JP3062230B2 - シス―ビシクロ〔4.3.0〕ノナ―2―エン誘導体 - Google Patents

シス―ビシクロ〔4.3.0〕ノナ―2―エン誘導体

Info

Publication number
JP3062230B2
JP3062230B2 JP02279196A JP27919690A JP3062230B2 JP 3062230 B2 JP3062230 B2 JP 3062230B2 JP 02279196 A JP02279196 A JP 02279196A JP 27919690 A JP27919690 A JP 27919690A JP 3062230 B2 JP3062230 B2 JP 3062230B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
substituted phenyl
substituted
cis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02279196A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03246252A (ja
Inventor
正勝 柴▲崎▼
敦男 高橋
剛 青木
博泰 佐藤
慎一 山田
道子 工藤
高司 山口
健太郎 古城
仙一 成田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toa Eiyo Ltd
Sagami Chemical Research Institute (Sagami CRI)
Original Assignee
Toa Eiyo Ltd
Sagami Chemical Research Institute (Sagami CRI)
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toa Eiyo Ltd, Sagami Chemical Research Institute (Sagami CRI) filed Critical Toa Eiyo Ltd
Priority to EP19900123253 priority Critical patent/EP0431571A3/en
Priority to US07/622,471 priority patent/US5117037A/en
Publication of JPH03246252A publication Critical patent/JPH03246252A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3062230B2 publication Critical patent/JP3062230B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は下記一般式(I) 〔式中、Rは水素原子又は水酸基の保護基を表し、R1
水素原子、または炭素数1〜12の直鎖もしくは分枝鎖ア
ルキル基、フェニル基、ハロゲン置換フェニル基、ヒド
ロキシ置換フェニル基、炭素数2〜7のアシロキシ置換
フェニル基、炭素数1〜4のアルキル置換フェニル基、
炭素数1〜4のハロアルキル置換フェニル基、炭素数1
〜4のアルコキシ置換フェニル基、炭素数1〜4のハロ
アルコキシ置換フェニル基、ニトリル置換フェニル基、
カルボキシ置換フェニル基、炭素数2〜7のアルコカル
ボキシ置換フェニル基、炭素数1〜10のアルキルカルバ
モイル置換フェニル基、アリールカルバモイル置換フェ
ニル基または縮合芳香環、芳香族複素環を含む炭素数6
〜12のアラルキル基、または1当量のカチオンを表し、
Aは−CH=CH−CH2−または−CH2−CH2−O−であり、R
2は炭素数3〜10の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、ア
リロキシ基で置換されている炭素数1から3のアルキル
基、炭素数3〜12の直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基、
炭素数3〜8の直鎖もしくは分枝鎖アルキニル基、フェ
ニル基で置換されている炭素数1〜3のアルキル基、フ
ェノキシ基で置換されている炭素数1〜3のアルキル
基、アルコキシフェノキシ基で置換されている炭素数1
〜3のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基で置換
されている炭素数1〜3のアルキル基または炭素数5〜
8のシクロアルキル基で置換されている炭素数1〜3の
アルキル基を表し、R3は水素原子、メチル基またはビニ
ル基を表し、Xはハロゲン原子である。〕で表されるシ
ス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン誘導体に関する
ものである。
前期一般式(I)で表されるシス−ビシクロ[4.3.
0]ノナ−2−エン誘導体は血小板凝集阻害作用を有す
るプロスタサイクリン類縁体の重要な中間体となりう
る。
〔従来の技術〕
プロスタグランジン(以下PGと記す。)I2は血管壁や
白血球から産生される天然生理活性物質として知られて
いる。PGI2は強力な血小板凝集阻害作用を有し、人工透
析または人工心肺患者の抗血栓剤として使用されてい
る。その他、血栓性傾向の増大により誘発される急性狭
心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳血栓や脳梗塞な
どの脳循環障害及びバージャー(Buerger)病や閉塞性
動脈硬化症などの末梢循環障害の予防及び治療に有用で
あると考えられている。
また、PGI2を含むPG類には胃粘膜保護作用及び胃粘膜
血流増加作用をも有することが知られており、胃潰瘍に
代表される消化性潰瘍の予防及び治療に対しても期待さ
れてきた。
しかし、PGI2は、エノールエーテル構造を有している
ため化学的に非常に不安定であるばかりでなく、下痢、
子宮筋収縮、血圧降下作用などの好ましくない生理作用
も強力なため、医薬品として応用を考えた場合大きな障
害となっていた。医薬品として、経口投与が可能であり
且つ持続性作用を有する薬剤を創製するためには、消化
管内で分解されず、安定であることが望まれる。このよ
うな問題点を解決するためこれまで数多くの広範囲なPG
I2類縁体の研究が行われ、それらの研究の中から化学的
に安定な誘導体の代表的なものとしてOP−41483〔特開
昭54−130543号公報〕に代表されるカルバサイクリン誘
導体及びイソカルバサイクリン〔特開昭59−137445号公
報〕、本発明者らによるホモイソカルバサイクリン誘導
体〔特開平1−110644号公報〕が開発された。
〔発明が解決しようとする課題〕
PGI2誘導体を経口投与可能な医薬品としてみた場合、
特に前記特開平1−110644号公報に記載の化合物のω−
鎖の1位に三重結合を有するプロスタサイルリン類縁体
が血小板凝集阻害作用においてPGI2よりもさらに強く、
しかも持続的な作用を有し、物理化学的にも安定であ
り、且つ下痢誘発、子宮収縮作用等の副作用が少ない作
用選択性の優れた薬剤である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、室温においてほとんど分解せず酸性溶
液中でも安定であり且つ優れた薬理的性質を有するPGI2
類を提供することを目的として幅広い研究を行った。そ
の結果、前記一般式(I)で表されるシス−ビシクロ
[4.3.0]ノナ−2−エン誘導体が、所望のプロスタサ
イクリン類縁体を製造するための重要な中間体となりう
ることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は前記一般式(I)で表されるシス−
ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン誘導体を提供するも
のである。
前記一般式(I)中、R1における炭素数1〜12の直鎖
もしくは分枝鎖アルキル基としては、例えばメチル、エ
チル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec
−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−アミ
ル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ド
デシル等を挙げることができる。
R1におけるフェニル基の置換基としては、例えばハロ
ゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数2〜7のアシロキシ
基、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換さ
れてる炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアル
コキシ基、ハロゲン原子で置換されている炭素数1〜4
