JP3059285B2 - レーザ光を用いた有機高分子材料の除去加工方法及びその装置 - Google Patents

レーザ光を用いた有機高分子材料の除去加工方法及びその装置

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JP3059285B2
JP3059285B2 JP4003272A JP327292A JP3059285B2 JP 3059285 B2 JP3059285 B2 JP 3059285B2 JP 4003272 A JP4003272 A JP 4003272A JP 327292 A JP327292 A JP 327292A JP 3059285 B2 JP3059285 B2 JP 3059285B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ光を用いた有機高
分子材料の除去加工方法及びその装置に係り、特に、レ
ーザ光による有機高分子材料の除去時に発生する照射部
周辺部の付着物の抑制が可能な除去加工方法及びそれに
用いる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザ光による有機高分子材料の除去加
工方法としては、例えば「エキシマレーザによるポリイ
ミドの分解除去加工」(第155回レーザ学会研究会資
料;1989年,45〜50頁)に記載された技術が知
られている。この技術は、紫外レーザ光の光子エネルギ
ーが、有機化合物の結合エネルギーを上回ることを利用
した除去加工法であり、上記した公知資料に記載された
技術では、紫外光であるArFエキシマレーザ光をポリ
イミド試料の除去したい部分に照射することにより、局
所的に光化学反応を生じさせ分解除去することにより、
熱的加工の困難な有機高分子材料を低損傷で微細に除去
加工できるようにしている。なお、他の公知例として特
開平1−273687号公報がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した
「エキシマレーザによるポリイミドの分解除去加工」に
記載されたレーザ光による分解除去技術を用いた場合、
レーザ照射部周辺部には付着物が発生する。しかしなが
ら、従来技術においては照射部周辺部の付着物の抑制に
ついては何等の配慮もなされていないため、半導体装置
製造あるいは電子部品製造などに適用する場合には、付
着物による基板の汚染、絶縁性の低下、多層積層時の接
着性の低下、変質層の形成などを引き起こし、製造歩留
まりの低下の原因となる。
【0004】本発明の第1の目的は、付着物の発生の無
いレーザ光による有機高分子材料の除去加工方法を提示
することである。また、本発明の第2の目的は、その除
去加工方法を実現するための加工装置を実現することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、基本
的には、レーザ光による有機高分子材料の除去時に、試
料の照射部近傍の空間に噴出する分解生成物に紫外レー
ザ光を照射することにより達成される。上記第2の目的
は、基本的には、試料のレーザ照射部近傍の空間に存在
する分解生成物に紫外レーザ光を照射する機能を持った
光学系及びレーザ光源を具備することにより達成でき
る。
【0006】
【作用】レーザ除去加工時に、照射部近傍の空間に噴出
した分解生成物に紫外レーザ光を照射すると、分解生成
物は紫外レーザ光を吸収し更に小さな分子に分解する。
このような小さな分子は、雰囲気中の気体分子、例え
ば、酸素、窒素、水素などと反応することにより、二酸
化炭素、水蒸気、あるいはその他の安定な気体分子に変
化する。その結果、分解生成物はすべて気相中に拡散
し、試料表面に付着物が堆積することが無くなる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図1〜図10によ
って説明する。まず、本発明の第1実施例によるレーザ
加工装置(レーザ光を用いた有機高分子材料の除去加工
装置)の構成を図1により説明する。レーザ発振器1か
らのレーザ光8は、部分反射ミラー2により、加工用レ
ーザ光8a、補助レーザ光8bに分割される。ここで、
レーザ光の波長は、有機高分子の結合エネルギーを上回
る光子エネルギーを持ったものを選択する必要があり、
波長360nm以下の紫外光レーザが適している。紫外
光レーザとしては、具体的には、エキシマレーザ、YA
Gレーザの第3高調波以上の高調波、Arレーザの第2
