JP3061915B2 - 加工用冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

加工用冷延鋼板の製造方法

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JP3061915B2 JP3324053A JP32405391A JP3061915B2 JP 3061915 B2 JP3061915 B2 JP 3061915B2 JP 3324053 A JP3324053 A JP 3324053A JP 32405391 A JP32405391 A JP 32405391A JP 3061915 B2 JP3061915 B2 JP 3061915B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、深絞り性に優れた冷延
鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼中の固溶炭素および固溶窒素
を、Ti,Nb,Ta,Zr等の炭窒化物形成元素の鋼
中への添加によって析出させ、母材を純化することによ
り優れた深絞り性を有する冷延鋼板を得るという知見は
既知である。(「鉄と鋼」第61巻(1975)第81
7頁、「鉄と鋼」第61巻(1975)、第202頁)
これら従来の、鋼の製造プロセスにあっては、熱延仕上
温度をAr3点以上とすることを必須の条件としてい
る。これは、熱延仕上温度がAr3点以下になると、鋼
板の成形加工(プレス等)に好ましくない集合組織が形
成され、r値を著しく低下せしめるのみならずリジング
を発生せしめるという理由による。従って、従来技術に
よるときは、スラブの加熱温度を、1200℃前後と高
くしなければならないから、加熱エネルギーを多量に要
しコスト高となる問題があった。
【0003】また、CC−DRプロセスのような、製鋼
過程と圧延過程を直結するプロセスにおいては、鋼は、
連続鋳造後、再加熱の工程を経ないから、Ar3点以上
の温度域で熱延工程を仕上げることは容易ではない。そ
のため、CC−DRプロセスに向くようにレイアウトが
最適設計されていない製鉄所では、Ar3点以上の熱延
仕上温度を確保することは、極めて困難である。CC−
DRプロセスに向くようにレイアウトが設計された製鉄
所でも、スラブの端部などでは冷却が進み、局部的にA
3点以下の温度となるから材料の側縁部を再加熱して
圧延する。かかるプロセスは、設備費、エネルギーコス
トの点で好ましくない。
【0004】一方、スラブを一旦常温まで冷却した後、
再加熱し、圧延するプロセスにあっても、スラブの加熱
温度を可及的に低くすることは、エネルギー消費量の点
で好ましいのみならず生成する炭窒化物も高温加熱材に
比し大きくかつその最も多いから母材の純化が進み、得
られる製品の深絞り性の向上に有利であることは知られ
ていたけれども、上に述べた従来技術では、熱延仕上温
度がAr3点以上でないと製品の深絞り性の著しい劣化
を招くので、スラブ加熱温度の低温化は十分に進んでい
ない。また、Ar3変態点以下で熱延を行うと冷延板で
リジングが生じることがある。この表面欠陥は商品価値
を著しく劣化するため、その安定した防止策が要請され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける問題点である、熱延仕上温度がAr3点以上でな
いと優れた成形性を有する冷延鋼板が得られないことお
よびこのことに起因してスラブ加熱温度の低下或は低コ
ストのCC−DRプロセスを実現できないといった問題
ならびにAr3変態点以下の熱延における冷延板のリジ
ング生成の問題を解決することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の基本思想は下記
の通りである。α域熱延(Ar3変態点以下での熱延)
条件と冷延板でのリジングの生成状態について検討し、
リジングの生成を抑制するにはα域熱延前の平均フェラ
イト粒径を150μm以下にすることが必要なことが明
らかになった。この条件を満足すれば熱延板が加工組織
でも冷延板でリジングが生じない。しかし、熱延板が完
全な加工組織だと冷延板のr値が通常の冷延率である7
0%以上90%以下の圧下率で、必ずしも高いr値が得
られない。しかし、熱延板を完全にあるいは部分的に再
結晶させると上記の冷延率の範囲のr値は顕著に向上
し、耐リジング性に優れ、かつ優れた深絞り性を有する
冷延鋼板が製造できることを明らかにした。
【0007】これらの思想に基づく本発明の特徴とする
処は、重量%で C:0.005%以下 N:0.005%以下 S:0.050%以下 を含み、TiおよびNbのいずれか一方または双方を0.1 (Ti/48+Nb/93)<C/12+N/1
4+S/32<2.0(Ti/48+Nb/93) の関係を満足するように含有する鋼を、Ar〜Ar
+100℃の温度域で合計圧下率が35%以上の圧延を
行い、その後γ→α変態時の平均冷速が10℃/sec
以上で冷却を行い、Ar以下の温度域での合計圧下率
が70%以上の圧延を行い、その後、600℃以上、7
50℃以下で捲取り、次いで酸洗、冷延、焼鈍を行うこ
とを特徴とする深絞り用冷延鋼板の製造方法にある。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、C,N,Ti,Nbの含有量の関係を、 0.1(Ti/48+Nb/93)<C/12+N/1
+S/32<2.0(Ti/48+Nb/93)と限
定した理由は、この条件を満足することにより、鋼中の
固溶Cと固溶Nを析出物の形で大半固定でき、過飽和な
Ti,Nbの存在も比較的少ないからであり、これによ
って製品の深絞り性に有利な結晶方位である(111)
〈112〉,(554)〈225〉などの集積度の高い
集合組織を有する鋼板を製造できる。それにより、冷延
板で高いr値が得られる。また、過飽和な固溶Ti,N
bによる焼鈍時の再結晶温度の上昇も上記条件式を満足
することにより比較的抑えることができる。
【0009】次に、C量を0.005%以下、N量を
0.005%以下、S量を0.050%以下と限定した
のは、この量を超えてC,S,Nが添加されると、製品
の加工性を損なうのみならず上記条件式を満足するため
に要するTi,Nbの量が多くなり、コスト高となるか
らである。尚、本発明における鋼の他の成分として、深
絞り用冷延鋼板に通常含有せしめられる成分であるM
n,Si,P,Ni,Cu,Cr,Alの添加量は特に
限定しないが、α域熱延前の組織の変態による微細化お
よび捲取時の再結晶の容易さの観点より、これらの成分
の1種あるいは2種以上の総和は0.1%以上、2.0
%以下とすることが好ましい。
【0010】一方、熱延条件の限定は、次の理由によ
る。本発明では、γ域(Ar3変態点以上の圧延)での
熱延条件を、圧延温度の下限をAr3点とし、Ar3+1
00℃の間での圧下率の下限を35%とした。これはα
域熱延前のフェライトの平均粒径を微細化するための必
要条件である。また、圧下率の増加に伴って細粒化は進
むので圧下率の上限は限定しない。また、γ→αの変態
時の冷速の下限を10℃/secとすることにより、α
域熱延前のフェライトの平均粒径が150μm以下とな
る。これより小さい冷速だと変態後のフェライト粒径が
これ以上となり下記の熱延条件を満たしても成品板でr
値が低く、リジングが現れ易くなるためである。
【0011】一方、Ar3変態点以下の温度域での圧延
の条件として合計圧下率を70%以上としたのは、α域
熱延における集合組織形成が、この圧下率以下では、冷
延焼鈍後の深絞り性に好ましい集合組織の形成に悪影響
を及ぼすためである。すなわち、70%以下の合計圧下
率では熱延板にND//〈100〉方位が強く存在し、こ
れが冷延板での深絞り性に好ましいND//〈111〉の
生成頻度で下げるためである。また、捲取温度の下限を
600℃としたのは、これ以下の温度で捲取ると熱延板
が加工組織を呈する可能性が高く、冷延板のr値が低く
なるためである。一方、上限を750℃としたのは、こ
れ以上の温度で捲取ると熱延板の粒径が大きくなり、冷
延板のr値が低下するためである。冷間圧延条件および
焼鈍条件に関しては、特に規定するものではないが、冷
延率は、深絞り性の点から通常60%以上でよく、焼鈍
は、箱焼鈍、連続焼鈍あるいは溶融めっきプロセスの何
れにおいても再結晶させればよい。
【0012】
【実施例】表1に示す本発明鋼および比較鋼を用い、熱
延条件を種々変化させたときの冷延鋼板のr値およびリ
ジングの有無を、表2に示す。リジングの有無は10%
の引張試験後目視により判定した。因に、冷延率は82
%、焼鈍は800℃で100秒で、板厚は0.72mm
である。Ti,Nb,C,Nが本発明の条件式を満たさ
ない材料1,2については、圧延条件が本発明の範囲内
にあっても高いr値を示さない。本発明範囲を満足する
材料3,4,6,10,12,13,14はリジングも
なく高r値を示す。Ar3〜Ar3+100℃での圧下率
が低い材料5は熱延板の粒径が大きく、成品板のr値が
低い。捲取温度が低い材料8は熱延板が加工組織を呈
し、冷延板のr値が低く、リジングも発生し、材質が劣
る。捲取温度の高い材料9は熱延板のフェライト平均粒
径が75μmと比較的大きくr値が低く、冷延板の表面
性状も悪い。材料7は変態時の冷却速度が小さく、熱延
板の粒径が充分細かくならず、成品板のr値が低い。ま
た、材料11はα域の合計圧下率が本発明の限定条件以
下であるため冷延板のr値が低い。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】本発明の方法によれば、Ar3変態点以
下の温度域で熱延してもr値の劣化が起きないのみなら
ずスラブ加熱温度の低温化により、炭窒化物の析出が進
み母材が高純化するため、むしろr値の向上がはかれ
る。その上、スラブ加熱温度の低下によるエネルギーコ
ストおよび炉の補修コストも低くなり、これらの点でも
大きな効果を奏する。また、CC−DRプロセスにおい
ても、従来、Ar3変態点以上の熱延仕上温度を確保す
るために行っていた様々な対策、たとえばエッジヒータ
ーの適用や保温カバーの使用等が、本発明の実施により
不要となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/48,8/04 C21D 9/46,8/02 C22C 38/00 - 38/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で C:0.005%以下、 N:0.005%以下、 S:0.050%以下、 を含み、TiおよびNbのいずれか一方または双方を0.1 (Ti/48+Nb/93)<C/12+N/1
    4+S/32<2.0(Ti/48+Nb/93) の関係を満足するように含有する鋼を、Ar〜Ar
    +100℃の温度域で合計圧下率が35%以上の圧延を
    行い、その後γ→α変態時の平均冷速が10℃/sec
    以上で冷却を行い、Ar以下の温度域での合計圧下率
    が70%以上の圧延を行いその後、600℃以上、75
    0℃以下で捲取り、次いで酸洗、冷延、焼鈍を行うこと
    を特徴とする深絞り用冷延鋼板の製造方法。
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