のアルコキシ基、ニトリル基、カルボキシ基または炭素
数2〜7のアルコカルボキシ基、炭素数1〜10のアルキ
ル基またはアリール基で置換されているカルバモイル基
が好ましい。ここでハロゲン原子としては、フッ素、塩
素または臭素等、特にフッ素または塩素が好ましい。炭
素数2〜7のアシロキシ基としては、例えばアセトキ
シ、プロピオニルオキシ、n−ブチリルオキシ、iso−
ブチリルオキシ、n−バレリルオキシ、iso−バレリル
オキシ、カプロイルオキシ、エナンチルオキシ、または
ベンゾイルオキシ等を挙げることができる。ハロゲン原
子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基と
しては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−
プロピル、n−ブチル、クロロメチル、ジクロロメチ
ル、トリフルオロメチル等を挙げることができる。ハロ
ゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコ
キシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキ
シ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、クロロメトキ
シ、ジクロロメトキシ、トリフルオロメトキシ等を挙げ
ることができる。炭素数2〜7のアルコカルボキシ基と
しては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブ
トキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等を挙げ
ることができる。炭素数1〜10のアルキル基またはアリ
ール基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピ
ル、iso−プロピル、n−ブチル、フェニル、p−トリ
ル、o−トリル、m−トリル、1−ナフチル、2−ナフ
チル等を挙げることができる。置換基の数としては、上
記の如き置換基1〜3個、好ましくは1個持つことがで
きる。
R1における縮合芳香環、芳香族複素環を含む6〜12の
アラルキル基としては、例えば、3−ピリジルメチル、
4−ピリジルメチル、ベンジル、1−(3−ピリジル)
エチル、2−(3−ピリジル)エチル、1−(4−ピリ
ジル)エチル、2−(4−ピリジル)エチル、1−フェ
ネチル、2−フェネチル、4−フェニルブチル、8−
(1−イミダゾリル)オクチル、1−(2−ナフチル)
エチル、2−(1−ナフチル)エチル等を挙げることが
できる。
R1における1当量のカチオンとしては、例えばNa+、K
+などのアルカリ金属カチオン、1/2Ca2+、1/2Mg2+、1/3
Al3+などの2価もしくは3価の金属カチオン、アンモニ
ウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオンなどのア
ンモニウムカチオン等を挙げることができる。
R2における炭素数3〜10の直鎖もしくは分枝鎖アルキ
ル基としてはn−プロピル、n−ブチル、n−ペンチ
ル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1,2−
ジメチルペンチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシ
ル、2−メチルヘキシル、1,2−ジメチルヘキシル、n
−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル
等、好ましくはn−ペンチル、1−メチルペンチル、2
−メチルペンチル、1,2−ジメチルペンチル、n−ヘキ
シル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル等を挙
げることができる。R2における置換されていてもよいア
リロキシ基で置換されている炭素数1〜3のアルキル基
のアルキル基としては、直鎖または分枝鎖のいずれかで
あってもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、
iso−プロピルを挙げることができる。R2における炭素
数3〜12の直鎖または分枝鎖アルケニル基としては、例
えばアリル、3−ブテニル、2−ブテニル、3−メチル
−2−ブテニル、4−ペンテニル、3−ペンテニル、4
−メチル−3−ペンテニル、2−ペンテニル、5−ヘキ
セニル、4−ヘキセニル、3−メチル−4−ヘキセニ
ル、5−メチル−2−ヘキセニル、2,5−ジメチル−3
−ヘキセニル、6−ヘプテニル、5−ヘプテニル、1−
エチル−5−ヘプテニル、2,6−ジメチル−5−ヘプテ
ニル、7−オクテニル、8−ノネニル、9−デセニル、
10−ウンデセニル、11−ドデセニル等、好ましくは3−
ペンテニル、2,6−ジメチル−5−ヘプテニル等を挙げ
ることができる。R2における炭素数3〜8の直鎖もしく
は分枝鎖アルキニル基としては、例えばプロパルギル、
1−メチル−3−ペンチニル、1,1−ジメチル−3−ペ
ンチニル、1−メチル3−ヘキシル,1,1−ジメチル−3
−ヘキセニル等、好ましくは、1−メチル−3−ヘキセ
ニル、1,1−ジメチル−3−ヘキシニル、2−メチル−
3−ヘキシニル等を挙げることができる。R2における置
換されている炭素数1〜3のアルキル基のアルキル基と
しては、直鎖あるいは分枝鎖のいずれかであってもよ
く、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロ
ピル等を挙げることができる。これらのアルキル基はフ
ェニル基、フェノキシ基、メトキシ、エトキシ、n−プ
ロポキシ、n−ブトキシなどの炭素数1〜6のアルコキ
シ基、シクロペンチル、シクロヘキシル等の炭素数5〜
8のシクロアルキル基で置換されている。R2としては特
にn−ペンチル、2−メチルペンチル、1,1−ジメチル
ペンチル、2,6−ジメチル−5−ヘプテニル、1−メチ
ル−3−ペンチニル、1−メチル−3−ヘキシニル、1,
1−ジメチル−3−ヘキシニル、シクロペンチルメチ
ル、シクロヘキシルメチル、フェノキシメチル、1−フ
ェノキシエチル、1−メチル−1−フェノキシエチル、
3−メトキシフェノキシ、4−エトキシフェノキシが好
ましい。
R3としては水素原子、メチルまたはビニル基が挙げら
れる。
〔合成法〕
本発明の前記一般式(I)(Aは−CH=CH−CH2−で
ある。)で表されるシス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2
−エン誘導体は下記の反応式に従い製造することができ
る。
尚、本発明における下記一般式中のR及びR4は共に水
酸基の保護基であり、Rとしては2−テロラヒドロピラ
ニル基、2−テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル
基、1−エトキシエチル基等を例示することができる。
R4としてはtert−ブチルジメチルシリル基、トリエチル
シリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニル−tert−
ブチル基等を例示することができる。また、下記一般式
中のXはフッ素原子、塩素原子、臭素原子あるいは要素
原子を表す。
〔第1工程〕 本工程は、前記一般式(III)で表されるエナール体
〔日本薬学会第106年会(1986,千葉)講演要旨集、P381
(講演番号3J−11−3)に従って合成〕から立体選択的
に前記一般式(IV)で表されるシス−共役−ジエン体を
製造するものである。
本反応には、4−ブロモ酪酸エチルエステルとトリフ
ェニルホスフィンとの反応により得られるウィティッヒ
(Wittig)試薬とtert−ブトキシカリウムとから調製さ
れイリドを用いることができる。反応溶媒は、テトラヒ
ドロフランの如きエ−テル系溶媒が使用可能であり、反
応温度は−78℃〜室温を選択することができる。
〔第2工程〕 本工程は、前記第1工程で得られた前記一般式(IV)
で表されるシス−共役−ジエン体の一級水酸基の保護基
を選択的に脱保護して前記一般式(V)で表される一級
アルコール体を製造するものである。本脱保護反応は、
テトラヒドロフラン中テトラ−n−ブチルアンモニウム
フルオリドにより行うことができる。
〔第3工程〕 本工程は、前記第2工程で得られた前記一般式(V)
で表される一級アルコール体を酸化反応に付し、前記一
般式(VI)で表されるアルデヒド体を製造するものであ
る。酸化反応にあたっては、塩化メチレンの如きハロゲ
ン化炭化水素中コリンズ試薬、またはジメチルスルホキ
シド中、三酸化イオウ・ピリジン錯体を用いて行うこと
ができる。
〔第4工程〕 本工程は前記第3工程で得られた前記一般式(VI)で
表されるアルデヒド体と、ジハロカルボニル化合物を亜
鉛末存在下ジアルキルアルミナムハライドと反応させて
得られたアルミナムエノレートを縮合させ、得られたア