高調波などが挙げられる。加工用レーザ光8aはスリッ
ト3を経て、対物レンズ4により試料5の表面に縮小投
影される。分割されたレーザ光8a、8bのそれぞれの
照射強度については、レーザ発振器1から出力されたレ
ーザ光8の強度と、部分反射ミラー2の反射率を選択す
ることにより制御することができる。図1には、加工光
学系として結像光学系をなすものを示したが、この他
に、レーザ光をスポットに集光して照射する集光光学系
からなる構成をとることもできる。この加工用レーザ光
8aの照射により、試料5のレーザ照射部は分解除去さ
れ、試料5の照射部近傍の空間に分解生成物9を噴出す
る。一方、補助レーザ光8bは、反射ミラー6からなる
光学系により、試料5の表面に接触しないように調整さ
れて、分解生成物9に照射される。補助レーザ光8bが
試料5に照射されると、補助レーザ光8bの照射条件に
よっては、試料5が分解除去されてしまうので、補助レ
ーザ光8bが試料5に照射されないように調整する必要
がある。分解生成物9を透過した補助レーザ光8bは吸
収器7で吸収される。図1に示したレーザ加工装置の構
成は、基本的なものであり、必要に応じて、ビーム整形
器や減衰器、フィルタ等の光学装置を組み込んだ構成と
することが可能である。
【0008】加工用レーザ光8aによる試料5の除去加
工について以下に説明する。試料5において、加工用レ
ーザ光8aを照射された部分は、加工用レーザ光8aの
一部を吸収する。紫外レーザ光を吸収した有機高分子
は、光化学反応により分解し、分解生成物9となって照
射部近傍の空間に噴出し、試料5から除去される。この
時噴出した分解生成物9は、有機化合物、無機化合物及
び気体分子からなっている。付着物に対する処理を行わ
ない場合、分解生成物9の一部は気相中に安定な気体分
子として拡散するが、他の一部は付着物として試料表面
に再付着する。
【0009】次に、分解生成物9に補助レーザ光8bを
照射することにより付着物の発生が抑止される原理を説
明する。図2は、紫外レーザ光の垂直照射による有機高
分子材料の除去時における、照射レーザエネルギーに対
する付着物の堆積量の関係を示している。図2による
と、照射レーザエネルギーがある程度(試料材質がポリ
イミドの場合、加工しきい値の20倍程度)以上に大き
くなると、付着物の堆積がほとんど発生しない。除去が
開始されると、試料の照射部近傍の空間は分解生成物が
噴出した状態となり、その後照射されるレーザ光は、そ
の一部がこの分解生成物により吸収される。この時、紫
外光であるレーザ光を吸収した分解生成物は、まず小さ
な分子に分解する反応を起こし、更に雰囲気中の気体分
子との反応を促進され二酸化炭素や水蒸気あるいはその
他の安定な気体分子となって気相中に拡散することとな
る。したがって、分解生成物にある程度以上の強度のレ
ーザ光を照射すると、大気雰囲気中であっても、分解生
成物は小さな分子に分解し雰囲気中の気体分子と完全に
反応して、安定な気体分子となって気相中に拡散するこ
ととなる。垂直照射時に照射レーザエネルギーが十分に
大きい場合、試料表面の付着物が減少するのはこのため
である。しかしながら、強度の大きなレーザ光による有
機高分子材料の除去加工は、除去深さが大きくなるため
その制御が困難であること、照射部に熱的な損傷が発生
することなど問題点が多く、とくに微細加工などに適用
することは困難である。一方、必要十分な強度の加工用
レーザ光8aにより試料5を除去加工するとともに、十
分な強さ(例えばポリイミド材料に対しては、加工しき
い値の20倍程度)の補助レーザ光8bを分解生成物9
に照射すると、分解生成物9は、補助レーザ光8bによ
り、次々と分解され、小さな分子となったのちに雰囲気
中の気体分子と完全に反応を起こし、安定な気体分子と
なって気相中に拡散する。このため、試料5の表面に付
着物が堆積しなくなる。
【0010】次に、本発明の第2実施例〜第9実施例に
よる補助レーザ光8bの照射手法や制御手法について順
次説明する。補助レーザ光8bは、分解生成物9に照射
して光化学反応による分解を引き起こす光源であるの
で、噴出する分解生成物9に補助レーザ光8bがより多
く吸収されるようにする必要がある。
【0011】まず、噴出する分解生成物9の分布状態に
合わせて、補助レーザ光8bのビーム形状を制御する手
法を、図3に示した本発明の第2実施例及び図4に示し
た本発明の第3実施例によって説明する。図3に示した
第2実施例では、全反射ミラー6で反射した補助レーザ
光8bを、補助レーザ光集束レンズ10により、分解生
成物9の中で、あるいは、分解生成物9の近傍で集光さ
せることができるようにしている。これにより、分解生
成物9の分布が試料5の照射部近傍のごく小さな領域に
限られた場合などに、補助レーザ光8bを効率良く照射
することが可能となる。この際、分解生成物9の分布領
域の大きさに応じて焦点位置を変化させることにより、
常に最適な照射寸法で補助レーザ光8bを照射すること
ができる。また、焦点近傍での補助レーザ光8bのエネ
ルギー密度を高くすることが可能となり、分解生成物9
の分解及び雰囲気中の気体分子との反応を高効率に進め
ることが出来る。
【0012】図4に示した第3実施例では、全反射ミラ
ー6で反射した補助レーザ光8bを、コリメータ11に
より、分解生成物9の分布領域の大きさに応じた寸法に
絞ることができるようにしている。また、図示していな
いが、シリンドリカルレンズとの組合せにより、補助レ
ーザ光8bのビーム形状をシート状に圧縮することによ
っても同様な効果がある。すなわち、試料5が大きい場
合、図3の手法では補助レーザ光8bの焦点の前方で、
補助レーザ光8bが試料5の除去部ではない部分に照射
されてしまう可能性がある。しかし、本第3実施例の照
射手法を用いれば、平行光で補助レーザ光8bを照射す
るので試料5の大きさに依存せずに、最適寸法の補助レ
ーザ光8bを照射することができる。また、コリメータ
11の替わりに拡大倍率(縮小倍率)の可変なビームエ
キスパンダを用いることにより、分解生成物9の分布領
域の大きさに応じた補助レーザ光8bを照射することも
可能となる。
【0013】続いて、補助レーザ光8bが分解生成物9
の中を透過する際の光路長を延長することによって、分
解生成物9による補助レーザ光8bの吸収量を増加させ
る手法を、図5に示した本発明の第4実施例、図6に示
した本発明の第5実施例、及び図7に示した本発明の第
6実施例によって説明する。図5に示した第4実施例に
おいては、補助レーザ光8bを、傾斜して対向配置した
一対の全反射ミラー6の一方に対して斜めに入射し、対
をなす全反射ミラー6で多重反射させて分解生成物9の
中を透過させた後に、吸収器7によって吸収させるよう
にしている。このように、分解生成物9の近傍で補助レ
ーザ光8bを多重反射させることにより、分解生成物9
の中を透過する補助レーザ光8bの光路長を延長するこ
とができる。また、全反射ミラー6の傾き及び補助レー
ザ光8bの入射角度を適当に設定することにより、補助
レーザ光8bの分解生成物9の近傍での反射回数及び透
過位置を容易に制御することができる。したがって、補
助レーザ光8bが試料5に照射されないようにする必要
がある場合には、上側から透過するように設定すること
ができるので、試料5に補助レーザ光8bが照射される
ことによる試料5の損傷の発生を確実に防ぐことができ
る。
【0014】図6に示した第5実施例では、前記加工用
レーザ光8aは紙面に垂直に照射され、レーザ加工部1
2の位置に縮小投影されている。そして、本第5実施例
においては、試料5の上部に一対の全反射ミラー6を対
向して平行に配置し、試料5の表面と平行な補助レーザ
光8bを一方の全反射ミラー6に入射させて、レーザ加
工部12の上、すなわち分解生成物9の中で、補助レー
ザ光8bを対をなす全反射ミラー6で多重反射させるこ
とにより、分解生成物9を透過する補助レーザ光8bの
光路長を延長するようにしている。なお、分解生成物9
の中を透過して全反射ミラー6の外に出た補助レーザ光
8bは、吸収器7に導かれ吸収される。本第5実施例で
は、補助レーザ光8bは、試料5の表面と平行に照射さ
れるため試料5に照射されることが無く、よって補助レ
ーザ光8bによる試料5の損傷が発生することがない。
【0015】図7に示した第6実施例でも、加工用レー
ザ光8aは紙面に垂直に照射され、レーザ加工部12の
位置に縮小投影されている。本第6実施例においては、
図7に示すように、補助レーザ光8bを、ビームスプリ
ッタ13により2方向に分割し、それぞれの補助レーザ
光8bがレーザ加工部12の上で、すなわち分解生成物
9の中で交叉するように2つの全反射ミラー6によって
反射角を調整し、更に2つの凹面ミラー14によってそ
れぞれ反射させて全反射ミラー6に折り返すようにして
いる。この第6実施例では、全反射ミラー6及び凹面ミ
ラー14により補助レーザ光8bを1往復させることに
よって、分解生成物9を透過する部分の光路長を延長さ
せている。ここで、加工用レーザ光8aによる試料5の
分解除去時に噴出する分解生成物は3次元的に存在して
いるので、本第6実施例のように2方向から補助レーザ
光8bを照射することにより平面的な異方性が無くな
り、試料5の表面で一様に付着物の堆積を抑止ができる
効果が期待できる。なお、本第6実施例でも、補助レー
ザ光8bは試料5の表面と平行に照射されるため、試料
5に照射されることが無く損傷が発生しないようになっ
ている。また、凹面ミラー14を反射して全反射ミラー
6に戻る補助レーザ光8bは一度集光されるため、全反
射ミラー6を反射した後更に拡散し、ビームスプリッタ
13を反射して戻っていくレーザ光8bによる光学系な
どへの悪影響も無いようになっている。
【0016】図3から図7までにその構成を示した5つ
の補助レーザ光8bの照射手法は、組み合わせて用いる
ことが可能であり、組み合わせることにより効果を増す
ことができる。
【0017】次に、本発明による補助レーザ光の波長及
び照射時期の制御方法について述べる。加工用レーザ光
8aと補助レーザ光8bとはそれぞれ目的を異にするも
のであるので、補助レーザ光8bを加工用レーザ光8a
と異なるように調整制御した方が効率などの点で優れて
いる場合がある。例えば、波長を短くすることにより反
応の効率を向上させることができる場合や、加工用レー
ザ光8aと補助レーザ光8bの照射の時期がずれていた
方が良い場合などである。
【0018】図8は本発明の第7実施例に係り、本第7
実施例では補助レーザ光8bの波長の制御手段(波長変
換素子15)が設けられている。すなわち図7に示すよ
うに、レーザ光8から部分反射ミラー2により加工用レ
ーザ光8aと補助レーザ光8bに分割した後、補助レー
ザ光8bを波長変換素子15により高調波に変換し、全
反射ミラー6などを介して分解生成物9に照射するよう
にしている。一般にレーザ光の波長が短くなるにつれ、
光化学反応の効率は向上するが、光学部品など周辺装置
についての制限が大きくなる傾向がある。本第7実施例
においては、加工用レーザ光8aについては取扱いや制
御の容易な長い波長を用い、比較的単純な光学系を用い
る補助レーザ光8bについては光化学反応の効率の良い
短い波長を用いることで、試料5の除去の精度と分解生
成物9の安定な気体分子への反応の効率を向上させるこ
とができる。
【0019】図9は本発明の第8実施例に係り、本第8
実施例では補助レーザ光8bの照射時期を制御するよう
になっている。本第8実施例では図9に示すように、レ
ーザ光8から部分反射ミラー2により加工用レーザ光8
aと補助レーザ光8bに分割した後、補助レーザ光8b
を対向する2枚の全反射ミラー6の間で1回または複数
回往復させた後、全反射ミラー6などを介して分解生成
物9に照射するようにしている。この場合、補助レーザ
光8bを往復させる2枚の全反射ミラー6の間隔を制御
することにより、加工用レーザ光8aと補助レーザ光8
bの間の時間遅れを設定することができる。分解生成物
9は、加工用レーザ光8aの照射開始後、試料5の分解
除去が始まった後に試料5の照射部近傍の空間に噴出し
始め、加工用レーザ光8aの照射が終了した後もしばら
く加工部近傍に滞留する。補助レーザ光8bの照射は、
分解生成物9により吸収される必要があるので、分解生
成物9の噴出及び滞留に同期して照射することが必要で
ある。本第8実施例では、分解生成物9の噴出・滞留に
同期して適当な時期に補助レーザ光8bを照射すること
が可能となり、分解生成物9の安定な気体分子への反応
の効率の向上が可能となる。
【0020】図8及び図9に構成を示す補助レーザ光の
制御手法は組み合わせて用いることが可能であり、さら
に図3から図7に構成を示した補助レーザ光の照射手法
と組み合わせることもできる。
【0021】図10は本発明の第9実施例によるレーザ
加工装置の構成を示している。本第9実施例と前記図1
に示す第1実施例との相違は、加工用レーザ光38aと
補助レーザ光38bが異なったレーザ発振器31及び3
2から発振されていることである。レーザ発振器31か
らの加工用レーザ光38aは、全反射ミラー36、スリ
ット33、対物レンズ34などにより構成される加工光
学系により、試料35に照射される。なお、図10に
は、加工光学系として結像光学系をなすものを示した
が、この他に、レーザ光をスポットに集光して照射する
集光光学系からなる構成をとることもできる。一方、補
助レーザ光38bは、制御装置40により加工用レーザ
