JP3056869U - マンホールジョイント - Google Patents

マンホールジョイント

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JP3056869U
JP3056869U JP1998006431U JP643198U JP3056869U JP 3056869 U JP3056869 U JP 3056869U JP 1998006431 U JP1998006431 U JP 1998006431U JP 643198 U JP643198 U JP 643198U JP 3056869 U JP3056869 U JP 3056869U
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卓二 角田
俊一 新井
常雄 岡村
Original Assignee
シー・アール・ケイ株式会社
栗本ヒューム管株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マンホールの大きな側面孔に対しても確実に
安定した取り付けが可能なマンホールジョイントを提供
する。 【解決手段】 外筒部の一端と内筒部の一端とが連接部
を介して連なった可撓性材料製のジョイントパッキング
の外筒部の内周側に嵌め込まれる拡張バンド5につい
て、側面孔の内周壁面がなす環形状に対応する中心軸方
向の反りを有し、しかも拡径されて外筒部を側面孔の内
周壁面に圧接可能なものとする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、コンクリート製もしくは樹脂製の組立マンホールと、下水道管や上 水道管等の配管との接続に用いるマンホールジョイントに関する。更に詳しくは 、マンホールの側面孔に配管をフレキシブルに接続すると共に、継ぎ目からの水 や土砂の侵入をシールするマンホールジョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マンホールジョイントとしては、次のようなものが知られている。なお 、説明の便宜上、主要な部材名は本考案における部材名に合わせて説明する。
【0003】 (1)同心円状の内筒部と外筒部の両者が一方の端部で接合されているゴムま たは合成樹脂のジョイントパッキングと、該ジョイントパッキングの内筒部と外 筒部の間に挿入される切欠部を有する拡張バンドとからなり、該拡張バンドを拡 開し、広がった切欠部にくさび片を差し込んで拡開状態に係止することにより、 ジョイントパッキングの外筒部をマンホールの側面孔の口部に固定するもの(特 開平8−20996号公報)。
【0004】 (2)拡張バンドについて、一部を内向きV字形に折り曲げておき、このV字 形折り曲げ部をジャッキ等で外方に押し伸ばすことで拡径できるようにしたもの (実開平7−4547号公報)。
【0005】 (3)拡張バンドについて、両端部が重なるように帯材を丸めたものとし、拡 張バンドを拡径した時に両端面が突き合わされて、拡径状態に係止されるように したもの(実開平4−117043号公報)。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記(1)〜(3)のマンホールジョイントは、拡開もしくは拡径 されてこの外筒部を側面孔の内周壁部に押し付ける拡張バンドが、いずれも反り のない平坦な円環状のものでしかなく、しかも側面孔に嵌め込む外筒部も単なる 円筒形である。。
【0007】 しかしながら、側面孔は円筒形のマンホール側面にあけられているものである ため、その内周壁面は中心軸方向に反った環形状をなす。この反りは、側面孔の 径が大きいほど大きなものとなり、拡張バンドの一部が側面孔の内周壁面から外 れて、安定した取り付けが行いにくくなる問題がある。また、外筒部はその中心 軸方向の長さを十分にとれば安定した嵌め込み状態が得られるが、その分外筒部 が大きなものとなっしまう問題がある。
【0008】 本考案は、上記従来の問題点にかんがみてなされたもので、大きな側面孔に対 しても、確実に安定した取り付け状態が得られるようにすることを第1の目的と し、さらに必要最小限の大きさの外筒部で安定した取り付け状態が得られるよう にすることを第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上記第1の目的を達成するために、マンホールの側面孔に嵌め込ま れる外筒部の一端と、内周側に配管が嵌め込まれる内筒部の一端とが、連接部を 介して連なった可撓性材料製のジョイントパッキングと、 外筒部の内周側に嵌め込まれる拡張バンドとを有し、 拡張バンドが、側面孔の内周壁面がなす環形状に対応する中心軸方向の反りを 有し、しかも拡径されて外筒部を側面孔の内周壁面に圧接可能であることを特徴 とするマンホールジョイントを提供するものである。
【0010】 また、本考案は、上記第2の目的を達成するために、上記マンホールジョイン トにおいて、外筒部が、側面孔の内周壁面がなす環形状に対応する中心軸方向の 反りを有するものとしているものである。
【0011】
【考案の実施の形態】
本考案に係るマンホールジョイントの一例を、図面を参照して説明する。
【0012】 図1は、本考案の一例に係るマンホールジョイントを用いてマンホール1の側 面孔2に配管3を接続した状態の断面図、図2はそのジョイントパッキング4を 示す図で、(a)は側面図、(b)は断面図、図3は拡張バンド5を示す図で、 (a)は正面図、(b)は側面図、(c)は展開状態の平面図、(d)は係合部 6付近の内周面の拡大平面図、(e)は係合部6付近の拡大側面図である。
【0013】 本マンホールジョイントは、図1に示されるように、マンホール1の側面孔2 に嵌め込まれる外筒部7の一端と、内周側に配管3が嵌め込まれる内筒部8の一 端とが連接部9を介して連なったジョイントパッキング4と、外筒部7の内周側 に嵌め込まれ、拡径されることで外筒部7を側面孔2の内周壁面に圧接する拡張 バンド5とを有するものとなっている。
【0014】 ジョイントパッキング4は、可撓性材料で構成されているもので、図1及び図 2に示されるように、外筒部7と内筒部8と連接部9とを有するものである。
【0015】 外筒部7は、マンホール1の側面孔2に嵌め込みやすいよう、通常、側面孔2 の径と同程度もしくはこれより若干小さい径の円筒形状をなしている。
【0016】 図1に示されるように、マンホール1の側面孔2は、円筒形をなすマンホール 1の側面にあけられた円孔であることから、その内周壁面は中心軸方向に反った 環形状をなす。本例のマンホールジョイントは、側面孔2の内周壁面が中心軸方 向に反った環形状をなすことを考慮し、より安定した取り付け状態が得られるよ うにされている。
【0017】 すなわち、本例におけるジョイントパッキング4の外筒部7は、図1及び図2 に示されるように、中心軸方向に反った環形状をなす側面孔2の内周壁面の形状 に合わせ、同様の反りを有する環形状をなすものとなっている。具体的には、側 面孔2の上下に対応する部分がマンホール1の外側方向にせり出し、側面孔2の 左右に対応する部分がマンホール1の内側方向にせり出した形状となっている。 従って、外筒部7は、側面孔2の内周壁面から外れる箇所なく、全体を側面孔2 の内周壁面に密着させることができ、安定した取り付け状態と高い止水性が得ら れるものとなっている。尚、本例のように、外筒部7に側面孔2の内周壁面の形 状に合わせた反りを持たせた場合には、ジョイントパッキング4の取り付け角度 はおのずと限定されることになる。
【0018】 外筒部7の内周面には、例えばシリコーンオイル、油脂類等の滑剤を塗布して おくことが好ましい。外筒部7の内周側には後で詳述する拡張バンド5が嵌め込 まれて拡径されるが、外筒部7の内周面に滑剤を塗布しておくと、この拡張バン ド5の拡径時に拡張バンド5と外筒部7の内周面との間の摩擦が減って、拡張バ ンド5を拡径しやすくなる。滑剤としては、ジョイントパッキング4を構成する 可撓性材料を劣化させにくいものが好ましく、この点からシリコーンオイルが適 している。
【0019】 外筒部7の内周側には、拡張バンド5が嵌め込まれる拡張バンド用溝10を形 成しておくことが好ましい。この拡張バンド用溝10を設けておくと、拡張バン ド5を拡径させる際の拡張バンド5の位置ずれを防止することができ、作業性を 高めることができる。拡張バンド用溝10は、加工しやすい深さでしかも上記拡 張バンド5の位置ずれ防止を確実に図れるよう、1〜5mmの深さであることが 好ましい。拡張バンド用溝10を設けた場合、上記滑剤は拡張バンド用溝10内 に塗布しておけば足る。また、外筒部7は、拡張バンド5を拡径させて側面孔2 の内周壁面に押し付けた際に、当該内周壁面の不陸を吸収して止水性を向上でき るよう、厚めに設定しておくことが好ましい。特に拡張バンド用溝10を設けた 場合、外筒部7全体の肉厚を大きくしておく必要はなく、拡張バンド用溝10の 位置に対応する外筒部7の肉厚さえ大きくしておけば上記不陸吸収機能を持たせ ることができる。
【0020】 外筒部7には、連接部9とは反対側の端部に、差し込み深さ合わせ用のストッ パー11を外方に突設しておくことが好ましい。図示されるストッパー11は、 外筒部7の周方向に部分的に突設しているが(尚、本例では等間隔に4箇所設け ているが、これに限定されるものではない。)、外筒部7の端部全周に亙るフラ ンジ状のものとしてもよい。このストッパー11を設けておくことにより、外筒 部7を側面孔2に嵌め込む際に、ストッパー11が側面孔2周囲のマンホール1 外面に当接し、ジョイントパッキング4を押し込み過ぎてマンホール1内に脱落 させてしまうことがなくなると共に、差し込み深さ合わせを容易に行うことがで き、作業性が向上する。
【0021】 また、外筒部7には、その外周側に外径調整リング20(図1参照)を取り付 けておくことが好ましい。
【0022】 外径調整リング20は、外筒部7の外周側に嵌め込まれるもので、この外径調 整リング20の厚みを変更することで、側面孔2の径の誤差や変動に対する対応 幅が増大する。この外径調整リング20を設ける場合、位置合わせを容易にする ため、外筒部7の外周に外径調整リング用溝21(図1及び図2参照)を設けて おくことが好ましい。また、この外径調整リング20を水膨張性ゴムで形成して おくと、高い止水性が得やすくなる。また、内筒部8の内周側にこの外径調整リ ング20と同様の内径調整リング(図示されていない)を設けておくと、配管3 の径の誤差や変動に対応しやすくなる。内径調整リングを設ける位置は、締結バ ンド12の位置に対応する内周側が好ましく、更には外径調整リング用溝21と 同様の内径調整リング用溝(図示されていない)を設けておくことが好ましい。
【0023】 内筒部8は、前述したように、内周側に、例えば硬質塩化ビニル管、ヒューム 管、陶管等の配管3が嵌め込まれるもので、挿入される配管3の外径と同程度の 内径の円筒形状のものとなっている。また、この内筒部8への配管3の接続は、 内筒部8の外周側に縮径可能な締結バンド12を嵌め込み、締結バンド12を縮 径して、内筒部8を配管3に対して締め付け圧着させることで行えるようにして おくと、シール性が向上し、接続が確実となるので好ましい。締結バンド12と しては、一般に使用されているステンレススチール製のもの等を用いることがで きる。この締結バンド12を用いる場合、図1及び図2に示されるように、内筒 部8の外周側には、締結バンド12が嵌め込まれる締結バンド用溝13を設けて おくことが好ましい。締結バンド用溝13を設けておくと、締結バンド12の位 置決めが容易となり、作業性が向上する。
【0024】 連接部9は、後述する施工方法から明らかになるように、作業性を向上させる ために、内筒部8を容易に中心軸方向に反転させて裏返しにできる状態で外筒部 7と一連一体に連結するものであることが好ましい。具体的には、図示されるよ に、中心軸方向に屈曲された断面形状としておくことが好ましい。このようにし ておくと、連接部9を径方向に伸長又は圧縮することで、ジョイントパッキング 4の中心軸位置を接続すべき配管3の位置に合わせて上下左右に微調整すること ができる。
【0025】 ジョイントパッキング4は、通常、可撓性材料のプレス成形品または射出成形 品として得ることができる。可撓性材料としては、例えば加硫ゴム(天然ゴム、 合成ゴム)、合成樹脂等を用いることができる。一般的には天然ゴムまたは合成 ゴムで、合成ゴムとしては、例えばエチレン−プロピレンゴム(EPR,EPD M)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエ ンゴム(SBR)等を用いることができる。また、可撓性材料は、ジョイントパ ッキング4として要求される弾力性、柔軟性、耐久性等を満たす上で、ゴム硬度 (JIS−A)が40〜70の範囲のものであることが好ましく、さらに好まし くはゴム強度が45〜60の範囲のものである。
【0026】 拡張バンド5は、上記ジョイントパッキング4の外筒部7と同様に、中心軸方 向に反った環形状をなす側面孔2の内周壁面の形状に合わせ、同様の反りを有す る環形状をなす。
【0027】 本例の拡張バンド5は、周方向に複数段の係合位置を有する両端部の係合部6 (図3(c)及び(d)参照)を相互に係合させた環体で、係合部6が、拡張バ ンド5の拡径方向に摺り抜け可能で、これによって拡張バンド5の拡径を許容し 、しかも摺り抜け後の拡径位置で再係合して拡径バンド5の縮径を係止可能なも のとなっている。つまり、拡張バンド5は、拡径されることによって、外筒部7 を側面孔2の内周壁面に圧接することができる。
【0028】 このような反りを有する拡張バンド5の係合部6を外して展開させた場合、展 開状態の平面形状は、図3(c)に示されるように、なだらかな2山の波形形状 をなしている(上記外筒部7を展開させた場合も同様)。この波形形状は、マン ホールの内側半径をR1 、側面孔の半径をR2 とした場合、x−y軸平面に下記 式に基づいて描かれる曲線として近似的に求めることができる。
【0029】
【数1】
【0030】 上記波形形状の帯材を環状に形成すると、前述した反りを有する環形状の拡張 バンド5とすることができる。この反りを有する拡張バンド5を用いることによ り、例えばマンホール1の厚みとほぼ等しい幅のものとしても、全体を側面孔2 の内周壁面に向き合わせて位置させることができ、外筒部7を側面孔2の内周壁 面へしっかり圧着させることができる。尚、このような反りを有する拡張バンド 5の取り付け角度はおのずと限定され、図3(c)の展開状態における波形形状 の山部(若しくは谷部)に相当する部分が、上下方向(若しくは左右方向)にな るようにして用いられる。
【0031】 一方、上記のような反りのない単なる円環状の拡張バンドを用いた場合、側面 孔2の内周壁面から部分的に外れる箇所を生じやすく、取り付け状態が不安定に なりやすい。側面孔2の内周壁面がなす環形状の反りは、マンホール1の径が一 定の場合、側面孔2の径が大きくなるほど大きくなり、場合によっては拡張バン ドを拡径させる時に、拡張バンドが外れてしまいやすくなる。
【0032】 本例の拡張バンド5は、特に図3(c)及び(d)に示されるように、両端部 が中央部の幅の約1/2の幅となって拡張バンド5の中心軸方向にオーバーラッ プされており、このオーバーラップ部分に形成された係合部6が、拡張バンド5 の中心軸方向に向き合って互いに係合する複数の鋸刃状突起14で構成されてい る(図3(d)参照)。各鋸刃状突起14は、拡張バンド5の拡径方向に当接す る面が斜面、拡張バンド5の縮径方向に当接する面が立ち上げ面で、拡張バンド 5の拡径方向には斜面同士が摺り抜け可能でその拡径を許容するが、拡張バンド 5の縮径方向には立ち上げ面同士が当接してその縮径を係止するものとなってい る。また、拡張バンド5は、縮径方向に弾性的に付勢されていて、この付勢力に よって係合部6の係合が維持されて、開環部のない一連の環体をなすものとなっ ていると、取り扱いやすく、しかも係合部6の不用意なずれによる係合不良も生 じにくいので好ましい。
【0033】 本例の係合部6は、互いに係合する複数の鋸刃状突起14が設けられているこ とにより、鋸刃状突起14の1ピッチ毎の複数段の係合位置を有するものとなっ ている。即ち、鋸刃状突起14の1ピッチ毎の多段に拡張バンド5を拡径可能で あり、しかも拡径後は、この各拡径位置における鋸刃状突起14の再係合により 、拡張バンド5の縮径が係止されることになる。従って、図1に示されるマンホ ール1の側面孔2の径に誤差や変動があっても、拡張バンド5の拡径量を鋸刃状 突起14の1ピッチ毎に調節することで、容易に適切な拡径量が得られ、ジョイ ントパッキング4の外筒部7を確実に側面孔2の内周壁面に圧接させることがで きる。また、本例の拡径バンド5は、拡張バンド5の中心軸方向に向き合って互 いに係合する複数の鋸刃状突起14で係合部6を構成しているので、拡径バンド 5の外周面に段差を生じず、拡径バンド5の外周面全面で外筒部7を押圧するこ とができる。
【0034】 鋸刃状突起14の立ち上げ面は、図3(d)に示されるように、拡張バンド5 の縮径方向に5〜25度の立ち上げ角度αをもって当接するものであることが好 ましい。このような立ち上げ角度αを持たせておくと、拡張バンド5の縮径方向 の係合時に、鋸刃状突起14間の噛み合いが深くなって外れにくくなる。立ち上 げ角度αが5度未満ではこのような作用に薄く、25度を超えると鋸刃状突起1 4の強度を維持するために鋸刃状突起14のピッチを大きくしなければならなく なって、拡張バンド5の細かな拡径量の調整がしにくくなる。
【0035】 鋸刃状突起14のピッチは、1〜7mmであることが好ましく、さらに好まし くは3〜5mmである。ピッチが1mm未満では、鋸刃状突起14の高さを強度 維持のために十分とりにくく、鋸刃状突起14同士の係合が不安定になりやすい 。ピッチが7mmを超えると、拡張バンド5の細かな拡径量の調整がしにくくな る。
【0036】 係合部6の長さ(拡径バンド5の周方向長さ)は、外筒部7の外径の0.05 倍〜0.3倍の長さであることが好ましい。
【0037】 係合部6の長さが短過ぎると、拡張バンド5の拡径量の調整範囲が狭く、側面 孔2の径の誤差や変動への対応幅が狭くなる。
【0038】 係合部6の長さを長くし、拡張バンド5の拡径量の調整範囲を広くし過ぎると 、拡張バンド5の形状が側面孔2の内周壁面がなす環形状とは大きく異なった反 りを持つことになり、取り付け状態が不安定になりやすく、また、不必要な長さ に亙る係合部6の形成による製造コストの無駄を生じる。
【0039】 拡張バンド5には、その拡径をジャッキ等の器具を用いて容易に行うことがで きるよう、内周側に、周方向に係合部6を挟んで拡径力作用部15を設けておく ことが好ましい。図3(d)に示される拡径力作用部15は、拡張バンド5の内 周面に取り付けられたブロック片16側面の溝として設けられているが、使用す る器具からの拡径力を受け止められるものであれば、孔、凹部、段差部等であっ てもよい。
【0040】 特に、拡張バンド5両端部の係合部6が、拡張バンド5の中心軸方向に向き合 って互いに係合する複数の鋸刃状突起14で構成されている場合、拡径力作用部 15は、図3(d)に示されるように、鋸刃状突起14を互いに押し付ける分力 f2 を生じる位置に設定されていることが好ましい。
【0041】 すなわち、図3(d)に示されるように、周方向に係合部6を挟んで設けられ る拡径力作用部15の位置を、それぞれ当該拡径力作用部15が設けられる側の 鋸刃状突起14の刃先側に片寄らせて設定しておくと、この拡径力作用部15間 に器具で拡径力Fを作用させた時に、分力f1 とf2 を生じる。分力f1 は拡張 バンド5の周方向に生じ、鋸刃状突起14の係合を拡径方向にずらす力として作 用し、分力f2 は拡張バンド5の径方向に生じ、鋸刃状突起14を対向方向に相 互に押し付け合う力として作用する。そして、この分力f2 が存在すると、鋸刃 状突起14の拡張バンド5の拡径方向への摺り抜けがこの分力f2 に抗して行わ れると共に、摺り抜けた後の鋸刃状突起14の再係合が分力f2 によって確実に もたらされることになる。
【0042】 拡張バンド5は、通常、帯板の環体で、例えばポリカーボネイト、ABS樹脂 、強化スチレン樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、高強度ポリエチレン等の合成樹脂の 射出成形品や金属帯板材の曲げ加工品として得ることができるが、耐久性、耐食 性の点から、ステンレススチール製が好ましい。
【0043】 本例においては、ジョイントパッキング4の外筒部7と拡張バンド5の両者が 反りを有する環形状をなすものとしたが、側面孔2の内周壁面がなす環形状の反 り量を考慮し、全周に亙って必要な嵌め込み量が確保できるよう、外筒部7はや や長めの円筒形とし、拡張バンド5のみ反りを有するものとしてもよい。しかし 、本例のように、外筒部7と拡張バンド5の両者に反りを持たせておくと、最小 長さの外筒部7によって、当該外筒部7をしっかり側面孔2の内周壁面に圧着さ せることができるので好ましい。
【0044】 次に、上記マンホールジョイントによる施工方法を図1及び図4〜図7で説明 する。
【0045】 まず、図4に示されるように、ジョイントパッキング4の外筒部7を、その反 り方向がマンホール1の側面孔2の内周壁面がなす反り方向と一致するようにし て、マンホール1の外側から側面孔2内に嵌め込む。この時、ストッパー11が 設けられていると、このストッパー11がマンホール1の外面に当接する位置ま で嵌め込めばよく、嵌め込み作業が容易となる。
【0046】 次に、図5に示されるように、内筒部8を中心軸方向に反転させて裏返し、マ ンホール1の内部へ押し出す。この内筒部8の反転は、外筒部7を側面孔2へ嵌 め込む前に行っておいてもよい。内筒部8を中心軸方向に反転させてマンホール 1内へ押し出しておくことにより、次の拡張バンド5のセットおよび拡張バンド 5の拡径作業が容易となる。
【0047】 上記内筒部8の反転後、図6に示されるように、拡張バンド5を、その反り方 向がマンホール1の側面孔2の内周壁面がなす反り方向と一致するようにして、 外筒部7の内周側に嵌め込み、拡張バンド5の拡径を行う。この拡張バンド5の 拡径は、例えば図7に示されるように、蝶番部17を支点として2本のアーム1 8をV字形に組んだ器具を用い、各アーム18の先端を図3(d)で説明した拡 径力作用部15に掛けると共に、ジャッキ19で蝶番部17を押して、蝶番部1 7を支点にアーム18を押し広げることで行うことができる。この作業を行いや すくするためには、拡張バンド5の係合部6(図3参照)が下側になるようにセ ットしておくことが好ましい。また、アーム18は真っ直ぐなものでもよいが、 その押し広げによってできるだけ拡張バンド5の周方向に沿った拡径力を作用さ せるためには、図7に示されるように、アーム18の先端をやや外方に屈曲させ ておくことが好ましい。
【0048】 上記拡張バンド5の拡径により、ジョイントパッキング4の外筒部7は側面孔 2の内周壁面に圧接されて固定される。
【0049】 拡張バンド5の拡径後、再度内筒部8を中心軸方向に反転させてマンホール1 の外へ引き出し、内筒部8内に配管3を嵌め込んで締結バンド12で締め付けて 図1に示される状態とすることによって作業を終了する。
【0050】 図8は拡張バンド5の第2の例を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図 、(c)は係合部6付近の内周面の拡大平面図、(d)は係合部6付近の拡大側 面図である。
【0051】 本例の拡張バンド5は、両端部が拡張バンド5の径方向にオーバーラップされ ており、このオーバーラップ部分に形成された係合部6が、拡張バンド5の径方 向に向き合って互いに係合する複数の鋸刃状突起14で構成されている点が前述 の第1の例のものと相違している。この点以外は前述の第1の例の拡張バンド5 と同様である。
【0052】 本例の拡張バンド5の場合、オーバーラップされる両端部の幅を中央部と等し い幅にできるので、係合部6の強度維持を図りやすい。また、本例の拡張バンド 5においては、外側に重なる端部は、拡張バンド5の外周面に極端な段差を生じ ないよう、図示されるように、先端に向かって厚みを漸減させておくことが好ま しい。さらに、本例の拡張バンド5における拡径力作用部15は、係合部6を構 成する鋸刃状突起14が拡張バンド5の径方向に重なるものであるので、拡張バ ンド5の周方向に向き合う位置に設定しておけばよい。
【0053】 図9は拡張バンド5の第3の例を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面 図、(c)は係合部6を構成する爪部22付近の拡大斜視図、(d)は係合部6 を構成する開口部23付近の拡大斜視図、(e)は係合部6付近の拡大断面図で ある。
【0054】 本例の拡張バンド5は、両端部が拡張バンド5の径方向にオーバーラップされ ており、このオーバーラップ部分に形成された係合部6が、爪部22と開口部2 3によって構成されている点が前述の第1の例のものと相違している。この点以 外は前述の第1の例の拡張バンド5と同様である。
【0055】 爪部22は、内側に重なる端部の外周側に形成されており、拡張バンド5の縮 径方向に斜めに突出している。また、開口部23は、外側に重なる端部に、拡張 バンド5の周方向に複数形成されていて、それぞれ爪部22が嵌り合うものとな っている。本例の拡張バンド5における係合部6は、拡張バンド5の拡径方向に は斜面となった爪部22の背面によって爪部22が開口部23から摺り抜けて拡 径を許容し、拡張バンド5の縮径方向には爪部22の先端面が開口部23の側壁 と係合し、縮径を係止するものとなっている。
【0056】 本例の拡張バンド5の場合、1個の爪部22と複数個の開口部23を形成すれ ば係合部6を構成できるので、係合部6の加工が容易である。但し、爪部22は 開口部23のピッチに合わせて複数個(開口部23の数より少ない数)形成する こともできる。また、本例の拡張バンド5において、外側に重なる端部の厚みを 先端に向かって漸減させておくことが好ましいこと、さらには、拡径力作用部1 5は拡張バンド5の周方向に向き合う位置に設定しておけばよいことは上記第2 の例の拡張バンド5と同様である。
【0057】 拡張バンド5の係合部6の構成は、拡径されてジョイントパッキング4の外筒 部7を側面孔2の内周壁面に圧接可能な構成であれば、以上例示したものに限定 されるものではなく、例えば実開平7−4547号公報に記載の拡張バンドのよ うに、一部が内向きV字形に折り曲げられたものや、実開平4−117043号 公報に記載の拡張バンドのように、拡径した時に両端面が突き合わされて拡径状 態に係止される構成とすることもできる。但し、これらの構成では拡径を多段に 行うことができないため、マンホールの側面孔の径の誤差や変動に対応しきれな い場合がある。
【0058】
【考案の効果】
本考案は、以上説明した通りのものであり、次の効果を奏するものである。
【0059】 (1)本考案における拡張バンド5は、側面孔2の内壁面がなす環形状に対応 する中心軸方向の反りを持たせたことで、大径の側面孔2に対しても、全体を側 面孔2の内周壁面に向き合わせて位置させることができ、外筒部7を側面孔2の 内周壁面へしっかり圧着させることができる。
【0060】 (2)ジョイントパッキング4の外筒部7にも上記反りを持たせることで、必 要最小限の大きさの外筒部7で安定した取り付け状態が得られる。
【0061】 (3)外筒部7の外周側に外径調整リング20を取り付けるようにすると、こ の外径調整リング20の厚みを変更することで、側面孔2(図1参照)の径の誤 差や変動に対する対応幅が増大する。
【0062】 (4)外筒部7の内周面に滑剤を塗布しておくと、拡張バンド5の拡径時に拡 張バンド5と外筒部7の内周面との間の摩擦が減って、拡張バンド5を拡径しや すくなる。
【0063】 (5)外筒部7の内周側に、拡張バンド5を嵌め込む拡張バンド用溝10を設 けておくと、拡張バンド5を拡径させる際の拡張バンド5の位置ずれを防止する ことができ、作業性を高めることができる。
【0064】 (6)内筒部8の外周側に嵌め込まれる、縮径可能な締結バンド12をするも のとすると、締結バンド12を縮径して、内筒部8を配管3に対して締め付け圧 着させることができ、シール性が向上し、接続が確実となる。
【0065】 (7)ストッパー11を設けておくと、外筒部7を側面孔2に嵌め込む際に、 ストッパー11が側面孔2周囲のマンホール1外面に当接し、ジョイントパッキ ング4を押し込み過ぎてマンホール1内に脱落させてしまうことがなくなると共 に、差し込み深さ合わせを容易に行うことができ、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一例に係るマンホールジョイントを用
いてマンホールの側面孔に配管を接続した状態の断面図
である。
【図2】図1におけるジョイントパッキングを示す図で
ある。
【図3】図1における拡張バンドを示す図である。
【図4】施工方法の説明図で、ジョイントパッキングの
外筒部をマンホールの側面孔に嵌め込んだ状態を示す図
である。
【図5】施工方法の説明図で、ジョイントパッキングの
内筒部を中心軸方向に反転させて裏返した状態を示す図
である。
【図6】施工方法の説明図で、ジョイントパッキングの
外筒部の内周側に拡張バンドを嵌め込んだ状態を示す図
である。
【図7】施工方法の説明図で、ジョイントパッキングの
拡径作業状態を一例を示す図である。
【図8】拡張バンドの第2の例を示す図である。
【図9】拡張バンドの第3の例を示す図である。
【符号の説明】
1 マンホール 2 側面孔 3 配管 4 ジョイントパッキング 5 拡張バンド 6 係合部 7 外筒部 8 内筒部 9 連結部 10 拡張バンド用溝 11 ストッパー 12 締結バンド 13 締結バンド用溝 14 鋸刃状突起 15 拡径力作用部 16 ブロック片 17 蝶番部 18 アーム 19 ジャッキ 20 外径調整リング 21 外径調整リング用溝 22 爪部 23 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 岡村 常雄 茨城県猿島郡総和町大字丘里10番地3 栗 本ヒューム管株式会社内

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンホールの側面孔に嵌め込まれる外筒
    部の一端と、内周側に配管が嵌め込まれる内筒部の一端
    とが、連接部を介して連なった可撓性材料製のジョイン
    トパッキングと、 外筒部の内周側に嵌め込まれる拡張バンドとを有し、 拡張バンドが、側面孔の内周壁面がなす環形状に対応す
    る中心軸方向の反りを有し、しかも拡径されて外筒部を
    側面孔の内周壁面に圧接可能であることを特徴とするマ
    ンホールジョイント。
  2. 【請求項2】 外筒部が、側面孔の内周壁面がなす環形
    状に対応する中心軸方向の反りを有することを特徴とす
    る請求項1のマンホールジョイント。
  3. 【請求項3】 外筒部の外周側に、外径調整リングが取
    り付けられていることを特徴とする請求項1または2の
    マンホールジョイント。
  4. 【請求項4】 外筒部の内周面に滑剤が塗布されている
    ことを特徴とする請求項1〜3いずれかのマンホールジ
    ョイント。
  5. 【請求項5】 外筒部の内周側に、拡張バンドが嵌め込
    まれる拡張バンド用溝が形成されていることを特徴とす
    る請求項1〜4いずれかのマンホールジョイント。
  6. 【請求項6】 内筒部の外周側に嵌め込まれる、縮径可
    能な締結バンドを有することを特徴とする請求項1〜5
    いずれかのマンホールジョイント。
  7. 【請求項7】 内筒部との連接側とは反対側の外筒部の
    端部に、ストッパーが外方に突設されていることを特徴
    とする請求項1〜6いずれかのマンホールジョイント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012233322A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Sanritsu:Kk 下水道本管とマンホールの接続構造

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