JP3046817B1 - 車両のサスペンション方法及び装置 - Google Patents

車両のサスペンション方法及び装置

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JP3046817B1
JP3046817B1 JP11079866A JP7986699A JP3046817B1 JP 3046817 B1 JP3046817 B1 JP 3046817B1 JP 11079866 A JP11079866 A JP 11079866A JP 7986699 A JP7986699 A JP 7986699A JP 3046817 B1 JP3046817 B1 JP 3046817B1
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Abstract

【要約】 【課題】 車両のサスペンションをモード別に防振して
車両の乗り心地を改善し、また車両の姿勢を良好に制御
して車両の操縦性及び安定性を向上することができる。 【解決手段】 各車輪14と車体16の間に油圧シリン
ダから成る荷重発生アクチュエータ18をそれぞれ配置
し、各車輪毎にタイヤ上下変位と上下変位速度とを検出
し、すべての車輪のタイヤ上下変位とタイヤ上下変位速
度とに基づいて車体が左右上下にバランスするように各
車輪14に相応する荷重発生アクチュエータ18を制御
すると、ピッチング、ローリング及びバウンシングのす
べてにわたって車両を防振することができ、車両の乗り
心地及び操縦性を改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のサスペンシ
ョンに関し、特に、路面の変化又は旋回時の車両の走行
時の姿勢を安定させるように車体を支持する車両のサス
ペンション方法及び装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術の車両のサスペンション装置1
00は、図21に示すように、車両12の各車輪14と
車体(図示せず)との間に配置されたコイルばね102
とショックアブゾーバ104とから成っている。車両1
2が路面の変化に応じて走行中に上下に振動すると、ス
ピンドルを介してナックル106がタイヤ14Aの径方
向及び車軸方向にタイヤに対して相対的な移動を生ずる
ことなく上下運動し、ナックル106の上下のアッパリ
ンク108及びロアリンク110がそれぞれアッパリン
クピン112及びロアリンクピン114を中心として車
体の前後方向、即ち車両12の長手方向を回転軸線とし
てタイヤ14Aと車体との間に上下方向の相対的変位が
生ずる。
【0003】車両のサスペンション装置100がパラレ
ルダブルウイッシュボーン式である場合に、図22に示
すように、アッパリンク長Lu及びロアリンク長Ll、
即ちアッパリンクピンPu及びロアリンクピンPlとナ
ックルの上下のボールジョイントBJu、BJlとの間
の車幅方向のそれぞれ距離が等しいと、上下のリンクピ
ンを結ぶ線L1とナックルの上下のボールジョイントを
結ぶ線L2とが平行に上下に変位する。
【0004】既に述べたように、アッパリンク108又
はロアリンク110がそれぞれのリンクピン112、1
14を回転軸線として上下に回転変位すると、この回転
変位は、車体側に取付けられたコイルばね102及びシ
ョックアブゾーバ104のマウント点に伝達され、コイ
ルばね102及びショックアブゾーバ104を伸縮し、
ショックアブゾーバ104の伸縮速度に対応して車体側
に伝達荷重を発生し、タイヤ14Aは、車体側に対して
運動エネルギーを吸収しつつ上下に振動する。
【0005】サスペンション装置100が4輪ダブルウ
イッシュボード式であってスタビライザがない場合に
は、4つのタイヤの各1つのタイヤ14Aの上下運動と
それに相応するコイルばね102及びショックアブゾー
バ104の発生荷重とはそれぞれ1対1で相関し、他の
3つのタイヤの上下運動とは無関係である。
【0006】車幅方向に車体の両端のロアリンク110
に跨ってスタビライザー116を設置すると、左右のタ
イヤ14Aの上下の相対変位を抑制するようにこの相対
変位に対してはばね荷重が発生するが、相対速度に対し
ては荷重を発生することがない。注目すべきことは、ス
タビライザ116は、各タイヤの上下の変位が左右のタ
イヤの相対変位にのみ影響を受けるように作用すること
である。
【0007】しかし、従来技術のサスペンション装置に
は、種々の問題点がある。まず、一般に車両が良路を走
行する時は、ばね上(車体側)はピッチング、ローリン
グ及びバウンシングを固有振動モードの変位として振動
し、ばね上の運動は、これらの固有振動モードの変位の
重畳和として表される。このように、車両の固有振動モ
ードは3つの形態を有するのに対して、従来技術のサス
ペンション装置を構成するばね及びダンパー(減衰力を
発生するショックアブゾーバ)の振動特性は、前後のサ
スペンションの各ショックアブゾーバの2つの形態を有
するにすぎない。このため、たとえ、前後のショックア
ブゾーバの減衰係数を調整してピッチングの振動を変え
ると、他の振動も変化し、従ってピッチング、ローリン
グ及びバウンシングの3つの振動を独立して調整するこ
とができないため乗り心地が悪い上に防振速度が遅い欠
点があった。
【0008】サスペンション装置がパラレルダブルウイ
ッシュボーン式である場合に、バウンシングやピッチン
グによって左右のタイヤが上下に変位し、アッパーアー
ム及びロアアームが回転変位すると、タイヤトレッドが
変化するため、タイヤの摩耗を早める原因となってい
た。
【0009】また、パラレルダブルウイッシュボーン式
のサスペンション装置では、ショックアブゾーバが車高
方向に配置され、アッパーリンク長、ロアリンク長及び
スタビライザが車幅方向に配置されるため、サスペンシ
ョン装置が占める空間が大きく、車両が車高方向及び車
幅方向に縮小することができない上に車両空間を有効に
利用することができなかったかった。
【0010】更に、従来技術のサスペンション装置は、
下記の通り、車両の姿勢制御の上で好ましくない欠点が
あった。 (1)車両の旋回時に、車速を高くするにつれ、また旋
回半径を小さくするにつれて車両の重心軌道がトレッド
中心軌道の外側に逸脱し、車両が転倒し易くなる上に車
両の操縦性が低下する。 (2)車両の急制動時に、車両が前のめりになって後輪
が路面から浮き上がりり、制動力が低下する上に急旋回
が生ずる。 (3)車両の急発進時に、車両の後部が沈下し、乗り心
地が低下する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する1つの課題は、モード別防振によって車両の乗り心
地を改善し、また車両の姿勢を良好に制御して車両の操
縦性及び安定性を向上することができる車両のサスペン
ション方法及び装置を提供することにある。
【0012】本発明が解決しようとする他の課題は、タ
イヤの上下変位によて生ずる傾向があるトレッドの変化
を防止してタイヤの摩耗を防止し、且つ車両の操縦性を
向上することができる車両のサスペンション方法及び装
置を提供することにある。
【0013】本発明が解決しようとする更に他の課題
