JP3054388B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板の製造方法

Info

Publication number
JP3054388B2
JP3054388B2 JP21104897A JP21104897A JP3054388B2 JP 3054388 B2 JP3054388 B2 JP 3054388B2 JP 21104897 A JP21104897 A JP 21104897A JP 21104897 A JP21104897 A JP 21104897A JP 3054388 B2 JP3054388 B2 JP 3054388B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
via hole
insulating layer
resin insulating
resin
development
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21104897A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1154912A (ja
Inventor
剛 豊嶋
達也 伊藤
泰成 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP21104897A priority Critical patent/JP3054388B2/ja
Publication of JPH1154912A publication Critical patent/JPH1154912A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3054388B2 publication Critical patent/JP3054388B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂絶縁層を介し
て形成される配線パターンと樹脂絶縁層を貫通し複数の
配線パターン間を導通するビアとを有する配線基板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、配線パターン間に樹脂絶縁層を
介在させた多層配線基板40は、図6(A)に示すよう
に、コア基板41の上面に形成した下層配線パターン4
2の上方に所定厚さの感光性樹脂ペーストを塗布し乾燥
させ樹脂絶縁層44を形成する。この樹脂絶縁層44に
対し、図6(B)に示すように、露光と現像、又はレーザ
加工を行って下層配線パターン42の上面を露出させる
ビアホール46を形成した後、樹脂絶縁層44の上面に
無電解銅メッキ及び電解銅メッキと露光・現像等により
上層配線パターン52を形成する。同時に、上記ビアホ
ール46内には上・下層配線パターン52,42間を導
通するビア48が形成される。
【0003】
【発明が解決すべき課題】ところで、上記ビアホール4
6を形成する際の現像工程においては、現像液によって
溶け出した樹脂が形成途中のビアホール46の底部に溜
まることがある。この溶け出した樹脂がビアホール46
の底部に溜まると、形成途中のビアホール46の底部に
新たな現像液が供給されにくくなり、該底部から深さ方
向への現像が阻害される。この結果、図6(C)に示すよ
うに、ビアホール46の孔明け不足によりビア48の底
面と下層配線パターン42の上面との間に樹脂片45が
残る場合がある。係る樹脂片45を除去するために、現
像時間を長くする方法も考えられるが、溶け出した樹脂
がビアホール46の底部に溜まった状態では、やはり深
さ方向への現像は難しく、却ってビアホール46の径が
大きくなり過ぎてしまうという問題もあった。
【0004】また、現像時間が長くなると、ビアホール
46の周囲における樹脂絶縁層44が膨潤化して、ビア
ホール46の形状にばらつきが生じるという問題もあっ
た。更に、両面に樹脂絶縁層44を有する多層配線基板
40を水平に保持した状態で上下両面に同時に現像を行
う場合、下面側は樹脂溜りが少なく深さ方向への現像が
容易であるのに対し、上面側は樹脂溜りが生じ易く深さ
方向への現像が困難となる。このため、上下面の樹脂絶
縁層44間で現像速度に差が生じる。この現像速度の相
違により、上面側のビアホール46には図6(C)のよう
な孔明け不足が生じ易く、下面側のビアホール46には
図6(D)に示すような過剰現像が生じ易い。この過剰現
像により略円柱状で下部が斜めに広がる形状のビアホー
ル46が形成されると、上記銅メッキの付き周り不良が
生じ、ビア48の底部に狭隘部50を形成する場合があ
る。これらの樹脂片45が残ったり狭隘部50がある
