JP3055135B2 - プロピオフェノン誘導体及びその製法 - Google Patents

プロピオフェノン誘導体及びその製法

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JP3055135B2
JP3055135B2 JP9354445A JP35444597A JP3055135B2 JP 3055135 B2 JP3055135 B2 JP 3055135B2 JP 9354445 A JP9354445 A JP 9354445A JP 35444597 A JP35444597 A JP 35444597A JP 3055135 B2 JP3055135 B2 JP 3055135B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血糖降下作用を有
する新規プロピオフェノン誘導体及びその製法にに関す
る。
【0002】
【従来の技術】糖尿病の治療においては食事療法が必須
であるが、これだけで充分なコントロールが得られない
ときは、必要に応じてインスリンまたは経口糖尿病薬が
使用される。糖尿病薬としては、従来より、ビグアナイ
ド系化合物及びスルホニルウレア系化合物が用いられて
いる。しかしながら、ビグアナイド系化合物には乳酸ア
シドーシス、スルホニルウレア系化合物には重篤な低血
糖という副作用があり、このような欠点のない新しい糖
尿病治療剤の開発が望まれている。
【0003】近年、糖尿病の発症、並びに進展に高血糖
自身が関与するというグルコース・トキシシティー・セ
オリー(Glucose toxicity theo
ry)が提唱されている。すなわち、慢性的な高血糖が
インスリン分泌を低下させると共に、インスリン感受性
を低下させ、これがさらなる血糖の上昇を引き起こし、
糖尿病が進展するという悪循環をうむというものである
〔ジアベトロジア(Diabetologia)第28
巻、第119頁(1985年)、ジアビーティーツ ケ
ア(Diabetes Care)、第13巻、第61
0頁(1990年)等〕。従って、高血糖を是正するこ
とにより、前述の悪循環を断ち切り、糖尿病の予防・治
療等が可能であるとされている。
【0004】高血糖を是正するための一つの方法として
は、余分な糖を直接尿中に***させ、血糖値を正常化す
ることが考えられる。フロリジンは、リンゴ、ナシ等の
バラ科植物の樹皮や根皮に含まれる配糖体であり、腸管
及び腎臓の絨毛膜のみに存在するNa+−グルコース共
輸送体を阻害することにより、腎臓での糖の再吸収を阻
害し、糖の***を促進して血糖を降下させることができ
る。この作用に基づき、フロリジンを糖尿病動物に毎日
皮下投与して高血糖を是正し、血糖値を長期間正常に保
つことにより、高血糖動物の病態を改善し、正常化する
ことが確認されている〔ジャーナル・オブ・クリニカル
・インベスチゲーション(J.Clin.Inves
t.)第79巻、第1510頁(1987年)、同第8
0巻、第1037頁(1987年)、同第87巻、第5
61頁(1991年)等〕。
【0005】しかしながら、フロリジンを経口投与する
と、大部分はアグリコンであるフロレチンとグルコース
に加水分解され、フロリジンとして吸収される割合は小
さく、尿糖***作用は非常に弱い。また、アグリコンで
あるフロレチンは促通拡散型の糖輸送担体を強力に阻害
することが知られており、例えば、フロレチンをラット
に静脈内投与すると脳内グルコース濃度が減少すること
が報告されている〔ストローク(Stroke)、第1
4巻、第388頁(1983年)〕ので、長期にわたり
これを使用すると、いろいろな組織に悪い影響が及ぶこ
とが考えられる。そのため、これまでフロリジンを糖尿
病治療薬として用いようという試みはなされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、腎臓でのグ
ルコースの再吸収阻害に基づく優れた尿糖増加作用を有
し、それにより優れた血糖降下作用を示し、かつ、その
アグリコンが著しく弱い促通拡散型の糖輸送担体の阻害
作用を示す4’−低級アルキルプロピオフェノン誘導体
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【0008】
【化21】
【0009】(式中、OXは保護されていてもよい水酸
基、Yは低級アルキル基、Zは1つもしくは複数の水酸
基が保護されていてもよいβ−D−グルコピラノシル基
を表す。)で示されるプロピオフェノン誘導体またはそ
の薬理的に許容しうる塩に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の化合物(I)において、
OXが保護された水酸基の場合、保護基としては、フェ
ノール性水酸基の保護基となりうるものであればよい。
具体的にはメトキシメチル基等の低級アルコキシ低級ア
ルキル基;アリル基;低級アルカノイル基、低級アルコ
キシ低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル
基、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル基、アリ
ールカルボニル基(例えばベンゾイル基)等のアシル基
等があげられるが、低級アルカノイル基、低級アルコキ
シ低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、
低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル基等のアシル
基が好ましく、とりわけ低級アルカノイル基、低級アル
コキシカルボニル基が好ましい。
【0011】また、本発明の化合物(I)において、Z
が1つもしくは複数の水酸基が保護されたβ−D−グル
コピラノシル基である場合、保護基としては、酸処理、
加水分解、還元等の常法により容易に除去できるような
慣用の水酸基の保護基を用いることができる。そのよう
な基で1つもしくは複数の水酸基が保護されたβ−D−
グルコピラノシル基としては、(1)1つもしくは複数
の水酸基がアシル化されたβ−D−グルコピラノシル
基、(2)2つの水酸基がその保護基とともに1−低級
アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基、ベンジリデン
ジオキシ基、ホスフィニコジオキシ基、カルボニルジオ
キシ基等を形成しているβ−D−グルコピラノシル基、
あるいは(3)1つもしくは2つの水酸基がアシル化さ
れており、かつ、2つの水酸基がその保護基とともに1
−低級アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基、ベンジ
リデンジオキシ基、ホスフィニコジオキシ基またはカル
ボニルジオキシ基を形成しているβ−D−グルコピラノ
シル基等があげられる。しかしながら、β−D−グルコ
ピラノシル基の水酸基の保護基としてはこれらに限定さ
れず、生体内へ投与後脱保護され水酸基を与えるような
機能、生体内への吸収または生体内への投与が容易にな
るような機能、或いは、脂溶性又は水溶性を上げるよう
な機能を有するものであればいずれも好適に用いること
ができる。
【0012】β−D−グルコピラノシル基の水酸基がア
シル化された場合、アシル基としては、低級アルカノイ
ル基、低級アルコキシ低級アルカノイル基、低級アルコ
キシカルボニル基、低級アルコキシ低級アルコキシカル
ボニル基、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル
基)等を好適に用いることができる。また、アシル基と
して、アミノ酸から一つのカルボキシル基の水酸基を除
いた残基(当該残基中に存するアミノ基、カルボキシル
基及び/又は水酸基は保護されていてもよい)を用いて
もよい。アミノ酸から一つのカルボキシル基の水酸基を
除いた残基としては、例えば、アスパラギン酸、グルタ
ミン酸、グルタミン、セリン、ザルコシン、プロリン、
フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、グリシ
ン、トリプトファン、システイン、ヒスチジン、チロシ
ン、またはバリン等の天然アミノ酸、その対掌体もしく
はラセミ体から一つのカルボキシル基の水酸基を除いた
残基をあげることができる。
【0013】また、2つの水酸基がその保護基とともに
1−低級アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基、ベン
ジリデンジオキシ基、ホスフィニコジオキシ基、カルボ
ニルジオキシ基等を形成しているβ−D−グルコピラノ
シル基である場合とは、例えば、β−D−グルコピラノ
シル基の4及び6位水酸基がその保護基とともに、1−
低級アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基、ベンジリ
デンジオキシ基、ホスフィニコジオキシ基、カルボニル
ジオキシ基等を形成しているβ−D−グルコピラノシル
基である場合、即ち、下式
【0014】
【化22】
【0015】(式中、R7およびR8は、一方が水素原子
もしくは低級アルキル基、他方が低級アルコキシ基であ
るか、または一方が水素原子、他方がフェニル基である
か、或いは、R7およびR8が一緒になってオキソ基を形
成していることを表す。)で示される構造を形成してい
る場合があげられる。
【0016】β−D−グルコピラノシル基の2つの水酸
基がその保護基とともに1−低級アルコキシ低級アルキ
リデンジオキシ基を形成している場合、1−低級アルコ
キシ低級アルキリデンジオキシ基としては1−低級アル
コキシエチリデンジオキシ基が好ましく、とりわけ1−
メトキシエチリデンジオキシ基、1−エトキシエチリデ
ンジオキシ基等を好適に用いることができる。
【0017】更に、本発明の化合物(I)において、Y
としては炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、とりわ
け、メチル基及びエチル基が好ましい。
【0018】本発明の具体的な化合物としては、Zが低
級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、低級
アルコキシ低級アルカノイル基及び低級アルコキシ低級
アルコキシカルボニル基から選ばれる基で1つもしくは
複数の水酸基がアシル化されていてもよいβ−D−グル
コピラノシル基であるか、あるいは2つの水酸基がその
保護基とともに1−低級アルコキシ低級アルキリデンジ
オキシ基またはホスフィニコジオキシ基を形成している
β−D−グルコピラノシル基である化合物があげられ
る。
【0019】より具体的な化合物としてはZが低級アル
カノイル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルコ
キシ低級アルカノイル基及び低級アルコキシ低級アルコ
キシカルボニル基から選ばれる基で2位、2及び3位、
4位または6位水酸基がアシル化されていてもよいβ−
D−グルコピラノシル基であるか、或いは4及び6位水
酸基がその保護基とともに1−低級アルコキシ低級アル
キリデンジオキシ基又はホスフィニコジオキシ基を形成
しているβ−D−グルコピラノシル基である化合物があ
げられる。
【0020】本発明化合物(I)のうち、好ましい化合
物としては、OXが水酸基、低級アルカノイルオキシ基
または低級アルコキシカルボニルオキシ基であり、Zが
β−D−グルコピラノシル基、2−O−(低級アルカノ
イル)−β−D−グルコピラノシル基、2,3−ジ−O
−(低級アルカノイル)−β−D−グルコピラノシル
基、4−O−(低級アルコキシカルボニル)−β−D−
グルコピラノシル基、6−O−(低級アルカノイル)−
β−D−グルコピラノシル基、6−O−(低級アルコキ
シカルボニル)−β−D−グルコピラノシル基、6−O
−(低級アルコキシ低級アルカノイル)−β−D−グル
コピラノシル基、6−O−(低級アルコキシ低級アルコ
キシカルボニル)−β−D−グルコピラノシル基、4,
6−O−(1−低級アルコキシ低級アルキリデン)−β
−D−グルコピラノシル基または、4,6−O−ホスフ
ィニコ−β−D−グルコピラノシル基である化合物があ
げられる。
【0021】本発明化合物(I)のうち、より好ましい
化合物としては、OXが水酸基または低級アルカノイル
オキシ基、Zがβ−D−グルコピラノシル基、2,3−
ジ−O−(低級アルカノイル)−β−D−グルコピラノ
シル基、4−O−(低級アルコキシカルボニル)−β−
D−グルコピラノシル基、6−O−(低級アルコキシカ
ルボニル)−β−D−グルコピラノシル基、4,6−O
−(1−低級アルコキシ低級アルキリデン)−β−D−
グルコピラノシル基または4,6−O−ホスフィニコ−
β−D−グルコピラノシル基である化合物があげられ
る。
【0022】本発明化合物(I)のうち、さらにより好
ましい化合物としては、OXが水酸基、Yがメチル基ま
たはエチル基、Zがβ−D−グルコピラノシル基、4−
O−(低級アルコキシカルボニル)−β−D−グルコピ
ラノシル基、6−O−(低級アルコキシカルボニル)−
β−D−グルコピラノシル基、4,6−O−(1−低級
アルコキシ低級アルキリデン)−β−D−グルコピラノ
シル基または4,6−O−ホスフィニコ−β−D−グル
コピラノシル基である化合物があげられる。
【0023】とりわけ好ましい化合物としては、Zがβ
−D−グルコピラノシル基または6−O−(低級アルコ
キシカルボニル)−β−D−グルコピラノシル基である
化合物があげられる。
【0024】本発明のプロピオフェノン誘導体(I)
は、遊離の形でもまたその薬理的に許容しうる塩の形で
も本発明の目的に用いることができる。薬理的に許容し
うる塩としては、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩、塩
酸塩等の鉱酸塩、トシル酸塩等の有機酸塩等があげられ
る。
【0025】また、プロピオフェノン誘導体(I)また
はその薬理的に許容しうる塩とは、その分子内塩やそれ
らの溶媒和物あるいは水和物等をいずれも含む。
【0026】本発明の化合物(I)及びその薬理的に許
容しうる塩は、経口的にも非経口的にも投与することが
でき、経口もしくは非経口投与に通常用いられる医薬担
体を用いて、適当な製剤とすることができる。かかる医
薬担体としては、例えば、結合剤(シロップ、アラビア
ゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガント、ポリビニル
ピロリドン等)、賦形剤(乳糖、砂糖、コーンスター
チ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシン等)、潤滑
剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレン
グリコール、シリカ等)、崩壊剤(バレイショデンプン
等)及び湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム等)等をあげ
ることができる。また、これら医薬製剤は、経口投与す
る場合には、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤の如き固
形製剤であってもよく、溶液、懸濁液、乳液の如き液体
製剤であってもよい。一方、非経口投与する場合には、
例えば、注射用蒸留水、生理的食塩水、ブドウ糖水溶液
等を用いて注射剤や点滴剤として、あるいは坐剤等とす
ることができる。
【0027】本発明のプロピオフェノン誘導体(I)ま
たはその薬理的に許容しうる塩の投与量は、投与方法、
患者の年齢、体重、状態あるいは疾患の程度によって異
なるが、通常、1日あたりの投与量は、経口投与の場合
には0.05〜30mg/kg、とりわけ0.5〜15
mg/kg、非経口投与の場合には、0.005〜30
mg/kg、とりわけ0.05〜3mg/kgであるの
が好ましい。
【0028】本発明によれば、目的物(I)もしくはそ
の薬理的に許容しうる塩は、一般式(II)
【0029】
【化23】
【0030】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物を還元し、所望により薬理的に
許容しうる塩とすることにより製することができる。
【0031】本還元反応は、常法に従い、金属水素化物
による還元や接触還元などにより実施することができ