は、発生荷重をタイヤに伝達する機構を小さな空間に配
置することができ、従って車両の車幅方向及び車高方向
の寸法を縮小することができる車両のサスペンション方
法及び装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の課題解決
手段は、車両の各車輪と車体の間に、シリンダ室の圧力
差によってピストンに荷重を発生する流体シリンダから
成る荷重発生アクチュエータをそれぞれ配置し、一方各
車輪毎にタイヤ上下変位と上下変位速度とを検出し、す
べての車輪のタイヤ上下変位とタイヤ上下変位速度とを
制御パラメータとしてこの制御パラメータに基づいて車
体が前後左右上下にバランスするように各車輪に相応す
る荷重発生アクチュエータを制御することを特徴とする
車両のサスペンション方法を提供することにある。
【0015】本発明の第2の課題解決手段は、第1の課
題解決手段による車両のサスペンション方法であって、
車両の重心加速度を更に検出し、各車輪に相応する荷重
発生アクチュエータをすべての車輪のタイヤ上下変位と
タイヤ上下速度に重心加速度を加えて制御パラメータと
し、これらの3つの制御パラメータに基づいて各車輪に
相応する荷重発生アクチュエータを制御することを特徴
とする車両のサスペンション方法を提供することにあ
る。
【0016】本発明の第3の課題解決手段は、車両の各
車輪と車体の間にそれぞれ配置されシリンダ室の圧力差
によってピストンに荷重を発生する流体シリンダから成
る荷重発生アクチュエータと、各車輪毎にタイヤの上下
変位を検出するタイヤ上下変位センサと、各車輪毎にタ
イヤの上下変位速度を検出するタイヤ上下変位速度セン
サと、すべての車輪のタイヤ上下変位センサとタイヤ上
下変位速度センサとの検出値を制御パラメータとしてこ
の制御パラメータに基づいて車体が前後左右上下にバラ
ンスするように各車輪の荷重発生アクチュエータを制御
する制御系統とを備えていることを特徴とする車両のサ
スペンション装置を提供することにある。
【0017】本発明の第4の課題解決手段は、第3の課
題解決手段による車両のサスペンション装置であって、
車両の重心加速度を検出する重心加速度検出手段を更に
備え、制御系統は、すべての車輪のタイヤ上下変位セン
サとタイヤ上下速度センサの検出値に重心加速度検出手
段の検出値を加えて制御パラメータとし、これらの3つ
の制御パラメータに基づいて各輪に相応する荷重発生ア
クチュエータを制御することを特徴とする車両のサスペ
ンション装置を提供することにある。
【0018】本発明の第5の課題解決手段は、第3又は
第4の課題解決手段による車両のサスペンション装置で
あって、各車輪に相応する荷重発生アクチュエータは、
相応する車輪のタイヤ位置に対して車両の長手方向にず
らせて配置され、荷重発生アクチュエータと車輪との間
でトルクを伝達するトルク伝達機構が設けられているこ
とを特徴とするの車両のサスペンション装置を提供する
ことにある。
【0019】本発明の第6の課題解決手段は、第3乃至
第5の課題解決手段いずれかによる車両のサスペンショ
ン装置であって、記制御系統は、タイヤの上下変位及び
上下変位速度に前記車体側の重心変位、重心速度、重心
加速度を重畳させるか手動操作を加えることによってサ
スペンションばね定数及びダンピング定数を変化させる
ようにしたことを特徴とする車両のサスペンション装置
を提供することにある。
【0020】本発明の第7の課題解決手段は、第3乃至
第6の課題解決手段いずれかによる車両のサスペンショ
ン装置であって、荷重発生アクチュエータは、各制御パ
ラメータに基づいて求められる発生荷重を受ける複数の
流体シリンダ群から成り、各流体シリンダ群は、振動モ
ード別の流体シリンダを含み、複数の流体シリンダ群及
び各流体シリンダ群内の流体シリンダは縦列されている
ことを特徴とする車両のサスペンション装置を提供する
ことにある。
【0021】このように、車両の各車輪と車体の間に
シリンダ室の圧力差によってピストンに荷重を発生する
流体シリンダから成る荷重発生アクチュエータをそれぞ
れ配置し、各車輪毎にタイヤ上下変位と上下変位速度と
を検出し、すべての車輪のタイヤ上下変位とタイヤ上下
変位速度とを制御パラメータとしてこの制御パラメータ
に基づいて車体が前後左右上下にバランスするように各
車輪に相応する荷重発生アクチュエータを制御すると、
固有振動モード別に車体側の振動を防止することがで
き、従ってピッチング、ローリング及びバウンシングの
すべてにわたって車両を防振することができ、車両の乗
り心地及び操縦性を著しく改善することができる。
【0022】また、車体側が上下に振動する際に、左右
の輪間距離が変化することがなく、タイヤトレッドの変
化によるタイヤの摩耗を生ずることがなく、これは車輪
側の振動を抑制することになるので好ましい。
【0023】更に、各荷重発生アクチュエータは、相応
する車輪のタイヤ位置に対して車両の長手方向にずらせ
て配置されていて車輪とはトルク伝達機構によって接続
されていると、サスペンションが占める空間は、車両の
車幅方向はもちろん、車高方向にも縮小することがで
き、車両を小型化し又は車両内の空間を有効に利用する
ことができる。
【0024】特に、タイヤの上下変位及び上下変位速度
の外に、タイヤを変えることなく、車体の重心変位、重
心速度、重心加速度を重畳させるか手動操作を加えるこ
とによってサスペンションばね定数及びダンピング定数
を変化させると、車両の乗り心地を一層向上することが
できる上に、操縦性等の運動性能を向上することができ
る。
【0025】また、手動操作で又は重心加速度に応じた
自動操作によってタイヤの上下変位の零基準点の変更量
を各タイヤの上下変位から減ずることによって車両の姿
勢を自由に調節することができ、これは、車両の旋回時
の限界モーメントが減少するのを防止して車両の操縦性
及び転倒性が向上し、制動時の車両の前のめりを防止し
て制動距離を縮小することができ、更に急発進時の車両
の後部の沈下を防止して乗り心地を向上することができ
る。
【0026】特に重心移動が大きい商業車等の大型車
は、種々のモードの振動及び姿勢の変化が大きいが、発
進時及び制動時等の重心移動に応じてサスペンションば
ね定数及びダンピング定数を変化させると、その防振効
果及び姿勢制御が著しく大きく、従って特に大型車にき
わめて有効である。
【0027】各車輪に設けられている荷重発生アクチュ
エータが各制御パラメータに基づいて求められる発生荷
重を受ける複数の流体シリンダ群から成り、各流体シリ
ンダ群が振動モード別の流体シリンダを含み、これらの
複数の流体シリンダ群及び各流体シリンダ群内の流体シ
リンダが縦列されていると、それぞれの制御パラメータ
及び振動モード毎の発生荷重を容易に求めることができ
る上に応答性が向上し、従って迅速な反応性を有する高
い品質の制御系統を容易に設計することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明に係わる車両のサスペンシ
ョン装置10の実施の形態を図面を参照して詳細に述べ
ると、図1及び図2は本発明に係わるサスペンション装
置10を概略的に示し、このサスペンション装置10