と、ビア48による上・下層配線パターン52,42間
の導通が不安定になり、立体回路が形成されない場合を
生じることがある。
【0005】係る導通不良を防ぐため、上記ビアホール
46を形成した樹脂絶縁層44の上面を厚さ約5μm程
研磨・除去して平坦化した後、該樹脂絶縁層44の表面
にアルカリ・過マンガン酸カリウム等のエッチング液を
接触して、樹脂絶縁層44の表面を粗化していた。その
後、この粗化された樹脂絶縁層44の表面に、Sn/P
dコロイドタイプのメッキ触媒核(図示せず)を吸着さ
せ、前記無電解銅メッキ等により上層配線パターン52
を形成していた。この方法では、樹脂絶縁層44の上面
が研磨により平坦化されているので、前記ビアホール4
6を形成する際の現像のばらつきによるビア48の前記
形状不良を若干低減できるが、未だ不十分で安定性を欠
いている。
【0006】また、前記エッチング液により、樹脂片4
5を除去する方法も考えられるが、樹脂片45を除去す
るエッチングの際に、樹脂絶縁層44の上面が過剰に粗
化され、その上面に形成される上層配線パターン52と
樹脂絶縁層44との密着強度が低下するという問題もあ
った。更に、レーザを強く照射してビアホール46内に
樹脂片45が残らないようにする方法も考えられるが、
レーザ照射が過剰になると前記図6(D)に示した狭隘部
50が不用意にビア48に形成されてしまうという問題
があった。
【0007】本発明は、以上の従来の技術における問題
点を解決し、ビア底部における樹脂残りや形状不良をな
くし、ビアの形状を正確にして上・下層配線パターン間
の導通を確実にすると共に、比較的微細なビアホールと
ビアの形成を可能にした多層配線基板の製造方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、下層配線パターンの上に形成される樹脂絶
縁層に対し正確なビアホールを形成すべく、露光後の現
像工程を洗浄及び乾燥工程により一旦中断し、再度現像
を行うことに着想して成されたものである。即ち、本発
明の配線基板の製造方法は、下層配線パターンの上に樹
脂絶縁層を形成する工程と、上記樹脂絶縁層に対し露光
と現像を行い、該樹脂絶縁層にビアホールを形成する工
程と、を含む多層配線パターンを形成することが予定さ
れている配線基板の製造方法であって、上記現像工程を
複数回に分け、且つその間において上記樹脂絶縁層を洗
浄した後に乾燥する工程を含むことを特徴とする。
【0009】この方法によれば、上記乾燥工程の直前に
配線基板を洗浄を行うことにより、ビアホールの直径が
100μm以下の微細なものでも、形成途中のビアホー
ル内における剥離状態の樹脂片をビアホールの外へ除去
できるので、ビアホール内の深さ方向への現像が阻害さ
れなくなる。従って、直径が例えば90μm以下の微細
なビアホールの形成が可能になる。しかも、途中の乾燥
工程によってその直前の現像が停止されるか、現像速度
が遅くなるので、ビアホールの径のばらつきを極力抑え
ることができ、ビアの径を制御し易くなる。その後、例
えば基板の姿勢等を変えて次の現像工程を行える為、樹
脂残りや形状不良がなく、形状及びサイズとも所要のビ
アホールを確実に形成できる。従って、ビアホール内に
追って形成されるビアにより、下層配線パターンと追っ
て形成される上層配線パターンとを確実に導通させるこ
とができる。
【0010】また、3回以上に分けた現像工程につい
て、最初の現像工程以外の各現像工程ごとに洗浄と乾燥
工程を含めた方法とすることも可能である。これによっ
ても、ビアホールの径のばらつきを抑えることができ、
所要のビアホールの形成が更に確実になる。尚、上記乾
燥工程が、前記樹脂絶縁層を約80〜150℃に数分〜
数10分間加熱保持する製造方法ともできる。これによ
れば、ビアホール内の現像の進行を確実に停止でき、且
つ次の現像工程でビアホール内を所要の形状に形成し得
る。また、上記ビアホールを形成した後、前記樹脂絶縁
層の上に上層配線パターンを形成し、且つ前記ビアホー
ル内にビアを形成する工程、を含む多層配線パターンを
有する配線基板の製造方法も含まれる。これによれば、
上・下層配線パターンがビアを介して確実に導通した立
体回路を有する多層配線基板を提供することができる。
【0011】更に、前記露光と現像が、ネガ型により行
われる配線基板の製造方法も含む。一般にポジ型のレジ
ストでは、感光した樹脂部分が現像で流れ落ちる。これ
は、光を当てることで、光が当っていない部分(未感光
部分)よりも光が当った部分(感光部分)の方が早く溶
け出すという時間差を利用して現像する方法である。従
って、現像時間を長くすれば、未感光部分も溶け出して
レジストが薄くなる。これに対して、ネガ型では未感光
部分が溶けて、感光部分は光硬化するためレジストの溶
け出し(膜減り)が少ないという利点がある。これによれ
ば、前記樹脂絶縁層における露光からマスクされた未感
光部分に所要形状のビアホールを正確且つ容易に形成す
ることができる。
【0012】また、前記複数回の現像工程は、配線基板
を略水平に保持した状態で行い、該複数回の現像工程の
うち最初又は中間の現像の後に、略水平に保持された前
記配線基板の上下面を上下反転させた後、次の現像を行
う配線基板の製造方法も含まれる。これによれば、上下
両面での現像速度差から生じるビアホールの形状不良や
形状のばらつきを解消できるので、配線基板の上下両面
の樹脂絶縁層に対し、所要形状を有するビアホールを均
一且つ同時に形成することが可能となる。
【0013】更に、前記下層配線パターンと樹脂絶縁層
とを略水平に保持された前記配線基板の下面側に位置さ
せた状態で、前記現像工程を行う配線基板の製造方法も
含まれる。これによれば、正確な形状と寸法を有するビ
アホールを同じ樹脂絶縁層に対し所望数同時に形成する
ことができる。尚、この方法で配線基板の上下両面の樹
脂絶縁層にそれぞれビアホールを形成する場合、洗浄及
び乾燥工程を挟んで各現像工程を、基板の上下面を順次
上下反転させることにより行う。
【0014】
【実施の形態】以下において本発明の実施に好適な形態
を図面と共に説明する。図1は多層配線基板の製造方法
の概略を示す各工程の断面図に関する。図1(A)に示す
ように、厚さ0.8mmのガラス−BT(ビスマレイミ
ド・トリアジン)樹脂の複合材からなるコア基板1の上下
両面には、厚さ28μmの銅からなる下層配線パターン
4が形成されている。また、コア基板1には直径300
μmのスルーホール2がドリル加工により多数穿孔さ
れ、各スルーホール2内には円筒形でその周壁の厚さが
15μmの導通部3が形成されている。この導通部3
は、コア基板1の両面における下層配線パターン4同士
を導通させる役割を果たす。尚、各導通部3の中空部内
には図示しない熱硬化性樹脂が充填される。
【0015】係るコア基板1及び下層配線パターン4
は、以下のようにして形成される。先ず、コア基板1の
上下両面に厚さ約12μmの銅箔が貼付けられる。得ら
れた銅貼り積層板に、ドリル加工を行い多数のスルーホ
ール2を穿孔する。次いで、この積層板の上下両面及び
スルーホール2内にPd触媒核を付着させ、その後に無
電解メッキ及び電解メッキを施し、各表面で銅の厚さが
約28μmとなるようにする。更に、この銅の上にレジ
ストを塗布し、露光と現像を施した後、不要部分をエッ
チングにて除去することにより、上記下層配線パターン
4が形成される。
【0016】次に、図1(B)に示すように、下層配線パ
ターン4の上方に厚さ55μmの感光性を有するエポキ
シ系の樹脂絶縁層6が全面に形成される。この樹脂絶縁
層6の所定の位置に露光と現像を行い、略円錐形のビア
ホール7が形成される。このビアホール7の底部には、
下層配線パターン4の上面が露出する。係るビアホール
7を形成する上記現像の方法によっては、前述した樹脂
残りが生じたり、ビアホール7自体に形状不良が生じ得
る。このため、ビアホール7を含む樹脂絶縁層6の表面
に対し、複数回の現像とその間における洗浄及び乾燥が
施される。これについては、追って図2にもとづき詳し
く説明する。
【0017】次に、ビアホール7を含む樹脂絶縁層6の
表面全体を過マンガン酸カリウム溶液(45g/リットル)で
粗化し、次に下層配線パターン4の上面を硫酸−過酸化
水素系エッチング液(奥野製薬製;商品名OPC−40
0)でソフトエッチングした。これらは何れも次述する
無電解メッキ層との密着性を向上させる為に施される。
次いで、Sn−Pdコロイド溶液(奥野製薬製;商品名
OPC−80)に浸漬してPd触媒核を吸着させ、無電
解Cuメッキ液(奥野製薬製;商品名ビルドカッパー)に
より、図1(C)に示すように、ビアホール7を含む樹脂
絶縁層6の表面全体に無電解メッキ層8を形成する。
【0018】更に、係る無電解メッキ層8の上面全体に
水溶性ドライフィルムの感光性樹脂を貼着して、露光と
現像を行うと、図1(D)に示すように、所定のパターン
のメッキレジスト(樹脂パターン)10が形成される。次
に、係るメッキレジスト10が形成された無電解メッキ
層8に対し硫酸系電解銅メッキを施すと、図1(E)に示
すように、上記メッキレジスト10で覆われていない無
電解メッキ層8の上面に厚さ15μmの電解メッキ層1
4が形成される。同時に、ビアホール7内の上記無電解
メッキ層8の基部9上にも同様の厚さの電解メッキ層1
4が形成される。
【0019】その後、上記メッキレジスト10をNaO
H水溶液に接触させることにより剥離し、更に過硫酸塩
系エッチング液(荏原ユージライト製;商品名PB−2