光38aの発振に応じた適当な時期にレーザ発振器32
で発振出力されて、全反射ミラー36,36を介して分
解生成物39の中に入射され、透過光は吸収器37によ
って吸収される。斯様な構成にすることにより、加工用
レーザ光38a及び補助レーザ光38bにそれぞれ最適
なレーザ発振源(最適な強度と波長)を選択することが
できる。また、それぞれのレーザ光の制御を独立に行う
ことができるので、加工条件に応じた照射条件の調整が
容易にできる利点がある。なお、この第9実施例に対し
ても、図3から図9に示した補助レーザ光38bの照射
手法や制御手法を組み合わせることが可能であり、加工
条件に応じて組み合わせて用いると、より効果的であ
る。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、被加工物
に照射した紫外レーザ光(加工用レーザ光)による加工
処理によって加工部近傍の空間に噴出する分解生成物に
対して、概略平行光の紫外レーザ光(補助レーザ光)を
照射、または紫外レーザ光(補助レーザ光)を複数の方
向から照射、または紫外レーザ光(補助レーザ光)を複
数回繰り返し照射するようにしているので、分解生成物
に照射される紫外レーザ光(補助レーザ光)のレーザエ
ネルギーの作用により、効率良く広範囲にわたって、分
解生成物をさらに分解して安定な気体分子へと変化させ
ることが可能となり、したがって、レーザ光による有機
高分子材料除去プロセスにおける、被加工物への付着物
の発生を、大気中でも効率良く防止できる。さらに、分
解生成物に照射する紫外レーザ光(補助レーザ光)は、
被加工物には照射されることがないようにしているの
で、補助レーザ光によって被加工物が不要に除去される
虞が一切なく、加工用レーザ光による微細加工の精度を
損なうこともない。総じて、レーザ光による有機高分子
材料除去プロセスにおける、付着物の発生に起因する種
々の悪影響が排除でき、以って、製造歩留まりが向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるレーザ加工装置(レ
ーザ光を用いた有機高分子材料の除去加工装置)の構成
を示す説明図である。
【図2】レーザ光による有機高分子材料の除去加工にお
ける照射レーザエネルギーと付着物堆積量の関係を示す
説明図である。
【図3】本発明の第2実施例による要部構成を示す説明
図である。
【図4】本発明の第3実施例による要部構成を示す説明
図である。
【図5】本発明の第4実施例による要部構成を示す説明
図である。
【図6】本発明の第5実施例による要部構成を示す説明
図である。
【図7】本発明の第6実施例による要部構成を示す説明
図である。
【図8】本発明の第7実施例による要部構成を示す説明
図である。
【図9】本発明の第8実施例による要部構成を示す説明
図である。
【図10】本発明の第9実施例によるレーザ加工装置の
構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 2 部分反射ミラー 3 スリット 4 対物レンズ 5 試料 6 全反射ミラー 7 吸収器 8 レーザ光 8a 加工用レーザ光 8b 補助レーザ光 9 分解生成物 10 補助レーザ光集束レンズ 11 コリメータ 12 レーザ加工部 13 ビームスプリッタ 14 凹面ミラー 15 波長変換素子 31,32 レーザ発振器 33 スリット 34 対物レンズ 35 試料 36 全反射ミラー 37 吸収器 38a 加工用レーザ光 38b 補助レーザ光 39 分解生成物 40 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮内 建興 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所 生産技術研究所内 (72)発明者 水越 克郎 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所 生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−254382(JP,A) 特開 昭56−144890(JP,A) 実開 昭56−6588(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/00 - 26/42

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機高分子材料を含む被加工物紫外
    ーザ光を照射することにより除去を行う除去加工方法に
    おいて、加工部近傍の空間に噴出する分解生成物に、概
    略平行光の紫外レーザ光を被加工物に照射することなく
    照射することにより、加工部周辺部の付着物の発生を抑
    止することを特徴としたレーザ光を用いた有機高分子材
    料の除去加工方法。
  2. 【請求項2】 有機高分子材料を含む被加工物に紫外レ
    ーザ光を照射することにより除去を行う除去加工方法に
    おいて、加工部近傍の空間に噴出する分解生成物に、紫
    外レーザ光を被加工物に照射することなく複数の方向か
    ら照射することにより、加工部周辺部の付着物の発生を
    抑止することを特徴としたレーザ光を用いた有機高分子
    材料の除去加工方法。
  3. 【請求項3】 有機高分子材料を含む被加工物に紫外レ
    ーザ光を照射することにより除去を行う除去加工方法に
    おいて、加工部近傍の空間に噴出する分解生成物に、紫
    外レーザ光を被加工物に照射することなく複数回折り返
    し照射することにより、加工部周辺部の付着物の発生を
    抑止することを特徴としたレーザ光を用いた有機高分子
    材料の除去加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れか1つに記載にお
    いて、被加工物に照射することなく加工部近傍の空間に
    噴出する分解生成物に照射する前記紫外レーザ光は、分
    解生成物をさらに分解することを特徴としたレーザ光を
    用いた有機高分子材料の除去加工方法。
  5. 【請求項5】 有機高分子材料を分解除去するための紫
    外レーザ光を有機高分子材料を含む被加工物に照射する
    手段と、 被加工物の加工部周辺部における付着物の発生を抑止す
    るために、加工部近傍の空間に噴出する分解生成物に対
    して、被加工物に照射することなく概略平行光の紫外レ
    ーザ光を照射する手段とを、 具備したことを特徴とするレーザ光を用いた有機高分子
    材料の除去加工装置。
  6. 【請求項6】 有機高分子材料を分解除去するための紫
    外レーザ光を有機高分子材料を含む被加工物に照射する
    手段と、 被加工物の加工部周辺部における付着物の発生を抑止す
    るために、加工部近傍 の空間に噴出する分解生成物に対
    して、被加工物に照射することなく紫外レーザ光を複数
    の方向から照射する手段とを、 具備したことを特徴とするレーザ光を用いた有機高分子
    材料の除去加工装置。
  7. 【請求項7】 有機高分子材料を分解除去するための紫
    外レーザ光を有機高分子材料を含む被加工物に照射する
    手段と、 被加工物の加工部周辺部における付着物の発生を抑止す
    るために、加工部近傍の空間に噴出する分解生成物に対
    して、紫外レーザ光を被加工物に照射することなく複数
    回折り返し照射する手段とを、 具備したことを特徴とするレーザ光を用いた有機高分子
    材料の除去加工装置。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7の何れか1つに記載におい
    て、被加工物に照射することなく加工部近傍の空間に噴
    出する分解生成物に照射する前記紫外レーザ光は、分解
    生成物をさらに分解することを特徴とするレーザ光を用
    いた有機高分子材料の除去加工装置。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8の何れか1つに記載におい
    て、加工部近傍の空間に噴出する分解生成物の分布状態
    に応じて、被加工物に照射することなく分解生成物に照
    射する前記紫外レーザ光の断面形状および強度を調整す
    る手段を具備したことを特徴とするレーザ光を用いた有
    機高分子材料の除去加工装置。
  10. 【請求項10】 請求項5〜8の何れか1つに記載にお
    いて、加工部近傍の空間における分解生成物の発生状態
    に応じて、被加工物に照射することなく分解生成物に照
    射する前記紫外レーザ光の発振特性を制御する手段を具
    備したことを特徴とするレーザ光を用いた有機高分子材
    料の除去加工装置。
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