は、車両12の各車輪14A乃至14D(以下総体的に
符号14で表す)と車体16との間にそれぞれ配置され
た流体シリンダ(油圧シリンダ)から成る荷重発生アク
チュエータ18A乃至18D(以下総体的に符号18で
表す)と、各車輪14毎にタイヤの上下変位dを検出す
るタイヤ上下変位センサ20(図2参照)と、各車輪1
4毎にタイヤの上下変位速度vを検出するタイヤ上下変
位速度センサ22(図2参照)と、すべての車輪14の
タイヤ上下変位センサ20とタイヤ上下変位速度センサ
22との検出値を制御パラメータとし、この制御パラメ
ータに基づいて車体16が前後左右上下にバランスする
ように各車輪の荷重発生アクチュエータ18を制御する
制御系統26とを備えている。
【0029】制御系統26は、タイヤ上下変位d及びタ
イヤ上下変位速度vの外に、重心加速度g0の検出値を
受けて荷重発生アクチュエータ18を制御することもで
きる。この重心加速度g0は、図3に示すように、車両
12の左右対称の垂直面VF内で前後上下に配置された
4つの加速度センサ24から計算によって求められる
が、その詳細は図3を参照して後に述べる。
【0030】本発明のサスペンション装置10の具体的
な形態を図4以下を参照して詳細に説明するが、図4乃
至図6は本発明が適用される非駆動系(後輪駆動車両の
前輪側)のサスペンション装置10の1つの前輪14A
に相応する装置部分10Aを示し、この装置部分10A
は、一方の前輪14Aを支持するスピンドル(車軸)3
0と荷重発生アクチュエータ18との間でトルクを伝達
するトルク伝達機構28を備えている。他方の前輪14
Bに相応する装置部分も装置部分10Aと全く同様に構
成されている。
【0031】スピンドル30は、特に、図5に示すよう
に、略C字形のスピンドルハンガー31を一体に有し、
このスピンドルハンガー31は、その上下に揺動ピン3
2、32’を有し、これらの揺動ピン32、32’は、
アッパー支持ステー34のボス部36とロア支持ステー
34’のボス部36’との間でボス部36、36’の内
面に設けられたキー38、38’によって回転不能であ
るが摺動可能に支持された上下のブッシュ状の摺動部材
40、40’に係入してスピンドルハンガー31を揺動
自在に支持している。従って、スピンドル30は、上下
の摺動部材40、40’の軸線を中心にして揺動して車
両のステアリング操作によって前輪14A(又は14
B)を車両の旋回方向に向けることができるようになっ
ている。なお、上下の支持ステー34、34’は、図4
に示すように、二股状のアームから成り、それぞれのア
ームの先端のフランジ34a、34’aを図示しない車
体にねじ止めして車体に取付けられている。なお、図4
乃至図7において符号40a、40’aは、それぞれ上
下の摺動部材40、40’の外面に縦方向に設けられて
キー38、38’が係入するキー溝である。
【0032】トルク伝達機構28は、上下の支持ステー
34、34’のそれぞれ相対する端部に取り付けられた
上下の水平取付片43、43’を有するスピンドル側可
動部材42と、荷重発生アクチュエータ14に取り付け
られた水平取付片44aを有するアクチュエータ側可動
部材44と、これら可動部材42及び44を相互に連動
する連動手段46とから成っている。
【0033】スピンドル側可動部材42の水平取付片4
3、43’は、それぞれブッシュ状摺動部材40を抱き
止めてこの摺動部材40に支持されたボス45、45’
を有する。これらのボス45、45’は、2つ割のボス
半部45A、45B、45’A、45’Bから成り、こ
れらのボス半部45A、45Bは、その中にブッシュ状
摺動部材40、40’を抱き込むようにしてそのフラン
ジ45a、45bを相互にねじ止めして摺動部材40、
40’に支持されている。
【0034】従って、スピンドル側可動部材42は、上
下の摺動部材40、40’を支持する上下の支持ステー
34、34’によって車体16に対して水平方向の変位
が拘束され、また同様にしてアクチュエータ側可動部材
44は、上下の前後に設けられたローラ48A、48B
及び48’A、48’Bによって車体16に対して水平
方向の変位が拘束されている。
【0035】連動手段46は、図示の形態では、可動部
材42及び44の外面に設けられたラック50、52
と、これらのラック50、52にアイドラーギヤ54、
56を介して噛み合うピニオンギヤ58、60を有する
トルク伝達軸62とから成っている。タイヤ上下変位セ
ンサ20及びタイヤ上下変位速度センサ22は、トルク
伝達軸62に設けられている。
【0036】後輪駆動車両の他方の前輪14Bを懸架す
る装置部分も図3乃至図7の装置部分10Aと同様の構
成を有するのでその説明は省略する。なお、図4におい
て符号63は、三角形頂点の上下左右方向の平行移動を
拘束するが三角形頂点のまわりの回転移動を許容する軸
受け取付位置を示す。
【0037】次に、駆動系(後輪駆動車両の駆動側であ
る後輪14C、14D)のサスペンション装置10CD
が図8乃至図11に示されており、このサスペンション
装置10CDは、装置部分10Aと実質的に同じである
が、後輪14C、14Dを駆動する駆動軸64がスピン
ドルハンガー31を貫通して支持されており、この駆動
軸64は、図示しない差動歯車装置を介してそれぞれの
車輪14C、14Dを支持している点で装置部分10A
とは異なる。装置部分10Aと同じ部分は同じ符号を付
している。
【0038】特に、図9から解るように、スピンドル側
可動部材42が駆動軸64に干渉することがないよう
に、この可動部材42は、駆動軸64から横方向にずれ
た位置で上下の支持ステー34、34’に支持されてい
る。また、図8及び図9から解るように、駆動軸64が
トルク伝達軸62に干渉することがないように、駆動軸
64はトルク伝達軸62に対して立体交差している。な
お、図9において符号65は、三角形の下方のコロによ
って左右方向の移動を許容する軸受け取付位置を示す。
【0039】非駆動系及び駆動系のサスペンション装置
10A、10CDを備えた車両12が振動を受けて各車
輪14のタイヤが上下変位すると、この上下の変位及び
変位速度は、スピンドル30、スピンドルハンガー31
及び上下の支持ステー34、34’を介して可動部材4
2に伝達され、更にラック50、アイドラーギヤ54及
びピニオンギヤ58を介してトルク伝達軸62に伝達さ
れる。従って、各車輪14のタイヤの上下変位d及び上
下変位速度vは、このトルク伝達軸62に設けられてい
る上下変位センサ20及び上下変位速度センサ22によ
って検出され、この検出値は、制御系統26に入力され
る。
【0040】上下変位センサ20は、例えば、光、磁気
又は静電容量の変化を利用してトルク伝達軸62の上下
方向の位置の微妙な変化を検出することができるリニア
エンコーダから成っており、また上下変位速度センサ2
2は、例えば、周期的な凹凸、光学的スリット又はNS
交互の磁気的変化を機械的、光学的又は磁気的に検出す
るスケール速度計又はドップラ効果を利用した速度計か
ら成っている。
【0041】重心加速度Gaを求める図3の加速度セン
サ24は、例えば、重りからの力を受けて圧電効果によ
って加速度を検出する圧電型加速度計から成っている。
重心位置Gでの加速度g0は、4つの加速度センサ24
