JP3047864B2 - 光半導体気密封止容器及び光半導体モジュール - Google Patents

光半導体気密封止容器及び光半導体モジュール

Info

Publication number
JP3047864B2
JP3047864B2 JP9230566A JP23056697A JP3047864B2 JP 3047864 B2 JP3047864 B2 JP 3047864B2 JP 9230566 A JP9230566 A JP 9230566A JP 23056697 A JP23056697 A JP 23056697A JP 3047864 B2 JP3047864 B2 JP 3047864B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bottom plate
optical semiconductor
hermetically sealed
container
frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP9230566A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1174394A (ja
Inventor
伸好 田遠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP9230566A priority Critical patent/JP3047864B2/ja
Priority to EP98306652A priority patent/EP0899795A3/en
Priority to US09/137,152 priority patent/US6220765B1/en
Publication of JPH1174394A publication Critical patent/JPH1174394A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3047864B2 publication Critical patent/JP3047864B2/ja
Priority to US09/756,763 priority patent/US6345917B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光半導体素子を内
部に収納するための光半導体気密封止容器、及びその光
半導体気密封止容器を用いた光半導体モジュールに関す
る。
【0002】
【従来の技術】光通信を初めとする高速で動作すること
が必要な光エレクトロニクス用の半導体装置、特に光フ
ァイバー増幅器の励起用光源や光半導体増幅器等の半導
体モジュールにおいては、光半導体素子やドライバーI
C等を内部に収納するための気密封止容器が使用されて
いる。
【0003】従来の光半導体気密封止容器においては、
図1及び図2に示すように、一般にコバール等のFe−
Ni−Co合金のような金属からなる枠体1に、Fe−
Ni−Co合金又は42アロイ等のFe−Ni合金、若
しくはCuW等の複合金属材料からなる底板2を固定し
ている。特に消費電力が大きく、放熱性が要求される光
半導体気密封止容器では、CuWの底板2が使用されて
いる。
【0004】光半導体気密封止容器の側壁部である枠体
1は、上記のごとくコバール等を切削加工や射出成形し
て作製され、通常は複数のセラミックスシートの必要箇
所にメタライズを施したセラミックス端子部3と、コバ
ール製のリード端子4とを備えている。また、枠体1の
一部を絶縁体であるセラミックスで構成して、セラミッ
クス端子部3と一体化した構造のものや、枠体1に設け
た貫通穴にリード端子4を挿通し、ガラス封止して取り
付けた構造のものもある。
【0005】更に、枠体1には、容器の内部と外部で光
を透過させるために光透過窓5が形成してある。光透過
窓5は通常はコバール等のパイプからなり、気密封止の
ためにガラス等の窓材を張り付けている。一部の光半導
体気密封止容器では、ガラス等の窓材を使用せず、枠体
1に光ファイバーを貫通させて、光ファイバーごと半田
ロウ付けで気密封止した光ファイバー透過窓も使用され
ている。尚、この場合には窓枠のパイプのみ容器の枠体
1に接合している。
【0006】これらの枠体1、底板2、及びリード端子
4等の各部品は、銀ロウ付けや半田ロウ付けにより接合
されて、光半導体気密封止容器が組立てられる。この光
半導体気密封止容器は、後に蓋体で気密封止を行うため
と、容器の腐食を防ぐため、並びに半導体モジュール組
立時の半田付けを容易にするために、通常は全体に金め
っきが施される。この光半導体気密封止容器の内部に光
半導体素子などを実装した後、最後に容器の枠体1の上
端面にコバール等のリングを介して蓋体(図示せず)が
溶接又は半田ロウ付けにより気密に固定される。
【0007】かかる光半導体気密封止容器は、例えば特