28)により、露出した無電解メッキ層8を除去して、
電解メッキ層14とその下部の無電解メッキ層8とから
なる上層配線パターン15及びビア12を形成させる。
この状態を図1(F)に示す。これにより、上・下層配線
パターン15,4がビア12によって導通された立体回
路が形成される。更に、図1(G)に示すように、前記樹
脂絶縁層6及び上層配線パターン15の上面全体に厚さ
55μmの樹脂絶縁層16が形成され、前記同様に露光
と複数回の現像及びその間の洗浄及び乾燥を行って、該
樹脂絶縁層16の所定の位置にビアホール17が形成さ
れる。
【0020】上記樹脂絶縁層16の上面に前記同様の図
示しない無電解メッキ層とメッキレジストが形成され、
これらに対し硫酸系電解銅メッキを施すと、上記メッキ
レジストのない無電解メッキ層の上面に厚さ15μmの
最上層配線パターン20が形成され、同時にビアホール
17内には上記同様のビア18が形成される。これによ
り、図1(G)のように、下層・上層・最上層配線パター
ン4,15,20とこれらを導通するビア12,18か
らなる立体回路が形成される。そして、図1(H)に示す
ように、上記樹脂絶縁層16及び最上層配線パターン2
0の上面全体に感光性のエポキシ変性樹脂からなるソル
ダーレジスト22を形成し、露光と現像を行って最上層
配線パターン20の上面に開口部24を形成する。この
開口部24内に露出する最上層配線パターン20の上面
に、無電解メッキによりNi(Ni−P)メッキ層及びA
uメッキ層からなるパッド26を形成して、多層配線基
板28を得た。尚、最上層配線パターン20は上下方向
における相対的な名称で、仮に上層配線パターン15を
下層配線パターンとした場合、その上層配線パターンと
なる。
【0021】次に図2により本発明の特徴的な製造工程
について説明する。図2(A)は、前記図1(B)のビアホ
ール7を形成する直前の状態を示す模式的な拡大断面図
で、図2(B)に示すように、下層配線パターン4の上方
に形成された樹脂絶縁層6に対し、所謂ネガ型による露
光と現像を行い所定の位置にビアホール7が形成され
る。しかし、現像工程の途中でビアホール7内に現像液
により溶け出した剥離状態の粉及び粒状の樹脂片6aが
溜まると、それよりも深い位置にある樹脂絶縁層6への
現像が阻害されてしまう。
【0022】そこで、このビアホール7に例えば有機溶
剤からなる洗浄液を噴射することにより、図2(C)に示
すように、上記粉及び粒状の樹脂片6aは排出され、底
部の樹脂部分6bのみが残留する。2回の現像工程の間
に係る洗浄を行うことにより、直径が100μm以下の
ビアホール7であっても、現像工程中に樹脂が溶け出し
してビアホール7の底部に溜まった樹脂片6aを確実に
除去できる。従って、ビアホール7の底部の樹脂残り
や、ビアホール7の直径の過大化を防止することができ
るので、比較的微細なビアホール7とビア12を形成で
きる。
【0023】次いで、係るビアホール7を有する樹脂絶
縁層6を乾燥する。具体的には、約100℃にして10
分程度に渉って加熱保持する。すると、樹脂絶縁層6
は、上記ビアホール7内を含めてその表面での現像作用
が停止される。洗浄した後に係る乾燥を行うことで、樹
脂絶縁層6の膨潤を解消し、現像速度を著しく遅くする
ことができる。これにより、ビアホール7の直径が制御
し易くなり、製造される配線基板28の精度が安定化す
る。
【0024】そして、係る乾燥された表面を有するビア
ホール7に対し、再度現像を行うと深さ方向への現像が
阻害されることなく、図2(D)に示すように、上記底部
の樹脂部分6bも除去され、ビアホール7の直径の広が
りを制御しつつ深いビアホール7が形成される。係る2
回の現像工程と、その間における洗浄と乾燥工程を行う
ことにより、ビアホール7には樹脂残りが解消され、且
つ所要の形状と微細な寸法を有するビアホール7を得る
ことができる。最後に、上記ビアホール7を含む樹脂絶
縁層6に対し、前記図1(C)乃至(E)の工程を施すこと
により、図2(E)に示すように、ビア12とこれに繋が
る上層配線パターン15が形成される。
【0025】尚、前記現像工程は、図3に示すように、
コア基板1、下層配線パターン4及び樹脂絶縁層6等か
らなる基板Kを水平に保持した状態で、上下両面に対し
現像液を上方及び下方からシャワー状に連続して噴射す
るものである。この場合、基板Kの上面には現像液の液
溜りSが生じ、上面の樹脂絶縁層6に液圧がかかりにく
くビアホール7が形成されにくい。一方、基板Kの下面
には常に新しい現像液が噴射されるため、ビアホール7
が形成され易いという傾向がある。そこで、前記のよう
に露光後に2回の現像工程を行う場合、1回目の現像工
程の後に基板Kの上下面を上下反転させて2回目の現像
工程を行うと、上面と下面との位置によるビアホールの
形状のばらつきを抑制することができる。
【0026】この場合、1回目の現像後に基板Kを取出
し、前記洗浄を行いビアホール内の樹脂片を洗い流す。
その後、前記乾燥と上下反転を行って2回目の現像を行
う。尚、従来における基板の上下面をそのままにして1
回の現像工程で行う方法に比べ、本発明により上下面を
反転して2回の現像工程を施す場合、その現像液のシャ
ワー圧は従来方法の約半分で済む。更に、形成されるビ
アホールのアスペクト比(深さ/内径)も、従来の方法に
比べて高くできることが確認された。
【0027】ここで、本発明による実施例を比較例と共
に説明する。前記図2の方法により形成されたビアホー
ル7と、従来の1回のみの現像によって形成された比較
例のビアホールについて、ネガ型によりビアホールを形
成するマスクによる露光遮蔽寸法を種々に変えて形成さ
れた複数のビアについて、それらの深さと同じ遮蔽寸法
毎のばらつき(分布)を測定した。その結果を図4のグラ
フに示す。図4から、実施例の各ビアホール7は、同じ
露光遮蔽寸法でも比較例に比べ深く形成でき、且つその
ばらつきも小さい範囲に留まっていた。この結果から、
本発明の方法は、比較的正確な形状と寸法のビアホール
が形成できることが裏付けられた。
【0028】また、洗浄と乾燥を挟んで現像を2回行う
本発明方法にて製造した実施例の多層配線基板28と、
従来同様1回の現像のみによる多層配線基板28と同じ
構造を有する比較例の配線基板をそれぞれ160個ずつ
用意した。これらの各配線基板内には、直径100μm
のビア12,18が合計1000個形成されている。各
配線基板28の前記パッド26に図示しないプローブを
接触させ、外部電源から一定の電流を各基板内の100
0個のビア12,18を含む立体回路に流して、係る回
路の抵抗値を測定することにより導通しているか否かを
判定した。そして、1000個のビア12,18のうち
1つでも不導通個所のある配線基板を不良として、各例
ごとの全体に対する不良率を算出した。また、上記測定
後に、実施例及び比較例の各配線基板28を分解して、
全てのビア12,18の上端における直径の平均と偏差
(1Σ)を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から、実施例の配線基板は不良率が5
%以下と低いのに対し、比較例では50%以上の不良率
であった。また、ビア12,18の直径も実施例は比較
例よりも平均で太く、且つばらつきも少ないことが判明
した。これらの結果も本発明方法の効果を裏付けるもの
であり、且つ多層配線基板の生産性の向上に寄与できる
ことも明白になった。
【0031】本発明は以上において説明した形態や実施
例に限定されるものではない。例えば、図5(A)及び
(B)に示すように、前記図1と同じくコア基板1の両面
に下層配線パターン4を形成し、その上方に樹脂絶縁層
6を形成し且つ露光した後、前記複数回の現像工程とそ
の間に洗浄及び乾燥工程を施してビアホール7を形成し
たものを用意する。次に、図5(C)に示すように、この
樹脂絶縁層6の表面全体に無電解銅メッキ等を施して数
10μmの厚さの銅の導体層30を形成し、更に、図5
(D)に示すように、上記銅体層30の上面に感光性の樹
脂からなる絶縁層32を形成する。次いで、係る樹脂絶
縁層32に露光と現像を行い、図5(E)に示すように、
所定の樹脂パターン33とする。そして、係る樹脂パタ
ーン33と上記導体層30とをエッチング液に浸漬する
ことにより、図5(F)に示すように、上記樹脂パターン
33により保護された位置に上層配線パターン34及び
ビア36が形成される。前記と同じ方法により、図示し
ない樹脂絶縁層や最上層配線パターン等を形成して、前
記配線基板28と同様な多層配線基板38を形成するこ
とができる。
【0032】また、本発明には、樹脂絶縁層の厚み等に
応じて、3回以上の現像工程とそれらの間における洗浄
及び乾燥工程を行うことも含まれる。尚、露光と現像は
未感光部分が現像により除去されるネガ型によると、樹
脂絶縁層の感光部分の樹脂の溶け出しが少なく、膜減り
量が少ないという点で優れているが、所謂ポジ型を用い
ることもできる。更に、前記多層配線基板28,38の
コア基板1には、BT樹脂とガラス繊維布との複合材
(ガラス−BTレジン材)の他、ガラス−エポキシ材、ガ
ラス−PPE材や、紙−エポキシ材等の複合材、或いは
エポキシ、BTレジン、ポリイミド、PPE等の樹脂を
用いても良い。
【0033】また、コア基板1を上記樹脂等に限らず、
セラミック製としても良い。係る剛性の高いセラミック
のコア基板1を用いる場合、その両面に同数の樹脂絶縁
層6,16と下層・上層・最上層配線パターン4,1
5,20を形成せず、互いに異なる層数としたり、或い
はコア基板1の片面にのみ樹脂絶縁層6等や下層・上層
配線パターン4,15等を形成しても良い。後者の場
合、前記スルーホール2等を省略することができる。更
に、上記コア基板1は必須の要素ではなく、例えば既設
の樹脂絶縁層の上面に下層配線パターン4を形成して順
次前記の各工程を行って、樹脂製多層配線基板を製造し
ても良い。或いは、既設のセラミック層又はセラミック
多層配線基板の上面に下層配線パターン4を形成して順
次前記の各工程を行い、セラミックと樹脂を含む複合多
層配線基板を製造することも可能である。
【0034】また、前記多層配線基板28の外部との導
通用端子にパッド26を用いたが、これに替えて半田バ
ンプ、リード、又はピン等を使用することもできる。
尚、配線パターン4等を銅で形成したが、Ni及びその
合金(Ni−P,Ni−B,Ni−Cu−P)、Co及びそ
の合金(Co−P,Co−B,Co−Ni−P)、Snとそ
の合金(Sn−Pb,Sn−Pb−Pd)、Au,Ag,P
d,Pt,Rh,又はRu等とそれらの合金の何れかを用
いることもできる。
【0035】
【発明の効果】以上において説明した本発明の製造方法
によれば、樹脂絶縁層に形成するビアホールを露光した
後に複数回の現像工程と、その間の洗浄及び乾燥工程に
より形成したので、正確な形状を有する比較的微細なビ
アホールを確実に形成できる。従って、追ってこのビア
ホール内に形成されるビアも正確になるため、上・下層
配線パターン間を確実に導通でき、設計通りの立体回路
を有する配線基板を提供することができる。また、請求
項4,5の発明によれば、配線基板の両面は勿論、片面
にのみ配線パターンを有する場合でも、正確な形状と寸
法を有するビアホールとこれに倣ったビアを形成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)乃至(H)は本発明を用いた配線基板の製造
工程の概略を示す部分断面図。
【図2】(A)乃至(D)は本発明によるビアホールの製造
工程を示す部分断面図、(E)は得られたビアを示す部分
断面図。
【図3】本発明の現像工程を示す概略図。
【図4】実施例及び比較例の露光遮蔽寸法とビアの深さ
の関係を示すグラフ。
【図5】(A)乃至(F)は本発明を用いた配線基板の異な
る製造工程を示す部分断面図。
【図6】(A)及び(B)は従来の製造工程を示す部分断面
図、(C)と(D)は得られたビアを示す部分断面図。
【符号の説明】
4…………………下層配線パターン 6,16…………樹脂絶縁層 7,17…………ビアホール 12,18,36…ビア 15,34………上層配線パターン 28,38………配線基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−310858(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/46

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下層配線パターンの上に樹脂絶縁層を形成
    する工程と、 上記樹脂絶縁層に対し露光と現像を行い、該樹脂絶縁層
    にビアホールを形成する工程と、を含む多層配線パター
    ンを形成することが予定されている配線基板の製造方法
    であって、 上記現像工程を複数回に分け、且つその間において上記
    樹脂絶縁層を洗浄した後に乾燥する工程を含むことを特
    徴とする配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1の前記ビアホールを形成した後、
    前記樹脂絶縁層の上に上層配線パターンを形成し、且つ
    前記ビアホール内にビアを形成する工程、を含むことを
    特徴とする多層配線パターンを有する配線基板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記露光と現像が、ネガ型により行われる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】前記複数回の現像工程は、配線基板を略水
    平に保持した状態で行い、該複数回の現像工程のうち最
    初又は中間の現像の後に、略水平に保持された前記配線
    基板の上下面を上下反転させた後、次の現像を行うこと
    を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の配線基板
    の製造方法。
  5. 【請求項5】前記下層配線パターンと樹脂絶縁層とを略
    水平に保持された前記配線基板の下面側に位置させた状
    態で、前記現像工程を行うことを特徴とする請求項1乃
    至4の何れかに記載の配線基板の製造方法。
JP21104897A 1997-08-05 1997-08-05 配線基板の製造方法 Expired - Fee Related JP3054388B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21104897A JP3054388B2 (ja) 1997-08-05 1997-08-05 配線基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21104897A JP3054388B2 (ja) 1997-08-05 1997-08-05 配線基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1154912A JPH1154912A (ja) 1999-02-26
JP3054388B2 true JP3054388B2 (ja) 2000-06-19

Family

ID=16599527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21104897A Expired - Fee Related JP3054388B2 (ja) 1997-08-05 1997-08-05 配線基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3054388B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002050868A (ja) * 1999-08-06 2002-02-15 Ibiden Co Ltd 多層プリント配線板の製造方法
WO2001011932A1 (fr) * 1999-08-06 2001-02-15 Ibiden Co., Ltd. Solution de galvanoplastie, procede de fabrication d'une carte imprimee multicouche au moyen de ladite solution, et carte imprimee multicouche

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1154912A (ja) 1999-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7583512B2 (en) Printed circuit board including embedded passive component
KR20090104142A (ko) 다층 프린트 배선판
TWI566649B (zh) Wiring board
JP2000244127A (ja) 配線基板および配線基板の製造方法
JP3054388B2 (ja) 配線基板の製造方法
JP4089198B2 (ja) 半導体装置用基板の製造方法
JP4137279B2 (ja) プリント配線板及びその製造方法
JPH05327224A (ja) 多層配線基板の製造方法及びその製造方法で製造される多層配線基板
TWI566648B (zh) Wiring board
JP2003209359A (ja) コア基板およびその製造方法
JP2655447B2 (ja) 表面実装用多層プリント配線板及びその製造方法
JPH036880A (ja) ブリント配線板及びその製造方法
JP4705972B2 (ja) プリント配線板及びその製造方法
JP3599957B2 (ja) 多層配線基板の製造方法
JP4180331B2 (ja) プリント配線基板、プリント配線基板用レリーフパターン付金属板、及び、プリント配線基板の製造方法
JPH06120640A (ja) フレキシブルプリント配線の製造法
JP4464790B2 (ja) 配線基板の製造方法
TWI815596B (zh) 加成法細線路電路板製造方法
JP3713726B2 (ja) 多層プリント配線板
JPH1168308A (ja) 配線基板の製造方法
JPH08186357A (ja) プリント配線板及びその製造方法
JPH1064341A (ja) 異方導電性フィルム及びその製造方法
JPH05325669A (ja) 異方導電フィルムの製造方法
JPS62156898A (ja) スル−ホ−ルプリント配線板の製造方法
JPH03225894A (ja) プリント配線板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000328

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees