JP3054450B2 - 液体噴射記録ヘッド用基体及び液体噴射記録ヘッド - Google Patents

液体噴射記録ヘッド用基体及び液体噴射記録ヘッド

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JP3054450B2 JP3041283A JP4128391A JP3054450B2 JP 3054450 B2 JP3054450 B2 JP 3054450B2 JP 3041283 A JP3041283 A JP 3041283A JP 4128391 A JP4128391 A JP 4128391A JP 3054450 B2 JP3054450 B2 JP 3054450B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体噴射記録ヘッド及
び該液体噴射記録ヘッドに用いる基体に関し、特に、本
出願人により出願されている特開昭54ー51837号
公報で知られているような記録液体に熱エネルギーを作
用させることにより記録液体を沸騰させ、これにより液
滴を噴射(吐出)して記録を行う形態の液体噴射記録ヘ
ッド、及び、通電に応じて前記熱エネルギーを発生する
電気熱変換体を含む基体に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の液体噴射記録ヘッドないし電気
熱変換体に要求される性能としては、高速駆動時の応答
性が高いこと、記録液体を沸騰させるのに充分な加熱が
可能であることに加え、耐久性が高いことがある。その
ために従来より材料、構成の面で種々の改良がなされて
きた。
【0003】例えば、特公昭59ー34506号公報で
は、応答性及び加熱性能を高めるべく、電気熱変換体を
下部層、発熱抵抗体層及び上部層の三層構成とし、さら
に、各層の厚み及び材料定数の満たすべき条件について
開示している。
【0004】また、特開昭60ー236758号公報で
は、耐久性を高めるために、保護層を熱発生部上におい
て薄くする構成を開示している。
【0005】つぎに、液吐出に係る気泡(主気泡もしく
は一次気泡)の発生・消滅の繰返しの際に、熱作用部上
の主気泡が消泡する位置以外にも加熱限界温度より高温
の部分があると、その位置に記録液体の流れ方向に沿う
すじ状の二次的な泡(二次気泡)が残ってしまう現象が
起こる。この二次気泡のキャビテーションは主気泡のそ
れに比して非常に大きいため、その部分の上部保護層を
破壊し、電気熱変換体を破壊に至らしめて耐久性を劣化
させることがあるためである。そこで、特開昭62ー1
03148号公報に開示された発明では、電気熱変換体
の上部層及び下部層の厚さが均一である場合、熱作用部
の中央部分が高温となることに注目し、電気熱変換体の
下部層と上部層との少なくともいずれか一方の熱作用部
の中央の領域をその他の領域よりその膜厚を薄くするこ
とにより、その部分の放熱性を高め、駆動時(電極への
通電時)には熱作用部がその中央部及び周辺部にわたっ
て均一に温度上昇し、駆動後の主気泡の消泡時には熱作
用部中央部の温度が加熱限界温度以下となるようにして
いる。
【0006】また、特開昭59ー95155号公報で
は、前記キャビテーション損傷を防止すべく、電気熱変
換体(抵抗器)の中心部に導電領域を設け、その部分が
発泡に係わらないように、すなわち、その部分を取巻く
部分で環状気泡が形成されるようになし、消泡時には熱
作用部上に複数の小気泡がランダムに分布するようにし
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、吐出エ
ネルギー発生手段に電気熱変換体を有する液体噴射記録
ヘッドにあっては、前記条件に加え、沸騰の再現性が高
いことが要求される。
【0008】本願の発明者によれば、記録液体を繰返し
沸騰させる場合、電気熱変換体に前回与えた駆動信号
(加熱パルス)によって発生した気泡が消滅(消泡)す
る際に、その消泡位置において、微視的残留気体が電気
熱変換体における熱発生部の表面にランダムに付着し、
それが次のパルス加熱の初期気泡発生時において発泡核
となるために沸騰の再現性が保証されないということが
確認されている。このように沸騰現象が安定しないと、
発生する気泡の形状や大きさが一定しなくなり、従っ
て、液滴径や吐出速度にバラツキが生じ、ひいては画像
品位が低下するという問題点が生じうる。
【0009】このような問題点を解決し得る可能性をも
った発明として、特開平2ー25337号公報に記載さ
れたものが知られている。それによると、熱作用面の消
泡位置に対応した部分は、他の部分より駆動時の温度が
低く、そのために、記録液体を導入したときに伝達され