からの検出値g1乃至g4、各加速度センサ24の路面か
らの高さh1乃至h4、重心Gの路面からの高さh、各加
速度センサ24の重心位置Gからの前後方向の距離
1、W2(後部上下の加速度センサの距離W1は同じで
あり、また同様に前部上下の加速度センサの距離W2
同じである)から制御系統26によって次の数式(1)
から計算して求められる。
【0042】
【数1】
【0043】制御系統26は、図12に示すように、セ
ンサ20、22及び24からの信号(検出値)と運転者
が手動操作によって設定する設定信号(ばね定数及び減
衰係数の目標値)とを受けて車体16が前後左右上下に
バランスするように各荷重発生アクチュエータ18を制
御する制御信号を発生するマイクロコンピュータ66か
ら成っている。なお、図12において符号68はセンサ
20乃至26の出力がアナログ信号である場合にA/D
変換するA/D変換器、また符号68’は荷重発生アク
チュエータ18の油圧制御回路がアナログ回路である場
合に制御信号をD/A変換するD/A変換器である。ま
た符号70I、70Oはそれぞれマイクロコンピュータ
66の入力ポート及び出力ポートである。
【0044】荷重発生アクチュエータ18A乃至18D
(図13では総体的に符号18で示されている)は、図
13及び図14に示すように、電気モータ72によって
駆動される油圧ポンプ74から油圧を受け、またマイク
ロコンピュータ66から各荷重発生アクチュエータ18
A乃至18Dをそれぞれ制御する制御信号を受ける制御
弁76を含む油圧回路78A乃至78D(図1参照)に
よって起動される。制御弁76は、各荷重発生アクチュ
エータ毎に設けられており、マイクロコンピュータ66
からの指令に基づいて相応する荷重発生アクチュエータ
18A乃至18Dを制御するが、マイクロコンピュータ
66からの指令と荷重発生アクチュエータ18A乃至1
8Dの発生荷重とが比例関係となるように設定される。
【0045】マイクロコンピュータ66は、センサ2
0、22及び24からのセンサ信号と手動操作によって
設定された設定信号とを読み込んで出力装置である荷重
発生アクチュエータ18の発生荷重を計算し、その左右
の油圧シリンダ室の圧力差によってピストンに荷重を発
生させる。この発生荷重の計算は、後に述べる数式(4
7)乃至(50)によって行われる。
【0046】次に、本発明のサスペンション装置10の
具体的動作を各荷重発生アクチュエータ18の発生荷重
と各タイヤの上下変位及び上下変位速度との関係と共に
以下に述べる。
【0047】先ず、荷重発生アクチュエータ18の発生
荷重と各タイヤの上下変位及び上下変位速度は、一般に
用いられる次の固有方程式である数式(2)及び(3)
のようになる。なお、数式(2)及び(3)で用いられ
る記号は次の通りである。 (Zj)変位ベクトル (Mij)質量テンソル(Ki
j)剛性テンソル (Pj)荷重ベクトル (ω)固有振動数 (Iij)
単位テンソル (添字i、j、k、l、m)自然数
【0048】
【数2】
【0049】
【数3】
【0050】Pi=KijZjとおくと、次の数式
(4)及び(5)のようになって固有振動数の固有モー
ドが求められる。
【0051】
【数4】
【0052】
【数5】
【0053】一方、任意荷重は、任意の変位における固
有モード変位と同様に固有モード荷重の重畳和として表
される。次に、理想的車両の車体側(ばね上)の強制荷
重運動方程式は、次の数式(6)乃至(8)で表され
る。なお、数式(6)乃至(8)で用いられている記号
は、それぞれ次の通りである。 (Z)バウンシング量 (θx)ロール角 (θy)ピ
ッチ角 (F)強制外力 (M)強制モーメント (MPb)車
体側質量 (CR)重心ローリングモード減衰係数 (KR)重心ローリングモードばね定数 (CP)重心ピッチングモード減衰係数 (KP)重心ピッチングモードばね定数 (Ippr)(=Ipro + MPpb・h2)車体側
ロール慣性モーメント (Ipro)重心周りの車体側ロール慣性モーメント (Ipp)(=Ippo + Mpb・h2)車体側ピ
ッチ慣性モーメント (Ippo) 重心周りの車体側ピッチ慣性モーメント (添字p)ピッチング (添字B)バウンシング (添
R)ローリング (添字L)左側 (添字R) 右側 (添字f)前輪
(添字r)後輪 (添字x)車両の前方向座標 (添字y)車両の左方向
座標 (添字z)車両の上方向座標
【0054】
【数6】
【0055】
【数7】
【0056】
【数8】
【0057】各タイヤの上下変位センサ20で検出され
た上下変位d及び上下変位速度センサ22で検出された
上下変位速度vから数式(6)乃至式(8)を書き換え
ると、バウンシングについては数式(9)(10)、ロ
ーリングについては数式(11)(12)及びピッチン
グについては数式(13)(14)のようになる。な
お、数式(9)乃至(14)で用いられている記号は、
次の通りである。 (H)タイヤトレッド (Wf)重心位置から前輪車軸
までの距離 (Wr)重心位置から後輪車軸までの距離 (WB=Wf+Wr)ホイールベース(軸距)
【0058】
【数9】
【0059】
【数10】
【0060】
【数11】
【0061】
【数12】
【0062】
【数13】
【0063】
【数14】
【0064】数式(6)と数式(9)及び(10)とか
ら車体側重心バウンシングモードの慣性力は、次の数式
(15)で表され、また図15に示す車体側スケルトン
モデルから車体側重心バウンシングモードの慣性力は、
各タイヤ反力のアクチュエータ発生荷重で表すと、数式
(16)の通りとなる。なお、数式(15)(16)で
用いられる記号は次の通りである。 (CB)重心バウンシングモード減衰係数 (KB)重心バウンシングモードばね定数 (PfR)右前輪側のアクチュエータ発生荷重 (PfL)左前輪側のアクチュエータ発生荷重 (PrR)右後輪側のアクチュエータ発生荷重 (PrL)左後輪側のアクチュエータ発生荷重
【0065】
【数15】
【0066】
【数16】
【0067】同様にして、数式(7)と数式(11)及
び(12)とから車体側ローリングモードの慣性力は、
数式(17)の通りとなり、また図15の車体側スケル
トンモデルから車体側ローリングモードの慣性力は、数
式(18)の通りとなる。
【0068】
【数17】
【0069】
【数18】
【0070】同様にして、式(8)と式(13)及び
(14)とから車体側ピッチングモードの慣性力は、式
(19)の通りとなり、また図15の車体側スケルトン
モデルから式(20)の通りとなる。
【0071】
【数19】
【0072】
【数20】
【0073】重心負荷ベクトルをモード荷重ベクトルで
表すと、数式(21)の通りである。
【0074】
【数21】
【0075】数式(21)の右辺の第1項乃至第3項
は、それぞれバウンシングモード、ローリングモード及
びピッチングモードの荷重である。数式(16)、(1
8)及び(20)とバウンシングモード単独の荷重及び
アクチュエータ発生荷重成分P BR、PBL、PBR
BLとの対称性、即ちPBR=PBL、PBR=PB
Lからこれらの荷重成分は、次の数式(22)(2
3)の通りとなる。
【0076】
【数22】
【0077】