ルコール体を精製することなくスルホニル化反応または
アセチル化反応に付し、続いて塩基で処理し、さらに水
酸基の保護基を脱保護して前記一般式(II′)で表され
るα−ハロエノン体を製造するものである。ジハロカル
ボニル化合物としては、例えば1,1−ジブロモ−2−
(トランス−4−フェニルシクロヘキシル)エタン−2
−オン、1,1−ジブロモ−2−(4−ビフェニル)エタ
ン−2−オン等のα−ジブロモケトン体、または1−ブ
ロモ−1−クロロ−3,3−ジメチル−5−オクチン−2
−オン等のα−ブロモ−α−クロロケトン体を用いるこ
とができる。本縮合反応は溶媒中で実施するものであ
り、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテ
ル系溶媒を使用する。使用するジアルキルアルミナムハ
ライドとしては、ジメチルアルミナムクロリド、ジエチ
ルアルミナムクロリド等が好ましい。反応温度は−50℃
〜室温を選択することができる。スルホニル化反応また
はアセチル化反応は溶媒中で実施するものであり、塩化
メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶
媒、もしくはピリジン等の溶媒を用いることができる。
反応剤としては、メタンスルホニルクロリド、p−トル
エンスルホニルクロリド等の置換スルホニルクロリドま
たは無水酢酸等を使用することができる。ハロゲン化炭
化水素系溶媒中で反応を実施する時は、塩基としてトリ
エチルアミン存在下に反応を実施する。反応温度は−78
度〜−15℃の範囲を選択することができる。
本工程は引き続きスルホニル化反応またはアセイチル
化反応により得られた生成物を単離することなくトリエ
チルアミンないしはピリジンあるいは1,8−ジアザビシ
クロ[5.4.0]−7−ウンデセン(以下DBUと記す。)の
存在下、−10℃〜室温で処理するものである反応溶媒は
塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系
溶媒、もしくはピリジン等の溶媒を用いることができ
る。本脱保護反応の反応条件は、Rの種類により異なる
が例えばテトラヒドロピラニル基の場合には、弱酸性条
件により行うことができ、例えば酢酸−テトラヒドロフ
ラン−水、またはメタノール中触媒量のp−トルエンス
ルホン酸等を用いて行うことができる。反応温度は20℃
〜80℃の範囲を選択することができる。
〔第5工程〕 本工程は、前記第4工程で得られた前記一般式(I
I′)で表されるα−ハロエノン体を還元反応に付して
前記一般式(I′)で表されるアルコ−ル体を製造する
ものである。還元反応にあたっては、水素化ホウ素ナト
リウム、または2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフ
ェノールと水素化ジイソブチルアルミナムにより調製し
た還元剤等を用いることができ、反応温度は−78℃〜50
℃の範囲である。用いる溶媒は還元剤の種類によって異
なるが、水素化ホウ素ナトリウムの時はメタノール、エ
タノール等のアルコール系溶媒を、2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルフェノールと水素化ジイソブチルアル
ミナムにより調製した還元剤の時はトルエン等を使用す
ることができる。
なお、ここで生成する2種類の立体異性体、すなわち
α−エピマー体及びβ−エピマー体は、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより容易にそれぞれ分離するこ
とができる。
〔第6工程〕 本工程は、本発明の前記一般式(I′)で表されるア
ルコール体を脱ハロゲン化水素化反応及びエステル加水
分解反応に付し、所望の前記一般式(VII)で表される
プロスタサイクリン類縁体を製造するものである。本反
応は、エーテル−トルエン−水の二相系溶媒を用いて、
硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム等の相間移動
触媒存在下に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリを使用することにより行うことができる。反応温
度は室温〜50℃の範囲を選択することができる。なお、
本化合物は、エーテルあるいはエーテル−メタノール混
合溶液中でジアゾメタンのエーテル溶液によりメチルエ
ステルとした後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製し、再びエステル加水分解に付し、精製する
ことができる。
本発明の前記一般式(I)(Aは−CH2−CH2−O−で
ある。)で表されるシス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2
−エン誘導体は下記の反応式に従い同様に製造すること
ができる。
尚、本発明における下記一般式中のRは水酸基の保護
基であり、保護基としては2−テトラヒドロピラニル
基、2−テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、
1−エトキシエチル基等を例示することができる。ま
た、下記一般式基中のXはフッ素原子、塩素原子、臭素
原子あるいはヨウ素原子を表す。
〔第7工程〕 本工程は、前記一般式(VIII)で表される一級アルコ
ール体を前記第3工程と同様の操作を行うことによって
前記一般式(IX)で表されるアルデヒド体を製造するも
のである。
〔第8工程〕 本工程は、前記第7工程で得られた前記一般式(IX)
で表されるアルデヒド体を前記第4工程と同様の操作を
行うことによって前記一般式(II′)で表されるα−ハ
ロエノン体を製造するものである。
〔第9工程〕 本工程は、前記第8工程で得られた前記一般式(I
I′)で表されるα−ハロエノン体を前記第5工程と同
様の操作を行うことによって前記一般式(I′)で表さ
れるアルコール体を製造するものである。なお、ここで
生成する2種類の立体異性体、すなわちα−エピマー体
及びβ−エピマー体は、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより容易にそれぞれ分離することができる。
〔第10工程〕 本工程は、本発明の前記第9工程で得られた前記一般
式(I′)で表されるアルコール体を前記第6工程と同
様の操作を行うことによって前記一般式(X)で表され
るプロスタサイクリン類縁体を製造するものである。
本発明者は、本発明のシス−ビシクロ[4.3.0]ノナ
−2−エン誘導体から誘導される前記(VII)及び
(X)で表されるプロスタサイクリン類縁体の薬理作用
を詳細に検討した結果、血小板凝集阻害作用においてPG
I2と比較し、同等から数倍強力であり、また動物を用い
たエタノール潰瘍に対しての経口投与ににおいても顕著
な抗潰瘍作用があり、さらに安定性に優れており、例え
ば酸性溶液中でも安定であることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
本発明の化合物から誘導される化合物(VII)又は
(X)は治療のために経口的あるいは非経口的に投与す
ることができる。
経口投与の方法としては散剤、顆粒剤、カプセル剤、
錠剤などの固形製剤あるいはシロップ剤、エリキシル剤
などの液状製剤として投与することができる。
また、非経口投与の方法として注射剤、直腸投与剤、
皮膚外用剤、吸入剤として投与することができる。これ
らの製剤は活性成分に薬学的に許容である製造助剤を加
えることにより常法に従って製造される。更に公知の従
来により持続性製剤とすることも可能である。
経口投与用の固形製剤を製造するには活性成分と割賦
剤、例えば乳糖、デンプン、結晶セルロース、乳糖カル
シウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水ケイ
酸などと混合して散剤とするか、更に必要に応じて白
糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロピ
ドンなどの結合剤、カルボキシメチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースカルシウムなどの崩壊剤などを
加えて湿式または乾式造粒して顆粒剤とする。錠剤を製
造するにはこれらの散剤及び顆粒剤をそのままあるいは
ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤を加え
て打錠すればよい。これらの顆粒または錠剤はヒドロキ
シプロピルメチルセルロースフタレート、メタアクリル
酸、メタアクリル酸メチルコポリマーなどの腸溶性基剤
で皮膜して腸溶性製剤、あるいはエチルセルロース、カ
ルナバロウ、硬化油などで皮膜して持続性製剤とするこ
ともできる。また、カプセル剤を製造するには散剤また
は顆粒剤を硬カプセルに充填するか、活性成分をグリセ
リン、ポリエチレングリコール、ゴマ油、オリーブ油な
どに溶解したのちゼラチン膜で皮膜し軟カプセル剤とす
ることができる。
経口投与剤用の液状製剤を製造するには活性成分と白
糖、ソルビトール、グリセリンなどの甘味剤とを水に溶
解して透明なシロップ剤、更に精油、エタノールなどを
加えてエリキシル剤とするか、アラビアゴム、トラガン
ト、ポリソルベート80、カルボキシメチルセルロースナ
トリウムなどを加えて乳剤または懸濁剤としてもよい。
これらの液状製剤には所望により矯味剤、着色剤、保存
剤などを加えてもよい。
注射剤を製造するには活性成分を必要に応じ塩酸、水
酸化ナトリウム、乳剤、乳酸ナトリウム、リン酸一水素
ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどのpH調製剤、
塩化ナトリウム、ブドウ糖などの等張化剤とともに注射
用蒸留水に溶解し、無菌濾過してアンプルに充填する
か、更にマンニトール、デキストリン、シクトデキスト
リン、ゼラチンなどを加えて真空下凍結乾燥し、用時溶
解型の注射剤としてもよいし、活性成分にレシチン、ポ
リソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油など
を加えて水中で乳化せしめ注射用乳剤とすることもでき
る。
直腸投与剤を製造するには活性成分及びカカオ脂、脂
肪酸のトリ、ジ及びモノグリセリド、ポリエチレングリ
コールなどの坐剤用基剤とを加温して溶融し型に流し込
んで冷却するか、活性成分をポリエチレングリコール、
大豆油などに溶解したのちゼラチン膜で皮膜すればよ
い。
皮膚外用剤を製造するには活性成分を白色ワセリン、
ミツロウ、流動パラフィン、ポリエチレングリコールな
どに加えて必要ならば加温して練合し軟膏剤とするか、
ロジン、アクリル酸アルキルエステル重合体などの粘着
剤と練合したのちポリエチレンなどの不織布に展延して
テープ剤とする。
吸入剤を製造するには活性成分をフロンガスなどの噴
射剤に溶解または分散して耐圧容器に充填しエアゾール
剤とする。
本発明の化合物から誘導されるプロスタサイクリン類
縁体の投与量は患者の年齢、体重及び病態によって異な
るが、通常1日約1μg〜500mgであり、1ないし数回
に分けて投与することが望ましい。
以下に参考例、実施例、試験例及び薬剤の調製例によ
り、本発明を具体的に説明する。
〔実施例〕
アルゴン雰囲気下、(3−カルボエトキシプロピル)
トリフェニルホスホニウムブロミド(1.45g,3.17mmol)
をテロラヒドロフラン(以下THFと記す。)8mlに懸濁
し、tert−ブトキシカリウム(356mg,3.17mmolのTHF溶
液12mlを室温で滴下し15分間攪拌した。3−ホルミル−
7−エキソ−tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル
−8−エンド−テトラヒドロピラニルオキシ−シス−ビ
シクロ[4.3.0]ノナ−2−エン(500mg,1.27mmol)のT
HF溶液5mlを−78℃で滴下し4時間攪拌した後、室温ま
で昇温し1時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液
20mlを加え、エーテル抽出し、得られた粗生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:エー
テル−1:5)で精製し、無色油状物として3−(4−エ
トキシカルボニル−シス−1−ブテニル)−7−エキソ
−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−8−エンド−テ
トラヒドロピラニルオキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]
ノナ−2−エンを621mg(99.0%)得た。
IRνmax(neat):2950,2930,2860,1730,1030,835c
m-1. NMR(CDCl3)δ:0.05(6H,s),0.89(9H,s),1.25(3
h,t,J=7.5Hz),4.61(1H,bs),5.00〜5.30(1H,m),5.
58(1H,bs),5.79(1H,d,J=12.5Hz). 3−(4−エトキシカルボニル−シス−1−ブテニ
ル)−7−エキソ−tert−ブチルジメチルシリルオキシ
メチル−8−エンド−テトラヒドロピラニルオキシ−シ
ス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン(656mg,1.33mmo
l)をTHF(6ml)に溶解しテトラ−n−ブチルアンモニ
ウムフルオリド(303ml,1.1M THF溶液,3.33mmol)を氷
冷下に滴下し、室温で17時間攪拌した。飽和食塩水20ml
を加えエーテル抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:エーテル=
2:1)で精製し、淡黄色油状物として3−(4−エトキ
シカルボニル−シス−1−ブテニル)−7−エキソ−ヒ
ドロキシメチル−8−エンド−テトラヒドロピラニルオ
キシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エンを440mg
(87.0%)得た。
IRνmax(neat):3450,2950,2870,1735cm-1. NMR(CDCl3)δ:1.25(3H,t,J=7.5Hz),4.13(2H,q,
J=7.5Hz),5.05〜5.41(1H,m),5.58(1H,bs),5.80
(1H,d,J=12.5Hz). アルゴン雰囲気下、3−(4−エトキシカルボニル−
シス−1−ブテニル)−7−エキソ−ヒドロキシメチル
−8−エンド−テトラヒドロピラニルオキシ−シス−ビ
シクロ[4.3.0]ノナ−2−エン(200mg,0.529mmol)を
ジメチルスルホキシド(2ml)に溶解した。トリエチル
アミン(0.44ml,3.17mmol)及び三酸化イオウ・ピリジ
ン錯体(505mg,3.17mmol)のジメチルスルホキシド溶液
(2ml)を加え、室温にて15分間攪拌した。氷水を加
え、酢酸エチルで抽出し、水及び飽和食塩水で洗浄し
た。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、3
−(4−エトキシカルボニル−シス−1−ブテニル)−
7−エキソ−ホルミル−8−エンド−テトラヒドロピラ
ニルオキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン
を得、単離することなく次の反応に使用した。
亜鉛末(69mg,1.06mmol)及び臭化第一銅(触媒量)
をTHF(4ml)に懸濁させ、室温にて塩化ジエチルアルミ
ナム(1.44Mヘキサン溶液,0.74ml,1.06mmol)を滴下
し、35分間攪拌した。反応液を−5℃に冷却し、3−
(4−エトキシカルボニル−シス−1−ブテニル)−7
−エキソ−ホルミル−8−エンド−テトラヒドロピラニ
ルオキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン(2
00mg,0.53mmol)及び1,1−ジブロモヘプタン−2−オン
(576mg,2.12mmol)のTHF溶液(5ml)を10分間かけて滴
下した後、同温にて60分間攪拌した。反応液に飽和炭酸
水素カリウム水溶液を加え、エーテル抽出し、エーテル
層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、溶媒を留去し得られた残留物を塩化メチレン(7m
l)に溶解した。−40℃にてトリエチルアミン(2.20ml
を加えた後、塩化メタンスルホニル(0.61ml)を滴下
し、さらに、0℃にて1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−
7−ウンデセン(0.79ml)を滴下し、同温にて12時間攪
拌した。反応液に氷水を加えエーテル抽出し、エーテル
層を水及び飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(エーテル:n−ヘキサン=
1:6)にて精製し、3−(4−エトキシカルボニル−シ
ス−1−ブテニル)−7−エキソ−(2−ブロモ−3−
オキソ−1−オクテニル)−8−エンド−テトラヒドロ
ピラニルオキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−
エン(192mg,66%)を無色油状物として得た。この化合
物(190mg,0.35mmol)のTHF溶液(3ml)に65%酢酸水溶
液(3ml)を加え、60℃で6時間攪拌した。反応液に飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH8に調整した後、
酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:
エーテル=1:1)にて精製し、3−(4−エトキシカル
ボニル−シス−1−ブテニル)−7−エキソ−(2−ブ
ロモ−3−オキソ−1−オクテニル)−8−エンド−ヒ
ドロキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン(1
30mg,80%)を無色油状物として得た。
IRνmax(neat):3450,2950,1730,1690,1610,1450cm
-1. NMR(CDCl3)δ:0.88(3H,t,J=6.8Hz),1.24(3H,t,
J=8.0Hz),4.10(1H,q,J=6.4Hz),5.28(1H,m),5.54
(1H,bs),5.82(1H,d,J=12.0Hz),7.00(1H,d,J=9.2
Hz). 参考例5〜7 表1に、参考例4と同様の方法により製造した化合物
のIR及びNMRスペクトルデータを記載する。
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ−ル(803
mg,3.65mmol)のトルエン溶液(4ml)に、アルゴン雰囲
気下、−10℃〜−15℃で水素化ジイソブチルアルミニウ
ム(1Mトルエン溶液,2.7ml,2.7mmol)を徐々に滴下し、
同温で1時間攪拌する。−78℃で3−(4−エトキシカ
ルボニル−シス−1−ブテニル)−7−エキソ−(2−
ブロモ−3−オキソ−1−オクテニル)−8−エンド−
ヒドロキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン
(125mg,0.27mmol)のトルエン溶液(6ml)を滴下し、
−78℃で40分間撹拌した後さらに3時間で−78℃から−
20℃まで昇温した。反応液に飽和食塩水を加え酢酸エチ
ルで抽出し、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄した。無
水硫酸マグネシウムで洗浄後、溶媒を留去し得られた残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキ
サン:エーテル=1:5)で精製し、高極性成分として3
−(4−エトキシカルボニル−シス−1−ブテニル)−
7−エキソ−(3α−ヒドロキシ−2−ブロモ−1−オ
クテニル)−8−エンド−ヒドロキシ−シス−ビシクロ
[4.3.0]ノナ−2−エン(78mg,70%)を、低極性成分
として3−(4−エトキシカルボニル−シス−1−ブテ
ニル)−7−エキソ−(3β−ヒドロキシ−2−ブロモ
−1−オクテニル)−8−エンド−ヒドロキシ−シス−
ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン(21mg,17%)をそれ
ぞれ無色油状物として得た。αエピマー体のスペクトル
データを以下に示す。βエピマー体のスペクトルデータ
についても同様であった。
IRνmax(neat):3400,2900,1730,1640,1440cm-1. NMR(CDCl3)δ:0.88(3H,t,J=7.0Hz),1.24(3H,t,
J=8.0Hz),4.00(1H,m),4.15(2H,q,J=8.0Hz),5.28
(1H,m),5.52(1H,b),5.80(1H,d,J=12.0Hz),5.88
(1H,d,J=9.2Hz). 実施例2〜4 表2に、実施例1と同様の方法により製造した化合物
のαエピマー体のIR及びNMRスペクトルデータを記載す
る。βエピマー体のスペクトルデータも同様であった。
硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム(357mg,1.
05mmol)を水(0.1ml)に溶解した。3−(4−エトキ
シカルボニル−シス−1−ブテニル)−7−エキソ−
(3α−ヒドロキシ−2−ブロモ−1−オクテニル)−
8−エンド−ヒドロキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノ
ナ−2−エン(98mg,0.21mmol)のエーテル−トルエン
溶液(3:1,3ml)を加えた後0℃にて50%水酸化ナトリ
ウム水溶液(1ml)をゆっくり滴下し、50℃で36時間撹
拌した。反応液に水を加え、5%塩酸水溶液でpH4とし
た後、酢酸エチルで抽出し、水及び飽和食塩水で洗浄し
た。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、3
−(4−カルボキシ−シス−1−ブテニル)−7−エキ
ソ−(3α−ヒドロキシ−1−オクチニル)−8−エン
ド−ヒドキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エ
ン(化合物(a),49.8mg,66.0%)を無色油状物として
得た。
IRνmax(neat):3450,2940,2220,1710,1440cm-1. NMR(CDCl3)δ:0.88(3H,t,J=7.0Hz),4.10(1H,t,
J=6.4Hz),4.36(1H,m),4.80(2H,m),5.24(1H,m),
5.46(1H,bs),5.78(1H,d,J=12.0Hz). 参考例9〜11 表3に、参考例8と同様の方法により製造した化合物
のIR及びNMRスペクトルデータを記載する。
アルゴン雰囲気下、3−(3−オキサ−4−tert−ブ
トキシカルボニルブチル)−7−エキソ−ヒドロキシメ
チル−8−エンド−テロラヒドロプラニルオキシ−シス
−ビシクロ[4.3.0]−ノナ−2−エン(200mg,0.488mm
ol)をジメチルスルホキシド(2ml)に溶解した。トリ
エチルアミン(0.41ml,2.93mmol)及び三酸化イオウ・
ピリジン錯体(466mg,2.93mmol)のジメチルスルホキシ
ド溶液(2ml)を加え、室温にて15分間攪拌した。氷水
を加え、酢酸エチルで抽出し、水及び飽和食塩水で洗浄
した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、
3−(3−オキサ−4−tert−ブトキシカルボニルブチ
ル)−7−エキソ−ホルミル−8−エンド−テトラヒド
ロピラニルオキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2
−エンを得、単離することなく次の反応に使用した。
亜鉛末(64mg,0.98mmol)及び臭化第一銅(触媒量)
をTHF(4ml)に懸濁させ、室温にて塩化ジエチルアルミ
ナム(1.44Mヘキサン溶液,0.68ml,0.98mmol)を滴下
し、30分間攪拌した。反応液を−5℃に冷却し、3−
(3−オキサ−4−tert−ブトキシカルボニルブチル)
−7−エキソ−ホルミル−8−エンド−テトラヒドロピ
ラニルオキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エ
ン(200mg,0.49mmol)及び1,1−ジブロモヘプタン2−
オン(468mg,1.72mmol)のTHF溶液(5ml)を10分間かけ
て滴下した後、同温にて40分間攪拌した。反応液に飽和
炭酸水素カリウム水素液を加え、エーテル抽出し、エー
テル層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒を留去し得られた残留物を塩化メチレン
(7ml)に溶解した。−40℃にてトリエチルアミン(2.2
0ml)を加えた後、塩化メタンスルホニル(0.61ml)を
滴下し、さらに、0℃にて1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]−7−ウンデセン(0.79ml)を滴下し、同温にて12
時間攪拌した。反応液に氷水を加えエーテル抽出し、エ
ーテル層を水及び飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(エーテル:n−ヘキ
サン=1:6)にて精製し、3−(3−オキサ−4−tert
−ブトキシカルボニルブチル)−7−エキソ−(2−ブ
ロモ−3−オキソ−1−オクテニル)−8−エンド−テ
トラヒドロピラニルオキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]
ノナ−2−エン(168mg,59%)を無色油状物として得
た。この化合物(165mg,0.28mmol)のTHF溶液(3ml)に
65%酢酸水溶液(3ml)を加え、60℃で5時間攪拌し
た。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH8
に調整した後、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄し
た。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、得
られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(n−ヘキサン:エーテル=1:1)にて精製し、3−
(3−オキサ−4−tert−ブトキシカルボニルブチル)
−7−エキソ−(2−ブロモ−3−オキソ−1−オクテ
ニル)−8−エンド−ヒドロキシ−シス−ビシクロ[4.