る熱流束がその部分において小となり、消泡後にその部
分に微視的残留気体が付着しても、続く駆動時にこれが
発泡核となることはないというものである。また、当該
温度差を適切に選定することにより、高い吐出性能を維
持し、これによる効果とあいまって沸騰の再現性が向上
し、ひいては良好な記録品位が得られるというものであ
る。
【0010】特開平2ー25337号公報に記載された
発明では、消泡位置において温度を低くするため、例え
ば、蓄熱層の厚さを、表面酸化処理を抑制することによ
って部分的に薄くするようにしている。しかしながら、
具体的には、どのように表面酸化処理を抑制するかにつ
いては言及しておらず、これを実現することは事実上不
可能である。
【0011】一方、別の手段として、均一な厚さのSi
2の酸化層、つまり、蓄熱層を形成した後、膜厚が薄
くなるように加工する例を挙げているが、これも具体的
にどのように加工したらよいのかその方法については一
切言及しておらず、実現は非常に困難である。
【0012】さらに、別の手段として、蓄熱層が部分的
に形成されておらず、Siの基板が直接発熱抵抗体層に
接している例を示しているが、これも具体的にどのよう
に製作できるのかその方法については全く言及されてお
らず、実現は困難である。
【0013】つまり、特開平2ー25337号公報に記
載された発明は、その着眼点はすぐれているものの、具
体的な実現手段についての記載がなく、発明としては未
完成であるといえる。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、支持体と該支持体上に配されるとともに発熱抵抗体
層及び該発熱抵抗体層に電気的に接続された一対の電極
を有して該一対の電極間に熱発生部が形成されている電
気熱変換体とを具備し、前記発熱抵抗体層の上部と下部
との少なくともいずれか一方にAl層を接触、形成し、
前記熱発生部における電流密度を場所によって異ならせ
るとともに、放熱作用を生じせしめ、ΔT=TH−TO
25℃以上95℃以下になるようにした。但し、上記式
において、 TO:前記熱発生部の表面の、該表面上の記録液体に生
じた気泡が消滅する位置(消泡位置)での、記録液体が
存在しないときの前記電気熱変換体の駆動状態での温度
のピーク値。 TH:前記熱発生部の表面における前記消泡位置以外の
位置での、記録液体が存在しないときの前記電気熱変換
体の駆動状態での温度のピーク値。
【0015】また、請求項2記載の発明では、導入され
る記録液体を収容するとともに該記録液体に熱によって
気泡を発生させ、該気泡の体積増加にともなう作用力を
発生させる熱エネルギー作用部を付設した流路と、該流
路に連通して前記記録液体を前記作用力によって液滴と
して吐出させるためのオリフィスと、前記流路に連通し
て該流路に前記記録液体を導入するための液室と、該液
室に前記記録液体を導入する導入手段とを有する液体噴
射記録ヘッドにおいて、前記熱エネルギー作用部は、支
持体上に配された発熱抵抗体層及び該発熱抵抗体層に電
気的に接続された一対の電極を有する電気熱変換体にお
ける前記電極間に形成された熱発生部であり、前記発熱
抵抗体層の上部と下部との少なくともいずれか一方にA
l層を接触、形成し、前記熱発生部における電流密度を
場所によって異ならせるとともに、放熱作用を生じせし
め、ΔT=T H −T O が25℃以上95℃以下になるよう
にした但し、上記式において、 O :前記熱発生部の表面の、該表面上の記録液体に生
じた気泡が消滅する位置(消泡位置)での、記録液体が
存在しないときの前記電気熱変換体の駆動状態での温度
のピーク値。 H :前記熱発生部の表面における前記消泡位置以外の
位置での、記録液体が存在しないときの前記電気熱変換
体の駆動状態での温度のピーク値。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【作用】請求項1記載の発明によれば、高導電性かつ高
熱伝導性のAl層を発熱体に接触させ、発熱体部におけ
る電流密度を変えるようにするとともに、放熱作用も生
じせしめ、消泡位置に対応する部分と熱発生部の表面の
他の部分との温度差が適切な範囲となるような構成とし
たことによって、沸騰の再現性を向上させることができ
る。
【0029】請求項2記載の発明によれば、高導電性か
つ高熱伝導性のAl層を発熱体に接触させ、発熱体部に
おける電流密度を変えるようにするとともに、放熱作用
も生じせしめ、消泡位置に対応する部分と熱発生部の表
面の他の部分との温度差が適切な範囲となるような構成
としたことによって、沸騰の再現性を向上させるととも
に得られる画像の品位を向上させることができる。
【0030】
【0031】
