JP3046405B2 - 多孔質体の製造法 - Google Patents

多孔質体の製造法

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JP3046405B2
JP3046405B2 JP3177448A JP17744891A JP3046405B2 JP 3046405 B2 JP3046405 B2 JP 3046405B2 JP 3177448 A JP3177448 A JP 3177448A JP 17744891 A JP17744891 A JP 17744891A JP 3046405 B2 JP3046405 B2 JP 3046405B2
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porous body
powder
ptfe
filler
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敬三 溝部
陽二 内田
厚生 吉村
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリテトラフルオロエチ
レン(以下、PTFEという)を必須成分として含む多
孔質体の新規な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】PTFEは耐熱性、耐薬品性、摺動特
性、電気絶縁性等種々の特性に優れている。そして、P
TFEを所定形状に成形して成る多孔質体は上記諸特性
を備えると共に気体透過性をも有しているので、シール
材、パッキン、緩衝材、フィルター等広範な用途に適用
されつつある。
【0003】かようなPTFE多孔質体の製造法とし
て、例えば、特開昭61−66730号公報に開示され
ているように、先ず未焼成のPTFEをその融点以上の
温度で加熱することにより焼成し、この焼成したPTF
Eを粉砕して粉末とし、次いでこの焼成粉末を加圧条件
下で所定形状に成形し、その後再度PTFEの融点以上
の温度に加熱する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の方法
によって得られるPTFE多孔質体はクリープ変形(コ
ールドフロー)が大きく、大荷重あるいは大締つけ力の
作用する場所での使用には不適であるという問題があっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は従来技術の有
する上記問題を解決するため種々研究の結果、PTFE
粉末として造粒された未焼成粉末を用いると共にこれに
充填材を混合し、この混合物を成形し、次いで焼成する
ことにより耐クリープ性の向上した多孔質体が得られる
ことを見い出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0006】即ち、本発明に係る多孔質体の製造法は、
造粒された未焼成のPTFE粉末と充填材との混合物を
所定形状に成形し、次いでPTFEの融点以上の温度に
加熱して焼成することを特徴とするものである。
【0007】本発明においてはPTFE粉末として未焼
成であり且つ造粒されたものを用いる。「造粒」とはP
TFEの一次粒子および/または二次粒子の複数個を凝
集させることを意味し、粒径は通常30〜700μm程
度である。かような造粒された未焼成PTFE粉末は、
ダイキン工業株式会社からM−31、M−32、M−3
3等、三井デュポンフロロケミカル株式会社から800
−J、820−J等、旭フロロポリマー株式会社からG
−307等、ヘキスト社からTF−1400等の商品名
で市販されているので、これらを入手して用いることが
できる。
【0008】PTFEの未焼成粉末としては、一般に
「モールディングパウダー」と称されるものも知られて
いるが、本発明に係る方法に非造粒タイプの「モールデ
ィングパウダー」を使用した場合には、実用に適する程
の気孔率を有する成形体を得ることができない。
【0009】また、上記PTFE粉末と混合して用いら
れる充填材としては、従来からフッ素樹脂の耐クリープ
性の向上のために添加されているものであれば特に限定
されることなく使用できるが、本発明者の実験によれ
ば、「繊維状フィラー」を用いるのが好適であることが
判明した。
【0010】そして、繊維状フィラーとしては、径が約
5〜50μm、長さが約5〜5000μmであるものが
好ましく、とりわけその長さ寸法を径寸法で除した値が
約20〜200であるのが、耐クリープ性の向上のため
に好ましいことが判明している。これら繊維状フィラー
の具体例としては炭素繊維、ガラス繊維、チタン酸カリ
ウム繊維等の無機繊維、アラミド繊維等の有機繊維、窒
化ケイ素や炭化ケイ素等のウィスカーを挙げることがで
きる。なお、PTFE粉末と充填材との混合割合は、成
形性や得られる多孔質体の耐クリープ性等を勘案し、P
TFE粉末100重量部に対し充填材5〜50重量部と
するのが好ましい。
【0011】本発明においては、先ず、造粒された未焼
成PTFE粉末と充填材との混合物が所定形状に成形さ
れる。成形は例えば金型内にこの混合物を充填して加圧
する方法で行うことができる。成形時の圧力は通常10
g/cm2〜1000kg/cm2 程度、好ましくは1
0〜300kg/cm2 であり、加圧時間は1〜5分程
度である。なお、この加圧条件下での成形は、通常、室
温で行う。
【0012】かようにして所定形状の成形物を得た後、
この成形物をPTFEの融点以上の温度に加熱し焼成す
ることにより多孔質体が得られる。加熱時間は温度、成
形物の大きさ等の条件により設定するが、通常、約1〜
5時間である。
【0013】本発明の方法によって得られる多孔質体の
気孔率および気孔の孔径は、通常、気孔率は約5〜40
%、気孔の孔径は約5〜50μmである。これら気孔
率、気孔の孔径は、主として成形時の圧力に影響され
る。例えば、他の条件が同じであれば、成形時の圧力が
高い程、気孔率は低くなり、また、気孔の孔径は小さく
なる。従って、成形時の圧力を適宜設定することによ
り、得られる多孔質体の気孔率、気孔の孔径を調整する
こともできる。
【0014】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され、PTF
E粉末として未焼成で且つ造粒されたものを用いこれに
充填材を配合した混合物を成形して焼成するという簡単
な操作で、耐クリープ性の優れた多孔質体が得られる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、実施例および比較例中における使用材料の
配合量は全て「重量部」である。
【0016】実施例1 造粒された未焼成のPTFE粉末(ダイキン工業株式会
社製、商品名M−33)100部に対し、直径10μ
m、長さ100μmのガラス繊維20部を加えて均一に
混合する。
【0017】この混合物を円筒状金型内に充填し、室温
(約25℃)において圧力50kg/cm2 で5分間加
圧して円柱状に成形し、金型から取り出す。
【0018】そして、この成形体を370℃の温度で3
時間加熱して焼成することにより、気孔率18%、気孔
の平均孔径17μmの多孔質体を得た。
【0019】上記気孔率は多孔質体の真比重から見掛け
比重を減じた値を真比重で除し、これに100を乗じて
算出した。なお、多孔質体の真比重はPTFE(焼成)
の真比重と充填材であるガラス繊維の真比重の重量平均
値を用いた。
【0020】この多孔質体のクリープ変形率を測定した
ところ、4.9%であった。なお、クリープ変形率は外
径25.6mm、内径20mm、高さ20mmの筒状試
料を作成し、これに20kg/cm2 の荷重を作用さ
せ、温度250℃で24時間放置し、該試料の放置前の
高さ(H1 )および放置後の高さ(H2 )を各々測定
し、H1 からH2 を減じて高さ変形量(S)を求め、こ
のSをH1 で除した値に100を乗じて算出した。
【0021】実施例2 PTFE粉末100部に対し、直径7μm、長さ200
μmの炭素繊維50部を加えること以外は実施例1と同
様に作業して、気孔率33%、気孔の平均孔径41μm
の多孔質体を得た。また、この多孔質体のクリープ変形
率は7.3%であった。
【0022】実施例3 PTFE粉末100部に対し、直径7μm、長さ500
μmのアラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)5部を加
えること以外は実施例1と同様に作業して、気孔率6
%、気孔の平均孔径8μmの多孔質体を得た。また、こ
の多孔質体のクリープ変形率は7.9%であった。
【0023】実施例4 PTFE粉末100部に対し、直径7μm、長さ50μ
mのチタン酸カリウム繊維20部を加えること以外は実
施例1と同様に作業して、気孔率15%、気孔の平均孔
径20μmの多孔質体を得た。この多孔質体のクリープ
変形率は4.3%であった。
【0024】実施例5 PTFE粉末100部に対し、直径5μm、長さ50μ
mの炭化ケイ素ウィスカー20部を加えること以外は実
施例1と同様に作業して、気孔率13%、気孔の平均孔
径15μmの多孔質体を得た。この多孔質体のクリープ
変形率は4.0%であった。
【0025】比較例1 ガラス繊維を用いないこと以外は実施例1と同様に作業
して、気孔率4%、気孔の平均孔径3μmの多孔質体を
得た。この多孔質体のクリープ変形率は11.5%であ
った。
【0026】比較例2 PTFE粉末として非造粒タイプの未焼成モールディン
グパウダー(ダイキン工業株式会社製、商品名M−1
2)を用いること以外は実施例1と同様に作業した。得
られた成形品は非多孔質体であった。
【0027】比較例3 比較例2で用いたモールディングパウダーを温度370
℃で3時間加熱して焼成する。
【0028】この焼成粉末を高速ミキサーに入れて粉砕
し、100メッシュの金網を通過する粉末を得る。
【0029】これを円筒状金型に充填し、室温において
圧力200kg/cm2 で5分間加圧して円柱状に成形
し、金型から取り出し、次いで、温度370℃で3時間
加熱して再焼成することにより、気孔率3%、気孔の平
均孔径2μmの多孔質体を得た。この多孔質体のクリー
プ変形率は11.5%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−57069(JP,A) 特開 平4−279639(JP,A) 特開 昭57−146633(JP,A) 特開 昭55−105865(JP,A) 特公 昭46−10511(JP,B1) 特公 昭45−28644(JP,B1) 特表 平1−502166(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/24 B29C 67/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 造粒された未焼成のポリテトラフルオロ
    エチレン粉末と充填材との混合物を所定形状に成形し、
    次いでポリテトラフルオロエチレンの融点以上の温度に
    加熱して焼成することを特徴とする多孔質体の製造法。
  2. 【請求項2】 充填材として繊維状フィラーを用いる請
    求項1記載の多孔質体の製造法。
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