開平6−314747号公報等に示されている。同公報
にも記載されるように、コバールやCuWからなる底板
は一般に金属を研削して作製されている。特に底板がC
uWの場合には、枠体のコバールと熱膨張率が異なるた
めに、容器に反りが発生する場合がある。この反りが発
生すると、放熱板にネジ止め固定した光半導体モジュー
ルの光軸がずれるという問題があったので、上記公報で
は底板のフランジ部を研削により薄くして反りを緩和吸
収している。
【0008】また、特開平6−82659号公報では、
底板のフランジ部を薄くする代わりに、フランジ部のみ
を縦弾性係数の小さな別の金属で構成することにより、
同等の効果を得ている。しかし、異種金属を接合面積の
小さな部分で接合し、しかも充分な強度を得ることは極
めて難しい。
【0009】半導体モジュールは、図3に示すように、
レーザダイオード(LD)素子6やフォトダイオード
(PD)素子のような光半導体素子のほか、これを駆動
させるドライバーIC、温度測定用のチップサーミスタ
等を回路基板7に搭載して、前記した光半導体気密封止
容器の内部に実装したものである。特にLD素子は温度
により発振波長が変わるほか、高温では光出力が低下し
たり、極端に寿命が短くなり信頼性が悪化する等の不具
合がある。
【0010】そこで、温度を制御し且つLD素子等を冷
却するために、電子冷却装置が用いられる。この電子冷
却装置は、図3に示すように、電極と配線がメタライズ
された2枚のセラミックス板からなる絶縁体基板9の間
に、化合物半導体であるBiTeの結晶又は焼結体で構
成された複数の電子冷却素子(ペルチェ素子)8を挟持
した構造を有している。電子冷却装置の絶縁体基板9と
しては、一般にアルミナや窒化アルミニウムが用いられ
ている。特に高放熱性を必要とする場合や、電子冷却装
置の消費電力を抑制する場合には、絶縁体板9として熱
伝導性の良い窒化アルミニウム(AlN)が使用され
る。
【0011】それぞれの電子冷却素子8は、絶縁体基板
9にメタライズされた配線により電気的に接合され、半
導体気密封止容器との間の電気的結線のために1対のリ
ードを有している。尚、光半導体モジュールの組み立て
では、この電子冷却装置を半導体気密封止容器の底板2
に半田付けした後、LD素子6やPD素子のような光半
導体素子及びその他の部品を予め実装しておいた回路基
板7を、電子冷却装置の片方の絶縁体基板9の上に半田
ロウ付けにより固定する。
【0012】尚、特開平5−67844号公報には、半
導体気密封止容器の底板と電子冷却装置の絶縁体基板と
を共用する光半導体モジュールが提案されている。即
ち、半導体気密封止容器の底板をAlN等のセラミック
スで構成する方法である。これにより、電子冷却装置の
片側の絶縁体基板を省略することができるため、半導体
モジュールの小型化、特に薄層化が実現される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく各部が異
種の材料で構成された光半導体気密封止容器は、光半導
体モジュールとして構成された後に、−40℃〜+12
5℃のMIL−STDに記載される耐環境試験により、
BiTe素子等の電子冷却素子が特性劣化を起こすこと
があった。電子冷却素子の特性劣化は、電子冷却装置の
冷却効率を悪化させて消費電力を大きくしたり、最悪の
場合は自己発熱により光半導体モジュールの温度制御が
できなくなるという問題がある。
【0014】これは、温度変化により、光半導体気密封
止容器の底板や、半導体モジュール内のLD素子やPD
素子を実装した回路基板等が反ることから、ヤング率が
低く且つ比較的柔らかいBiTe素子等の電子冷却素子
に熱応力が集中し、結果的に電子冷却素子にクラックが
発生することに起因する。
【0015】これらの問題の原因となる光半導体気密封
止容器の底板の反り(応力歪み)は主に次の理由により
発生すると考えられる。即ち、 容器の枠体と底板の
熱膨張率の相違による底板の熱応力歪み。 容器の底
板と電子冷却装置の絶縁体基板の熱膨張率の相違による
底板の熱応力歪み。その他にも、 電子冷却装置の絶
縁体基板と回路基板の熱膨張率の相違による熱応力歪み
により底板が反る、底板が固定されている放熱板が全
体の歪みを受けて反ることがあり、この放熱板の反りに
より底板が反る、等の理由も考えられる。
【0016】更に、半導体気密封止容器の底板の反り
は、電子冷却装置に欠陥を与えなくとも、LD素子やP
D素子のような光半導体素子と光ファイバーとの間の光
結合を行う光学系の光軸をずらせてしまう場合が有る。
この光軸のずれは、光半導体モジュールの光ファイバー
端出力を低下させるという問題がある。
【0017】また、上記特開平5−67844号公報に
記載されるように、半導体気密封止容器の底板をAlN
等のセラミックスで構成する方法では、底板にネジ止め
用の孔部等を加工することが困難なうえ、ネジ止め時に
底板の孔部周辺が割れやすいという欠点があった。ま