【実施例】本発明の液体噴射記録ヘッド用基体を利用可
能な液体噴射記録ヘッドの第一の実施例を図1乃至図4
に基づいて説明する。まず、図1(a)は液体噴射記録
ヘッドの一部を示す分解斜視図であり、図1(b)はそ
のX−X線断面図である。該液体噴射記録ヘッドは、導
入された記録液体(インク)を収容するとともに、収容
した記録液体に熱によって気泡を発生させ、発生した気
泡の体積増加に伴う作用力を発生させる熱エネルギー作
用部を付設した多数の流路1と、該流路1に連通して記
録液体を前記作用力によって液滴として吐出させるため
のオリフィス2と、前記流路1に連通して該流路1に記
録液体を導入するため液室(図示せず)と、該液室に記
録液体を導入する導入手段(図示せず)とを有してい
る。
【0032】つぎに、前記流路1は、支持体である基板
3に溝4が形成された溝蓋板5を接着層6を介して接着
することにより形成されており、前記基板3上には、発
熱抵抗体層7、及び、通電のための電極として共通電極
8と選択電極9を有する電気熱変換体10が配されてい
る。そして、前記電気熱変換体10における前記電極
8,9の間の部分が、前記熱エネルギー作用部である熱
発生部11とされている。
【0033】このような構成において、流路1内に記録
液体を導入し、電極8,9へ通電すると、電極8,9間
の発熱抵抗体層7が加熱されるとともに熱発生部11か
ら発熱され、熱発生部11上の記録液体に急激な状態変
化によって気泡が生じ、その体積増加に対応した量の液
滴がオリフィス2から吐出され、吐出された液滴が被記
録体上に付着することにより記録が行われる。
【0034】なお、本実施例に係る発熱抵抗体層7は、
後述のように、熱発生部11の表面における気泡が消滅
する位置(消泡位置)に対応する領域の温度が、他の領
域より低くなり、かつ、良好な吐出状態が維持できるよ
うにするために、消泡位置に対応する領域の電流密度が
小さくなるようにしたり、あるいは、当該領域に対応す
る位置に放熱体を形成している。
【0035】ここで、まず、消泡位置について考察す
る。消泡位置は、流路1の形状、熱発生部11の配設位
置、温度、その他の環境条件などにより定まり、気泡周
辺の流域における液体力学的インピーダンスの慣性成分
Zの影響を受け、そのZの逆比で熱発生部11の長さを
比例配分した位置付近で消泡することを本願の発明者は
確認した。
【0036】なお、着目する流域について、流れの方向
にとった位置をx、流域の位置xにおける流路1の断面
積をS(x)、流域の長さをl、記録液体の密度をρと
すると、流域のインピーダンスの慣性成分Zは、次の数
5式によって求められる。
【0037】
【数5】
【0038】例えば、図1に示すように、発熱抵抗体層
7に対して、記録液体の供給方向と吐出方向とが一致す
る形態のものにあっては、図2に示すように、断面積S
(x)=S=一定とすると、熱発生部11の両側の流域
のインピーダンスの慣性成分Z1,Z2は次の数6式に示
すようになる。
【0039】
【数6】Z1=ρl1/S, Z2=ρl2/S
【0040】そして、C1:C2≒Z2:Z1=l2:l1
なる位置(a点)付近で消泡することになる。
【0041】そこで、この位置を含む部位で上部の記録
液体に伝わる熱流束が小となるように当該領域の諸条件
を定めればよい。
【0042】以上が一般的な関係であるが、簡易的に
は、位置xにおけるノズル天井の高さをh(x)とした
とき、熱発生部11の両側の容積w1,w2を次の数7式
により求め、
【0043】
【数7】
【0044】C1:C2=w2:w1なる位置において気泡
が消滅するとしても十分であった。
【0045】つぎに、熱発生部11の表面における消泡
位置に対応する領域が、それ以外の領域と何程の温度差
を有している場合に、吐出性能を良好に維持できるかに
ついて考察する。
【0046】図3は、熱発生部11の表面温度のピーク
値THと、発熱抵抗体層7を流れる電流密度を小さくし
た領域に対応した熱発生部11の表面温度のピーク値T
oとの差ΔT(=TH−To)について、液滴吐出速度
の平均値V、及び、液滴吐出速度の標準偏差ρVをプロ
ットしたものである。但し、温度差ΔTは、流路1内に
記録液体を存在させない状態での値である。
【0047】図3より明らかなように、温度差ΔTが2
5℃以上であれば、ρVがほぼ一定となって吐出速度の
バラツキが安定するが、95℃を超えると平均速度Vが
低下することが確認された。これにより、温度差ΔTは
25℃以上95℃以下が好ましいことがわかる。
【0048】より好ましくは、記録液体の吐出速度の標
準偏差ρVについてはある程度無視し得る場合、すなわ
ち、記録液体の吐出速度の平均値Vを主として考慮した
場合にはΔTは25℃以上60℃以下であり、一方、記
録液体の吐出速度をある程度無視し得る場合、すなわ
ち、標準偏差ρVを主として考慮した場合にはΔTは3
0℃以上95℃以下であった。従って、最も好ましいΔ
Tは、30℃以上60℃以下であった。さらに、本実施
例においては、消泡位置を含む領域において、発熱抵抗
体層7のパターン幅を適切な大きさに広くして、電流密
度を下げ、発熱量を小さくしている。
【0049】図4は、発熱抵抗体層7における電流密度
を小さくした領域の面積Soと発熱抵抗体層7の全発熱
部面積SHとの比So/SHについて、V及びρVをプロ
ットしたものである。図より明らかなように、So/S
Hを1/10以上1/2以下としたときに、V及びρV
の値が安定し、吐出性能が良好となることが確認され
た。
【0050】より好ましくは、記録液体の吐出速度の標
準偏差ρVについてはある程度無視し得る場合、すなわ
ち、記録液体の吐出速度の平均値Vを主として考慮した
場合にはSo/SHは1/10以上1/4以下であり、
一方、記録液体の吐出速度の平均値Vをある程度無視し
得る場合、すなわち、標準偏差ρVを主として考慮した
場合にはSo/SHは1/8以上1/2以下であった。
従って、最も好ましいSo/SHは、1/8以上1/4
以下であった。
【0051】つぎに、本発明の液体噴射記録ヘッド用基
体の第一の実施例を図5乃至図7に基づいて説明する。
なお、図1乃至図4において説明した部分と同一部分は
同一符号で示し、説明も省略する(以下、同様)。ここ
で、図5(a)は記録液体が流れる流路1方向にそった
平面図であり、図5(b)はそのA−A線断面図であ
る。まず、基板3は厚さが500μmのSiにより形成
されたものであり、この基板3上には、蓄熱層12と発
熱抵抗体層7と一対の電極8,9と三層の保護層13,
14,15とからなる電気熱変換体10が配されてい
る。そして、この電気熱変換体10における前記電極
8,9の間の部分が熱発生部11とされている。
【0052】前記蓄熱層12は厚さが1.6μmの熱酸
化によって形成したSiO2の層であり、前記発熱抵抗
体層7はHfB2からなるとともにスパッタリングによ
って厚さが0.15μmに形成されている。また、前記
発熱抵抗体層7は、前記熱発生部11に対応する発熱部
幅が26μm、発熱部長さが160μm、であり、さら
に、熱発生部11上の消泡位置を含む特定領域(数6式
においてl1≒l2とすれば、電極8,9間の電流の通り
道の半ば付近)16での発熱量を小さくするためにこの
特定領域16の幅が他の部分より広げられて電流密度が
小さくされている。前記電極8,9はAlをEB蒸着法
で0.8μmの厚さに形成したものであり、前記第一の
保護層13はスパッタリングによって形成した厚さ1.
2μmのSiO2の層であり、前記第二の保護層14は
スパッタリングによって形成した厚さ0.12μmのT
25の層であり、前記第三の保護層15はスパッタリ
ングによって形成した厚さ0.4μmのTaの層であ
る。
【0053】本実施例において、特定領域16の幅W
と、流路1へ記録液体を導入せずに通電を行ったときの
温度差ΔTとの間の関係として、表1の結果が得られ
た。なお、この時の温度は、放射温度計で測定したもの
であり、また、特定領域16の流路1方向にそった長さ
Lは30μmに設定した。
【0054】
【表1】
【0055】従って、特定領域16の幅Wを、30μm
以上40μm以下とすることが適当であることが明らか
となった。
【0056】また、特定領域16の幅Wを34μm、特
定領域16の長さLを30μmに設定した場合、So=
34×30(μm)2、SH=26×160(μm2)で
あり、So/SH≒0.245となり、図4において説
明した条件も満たしている。
【0057】なお、発熱抵抗体層7及び電極8,9のパ
ターンは、エッチングにより形成した。また、図5から
明らかなように、電極8,9と発熱抵抗体層7との接続
部において角に丸みをつけ、電極集中に伴う耐久正の低
下や局所的な発泡が生じない構成としてある。
【0058】このような構成において、電極8,9間に
電圧を印加すると、電流が流れた電極8,9間の発熱抵
抗体層7(熱発生部11に対応する部分)から発熱が起
こる。このとき、特定領域16では電流密度が他の領域
より小さくなり、この特定領域16からの単位面積あた
りの発熱量は他の領域に比べて少なくなる。
【0059】本実施例に係る基体を用いて実際に気泡1
7を発生させてみたところ、図6に示すように、特定領
域16に対応した熱発生部11の表面において気泡17
が消滅することが観察された。さらに、この気泡17が
消滅した部分は、熱発生部11の他の部分に比べて温度
が低いため、消泡後において微視的残留気体が付着して
いるとしても、続く電圧印加時においてそこからランダ
ムな核沸騰が起きて気泡発泡を乱すということはなく、
他の部分から極めて再現性の高い膜沸騰が起きていた。
この場合、発生した気泡の形状、大きさは毎回一定であ
った。なお、気泡の観察時には記録液体に代えてインク
から染料成分を除いたビークルを使用した。そして、こ
の基体を図1のように液体噴射記録ヘッドに用いて記録
液体を使用した記録を行ったところ、特定領域16の幅
Wと面積比の適切な選択による効果とあいまって、液滴
径、吐出速度も均一となり、良好な画像が得られた。
【0060】特定領域16に対応した熱発生部11の表
面以外の部分での沸騰の再現性が高いのは、微視的残留
気体が付着していないうえに、記録液体が急激に加熱さ
れるために記録液体が過熱限界付近に到達し、記録液体
内部の分子運動に基づく自発的核生成現象によって気泡
が形成されるからである。
【0061】つぎに、図7は発熱抵抗体層の幅を全体に
わたって一様に設定してある従来例における気泡の発
生,消滅状態を示したものである。このような従来例に
おいては、気泡17が消滅した場所からランダムな核沸
騰が起こり、気泡発生の再現性が低下している。
【0062】すなわち、図7(a)の場合には核沸騰の
起こる場所が1個所であって比較的良好な気泡生成が実
現しているが、いつもそのような気泡生成が実現するわ
けではなく、図7(b)或いは図7(c)のように複数
の場所から核沸騰が起こる場合もあり、その場合核沸騰
熱伝達によって熱エネルギーが記録液体中に逃げ、気泡
体積が小さくなってしまう。このような例では、気泡の
形状,大きさが一定でないために、記録ヘッドを構成し
て記録を行ったところ、液滴径や吐出速度にバラツキが
生じ、画像の品位が低下することが観察された。
【0063】ついで、本発明の液体噴射記録ヘッド用基
体の第二の実施例を図8に基づいて説明する。本実施例
は、発熱抵抗体層7の幅寸法を全体にわたって一定にす
るとともに、発熱抵抗体層7の厚さ寸法を、熱発生部1
1上の消泡位置を含む特定領域16において厚くし、こ
の特定領域16を流れる電流の電流密度を小さくしたも
のである。このような発熱抵抗体層7は、成膜,フォト
リソ,エッチングの技術を用いることにより加工され
る。本実施例では、発熱抵抗体層7として、Ta2Nを
スパッタリングによって0.4μmの厚さで形成した
後、発熱抵抗体層7の特定領域16及びその他の部分を
フォトレジストパターンによってマスキングし、つい
で、ドライエッチングによってTa2Nをエッチングし
て0.28μmの厚さにした。結果として、発熱抵抗体
層7は、特定領域16の部分のみが0.4μmの厚さと
なり、他の部分は0.28μmの膜厚を有するものとし
て形成した。つまり、特定領域16のみ電流密度が小さ
くなるように形成されている。なお、特定領域16の長
さLを30μmとした。その他の層構成等は、図5に示
した実施例と同様である。
【0064】その結果、本実施例においても図6に示し
たような気泡が得られ、液滴径、吐出速度も均一とな
り、良好な画像が得られた。
【0065】ついで、本発明の液体噴射記録ヘッド用基
体の第三の実施例を図9に基づいて説明する。本実施例
は、発熱抵抗体層7の幅寸法及び厚さ寸法を全体にわた
って一定にするとともに、発熱抵抗体層7の上部であっ
て熱発生部11上の消泡位置に対応する部分に導電性パ
ターン18を形成し、発熱抵抗体層7の導電性パターン
18に対応する領域、すなわち、発熱抵抗体層7におけ
る消泡位置に対応する領域を流れる電流の電流密度を小
さくしたものである。なお、この導電性パターン18
は、厚さ0.3μm,長さ40μm,幅20μmのAl
のパターンをスパッタリング、フォトリソ、エッチング
等の技術により形成したものである。
【0066】その結果、本実施例においても図6に示し
たような気泡が得られ、液滴径、吐出速度も均一とな
り、良好な画像が得られた。なお、本実施例において
は、導電性パターン18を発熱抵抗体層7の上部に形成
したものについて説明したが、この導電性パターン18
を発熱抵抗体層7の下部に形成しても同様の効果が得ら
れる。
【0067】ついで、本発明の液体噴射記録ヘッド用基
体の第四の実施例を図10に基づいて説明する。本実施
例は、発熱抵抗体層7の幅寸法及び厚さ寸法を全体にわ
たって一定にするとともに、発熱抵抗体層7の上部であ
って熱発生部11上の消泡位置に対応する部分に放熱体
19を形成したものである。この放熱体19は、厚さが
0.4μmのAl層のパターンであり、二つの保護層1
3,14の間に形成されている。なお、第一の保護層1
3は0.5μmの厚さのSiO2をスパッタリングした
ものであり、第二の保護層14はTa25に代えて0.
7μmの厚さのSiO2をスパッタリングしたものであ
る。また、放熱体19における発熱抵抗体層7と交差す
る部分の幅寸法が30μmに設定されており、この交差
部分の上方に消泡位置が位置している。
【0068】その結果、発熱抵抗体層7における消泡位
置に対応する領域からの熱は、高熱伝導率を有する放熱
体19へ拡散,移動し、消泡位置に対応する領域からの
発熱量が少なくなり、熱発生部11の表面の消泡位置に
対応する部分の温度が、熱発生部11の表面の他の部分
に比べて低くなる。このため、図6に示したような気泡
が得られ、液滴径、吐出速度も均一となり、良好な画像
が得られた。なお、本実施例においては、放熱体19を
発熱抵抗体層7の上部に設けたが、発熱抵抗体層7の下
部に設けても同様の効果が得られる。また、放熱体19
を発熱抵抗体層7の上部又は下部に直接接触させる状態
に形成し、放熱体19により放熱効果を得るとともに発
熱抵抗体7における消泡位置に対応する領域の電流密度
を小さくすることにより、この領域からの発熱量を減少
させるようにしてもよい。
【0069】以上の液体噴射記録ヘッド用基体の実施例
においては、その基体を図1に示した構成の液体噴射記
録ヘッドにおいて使用するものについて説明したが、本
発明は、沸騰の再現性の高い液体噴射記録ヘッド及びそ
の基体を提供することにあるため、図1の液体噴射記録
ヘッドに限定されるものではない。本発明が好適に適用
される他の液体噴射記録ヘッドの例を、記録液体の飛翔
原理とともに図11乃至図15に示す。
【0070】まず、本実施例の液体噴射記録ヘッドの構
成要素を図12乃至図15により説明する。この液体噴
射記録ヘッドは、記録液体を導入する記録液体導入管
(導入手段)20に接続された中空の記録液体供給室
(液室)21を有して台形に形成されたマニホールド2
2をベース材として構成されている。前記マニホールド
22の頂部には記録液体供給室21に連通するスリット
23が形成された基板(支持体)24が固定されてい
る。この基板24上には、前記スリット23の両側に位
置させて互い違いに櫛歯状の障壁25が形成され、障壁
25間に流路26が形成されている。これらの流路26
は障壁25とは逆に互い違いに櫛歯状となって前記スリ
ット23に連通されている。また、前記基板24上には
各流路26ごとに最奥部側に位置させて各々熱発生部
(熱エネルギー作用部)27が形成されている。よっ
て、熱発生部27の平面的な配列をみると、図13のよ
うにスリット23両側で千鳥状配列となる。また、各流
路26の途中に位置させて基板24上には障壁25と同
等の高さの記録液体抵抗部28が形成されている。さら
に、前記基板24の周囲を覆うとともに枠状の保持部材
29により押え固定される薄膜状導電性リード(信号入
力手段)30が前記マニホールド22上に設けられてい
る。
【0071】ここに、前記熱発生部27付近の構造例を
図15に示す。この熱発生部27は、基板24上に蓄熱
層31を形成し、その上に発熱抵抗体層32を一対の電
極33,34とともに形成し、さらに、記録液体との直
接的な接触をさけるために表面を保護層35と電極保護
層36とにより覆ったものである。各発熱抵抗体層32
は、前記電極33,34を介してワイヤボンディング
(図示せず)により前記薄膜状導線性リード30に電気
的に接続され、この薄膜状導電性リード30は画像情報
信号入力手段(図示せず)に接続されている。
【0072】ここで、記録液体の飛翔原理の概要につい
て説明する。記録液体導入管20から記録液体供給室2
1に供給された記録液体(インク)37は、毛管現象に
より微細なスリット23を通って障壁25により囲まれ
た櫛歯状の流路26全域に満たされることになる。な
お、スリット23や流路26の寸法によっては、毛管現
象だけでは記録液体37を十分に流路26全域に供給・
保持させることができないが、このような場合には、記
録液体導入管20の元にある記録液体タンク(図示せ
ず)と記録ヘッドとの高さを調整することにより、水頭
差を利用すればよい。このように、流路26全域に記録
液体37が満たされ、各熱発生部27も記録液体37に
覆われた状態となるように記録液体液面の高さを調整し
た定常状態において、画像情報に応じて各発熱抵抗体層
32に対して個別に通電を行うと、発熱した発熱抵抗体
層32上で記録液体37中に気泡が発生する。そして、
この気泡の推進力により記録液体37が熱発生部27の
面に略垂直な方向へ飛翔することになる。
【0073】つぎに、記録液体の飛翔原理の詳細につい
て図11に基づいて説明する。なお、図11では、熱発
生部27及びその周辺部を拡大して示すが、簡単のた
め、電極等は省略してある。図11(a)は定常状態を
示し、流路26全域に記録液体37が満たされ、熱発生
部27上も記録液体37により覆われている。熱発生部
27を加熱させると、熱発生部27の表面温度が急上昇
し、隣接記録液体層に沸騰現象が起きるまで熱せられ、
同図(b)に示すように微小な気泡38が点在した状態
となり、さらに、熱発生部27の全面で急激に過熱され
た隣接記録液体層が瞬時に気化して同図(c)に示すよ
うに沸騰膜を作る。このように、気泡38が成長した状
態において、表面温度は300〜350℃になり、いわ
ゆる膜沸騰状態にある。また、熱発生部27の上部にあ
る記録液体37層は、気泡成長の推進力により、図示の
如く、記録液体液面が盛り上がった状態となる。同図
(d)は気泡38が最大に成長した状態を示し、記録液
体液面から記録液体柱39がさらに成長した状態とな
る。このような最大気泡となるまでに要する時間は、ヘ
ッド(基板24)構造、印加パルス条件等にもよるが、
通常、パルス印加後5〜30μsec程度要する。最大気
泡となった時点では、熱発生部27は既に通電されてい
ない状態にあり、熱発生部27の表面温度は降下しつつ
ある。気泡38が最大となる時のタイミングは、電気パ
ルス印加のタイミングから若干遅れたものとなる。同図
(e)は気泡38が記録液体37等により冷却され収縮
を開始した状態を示す。記録液体柱39の先端部では押
出された速度を保ちつつ前進し、後端部では気泡38の
収縮に伴って記録液体液面に記録液体37が逆流するこ
とにより、図示の如く、記録液体柱39にくびれが生ず
る。気泡38がさらに収縮すると、同図(f)に示すよ
うに、熱発生部27面に記録液体37が接し、熱発生部
27面がさらに急激に冷却される状態となる。そして、
記録液体柱39は記録液体液面から切断され、被記録体
(図示せず)の方向へ2〜10m/sの速度で飛翔する。
なお、この時の飛翔速度は、ヘッド(基板24)構造、
記録液体物性、印加パルス条件等に依存するが、飛翔速
度が比較的遅い場合(2〜3m/s)には記録液体37は
滴状となって飛翔し、比較的速い場合(7〜10m/s)
には記録液体37は細長い柱状となって飛翔する。この
後、同図(g)に示すように同図(a)と同様な定常状
態に戻り、流路26全域に記録液体37が満たされ、気
泡38も完全に消滅した状態となる。
【0074】そして、本実施例の発熱抵抗体層32にお
いても、消泡位置に対応する領域に図5に示したように
幅の広い部分を形成したり、図8に示したように厚さの
厚い部分を形成したり、図9に示したように導電性パタ
ーンを形成したり、図10に示したように放熱体を形成
することにより、図6に示したような気泡が得られ、液
滴径、吐出速度も均一となり、良好な画像が得られる。
【0075】つぎに、図1乃至図10において説明した
実施例においては、流路1が直線状である記録ヘッドに
本発明を適用した場合について説明したが、記録液体の
供給方向と吐出方向とが異なる形態の記録ヘッド、例え
ば、図16に示すように、基板3に対して垂直方向へ吐
出がなされる形態のものであっても、発熱抵抗体層7の
消泡位置に対応する領域に、図5に示したように幅の広
い部分を形成したり、図8に示したように厚さの厚い部
分を形成したり、図9に示したように導電性パターンを
形成したり、図10に示したように放熱体を形成するこ
とにより、図6に示したような気泡が得られ、液滴径、
吐出速度も均一となり、良好な画像が得られる。
【0076】また、近年開発されている階調表現が可能
な形状の電気熱変換体を有する記録ヘッド、例えば、本
出願人の提案による特願平1ー192357号に開示さ
れるようなものに対しても有効に適用可能である。すな
わち、電気熱変換体に放熱構造体を設けて、熱勾配が生
じるような構造とし、入力エネルギーの信号レベルに応
じて発生する気泡の大きさを変え、吐出する記録液体の
量を多段階に調節するような機構の記録ヘッドにも適用
できる。
【0077】図17は、特公昭59ー31943号公報
に開示されている発熱量調整構造を有する記録ヘッドの
熱発生部であるが、これにも本発明は適用可能である。
例えば、図17(a)〜(c)に示すような電気熱変換
体10において、消泡位置が符号bで示す位置にあれ
ば、そこを含む部分(破線で示す部分)で発熱抵抗体層
7の幅を広くしたり導電性パターンを形成した特定領域
を設ければよい。また、生じる気泡の大きさによって消
泡位置が異なるものであれば、そのような特定領域を複
数設けてもよい(図17(a)の一点鎖線で示す部
分)。
【0078】加えて、本発明は、電気熱変換体を吐出エ
ネルギー発生手段とするものであれば、図1に示したよ
うな集積型のものに限られることなく適用できるのは勿
論であり、さらに、シリアル走査される形態の記録ヘッ
ドや、記録媒体の全幅にわたって吐出口を選別させたフ
ルマルチ形態の記録ヘッドにも適用できるのはいうまで
もない。
【0079】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、上述のように
成したことによって、高導電性かつ高熱伝導性のAl層
を発熱体に接触させ、発熱体部における電流密度を変え
るようにするとともに、放熱作用も生じせしめ、消泡位
置に対応する部分と熱発生部の表面の他の部分との温度
差が適切な範囲となるような構成としたことによって、
沸騰の再現性を向上させることができるという効果を有
する。 請求項2記載の発明は、上述のように構成したこ
とによって、高導電性かつ高熱伝導性のAl層を発熱体
に接触させ、発熱体部における電流密度を変えるように
するとともに、放熱作用も生じせしめ、消泡位置に対応
する部分と熱発生部の表面の他の部分との温度差が適切
な範囲となるような構成としたことによって、沸騰の再
現性を向上させるとともに得られる画像の品位を向上さ
せることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射記録ヘッドの第一の実施例を
示す分解斜視図とそのX−X線断面図である。
【図2】その液体噴射記録記録ヘッドにおける消泡位置
を説明するための説明図である。
【図3】吐出に最適な温度範囲を説明するための説明図
である。
【図4】吐出に最適な面積比を説明するための説明図で
ある。
【図5】本発明の液体噴射記録ヘッド用基体の第一の実
施例を示す平面図及びそのA−A線断面図である。
【図6】気泡の挙動状態を示す説明図である。
【図7】従来例における気泡の挙動状態を示す説明図で
ある。
【図8】本発明の液体噴射記録ヘッド用基体の第二の実
施例を示す平面図及びそのA−A線断面図である。
【図9】本発明の液体噴射記録ヘッド用基体の第三の実
施例を示す平面図及びそのA−A線断面図である。
【図10】本発明の液体噴射記録ヘッド用基体の第四の
実施例を示す平面図及びそのA−A線断面図である。
【図11】記録液体の飛翔原理を説明するための説明図
である。
【図12】本発明の液体噴射記録ヘッドの第二の実施例
を示す分解斜視図である。
【図13】液体噴射記録ヘッドの一部を拡大して示す平
面図である。
【図14】液体噴射記録ヘッドの一部を拡大して示す縦
断側面図である。
【図15】液体噴射記録ヘッドの熱発生部付近を拡大し
て示す断面図である。
【図16】本発明の液体噴射記録ヘッドの応用例を示す
断面図である。
【図17】本発明の液体噴射記録ヘッド用基体の応用例
を示す平面図である。
【符号の説明】
1 流路 2 オリフィス 3 支持体 7 発熱抵抗体層 8,9 電極 10 電気熱変換体 11 熱発生部 18 導電性パターン 19 放熱体 20 導入手段 21 液室 24 支持体 26 流路 27 熱発生部 32 発熱抵抗体層 33,34 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−92546(JP,A) 特開 平2−92547(JP,A) 特開 平2−111552(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と該支持体上に配されるとともに
    発熱抵抗体層及び該発熱抵抗体層に電気的に接続された
    一対の電極を有して該一対の電極間に熱発生部が形成さ
    れている電気熱変換体とを具備し、前記発熱抵抗体層
    上部と下部との少なくともいずれか一方にAl層を接
    触、形成し、前記熱発生部における電流密度を場所によ
    って異ならせるとともに、放熱作用を生じせしめ、ΔT
    =TH−TOが25℃以上95℃以下になるようにした
    とを特徴とする液体噴射記録ヘッド用基体。但し、上記
    式において、 TO:前記熱発生部の表面の、該表面上の記録液体に生
    じた気泡が消滅する位置(消泡位置)での、記録液体が
    存在しないときの前記電気熱変換体の駆動状態での温度
    のピーク値。 TH:前記熱発生部の表面における前記消泡位置以外の
    位置での、記録液体が存在しないときの前記電気熱変換
    体の駆動状態での温度のピーク値。
  2. 【請求項2】 導入される記録液体を収容するとともに
    該記録液体に熱によって気泡を発生させ、該気泡の体積
    増加にともなう作用力を発生させる熱エネルギー作用部
    を付設した流路と、該流路に連通して前記記録液体を前
    記作用力によって液滴として吐出させるためのオリフィ
    スと、前記流路に連通して該流路に前記記録液体を導入
    するための液室と、該液室に前記記録液体を導入する導
    入手段とを有する液体噴射記録ヘッドにおいて、前記熱
    エネルギー作用部は、支持体上に配された発熱抵抗体層
    及び該発熱抵抗体層に電気的に接続された一対の電極を
    有する電気熱変換体における前記電極間に形成された熱
    発生部であり、前記発熱抵抗体層の上部と下部との少な
    くともいずれか一方にAl層を接触、形成し、前記熱発
    生部における電流密度を場所によって異ならせるととも
    に、放熱作用を生じせしめ、ΔT=T H −T O が25℃以
    上95℃以下になるようにしたことを特徴とする液体噴
    射記録ヘッド。但し、上記式において、 O :前記熱発生部の表面の、該表面上の記録液体に生
    じた気泡が消滅する位置(消泡位置)での、記録液体が
    存在しないときの前記電気熱変換体の駆動状態で の温度
    のピーク値。 H :前記熱発生部の表面における前記消泡位置以外の
    位置での、記録液体が存在しないときの前記電気熱変換
    体の駆動状態での温度のピーク値。
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