る。例えば、金属水素化物による還元では、溶媒中、金
属水素化物を用いて、また、接触還元では溶媒中、水素
雰囲気下で触媒を用いて還元することにより、実施する
ことができる。
【0032】具体的には、接触還元においては、触媒と
しては、常用の触媒を用いることができ、例えば、パラ
ジウム−炭素、白金−炭素、酸化白金、ラネーニッケル
等の触媒を好適に用いることができる。また、ベンゾフ
ラン環の二重結合が還元されることを防ぐために、触媒
能を低下させうる物質を添加してもよい。そのような物
質としては、N,N−ジメチルアミノピリジン、N,N
−ジメチルアニリン、アニリン、ジプロピルアミン、ジ
イソプロピルアミン、モルホリン、ピペラジン、N−メ
チルアニリン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、
ピロリジン等のアミン類、N,N−ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類を好適に用いることができる。
【0033】また、金属水素化物による還元では、二重
結合を還元することができる金属水素化物であればいず
れも好適に使用することができるが、とりわけケトンを
還元しないものが好ましく、このようなものとしては、
例えば、水素化テルルナトリウム(NaTeH)をあげ
ることができる。水素化テルルナトリウムはシンセシス
(Synthesis)、第545頁(1978年)記
載の方法に従って調製することができ、通常、化合物
(II)に対し、1〜3モル当量、とりわけ1〜1.5
モル当量使用するのが好ましい。
【0034】本還元反応で用いられる溶媒は反応に不活
性であればいずれの溶媒も使用することができ、例え
ば、メタノール、エタノール等のアルコール類、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル
類、酢酸等の有機酸類などの有機溶媒或いはこれら有機
溶媒と水の混合溶媒を用いることができる。
【0035】本還元反応は冷却下〜加熱下で実施するこ
とができ、とりわけ、10〜30℃で実施するのが好ま
しい。
【0036】また、このようにして得られた本発明の化
合物は以下に示す方法により、または以下の方法を組み
合わせることにより、相互に変換することも可能であ
る。
【0037】(1)本発明の化合物(I)のうち一般式
(I−b)
【0038】
【化24】
【0039】(式中、R1はアシル基を表し、他の記号
は前記と同一意味を有する。)で示される化合物は、本
発明の化合物のうち一般式(I−a)
【0040】
【化25】
【0041】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物をアシル化することにより製す
ることができる。
【0042】(2)本発明化合物(I)のうち、一般式
(I−c)
【0043】
【化26】
【0044】(式中、R3はアシル基を表し、他の記号
は前記と同一意味を有する。)で示される化合物は、化
合物(I−a)のβ−D−グルコピラノシル基の4位及
び6位水酸基を保護した化合物である一般式(I−d)
【0045】
【化27】
【0046】(式中、R11OおよびR21Oは保護された
水酸基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物をアシル化し、ついで保護基R11およ
びR21を除去することにより製することができる。
【0047】(3)本発明化合物(I)のうち、一般式
(I−e)
【0048】
【化28】
【0049】(式中、R4はアシル基を表し、他の記号
は前記と同一意味を有する。)で示される化合物は、化
合物(I−d)のβ−D−グルコピラノシル基の3位水
酸基を保護した化合物である一般式(I−f)
【0050】
【化29】
【0051】(式中、R31Oは保護された水酸基を表
し、他の記号は前記と同一意味を有する。)で示される
化合物をアシル化し、保護基R11、R21およびR31を除
去することにより製することができる。
【0052】化合物(I−d)および化合物(I−f)
において、β−D−グルコピラノシル基の水酸基の保護
基R11、R21およびR31としては、慣用の保護基を用い
ることができるが、とりわけ4及び6位水酸基の保護基
については、保護基が互いに結合してベンジリデン基等
を形成しているものを好適に用いることができ、3位水
酸基の保護基については、t−ブチルジメチルシリル
基、トリメチルシリル基等のトリ低級アルキルシリル基
を好適に用いることができる。これら保護基の除去は、
酸処理、加水分解、還元等の慣用の方法により実施する
ことが可能である。
【0053】製法(1)〜(3)におけるアシル化は、
所望のアシル基に対応する有機酸(例えば、低級アルキ
ルカルボン酸、低級アルコキシ低級アルキルカルボン
酸、安息香酸等)、その塩またはその反応性誘導体と原
料化合物を反応させることにより実施することができ
る。
【0054】アシル基に対応する有機酸またはその塩と
原料化合物との反応は、適当な溶媒中、縮合剤の存在ま
たは非存在下に実施することができ、また、有機酸の反
応性誘導体と原料化合物との反応は、適当な溶媒中もし
くは無溶媒で脱酸剤の存在または非存在下に実施するこ
とができる。
【0055】有機酸の塩としては、ナトリウム塩、カリ
ウム塩、カルシウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土
類金属塩をあげることができる。これら有機酸の塩を縮
合反応に用いる場合には、反応に際して遊離の酸として
おくことが好ましい。
【0056】また、反応性誘導体としては、低級アルキ
ルカルボン酸、低級アルコキシ低級アルキルカルボン
酸、低級アルコキシカルボン酸、安息香酸等の酸ハライ
ド、酸無水物、活性エステル、活性アミド等をあげるこ
とができる。
【0057】縮合剤としては、慣用の縮合剤を用いるこ
とができ、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、
ジエチルシアノホスフェート、カルボニルジイミダゾー
ル、N,N−ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニ
ル)ホスフィン酸クロリド等をあげることができる。
【0058】脱酸剤としては常用の脱酸剤を用いること
ができ、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等
の水酸化アルカリ金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
等の炭酸アルカリ金属、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム等の炭酸水素アルカリ金属、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属等の無機塩
基、或いはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルア
ミン等のトリ低級アルキルアミン、ピリジン、2,4,
6−コリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジ
ン、キヌクリジン、アニリン、N,N−ジメチルアニリ
ン等の有機塩基をあげることができる。
【0059】溶媒としては反応に悪影響を及ぼさないも
のであればいずれも用いることができ、例えば、水;酢
酸エチル等のエステル類;ジクロロメタン等のハロゲン
化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミ
ド類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトニト
リル等のニトリル類等の慣用の溶媒、或いはこれらの混
合溶媒をあげることができる。また、脱酸剤として例示
したピリジン、2,4,6−コリジン等の有機塩基を溶
媒とすることもできる。
【0060】本反応は冷却下から加熱下に実施すること
ができ、好ましくは−10℃〜100℃、とりわけ0℃
〜50℃で好適に実施することができる。
【0061】また、製法(1)において、R1が低級ア
ルコキシカルボニル基である化合物は、ジャーナル・オ
ブ・ケミカル・ソサエティー・パーキン・トランスアク
ション1(J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1)、589頁
(1993年)に記載の方法に準じ、適当な溶媒中、モ
レキュラーシーブの存在もしくは非存在下、リパーゼを
用いて、化合物(I−a)と炭酸ジ低級アルキルを反応
させることにより製することもできる。
【0062】リパーゼとしては、キャンディダ・アンタ
ークティカ(Candida antarctica)由来のリパーゼが好ま
しく、そのようなリパーゼとしては、例えば、ノボザイ
ム(Novozym) 435(ノボ・ノルディスク・
バイオ・インダストリー社)をあげることができる。
【0063】溶媒としては、反応に影響を及ぼさないも
のであればいずれのものでも用いることができるが、と
りわけ、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエー
テル等のエーテル類を好適に用いることができる。
【0064】なお、化合物(I−a)は化合物(II)
のうち、Zがβ−D−グルコピラノシル基である化合物
を還元することにより得られる。この化合物は本発明の
目的物であると同時に、本発明化合物の合成中間体とし
ても有用な化合物である。
【0065】化合物(I−d)は、化合物(I−a)の
β−D−グルコピラノシル基の4及び6位水酸基を保護
することにより得られ、化合物(I−f)は化合物(I
−d)のβ−D−グルコピラノシル基の3位水酸基を保
護することにより得られる。β−D−グルコピラノシル
基の水酸基の保護は、例えば後述の製法(5)に示す方
法、実施例に記載の方法、或いは慣用の方法等に従うこ
とにより実施することができる。
【0066】また、上記(1)〜(3)のアシル化反応
においては、原料化合物のOXが水酸基である場合に
は、この水酸基もアシル化される場合があるが、この様
にして得られる化合物も本発明の化合物に含まれるもの
である。アシル化されることが不適当な場合には、適当
な溶媒中(テトラヒドロフラン、メタノール、水等)
に、塩基[例えば、炭酸水素アルカリ金属(炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム等)、アミン類(t−ブチ
ルアミン等)]で処理することにより、生成した化合物
からアシル基を除去することができる。
【0067】(4)本発明化合物(I)のうち、一般式
(I−g)
【0068】
【化30】
【0069】(式中、R2は低級アルキル基を表し、他
の記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物
は、一般式(I−h)
【0070】
【化31】
【0071】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物と一般式(III) R2OH (III) (式中、記号は前記と同一意味を有する。)で示される
化合物を反応させることにより製することができる。
【0072】本反応は、適当な溶媒中、酸触媒の存在も
しくは非存在下に実施することができる。
【0073】化合物(III)としては、メタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブ
タノール、t−ブタノール等の直鎖もしくは分岐鎖の炭
素数1〜6のアルカノールを用いることができ、化合物
(I−h)に対して等モル量からやや過剰量用いるのが
好ましい。
【0074】溶媒としては、本反応に影響をおよぼさな
い溶媒であればいずれの溶媒も用いることができ、その
ような溶媒としては、例えばジクロロメタン、ジクロロ
エタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類をあげ
ることができる。また、化合物(III)を溶媒として
用いることもできる。
【0075】酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸
などのアリールスルホン酸、メタンスルホン酸、エタン
スルホン酸などの低級アルカンスルホン酸、酢酸などの
低級アルカンカルボン酸等の有機酸または塩酸、硫酸等
の無機酸を好適に用いることができる。
【0076】本反応は冷却下から加熱下に実施すること
ができ、好ましくは25℃〜50℃、とりわけ25℃〜
35℃に実施するのがよい。
【0077】なお、化合物(I−h)は例えば(a)適
当な溶媒中もしくは無溶媒で、脱酸剤の存在もしくは非
存在下に、化合物(I−a)とハロゲノギ酸アリール
(例えば、ハロゲノギ酸p−ニトロフェニル)または
N,N−カルボニルジイミダゾール等を反応させた後、
要すれば加熱することにより、或いは(b)後述の製法
(5)に従うことにより得られる。
【0078】(a)法において、溶媒としては反応に影
響をおよぼさないものであればいずれの溶媒も用いるこ
とができ、そのような溶媒としては、テトラヒドロフラ
ン、ジクロロメタン、クロロホルム等を用いることがで
きる。
【0079】脱酸剤としては、2,4,6−コリジン、
ピリジン、2,6−ルチジン等の有機塩基、炭酸水素ナ
トリウム等の無機塩基を用いることができる。また、脱
酸剤として有機塩基を用いた場合には、その有機塩基を
溶媒として用いることもできる。
【0080】本反応は、冷却下から加熱下、とりわけ−
50℃〜60℃に実施することができる。また、ハロゲ
ノギ酸アリールを用いた場合には、ハロゲノギ酸アリー
ルを加えた後に加熱することが好ましく、とりわけ40
℃〜70℃に加熱するのが好ましい。
【0081】(5)本発明化合物(I)のうち、一般式
(I−i)
【0082】
【化32】
【0083】(式中、R5およびR6は、R5が水素原子
もしくは低級アルキル基、R6が低級アルコキシ基であ
るか、またはR5が水素原子、R6がフェニル基である
か、あるいはR5及びR6が一緒になってオキソ基を形成
し、他の記号は前記と同一意味を有する。)で示される
化合物は、化合物(I−a)と、一般式(IV)
【0084】
【化33】
【0085】(式中、A1及びA2は脱離基を表し、他の
記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物を
反応させることにより製することができる。
【0086】化合物(IV)において、脱離基として
は、反応に影響を及ぼさない通常の脱離基を用いること
ができるが、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原
子)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキ
シ基)などを好適に用いることができる。
【0087】本反応は適当な溶媒中もしくは無溶媒で、
酸または塩基の存在または非存在下に実施することがで
きる。
【0088】溶媒としては、反応に不活性であればいず
れの溶媒も使用することができ、例えば、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化
水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエ
ーテル類を好適に用いることができるほか、化合物(I
V)を過剰量用いて溶媒とすることもできる。
【0089】酸としては、p−トルエンスルホン酸など
のアリールスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸などの低級アルカンスルホン酸、トリフルオロ酢
酸等の有機酸、塩酸、硫酸等の無機酸、またはp−トル
エンスルホン酸ピリジニウム等の強酸と弱塩基の塩等を
用いることができる。
【0090】塩基としては、トリ低級アルキルアミン
(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルア
ミン)、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピ
リジン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン等を用い
ることができる。
【0091】本反応は、加熱下から冷却下に実施するこ
とができ、好ましくは0℃〜50℃、とりわけ20℃〜
30℃に実施するのがよい。
【0092】(6)本発明の化合物(I)のうち、一般
式(I−j)
【0093】
【化34】
【0094】(式中、OX1は保護された水酸基を表
し、他の記号は前記と同一意味を有する。)で示される
化合物および一般式(I−k)
【0095】
【化35】
【0096】(式中記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物は相互に変換することが可能である。
すなわち、化合物(I−j)は化合物(I−k)を保護
することにより、また化合物(I−k)は化合物(I−
j)から保護基X1を除去することにより製することが
できる。
【0097】化合物(I−k)を保護する場合、本反応
は常法に従い適宜実施することができるが、例えばアシ
ル基により保護する場合には、先に記載した(1)〜
(3)の製法と同様にして実施することができる。ま
た、アリル基により保護する場合には、適当な溶媒中
(アセトン等)、脱酸剤(炭酸カリウム等)の存在また
は非存在下にアリルハライド(アリルブロミド等)を反
応させることにより実施することができる。
【0098】化合物(I−j)から保護基X1を除去す
る場合、本反応は、保護基の種類に応じ、慣用の方法に
従って実施することができる。例えば、OX1が低級ア
ルカノイルオキシ基または低級アルコキシカルボニルオ
キシ基である化合物は適当な溶媒中、酸もしくは塩基で
処理することにより実施することができる。OX1が低
級アルコキシ低級アルコキシ基である化合物は適当な溶
媒中、酸を用いることにより実施することができる。ま
た、OX1がアリルオキシ基である化合物は適当な溶媒
中(アセトニトリル等)、ギ酸アンモニウム等の存在下
に、パラジウム触媒(例えば、二塩化ビス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム(II)で処理することによ
り実施することができる。
【0099】(7)本発明の化合物(I)のうち一般式
(I-l)
【0100】
【化36】
【0101】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物は、一般式(I−m)
【0102】
【化37】
【0103】(式中、R9およびR10は、同一或いは異
なって水酸基の保護基を表し、他の記号は前記と同一意
味を有する。)で示される化合物を加水分解することに
より、製することができる。
【0104】保護基R9およびR10としては、慣用の保
護基を用いる事ができるが、フェニル基、低級アルキル
基(例えばメチル基、エチル基)等が好ましい。
【0105】加水分解は通常用いられる方法により行わ
れるが、溶媒中もしくは無溶媒で、塩基の存在下に実施
する事が望ましい。
【0106】本反応において溶媒としては、反応に不活
性であればいずれの溶媒も使用することができ、例え
ば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、
水、またはこれらの混合溶媒を好適に用いることができ
る。
【0107】塩基としては、水酸化アルカリ金属(水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、
炭酸アルカリ金属(炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム等)等を好適に用いることができる。
【0108】本反応は、加熱下から冷却下に実施するこ
とができ、好ましくは−20℃〜50℃、とりわけ0℃
〜30℃に実施するのがよい。
【0109】なお、本反応において塩基で加水分解を行
った場合には、化合物(I−l)は加水分解に用いた塩
基との塩として単離することもできる。
【0110】化合物(I−m)は、化合物(I−a)と
一般式(IX
【0111】
【化38】
【0112】(式中、A3は脱離基を表し、他の記号は
前記と同一意味を有する。)で示される化合物を反応さ
せることにより製することができる。
【0113】化合物(IX)において、脱離基A3とし
ては、反応に影響を及ぼさない通常の脱離基を用いるこ
とができるが、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素
原子)などを好適に用いることができる。
【0114】本反応は適当な溶媒中もしくは無溶媒で、
塩基の存在または非存在下に実施することができる。
【0115】溶媒としては、反応に不活性であればいず
れの溶媒も使用することができ、例えば、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化
水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエ
ーテル類を好適に用いることができる。
【0116】塩基としては、トリ低級アルキルアミン
(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルア
ミン)、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピ
リジン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、2,
4,6−コリジン等を用いることができる。
【0117】本反応は、加熱下から冷却下に実施するこ
とができ、好ましくは−20℃〜50℃、とりわけ0℃
〜30℃に実施するのがよい。
【0118】本発明の原料化合物(II)は、一般式
(V)
【0119】
【化39】
【0120】(式中、Z1は水酸基が保護されていても
よいβ−D−グルコピラノシル基を表し、他の記号は前
記と同一意味を有する。)で示される化合物と5−ホル
ミルベンゾ[b]フランを縮合させ、要すれば得られた
化合物中に存する水酸基を保護することにより製するこ
とができる。
【0121】原料化合物(V)のZ1が水酸基が保護さ
れたβ−D−グルコピラノシル基である場合、β−D−
グルコピラノシル基の水酸基の保護基としては、低級ア
ルカノイル基(例えばアセチル基)等の慣用の保護基を
用いることができる。
【0122】原料化合物(V)と5−ホルミルベンゾ
[b]フランとの縮合反応は、常法により実施すること
ができ、例えば適当な溶媒中(例えば、メタノール、エ
タノール等の有機溶媒またはこれら有機溶媒と水との混
合溶媒)、塩基(例えば、水酸化カリウム等の水酸化ア
ルカリ金属)の存在下に冷却下から加熱下(とりわけ1
0℃〜30℃)で実施することができる。
【0123】得られた化合物中の水酸基を保護する場
合、保護は常法に従って実施するか、前記の(1)〜
(5)の方法に従うか、或いはこれらの方法を組み合わ
せることにより実施することができる。
【0124】本反応によって得られた化合物(II)
は、精製して反応に用いても良いが、粗製のまま還元反
応に用いることもできる。
【0125】原料化合物(V)は、例えば一般式(V
I)
【0126】
【化40】
【0127】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物と2,3,4,6−テトラ−O
−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミドを、4
級アンモニウム塩の存在もしくは非存在下、塩基を用い
て適当な溶媒中で縮合させ、次いで所望により6’位の
フェノール性水酸基の保護を行うことにより製すること
ができる。
【0128】溶媒としては、反応に影響を与えない溶媒
であればいずれの溶媒も用いることができ、そのような
溶媒としては例えば、クロロホルム等のハロゲン化炭化
水素類、トルエン等の芳香族炭化水素類、アセトン等の
ケトン類、水をあげることができる。
【0129】4級アンモニウム塩としては、テトラ低級
アルキルアンモニウムハライド、硫酸水素テトラ低級ア
ルキルアンモニウム、ベンジルトリ低級アルキルアンモ
ニウムハライド等を好適に用いることができるが、とり
わけ、ベンジルトリ低級アルキルアンモニウムクロリド
が好ましい。
【0130】塩基としては、水酸化アルカリ金属(例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、炭酸アルカ
リ金属(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム)、炭
酸カドミウム等を好適に用いることができる。本反応
は、冷却下から加熱下に実施することができる。
【0131】より具体的には、例えば、(i)ジャーナ
ル・オブ・メディシナル・アンド・ファーマシューティ
カル・ケミストリー(J.Med.Pharm.Che
m.)、第5巻、1045頁(1962年)に記載の方
法に従い、化合物(VI)と2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミドを適
当な溶媒中(例えば、含水アセトン)、水酸化カリウム
の存在下に反応させた後、次いで所望により水酸基を保
護するか、(ii)カーボハイドレート リサーチ(C
arbohydrate Research)第70
巻、313頁(1979年)記載の方法に準じ化合物
(VI)と2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α
−D−グルコピラノシルブロミドを適当な溶媒中(例え
ば、トルエン等の芳香族炭化水素類)、炭酸カドミウム
の存在下に加熱、還流した後、次いで所望により水酸基
を保護するか、あるいは(iii)化合物(VI)と
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グル
コピラノシルブロミドを適当な溶媒中(例えばクロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素類もしくはそれにに少量の
水を添加したもの)、4級アンモニウム塩(ベンジルト
リブチルアンモニウムクロリド)および炭酸アルカリ金
属(炭酸カリウム)の存在下に反応させ、ついで所望に
より水酸基を保護するなどの方法により製することがで
きる。
【0132】また6’位のフェノール性水酸基の保護は
常法に従い実施することができる。
【0133】原料化合物(VI)は、例えば、Yがメチ
ル基である化合物は、ジャーナル・オブ・オーガニック
ケミストリー(J.Org.Chem)、第29巻、2
800頁(1964年)に記載の方法や、オルシノール
をアセチル化し、得られたオルシノールジアセテートを
適当な溶媒中(例えば、クロロベンゼン)あるいは無溶
媒で、ルイス酸(例えば、塩化アルミニウム)の存在下
にフリース転位反応に付すことにより製することができ
る。
【0134】また化合物(VI)のYが炭素数2以上の
低級アルキル基である化合物は、例えば下式で示される
工程により製することができる。
【0135】
【化41】
【0136】(式中、Y1は低級アルケニル基を表し、
他の記号は前記と同一意味を有する。) すなわち、まず3,5−ジメトキシアニリンを酢酸中、
塩酸の存在下で亜硝酸ナトリウムを用いてジアゾニウム
塩とした後、ヨウ化カリウムを作用させ、ジメトキシヨ
ードベンゼンを製する。この化合物を酢酸中、臭化水素
酸で処理して脱メチル化し、ついで生じたフェノール性
水酸基を無水酢酸等を用いてアセチル化し、ジアセトキ
シヨードベンゼンを製する。その後、トリブチル低級ア
ルケニルスズをパラジウム触媒(例えば、二塩化ビス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II))の存
在下に反応させ、一般式(VII)で示されるジアセト
キシ低級アルケニルベンゼンを製する。この化合物を接
触還元に付した後、得られたジアセトキシ低級アルキル
ベンゼン(VIII)を塩化アルミニウム等のルイス酸
の存在下、フリース転位反応に付すことにより、化合物
(VI)を製することができる。
【0137】さらにまた、原料化合物であるジアセトキ
シ低級アルキルベンゼン(VIII)は、下式のように
して製することもできる。
【0138】
【化42】
【0139】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。) すなわち、まず、3,5−ジメトキシベンズアルデヒド
からウィティッヒ反応等によりジメトキシ低級アルケニ
ルベンゼンを製する。この化合物を接触還元してジメト
キシ低級アルキルベンゼンとしたのち、酢酸中、臭化水
素酸で処理して脱メチル化しジヒドロキシ低級アルキル
ベンゼンを製する。ついで、ジヒドロキシ低級アルキル
ベンゼンを無水酢酸等を用いてアセチル化することによ
り化合物(VIII)を製することができる。
【0140】本発明において、低級アルキル基とは、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、
炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味
し、好ましくは炭素数1〜4のものを意味する。低級ア
ルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基等、炭素数1〜6の直鎖または
分岐鎖のアルコキシ基を意味し、好ましくは炭素数1〜
4のものを意味する。低級アルカノイル基とは、例えば
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等、炭素数2
〜6の直鎖または分岐鎖のアルカノイル基を意味し、好
ましくは炭素数2〜4のものを意味する。低級アルキリ
デン基とはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデ
ン基等、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキリデ
ン基を意味し、好ましくは炭素数1〜4のものを意味す
る。
【0141】また、本明細書中、β−D−グルコピラノ
シル基とは、下式
【0142】
【化43】
【0143】で示される構造を表す。
【0144】
【実施例】
実施例1 2’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−
D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−
4’−メチルアセトフェノン120gを、水冷したエタ
ノール1.2lと50%水酸化カリウム水溶液240g
の混液に加え、溶解し、5−ホルミルベンゾ[b]フラ
ン42.4gを加え、アルゴン雰囲気下、室温で一晩撹
拌する。反応液に4−ジメチルアミノピリジン29.5
g及び10%白金−炭素23.58gを加え、水素常圧
下、室温で4.5時間撹拌する。触媒を濾去し、濾液を
トルエンで洗浄し、氷冷下、18%塩酸で酸性とした
後、酢酸エチルで抽出する。得られた有機層を水、飽和
重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、洗浄した水層は酢酸
エチルで抽出し、有機層をあわせて、乾燥後、減圧下に
濃縮し、残渣を水−エタノールより結晶化させ、3−
(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(β−D−グル
コピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチ
ルプロピオフェノン82.4gを得る。
【0145】融点:152.5−154℃ ESI−MS(m/z):476[(M+NH4+] IR(nujol,cm-1):3560,3510,3
350,3270,1630 NMR(DMSO−d6)δ:2.24(3H,s),
3.00(2H,t,J=7.4,結合定数Jの単位は
Hzである。以下同じ。),3.1−3.5(7H,
m),3.71(1H,ddd,J=2.0,5.5,
12),4.59(1H,t,J=5.8),4.98
(1H,d,J=7.3),5.05(1H,d,J=
5.1),5.12(1H,d,J=4.6),5.2
9(1H,d,J=5.1),6.40(1H,d,J
=0.4),6.54(1H,s),6.88(1H,
dd,J=0.9,2.2),7.22(1H,dd,
J=1.8,8.4),7.46(1H,d,J=8.
6),7.53(1H,d,J=1.5),7.93
(1H,d,J=2.2),11.90(1H,s)。
【0146】実施例2 (1)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(β
−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−
4’−メチルプロピオフェノン2.50gをアセトン2
0mlに溶解し、炭酸カリウム2.13g、アリルブロ
ミド933mgを加え、6時間加熱環流する。冷却後、
反応液を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層
を水洗、乾燥後、溶媒を留去する。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホ
ルム/メタノール)で精製して、3−(5−ベンゾ
[b]フラニル)−2’−(β−D−グルコピラノシル
オキシ)−6’−アリルオキシ−4’−メチルプロピオ
フェノン1.63gを得る。
【0147】ESI−MS(m/z):521[(M+
Na)+],516[(M+NH4+] IR(neat,cm-1):3019,1691,16
09 NMR(DMSO−d6)δ:2.28(3H,s),
2.92−3.02(2H,m),3.04−3.32
(6H,m),3.40−3.50(1H,m),3.
66−3.74(1H,m),4.50(2H,dt,
J=1.5,5.0),4.57(1H,t(b
r)),4.87(1H,d,J=7.7),5.03
(1H,d,J=4.8),5.09(1H,d(b
r)),5.16(1H,ddt,J=10.4,1.
7,1.5Hz),5.23(1H,br),5.26
(1H,ddt,J=17.4,1.7,1.5),
5.90(1H,ddt,J=17.4,10.4,
5.0),6.56(1H,s),6.66(1H,
s),6.88(1H,dd,J=0.9,2.2),
7.18(1H,dd,J=1.7,8.4),7.4
5(1H,d,J=8.4),7.49(1H,d,J
=1.3),7.93(1H,d,J=2.2)。
【0148】(2)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)
−2’−(β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−
アリルオキシ−4’−メチルプロピオフェノン500m
gを2,4,6−コリジン5mlに溶かし、ドライアイ
ス−アセトンにて−40℃に冷却し、撹拌しながらメチ
ルクロロホルメート114mgのジクロロメタン0.5
ml溶液を滴下する。−40℃で1時間、次いで室温で
1.5時間撹拌する。反応液を冷10%クエン酸水に注
ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層を水洗、乾燥後、溶
媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール)
で精製し、3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−
(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノ
シルオキシ)−6’−アリルオキシ−4’−メチルプロ
ピオフェノン487mgを得る。
【0149】ESI−MS(m/z):579[(M+
Na)+] IR(neat,cm-1):3401,1751,16
09 NMR(DMSO−d6)δ:2.27(3H,s),
2.92−2.99(2H,m),3.02−3.32
(5H,m),3.57−3.62(1H,m),3.
64(3H,s),4.13(1H,dd,J=6.
8,11.4),4.38(1H,dd,J=1.7,
11.4),4.50(2H,dt,J=5.0,1.
5),4.91(1H,d,J=7.7),5.16
(1H,ddt,J=10.6,1.8,1.5),
5.21(1H,d,J=5.0),5.26(1H,
ddt,J=17.4,1.7,1.6),5.35
(2H,d,J=5.7),5.89(1H,ddt,
J=17.2,10.6,4.9),6.57(1H,
s),6.61(1H,s),6.87(1H,dd,
J=0.9,2.2),7.16(1H,dd,J=
1.8,8.4),7.45(1H,d,J=8.
4),7.47(1H,s),7.93(1H,d,J
=2.0)。
【0150】(3)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)
−2’−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グル
コピラノシルオキシ)−6’−アリルオキシ−4’−メ
チルプロピオフェノン470mgをアセトニトリル7m
lに溶解し、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(II)17.7mgとギ酸アンモニウム31
9mgを加え、一晩加熱環流する。冷却後、不溶物を濾
去し、濾液を濃縮した後、残渣に酢酸エチルと水を加
え、有機層を分取する。水洗、乾燥後、溶媒を留去し
て、得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール)で精製し
て、3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(6−
O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシルオ
キシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオフェ
ノン370mgを得る。
【0151】ESI−MS(m/z):539[(M+
Na)+],534[(M+NH4+] IR(nujol,cm-1):3200−3500,1
714 NMR(DMSO−d6)δ:2.23(3H,s),
2.99(2H,t,J=7.4),3.14−3.4
2(5H,m),3.65(3H,s),3.63−
3.69(1H,m),4.16(1H,dd,J=
6.6,11.5),4.39(1H,dd,J=2.
0,11.5),5.02(1H,d,J=7.5),
5.25(1H,d,J=5.0),5.37(1H,
d,J=5.3),5.39(1H,d,J=5.
3),6.42(1H,s),6.50(1H,s),
6.88(1H,dd,J=0.9,2.2),7.2
0(1H,dd,J=1.7,8.4),7.47(1
H,d,J=8.4),7.51(1H,d,J=1.
3),7.93(1H,d,J=2.2),11.80
(1H,s)。
【0152】実施例3−9 (1)実施例2−(2)と同様にして、対応する原料化
合物から表1〜4に記載の化合物を得る。
【0153】
【表1】
【0154】
【表2】
【0155】
【表3】
【0156】
【表4】
【0157】(2)実施例2−(3)と同様にして、表
5〜8記載の化合物を得る。
【0158】
【表5】
【0159】
【表6】
【0160】
【表7】
【0161】
【表8】
【0162】実施例10 3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(β−D−
グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−
メチルプロピオフェノン400mgをトリメチルオルト
アセテート5mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸ピ
リジニウム22mgを加え、室温で1時間撹拌する。反
応液に酢酸エチルを加えて希釈し、飽和重曹水に注ぐ。
有機層を分取し、水洗、乾燥後、溶媒を留去する。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
溶媒:クロロホルム/メタノール)で精製して、3−
(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(4,6−O−
(1−メトキシエチリデン)−β−D−グルコピラノシ
ルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオ
フェノン320mgを得る。
【0163】ESI−MS(m/z):537[(M+
Na)+],515[(M+H)+] IR(nujol,cm-1):3423,1631 NMR(DMSO−d6)δ:1.40(3H,s),
2.25(3H,s),2.99(2H,t,J=7.
5),3.23(3H,s),3.26−3.82(8
H,m),5.18(1H,d,J=7.7),5.3
8(1H,d,J=5.3),5.61(1H,d,J
=5.7),6.41(1H,s),6.55(1H,
s),6.84(1H,dd,J=0.9,2.2),
7.19(1H,dd,J=1.7,8.4),7.4
7(1H,d,J=8.4),7.51(1H,d,J
=1.3),7.94(1H,d,J=2.2),1
1.7(1H,s)。
【0164】実施例11 (1)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(β
−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−
4’−メチルプロピオフェノン1.87gをジクロロメ
タン36mlに懸濁し、室温でp−トルエンスルホン酸
78mgとベンズアルデヒドジメチルアセタール930
mgを加え、室温で1.5時間撹拌する。溶媒を留去
し、酢酸エチルと飽和重曹水を加え、有機層を分取す
る。有機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去し、得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:
クロロホルム/アセトン)で精製して、3−(5−ベン
ゾ[b]フラニル)−2’−(4,6−O−ベンジリデ
ン−β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロ
キシ−4’−メチルプロピオフェノン2.03gを得
る。
【0165】ESI−MS(m/z):569[(M+
Na)+],547[(M+H)+] IR(neat,cm-1):3450,1631 NMR(DMSO−d6)δ:2.09(3H,s),
3.01(2H,t,J=7.4),3.34−3.4
8(4H,m),3.58−3.70(3H,m),
4.23(1H,m),5.22(1H,d,J=7.
7),5.51(1H,d,J=4.9),5.59
(1H,s),5.64(1H,d,J=5.5),
6.42(1H,s),6.59(1H,s),6.9
0(1H,dd,J=0.9,2.2),7.22(1
H,dd,J=1.8,8.4),7.36−7.53
(7H,m),7.95(1H,d,J=2.2),1
1.80(1H,s)。
【0166】(2)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)
−2’−(4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコ
ピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチル
プロピオフェノン1.00gをN,N−ジメチルホルム
アミド10mlに溶解し、イミダゾール747mg、t
−ブチルジメチルクロロシラン827mgを加えて、室
温で13時間撹拌する。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチ
ルで抽出する。有機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去し、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキ
サン/酢酸エチル)で精製して、3−(5−ベンゾ
[b]フラニル)−2’−(3−O−t−ブチルジメチ
ルシリル−4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコ
ピラノシルオキシ)−6’−t−ブチルジメチルシリル
オキシ−4’−メチルプロピオフェノン1.06gを得
る。
【0167】FAB−MS(m/z):797[(M+
Na)+] IR(nujol,cm-1):3459,1691,1
610 NMR(DMSO−d6)δ:0.01(3H,s),
0.08(3H,s),0.18(6H,s),0.8
6(9H,s),0.89(9H,s),2.28(3
H,s),2.93−3.02(2H,m),3.04
−3.15(2H,m),3.28(1H,m),3.
44(1H,m),3.62(2H,m),3.74
(1H,t,J=8.8),4.18(1H,m),
5.18(1H,d,J=7.9),5.56(1H,
d,J=7.0),5.58(1H,s),6.40
(1H,s),6.71(1H,s),6.88(1
H,dd,J=0.9,2.2),7.17(1H,d
d,J=1.8,8.6),7.36−7.49(7
H,m),7.93(1H,d,J=2.2)。
【0168】(3)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)
−2’−(3−O−t−ブチルジメチルシリル−4,6
−O−ベンジリデン−β−D−グルコピラノシルオキ
シ)−6’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−4’−
メチルプロピオフェノン1.04gをピリジン5.4m
lに溶解し、無水酢酸2.7mlを加え、室温で一晩撹
拌する。反応液を10%冷クエン酸水に注ぎ、酢酸エチ
ルで抽出する。有機層を水、飽和重曹水で洗浄後、乾
燥、溶媒を留去し、3−(5−ベンゾ[b]フラニル)
−2’−(2−O−アセチル−3−O−t−ブチルジメ
チルシリル−4,6−O−ベンジリデン−β−D−グル
コピラノシルオキシ)−6’−t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ−4’−メチルプロピオフェノン1.09gを
得る。
【0169】ESI−MS(m/z):840[(M+
Na)+] IR(neat,cm-1):1753,1705,16
09 NMR(DMSO−d6)δ:−0.04(3H,
s),0.00(3H,s),0.17(3H,s),
0.17(3H,s),0.78(9H,s),0.8
6(9H,s),2.02(3H,s),2.28(3
H,s),2.80−3.02(4H,m),3.62
(1H,t,J=9.0),3.70−3.85(2
H,m),4.04(1H,t,J=9.2),4.2
9(1H,dd,J=3.7,8.8),4.93(1
H,t,J=9.0),5.38(1H,d,J=8.
1),5.65(1H,s),6.42(1H,s),
6.65(1H,s),6.90(1H,dd,J=
0.9,2.2),7.15(1H,dd,J=1.
8,8.6),7.37−7.47(6H,m),7.
50(1H,d,J=8.6),7.94(1H,d,
J=2.2)。
【0170】(4)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)
−2’−(2−O−アセチル−3−O−t−ブチルジメ
チルシリル−4,6−O−ベンジリデン−β−D−グル
コピラノシルオキシ)−6’−t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ−4’−メチルプロピオフェノン1.07gを
テトラヒドロフラン23mlと酢酸2.3mlの混合液
に溶解し、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド
685mgを加え、室温で25分撹拌する。反応液を濃
縮し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解して氷水に注
ぐ。有機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去して、3−(5
−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(2−O−アセチル
−3−O−t−ブチルジメチルシリル−4,6−O−ベ
ンジリデン−β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’
−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオフェノン968m
gを得る。
【0171】FAB−MS(m/z):725[(M+
Na)+] IR(neat,cm-1):1753,1634 NMR(DMSO−d6)δ:−0.05(3H,
s),0.00(3H,s),0.78(9H,s),
2.03(3H,s),2.24(3H,s),2.9
2−2.99(2H,m),3.05−3.11(2
H,m),3.60(1H,t,J=9.1),3.7
2(1H,t,J=9.3),3.77−3.85(1
H,m),4.04(1H,m),4.27(1H,d
d,J=4.2,9.2),4.95(1H,t,J=
8.5),5.46(1H,d,J=8.1),5.6
4(1H,s),6.42(1H,s),6.52(1
H,s),6.89(1H,dd,J=0.9,2.
2),7.20(1H,dd,J=1.7,8.3),
7.36−7.46(5H,m),7.50(1H,
d,J=8.3),7.51(1H,m),7.94
(1H,d,J=2.2),10.7(1H,s)。
【0172】(5)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)
−2’−(2−O−アセチル−3−O−t−ブチルジメ
チルシリル−4,6−O−ベンジリデン−β−D−グル
コピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチ
ルプロピオフェノン958mgを酢酸35mlに溶解
し、水4ml、p−トルエンスルホン酸75mgを加え
て、室温で4日間撹拌する。反応液を氷水700mlに
注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層を水洗、乾燥後、
溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール)で精製し
て、3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(2−
O−アセチル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−
6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオフェノン42
0mgを得る。
【0173】融点:160℃〜(徐々に溶融) ESI−MS(m/z):518[(M+NH4+] IR(nujol,cm-1):3100−3510,1
752 NMR(DMSO−d6)δ:1.99(3H,s),
2.22(3H,s),2.90−2.97(2H,
m),3.03−3.11(2H,m),3.21−
3.31(1H,m),3.42−3.53(3H,
m),3.72(1H,m),4.67(1H,t,J
=5.6),4.78(1H,dd,J=8.2,9.
5),5.20(1H,d,J=8.1),5.28
(1H,d,J=5.3),5.36(1H,d,J=
5.5),6.39(1H,s),6.52(1H,
s),6.88(1H,dd,J=0.9,2.2),
7.18(1H,dd,J=1.7,8.4),7.4
7(1H,d,J=8.4),7.50(1H,d,J
=1.3),7.93(1H,d,J=2.2),1
0.86(1H,s)。
【0174】実施例12 (1)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−
(4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコピラノシ
ルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオ
フェノン2.02gをピリジン20mlに溶解し、無水
酢酸2.27gを加え、室温で4.5時間撹拌する。反
応液を10%冷クエン酸水に注ぎ、酢酸エチルで抽出す
る。有機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去し、3−(5−
ベンゾ[b]フラニル)−2’−(2,3−ジ−O−ア
セチル−4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコピ
ラノシルオキシ)−6’−アセトキシ−4’−メチルプ
ロピオフェノン2.37gを得る。
【0175】融点:200−203℃ ESI−MS(m/z):690[(M+NH4+] IR(nujol,cm-1):1764,1747,1
699,1619 NMR(DMSO−d6)δ:1.94(3H,s),
2.01(3H,s),2.02(3H,s),2.3
4(3H,s),2.87−3.03(4H,m),
3.76(1H,t,J=9.9),3.90(1H,
t,J=9.4),3.97(1H,dd,J=4.
5,9.9),4.44(1H,dd,J=4.6,1
0.0),5.07(1H,dd,J=7.9,8.
1),5.40(1H,t,J=9.4),5.63
(1H,s),5.68(1H,d,J=7.9),
6.74(1H,s),6.91(1H,dd,J=
0.9,2.2),7.00(1H,s),7.17
(1H,dd,J=1.8,8.6),7.39(5
H,s),7.49(1H,d,J=1.3),7.5
1(1H,d,J=8.4),7.95(1H,d,J
=2.2)。
【0176】(2)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)
−2’−(2,3−ジ−O−アセチル−4,6−O−ベ
ンジリデン−β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’
−アセトキシ−4’−メチルプロピオフェノン2.04
gを酢酸60mlに懸濁し、水6mlとp−トルエンス
ルホン酸58mgを加えて、室温で20時間撹拌する。
反応液を氷水800mlに注ぎ、1時間放置した後、沈
殿してきたアメ状の不溶物を濾取する。得られた生成物
を酢酸エチルに溶解し、有機層を飽和重曹水で洗浄、乾
燥後、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタ
ノール)で精製して、3−(5−ベンゾ[b]フラニ
ル)−2’−(2,3−ジ−O−アセチル−β−D−グ
ルコピラノシルオキシ)−6’−アセトキシ−4’−メ
チルプロピオフェノン1.72gを得る。
【0177】ESI−MS(m/z):602[(M+
NH4+] IR(nujol,cm-1):3404,1751 NMR(DMSO−d6)δ:1.87(3H,s),
2.00(3H,s),2.00(3H,s),2.3
1(3H,s),2.84−3.11(4H,m),
3.48−3.57(2H,m),3.64−3.77
(2H,m),4.77(1H,t,J=5.8),
4.89(1H,dd,J=8.1,9.7),5.1
0(1H,t,J=9.7),5.50(1H,d,J
=8.1),5.59(1H,d,J=5.7),6.
70(1H,s),6.89(1H,dd,J=0.
9,2.2),7.00(1H,s),7.16(1
H,dd,J=1.5,8.5),7.47−7.50
(2H,m),7.94(1H,d,J=2.2)。
【0178】実施例13 (1)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−
(2,3−ジ−O−アセチル−4,6−O−ベンジリデ
ン−β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−アセト
キシ−4’−メチルプロピオフェノン671mgをテト
ラヒドロフラン5ml、メタノール5ml、水0.1m
lの混液に溶解し、重曹419mgを加えて、室温で3
0時間撹拌する。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出
する。有機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去する。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶
媒:ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、3−(5−ベ
ンゾ[b]フラニル)−2’−(2,3−ジ−O−アセ
チル−4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコピラ
ノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロ
ピオフェノン410mgを得る。
【0179】融点:187−189℃ ESI−MS(m/z):648[(M+NH4+] IR(neat,cm-1):1754,1633 NMR(DMSO−d6)δ:1.97(3H,s),
2.01(3H,s),2.25(3H,s),2.9
0−2.98(2H,m),3.01−3.09(2
H,m),3.76(1H,t,J=9.9),3.8
8(1H,t,J=9.4),3.95(1H,dd,
J=4.6,9.5),4.32(1H,dd,J=
4.6,10.1),5.05(1H,dd,J=7.
9,9.3),5.40(1H,t,J=9.3),
5.63(1H,s),5.63(1H,d,J=7.
9),6.43(1H,s),6.53(1H,s),
6.90(1H,dd,J=0.9,2.2),7.1
9(1H,dd,J=1.7,8.6),7.39(5
H,s),7.50(2H,m),7.95(1H,
d,J=2.2),10.70(1H,s)。
【0180】(2)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)
−2’−(2,3−ジ−O−アセチル−4,6−O−ベ
ンジリデン−β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’
−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオフェノン395m
gを酢酸14mlに溶解し、水1.4mlとp−トルエ
ンスルホン酸12mgを加え、室温で2日間撹拌する。
反応液を氷水に注ぎ、1時間放置する。析出した無色沈
殿物を濾取し、酢酸エチルに溶解し、水洗、乾燥後、溶
媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール)
で精製して、3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’
−(2,3−ジ−O−アセチル−β−D−グルコピラノ
シルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピ
オフェノン297mgを得る。
【0181】融点:151−153℃ ESI−MS(m/z):560[(M+NH4+] IR(nujol,cm-1):3543,3288,1
751,1729 NMR(DMSO−d6)δ:1.91(3H,s),
1.99(3H,s),2.23(3H,s),2.8
9−2.96(2H,m),3.02−3.09(2
H,m),3.46−3.80(4H,m),4.75
(1H,t,J=5.7),4.88(1H,dd,J
=8.0,9.8),5.09(1H,t,J=9.
4),5.43(1H,d,J=8.0),5.58
(1H,d,J=5.7),6.41(1H,s),
6.54(1H,s),6.88(1H,dd,J=
0.9,2.2),7.17(1H,dd,J=1.
8,8.4),7.47(1H,d,J=8.9),
7.49(1H,s),7.94(1H,d,J=2.
2),10.48(1H,s)。
【0182】実施例14 (1)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−
(4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコピラノシ
ルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオ
フェノン600mgをN,N−ジメチルアセトアミド4
mlに溶解し、トリエチルアミン123mgを加え、氷
冷下でメチルクロロホルメート115mgのN,N−ジ
メチルアセトアミド2ml溶液を40分かけて滴下す
る。同温で10分撹拌し、反応液を冷10%クエン酸水
中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層を水洗、乾燥
後、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノ
ール)で精製して、3−(5−ベンゾ[b]フラニル)
−2’−(4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコ
ピラノシルオキシ)−6’−メトキシカルボニルオキシ
−4’−メチルプロピオフェノン637mgを得る。
【0183】ESI−MS(m/z):622[(M+
NH4+] IR(nujol,cm-1):3383,1762,1
689,1618 NMR(DMSO−d6)δ:2.34(3H,s),
2.92−2.98(2H,m),3.05−3.25
(2H,m),3.33−3.47(2H,m),3.
54−3.70(3H,m),3.75(3H,s),
4.22(1H,m),5.28(1H,d,J=7.
9),5.51(1H,d,J=5.3),5.57
(1H,s),5.68(1H,d,J=5.9),
6.81(1H,s),6.91(1H,dd,J=
0.9,2.2),7.09(1H,s),7.19
(1H,dd,J=1.7,8.6),7.37−7.
48(5H,m),7.50(1H,d,J=8.
6),7.50(1H,d,J=1.7),7.95
(1H,d,J=2.2)。
【0184】(2)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)
−2’−(4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコ
ピラノシルオキシ)−6’−メトキシカルボニルオキシ
−4’−メチルプロピオフェノン618mgを酢酸60
mlに溶解し、水1.4mlとp−トルエンスルホン酸
19mgを加え、室温で一晩撹拌する。反応液を氷水に
注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層を飽和重曹水で洗
浄、乾燥後、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム
/メタノール)で精製し、3−(5−ベンゾ[b]フラ
ニル)−2’−(β−D−グルコピラノシルオキシ)−
6’−メトキシカルボニルオキシ−4’−メチルプロピ
オフェノン428mgを得る。
【0185】ESI−MS(m/z):534[(M+
NH4+] IR(neat,cm-1):3387,1765 NMR(DMSO−d6)δ:2.32(3H,s),
2.90−2.98(2H,m),3.09−3.50
(7H,m),3.67−3.74(1H,m),3.
74(3H,s),4.60(1H,t,J=5.
7),5.04(1H,d,J=7.5),5.08
(1H,d,J=5.3),5.15(1H,d,J=
4.9),5.37(1H,d,J=5.5),6.7
8(1H,m),6.88(1H,dd,J=0.9,
2.2),7.03(1H,s),7.19(1H,d
d,J=1.8,8.4),7.46(1H,d,J=
8.4),7.51(1H,d,J=1.3),7.9
3(1H,d,J=2.2)。
【0186】実施例15 (1)実施例14−(1)と同様にして、対応原料化合
物から3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−
(4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコピラノシ
ルオキシ)−6’−アセトキシ−4’−メチルプロピオ
フェノンを得る。
【0187】ESI−MS(m/z):606[(M+
NH4+] IR(nujol,cm-1):3367,1767,1
690,1617 NMR(DMSO−d6)δ:2.03(3H,s),
2.33(3H,s),2.92−3.00(2H,
m),3.05−3.73(7H,m),4.17−
4.27(1H,m),5.26(1H,d,J=7.
7),5.50(1H,d,J=5.3),5.58
(1H,s),5.68(1H,d,J=5.9),
6.68(1H,m),6.91(1H,dd,J=
0.9,2.2),7.05(1H,s),7.19
(1H,dd,J=1.6,8.6),7.37−7.
52(7H,m),7.95(1H,d,J=2.
2)。
【0188】(2)実施例14−(2)と同様にして、
3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(4,6−
O−ベンジリデン−β−D−グルコピラノシルオキシ)
−6’−アセトキシ−4’−メチルプロピオフェノンか
ら3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(β−D
−グルコピラノシルオキシ)−6’−アセトキシ−4’
−メチルプロピオフェノンを得る。
【0189】ESI−MS(m/z):518[(M+
NH4+] IR(neat,cm-1):3393,1769,16
91,1618、1198 NMR(DMSO−d6)δ:2.02(3H,s),
2.30(3H,s),2.89−3.02(2H,
m),3.06−3.51(7H,m),3.67−
3.75(1H,m),4.58(1H,t,J=5.
7),5.02(1H,d,J=7.3),5.05
(1H,d,J=5.1),5.12(1H,d,J=
4.8),5.34(1H,d,J=5.5),6.6
4(1H,s),6.88(1H,dd,J=0.9,
2.2),6.99(1H,s),7.19(1H,d
d,J=1.7,8.4),7.47(1H,d,J=
8.4),7.51(1H,d,J=1.3),7.9
3(1H,d,J=2.0)。
【0190】実施例16 3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(β−D−
グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−
メチルプロピオフェノン500mgを、N,N−ジメチ
ルアセトアミド3.5mlに溶解し、トリエチルアミン
315mgを加え、氷冷下でアセチルクロリド282m
gを滴下して、氷冷下で30分、室温で一晩撹拌する。
反応液を10%冷クエン酸水に注ぎ、酢酸エチルで抽出
する。有機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム
/メタノール)で精製して、3−(5−ベンゾ[b]フ
ラニル)−2’−(6−O−アセチル−β−D−グルコ
ピラノシルオキシ)−6’−アセトキシ−4’−メチル
プロピオフェノン304mgを得る。
【0191】ESI−MS(m/z):560[(M+
NH4+] IR(neat,cm-1):3417,1769,17
40,1695、1618 NMR(DMSO−d6)δ:1.97(3H,s),
2.02(3H,s),2.31(3H,s),2.8
8−2.98(2H,m),3.04−3.32(5
H,m),3.62−3.70(1H,m),4.03
(1H,dd,J=7.2,14.1),4.35(1
H,dd,J=1.8,11.7),5.04(1H,
d,J=7.5),5.25(1H,d,J=4.
9),5.34(1H,d,J=5.3),5.44
(1H,d,J=5.5),6.67(1H,s),
6.88(1H,dd,J=0.9,2.2),6.9
5(1H,s),7.18(1H,dd,J=1.8,
8.4),7.47(1H,d,J=8.4),7.5
0(1H,d,J=1.5),7.94(1H,d,J
=2.2)。
【0192】実施例17 (1)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(β
−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−
4’−メチルプロピオフェノン3.0gを2,4,6−
コリジン33mlに溶解し、ドライアイス−アセトンに
て−40℃に冷却し、撹拌しながら4−ニトロフェニル
クロロホルメート1.71gのジクロロメタン8.6m
l溶液を滴下する。−40℃で1時間30分、室温で1
時間撹拌した後、53℃で3時間撹拌する。放冷後、反
応液を冷10%塩酸に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有
機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去する。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロ
ロホルム/アセトン)で精製して、3−(5−ベンゾ
[b]フラニル)−2’−(4,6−O−カルボニル−
β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ
−4’−メチルプロピオフェノン2.16gを得る。
【0193】FAB−MS(m/z):507[(M+
Na)+],485[(M+H)+] IR(nujol,cm-1):3386,1753,1
630 NMR(DMSO−d6)δ:2.25(3H,s),
2.99(2H,t,J=7.4),3.30−3.4
0(3H,m),3.64(1H,m),4.09−
4.21(2H,m),4.26(1H,dd,J=
9.3,9.7),4.49(1H,dd,J=5.
3,9.2),5.26(1H,d,J=7.9),
5.80(1H,d,J=5.9),5.86(1H,
d,J=5.7),6.43(1H,s),6.55
(1H,s),6.89(1H,dd,J=0.9,
2.2),7.19(1H,dd,J=1.8,8.
6),7.49(1H,d,J=8.6),7.50
(1H,d,J=1.9),7.94(1H,d,J=
2.2),11.6(1H,s)。
【0194】(2)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)
−2’−(4,6−O−カルボニル−β−D−グルコピ
ラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプ
ロピオフェノン2.13gをメタノール40mlに溶解
し、p−トルエンスルホン酸84mgを加え、室温で1
時間撹拌する。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹
水に注ぐ。有機層を分取し、水洗、乾燥後溶媒を留去す
る。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出溶媒:クロロホルム/アセトン)で精製して、
3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(4−O−
メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシルオキ
シ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオフェノ
ン986mgを得る。
【0195】ESI−MS(m/z):534[(M+
NH4+] IR(neat,cm-1):3459,1752,16
31 NMR(DMSO−d6)δ:2.24(3H,s),
3.00(2H,t,J=7.4),3.32−3.4
5(4H,m),3.49−3.60(2H,m),
3.66−3.73(1H,m),3.73(3H,
s),4.54(1H,t,J=9.6),4.82
(1H,t,J=5.6),5.12(1H,d,J=
7.7),5.52(1H,d,J=5.7),5.6
0(1H,d,J=5.7),6.44(1H,d,J
=0.6),6.56(1H,d,J=0.9),6.
90(1H,dd,J=0.9,2.2),7.22
(1H,dd,J=1.7,8.4),7.47(1
H,d,J=8.4),7.54(1H,d,J=1.
3),7.93(1H,d,J=2.2),11.8
(1H,s)。
【0196】実施例18 3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(β−D−
グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−
メチルプロピオフェノン10gの2,4,6−コリジン
100ml溶液に0℃でクロロギ酸メチル10.31g
を滴下し、0℃で23時間撹拌する。反応液を氷−10
%塩酸(300ml−300ml)に注ぎ、酢酸エチル
350mlにて抽出する。有機層を水、飽和重曹水、飽
和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を留去する。得られた
残渣(11.96g)をテトラヒドロフラン200ml
に溶解し、t−ブチルアミン20mlを加え、室温で4
時間撹拌する。反応液を氷−10%塩酸(150ml−
150ml)に注ぎ、酢酸エチル250mlにて抽出す
る。有機層を水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、乾
燥後、溶媒を留去する。残渣を水−ジエチルエーテル−
ジイソプロピルエーテルから2回再結晶することによ
り、3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(6
−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシル
オキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオフ
ェノン9.14gを得る。
【0197】融点:78−82℃ ESI−MS(m/z):534[(M+NH4+] IR(nujol,cm-1):3509,3401,3
172,1733,1669,1632,1611 NMR(DMSO−d6)は実施例2−(3)で得られ
た化合物と同一であった。
【0198】実施例19 3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(β−D−
グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−
メチルプロピオフェノン10gをエチレングリコールジ
メチルエーテル30mlに溶解し、炭酸ジメチル100
ml、Novozym 435(ノボ ノルディスク
バイオ インダストリー株式会社、デンマーク)2gと
モレキュラーシーブス4A粉末8gを加え、40℃で2
4時間、室温で14時間撹拌する。反応液をクロロホル
ムで希釈し、不溶物を濾去し、濾液を減圧乾固する。残
渣を酢酸エチルに溶解して、10%塩酸水、水、飽和重
曹水、飽和食塩水で順次洗浄後乾燥し、溶媒を留去す
る。残渣をエーテル−イソプロピルエーテル−水から3
回再結晶して、3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−
2’−(6 −O−メトキシカルボニル−β−D−グル
コピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチ
ルプロピオフェノン7.9gを得る。物性値は実施例1
8で得られた化合物と同一であった。
【0199】実施例20 実施例1と同様に処理することにより、対応する原料化
合物から3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−
(β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキ
シ−4’−エチルプロピオフェノンを得る。
【0200】融点:146−148.5℃ ESI−MS(m/z):490[(M+NH4+] IR(nujol,cm-1):3600−3200,1
633,1605 NMR(DMSO−d6)δ:1.15(3H,t,J
=7.5),2.55(2H,q,J=7.5),3.
00(2H,t,J=7.5),3.10−3.50
(7H,m),3.68−3.74(1H,m),4.
61(1H,t,J=5.5),4.98(1H,d,
J=7.5),5.06(1H,d,J=5.5),
5.14(1H,d,J=5.0),5.31(1H,
d,J=5.5),6.42(1H,d,J=1.
5),6.57(1H,d,J=1.5),6.88
(1H,dd,J=1.0,2.0),7.22(1
H,dd,J=2.0,8.5),7.46(1H,
d,J=8.5),7.53(1H,d,J=2.
0),7.93(1H,d,J=2.0),11.90
(1H,s)。
【0201】実施例21 2’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−
D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−
4’−メチルアセトフェノン100gを、水冷したエタ
ノール800mlと50%水酸化カリウム水溶液200
gの混液に溶かし、5−ホルミルベンゾ[b]フラン3
0.91gを加え、アルゴン雰囲気下、室温で一晩撹拌
する。反応液にN,N−ジメチルアセトアミド400m
l、無水ピペラジン17.35g及び10%パラジウム
−炭素(水分51.4%)9.4gを加え、水素常圧
下、室温で2時間撹拌する。触媒を濾去し、濾液をイソ
プロピルエーテルで洗浄し、氷冷下、18%塩酸で酸性
とした後、酢酸エチルで抽出する。得られた有機層を
水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、乾燥後、減
圧下に濃縮し、残渣を水−アセトニトリルより2回結晶
化し、得られた結晶66.86gに同様に反応して得た
結晶137.6gを加えた後、水−エタノールより再結
晶し、3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(β
−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−
4’−メチルプロピオフェノン195.70gを得る。
【0202】物性値は実施例1で得られた化合物と同一
であった。
【0203】実施例22 (1)実施例2−(1)で得られた3−(5−ベンゾ
[b]フラニル)−2’−(β−D−グルコピラノシル
オキシ)−6’−アリルオキシ−4’−メチルプロピオ
フェノン 300mgをテトラヒドロフラン3mlに溶
かし、氷冷下、2,4,6−コリジン315mgとジフ
ェニルクロロホスフェート486mgを加え、アルゴン
雰囲気下、室温で22時間撹拌する。反応液を氷冷した
10%クエン酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。
得られた有機層を水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗
浄し、乾燥後、減圧下に濃縮する。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホ
ルム/メタノール)で精製し、3−(5−ベンゾ[b]
フラニル)−2’−(6−O−ジフェニルホスホノ−β
−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−アリルオキシ
−4’−メチルプロピオフェノン327mgを得る。
【0204】ESI−MS(m/z):748[(M+
NH4)+] IR(nujol,cm-1):3396,1698,1
609 NMR(DMSO−d6)δ:2.17(3H,s),
2.95(2H,t,J=7.5),3.0−3.3
(5H,m),3.72(1H,dt,J=9.5,
2.5),4.30(1H,ddd,J=5.5,7.
5,11.5),4.52(2H,dt,J=1.5,
5.0),4.57(1H,ddd,J=3.5,5.
5,11.5),5.00(1H,d,J=7.5),
5.16(1H,ddt,J=11.0,3.5,1.
5),5.26(1H,ddt,J=17.5,3.
5,1.5),5.3−5.4(3H,br),5.8
9(1H,ddt,J=17.5,11.0,5.
0),6.55(1H,s),6.68(1H,s),
6.86(1H,dd,J=1.0,2.0),7.1
−7.2(7H,m),7.30(4H,dt,J=
8.0,1.5),7.44(1H,d,J=9.
5),7.45(1H,d,J=2.0),7.92
(1H,d,J=2.0) (2)(1)で得られた3−(5−ベンゾ[b]フラニ
ル)−2’−(6−O−ジフェニルホスホノ−β−D−
グルコピラノシルオキシ)−6’−アリルオキシ−4’
−メチルプロピオフェノン308mgをアセトニトリル
3mlに溶かし、ギ酸アンモニウム80mgと二塩化ビ
ス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)3m
gを加え、アルゴン雰囲気下、1.5時間加熱環流す
る。反応液を室温に戻し、氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽
出する。得られた有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄
し、乾燥後、減圧下に濃縮する。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホル
ム/メタノール)で精製し、3−(5−ベンゾ[b]フ
ラニル)−2’−(6−O−ジフェニルホスホノ−β−
D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−
4’−メチルプロピオフェノン246mgを得る。
【0205】ESI−MS(m/z):708[(M+
NH4)+] IR(nujol,cm-1):3405,1630,1
600 NMR(DMSO−d6)δ:2.13(3H,s),
2.98(2H,t,J=7.0),3.2−3.5
(5H,m),3.75−3.85(1H,m),4.
3−4.4(1H,m),4.55(1H,ddd,J
=3.5,5.5,11.5),5.10(1H,d,
J=8.0),5.29(1H,d,J=5.0),
5.41(1H,d,J=4.5),5.43(1H,
d,J=5.5),6.39(1H,d,J=1.
0),6.57(1H,d,J=1.0),6.85
(1H,dd,J=1.0,2.0),7.1−7.2
(7H,m),7.29(4H,dt,J=8.0,
2.5),7.44(1H,d,J=9.5),7.4
9(1H,d,J=2.0),7.92(1H,d,J
=2.0),11.84(1H,s) (3)3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(6
−O−ジフェニルホスホノ−β−D−グルコピラノシル
オキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオフ
ェノン764mgを1,4−ジオキサン33mlに溶か
し、0.1N―水酸化ナトリウム水溶液33mlを加
え、アルゴン雰囲気下、室温で2.5時間撹拌する。反
応液に塩化アンモニウム60mgを加え、減圧下、溶媒
を留去する。得られた残渣にエタノールを加え、不溶物
を濾別する。濾液にイソプロパノールを加え、析出物を
濾取し、3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−
(4,6−O−ホスフィニコ−β−D−グルコピラノシ
ルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオ
フェノンナトリウム327mgを得る。
【0206】ESI−MS(m/z):519[(M+
Na)+] IR(nujol,cm-1):3300,1625,1
612 NMR(DMSO−d6)δ:2.25(3H,s),
2.97(2H,t,J=7.5),3.3−3.9
(8H,m),5.15(1H,d,J=7.5),
5.40(1H,br),5.55(1H,br),
6.41(1H,s),6.55(1H,s),6.9
8(1H,dd,J=1.0,2.0),7.19(1
H,dd,J=1.5,8.5),7.49(1H,
d,J=8.5),7.51(1H,d,J=1.
5),7.92(1H,d,J=2.0) 参考例1 (1)オルシノール一水和物50gをピリジン400m
lに溶解し、無水酢酸133mlを加えて室温で17時
間撹拌する。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸
エチル500mlに溶解し、10%塩酸、水、飽和重曹
水、飽和食塩水で洗浄、乾燥後、溶媒を留去してオルシ
ノールジアセテート74gを得る。
【0207】EI−MS(m/z):208(M+) NMR(CDCl3)δ:2.27(6H,s),2.
35(3H,s),6.71(1H,t,J=1.
8),6.80(2H,m)。
【0208】(2)塩化アルミニウム19.2gをクロ
ロベンゼン50ml中、90℃に加熱し、そこにオルシ
ノールジアセテート10gのクロロベンゼン8ml溶液
を35分かけて滴下する。滴下後、同温で1時間撹拌し
た後、冷却し、反応液を氷−10%塩酸(100ml−
100ml)に注ぎ、30分撹拌する。酢酸エチル10
0mlを加え、有機層を分取し、水洗、乾燥後溶媒を留
去する。得られた残渣にヘキサン100mlを加え、室
温で30分撹拌した後、濾取、乾燥し、2’,6’−ジ
ヒドロキシ−4’−メチルアセトフェノン5.9gを得
る。融点:146−148℃。
【0209】参考例2 2’,6’−ジヒドロキシ−4’−メチルアセトフェノ
ン0.5g、炭酸カドミウム2.08g及びトルエン4
0mlの混合物をディーン・シュターク蒸留管(Die
n−Stark trap)で溶媒を除きながら還流す
る。溶媒を10ml除いた後、およそ80℃に冷却し、
次いで2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D
−グルコピラノシルブロミド2.48gを加え、一晩還
流する。冷却後、クロロホルムを加えて希釈し、不溶物
を濾別する。濾液を濃縮し、残渣をメタノールより結晶
化して、2’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチ
ル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロ
キシ−4’−メチルアセトフェノン735mgを得る。
【0210】融点:140−141.5℃ ESI−MS(m/z):514[(M+NH4+] IR(nujol,cm-1):1755,1725,1
650 NMR(DMSO−d6)δ:1.96(3H,s),
2.01(9H,s),2.26(3H,s),2.3
9(3H,s),4.05−4.22(2H,m),
4.28(1H,ddd,J=2.6,5.7,9.
9),5.00(1H,dd,J=9.5,9.9),
5.10(1H,dd,J=8.0,9.6),5.3
9(1H,t,J=9.5),5.64(1H,d,J
=8.1),6.46(1H,s),6.48(1H,
s),11.60(1H,s)。
【0211】参考例3 炭酸カリウム414gをクロロホルム1.3lに懸濁
し、そこへ水29mlをゆっくりと滴下する。次いで、
塩化トリブチルベンジルアンモニウム37gおよび
2’,6’−ジヒドロキシ−4’−メチルアセトフェノ
ン100gを加え、さらに、2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミド41
9gを加え、室温で撹拌する。27時間後、水21ml
を加えて、さらに2.5時間撹拌した後、氷冷下、18
%塩酸およそ500mlを加えて中和する。さらに10
%塩酸およそ200mlおよび水500mlを加えた
後、クロロホルム層を分取する。有機層を水、飽和食塩
水で洗浄後乾燥し、得られた有機層を濃縮する。残渣に
メタノール400mlを加え、再び濃縮する。およそ半
分が留去したところで残渣にメタノール2lを加え、若
干加熱した後、氷冷下で30分撹拌する。沈殿物を濾取
し、減圧下乾燥して、2’−(2,3,4,6−テトラ
−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−
6’−ヒドロキシ−4’−メチルアセトフェノン23
9.75gを得る。物性値は参考例2で得られた化合物
と同一であった。
【0212】参考例4 (1)3,5−ジメトキシアニリン1.0gを塩酸3m
l、酢酸2ml、水5mlに懸濁し、氷冷下亜硝酸ナト
リウム473mgの水5ml溶液を15分かけて滴下す
る。10分後、ヨウ化カリウム1.62gの水5ml溶
液を加え、80℃に加温し、1時間撹拌する。反応液を
ジエチルエーテルで抽出し、その抽出層を水洗、乾燥
後、溶媒を留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)で精製
し、得られた固体を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し
て、3,5−ジメトキシヨードベンゼン1.05gを得
る。融点:73−74℃。
【0213】(2)3,5−ジメトキシヨードベンゼン
1.19gを酢酸10mlに溶解し、室温で47%臭化
水素酸10mlを加え、15時間加熱還流する。反応液
を室温に戻し、減圧乾固し、残渣を酢酸エチルに溶解す
る。有機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去して、3,5−
ジヒドロキシヨードベンゼン1.06gを得る。
【0214】EI−MS(m/z):236(M+) IR(neat,cm-1):3325,1605 NMR(CDCl3)δ:5.22(2H,s),6.
31(1H,t,J=2.5),6.79(2H,d,
J=2.5)。
【0215】(3)3,5−ジヒドロキシヨードベンゼ
ン1.02gをピリジン2.8mlに溶解し、室温で無
水酢酸1.53gを加える。1時間撹拌後、反応液を1
0%クエン酸水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層
を水洗、乾燥後、溶媒を留去して、3,5−ジアセトキ
シヨードベンゼン1.37gを得る。
【0216】EI−MS(m/z):320(M+),
278,236 IR(neat,cm-1):1771,1586 NMR(CDCl3)δ:2.28(6H,s),6.
92(1H,t,J=2.0),7.36(2H,d,
J=2.0)。
【0217】(4)3,5−ジアセトキシヨードベンゼ
ン860mgを1,4−ジオキサン4mlに溶解し、室
温でビニルトリブチルスズ1.41gと二塩化ビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム(II)20mgを
加え、3時間加熱還流する。反応液を室温に戻し、酢酸
エチルで希釈し、10%フッ化カリウム水溶液を加え、
室温で30分撹拌する。不溶物を濾去後、酢酸エチルで
抽出する。有機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去する。得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製して、3,5−ジアセトキシスチレン585mgを得
る。
【0218】EI−MS(m/z):220(M+),
178,136 IR(neat,cm-1):1771,1610 NMR(CDCl3)δ:2.29(6H,s),5.
32(1H,d,J=11.0),5.74(1H,
d,J=17.0),6.65(1H,dd,J=1
1.0,17.0),6.82(1H,t,J=2.
0),7.03(2H,d,J=2.0)。
【0219】(5)3,5−ジアセトキシスチレン58
0mgを酢酸エチル6ml−エタノール2mlに溶解
し、10%パラジウム−炭素(水分51.4%)50m
gを触媒として常圧下接触還元を行う。2時間後、触媒
を濾去し、濾液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エ
チル)で精製して、1,3−ジアセトキシ−5−エチル
ベンゼン450mgを得る。
【0220】EI−MS(m/z):222(M+) IR(neat,cm-1):1771,1616 NMR(CDCl3)δ:1.23(3H,t,J=
7.5),2.28(6H,s),2.66(2H,
q,J=7.5),6.74(1H,t,J=2.
0),6.82(2H,d,J=2.0)。
【0221】(6)1,3−ジアセトキシ−5−エチル
ベンゼンを参考例1−(2)と同様に処理することによ
り、2’,6’−ジヒドロキシ−4’−エチルアセトフ
ェノンを得る。融点:121−123℃。
【0222】(7)2’,6’−ジヒドロキシ−4’−
エチルアセトフェノンを参考例3と同様に処理すること
により、2’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチ
ル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロ
キシ−4’−エチルアセトフェノンを得る。融点:12
5−127℃。
【0223】参考例5 (1)アルゴン雰囲気下、亜鉛粉末(純度85%)1
4.75gをN,N−ジメチルホルムアミド50mlに
懸濁し、50℃で撹拌しながら、塩化アセチル1.06
gを10分かけて滴下し、引き続き、15分撹拌する。
次いで、3,5−ジメトキシベンズアルデヒド10gの
ジブロモメタン15.69g溶液を20分かけて滴下
し、引き続き30分撹拌する。反応液を氷冷し、飽和塩
化アンモニウム水溶液40mlを滴下し、次いでジエチ
ルエーテルを加え、不溶物を濾別する。濾液をジエチル
エーテルで抽出し、その抽出層を10%塩酸、水、10
%水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、
乾燥後、溶媒を留去し、3,5−ジメトキシスチレン
8.29gを得る。
【0224】EI−MS(m/z):164(M+),
149,135,121 IR(neat,cm-1):1620,1595 NMR(CDCl3)δ:3.80(6H,s),5.
25(1H,dd,J=1.0,11.0),5.72
(1H,dd,J=1.0,17.5),6.39(1
H,t,J=2.5),6.57(2H,d,J=2.
5),6.64(1H,dd,J=11.0,17.
5)。
【0225】(2)3,5−ジメトキシスチレン8.2
9gをメタノール70mlと酢酸エチル10mlの混合
溶媒に溶解し、10%パラジウム−炭素(水分51.4
%)1.2gを触媒とし、常圧下接触還元を行う。1時
間後、触媒を濾去し、濾液を減圧下に濃縮し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサ
ン/酢酸エチル)で精製し、1,3−ジメトキシ−5−
エチルベンゼン7.07gを得る。
【0226】EI−MS(m/z):166(M+),
151,137 IR(neat,cm-1):1607,1596 NMR(CDCl3)δ:1.22(3H,t,J=
7.5),2.60(2H,q,J=7.5),3.7
8(6H,s),6.30(1H,t,J=2.5),
6.37(2H,d,J=2.5)。
【0227】(3)1,3−ジメトキシ−5−エチルベ
ンゼン7.69gを酢酸80mlに溶解し、室温で撹拌
しながら、47%臭化水素酸を加え、3時間加熱還流す
る。反応液を室温に戻し、減圧乾固し、残渣を酢酸エチ
ルに溶解する。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、
乾燥後、溶媒を留去する。残渣をジイソプロピルエーテ
ル−ヘキサンから再結晶して1,3−ジヒドロキシ−5
−エチルベンゼン5.94gを得る。融点:97−98
℃。
【0228】(4)1,3−ジヒドロキシ−5−エチル
ベンゼン5.92gをピリジン32mlに溶解し、室温
で撹拌しながら無水酢酸17.5gを加える。1時間
後、反応液を氷冷した10%塩酸に注ぎ、酢酸エチルで
抽出する。有機層を水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次
洗浄し、乾燥後、溶媒を留去して、1,3−ジアセトキ
シ−5−エチルベンゼン9.60gを得る。物性値は参
考例4−(5)で得られた化合物と同一であった。
【0229】EI−MS(m/z):222(M+),
180,138 IR(neat,cm-1):1771,1617 NMR(CDCl3)δ:1.23(3H,t,J=
7.5),2.28(6H,s),2.66(2H,
q,J=7.5),6.74(1H,t,J=2.
0),6.82(2H,d,J=2.0)。
【0230】
【発明の効果】本発明の化合物(I)またはその薬理的
に許容しうる塩は、腎臓でのグルコース再吸収阻害作用
に基づく尿糖増加作用により、優れた血糖降下作用を示
す。例えば、ラットに経口投与した場合、本発明化合物
はフロリジン投与の50〜250倍尿糖を増加させるこ
とができる。
【0231】また、本発明の目的物は、毒性が低く、さ
らに、体内での加水分解で生じるアグリコン部分の促通
拡散型糖輸送担体の阻害作用が弱いという特徴も有す
る。
【0232】このため、本発明の目的物は、高血糖を是
正し、グルコーストキシシティーの悪循環を断ち切るこ
とができ、糖尿病〔例えば、インスリン依存型糖尿病
(I型糖尿病)、インスリン非依存型糖尿病(II型糖
尿病)等の真性糖尿病〕の予防治療、或いは食後の過血
糖の是正に効果的に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 守 奈良県奈良市千代ヶ丘3丁目4−15 (72)発明者 奥 哲 埼玉県戸田市大字新曽2083番地の2ソフ ィア戸田107号室 (56)参考文献 特開 平9−188625(JP,A) 欧州特許出願公開773226(EP,A 1) 欧州特許出願公開684254(EP,A 1) Chemical & Pharma ceutical Bulletin; vol.46(No.1),p22−33 (1998) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 15/26 A61K 31/7034 A61P 3/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、OXは保護されていてもよい水酸基、Yは低級
    アルキル基、Zは1つもしくは複数の水酸基が保護され
    ていてもよいβ−D−グルコピラノシル基を表す。)で
    示されるプロピオフェノン誘導体またはその薬理的に許
    容しうる塩。
  2. 【請求項2】 Zが1つもしくは複数の水酸基がアシル
    化されていてもよいβ−D−グルコピラノシル基である
    か、2つの水酸基がその保護基とともに1−低級アルコ
    キシ低級アルキリデンジオキシ基、ベンジリデンジオキ
    シ基、ホスフィニコジオキシ基またはカルボニルジオキ
    シ基を形成しているβ−D−グルコピラノシル基である
    か、あるいは1つもしくは2つの水酸基がアシル化され
    ており、かつ、2つの水酸基がその保護基とともに1−
    低級アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基、ベンジリ
    デンジオキシ基、ホスフィニコジオキシ基またはカルボ
    ニルジオキシ基を形成しているβ−D−グルコピラノシ
    ル基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 Zが低級アルカノイル基、低級アルコキ
    シカルボニル基、低級アルコキシ低級アルカノイル基及
    び低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル基から選ば
    れる基で1つもしくは複数の水酸基がアシル化されてい
    てもよいβ−D−グルコピラノシル基であるか、あるい
    は2つの水酸基がその保護基とともに1−低級アルコキ
    シ低級アルキリデンジオキシ基または、ホスフィニコジ
    オキシ基を形成しているβ−D−グルコピラノシル基で
    ある請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Zが低級アルカノイル基、低級アルコキ
    シカルボニル基、低級アルコキシ低級アルカノイル基及
    び低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル基から選ば
    れる基で2位、2及び3位、4位または6位水酸基がア
    シル化されていてもよいβ−D−グルコピラノシル基で
    あるか、或いは4及び6位水酸基がその保護基とともに
    1−低級アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基または
    ホスフィニコジオキシ基を形成しているβ−D−グルコ
    ピラノシル基である請求項3記載の化合物。
  5. 【請求項5】 OXが水酸基、低級アルカノイルオキシ
    基または低級アルコキシカルボニルオキシ基であり、Z
    がβ−D−グルコピラノシル基、2−O−(低級アルカ
    ノイル)−β−D−グルコピラノシル基、2,3−ジ−
    O−(低級アルカノイル)−β−D−グルコピラノシル
    基、4−O−(低級アルコキシカルボニル)−β−D−
    グルコピラノシル基、6−O−(低級アルカノイル)−
    β−D−グルコピラノシル基、6−O−(低級アルコキ
    シカルボニル)−β−D−グルコピラノシル基、6−O
    −(低級アルコキシ低級アルカノイル)−β−D−グル
    コピラノシル基、6−O−(低級アルコキシ低級アルコ
    キシカルボニル)−β−D−グルコピラノシル基、4,
    6−O−(1−低級アルコキシ低級アルキリデン)−β
    −D−グルコピラノシル基または、4,6−O−ホスフ
    ィニコ−β−D−グルコピラノシル基である請求項4記
    載の化合物。
  6. 【請求項6】 OXが水酸基または低級アルカノイルオ
    キシ基、Zがβ−D−グルコピラノシル基、2,3−ジ
    −O−(低級アルカノイル)−β−D−グルコピラノシ
    ル基、4−O−(低級アルコキシカルボニル)−β−D
    −グルコピラノシル基、6−O−(低級アルコキシカル
    ボニル)−β−D−グルコピラノシル基、4,6−O−
    (1−低級アルコキシ低級アルキリデン)−β−D−グ
    ルコピラノシル基または、4,6−O−ホスフィニコ−
    β−D−グルコピラノシル基である請求項5記載の化合
    物。
  7. 【請求項7】 OXが水酸基、Yがメチル基またはエチ
    ル基、Zがβ−D−グルコピラノシル基、4−O−(低
    級アルコキシカルボニル)−β−D−グルコピラノシル
    基、6−O−(低級アルコキシカルボニル)−β−D−
    グルコピラノシル基、4,6−O−(1−低級アルコキ
    シ低級アルキリデン)−β−D−グルコピラノシル基ま
    たは4,6−O−ホスフィニコ−β−D−グルコピラノ
    シル基である請求項6記載の化合物。
  8. 【請求項8】 Zがβ−D−グルコピラノシル基または
    6−O−(低級アルコキシカルボニル)−β−D−グル
    コピラノシル基である請求項7記載の化合物。
  9. 【請求項9】3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’
    −(β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロ
    キシ−4’−メチルプロピオフェノンまたはその薬理的
    に許容しうる塩。
  10. 【請求項10】3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−
    2’−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコ
    ピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチル
    プロピオフェノンまたはその薬理的に許容しうる塩。
  11. 【請求項11】 一般式(II) 【化2】 (式中、OXは保護されていてもよい水酸基、Yは低級
    アルキル基、Zは1つもしくは複数の水酸基が保護され
    ていてもよいβ−D−グルコピラノシル基を表す。)で
    示される化合物を還元し、所望によりその薬理的に許容
    しうる塩とすることを特徴とする一般式(I) 【化3】 (式中、記号は前記と同一意味を有する。)で示される
    プロピオフェノン誘導体もしくはその薬理的に許容しう
    る塩の製法。
  12. 【請求項12】 一般式(I−a) 【化4】 (式中、OXは保護されていてもよい水酸基、Yは低級
    アルキル基を表す。)で示される化合物をアシル化し、
    所望によりその薬理的に許容しうる塩とすることを特徴
    とする一般式(I−b) 【化5】 (式中、R1はアシル基を表し、他の記号は前記と同一
    意味を有する。)で示される化合物またはその薬理的に
    許容しうる塩の製法。
  13. 【請求項13】 一般式(I−d) 【化6】 (式中、OXは保護されていてもよい水酸基、Yは低級
    アルキル基、R11OおよびR21Oは保護された水酸基を
    表す。)で示される化合物をアシル化した後、保護基を
    除去し、所望によりその薬理的に許容しうる塩とするこ
    とを特徴とする一般式(I−c) 【化7】 (式中、R3はアシル基を表し、他の記号は前記と同一
    意味を有する。)で示される化合物またはその薬理的に
    許容しうる塩の製法。
  14. 【請求項14】 一般式(I−f) 【化8】 (式中、OXは保護されていてもよい水酸基、Yは低級
    アルキル基、R11O、R21OおよびR31Oは保護された
    水酸基を表す。)で示される化合物をアシル化した後、
    保護基を除去し、所望によりその薬理的に許容しうる塩
    とすることを特徴とする一般式(I−e) 【化9】 (式中、R4はアシル基を表し、他の記号は前記と同一
    意味を有する。)で示される化合物またはその薬理的に
    許容しうる塩の製法。
  15. 【請求項15】 一般式(I−h) 【化10】 (式中、OXは保護されていてもよい水酸基、Yは低級
    アルキル基を表す。)で示される化合物と一般式(II
    I) R2OH (III) (式中、R2は低級アルキル基を表す。)で示される化
    合物を反応させ、ついで所望によりその薬理的に許容し
    うる塩とすることを特徴とする一般式(I−g) 【化11】 (式中、記号は前記と同一意味を有する。)で示される
    化合物またはその薬理的に許容しうる塩の製法。
  16. 【請求項16】 一般式(I−a) 【化12】 (式中、OXは保護されていてもよい水酸基、Yは低級
    アルキル基を表す。)で示される化合物と一般式(I
    V) 【化13】 (式中、R5およびR6は、R5が水素原子もしくは低級
    アルキル基、R6が低級アルコキシ基であるか、または
    5が水素原子、R6がフェニル基であるか、あるいはR
    5及びR6が一緒になってオキソ基を形成し、A1及びA2
    は脱離基を表す。)で示される化合物を反応させ、所望
    によりその薬理的に許容しうる塩とすることを特徴とす
    る一般式(I−i) 【化14】 (式中、記号は前記と同一意味を有する。)で示される
    化合物またはその薬理的に許容しうる塩の製法。
  17. 【請求項17】 一般式(I−k) 【化15】 (式中、Yは低級アルキル基、Zは1つもしくは複数の
    水酸基が保護されていてもよいβ−D−グルコピラノシ
    ル基を表す。)で示される化合物の6’位フェノール性
    水酸基を保護し、要すればその薬理的に許容しうる塩と
    することを特徴とする一般式(I−j) 【化16】 (式中、OX1は保護された水酸基を表し、他の記号は
    前記と同一意味を有する。)で示される化合物またはそ
    の薬理的に許容しうる塩の製法。
  18. 【請求項18】 一般式(I−j) 【化17】 (式中、OX1は保護された水酸基、Yは低級アルキル
    基、Zは1つもしくは複数の水酸基が保護されていても
    よいβ−D−グルコピラノシル基を表す。)で示される
    化合物から保護基を除去し、要すればその薬理的に許容
    しうる塩とすることを特徴とする一般式(I−k) 【化18】 (式中、記号は前記と同一意味を有する。)で示される
    化合物またはその薬理的に許容しうる塩の製法。
  19. 【請求項19】 一般式(I-m) 【化19】 (式中、OXは保護されていてもよい水酸基、Yは低級
    アルキル基、R9およびR10は、同一或いは異なって水
    酸基の保護基を表す。)で示される化合物を加水分解
    し、所望によりその薬理的に許容しうる塩とすることを
    特徴とする一般式(I-l) 【化20】 (式中、記号は前記と同一意味を有する。)で示される
    化合物またはその薬理的に許容しうる塩の製法。
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