3.0]ノナ−2−エン(130mg,94%)を無色油状物とし
て得た。
IRνmax(neat):3450,2920,1740,1680,1610,1450cm-1. NMR(CDCl3)δ:0.90(3H,t,J=7.2Hz),1.44(9H,s),
3.62(2H,t,J=8.0Hz),3.96(2H,s),4.08(1H,q,J=
6.4Hz),5.44(1H,bs),6.98(1H,d,J=9.5Hz). 参考例14〜20 表4に、参考例13と同様方法により製造した化合物の
IR及びNMRスペクトルデータを記載する。
アルゴン雰囲気下、亜鉛末(287.0mg,4.42mmol)及び
臭化第一銅(63.0mg,0.44mmol)をTHF(20.0ml)に懸濁
させ、室温にて塩化ジエチルアルミナム(1.0Mヘキサン
溶液,4.20ml,4.20mmol)を滴下し後、室温にて45分間攪
拌した。反応液を−20℃に冷却し、3−(3−オキサ−
4−tert−ブトキシカルボニルブチル)−7−エキソ−
ホルミル−8−エンド−テトラヒドロピラニルオキシ−
シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン(1.50g,3.68m
mol)及び1−ブロモ−1−クロロ−3,3−ジメチル−5
−オクチン−2−オン(2,43g,9.20mmol)のTHF溶液(2
5.0ml)を20分間かけて滴下した後、同温にて35分間攪
拌した。−20℃にて反応液に飽和炭酸水素カリウム水溶
液を加え、エーテル抽出し、有機層を水及び飽和食塩水
で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶
媒を留去し得られた残留物を塩化メチレン(46.0ml)に
溶解した。アルゴン雰囲気下、−40℃にて反応液にトリ
エチルアミン(30.0ml,216.8mmol)を滴下した後、塩化
メタンスルホニル(5.12ml,66.5mmol)を滴下した。反
応液を0℃にて30分間攪拌した後、同温にて1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(9.93ml,66.5mm
ol)を滴下し、0℃にて13時間30分間攪拌した。反応液
に氷水を加えエーテル抽出し、有機層を水及び飽和食塩
水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下
溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(エーテル:n−ヘキサン=1:3)にて精
製し、3−(3−オキサ−4−tert−ブトキシカルボニ
ルブチル)−7−エキソ−(2−クロロ−4,4−ジメチ
ル−3−オキソ−1−ノネン−6−イニル)−8−エン
ド−テトラヒドロピラニルオキシ−シス−ビシクロ[4.
3.0]ノナ−2−エン(1.85g,85.0%)を淡黄色油状物
として得た。
IRνmax(neat):2926,1749,1689,1610,1458,1368,1254
cm-1. NMR(CDCl3)δ:1.10(3H,t,J=7.2Hz),1.37(6H,s),
1.48(9H,s),2.52(2H,t,J=2.0Hz),3.57(2H,t,J=
7.2Hz),3.93(2H,s),4.60(1H,m),5.37(1H,brs),
6.38,6.41(total 1H,d and d,each J=9.2Hz). 3−(3−オキサ−4−tert−ブトキシカルボニルブ
チル)−7−エキソ−(2−クロロ−4,4−ジメチル−
3−オキソ−1−ノネン−6−イニル)−8−エンド−
テトラヒドロピラニルオキシ−シス−ビシクロ[4.3.
0]ノナ−2−エン(5.70g,9.89mmol)をメタノール(3
5.0ml)に溶解し、室温にて触媒量のp−トルエンスル
ホン酸・一水和物を加え、同温にて1時間15分間攪拌し
た。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた
後、減圧下メタノールを留去した。得られた残留水層を
エーテルにて抽出し、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄
した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留
去し得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(エーテル:n−ヘキサン=2:3)にて精製し、3−
(3−オキサ−4−tert−ブトキシカルボニルブチル)
−7−エキソ−(2−クロロ−4,4−ジメチル−3−オ
キソ−1−ノネン−6−イニル)−8−エンド−ヒドロ
キシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン(4.62
g,94.8%)を淡黄色油状物として得た。
IRνmax(neat):3490,2974,2926,1746,1686,1620,1470
cm-1. NMR(CDCl3)δ:1.09(3H,t,J=7.2Hz),1.36(6H,s),
1.47(9H,s),2.52(2H,t,J=2.0Hz),3.60(2H,t,J=
7.2Hz),3.92(2H,s),4.00(1H,m),5.40(1H,brs),
6.32(1H,d,J=9.2Hz). 2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ−ル(803
mg,3.65mmol)のトルエン溶液(4ml)に、アルゴン雰囲
気下、−10℃〜−15℃で水素化ジイソブチルアルミニウ
ム(1Mトルエン溶液,2.7ml,2.7mmol)を徐々に滴下し、
同温で1時間攪拌する。−78℃で3−(3−エキサ−4
−tert−ブトキシカルボニルブチル)−7−エキソ−
(2−ブロモ−3−オキソ−1−オクテニル)−8−エ
ンド−ヒドロキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2
−エン(130mg,0.26mmol)のトルエン溶液(6ml)を滴
下し、−78℃で40分間攪拌した後さらに3時間で−78℃
から−20℃まで昇温した。反応液に飽和食塩水を加え酢
酸エチルで抽出し、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し
た。無水硫酸マグネシウムで洗浄後、溶媒を留去し得ら
れた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n
−ヘキサン:エーテル=1:5)で精製し、高極性成分と
して3−(3−オキサ−4−tert−ブトキシカルボニル
ブチル)−7−オキソ−(3α−ヒドロキシ−2−ブロ
モ−1−オクテニル)−8−エンド−ヒドロキシ−シス
−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン(91mg,70%)を、
低極性成分として3−(3−オキサ−4−tert−ブトキ
シカルボニルブチル)−7−エキソ−(3β−ヒドロキ
シ−3−ブロモ−1−オクテニル)−8−エンド−ヒド
ロキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン(22m
g,17%)をそれぞれ無色油状物として得た。αエピマー
体のスペクトルデータを以下に示す。βエピマー体のス
ペクトルデータについても同様であった。
IRνmax(neat):3400,2950,1740,1450cm-1. NMR(CDCl3)δ:0.90(3H,t,J=7.2Hz),1.44(9H,s),
3.60(2H,t,J=8.0Hz),3.90(1H,q,J=6.4Hz),3.96
(2H,s),4.12(1H,t,J=4.8Hz),5.40(1H,bs),5.86
(1H,d,J=9.2Hz). 実施例6〜12 表5に、実施例5と同様の方法により製造した化合物
のαエピマー体のIR及びNMRスペクトルデータを記載す
る。βエピマー体のスペクトルデータも同様であった。
アルゴン雰囲気下、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メ
チルフェノ−ル(9.78g,44.5mmol)のトルエン溶液(8
4.0ml)に溶解し、0℃にて水素化ジイソブチルアルミ
ニウム(1.5Mトルエン溶液,18.5ml,27.8mmol)を30分間
かけて滴下した後、同温で90分間攪拌した。−78℃にて
反応液に3−(3−オキサ−4−tert−ブトキシカルボ
ニルブチル)−7−エキソ−(2−クロロ−4,4−ジメ
チル−3−オキソ−1−ノネン−6−イニル)−8−エ
ンド−ヒドロキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2
−エン(1.37g,2.78mmol)のトルエン溶液(30.0ml)を
10分間かけて滴下した後、−78℃〜−60℃まで2時間か
けて昇温した。反応液に飽和食塩水を加えしばらく攪拌
した後、酢酸エチルにて抽出し、有機層を水及び飽和食
塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで洗浄後、減圧
下溶媒を留去し得られた残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(エーテル:n−ヘキサン=1:1〜2)に
て精製し、高極性成分として3−(3−オキサ−4−te
rt−ブトキシカルボニルブチル)−7−エキソ−(2−
クロロ−4,4−ジメチル−3α−ヒドロキシ−1−ノネ
ン−6−イニル)−8−エンド−ヒドロキシ−シス]ビ
シクロ[4.3.0]ノナ−2−エン(1.18g,86.0%)を、
低極性成分として3−(3−オキサ−4−tert−ブトキ
シカルボニルブチル)−7−エキソ−(2−クロロ−4,
4−ジメチル−3β−ヒドロキシ−1−ノネン−6−イ
ニル)−8−エンド−ヒドロキシ−シス−ビシクロ[4.
3.0]ノナ−2−エン(0.16g,11.6%)をそれぞれ淡黄
色油状物として得た。αエピマー体のスペクトルデータ
を以下に示す。βエピマー体のスペクトルデータについ
てもαエピマー体とほぼ同様であった。
IRνmax(neat):3454,2974,2920,1743,1395,1371cm-1. NMR(CDCl3)δ:1.01(3H,s),1.02(3H,s),1.11(3H,
t,J=7.2Hz),1.43(9H,s),2.90(1H,m),3.57(2H,t,
J=7.2Hz),3.90(2H,s),4.10(2H,m),5.37(1H,br
s),5.58(1H,d,J=9.2Hz). 硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム(183mg,0.
54mmol)を水(0.1ml)に溶解した。3−(3−オキサ
−4−tert−ブトキシカルボニルブチル)−7−エキソ
−(3−ヒドロキシ−2−ブロモ−1−オクテニル)−
8−エンド−ヒドロキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノ
ナ−2−エン(91mg,0.18mmol)のエーテル−トルエン
溶液2:1,3ml)を加えた後0℃にて50%水酸化ナトリウ
ム水溶液(0.7ml)をゆっくり滴下し、室温で36時間攪
拌した。反応液に水を加え、5%塩酸水溶液でpH4とし
た後、酢酸エチルで抽出し、水及び飽和食塩水で洗浄し
た。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、3
−(3−オキサ−4−カルボキシブチル)−7−エキソ
−(3−ヒドロキシ−1−オクチニル)−8−エンド−
ヒドロキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン
[化合物(e),32.8mg,53.3%]を無色油状物として得
た。
IRνmax(neat):3400,2950,2220,1740,1450cm-1. NMR(CDCl3)δ:0.90(3H,t,J=7.2Hz),3.60(2H,t,J
=8.0Hz),4.04(2H,s),4.10(1H,q,J=6.4Hz),4.20
(1H,m),4.70(2H,m),5.42(1H,bs). 参考例24〜30 表6に、参考例23と同様の方法により製造した化合物
のIR及びNMRスペクトルデータを記載する。
硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム(6.92mg,2
0.0mmol)を精製水(40滴)を加えペースト状とし、こ
れに3−(3−オキサ−4−tert−ブトキシカルボニル
ブチル)−7−エキソ−(2−クロロ−4,4−ジメチル
−3α−−ヒドロキシ−1−ノネン−6−イニル)−8
−エンド−ヒドロキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]ノナ
−2−エン(1.01g,2.04mmol)のトルエン溶液(40.0m
l)を加えた後、0℃にて50%水酸化ナトリウム水溶液
(32.0ml,400mmol)を滴下し、60℃にて12時間攪拌し
た。冷却後、反応液に水を加え、10%塩酸水溶液でpH4
とした後、酢酸エチルで抽出し、有機層を5%塩酸水溶
液、水、飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して得られた残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:
メタノール:酢酸=200:8:1)にて精製し、3−(3−
オキサ−4−カルボキシブチル)−7−エキソ−(4,4
−ジメチル−3α−ヒドロキシ−1,6−ノナジイニル)
−8−エンド−ヒドロキシ−シス−ビシクロ[4.3.0]
ノナ−2−エン[化合物(g),655mg,79.9%]を無色
油状物として得た。
IRνmax(neat):3450,2950,2920,1740,1434,1320cm-1. NMR(CDCl3)δ:1.04(3H,s),1.08(3H,s),1.12(3H,
t,J=7.2Hz),3.60(2H,t,J=7.2Hz),4.04(2H,s),4.
10(3H,m),4.26(1H,d,J=2.0Hz),4.36(1H,brs),4.
70(2H,m),5.42(3H,bs). 試験例1.血小板凝集阻害作用 体重2.0〜2.5kg日本白色種雄性ウサギを用いた。ペン
トバルビタールナトリウム麻酔下に顎動脈より採血し、
抗凝固剤のクエン酸デキストロース溶液1/7容と混和し
た。次に140×gで15分間遠心分離し、上清(血小板多
血漿:PRP)を採取した。PRPを1300×gで7分間遠心分
離し、得られた血小板ペレットを血小板洗浄用3−[4
−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジル]−1−
プロパンスルホン酸(HEPES)緩衝液(pH6.5)で洗浄
し、1300×gで7分間遠心分離した。同条件下で2回洗
浄した血小板ペレットを浮遊液(血小板洗浄用緩衝液に
0.1%ヒト・フィブリノーゲン,1.8mM CaCl2,1.2mM MgCl
2を添加)に浮遊させ、5〜8×108個/mlになるように
血小板浮遊液を作成した。
血小板凝集能の測定には凝集メーターを用い、380μ
lの血小板浮遊液に10μlの被験薬又は対照薬として溶
媒を加え、3分後に血小板凝集物質[最終濃度として10
Mのアデノシン5′−二リン酸(ADP)又は1μg/kgのコ
ラーゲン]を10μl加えて凝集を惹起した。
被験薬による血小板凝集阻害作用はED50(血小板凝集
を50%抑制する被験薬の濃度)で表し、その結果を表7
に示す。
試験例2.エタノール潰瘍阻害作用 体重170〜270gの雄性wister系ラットを個別ゲージに
入れ24時間絶食した。この間、水は自由に摂取させた。
被験薬又は対照薬のPGE2を3μg/kg,10μg/kg,30μg/kg
経口投与した後、その後30分後に99.5%エタノール1ml
をそれぞれ経口投与した。エタノール投与1時間及び4
時間30分後に勁椎脱臼によりラットを致死せしめ、胃を
摘出した。摘出した胃に1%ホルマリン溶液を約8ml注
入し、さらに同液中に30分間固定した。固定後、胃を大
彎に沿って切開し、流水にて粘膜表面を軽く洗い流した
後、装線胃部に発生した損傷を長さの総和を求め潰瘍指
数とした。
被験薬によるエタノール阻害作用はED50(無処置群の
潰瘍指数に対して潰瘍を50%抑制する被験薬の用量)で
表し、その結果を表8に示す。なお、無処置群には溶媒
を投与した。
〔薬剤の調整例〕 前記試験例に使用した化合物の薬剤の調整例を以下に
示す。
参考例32 化合物 500μg バレイショデンプン 150mg 軽質無水ケイ酸 50mg ステアリン酸マグネシウム 10mg 乳糖 /全量1000mg 上記成分を均一に混合し、硬カプセルに200mgずつ充填
した。
参考例33 化合物 500μg バレイショデンプン 100mg 結晶セルロース 60mg 軽質無水ケイ酸 50mg ヒドロキシプロピルセルロース 30mg ステアリン酸マグネシウム 15mg 乳糖 /全量1000mg 活性成分、乳糖、バレイショデンプン、結晶セルロー
ス及び軽質無水ケイ酸を混合し、ヒドロキシプロピルセ
ルロースの10%メタノール溶液を加えて練合造粒し径0.
8mmのスクリーンで押し出して顆粒を製し、乾燥した後
ステアリン酸マグネシウムを加えて圧縮成型し200mgの
錠剤とした。
参考例34 化合物 500μg プロピレングリコール /全量10ml 活性成分をプロピレングリコールに溶解して無菌濾過
したのちアンプル0.2mlずつ充填した。
参考例35 化合物 250μg ポリエチレングリコール1500 3000mg ポリエチレングリコール6000 /全量5000mg 上記成分を60℃で加温溶融して均一に混合したのちプ
ラスチックの型に流し込んで冷却し、1g坐剤とした。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 7/02 A61P 7/02 C07C 59/46 C07C 59/46 59/62 59/62 59/72 59/72 (72)発明者 工藤 道子 福島県福島市飯坂町湯野字田中1 (72)発明者 山口 高司 福島県福島市飯坂町湯野字田中1 (72)発明者 古城 健太郎 宮城県白石市群山字具路9―6 (72)発明者 成田 仙一 東京都台東区入谷1丁目8―2―902 審査官 大久保 元浩 (56)参考文献 特開 昭63−22048(JP,A) 特開 昭63−141927(JP,A) 特開 昭63−141928(JP,A) 特開 昭63−141944(JP,A) 特開 平1−110644(JP,A) 特開 昭62−153259(JP,A) 特開 昭63−216838(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 59/56 C07C 59/62 C07C 69/708 C07C 69/732 C07C 69/738 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、Rは水素原子又は水酸基の保護基であり、R1
    水素原子、または炭素数1〜12の直鎖もしくは分枝鎖ア
    ルキル基、フェニル基、ハロゲン置換フェニル基、ヒド
    ロキシ置換フェニル基、炭素数2〜7のアシロキシ置換
    フェニル基、炭素数1〜4のアルキル置換フェニル基、
    炭素数1〜4のハロアルキル置換フェニル基、炭素数1
    〜4のアルコキシ置換フェニル基、炭素数1〜4のハロ
    アルコキシ置換フェニル基、ニトリル置換フェニル基、
    カルボキシ置換フェニル基、炭素数2〜7のアルコカル
    ボキシ置換フェニル基、炭素数1〜10のアルキルカルバ
    モイル置換フェニル基、アリールカルバモイル置換フェ
    ニル基または縮合芳香環、芳香族複素環を含む炭素数6
    〜12のアラルキル基、または1当量のカチオンを表し、
    Aは−CH=CH−CH2−または−CH2−CH2−O−であり、R
    2は炭素数3〜10の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、ア
    リロキシ基で置換されている炭素数1から3のアルキル
    基、炭素数3〜12の直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基、
    炭素数3〜8の直鎖もしくは分枝鎖アルキニル基、フェ
    ニル基で置換されている炭素数1〜3のアルキル基、フ
    ェノキシ基で置換されている炭素数1〜3のアルキル
    基、アルコキシフェノキシ基で置換されている炭素数1
    〜3のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基で置換
    されている炭素数1〜3のアルキル基または炭素数5〜
    8のシクロアルキル基で置換されている炭素数1〜3の
    アルキル基を表し、R3は水素原子、メチル基またはビニ
    ル基を表し、Xはハロゲン原子である。〕で表されるシ
    ス−ビシクロ[4.3.0]ノナ−2−エン誘導体。
JP02279196A 1989-12-05 1990-10-19 シス―ビシクロ〔4.3.0〕ノナ―2―エン誘導体 Expired - Fee Related JP3062230B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP19900123253 EP0431571A3 (en) 1989-12-05 1990-12-04 Cis-bicyclo(4.3.0)non-2-ene derivatives
US07/622,471 US5117037A (en) 1989-12-05 1990-12-05 Cis-bicyclo[4,3.0]non-2-end derivatives

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-314338 1989-12-05
JP31433889 1989-12-05

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03246252A JPH03246252A (ja) 1991-11-01
JP3062230B2 true JP3062230B2 (ja) 2000-07-10

Family

ID=18052128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02279196A Expired - Fee Related JP3062230B2 (ja) 1989-12-05 1990-10-19 シス―ビシクロ〔4.3.0〕ノナ―2―エン誘導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3062230B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102655866B (zh) 2009-11-13 2013-11-13 东丽株式会社 糖尿病的治疗或预防药

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03246252A (ja) 1991-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2691679B2 (ja) オキシム誘導体およびそれを含有する医薬品
US4364951A (en) Prostacyclins and use as medicinal agents
IE57233B1 (en) Novel carbacyclins,process for their manufacture and their use as medicaments
JP3062230B2 (ja) シス―ビシクロ〔4.3.0〕ノナ―2―エン誘導体
US4894391A (en) Novel prostacyclin derivatives, process for the preparation thereof, and use thereof as medicinal agents
US4837342A (en) Prostacyclin analogue, and blood circulation improving agent and anti-ulcer composition containing it as active ingredient
US4954524A (en) Carbacylcins, their preparation and use as medicinal agents
JPH0368849B2 (ja)
JPS59210044A (ja) プロスタサイクリン類の製法
JPH0539263A (ja) フエノキシプロスタトリエン酸誘導体の製造法
US4536592A (en) 2-Substituted prostaglandins
US5117037A (en) Cis-bicyclo[4,3.0]non-2-end derivatives
JP3573482B2 (ja) プロスタグランジン誘導体およびその使用
JPH0354923B2 (ja)
US4468395A (en) Prostaglandins and prostacyclins, processer for their preparation and their use as medicaments
JP3079381B2 (ja) ホモイソカルバサイクリン誘導体並びにそれを有効成分とする循環改善剤及び抗潰瘍剤
HU196175B (en) Process for production of carbocyclins and medical compounds containing them
US5625067A (en) Cyclopentane ether derivatives, processes for their production, and their pharmaceutical use
US4839388A (en) Prostacyclins and pharmaceuticals containing the same
JPH0615535B2 (ja) ネオリグナン誘導体
CH662350A5 (fr) Aminocyclopentanes, leur preparation et compositions pharmaceutiques les contenant.
JPH036145B2 (ja)
JPH01110644A (ja) ホモイソカルバサイクリン類縁体並びにそれを有効成分とする循環改善剤及び抗潰瘍剤
JPH0680028B2 (ja) プロスタサイクリン類及びこれらを含有する薬剤
JPH0742245B2 (ja) プロスタサイクリン類縁体並びにそれを有効成分とする血液循環改善剤及び抗潰瘍剤

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees