JP3058871B1 - エンドレス式複巻きウインチおよび牽引方法 - Google Patents

エンドレス式複巻きウインチおよび牽引方法

Info

Publication number
JP3058871B1
JP3058871B1 JP11030153A JP3015399A JP3058871B1 JP 3058871 B1 JP3058871 B1 JP 3058871B1 JP 11030153 A JP11030153 A JP 11030153A JP 3015399 A JP3015399 A JP 3015399A JP 3058871 B1 JP3058871 B1 JP 3058871B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rope
load
outer circumferential
circumferential groove
winch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11030153A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000229788A (ja
Inventor
治夫 川部
Original Assignee
株式会社チルコーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社チルコーポレーション filed Critical 株式会社チルコーポレーション
Priority to JP11030153A priority Critical patent/JP3058871B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3058871B1 publication Critical patent/JP3058871B1/ja
Publication of JP2000229788A publication Critical patent/JP2000229788A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lift-Guide Devices, And Elevator Ropes And Cables (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 コンパクトな構成で確実に複数牽引が可能で
あり、さらに複数のロープの牽引速度と負荷の不均衡を
自動的に調整する複巻きウインチを提供する。 【解決手段】 複巻きウインチは、複数の外周溝 1a、
1bを有する巻ドラム10と、外周溝ごとに巻き掛けら
れるロープとを備え、上記巻ドラムはロープを外周溝に
押し付ける把握ローラ 2a、 2bと、ロープを上記外周
溝に案内し、ロープにかかる負荷に応じて押し付け力を
把握ローラに与えるシーブ 4a、 4bと、シーブと把握
ローラとを連結する連結部材 6a、 6bとを、上記外周
溝ごとに備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウインチに関し、
なかでも複数の外周溝を備える複巻きウインチおよびそ
れを用いた牽引方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ウインチは、ワイヤロープ(以後、「ロ
ープ」と記す)を牽引することによって、高層ビル外装
の清掃用ゴンドラの昇降、台車の移動、重量扉の開閉等
に用いられる。これらウインチについては、ロープと巻
ドラムの外周溝との間に滑りを発生させないようにする
ための構成(実公平2−29110号公報)や、台車や
重量扉を正逆の両方向に牽引可能な構成(実公平6−3
6052号公報)に関する提案がなされてきた。
【0003】上記の技術的改良の他に、安全性重視や耐
久性向上の観点から、超高層ビル外装の清掃用ゴンド
ラ、その他の用途に用いられるウインチおいては、複数
本のロープを用いて牽引することが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数本
のロープを用いる従来のウインチには、下記の問題があ
った。
【0005】まず、ロープの数に等しいウインチを用い
る場合、ロープの端を巻ドラムに固定しないエンドレス
式ウインチ、およびロープの端を巻ドラムに固定してロ
ープを巻ドラムに巻きつける巻胴式ウインチの両方に共
通して下記の問題がある。
【0006】(1)個々のウインチの機械効率が異なる
ため、各巻ドラムの間に牽引速度の差が生じる。また、
個別に加工された巻ドラムのピッチ円直径が異なるた
め、やはり牽引速度に差を生じる。例えば、ピッチ円直
径200mmと200.1mmとが100回転した場
合、31mm(すなわち、π×(200.1−200)
mm×100)の巻き取り長さの差が出てくる。さら
に、個々のウインチにモータが取り付けられているた
め、各ウインチへの偏荷重が生じた場合、各モータはそ
の荷重に応じた回転数に変化し、やはり牽引速度の差を
生じる。
【0007】(2) 個々のウインチの制御装置や上記の
牽引速度差を修正するための制御回路が必要となり、高
価となるうえこれら制御装置等の取り付けスペースが必
要となる。
【0008】次に、1台のウインチに複数個の巻ドラム
を取り付けて運転を行う場合の問題点について説明す
る。
【0009】図12に、1台のウインチに2個の巻ドラ
ムを取り付け2本のロープを巻き掛けたエンドレス式ウ
インチの外観を示す。このエンドレス式ウインチは、1
台のモータ509と減速機508により2個の巻ドラム
501、502を回転駆動させ、ロープ511、512
を牽引する。このウインチでは、 (1) 個々の巻ドラム
501、502を確実に固定しておかないとカップリン
グ部503で芯ずれが生じる。したがって、このウイン
チはワイヤスリング等で簡便に台付けすることができな
い。また、 (2) 巻ドラムの加工および巻ドラムの取り
付けに高精度が要求される。さらに、 (3) カップリン
グを介して巻ドラムが接続される構造なので、点検の
際、順次分解してゆく必要があり、メインテナンス性に
問題がある。
【0010】図13に、巻胴式の複巻きウインチの外観
を示す。図13に示す巻胴式の複巻きウインチは減速機
608の両側にそれぞれ巻ドラム601、602が備え
られ、各巻ドラムにロープ611、612がそれぞれ巻
き掛けられる。巻胴式ウインチの場合には、エンドレス
式ウインチにおける問題に加えて、 (4) 多層巻き仕様
における牽引速度のばらつき拡大、一層巻き仕様におけ
る巻ドラムの大型化、およびフリート角の乱れの問題が
ある。
【0011】要するに、複数の巻ドラムを、共通する1
個の回転駆動軸により回転させる場合においても、巻ド
ラム直径や巻ドラム取り付け精度のわずかなばらつきに
より各ロープの間に牽引速度にばらつきを生じる。その
結果、上記牽引速度の大きい特定のロープに負荷が集中
し、図14に示すように、両端吊りの場合(図14
(a))には積荷706が傾き、中央吊りの場合(図1
4(b))には他のロープ812にはたるみが生じ、こ
れが累積し大きくなると、牽引に支障をきたす。
【0012】そこで、本発明の目的は、複数のロープに
よって牽引しても、特別な制御装置を加えることなくコ
ンパクトな構成で確実に複数牽引が可能な複巻きウイン
チ、さらには各ロープの牽引速度および負荷の不均衡を
自動的に平均化することが可能な複巻きウインチおよび
これを用いた牽引方法の提供にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の局面の
ンドレス式複巻きウインチは、互いに分離した第1およ
び第2の外周溝を有し、ケースに回転自在に支持される
1個の巻ドラムと、第1の外周溝に巻き掛けられて、そ
の一方の延長部分が荷重を受ける牽引側となり、他方の
延長部分が弛緩側となる第1ロープと、第2の外周溝に
巻き掛けられて、その一方の延長部分が荷重を受ける牽
引側となり、他方の延長部分が弛緩側となる第2ロープ
と、第1ロープを第1の外周溝に押し付けることによっ
て該第1ロープを把握するものであって、その一端がケ
ースに固定され、かつその一端から第1ロープ導出側に
向かって巻ドラム外周に沿って配置される第1把握ロー
ラと、第1ロープの牽引側の部分を第1の外周溝に案内
するものであって、牽引側の第1ロープにかかる負荷に
応じて変位し得るようにケースに支持された第1シーブ
と、第1シーブと第1把握ローラの固定されていない方
の端とを連結するものであって、第1シーブの変位に応
じて第1ロープを第1外周溝に押し付ける力を第1把握
ローラに与える第1連結部材と、第2ロープを第2の外
周溝に押し付けることによって該第2ロープを把握する
ものであって、その一端がケースに固定され、かつその
一端から第2ロープ導出側に向かって巻ドラム外周に沿
って配置される第2把握ローラと、第2ロープの牽引側
の部分を第2の外周溝に案内するものであって、牽引側
の第2ロープにかかる負荷に応じて変位し得るようにケ
ースに支持された第2シーブと、第2シーブと第2把握
ローラの固定されていない方の端とを連結するものであ
って、第2シーブの変位に応じて第2ロープを第2外周
溝に押し付ける力を第2把握ローラに与える第2連結部
材とを備える。
【0014】上記の複巻きウインチでは、1つの巻ドラ
ムに複数の外周溝を設けるので、構造がコンパクトにな
り、かつ巻ドラムの取り付け精度のばらつきやモータの
負荷によって変化する出力の影響を受けることがない。
また、外周溝ごとに把握ローラとシーブとを備えるの
で、各ロープごとに異なる負荷に応じて押し付け力を発
生させることができ、全てのロープを確実に巻ドラムに
巻き掛けて十分な牽引力を発揮することが可能となる。
また、外周溝ごとに把握ローラとシーブとを備えること
により、後記するように、信頼性の高い簡便な手段によ
りロープの間の負荷と牽引速度との不均衡を調整するこ
とが実現可能となる。
【0015】なお、上記の巻ドラムは全体が同じ直径で
ある必要はなく、巻ドラムが1つの回転駆動軸を共有す
るかぎり、巻ドラムの各部分の直径に大小があっても、
すなわち外見上、巻ドラム外表面の凹凸のために複数の
部分に分かれて見えても、本発明でいう1つの巻ドラム
に該当する。巻ドラムに関する上記事項は本明細書に記
載されたすべての本願発明に該当する。
【0016】また、本発明の複巻きウインチは、エンド
レス式ウインチをさす。
【0017】また、上記の把握ローラとシーブとを備え
る複巻きウインチにおいては、1方向に牽引がなされる
ことを想定した各外周溝に1個ずつの把握ローラとシー
ブとを備える場合、および正逆両方向に牽引がなされる
ことを想定した各外周溝に2個ずつの把握ローラとシー
ブとを備える場合の両方が含まれる。
【0018】上記の本発明の複巻きウインチでは、第1
ロープおよび第2ロープの間に生じる牽引速度および負
荷の不均衡を、その負荷の不均衡の程度に応じて調整す
る手段をさらに備えることが望ましい。
【0019】本発明の複巻きウインチでは、上記のよう
に、負荷の不均衡の程度に応じてロープにかかる負荷と
牽引速度との不均衡が調整され、より直接的に不均衡が
是正され、安全性向上に直結させることが可能となる。
また、後記するように、上記の不均衡を調整する手段
を、簡便な構造により実現することが可能となる。
【0020】上記の本発明の複巻きウインチでは、第1
の外周溝および第2の外周溝には、巻ドラムの中心軸を
含む断面で、巻ドラム外面から内部にかけて幅が狭くな
るテーパがつけられ、第1の外周溝および第2の外周溝
の底部の幅は、最も広い場合でも、第1ロープおよび第
2ロープがそれぞれの外周溝に食い込んだとき、その外
周溝の底部とそのロープとが面接触しない程度に狭く、
第1ロープおよび第2ロープは、それぞれの負荷の大き
さに応じて、それぞれの外周溝に食い込み、その食い込
み量により第1ロープおよび第2ロープの間に生じる牽
引速度および負荷の不均衡を調整することが望ましい。
【0021】上記の構造によれば、ロープに負荷がかか
るとロープは外周溝に食い込む。しかし、外周溝にはテ
ーパがつけられ、その底部の幅は狭いので、ロープが外
周溝の底に押し付けられ面接触することはない。したが
って、ロープが上記底面にへばりついて実質的な巻ドラ
ム直径に変化を生じない状態になることはない。すなわ
ち、ロープは外周溝の側壁部分を通じて負荷を巻ドラム
に伝達しながら、負荷の大きさに応じた食い込み量で外
周溝に食い込む。上記の構造では、外周溝の底部の幅
は、その幅が最も広い場合でも、牽引時に、その外周溝
の底部がロープと面接触しない程度に狭いので、食い込
み量が飽和して負荷が相違する複数のロープの間で食い
込み量が同一になることはない。したがって、各ロープ
は負荷の大きさに応じて、外周溝への食い込み量の大き
さを変える。
【0022】上記において、「最も広い場合でも、面接
触しない程度に狭い」とは、上記のように、ロープが側
壁の制約を受けずに底面にへばりつく状態を排除し、ロ
ープが側壁に制約されてある程度底面と接触する場合、
および上記制約が強く、上記底面と接触しない場合をい
う。
【0023】負荷が大きく、食い込み量が大きいロープ
においては、実質的な巻ドラム直径が小さくなり、巻ド
ラム1回転あたりの牽引距離、すなわち牽引速度が小さ
くなる。この結果、負荷が大きいロープは外周溝から荷
重に至る長さが、他のロープと比較して相対的に長くな
り、当該ロープの負荷を減少させ、他のロープへの負荷
を増大させる。負荷が大きかったロープの牽引速度が減
少し、その結果、負荷が減少し、他のロープの負荷が過
大になった場合には、当該他のロープの食い込み量が増
大して、当該他のロープ以外のロープへ負荷の過大分を
分配する。また、負荷が小さくなった場合はその負荷に
応じて食い込み量は減少する。
【0024】したがって、上記の構造によれば、1個の
巻ドラムに複数のロープを巻き掛けて荷重を牽引して
も、たるみや傾きを生じることがない。
【0025】本発明の他の局面のエンドレス式複巻きウ
インチでは、ケースに回転自在に支持される互いに分離
した複数の外周溝を有する1個の巻ドラムと、複数の外
周溝ごとに、巻き掛けられてその一方の延長部分が荷重
を受ける牽引側となり他方の延長部分が弛緩側となるロ
ープとを備える複巻きウインチであって、特定のロープ
の負荷が大きいとき、当該ロープが巻き掛けられる外周
溝へのそのロープの食い込み量を増やし、そのロープの
牽引速度を減少させ負荷を減らして他のロープの負荷を
増大させ、当該特定のロープの負荷が小さくなったと
き、そのロープの食い込み量を減らし、そのロープの牽
引速度を増大させ負荷を増やして他のロープの負荷を減
少させる、複数のロープの間の牽引速度および負荷の不
均衡を調整する手段を備える。
【0026】上記の構造を備えた複巻きウインチにおい
ては、特定のロープにかかる負荷が大きくなったとき、
そのロープは他の外周溝に巻き掛けられたロープよりも
より深く外周溝に食い込む。そのため、その特定のロー
プが巻き掛けられた外周溝の実質的な直径は小さくな
り、その外周溝に巻き掛けられたロープの牽引速度は他
に比べて小さくなる。その結果、その特定のロープの外
周溝から荷重に至る長さは少し長くなり、したがって、
その負荷は小さくなり、他のロープに小さくなった分の
負荷が分配される。また、その特定のロープの負荷が小
さくなると、そのロープの食い込み量は減少し、牽引速
度が大きくなり、他の過大荷重を負うロープの荷重の一
定部分を負担してその特定ロープの負荷を増大させる。
【0027】上記の作用により、牽引速度と負荷の全ロ
ープの間にわたる平均化がなされる。この結果、1個の
巻ドラムに複数のロープを巻き掛けても、それら複数の
ロープの間にたるみが生じたり、荷物が傾いたりするこ
とはない。このため、複数のロープによる牽引という安
全性を高めた形態で簡便な牽引が可能となる。
【0028】本発明のエンドレス式複巻きウインチによ
る牽引方法は、ケースに回転自在に支持される互いに分
離した複数の外周溝を有する1個の巻ドラムと、その巻
ドラムに巻き掛けられてその一方の延長部分が荷重を受
ける牽引側となり、他方の延長部分が弛緩側となるロー
プとを複数の外周溝ごとに備える複巻きウインチによる
牽引方法であって、ロープをその外周溝に押し付けるこ
とによって該ロープを把握する把握ローラと、把握ロー
ラによるロープの把握が可能となるように牽引側となる
部分のロープを該外周溝に案内し、牽引側のロープにか
かる負荷に応じて押し付ける力を把握ローラに与えるシ
ーブとを、外周溝ごとに設け、上記ロープにかかる負荷
に応じて各ロープの外周溝への食い込み量を変化させる
ことにより、ロープの牽引速度を変え、各ロープにかか
る負荷の不均衡を調整し、複数のロープの間の牽引速度
と負荷の平均化を行う。
【0029】上記の牽引方法により、外周溝の加工精度
や巻ドラムのケースへの取り付け精度にばらつきがあっ
ても、外周溝へのロープの食い込み量により、そのばら
つきを吸収することができる。その結果、特定のロープ
の牽引速度を大きいままにすることが避けられ、かつそ
の特定のロープにかかる負荷を他のロープに振り分ける
ことが可能となる。すなわち、負荷と牽引速度は、各外
周溝の各ロープについて等しくなる。この結果、複数の
ロープで1個の重量物を牽引しても、たるみや傾きを生
じることなく牽引でき、作業能率や安全性の向上に資す
ることが可能となる。この結果、運転開始時に負荷や牽
引速度にばらつきがあっても迅速に負荷や牽引速度の平
均化をはかることが可能となる。また、不測の事態によ
り負荷が1本のロープに集中した場合にも、迅速に平均
化を達成でき、不測の事態発生の際の事故の回避にも有
益である。
【0030】したがって、本発明の複巻きウインチによ
る牽引方法では、巻ドラムの取り付け精度に精力を割く
必要がなく、特別な制御装置も不要なので、コンパクト
で安価な装置を製造することが可能となる。また、複巻
きウインチの据付けも、単巻きウインチと同様にワイヤ
スリング等を用いて、小さなスペースで簡便に行うこと
が可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図を用いて説明する。
【0032】(実施の形態1)図1(a)に、2つの外
周溝と、その2つの外周溝ごとに把握ローラと、シーブ
とを備える本発明の複巻きウインチ(エンドレス式)の
巻ドラム10を示す。図1(b)は図1(a)のイにお
ける1つの外周溝の周りを示す断面図であり、また、図
1(c)は図1(a)のロにおけるもう一方の外周溝の
周りを示す断面図であり、実質的に図1(b)と同じ構
成である。
【0033】まず、図1(b)の構成について説明す
る。上記の巻ドラム10に設けた1つの外周溝1aの周
囲には、一端3aがケース15aに固定されチェーン状
に連なった把握ローラ2aと、シーブ4aと、シーブ4
aと把握ローラの固定されていない端とを連結する連結
部材6aと、シーブ4aと連結部材6aとの重複部分の
両方に設けた長孔8aを貫通するケースに固定されて立
つガイドポスト5aと、ロープの弛緩側12aに備えら
れたローラ13aとを備える。連結部材6aとシーブ4
aとはピン7aにより一体化され、ケース15aに固定
されて立つガイドポスト5aによって長孔8aが移動を
許容される範囲で変位する。シーブ4aのロープが接触
する外環は内環の周囲に回転自在に取り付けられている
(内環と外環との区別は図示せず)。連結部材6aに
は、また、ロープ導入金具16aが取り付けられ、ロー
プが牽引口とシーブとを経て外周溝に導入される動作を
確実なものとしている。
【0034】次に、ロープの牽引側11aに負荷が加わ
ったときの作用について説明する。ロープの牽引側11
aが牽引されるときロープには張力が加わり、そのロー
プに接触するシーブ4aは前記許容範囲で左上方に変位
する。連結部材6aの一端はシーブ4aとピン7aで連
結されているので、シーブの変位に追随して左上方に変
位する。連結部材6aの他端は、一端3aがケースに固
定されたチェーン状に複数のローラが連続する把握ロー
ラ2aの他端と連結しているので、上記の変位により把
握ローラ2aを外周溝の周囲に押し付ける。
【0035】その結果、回転軸中心に向かう押し付け力
Nが発生し、巻ドラムのロープに対する把握をより一層
確実にすることが可能となる。この押し付け力Nと、ロ
ープにかかる荷重Wとの間には、近似的に、N=0.1
21Wの関係があり、荷重Wが大きいほど、押し付け力
Nが大きくなり、したがって、ロープの外周溝への食い
込み量は大きくなる。
【0036】上記の図1(b)における構造および各構
成部材の働きは、図1(c)についても同様である。す
なわち、外周溝1a、1bの各々についてロープの張力
に応じて確実に食い込み量が生じる。
【0037】上記の各外周溝ごとの把握ローラ、シー
ブ、連結部材等により、ロープはより一層確実に巻ドラ
ムに把握され、かつ把握ローラにより押し付け力が付与
されるので、より確実に外周溝へ食い込ませることがで
きる。この結果、牽引開始からロープにかかる負荷に応
じてロープの食い込み量が生じるので、牽引開始からよ
り短い期間で荷重を平均化させることが可能となる。し
たがって、不測の事態の発生により負荷が特定のロープ
に集中した場合でも、迅速に上記負荷の平均化を達成で
き、事故を回避することが可能となる。
【0038】(実施の形態2)図2は、1個の巻ドラム
に2個の外周溝が備えられた、本発明の複巻きウインチ
(エンドレス式)の構成を示す概念図である。外周溝は
回転軸を含む断面で上広溝とし、その上方への開き角
(巻ドラム外周面に立てた垂線と外周溝の側面とがなす
角)は、後記する実施例に示す理由により、15〜30
°とすることが望ましい。巻ドラムの回転駆動軸を含む
断面上で、荷重が負荷される前の外周溝35、36に巻
き掛けられたロープ31、32の上部中心と下部中心と
の間の距離D1、D2に、加工精度等の理由によりばら
つきが生じたとする。D1がD2よりも大きい場合、ロ
ープ31の牽引速度が大きいために、牽引が開始される
とロープ31のほうに、ロープ32よりもより大きな負
荷がかかることになる。このため、ロープ31はロープ
32よりもより多く外周溝35に食い込み、その結果、
外周溝に巻き掛かるロープ31の牽引速度はロープ32
のそれより小さくなり、ロープ31にかかる負荷は減少
し、ロープ32にかかる負荷は増大する。
【0039】この後、ロープ31の負荷が減少すると、
そのロープ断面が負荷の減少分だけ弾性範囲内で変形し
て増大し、かつロープと外周溝側壁との面状の接触部分
が減少し、ロープ断面中心が外周溝の上方に移動する。
すなわち、ロープ31の食い込み量が減少する。このロ
ープの外周溝への食い込み量の増減は、その増減の幅を
減少させながら、繰り返される。
【0040】上記のように、2本のロープにかかる負荷
に不均衡が生じたとき、ロープの外周溝への食い込み量
に、自己修復的に差が発生する。すなわち、高い負荷の
ロープの上記食い込み量を増大させ、負荷が小さくなっ
たロープの食い込み量を減少させることにより、牽引速
度を調整する。その結果、上記高い負荷がかかるロープ
の負荷は減少し、他の低すぎる負荷のロープの負荷を増
大させる。上記のロープの外周溝への食い込み量の増減
は、後の過程ほど減少するので、大まかに見ると平均値
に収束する。ただし、精密に見ると負荷の小さな過不足
分のやり取りが継続する。この過不足分のやり取りは、
実用上問題となる大きさではなく、実用上は自己修復的
に負荷等の不均衡が是正されたとみることができる。
【0041】(実施の形態3)図3は実施の形態3にお
ける使用態様を示す。本実施の形態では、実施の形態1
に示した2個の外周溝を備えた1個の巻ドラムのウイン
チを台車45に搭載し、2本のロープ51、52により
ゴンドラ46の取り付け具を牽引する。
【0042】本発明の上記装置を使用することにより、
2本のロープ51、52のいずれにも弛みを生じること
なく、荷重を均等に2本のロープが負担することができ
る。その結果、ゴンドラが傾くことがないので、作業者
の作業能率の向上や安全作業の徹底が可能となる。ま
た、荷重が集中することがないのでロープの耐久性も向
上し、装置の耐久性向上の面からも安全性向上に資する
ことが可能となる。
【0043】(実施の形態4)図4は実施の形態4にお
ける使用態様を示す。本実施の形態では、実施の形態1
に示した2個の外周溝を有する1個の巻ドラムを備えた
ウインチを2台、1つの台車に搭載し、各ウインチの2
本のロープにゴンドラの各一方の端を牽引させる。各ウ
インチの2本のロープのうち1本、例えば61または7
1はゴンドラ吊り下げ用ロープとし、他方のロープ62
または72は安全ロープとすることが望ましい。しか
し、2本のロープともゴンドラ吊り下げ用として、ロー
プにかかる荷重の半減を図ってもよい。また、ウインチ
は1台のモータで駆動させてもよいし、2台のモータで
駆動させてもよいが、1台のモータで駆動するほうが、
制御装置が不要となり取り付けスペースの点でも有利で
ある。
【0044】上記のように本発明の複巻きウインチを用
いることにより、ロープ一本にかかる荷重を半減させる
か、または半減しない場合は1本のロープを安全ロープ
とすることができ、ゴンドラの牽引を安全性の高い状態
で行うことが可能となる。
【0045】(実施の形態5)図5は実施の形態5にお
ける使用態様を示す。エンドレス式ウインチ90におい
て、2個のV字状の外周溝81、82が付いた1個の巻
ドラムは、外周溝ごとに把握ローラと、シーブと、連結
部材と(いずれも図示せず)を正方向用と逆方向用とに
それぞれ2つずつ備える。台車86は、上記のエンドレ
ス式ウインチに牽引される2本のロープ91、92によ
りレール87の上を往復する。
【0046】上記の本発明の複巻きウインチを用いるこ
とにより、1台のウインチにより左右の端を同一の牽引
速度で牽引することができる。その結果、安価でコンパ
クトな台車移動システムを構築することが可能となる。
【0047】(実施の形態6)図6は実施の形態6にお
ける使用態様を示す。本発明の3個の外周溝(図示せ
ず)を有する1個の巻ドラムを取り付けたウインチ11
0をワイヤスリング107によって吊り下げ、それぞれ
の外周溝に巻き掛けたロープ111、112、113に
より円環状の重量物または作業台106を牽引する。
【0048】上記の本発明の複巻きウインチを用いるこ
とにより、平衡をとりにくい形状の重量物や作業台であ
っても、互いに牽引速度が自動調整される3個の外周溝
に巻き掛けられたロープに3点牽引されることにより容
易に平衡をとりながら牽引されることが可能となる。し
たがって、作業能率や安全性の向上に資することが可能
となる。
【0049】
【実施例】次に、順を追って本発明の実施例について説
明する。
【0050】a)ロープの外周溝への食い込み試験 まず、ロープ131の巻ドラム130の外周溝121へ
の食い込み量の目安を与える試験について説明する。図
7(a)は試験の概要を示す図であり、図7(b)は図
7(a)のイ部の紙面に垂直な面による拡大断面図であ
る。万能試験機のVブロック137に搭載されたエンド
レス式ウインチの巻ドラム130の外周溝121に直径
8mmのロープ131が嵌めこまれ、万能試験機に取り
付けた押さえローラ139によりロープ131を外周溝
に押し込む。上記の試験においては、万能試験機から押
さえローラ139を経てロープ131に負荷される荷重
Pと、押さえローラ139の変位量X、すなわち万能試
験機のヘッドの変位量Xとが、外周溝の開き角度を変え
て測定された。
【0051】上記の変位量Xと荷重Pとの関係は、厳密
にはロープの食い込み量とロープの負荷との関係に等価
ではないが、これらの関係の目安として十分用いること
ができる。ただし、荷重Pが0.2kNのときの変位量
Xを0として、その後、Pを0.2kN増やすごとに変
位量を測定した。
【0052】結果を表1および図8に示す。
【0053】
【表1】
【0054】図8を参照して、荷重Pが増大するほど万
能試験機ヘッドの変位量が増大し、また同一の荷重Pで
比較すると開き角度が小さいほうが変位量Xは大きいこ
とが分かる。したがって、荷重の変化に敏感に対応して
食い込み距離を変える場合には、開き角度は小さめに設
定することが望ましい。具体的には、開き角15〜30
°とすることが望ましい。
【0055】b)外周溝の牽引距離、牽引速度のばらつ
き測定 回転駆動軸を共有する巻ドラムに設けられた2つの外周
溝141、142を有するウインチ150を用いて、2
つの外周溝の牽引速度のばらつきを測定した。これら外
周溝は、開き角20°のV字状溝とした。ロープ15
1、152ともに同じ直径8mmとし、荷重も同じ67
0kgを負荷した。図9(a)はモータ158の側の外
周溝141についての試験状態を示し、また、図9
(b)は減速機159の側の外周溝142についての状
態を示す。外周溝141、142がそれぞれ付いた巻ド
ラムはできるだけ等しいものを選び、取り付けも同一に
なるように配慮した。測定は、図9(a)または(b)
の状態で、35秒間巻き取りを行い牽引距離を測定し、
これを50回繰り返して平均牽引距離および平均牽引速
度を求めた。
【0056】結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】両外周溝の間の35秒間の牽引距離の差
は、66mmとなった。また、牽引速度の差は113m
m/min(1.886mm/sec)となった。
【0059】c)複巻きウインチの自動修復作用の検証
試験 上記の複巻きウインチについて2本のロープを用いて荷
重を牽引したとき、自動的に各ロープの牽引速度および
負荷が自動的に平均化されるか調査した。また、平均化
されるとき、どのような経緯を経て、どの程度平均化さ
れるかについても詳細に調査した。
【0060】図10は本試験の測定方法を示す。2本の
直径8mmのロープ151、152をモータ側外周溝1
41と減速機側外周溝142(いずれも、外周溝は開き
角20°のV字状)にそれぞれ巻き掛け、670kgの
荷重を牽引した。図10に示すように、荷重を牽引距離
7mの間で往復させ、平均化の評価はモータ側のロープ
151に取り付けた張力計156によって、上部、中央
部(上昇中および下降中)、下部でロープにかかる張力
を測定することにより行った。張力計には張力計本体の
変形量(歪)をダイヤルゲージで読みとる方式のものを
用いた。
【0061】試験開始時においては、減速機側のロープ
152を約15cm長くセットし、モータ側ロープ15
1に全荷重を負担させる状態とした。
【0062】結果を表3および図11に示す。
【0063】
【表3】
【0064】図11を参照して、試験開始時にロープ1
51に集中していた負荷は1週期目から平均化される
が、3周期目から急激に平均化され、7週期目からは定
常状態になり荷重は平均値335kgに非常に近くなっ
た。これは、上記したようにモータ側の外周溝にロープ
151が食い込み、牽引速度が減少し、荷重を相手側の
ロープ152にも負担させることができたためである。
したがって、本発明の複巻ウインチを用いれば、外周溝
の加工や巻ドラムの取り付け精度にばらつきがあり、最
初のロープ長さが揃っていなくても、複巻ウインチ運転
中に自動的に各ロープにかかる荷重と牽引速度を平均化
することが可能となる。なお、平均化されても、最終的
にロープ151に少し余計に負荷がかかるのは、最初に
ロープ151の長さをロープ152より15cm長く設
定したためである。
【0065】したがって、本発明の複巻きウインチによ
れば、外周溝の加工精度や巻ドラムの取り付け精度向上
に注力する必要はなく、かつ特別の制御装置も不要なの
で、安価に小型複巻きウインチを提供することが可能と
なる。また、使用にあたっても複巻きウインチだからと
いって特別な配慮は不要であり、ワイヤスリング等を用
いて簡易に小さなスペースに据え付けることが可能であ
る。
【0066】上記において本発明の実施の形態について
説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態
はあくまで例示であって、本発明の範囲は上記発明の実
施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、
特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求
の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変
更を含むことが意図されている。
【0067】
【発明の効果】本発明の複巻きウインチを用いれば、1
本の巻ドラムに複数のロープを取り付けることにより、
特別な制御装置等を付加することなく、各ロープの牽引
速度と負荷とを自動的に平均化することが可能であり、
安価に作業能率と安全性を向上させたコンパクトな複巻
きウインチを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における複巻きウインチを示す図
である。
【図2】実施の形態2における複巻きウインチの概念図
である。
【図3】実施の形態3における使用態様を示す図であ
る。
【図4】実施の形態4における使用態様を示す図であ
る。
【図5】実施の形態5における使用態様を示す図であ
る。
【図6】実施の形態6における使用態様を示す図であ
る。
【図7】実施例における試験方法a)の概要図である。
【図8】実施例における試験方法a)の結果を示す図で
ある。
【図9】実施例における試験方法b)の概要図である。
【図10】実施例における試験方法c)の概要図であ
る。
【図11】実施例における試験方法c)の結果を示す図
である。
【図12】従来のエンドレス式ウインチを示す図であ
る。
【図13】従来の巻胴式ウインチを示す図である。
【図14】従来の複巻きウインチによって生じる問題を
示す図である。
【符号の説明】
10,130 巻ドラム 11a,11b,12a,12b,31,32,51,
52,61,62,71,72,91,92,111,
112,113,131,151,152 ロープ 1a,1b,35,36,81,82,121,14
1,142 外周溝 2a,2b 把握ローラ 3a,3b 把握ローラの固定端 4a,4b シーブ 5a,5b ガイドポスト 6a,6b 連結部材 8a,8b 長孔 45 台車 46 ゴンドラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−273288(JP,A) 特開 平9−52694(JP,A) 特開 平4−338087(JP,A) 特開 昭54−136058(JP,A) 実開 昭62−133594(JP,U) 実開 昭64−45692(JP,U) 登録実用新案3015293(JP,U) 登録実用新案3015292(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66D 1/26 B66D 1/36 B66D 1/44 B66D 1/74

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに分離した第1および第2の外周溝
    を有し、ケースに回転自在に支持される1つの巻ドラム
    と、 前記第1の外周溝に巻き掛けられて、その一方の延長部
    分が荷重を受ける牽引側となり、他方の延長部分が弛緩
    側となる第1ロープと、 前記第2の外周溝に巻き掛けられて、その一方の延長部
    分が荷重を受ける牽引側となり、他方の延長部分が弛緩
    側となる第2ロープと、 前記第1ロープを前記第1の外周溝に押し付けることに
    よって該第1ロープを把握するものであって、その一端
    がケースに固定され、かつその一端から第1ロープ導出
    側に向かって前記巻ドラム外周に沿って配置される第1
    把握ローラと、 前記第1ロープの牽引側の部分を第1の外周溝に案内す
    るものであって、前記牽引側の第1ロープにかかる負荷
    に応じて変位し得るようにケースに支持された第1シー
    ブと、 前記第1シーブと前記第1把握ローラの固定されていな
    い方の端とを連結するものであって、前記第1シーブの
    変位に応じて前記第1ロープを第1外周溝に押し付ける
    力を第1把握ローラに与える第1連結部材と、 前記第2ロープを前記第2の外周溝に押し付けることに
    よって該第2ロープを把握するものであって、その一端
    がケースに固定され、かつその一端から第2ロープ導出
    側に向かって前記巻ドラム外周に沿って配置される第2
    把握ローラと、 前記第2ロープの牽引側の部分を第2の外周溝に案内す
    るものであって、前記牽引側の第2ロープにかかる負荷
    に応じて変位し得るようにケースに支持された第2シー
    ブと、 前記第2シーブと前記第2把握ローラの固定されていな
    い方の端とを連結するものであって、前記第2シーブの
    変位に応じて前記第2ロープを第2外周溝に押し付ける
    力を第2把握ローラに与える第2連結部材とを備える、
    エンドレス式複巻きウインチ。
  2. 【請求項2】 前記第1ロープおよび第2ロープの間に
    生じる牽引速度および負荷の不均衡を、その負荷の不均
    衡の程度に応じて調整する手段をさらに備える、請求項
    1に記載のエンドレス式複巻きウインチ。
  3. 【請求項3】 前記第1の外周溝および第2の外周溝に
    は、前記巻ドラムの中心軸を含む断面で、巻ドラム外面
    から内部にかけて幅が狭くなるテーパがつけられ、前記
    第1の外周溝および第2の外周溝の底部の幅は、最も広
    い場合でも、前記第1ロープおよび第2ロープがそれぞ
    れの外周溝に食い込んだとき、その外周溝の底部とその
    ロープとが面接触しない程度に狭く、 前記第1ロープおよび第2ロープは、それぞれの負荷の
    大きさに応じて、それぞれの外周溝に食い込み、その食
    い込み量により第1ロープおよび第2ロープの間に生じ
    る前記牽引速度および負荷の不均衡を調整する、請求項
    2に記載のエンドレス式複巻きウインチ。
  4. 【請求項4】 ケースに回転自在に支持される互いに分
    離した複数の外周溝を有する1個の巻ドラムと、 前記複数の外周溝ごとに、巻き掛けられてその一方の延
    長部分が荷重を受ける牽引側となり他方の延長部分が弛
    緩側となるロープとを備えるエンドレス式複巻きウイン
    チであって、 特定のロープの負荷が大きいとき、当該ロープが巻き掛
    けられる外周溝へのそのロープの食い込み量を増やし、
    そのロープの牽引速度を減少させ負荷を減らして他のロ
    ープの負荷を増大させ、当該特定のロープの負荷が小さ
    くなったとき、そのロープの食い込み量を減らし、その
    ロープの牽引速度を増大させ負荷を増やして他のロープ
    の負荷を減少させる、複数のロープの間の牽引速度およ
    び負荷の不均衡を調整する手段を備えた、エンドレス式
    複巻きウインチ。
  5. 【請求項5】 ケースに回転自在に支持される互いに分
    離した複数の外周溝を有する1個の巻ドラムと、 前記巻ドラムに巻き掛けられてその一方の延長部分が荷
    重を受ける牽引側となり、他方の延長部分が弛緩側とな
    るロープとを前記複数の外周溝ごとに備えるエンドレス
    複巻きウインチによる牽引方法であって、 前記ロープをその外周溝に押し付けることによって該ロ
    ープを把握する把握ローラと、前記把握ローラによる前
    記ロープの把握が可能となるように牽引側となる部分の
    ロープを該外周溝に案内し、前記牽引側のロープにかか
    る負荷に応じて前記押し付ける力を前記把握ローラに与
    えるシーブとを、前記外周溝ごとに設け、 前記ロープにかかる負荷に応じて各ロープの前記外周溝
    への食い込み量を変化させることにより前記ロープの牽
    引速度を変え、各ロープにかかる負荷の不均衡を調整
    し、複数のロープの間の牽引速度および負荷の平均化を
    行う、エンドレス式複巻きウインチによる牽引方法。
JP11030153A 1999-02-08 1999-02-08 エンドレス式複巻きウインチおよび牽引方法 Expired - Lifetime JP3058871B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11030153A JP3058871B1 (ja) 1999-02-08 1999-02-08 エンドレス式複巻きウインチおよび牽引方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11030153A JP3058871B1 (ja) 1999-02-08 1999-02-08 エンドレス式複巻きウインチおよび牽引方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3058871B1 true JP3058871B1 (ja) 2000-07-04
JP2000229788A JP2000229788A (ja) 2000-08-22

Family

ID=12295821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11030153A Expired - Lifetime JP3058871B1 (ja) 1999-02-08 1999-02-08 エンドレス式複巻きウインチおよび牽引方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3058871B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106744435A (zh) * 2017-01-05 2017-05-31 武汉船用机械有限责任公司 一种摩擦绞车
CN115353018A (zh) * 2022-08-12 2022-11-18 上海工程技术大学 一种风机叶片高空作业机器人的自升降装置及控制方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020071103A (ko) * 2001-03-03 2002-09-12 주식회사 국제곤도라 간이승강기용 승하강장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106744435A (zh) * 2017-01-05 2017-05-31 武汉船用机械有限责任公司 一种摩擦绞车
CN115353018A (zh) * 2022-08-12 2022-11-18 上海工程技术大学 一种风机叶片高空作业机器人的自升降装置及控制方法
CN115353018B (zh) * 2022-08-12 2023-11-24 上海工程技术大学 一种风机叶片高空作业机器人的自升降装置及控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000229788A (ja) 2000-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1591406B1 (en) Method and apparatus for changing the rope of a traction sheave elevator
EP2855337B1 (en) Forestry winch with controlled coiling of a towing cable and preventing the overloading thereof.
CN105683083B (zh) 限扭旋转接头
CN201688968U (zh) 一种起重机卷扬减速器的加载实验机
JP3058871B1 (ja) エンドレス式複巻きウインチおよび牽引方法
CN204111228U (zh) 卷扬钢丝绳预紧装置和工程机械装置
CN207020012U (zh) 一种钢带弯曲疲劳试验装置
KR101593609B1 (ko) 타워크레인
EP1902994A1 (en) Elevator apparatus
KR101691265B1 (ko) 엘리베이터의 권상능력평가 및 브레이크 제동력 측정장치
CN113979344B (zh) 塔机四联动超大起重量的起升驱动***及方法
JP2875456B2 (ja) エレベーター装置
CN113003366B (zh) 一种带电梯曳引钢丝绳打滑侦测装置的牵引装置
CN112320650B (zh) 一种斜拉式绝缘子串超长型管型母线吊装方法
CN101995334B (zh) 一种起重机卷扬减速器的加载实验机
KR20160096619A (ko) 이용가능한 견인력이 증가된 승강 시스템
JPH07206379A (ja) ジブクレーンの巻上げ索調整方法とその装置
WO2021042432A1 (zh) 一种用于曳引式建筑施工升降机的补偿链装置
US11780713B2 (en) Rope guiding device and a method for guiding a rope
KR100754016B1 (ko) 와이어 로프를 이용한 터닝 디바이스
CN110562832A (zh) 一种用于曳引式建筑施工升降机的补偿链装置
CN218879218U (zh) 一种起重机双卷筒变幅钢丝绳自动预紧***
CN214010716U (zh) 一种浮体试验***装置
JP7212871B1 (ja) エレベータ綱車用ブレーキの検査方法
CN218879282U (zh) 一种高层建筑垂直提升大截面电缆的同步控制***

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000404

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090421

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090421

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100421

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110421

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130421

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140421

Year of fee payment: 14

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term