JP3061090B2 - 電気接点材料の製造方法 - Google Patents
電気接点材料の製造方法Info
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- JP3061090B2 JP3061090B2 JP5032751A JP3275193A JP3061090B2 JP 3061090 B2 JP3061090 B2 JP 3061090B2 JP 5032751 A JP5032751 A JP 5032751A JP 3275193 A JP3275193 A JP 3275193A JP 3061090 B2 JP3061090 B2 JP 3061090B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気接点材料、特に開
閉接点に適する電気接点材料の製造方法に関する。
閉接点に適する電気接点材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より開閉接点に用いる電気接点材料
としては、Cu−Ni30%のベース材に、Ag又はAg
−Pd60%若しくはAg−Ni10%の接点材をクラッド
したものがある。これらの電気接点材料は、耐環境性の
向上、初期接触抵抗の安定化の為に、接触部表面に薄く
Au−Ag8%、Au−Ag10%をクラッドすることが
多い。
としては、Cu−Ni30%のベース材に、Ag又はAg
−Pd60%若しくはAg−Ni10%の接点材をクラッド
したものがある。これらの電気接点材料は、耐環境性の
向上、初期接触抵抗の安定化の為に、接触部表面に薄く
Au−Ag8%、Au−Ag10%をクラッドすることが
多い。
【0003】然し乍ら、このように接触部表面にAu−
Ag8%、Au−Ag10%をクラッドしたものは、開閉
接点としては、耐粘着性に劣り、また超音波洗浄時や搬
送中に接点同志のくっつきが発生する。この為、Au−
Ag8%、Au−Ag10%の硬さを高くして耐粘着性の
向上を図ることが行なわれるが、加工上限界がある。ま
た、その他の元素を添加して硬さを高くすると、接触抵
抗が不安定となる。
Ag8%、Au−Ag10%をクラッドしたものは、開閉
接点としては、耐粘着性に劣り、また超音波洗浄時や搬
送中に接点同志のくっつきが発生する。この為、Au−
Ag8%、Au−Ag10%の硬さを高くして耐粘着性の
向上を図ることが行なわれるが、加工上限界がある。ま
た、その他の元素を添加して硬さを高くすると、接触抵
抗が不安定となる。
【0004】このようなことから硬さが高くて耐粘着
性、耐消耗性に優れ、また接触抵抗が低く安定し、さら
に耐環境性にも優れた電気接点材料として、PdZnの
金属間化合物からなる電気接点材料が提案されている
が、加工が困難で、接点形状に加工することは極めて難
しい。
性、耐消耗性に優れ、また接触抵抗が低く安定し、さら
に耐環境性にも優れた電気接点材料として、PdZnの
金属間化合物からなる電気接点材料が提案されている
が、加工が困難で、接点形状に加工することは極めて難
しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、接点
形状に近いところで、接触部表面に所要の厚さのPdZ
n金属間化合物層又はPdZn金属間化合物の分散層
(以下PdZn層という)を形成して上記特性を有する
電気接点材料を製造する方法を提供しようとするもので
ある。
形状に近いところで、接触部表面に所要の厚さのPdZ
n金属間化合物層又はPdZn金属間化合物の分散層
(以下PdZn層という)を形成して上記特性を有する
電気接点材料を製造する方法を提供しようとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の電気接点材料の製造方法は、Pd又はPd合
金の接触部表面に、 400〜 900℃の非酸化性雰囲気中で
Znを蒸着して、 0.1〜20μmのPdZn層を形成する
ことを特徴とするものである。
の本発明の電気接点材料の製造方法は、Pd又はPd合
金の接触部表面に、 400〜 900℃の非酸化性雰囲気中で
Znを蒸着して、 0.1〜20μmのPdZn層を形成する
ことを特徴とするものである。
【0007】本発明の電気接点材料の製造方法に於い
て、接触部表面にZnを非酸化性雰囲気中で蒸着する際
の温度を、 400〜 900℃とした理由は、 400℃未満では
Znのベーバーが不十分でPdZn金属間化合物ができ
ず、 900℃を超えるとPdZn金属間化合物が多くなり
過ぎて脆くなり、割れが発生するようになるからであ
る。実質的には 600〜 800℃が接触抵抗が低く安定した
PdZn層を得るのに好適である。
て、接触部表面にZnを非酸化性雰囲気中で蒸着する際
の温度を、 400〜 900℃とした理由は、 400℃未満では
Znのベーバーが不十分でPdZn金属間化合物ができ
ず、 900℃を超えるとPdZn金属間化合物が多くなり
過ぎて脆くなり、割れが発生するようになるからであ
る。実質的には 600〜 800℃が接触抵抗が低く安定した
PdZn層を得るのに好適である。
【0008】また、形成するPdZn層の厚さを 0.1〜
20μmとした理由は、 0.1μm未満では初期の目的を達
成できる電気接点材料とならず、20μmを超えると、脆
くなり、割れが発生し、下地のAgリッチ層が露出し、
粘着、消耗、硫化を起こすからである。尚、PdZn層
を形成した後は、加工しないのが好ましいが、必要に応
じて適宜溶接、フォーミング等の加工を行なっても良
い。
20μmとした理由は、 0.1μm未満では初期の目的を達
成できる電気接点材料とならず、20μmを超えると、脆
くなり、割れが発生し、下地のAgリッチ層が露出し、
粘着、消耗、硫化を起こすからである。尚、PdZn層
を形成した後は、加工しないのが好ましいが、必要に応
じて適宜溶接、フォーミング等の加工を行なっても良
い。
【0009】
【作用】上記のように本発明の電気接点材料の製造方法
は、Pd又はPd合金の接点材料の接触部表面に、 400
〜 900℃の非酸化性雰囲気でZnを蒸着して、 0.1〜20
μmのPdZn層を形成するのであるから、温度と時間
の設定によりPdZn層の厚さを 0.1〜20μmの範囲で
適切にコントロールできて所要の厚さの安定したPdZ
n層を有する電気接点材料が容易に得られ、しかも生産
性が良い。また、こうして得られた電気接点材料の 0.1
〜20μmのPdZn層は、硬さが高くて耐粘着性、耐消
耗性に優れ、また接触抵抗が低くて安定しており、さら
に耐環境性に優れていて、PdZnの金属間化合物の特
性が有効に生かされている。
は、Pd又はPd合金の接点材料の接触部表面に、 400
〜 900℃の非酸化性雰囲気でZnを蒸着して、 0.1〜20
μmのPdZn層を形成するのであるから、温度と時間
の設定によりPdZn層の厚さを 0.1〜20μmの範囲で
適切にコントロールできて所要の厚さの安定したPdZ
n層を有する電気接点材料が容易に得られ、しかも生産
性が良い。また、こうして得られた電気接点材料の 0.1
〜20μmのPdZn層は、硬さが高くて耐粘着性、耐消
耗性に優れ、また接触抵抗が低くて安定しており、さら
に耐環境性に優れていて、PdZnの金属間化合物の特
性が有効に生かされている。
【0010】
【実施例】本発明の電気接点材料の製造方法の一実施例
を説明すると、厚さ 0.4mm、幅1.2mmのCu−Ni30%
のベース材に、厚さ 0.3mm、幅 1.2mmのAg−Pd50%
の接点材をクラッドしてなる長尺の接点材料を、N2 ガ
ス雰囲気中、 600℃の管状炉に通し、Ag−Pd50%の
接点材の接触部表面にZnを蒸着した処、図1のグラフ
に示すように3分で2μm、30分で10μm、 120分で20
μmのPdZn層が形成された。
を説明すると、厚さ 0.4mm、幅1.2mmのCu−Ni30%
のベース材に、厚さ 0.3mm、幅 1.2mmのAg−Pd50%
の接点材をクラッドしてなる長尺の接点材料を、N2 ガ
ス雰囲気中、 600℃の管状炉に通し、Ag−Pd50%の
接点材の接触部表面にZnを蒸着した処、図1のグラフ
に示すように3分で2μm、30分で10μm、 120分で20
μmのPdZn層が形成された。
【0011】また、厚さ 0.3mm、幅 1.0mmのCu−Ni
30%のベース材に、厚さ 0.2mm、幅1.0mmのAg−Pd2
0%、Ag−Pd30%、Ag−Pd50%、Ag−Pd60
%の接点材を夫々クラッドして長尺の各接点材料を、N
2 ガス雰囲気の管状炉に通し、 400〜 800℃の範囲内
で、各接点材の接触部表面にZnを蒸着してPdZn層
を形成して得た各電気接点材料に於けるPdZn層の接
触抵抗の変化を接触抵抗6gで測定した処、図2のグラ
フに示すような結果を得た。この図2のグラフに示すよ
うに 600〜 800℃でZnを蒸着してAg−Pd合金の各
接点材の接触部表面に形成したPdZn層の接触抵抗は
著しく低く安定していることが判る。
30%のベース材に、厚さ 0.2mm、幅1.0mmのAg−Pd2
0%、Ag−Pd30%、Ag−Pd50%、Ag−Pd60
%の接点材を夫々クラッドして長尺の各接点材料を、N
2 ガス雰囲気の管状炉に通し、 400〜 800℃の範囲内
で、各接点材の接触部表面にZnを蒸着してPdZn層
を形成して得た各電気接点材料に於けるPdZn層の接
触抵抗の変化を接触抵抗6gで測定した処、図2のグラ
フに示すような結果を得た。この図2のグラフに示すよ
うに 600〜 800℃でZnを蒸着してAg−Pd合金の各
接点材の接触部表面に形成したPdZn層の接触抵抗は
著しく低く安定していることが判る。
【0012】
【発明の効果】以上の説明で判るように本発明の電気接
点材料の製造方法によれば、温度と時間の設定によりP
dZn層の厚さを 0.1〜20μmの範囲で適切にコントロ
ールできて所要の安定したPdZn層を有する電気接点
材料が容易に得られ、しかも生産性が良い。またこうし
て得られた電気接点材料の 0.1〜20μmのPdZn層
は、硬さが高くて耐粘着性、耐消耗性に優れ、また接触
抵抗が低くて安定しており、さらに耐環境性に優れてい
て、PdZnの金属間化合物の特性が有効に生かされて
いて、開閉接点に用いる電気接点材料として極めて有用
なものとなる。
点材料の製造方法によれば、温度と時間の設定によりP
dZn層の厚さを 0.1〜20μmの範囲で適切にコントロ
ールできて所要の安定したPdZn層を有する電気接点
材料が容易に得られ、しかも生産性が良い。またこうし
て得られた電気接点材料の 0.1〜20μmのPdZn層
は、硬さが高くて耐粘着性、耐消耗性に優れ、また接触
抵抗が低くて安定しており、さらに耐環境性に優れてい
て、PdZnの金属間化合物の特性が有効に生かされて
いて、開閉接点に用いる電気接点材料として極めて有用
なものとなる。
【図1】N2 ガス雰囲気中、 600℃の管状炉に接点材料
を通し、接触部表面にZnを蒸着してPdZn層を形成
した際の蒸着時間と層厚の関係を示すグラフである。
を通し、接触部表面にZnを蒸着してPdZn層を形成
した際の蒸着時間と層厚の関係を示すグラフである。
【図2】Ag−Pd合金の接点材料に対するPdZn層
の形成温度と接触抵抗の関係を示すグラフである。
の形成温度と接触抵抗の関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 Pd又はPd合金の接点材料の接触部表
面に、 400〜 900℃の非酸化性雰囲気中でZnを蒸着し
て、 0.1〜20μmのPdZn金属間化合物層又はPdZ
n金属間化合物の分散層を形成することを特徴とする電
気接点材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5032751A JP3061090B2 (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | 電気接点材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5032751A JP3061090B2 (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | 電気接点材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06223673A JPH06223673A (ja) | 1994-08-12 |
JP3061090B2 true JP3061090B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=12367556
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5032751A Expired - Lifetime JP3061090B2 (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | 電気接点材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3061090B2 (ja) |
-
1993
- 1993-01-28 JP JP5032751A patent/JP3061090B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06223673A (ja) | 1994-08-12 |
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