【数23】
【0078】同様に、数式(16)、(18)及び(2
0)とローリングモード単独の荷重及びアクチュエータ
発生荷重成分PRR、PRL、PRR、PRLの前後の
荷重の釣り合い、即ちPRL=(Wr/Wf)PRL
RR=(Wr/Wf)PRRからこれらの荷重成分
は、次の数式(24)(25)の通りとなる。
【0079】
【数24】
【0080】
【数25】
【0081】同様に、数式(16)、(18)及び(2
0)とピッチングモード単独の荷重及びアクチュエータ
発生荷重成分PPR、PPL、PPR、PPLトの対称
性、即ちPPR=PPL、PPR=PPLからこれらの
荷重成分は、次の数式(26)(27)の通りとなる。
【0082】
【数26】
【0083】
【数27】
【0084】従って、各車輪に相応するアクチュエータ
発生荷重の合成値は、次の数式(28)乃至(31)の
通りとなる。
【0085】
【数28】
【0086】
【数29】
【0087】
【数30】
【0088】
【数31】
【0089】数式(15)(17)(19)を数式(2
2)乃至(31)に代入してaB1乃至aB3を数式(3
2)乃至(34)のようにおき、aR1乃至aR3を数式
(35)乃至(37)のようにおき、またaPを数式
(38)のようにおく。
【0090】
【数32】
【0091】
【数33】
【0092】
【数34】
【0093】
【数35】
【0094】
【数36】
【0095】
【数37】
【0096】
【数38】
【0097】従って、各車輪に相応するアクチュエータ
発生荷重の計算値は、次の数式(39)乃至(42)の
通りとなる。
【0098】
【数39】
【0099】
【数40】
【0100】
【数41】
【0101】
【数42】
【0102】これを従来技術のショックアブゾーバとば
ねとの組み合わせによるサスペンション特性と比較する
ために、この従来技術による各車輪毎の発生荷重を求め
ると、次の式(43)乃至(46)の通りである。な
お、式(43)乃至(46)に用いられている記号は次
の通りである。 (Cf)現行車両の前輪ダンパー特性値 (Cr)現行車両の後輪ダンパー特性値 (Kf)現行車両の前輪ばね定数 (Ks)現行車両の前輪スタビライザばね定数
【0103】
【数43】
【0104】
【数44】
【0105】
【数45】
【0106】
【数46】
【0107】数式(39)乃至(42)を各モードの減
衰係数及びばね定数である振動パラメータCB、CR、C
P、KB、KR、KP毎に整理すると、次の式(47)乃至
(50)の通りとなる。
【0108】
【数47】
【0109】
【数48】
【0110】
【数49】
【0111】
【数50】
【0112】各車輪の実発生荷重は、上記数式(47)
(48)(49)(50)で求められた荷重に各車両の
静止時の分担荷重を重畳して合成したものであり、制御
系統26内のマイクロコンピュータ66は、この合成荷
重を各荷重発生アクチュエータに作用するように制御す
る。非駆動系及び駆動系のいずれのサスペンション装置
でも、タイヤの上下変位の入力荷重とアクチュエータの
発生荷重とが重畳するか差し引かれて車体側が安定した
姿勢となるように制御される。
【0113】本発明のサスペンション装置を備えた車両
において、左前輪に上下変位dfLが発生したが、その
他の車輪に上下変位が発生していないものとし、ローリ
ングモード及びピッチングモードでの減衰係数及びばね
定数が零であるとすると、各車輪のアクチュエータ発生
荷重が求められた上記の数式(47)乃至(50)は、
それぞれ次の数式(51)乃至(54)で表される。
【0114】
【数51】
【0115】
【数52】
【0116】
【数53】
【0117】
【数54】
【0118】従って、 PfL=PfR、PrL=PrR (PfL+PfR)Wf=(PrL+PrR)Wr となり、重心の周りに回転モーメントが生じないことが
解る。
【0119】例えば、スタビライザを有しない従来技術
の独立懸架方式の装置において、1つの車輪の上下変位
に基づくサスペンションばねの撓みによる上下荷重P1
に対して他の隣の車輪でのサスペンションばねの撓みに
よる上下荷重P2がP2<P1とバランスをくずすた
め、重心位置からのオフセット量に基づいて腕の長さに
対して懸架ばねの撓みによる上下荷重Pが発生し、重心
位置からのオフセット量を腕の長さとして重心の周りに
回転モーメントが発生するが。本発明によれば、上記の
ように、この回転モーメントが打ち消されるようにすべ
ての車輪を制御するので有利であることが解る。
【0120】数式(47)乃至(50)において車両走
行中に、ドライバーが手動で各モードでの減衰係数及び
ばね係数であるCB、CR、CP、KB、KR、KPを可変す
ることによって車体側の姿勢を一層安定するように制御
することができる。これらは、また、既に述べたよう
に、各タイヤの上下変位d及び上下変位速度vの外に、
車両の旋回時、急制動時及び急発進時等には、重心加速
度g0を制御パラメータとして各車輪の荷重発生アクチ
ュエータを制御することができる。
【0121】このようにすると、急旋回時の車両の限界
モーメントの減少を防止して転倒性を向上し、また急制
動時の後輪の浮き上がりを防止して安定性と制動性とを
向上し、更に急発進時の後部の沈下による乗り心地の悪
化を防止することができる。
【0122】既に述べたように、各荷重発生アクチュエ
ータ18は、相応する車輪14のタイヤ位置に対して車
両の長手方向の前後にずらせ、例えばタイヤ位置に対し
て長手方向の内側に配置することができ(図1、図4及
び図8参照)、従ってサスペンション装置10が占める
空間は、車両12の車幅方向はもちろん、車高方向にも
縮小することができ、車両12を小型化し又は車両12
内の空間を有効に利用することができる。これは、例え
ば、独立懸架方式の従来技術の装置では、ショックアブ
ゾーバの上部固定位置を確保するために車両のボンネッ
トの上下位置が制限され、またリンクアーム長を確保す
るのに必要な車幅方向の空間があることと比較すると、
有利であることが解る。
【0123】更に、車両のローリング時にタイヤは車体
の上下方向に平行に上下するので、ローリング時でも輪
間距離は不変であり、また車両のバウンシング時及びピ
ッチング時にはタイヤトレッドは輪間距離と一致するの
で、タイヤトレッドの変更によるタイヤの摩耗を生ずる
ことがない。これは、従来技術の独立懸架式ではリンク
アームを用いているので、バウンシング、ピッチング時
にリンクアームの回転によってタイヤトレッドが変化
し、タイヤが摩耗する傾向があるのと比較すると、著し
く優れていることが解る。
【0124】各車輪の荷重発生アクチュエータ18は、
4つのタイヤ(車輪)位置での上下変位及び上下変位速
度を入力して制御されており、従って、例えば、車体回
転入力を生じるピッチング及びローリングばね定数を手
動操作で零に設定することによってフラットな乗り心地
を維持しつつ悪路走破を達成することができる。
【0125】車体の加振条件が車体の重心に作用する横
加速度又は空気抵抗などの外力であると、これは車体の
回転入力となるために、モード別防振は重要であること
に注目すべきである。車体の前後加速度、横加速度が作
用すると、数式(7)及び(8)の強制モーメントは、
R ≠0、MP≠0となり、重心ローリングモード減衰
係数CR及び重心ローリングモードばね定数KRは、CR
=KR=0となることができないし、また重心ピッチン
グモード減衰係数CP及び重心ピッチングモードばね定
数KPは、CP=KP=0となることができない。
【0126】また、車両旋回時に、遠心力等の横加速度
Gと重力加速度gとを釣り合わせるように車両姿勢を調
節すると、人体への加速度を低くして乗り心地を向上す
ることができる。これは、図16に示すように、tan
θ=G/gとなるように手動操作又は重力加速度gによ
る自動操作によって姿勢制御して達成することができ
る。
【0127】次に、アクチュエータ発生荷重に対してこ
の荷重発生アクチュエータ18を支持する可動部材44
が変形することについて図16を参照して考察する。図
16(A)に示すように、アクチュエータ発生荷重Pが
可動部材44の中心(厚み方向の中央)に負荷すると、
同図の点線で示すように、可動部材44が変形するが、
可動部材44上のラック52とアイドラーギヤ56との
接触面が水平面となす角度をαとすると、図16(B)
に示すように、ラック52とアイドラギヤ56との間
に、P1=Psinα及びP2=Pcosαの荷重成分
が作用する。荷重成分P1は、ラック52とアイドラギ
ヤ56との接触面に垂直な荷重成分であり、また荷重成
分P2は、P1に垂直な成分であり、これはラック52
とアイドラギヤ56との接触面の滑りを生む成分であ
る。
【0128】従って、アイドラギヤ56から可動部材4
4に対してPsinα・cosαの荷重が作用し、この
ため、可動部材44は、図17(A)の点線で示すよう
に、4点支持のローラ48A、48B及び48’A、4
8’Bで支持されながら、アイドラギヤ56を有する側
と反対側が凸となるように変形する。
【0129】一方、図17に示すように、αを0゜と
し、アクチュエータ発生荷重Pが可動部材44の中心か
らアイドラギヤ56とは反対側に距離eだけずれている
とすると、可動部材44は、図17(A)とは逆方向に
変形する。
【0130】従って、α≠0とし、発生荷重Pの負荷位
置を可動部材44の中心からeだけずらせつつローラ4
8A、48B及び48’A、48’Bによって4点で支
持すると、可動部材44は、図17(A)の変形と図1
8の変形とを重畳したものとなって、可動部材44の車
幅方向に撓むのが抑制される。このため、ラック52と
アイドラギヤ56との歯先が接触することがなく、可動
部材44の摺動抵抗が低減し、ローラの4点以上の過剰
拘束による重量増加を抑制することができる。
【0131】各荷重発生アクチュエータ18は、図19
に示すように、複数、例えば6つの油圧シリンダ19
(1)乃至19(6)を縦列して構成することが好まし
い。このようにすると、例えば、そのうち、3つの油圧
シリンダ19(1)乃至19(3)から成る第1の油圧
シリンダ群に上下変位速度vに基づいて求められる発生
荷重を作用させ、他の3つの油圧シリンダ19(4)乃
至19(6)から成る第2の油圧シリンダ群に上下変位
dに基づいて求められる発生荷重を作用させることがで
きる。また、各群の3つの油圧シリンダ19(1)乃至
19(3)又は19(4)乃至19(6)は、それぞ
れ、バウンシング、ローリング及びピッチングの3つの
振動モードに応じて求められる発生荷重を受ける。尚、
図19において符号76(1)乃至76(6)は、各油
圧シリンダ19(1)乃至19(6)をそれぞれ制御す
る制御弁であり、また符号77はこれらの制御弁76
(1)乃至76(6)に接続された管路である。
【0132】このようにして、各荷重発生アクチュエー
タ18に発生する荷重は、各油圧シリンダ19(1)乃
至19(6)が分担する荷重PrR1乃至PrR6の合計で
あり、これは、次の数式(55)で表される。また、各
分担荷重PrR1乃至PrR6は、それぞれ数式(56)乃
至(61)で表される。
【0133】
【数55】
【0134】
【数56】
【0135】
【数57】
【0136】
【数58】
【0137】
【数59】
【0138】
【数60】
【0139】
【数61】
【0140】数式(56)乃至(61)において、
B2、aB3、aR2、aR3、apの値は、それらを求める
のに用いられるWf、Wrを車両が静止している時のK
R≠0、KP≠0での各アクチュエータの発生荷重P
R、PrL、PfR、PfLを用いて計算して求められ
る。
【0141】同様にして、PrL、PfR及びPfLが求
められ、そして前輪側及び後輪側の発生荷重は、次の数
式(62)及び(62)から求められる。なお、数式
(56)乃至(61)において最後の項中のPor
Rは、空車時の設計荷重であり、PrL、PfR及びPfL
にも同様の設計荷重PoLr、PofR及びPofLが用
いられる。
【0142】
【数62】
【0143】
【数63】
【0144】このようにして、すべての振動モードパラ
メータ毎に発生荷重を考慮してすべての車輪の荷重発生
アクチュエータを制御すると、車両を常に安定して走行
することができ、これは、車両の操作性、整備性を向上
し、車両の信頼性とサービス性を向上することができ
る。また、制御系統26内のコンピュータ66が指示す
る発生荷重を分散化して荷重の応答性を向上して制御を
迅速に行うことができることが理解される。
【0145】なお、d及びvはタイヤリバウンド時を基
準としており、従ってリバウンド時にはd>0、v>0
であるので、PrR1及びPrR4が減少し、このため、全
体のPrRも減少する。
【0146】本発明の最も重要な特徴は、従来技術のサ
スペンションのばねとショックアブゾーバとの組み合わ
せに代えて流体シリンダ(油圧シリンダ)から成る荷重
発生アクチュエータを用い、すべての車輪で検出された
タイヤの上下変位d及び変位速度v等を制御パラメータ
としてこれらの制御パラメータから車両全体が安定した
姿勢を維持するようにすべての車輪に相応する荷重発生
アクチュエータを制御することにある。
【0147】このように各荷重発生アクチュエータに発
生する荷重を制御項目とするサスペンションは、質点と
自由度振動系の荷重の釣り合いの原理に基づいている。
即ち、質点の慣性力と外力Fとの差は、ばね復元力と重
心減衰力の重畳分と逆向きに釣り合う。そして、ばね復
元力は、質点の上下変位に比例し、重心減衰力は質点の
上下変位速度に比例する。荷重発生アクチュエータ18
は、質点の慣性力と外力Fとの差分に釣り合わせるべき
荷重成分を発生する。
【0148】このように、質点の慣性力と外力との差分
に釣り合わせる荷重を発生するために、上下変位に比例
するばね復元力と上下変位速度に比例する減衰力との組
み合わせることは、従来技術のサスペンションと本質的
に異なる。例えば、一般に、F−Iのサスペンションと
して知られているアクティブサスペンションのように、
ばねとダンパーに代えて油圧シリンダを用いているが、
このアクティブサスペンションもこのような釣り合いの
原理を用いていないので、本発明のサスペンション方式
とは本質的に異なる。
【0149】また、本発明において、もし、車体と車輪
との間に油圧シリンダの外にばねを併用すると、低速で
悪路を走行する際にフラットな姿勢を保つことができな
いし、モード別防振を達成することができなくなる。従
って、本発明は、特開平6−278648号公報に記載
されているように油圧シリンダとばねとを併用して車体
の支持体(キャブ)に対する姿勢を制御する方式とは本
質的に異なるものである。
【0150】上記実施の形態では、発生荷重の制御パラ
メータをタイヤの上下変位及び上下変位速度とする場合
について詳細に述べたが、これらの制御パラメータに既
に述べたように数式(1)で求められる更に重心加速度
0を制御パラメータとして追加することができる。こ
れは、例えば、図19の6つの油圧シリンダ19(1)
乃至19(6)に各振動モード毎に重心加速度を制御パ
ラメータとする更に3つの油圧シリンダ19を縦列させ
て各荷重発生アクチュエータを制御することによって行
われる。
【0151】更に、サスペンションのばね定数及びダン
ピング定数を運転者の手動操作又は車体の重心変位、重
心速度及び重心加速度によって連続的に変化させること
ができ、これは車体の姿勢を制御して車両の乗り心地及
び操縦感等の運動性能を向上するのに役立つ。車体の姿
勢制御は、サスペンションストロークが不変ではサスペ
ンション負荷静荷重が増し、サスペンションストローク
可変でサスペンション負荷静荷重不変とすることが基本
的な要件であるが、ばね定数及びダンピング定数を可変
とすることで姿勢の変化に対応する運動性能及び乗り心
地を向上することができる。
【0152】また上記実施の形態では、荷重発生アクチ
ュエータである油圧シリンダに制御弁を介して油圧を供
給して荷重を発生したが、図20に示すように、荷重発
生アクチュエータ18が油圧シリンダ19のピストンロ
ッド80aの両側に閉じられた油圧室82、82’を有
する油圧シリンダ80から成り、これらの油圧室82、
82’を開閉弁84を含む管路86で連通し、ピストン
ロッド80aに一体のラック88に電気モータ90の出
力軸に連結されたピニオン92を噛み合わせてもよい。
【0153】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、車両の
各車輪と車体の間に、シリンダ室の圧力差によってピス
トンに荷重を発生する流体シリンダから成る荷重発生ア
クチュエータをそれぞれ配置し、各車輪毎にタイヤ上下
変位と上下変位速度とを検出し、すべての車輪のタイヤ
上下変位とタイヤ上下変位速度とに基づいて車体が左右
上下にバランスするように各車輪に相応する荷重発生ア
クチュエータを制御すると、固有振動モード別に車体側
の振動を防止することができ、従ってピッチング、ロー
リング及びバウンシングのすべてにわたって車両を防振
することができ、車両の乗り心地及び操縦性を著しく改
善することができる。
【0154】また、サスペンションの上の車体側が上下
に振動する際に、左右の輪間距離が変化することがな
く、タイヤトレッドの変化によるタイヤの摩耗を生ずる
ことがなく、これはサスペンションの車輪側の振動を抑
制することになるので好ましい。
【0155】更に、各荷重発生アクチュエータは、相応
する車輪のタイヤ位置に対して車両の車幅方向ではな
く、長手方向にずらせて配置されていると、サスペンシ
ョンが占める空間は、車両の車幅方向はもちろん、車高
方向にも縮小することができ、車両を小型化し又は車両
内の空間を有効に利用することができる。
【0156】特に、タイヤの上下変位及び上下変位速度
の外に、タイヤを変えることなく、車体の重心変位、重
心速度、重心加速度を重畳させるか手動操作を加えるこ
とによってサスペンションばね定数及びダンピング定数
を変化させると、車両の乗り心地を一層向上することが
できる上に、操縦性等の運動性能を向上することができ
る。
【0157】また、手動操作で又は重心加速度に応じた
自動操作によってタイヤの上下変位の零基準点の変更量
を各タイヤの上下変位から減ずることによって車両の姿
勢を自由に調節することができ、これは、車両の旋回時
の限界モーメントが減少するのを防止して車両の操縦性
及び転倒性が向上し、制動時の車両の前のめりを防止し
て制動距離を縮小することができ、更に急発進時の車両
の後部の沈下を防止して乗り心地を向上することができ
る。
【0158】特に重心移動が大きい商業車等の大型車
は、種々のモードの振動及び姿勢の変化が大きいが、発
進時及び制動時等の重心移動に応じてサスペンションば
ね定数及びダンピング定数を変化させると、その防振効
果及び姿勢制御が著しく大きく、従って特に大型車にき
わめて有効である。
【0159】各車輪に設けられている荷重発生アクチュ
エータが各制御パラメータに基づいて求められる発生荷
重を受ける複数の流体シリンダ群から成り、各流体シリ
ンダ群が振動モード別の流体シリンダを含み、これらの
複数の流体シリンダ群及び各流体シリンダ群内の流体シ
リンダが縦列されていると、それぞれの制御パラメータ
及び振動モード毎の発生荷重を容易に求めることができ
る上に応答性が向上し、従って迅速な反応性を有する高
い品質の制御系統を容易に設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のサスペンション装置のスケ
ルトンの斜視図である。
【図2】サスペンション装置の1つの装置部分を構成す
る荷重発生アクチュエータと相応する車輪との間の関係
を示す系統図である。
【図3】重心加速度を検出するのに必要な4つの加速度
センサの取付位置を説明するための斜視図である。
【図4】非駆動系のサスペンション装置部分の斜視図で
ある。
【図5】図4のサスペンション装置部分の5−5’線の
拡大断面図である。
【図6】図4のサスペンション装置部分の矢印6から見
た拡大上面図である。
【図7】図4のサスペンション装置部分のアッパ支持ス
テーの分解斜視図である。
【図8】駆動系のサスペンション装置部分の斜視図であ
る。
【図9】図8のサスペンション装置部分の9−9’線の
拡大断面図である。
【図10】図8のサスペンション装置部分の矢印10か
ら見た拡大上面図である。
【図11】図8のサスペンション装置部分のアッパ支持
ステーの分解斜視図である。
【図12】本発明に用いられる制御手段と入力手段(セ
ンサ)及び出力手段(荷重発生アクチュエータ)との関
係を示す系統図である。
【図13】1つの荷重発生アクチュエータとその駆動手
段とを示すブロック系統図である。
【図14】図13の駆動手段の具体例の系統図である。
【図15】車両のスケルトンモデル上の各車輪の相応す
るアクチュエータの発生荷重(サスペンション反力)を
示す説明図である。
【図16】車両の旋回時に作用する横加速度Gに対して
重加速度gを釣り合わすための説明図である。
【図17】荷重発生アクチュエータの1つの変形状態を
説明し、同図(A)はその変形の原理を説明する図、同
図(B)はラックとアイドラギヤとのかみ合い部の力関
係を説明する図である。
【図18】荷重発生アクチュエータの他の変形状態の原
理を説明する図である。
【図19】1つの荷重発生アクチュエータの具体例を説
明する系統図である。
【図20】本発明に用いられる荷重発生アクチュエータ
の他の説明図である。
【図21】従来技術のサスペンション装置の1つの例の
斜視図である。
【図22】従来技術のパラレルウイッシュボーン式サス
ペンション装置の上下のリンクの変位を説明する図であ
る。
【符号の説明】
10 サスペンション装置 10A 一方の前輪に相応する装置部分 10CD 後輪に相応する装置部分 12 車両 14 車輪 14A 一方の前輪 14B 他方の前輪 14C 一方の後輪 14D 他方の後輪 16 車体 18 荷重発生アクチュエータ 18A 一方の前輪に相応する荷重発生アクチュエータ 18B 他方の前輪に相応する荷重発生アクチュエータ 18C 一方の後輪に相応する荷重発生アクチュエータ 18D 他方の後輪に相応する荷重発生アクチュエータ 19(1) 油圧シリンダ 19(2) 油圧シリンダ 19(3) 油圧シリンダ 19(4) 油圧シリンダ 19(5) 油圧シリンダ 19(6) 油圧シリンダ 20 タイヤ上下変位センサ 22 タイヤ上下変位速度センサ 24 加速度センサ 26 制御系統 28 トルク伝達機構 30 スピンドル(車軸) 31 スピンドルハンガー 32 揺動ピン 32’ 揺動ピン 34 アッパー支持ステー 34a フランジ 34’ ロア支持ステー 34’a フランジ 36 ボス部 36’ ボス部 38 キー 38’ キー 40 ブッシュ状の摺動部材 40a キー溝 40’ ブッシュ状の摺動部材 40’a キー溝 42 スピンドル側可動部材 43 水平取付片 43’ 水平取付片 44 アクチュエータ側可動部材 44a 水平取付片 45 ボス 45A ボス半部 45B ボス半部 45’ ボス 45’A ボス半部 45’B ボス半部 46 連動手段 48A ローラ 48B ローラ 48’A ローラ 48’B ローラ 50 可動部材42のラック 52 可動部材44のラック 54 アイドラーギヤ 56 アイドラーギヤ 58 ピニオンギヤ 60 ピニオンギヤ 62 トルク伝達軸 63 軸受け取付位置 64 駆動軸 65 軸受け取付位置 66 マイクロコンピュータ 68 A/D変換器 68’ D/A変換器 70I 入力ポート 70O 出力ポート 72 電気モータ 74 油圧ポンプ 76 制御弁 76(1) 制御弁 76(2) 制御弁 76(3) 制御弁 76(4) 制御弁 76(5) 制御弁 76(6) 制御弁 78A 油圧回路 78B 油圧回路 78C 油圧回路 78D 油圧回路 80 油圧シリンダ 80a ピストンロッド 82 油圧室 82’油圧室 84 開閉弁 86 管路 88 ラック 90 電気モータ 92 ピニオン 100 従来技術のサスペンション装置 102 コイルばね 104 ショックアブゾーバ 106 ナックル 108 アッパリンク 110 ロアリンク 112 アッパリンクピン 114 ロアリンクピン Lu アッパリンク長Lu Li ロアリンク長 Pu アッパリンクピン Pi ロアリンクピン BJu アッパボールジョイント BJl ロアボールジョイント

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の各車輪と車体の間に、シリンダ室
    の圧力差によってピストンに荷重を発生する流体シリン
    ダから成る荷重発生アクチュエータをそれぞれ配置し、
    一方各車輪毎にタイヤ上下変位と上下変位速度とを検出
    し、すべての車輪のタイヤ上下変位とタイヤ上下変位速
    度とを制御パラメータとしてこの制御パラメータに基づ
    いて前記車体が前後左右上下にバランスするように前記
    各車輪に相応する荷重発生アクチュエータを制御するこ
    とを特徴とする車両のサスペンション方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両のサスペンション
    方法であって、前記車両の重心加速度を更に検出し、前
    記各車輪に相応する荷重発生アクチュエータを前記すべ
    ての車輪のタイヤ上下変位とタイヤ上下速度に前記重心
    加速度を加えて制御パラメータとし、前記3つの制御パ
    ラメータに基づいて前記各車輪に相応する荷重発生アク
    チュエータを制御することを特徴とする車両のサスペン
    ション方法。
  3. 【請求項3】 車両の各車輪と車体の間にそれぞれ配置
    されシリンダ室の圧力差によってピストンに荷重を発生
    する流体シリンダから成る荷重発生アクチュエータと、
    各車輪毎にタイヤの上下変位を検出するタイヤ上下変位
    センサと、各車輪毎にタイヤの上下変位速度を検出する
    タイヤ上下変位速度センサと、すべての車輪のタイヤ上
    下変位センサとタイヤ上下変位速度センサとの検出値を
    制御パラメータとして前記制御パラメータに基づいて前
    記車体が前後左右上下にバランスするように前記各車輪
    の荷重発生アクチュエータを制御する制御系統とを備え
    ていることを特徴とする車両のサスペンション装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の車両のサスペンション
    装置であって、前記車両の重心加速度を検出する重心加
    速度検出手段を更に備え、前記制御系統は、前記すべて
    の車輪のタイヤ上下変位センサとタイヤ上下速度センサ
    の検出値に前記重心加速度検出手段の検出値を加えて制
    御パラメータとし、前記3つの制御パラメータに基づい
    て前記各輪に相応する荷重発生アクチュエータを制御す
    ることを特徴とする車両のサスペンション装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の車両のサスペン
    ション装置であって、前記各車輪に相応する荷重発生ア
    クチュエータは、相応する車輪のタイヤ位置に対して車
    両の長手方向にずらせて配置され、前記荷重発生アクチ
    ュエータと前記車輪との間でトルクを伝達するトルク伝
    達機構が設けられていることを特徴とするの車両のサス
    ペンション装置。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5のいずれかに記載の車両
    のサスペンション装置であって、前記制御系統は、前記
    タイヤの上下変位及び上下変位速度に前記車体側の重心
    変位、重心速度、重心加速度を重畳させるか手動操作を
    加えることによってサスペンションばね定数及びダンピ
    ング定数を変化させるようにしたことを特徴とする車両
    のサスペンション装置。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至6のいずれかに記載の車両
    のサスペンション装置であって、前記荷重発生アクチュ
    エータは、各制御パラメータに基づいて求められる発生
    荷重を受ける複数の流体シリンダ群から成り、各流体シ
    リンダ群は、振動モード別の流体シリンダを含み、前記
    複数の流体シリンダ群及び各流体シリンダ群内の流体シ
    リンダは縦列されていることを特徴とする車両のサスペ
    ンション装置。
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