた電子楽器

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JP3062392B2 JP6106334A JP10633494A JP3062392B2 JP 3062392 B2 JP3062392 B2 JP 3062392B2 JP 6106334 A JP6106334 A JP 6106334A JP 10633494 A JP10633494 A JP 10633494A JP 3062392 B2 JP3062392 B2 JP 3062392B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は波形形成装置およびこの
装置による処理波形を波形メモリに記憶する電子楽器に
関し、特に、波形メモリから波形を繰り返し読み出す場
合の波形データの修正に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電子楽器においては、楽音波形を
波形メモリに記憶し、キーオンなどの演奏情報に基づい
て該波形を読み出し、楽音信号を発生させる方式があっ
た。この中には、キーオン直後のアタック部分やその後
のディケイ、サスティン部などの音色の微妙な変化を出
すために、楽器の原音を発音開始から終了までの期間録
音し、波形メモリに記憶させる方式があり、この場合
に、後半の波形はほとんど音色の変化がないので、ある
程度の期間経過後は同じ波形区間を繰り返し読み出すこ
とで波形メモリの容量を節約する方式があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】楽器の原音は一般に周
波数成分、振幅成分共に時間的な変化をしているが、上
記のような従来の電子楽器においては、波形メモリから
の繰り返し読み出し期間に入ると、突然スペクトルの時
間的変化が無くなるため、不自然な感じを受けるという
問題点があった。またある種の楽器の原音には非調和倍
音成分が含まれているために、繰返し部分の末尾と先頭
の波形の連続性が悪くなり、繰返し再生する際に波形が
不連続になって雑音が発生するという問題もあった。非
調和倍音成分が含まれている実在の原音にはピアノや鐘
の音があり、ピアノの場合、高調波の周波数は次数(周
波数)が高くなるに従って基音の周波数の高調波次数倍
よりも高い周波数になり、一方鐘の音などの金属的な音
の場合は、倍音の周波数が基音の整数倍にならないこと
が知られている。このような倍音の特性により、例えば
基音の波長が100ワードで非調和倍音成分の波長が4
9ワード、所定の繰返し区間を160ワードとすると、
前記繰返し区間内に基音は整数倍の16周期の波形が入
るが、非調和倍音成分は32.65周期と整数周期にな
らない。したがって、前記繰返し区間を繰返し再生する
と、その末尾から先頭へ戻るときに波形が不連続になっ
て雑音が発生する。本発明は、このような課題を新らた
に知見したことに基づいて成されたものである。
【0004】本発明の目的は、前記のような従来技術の
問題点を改良し、波形読み出しの繰り返し区間に入る前
後で音色が連続的に自然に変化し、かつ繰返し区間を繰
返し発音しても雑音が発生しない波形データを作成可能
な波形形成装置、およびこの装置によって処理波形を用
い、より自然な音色変化が得られる電子楽器を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、原音信号を
高調波成分毎の周波数帯域に分割し、各帯域信号ごとに
振幅および周波数成分を抽出し、各帯域信号ごとに、前
記抽出された周波数成分の所定平均値抽出区間における
平均値を演算し、前記平均値に基づいて、前記平均値に
近く、かつ前記後半期の波形繰返し読出し区間内に整数
周期の波形が入るような目標周波数を決定し、該目標周
波数に基づいて、楽音の前記前半期の終期前の予定期間
においては、記憶される波形の周波数の前記目標周波数
からの偏移が徐々に減少し、前記前半期の終期では、記
憶される波形の周波数が前記目標周波数に合致するよう
に、各帯域信号の周波数成分を修正し、少なくとも前記
修正された周波数成分を用いて各帯域信号を合成し、
後に、合成された各帯域信号を混合し、出力する波形形
装置、および上記装置によって処理された波形データ
を記憶した電子楽器に特徴がある。
【0006】
【作用】この発明は、このような手段により、原音を帯
域毎に分けて処理を行うので、パラメータの変化を正確
に制御でき、音色の変化の仕方を任意に制御することが
可能となる。従って、繰り返し区間に入る前後で音色の
変化度合いが滑らかに変化するような波形を作成するこ
とが可能となり、音色の変化がより自然な電子楽器を得
ることが可能となる。更に所定の繰り返し区間内に信号
が整数周期入るように周波数パラメータを修正するの
で、繰り返し期間において波形の末尾と先頭部分の連続
性が改善され、その不連続せいに基づいて発生するノイ
ズが抑制される
【0007】また、パラメータ修正用の平均値データを
別の原音から生成するようにすれば、例えばアタック部
分と繰り返し部分で別の音色を持った楽音波形も自然な
感じで合成可能となる。更に、分離抽出されなかった、
あるいは再合成されなかった楽音信号を原音信号から抽
出し、繰り返し部分までにフェードアウトするように該
抽出信号を加工してから再合成した信号と混合するよう
にすれば、より原音に忠実な楽音を発生可能となる。
【0008】
【実施例】まず本発明が適用される電子楽器の実施例を
説明する。図2は本発明を適用した電子楽器の構成を表
すブロック図である。CPU1はROM2に記憶されて
いるプログラムにより、周知のキーアサイン処理、発音
処理等電子楽器全体の制御を行う。ROM2には制御用
プログラムの他、例えば各種テーブル、自動演奏用楽曲
データ、各種音色データなどを記憶している。RAM3
はCPU1の作業用領域として使用される他、キーアサ
インテーブル、音源制御情報テーブルなどの各種制御デ
ータを記憶しており、バッテリーバックアップされてい
てもよい。キーボード4は例えばそれぞれ2つのスイッ
チを有する複数の鍵からなり、図示しないキーボードイ
ンターフェースがCPU1の制御により各鍵のスイッチ
をスキャンする。
【0009】パネル5は、例えばパネル上の音色、リズ
ムパターンなどの選択スイッチ、数値入力用テンキース
イッチ等の各種スイッチ、LEDなどの表示装置、パネ
ルインターフェース回路からなる。音源回路6は、後述
するように、CPU1の制御により、時分割多重処理に
よって例えば16チャネルの独立したデジタル楽音信号
を発生することができるものである。D/A変換器7は
音源回路6から出力されるデジタル信号をアナログ信号
に変換する。アンプ8はアナログ楽音信号を増幅し、ス
ピーカ9から発音される。バス10は電子楽器内の各回
路を接続している。この他にMIDIインターフェース
等を設けてもよい。
【0010】図3は図2の音原回路6の構成を示すブロ
ック図である。アドレス発生回路20は、CPU1から
設定された、押下されたキーの音高に対応するアドレス
間隔情報を累算する累算器をチャネル分備えており、例
えばサンプリング周期毎に波形メモリの読み出しアドレ
スを発生する。なお、最後の所定の範囲の波形データを
繰り返し読み出すようにアドレスが制御される。波形メ
モリ21は後述する方法で形成された波形データを記憶
するROMあるいはRAMであり、音色毎およびある音
高範囲ごとに異なる波形データを記憶している。
【0011】デジタルフィルタ22はCPU1の制御に
より音色あるいは音質の制御を行う。エンベロープ発生
器24はデジタルフィルタ22の周波数特性に時間的変
化を付ける。エンベロープ発生回路23は、CPU1の
制御により、音色およびタッチ情報に対応した楽音のエ
ンベロープ信号を発生する。乗算器24はデジタルフィ
ルタ22の出力信号に、エンベロープ発生回路23の出
力であるエンベロープ信号を乗算し、楽音信号を出力す
る。本発明の特徴は波形メモリ21に記憶される波形デ
ータにある。
【0012】次に、波形メモリに記憶するデータを作成
する波形形成装置について説明する。図4は本発明の波
形形成装置の構成を示すブロック図である。波形形成装
置30は通常の計算機システムにマイクの信号を入力す
るためのA/D変換器42を付加し、波形形成処理のた
めのプログラムを組み込んだものである。CPU31は
プログラムに従って各種演算などを実行する。メモリ3
2にはプログラムやデータが記憶される。コンソールイ
ンターフェース33はCRTディスプレイ34とキーボ
ード35のインターフェース回路である。
【0013】I/Oインターフェース36は計算機シス
テムと、プリンタや通信装置、ROMライタなど各種の
I/O機器37とのインターフェース回路である。ディ
スク38はプログラムやデータのファイルを記憶する。
バス39はシステム内の各回路を接続している。楽器4
0は、電子楽器の波形データの元になる原音を発生させ
るためのものであり、発生した原音信号はマイク41に
よって電気信号に変換され、更にA/D変換器42によ
ってデジタル信号に変換され、原音データとなる。
【0014】図1は図4の波形形成装置の処理機能を示
す機能ブロック図である。高調波分離手段50は、図7
(a)に波形を示すような原音データを複数の高調波成
分に分離する。この処理は例えば、まずFFT(高速フ
ーリエ変換)などによって求めた原音のスペクトルから
各高調波成分の周波数とレベルを求め、レベルがある値
以上の高調波について、バンドパスフィルタ処理によ
り、図7(b)に示すような高調波成分を独立して抽出
することにより実行される。高調波処理手段51、52
は抽出された高調波の数だけ用意され、抽出された各高
調波は複数の高調波処理手段51、52によって独立に
処理される。
【0015】振幅成分抽出手段53は、例えば高調波信
号の振幅のピークを検出し、それらを線で結ぶことによ
り、図7(c)に示すような振幅成分データを出力す
る。周波数成分抽出手段54は、例えば高調波信号のゼ
ロクロス点の間隔から周期を求め、その逆数を取ること
により、図7(d)に示すような周波数成分データを出
力する。平均値検出手段55および56は、それぞれ振
幅成分と周波数成分について所定の範囲、例えば図
Aの範囲の平均値を求める。周波数平均値検出手段56
は更に所定の波形繰り返し区間内に整数周期の波形が入
るような周波数であって、さらに前記各平均値に最も近
い周波数(目標値)を決定する。具体的には、例えば、
繰り返し区間の時間が1秒であれば、周波数が整数であ
るような信号は繰り返し期間に波形が整数周期入ること
になるので、Aの範囲で求めた周波数の平均値を四捨五
入して整数化すればよい
【0016】振幅成分修正手段57は、所定の期間C
(t:v〜k)で振幅成分データの平均値からのずれを
徐々に減少させ、ある時刻(t=k)以降は平均値とな
るように振幅成分データを修正し、図7(e)に示すよ
うな修正振幅成分データを出力する。なお図7における
範囲Bは波形が繰り返し読み出される範囲を示してい
る。処理を式で示すと、振幅成分データをa(t)、修
正振幅成分データをa’(t)、平均値をAとすれば下
記のようになる。
【0017】 a’(t)=a(t).(t:0〜v−1)。
【0018】a’(t)=A+(a(t)−A)*(k
−t)/(k−v). (t:v〜k−1)。
【0019】a’(t)=A.
(t:k〜)。
【0020】周波数成分修正手段58は、やはり所定の
期間C(t:v〜k)で周波数成分データの目標値から
のずれを徐々に減少させ、ある時刻(t=k)以降は目
標値となるように周波数成分データを修正し、図7
(f)に示すような修正周波数成分データを出力する。
処理を式で示すと、周波数成分データをf(t)、修正
周波数成分データをf’(t)、目標値をFとすれば下
記のようになる。
【0021】f’(t)=f(t).
(t:0〜v−1)。
【0022】f’(t)=F+(f(t)−F)*(k
−t)/(k−v). (t:v〜k−1)。
【0023】f’(t)=F.
(t:k〜)。
【0024】波形合成手段59は修正された振幅および
周波数成分データを基に、図7(g)に示すような高調
波を再合成する。式で示すと、高調波データをC(t)
とすれば、 C(t)={a’(t)*sin(2πf’(t)*
t)} となる。混合手段60は各高調波処理手段51、52の
出力を混合し、修正された楽音波形データを出力する。
【0025】第1の実施例においては、以上のような処
理により、立ち上がり部分から繰り返し部分の先頭にか
けて徐々にパラメータの変化が少なくなるように波形を
修正するので、該波形を用いた電子楽器において、音色
が滑らかに変化する自然な楽音を得ることができる。ま
た期間Bの周波数は所定の波形繰り返し区間内に波形が
整数周期入るような周波数の内で平均値に最も近い周波
数に修正されているので、繰り返し時に波形が不連続に
なることがなく、雑音は発生しない。
【0026】図5は波形形成装置の第2の実施例の機能
を示す機能ブロック図である。この実施例では、繰り返
し部分の目標値となる平均値を原音データからではな
く、繰り返し部分専用の別の原音データから求めるもの
である。図5において図1と同様の機能ブロックには同
じ番号が付与してある。第2の実施例において第1の実
施例と異なるところは、各高調波処理手段76の内部に
は平均値検出手段が無く、別に繰り返し部分用の原音デ
ータから平均値を求め、修正手段に供給するための手段
70、75を設けた所にある。
【0027】帯域分離手段70は原音データ用の高調波
分離手段50と全く同様の処理により、返し部分専用の
別の原音データを原音と同じ帯域に分離する。平均値処
理手段75は分離された各高調波ごとに設けられ、対応
する高調波処理手段76に振幅および周波数の平均値を
供給する。平均値処理手段75内の振幅成分抽出手段7
1および周波数成分抽出手段72は、共に高調波処理手
段内の振幅成分抽出手段53および周波数成分抽出手段
54と同一の処理を行う。また振幅成分平均値検出手段
73および周波数平均値検出手段74も共に第1の実施
例の平均値検出手段55および56と同一の処理を行
う。
【0028】なお繰り返し部分用の原音データから抽出
された高調波に、原音データからは抽出されなかった次
数のものが含まれていた場合には、新たな高調波処理手
段を設け、該高調波処理手段は振幅成分が期間Cにおい
て0から平均値まで増加し、周波数成分は平均値のまま
であるような成分に基づき波形を合成するようにすれば
よい。従来は複数の波形を合成する場合にクロスフェー
ド等の技術を用いていたため、混合した時に波形同士が
位相干渉を起こして不自然な感じを受けることがあった
が、第2の実施例の手法によれば、同一の次数の高調波
同士が混合されることはないので、上記のような問題は
発生せず、例えばアタック部分がピアノでリリース部分
がストリングスであるような楽音波形も自然な感じで合
成可能になる。
【0029】図6は波形形成装置の第3の実施例の機能
を示す機能ブロック図である。第3の実施例は、分離抽
出されなかった、あるいは再合成されなかった楽音信号
を原音信号から抽出し、繰り返し部分までにフェードア
ウトするように該抽出信号を加工してから再合成した信
号と混合するようにしたものである。図6において図1
と同様の機能ブロックには同じ番号が付与してある。第
3の実施例において第1の実施例と異なるところは、加
算器80、減算器81、フェードアウト処理手段82、
混合手段83を追加した所にある。
【0030】加算器80は高調波分離手段50の出力信
号を全て加算する。減算器81は原音データから加算器
80の出力信号を減算する。フェードアウト処理手段8
2は減算器81の出力信号を図7のCの期間内において
レベルが0になるまで徐々に減衰(フェードアウト)さ
せる。混合手段83は混合手段60の出力信号とフェー
ドアウト処理手段82の出力信号とを混合する。このよ
うな処理により、例えばレベルが低いため、あるいは周
波数が抽出範囲外であるために高調波分離手段によって
抽出されなかった高調波成分を再合成することが可能と
なり、より原音に近い楽音波形が得られる。
【0031】次に、第3の実施例の変形例を説明する。
この変形例においては、図6に点線で示されているよう
に、高調波分離手段50の出力を加算した信号の代わり
に、混合手段60の出力信号を用いる。このような構成
にすると、高調波分離手段50においては抽出された
が、高調波処理手段51、52内において、例えばレベ
ルの減衰率が大きい等の理由により、正確な周波数平均
値が算出できないために波形合成手段59により波形合
成ができなかった高調波も原音から抽出され、再合成さ
れることになる。この変型例によっても、より原音に近
い楽音波形が得られる。
【0032】以上、実施例を説明したが、以下のような
変形例も考えられる。波形形成装置においては、振幅成
分と周波数成分の検出手段について任意の方法が使用可
能である。例えば振幅については、検波(絶対値を取
る)してローパスフィルタを通すなどの処理を行っても
よい。また周波数(周期)成分の検出については、ゼロ
クロス点あるいはピーク点の周期の検出、自己相関関数
から求めるなどの方法が考えられる。なお機能ブロック
図における各機能は実時間で処理する必要はなく、各機
能を1つずつ順に処理していけばよい。
【0033】図7における範囲A、B、Cは任意に決定
すればよいが、B(あるいはk)は例えば音色の変化の
減少度合いと、波形メモリとして利用できるメモリ容量
などによって決定される。またAの範囲の平均値は繰り
返し部分のパラメータ値となるので、k点における連続
性を考慮して、k点を中心とする所定の範囲としてもよ
い。Cについては原音を必要以上に修正することなく、
かつ音色が滑らかに変化するように、実験的に決定すれ
ばよい。
【0034】第3の実施例およびその変型例は第1の実
施例に適用した例を開示したが、第2の実施例にも同様
に適用可能である。実施例においては、振幅と周波数の
両方のパラメータについて修正を行う例を示したが、周
波数パラメータのみを修正するようにしてもよい。サン
プリング機能付きの電子楽器に本発明の機能を付加すれ
ば、収集した楽音のデータ量を圧縮して蓄積、利用する
ことが可能となり、メモリ容量が削減できる。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、この発明は、原音を
帯域毎に分けて処理を行うので、パラメータの変化を正
確に制御でき、音色の変化の仕方を任意に制御すること
が可能となる。従って、繰り返し期間に入る前後で音色
の変化度合いが滑らかに変化するような波形を作成する
ことが可能となり、音色の変化がより自然な電子楽器を
得ることが可能となる。更に所定の繰り返し区間内に信
号が整数周期入るように周波数パラメータを修正するの
で、繰り返し期間において読出される繰返し波形の末尾
と先頭とが連続し、その不連続性に基づいて発生する
イズの発生が抑制されるという効果がある。
【0036】また、パラメータ修正用の平均値データを
別の原音から生成するようにすれば、例えばアタック部
分と繰り返し部分で別の音色を持った楽音波形も自然な
感じで合成可能となる。更に、分離抽出されなかった、
あるいは再合成されなかった楽音信号を原音信号から抽
出し、繰り返し部分までにフェードアウトするように該
抽出信号を加工してから再合成した信号と混合するよう
にすれば、より原音に忠実な楽音を発生可能となるとい
う効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 波形形成装置の機能を示す機能ブロック図で
ある。
【図2】 電子楽器の構成を表すブロック図である。
【図3】 図2の音原回路6の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】 本発明の波形形成装置の構成を示すブロック
図である。
【図5】 波形形成装置の第2の実施例を示す機能ブロ
ック図である。
【図6】 波形形成装置の第3の実施例を示す機能ブロ
ック図である。
【図7】 各波形形成処理工程における信号波形を示す
波形図1である。
【図8】 各波形形成処理工程における信号波形を示す
波形図2である。
【符号の説明】
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…キーボー
ド、5…パネル、6…音源回路、7…D/A変換器、8
…アンプ、9…スピーカ、10…バス 31…CPU、32…メモリ、33…コンソールインタ
ーフェース、34…CRT、35…キーボード、36…
I/Oインターフェース、37…I/O機器、38…デ
ィスク、39…バス、40…楽器、41…マイク、42
…A/D変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−225583(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 7/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楽音波形を波形メモリに記憶し、楽音の前
    半期においては演奏情報に基づいて該波形を読出し、楽
    音の後半期においては同一波形を繰返し読出して楽音信
    号を発生させるための波形形成装置であって、 入力される原音信号を、 高調波成分毎の周波数帯域に分
    割し、第1の帯域信号を出力する第1の帯域分割手段
    と、 各帯域信号ごとに振幅および周波数成分を抽出する振幅
    成分抽出手段および周波数成分抽出手段と、各帯域信号ごとに、前記抽出された 周波数成分の所定平
    均値抽出区間における平均値を演算し、前記平均値に基
    づいて、前記平均値に近く、かつ前記後半期の波形繰返
    し読出し区間内に整数周期の波形が入るような目標周波
    数を決定する周波数成分平均値検出手段と、 該目標周波数に基づいて、楽音の前記前半期の終期前の
    予定期間においては、記憶される波形の周波数の前記目
    標周波数からの偏移が徐々に減少し、前記前半期の終期
    では、記憶される波形の周波数が前記目標周波数に合致
    るように、各帯域信号の周波数成分を修正する周波数
    成分修正手段と、 少なくとも周波数成分修正手段によって修正された周波
    数成分を用いて各帯域信号を合成する合成手段と、 合成された各帯域信号を混合し、出力する混合手段とを
    具備することを特徴とする波形形成装置。
  2. 【請求項2】各帯域信号ごとに、振幅成分の所定の範囲
    の平均値を検出する振幅成分平均値検出手段と、 該振幅成分平均値検出手段の出力データを基に、楽音の
    前記前半期の終期前の予定期間においては、記憶される
    波形の振幅成分の前記平均値からの偏移が徐々に減少
    し、前記前半期の終期では前記平均値となるように、各
    帯域信号の振幅成分を修正する振幅成分修正手段とをさ
    らに具備し、 前記合成手段は、 前記振幅成分修正手段および周波数成
    分修正手段によって修正された振幅成分および周波数成
    分を用いて各帯域信号を合成することを特徴とする請求
    項1に記載の波形形成装置。
  3. 【請求項3】楽音波形を波形メモリに記憶し、楽音の前
    半期においては演奏情報に基づいて該波形を読出し、楽
    音の後半期においては同一波形を繰返し読出して楽音信
    号を発生させるための波形形成装置であって、 入力される第1の原音信号を 高調波成分毎の周波数帯域
    に分割し、第1の帯域信号を出力する第1の帯域分割手
    段と、第1の 各帯域信号ごとに、振幅および周波数成分を抽出
    する第1の振幅成分抽出手段および第1の周波数成分抽
    出手段と、 前記第1の帯域分割手段と同様に、第2の原音信号を高
    調波成分毎の周波数帯域に分割し、第2の帯域信号を出
    力する第2の帯域分割手段と、 第2の各帯域信号ごとに第2の周波数成分を抽出する第
    2の周波数成分抽出手段と、前記 第2の周波数成分の所定平均値抽出区間における
    均値を演算し、前記平均値に基づいて、前記平均値に近
    く、かつ前記後半期の波形繰返し読出し区間内に整数周
    期の波形が入るような目標周波数を決定する周波数成分
    平均値検出手段と、 該目標周波数に基づいて、楽音の前記前半期の終期前の
    予定期間においては、記憶される波形の周波数の前記目
    標周波数からの偏移が徐々に減少し、前記前半期の終期
    では記憶される波形の周波数が前記目標周波数に合致す
    るように、第1の各帯域信号の周波数成分を修正する周
    波数成分修正手段と、 少なくとも周波数成分修正手段によって修正された周波
    数成分を用いて各帯域信号を合成する合成手段と、 合成された各帯域信号を混合し、出力する混合手段とを
    具備することを特徴とする波形形成装置。
  4. 【請求項4】第2の帯域信号ごとに第2の振幅成分を
    抽出する第2の振幅成分抽出手段と、 第2の振幅成分抽出手段の出力振幅成分の所定の範囲の
    平均値を検出する振幅成分平均値検出手段と、 該振幅成分平均値検出手段の出力データを基に、楽音の
    前記前半期の終期前の予定期間においては、記憶される
    波形の第1の振幅成分の前記平均値からの偏移が徐々に
    減少し、前記前半期の終期では前記平均値となるよう
    に、各帯域信号の第1の振幅成分を修正する振幅成分修
    正手段とをさらに具備し、 前記合成手段は、 前記振幅成分修正手段および周波数成
    分修正手段によって修正された振幅成分および周波数成
    分を用いて各帯域信号を合成することを特徴とする請求
    項3に記載の波形形成装置。
  5. 【請求項5】前記第1の帯域分割手段の全ての出力信号
    を加算する加算手段と、前記第1の 源音信号から前記加算手段の出力を減算する
    減算手段と、 前記減算手段の出力信号を、前記後半期の終期までに徐
    々に減衰させるフェードアウト処理手段と、 フェードアウト処理手段の出力信号を前記混合手段の出
    力信号と混合する第2の混合手段とをさらに具備した請
    求項1ないし4のいずれか1に記載の波形形成装置。
  6. 【請求項6】前記第1の源音信号から前記混合手段の出
    力を減算する減算手段と、 前記減算手段の出力信号を前記後半期の終期までに徐々
    に減衰させるフェードアウト処理手段と、 フェードアウト処理手段の出力信号を前記混合手段の出
    力信号と混合する第2の混合手段とをさらに具備した請
    求項1ないし4のいずれかに記載の波形形成装置。
  7. 【請求項7】前記目標周波数は前記平均値に最も近い周
    波数である請求項1ないし6のいずれかに記載の波形形
    成装置。
  8. 【請求項8】楽音波形を記憶する波形記憶手段と、該波
    形データを読み出すことによって楽音信号を発生する楽
    音信号発生手段とを有する電子楽器において、該波形記
    憶手段には請求項1ないしのいずれかに記載の波形形
    成装置の出力波形が記憶されており、楽音発生手段は、
    読み出しが波形データの最後に達した場合には前記後半
    期の波形データを繰り返し読み出すことを特徴とする電
    子楽器。
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