た、半導体モジュールと放熱板をネジ止めした後にも、
放熱板に反りが発生したとき底板が割れやすい等の問題
もあった。
【0018】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
底板の反りを低減することのできる光半導体気密封止容
器、並びにこの光半導体気密封止容器を用いることによ
る、電子冷却素子の劣化や光軸のずれが起こらない光半
導体モジュールを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する光半導体気密封止容器は、内部に
光半導体素子を収納する光半導体気密封止容器におい
て、金属、絶縁体、又は金属と絶縁体の複合体からなる
枠体と、該枠体に固定された金属からなる第1の底板
と、該第1の底板の前記枠体と反対側の表面に固定さ
れ、該第1の底板よりもヤング率が大きい第2の底板と
を備えることを特徴とするものである。
【0020】本発明の光半導体気密封止容器において
は、MIL−STDの環境試験温度及びLDモジュール
製造時の半田付け温度を考慮した−40℃〜+250℃
の温度範囲におけるヤング率が、金属からなる第1の底
板では15×103kg/mm2以下であり、且つ第2の
底板では25×103kg/mm2以上であることが好ま
しい。
【0021】また、本発明の光半導体気密封止容器は、
通常のごとく、上記枠体がリード端子と光透過窓又は光
ファイバー透過窓とを備え、更に枠体の底板と反対側に
固定される蓋体を備えることができる。
【0022】本発明の光半導体モジュールは、光半導体
気密封止容器の内部に、回路基板上に実装された少なく
とも一つの光半導体素子を収納したものである。この光
半導体モジュールは、容器の第1の底板と回路基板との
間に、一対の絶縁体基板で挟持されたペルチェ素子から
なる電子冷却装置を備えることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の光半導体気密封止容器で
は、図4に一具体例を示すように、枠体1に固定される
底板が、枠体1に固定された金属からなる第1の底板1
1と、第1の底板11の前記枠体1と反対側の表面に固
定された第2の底板12との2層構造からなり、第2の
底板12のヤング率を第1の底板11のヤング率よりも
大きくすることによって、底板の反りの主要因となる応
力歪みが金属からなる第1の底板11に吸収されるの
で、第2の底板12には反りが発生せず、その平坦度が
維持される。その結果、光半導体モジュールとしたと
き、温度変化による電子冷却素子の劣化や、光学系の光
軸のずれも発生しなくなる。
【0024】即ち、一般に底板の熱膨張係数が枠体の熱
膨張係数よりも大きいと、半導体気密封止容器組立時の
ロウ付け後に自然に張力が働く。これは、ロウ付け温度
の800℃程度の高温で枠体よりも底板が大きく伸びて
おり、ロウ材が固化した後に常温に冷却すると相対的に
底板の収縮率が大きくなるからである。この張力が反り
の原因でもあるが、底板として第2の底板12と共に薄
くてヤング率の小さな柔らかい金属からなる第1の底板
11を介在させた本発明では、冷却後に第1の底板11
が反らずに太鼓の膜の様に逆に平坦面を得ることができ
る。この第1の底板11にヤング率の大きな第2の底板
12を固定することにより、第2の底板の平坦度が容器
組立後も維持されるのである。
【0025】このように、第1の底板11に応力歪みを
吸収させ、第2の底板12の平坦度を維持するために
は、第2の底板12のヤング率を第1の底板11のヤン
グ率よりも大きくすることが必要である。そのため、M
IL−STDの環境試験温度及びLDモジュール製造時
の半田付け温度を考慮した−40℃〜+250℃の温度
範囲で、第1の底板11のヤング率が15×103kg
/mm2以下、且つ第2の底板12のヤング率が25×
103kg/mm2以上であることが好ましい。
【0026】このような第2の底板の具体的な材質とし
ては、窒化アルミニウム(AlN)又は炭化ケイ素(S
iC)を90%以上含有するセラミックスがある。ヤン
グ率が25×103kg/mm2よりも小さなセラミック
スでは、金属からなる第1の底板に応力歪みを十分に押
しつけることができず、セラミックスの第2の底板自体
が反ってしまう。特にAlNはアルミナに比較して熱伝
導率が高いことから、高出力タイプに適している。ま
た、第2の底板は亀裂や欠損等を生じさせないために、
抗折力が25×103kg/mm2以上のセラミックスが
好ましい。
【0027】尚、第2の底板の材質は、ヤング率が第1
の底板よりも高ければ良いので、上記したセラミックス
以外にも、例えばタングステンやモリブデン等の金属、
ダイヤモンド、立方晶BNの結晶又は多結晶等を用いる
ことも可能である。また、第2の底板の厚みは特に限定
されないが、通常は0.3〜1.0mm程度の厚みが好ま
しい。
【0028】一方、第1の底板としては、純銅、コバー
ル等のFe−Ni−Co合金、又は24アロイ等のFe
−Ni合金が好ましい。ヤング率が15×103kg/
mm2よりも大きな金属、例えばWやMo等では、薄い
金属板の加工が困難であるため第1の底板として適さな
い。第1の底板の厚みは、0.05〜0.5mmが好まし
い。その理由は、枠体と第1の底板の熱膨張率が異なる
場合には、800℃程度の高温でのロウ付け時に容器に
反りが生じやすいが、この反りを減らすために第1の底
板の厚みを0.5mm以下と薄くすることが有効なため
である。また、第1の底板の厚みが0.05mm未満で
は、ネジ止めの際に底板の割れが起こりやすいからであ
る。
【0029】第1の底板と第2の底板は積層し、ロウ材
等を用いて互いに接合固定して使用する。第1の底板と
してCuやFe−Ni−Co合金又はFe−Ni合金を
使用し、ロウ材に銀ロウを用いた場合、金属の第1の底
板と銀ロウの合金化が起こって歪みを生じることがある
が、Ni又はNiBめっきを予め第1の底板に施してお
くことにより回避することができる。尚、第1の底板と
してFe−Ni−Co合金又はFe−Ni合金はセラミ
ックスからなる第2の底板と熱膨張率が近い点で有望で
あり、またCu特に純銅は熱膨張率が第2の底板とは大
きく異なるものの、ヤング率が小さいことから有望であ
る。
【0030】一方、第2の底板の表層にも、ロウ材の濡
れ性を良くするためにNi又はNiBめっきを施すこと
が好ましい。第2の底板がセラミックス等からなる場合
は、最初にメタライズ層としてW、Mo、Pt、Ti等
の1種以上の層を形成し、その上にNi又はNiBめっ
きを施す。Ni又はNiBのめっき厚は1.5〜3μm
の範囲が好ましい。
【0031】第1の底板と第2の底板を組み合わせるに
際しては、放熱板へのネジ止め等を考慮して、各底板の
形状を定めることができる。尚、ネジ止め用の孔部や切
欠部等は、加工が簡単な金属からなる第1の底板に設け
ることが好ましい。金属からなる第1の底板は、容易に
エッチング加工やパンチ加工が可能であり、場所によっ
てはハーフエッチングも可能である。尚、第1の底板へ
のハーフエッチングによる窪み部の形成は、枠体の組み
込み時や電子冷却装置の実装時の位置ずれを防止する効
果があり、実装工程の歩留まり率を上げることができ
る。
【0032】また、第1の底板の中央部に、絶縁体基板
に電子冷却素子を搭載した電子冷却装置を嵌め込む位置
決め用の穴部を穿設しておけば、電子冷却装置の位置決
めが便利であるうえ、第1の底板がコバールや42アロ
イのように低熱伝導金属からなる場合であっても、電子
冷却装置が放熱板に直接接しているので放熱性が向上す
る。
【0033】第1の底板と第2の底板の具体的な組合せ
方法としては、最も簡単には図5に示すように、第2の
底板12と枠体1の間にフラットな第1の底板11を挟
む方法がある。この方法は金属の第1の底板11の加工
が容易であるが、取り付けるべき放熱板との間に第2の
底板12の厚さに相当する段差があるので、放熱板にネ
ジ止め固定する際に第1の底板11を折り曲げる必要が
ある。また、金属からなる第1の底板11を折り曲げる
と、AlN等からなる第2の底板12や枠体1等への亀
裂の発生が懸念される。
【0034】そこで、第1の底板に凹部又は窪み部を形
成しておき、この凹部又は窪み部に第2の底板が挿入し
て、放熱板への取付面となる両者の枠体と反対側の外表
面を面一にする方法が望ましい。例えば、図6に示すよ
うに、金属からなる第1の底板11の中央部をパンチ加
工等により断面コ字形状に予め折り曲げておき、この凹
部に第2の底板12を挿入する方法がある。この方法
は、第1の底板11と第2の底板12の外表面がフラッ
トになるので、放熱板への取り付けにも適している。
【0035】また、図7に示すように、第1の底板11
の中央部に第2の底板12全体を嵌め込む窪み部を形成
しておく方法もある。この方法では、第2の底板12の
全体が窪み部内に収容されるので、湿度に弱いAlNか
らなる第2の底板であっても防護することができる他、
フランジ部の強度も容易に向上させることができる。
尚、図7に示すリード端子4は、図5及び図6のように
枠体1に設けたセラミックス端子部3を用いて取り付け
るのではなく、枠体1の貫通孔にリード端子4を挿通し
てガラス封止4aにより固定した例である。
【0036】第1の底板11となる金属の薄板は加工が
容易であり、図8に示すように、フランジ部11aやネ
ジ止め用の孔部11b又は切欠部11cもパンチやエッ
チングにより簡単に加工できる。また、薄板では切削が
必要ないので、加工による応力歪みを無視することもで
きる。更に、第1の底板11の中央部をパンチ等により
くりぬいて、電子冷却装置を取り付けるための位置決め
用穴部11dを形成しておくこともできる。
【0037】一方、第2の底板となるセラミックスは、
複雑形状を高精度にて製作することは困難であるが、こ
こで使用するようなセラミックスの平板、又は電子冷却
装置の搭載部に窪みを有するセラミックス板等は、押し
出し成形技術により簡単に且つ低コストで製作すること
が可能である。
【0038】このようにして積層固定された第1の底板
と第2の底板は、その第1の底板の上に枠体をロウ付け
等により固定して、例えば図4に示すような光半導体気
密封止容器とする。尚、枠体としては、通常のごとく金
属、セラミックスのような絶縁体、及び金属と絶縁体と
の複合体を用いることができる。この光半導体気密封止
容器には、従来と同様に、電子冷却装置を実装(図3参
照)し、更に図9に示すように光半導体素子6等を取り
付けた回路基板7を電子冷却装置の上に実装した後、上
端開口部を蓋体(図示せず)で気密封止して、光半導体
モジュールを構成する。
【0039】この光半導体モジュールの構成に際して、
光半導体素子搭載用の回路基板と、電子冷却装置の絶縁
体基板と、半導体気密封止容器の第2の底板の熱膨張率
の差を±1×10 −6 /℃以下にすることが好ましい。
これによって、−40℃〜+125℃のMIL−STD
のヒートサイクル環境試験の温度変化でも電子冷却素子
の上下間でも反りがなくなり、更に内部に組み込まれた
電子冷却素子の劣化も、光学系の光軸ずれもない光半導
体モジュールが得られる。
【0040】
【実施例】図4に示す光半導体気密封止容器を作製し
た。枠体1及び第1の底板11として、−40℃〜+2
50℃の通常の半導体モジュールの組立温度範囲におけ
るヤング率が15×103kg/mm2以下のコバール板
を使用した。コバールからなる第1の底板11の厚みは
0.05mmとした。
【0041】また、第2の底板12として、ヤング率が
25×103kg/mm2以上、抗析力が25kg/mm
2以上であり、熱膨張率が4.5ppm/℃、熱伝導率が
150W/mKであって、AlN含有量が90%以上の
AlNセラミックス板を使用した。このAlNセラミッ
クス板からなる第2の底板の厚みは1.0mmとした。
【0042】上記コバール板をパンチ加工して、図6に
示すように断面コ字状に形成すると共に、図8に示すよ
うにフランジ部11aにネジ止め用の孔部11bや切欠
部11cを設け、更に中央部には後に搭載する電子冷却
装置の位置決め用穴部11dを形成して、第1の底板1
1とした。一方のAlNセラミックス板は、第1の底板
11の位置決め用穴部11dに対応して、中央部表面に
窪み部を設けた。
【0043】次に、コバールからなる第1の底板11
に、Niめっきを施した。また、AlNセラミックスか
らなる第2の底板12には、1つの層が500nm以下
のW/Niのメタライズ層をスパッタ蒸着した後、更に
その上にNiめっきを施した。その後、この第1の底板
11の凹部に第2の底板12を挿入し、銀ロウ付けによ
り固定した。尚、第2の底板12へのメタライズ層は、
W/Mo/Ni、W/Pt/Ni、Ti/Pt/Ni、
Ti/Mo/Ni等でも問題はなかった。
【0044】上記のごとく積層固定した第1の底板11
上に、図4に示すように、コバールからなる枠体1を銀
ロウ付けにより固定した。また、この枠体1には、複数
のセラミックスシートからなるセラミックス端子部3
と、コバールからなる複数のリード端子4と、コバール
のシーム溶接用のリングと、コバールからなる光透過窓
5用の円形パイプ枠を銀ロウ付けした。これらを同時接
合することによって、低コスト化が図れるほか、放熱特
性も向上する。この後、光透過窓5用のガラスを張り付
け、全体に金めっきを施して、光半導体気密封止容器を
完成させた。
【0045】この光半導体気密封止容器を用いて、図9
に示す光半導体モジュールを製作した。まず、半導体気
密封止容器の第1の底板11の上に、電子冷却装置を通
常のごとく実装した。この電子冷却装置は、ペルチェ素
子である複数のBiTe素子をAlNからなる2枚の絶
縁体基板で挟持した通常のものであり、絶縁体基板は光
半導体気密封止容器の第2の底板12及び後述する回路
基板と同じAlNセラミックスを使用した。
【0046】また、実装用の光半導体モジュール内部の
回路基板7として、AlNセラミックス基板を使用し
た。この基板は絶縁体であればAlNセラミックス以外
の材質、例えばアルミナでも良いが、電子冷却装置の絶
縁体基板との熱膨張率の差が1×10 −6 /℃を越える
と電子冷却素子の劣化が起きるので、電子冷却装置の絶
縁体基板と同じAlNセラミックスを使用した。このた
め、第2の底板12、絶縁体基板及び回路基板7の間の
熱膨張率差は0.1×10 −6 /℃程度しかなく、これ
は熱膨張率の測定誤差程度である。
【0047】このAlNセラミックスからなる回路基板
7の上に、LD素子6とレンズ10とを光軸合わせを行
った後に固定した。更に、LD素子6の後ろにはPD素
子、及びLD素子6を変調駆動するためのドライバーI
C等を回路基板7上に実装した。尚、このAlNセラミ
ックスからなる回路基板7には、ドライバーICからの
高周波信号の劣化を抑制し、ドライバーICの寿命を延
ばして信頼性を向上させるため、配線をメタライズして
ある。また、LD素子6の近傍には温度測定用のチップ
サーミスタが実装してある。
【0048】この回路基板7を電子冷却装置の絶縁体基
板上に半田付けした。電子冷却素子の配線リードは、光
半導体気密封止容器の内側に用意したリード端子に熱圧
着で接続した。その他の配線はリボン形状のワイヤボン
ドにて行った。最後に、枠体1の解放上端に、金めっき
したコバールの蓋体(図示せず)をシーム溶接して気密
封止した。
【0049】外付けの光ファイバーはジルコニアのセラ
ミックスフェルールに挿入した後、8度の角度を付けて
斜めに研磨した。これは、光ファイバーの端面からの光
反射がLD素子6のノイズに与える影響を減らすためで
ある。このフェルールに円筒形のFe−Ni合金製の外
枠を取り付け、光ファイバーと容器の間には円筒形のF
e−Ni合金製の外枠を付けたアイソレータとレンズを
挿入し、これら全てを光ファイバーに最大限の光が入射
できるように位置合わせした後、YAG溶接により組み
立てた。
【0050】この光半導体モジュールは、第1の底板1
1の孔部11b及び切欠部を利用して、厚さ3mm及び
縦横200×300mmの放熱板にネジ止めにより固定
した後、−40℃〜+125℃のヒートサイクル試験に
供したところ、電子冷却素子の劣化も光学系の光軸ずれ
による光出力の低下も観測されなかった。
【0051】尚、上記した実施例では、第2の底板とし
てAlNセラミックスを用いたが、SiC含有量が90
%以上のSiCセラミックスを用いても良い。SiCセ
ラミックスは、熱伝導率が130W/mkと高熱伝導で
あり、熱膨張率が4.2×10 −6 /℃で電子冷却装置
の絶縁体基板であるAlNセラミックスとも熱膨張率差
0.3×10 −6 /℃と小さい。更に、これらのセラ
ミックス以外にも、第2の底板として、WやMo、ダイ
ヤモンド、立方晶BN等を使用することもできる。
【0052】また、第1の底板として、42アロイ又は
Cuを使用しても良い。第1の底板としてCuを使用す
る場合には、熱膨張率が枠体と異なることと、強度が小
さくネジ止め用の孔部が割れやすいため、0.1〜0.3
mm程度の厚さとすることが望ましい。また、42アロ
イの場合も、熱膨張率が枠体のコバールよりも大きいた
め、0.05〜0.4mm程度の厚さにすることが望まし
い。また、光半導体モジュールには電子冷却装置を使用
しない場合もあるが、このときは実装済みの回路基板を
直接容器に接合する。尚、この構造の光半導体モジュー
ルでも、本発明によるものは光軸のずれが生じることは
なかった。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、底板の反りをなくし
て、光軸のずれによる光出力低下や、電子冷却素子の劣
化が起こらない光半導体気密封止容器、及びこの容器を
用いた光半導体モジュールを提供することができる。し
かも、本発明の光半導体気密封止容器は、容器裏面と放
熱板の密着性が高く、且つ底板を薄くすることができる
ために、放熱性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光半導体気密封止容器の概略の斜視図で
ある。
【図2】従来の光半導体気密封止容器の概略の断面図で
ある。
【図3】従来の光半導体モジュールの概略の断面図であ
る。
【図4】本発明の光半導体気密封止容器の一具体例を示
す概略の斜視図である。
【図5】図4の光半導体気密封止容器の概略の側面図で
ある。
【図6】本発明の光半導体気密封止容器の別の具体例を
示す概略の側面図である。
【図7】本発明の光半導体気密封止容器の別の具体例を
示す概略の側面図である。
【図8】本発明に係わる第1の底板の一具体例を示す概
略の正面図である。
【図9】本発明の光半導体モジュールの一具体例を示す
概略の斜視図である。
【符号の説明】
1 枠体 2 底板 3 セラミックス端子部 4 リード端子 5 光透過窓 6 LD素子 7 回路基板 8 電子冷却素子 9 絶縁体基板 10 レンズ 11 第1の底板 11a フランジ部 11b 孔部 11c 切欠部 11d 位置決め用穴部 12 第2の底板

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に光半導体素子を収納する光半導体
    気密封止容器において、金属、絶縁体、又は金属と絶縁
    体の複合体からなる枠体と、該枠体に固定された金属か
    らなる第1の底板と、該第1の底板の前記枠体と反対側
    の表面に固定され、該第1の底板よりもヤング率が大き
    い第2の底板とを備えることを特徴とする光半導体気密
    封止容器。
  2. 【請求項2】 前記第1の底板が放熱板へのネジ止め用
    の孔部又は切欠部を有することを特徴とする、請求項1
    に記載の光半導体気密封止容器。
  3. 【請求項3】 前記第2の底板が第1の底板の凹部又は
    窪み部に挿入され、両方の底板の前記枠体と反対側の外
    表面が面一に形成されていることを特徴とする、請求項
    1又は2に記載の光半導体気密封止容器。
  4. 【請求項4】 前記第1の底板の中央部に、電子冷却装
    置が嵌め込まれる位置決め用の穴部又は窪み部が設けら
    れていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに
    記載の光半導体気密封止容器。
  5. 【請求項5】 前記第1の底板はヤング率が15×10
    3kg/mm2以下であり、且つ前記第2の底板はヤング
    率が25×103kg/mm2以上であることを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれかに記載の光半導体気密封止
    容器。
  6. 【請求項6】 前記第2の底板は、窒化アルミニウム又
    は炭化ケイ素を90%以上含有する抗折力が25kg/
    mm2以上のセラミックスからなることを特徴とする、
    請求項1〜5のいずれかに記載の光半導体気密封止容
    器。
  7. 【請求項7】 前記セラミックスからなる第2の底板は
    その表層にNi又はNiBの金属層が設けてあることを
    特徴とする、請求項6に記載の光半導体気密封止容器。
  8. 【請求項8】 前記金属からなる第1の底板が、純銅、
    Fe−Ni−Co合金、又はFe−Ni合金であること
    を特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の光半導
    体気密封止容器。
  9. 【請求項9】 前記金属からなる第1の底板の厚みが
    0.05〜0.5mmであることを特徴とする、請求項8
    に記載の光半導体気密封止容器。
  10. 【請求項10】 前記第1の底板の表層にNi又はNi
    Bの金属層が設けてあることを特徴とする、請求項8又
    は9に記載の光半導体気密封止容器。
  11. 【請求項11】 前記枠体がリード端子と光透過窓又は
    光ファイバー透過窓とを備え、更に該枠体の底板と反対
    側に固定される蓋体を備えることを特徴とする、請求項
    1〜10のいずれかに記載の光半導体気密封止容器。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の光
    半導体気密封止容器の内部に、回路基板上に実装された
    少なくとも一つの光半導体素子が収納されていることを
    特徴とする光半導体モジュール。
  13. 【請求項13】 前記容器の第1の底板と前記回路基板
    との間に、一対の絶縁体基板で挟持されたペルチェ素子
    からなる電子冷却装置を備えることを特徴とする、請求
    項12に記載の光半導体モジュール。
  14. 【請求項14】 前記電子冷却装置の絶縁体基板と、前
    記回路基板と、前記容器の第2の底板との間における熱
    膨張率の差が±1×10 −6 /℃以下であることを特徴
    とする、請求項13に記載の光半導体モジュール。
JP9230566A 1997-08-27 1997-08-27 光半導体気密封止容器及び光半導体モジュール Expired - Fee Related JP3047864B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9230566A JP3047864B2 (ja) 1997-08-27 1997-08-27 光半導体気密封止容器及び光半導体モジュール
EP98306652A EP0899795A3 (en) 1997-08-27 1998-08-19 Optical-semiconductor container or module
US09/137,152 US6220765B1 (en) 1997-08-27 1998-08-20 Hermetically sealed optical-semiconductor container and optical-semiconductor module
US09/756,763 US6345917B2 (en) 1997-08-27 2001-01-10 Hermetically sealed optical-semiconductor container and optical-semiconductor module

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9230566A JP3047864B2 (ja) 1997-08-27 1997-08-27 光半導体気密封止容器及び光半導体モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1174394A JPH1174394A (ja) 1999-03-16
JP3047864B2 true JP3047864B2 (ja) 2000-06-05

Family

ID=16909766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9230566A Expired - Fee Related JP3047864B2 (ja) 1997-08-27 1997-08-27 光半導体気密封止容器及び光半導体モジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3047864B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3409781B2 (ja) 2000-09-05 2003-05-26 住友電気工業株式会社 光半導体モジュールの製造方法
JP3433732B2 (ja) * 2000-11-22 2003-08-04 住友電気工業株式会社 光半導体気密封止容器及び光半導体モジュール並びに光ファイバー増幅器
JP5375552B2 (ja) * 2009-11-24 2013-12-25 東芝ライテック株式会社 発光装置及びこれを備えた照明器具
US10720394B2 (en) 2015-11-19 2020-07-21 Kyocera Corporation Electronic component mounting board and electronic device

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1174394A (ja) 1999-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6220765B1 (en) Hermetically sealed optical-semiconductor container and optical-semiconductor module
JP3433732B2 (ja) 光半導体気密封止容器及び光半導体モジュール並びに光ファイバー増幅器
US20040183172A1 (en) Package for housing semiconductor chip, and semiconductor device
JP3129249B2 (ja) 光半導体気密封止容器及び光半導体モジュール
US6426591B1 (en) Package for housing photosemiconductor element
JP3047864B2 (ja) 光半導体気密封止容器及び光半導体モジュール
JP2001015635A (ja) 光半導体素子収納用パッケージ
JP2002184888A (ja) 入出力端子および半導体素子収納用パッケージ
JP2004253409A (ja) 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置
JP2002329920A (ja) 光モジュール
JP2001168447A (ja) レーザーダイオード光モジュール
JP3898520B2 (ja) 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置
JP2001028407A (ja) 光半導体素子収納用パッケージ
JP2002314186A (ja) 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置
WO2003025652A1 (en) Hermetically sealed package container for optical module
JP2003209314A (ja) 光半導体素子収納用パッケージ
JP3881574B2 (ja) 光半導体素子収納用パッケージ
JP2003258357A (ja) 光半導体素子収納用パッケージ
JP2001144361A (ja) 光半導体素子用パッケージ
JP2004153107A (ja) 光半導体モジュール用パッケージ
JP2003037196A (ja) 光半導体素子収納用パッケージ
JP2006128267A (ja) 入出力端子ならびにこれを用いた電子部品収納用パッケージおよび電子装置
JP2004294782A (ja) 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置
JP2004221327A (ja) 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置
JP2001102636A (ja) 光半導体素子収納用パッケージ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees