JP3045923B2 - 抄紙用フェルト - Google Patents
抄紙用フェルトInfo
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Description
された抄紙機のプレス部に、湿紙を導入し、その水分を
取り除くための抄紙用フェルトに関するものである。
下で行うと、常温で搾水するときより搾水効率が向上す
る。しかして、加熱下の搾水方法は加熱ロールの温度と
加圧により次の3つのタイプに大別される。 温 度 加 圧 力 方 法 100〜150°C 100〜250Kg/cm ホットプレス法 150〜250°C 200〜550Kg/cm プレスドライング法 250°C 以上 500〜1300Kg/cm インパルスドライング法
の粘度が下がることから搾水効率が向上し、プレスドラ
イング法或いはインパルスドライング法は湿紙の水分を
蒸発させることから搾水効率は格段に向上することとな
る。上記〜の方法を実施する場合、抄紙機のプレス
部に用いるローラ対は、その一方を加熱し、該加熱ロー
ルに湿紙が接するように通す。従って、抄紙用フェルト
自身は湿紙を介して加熱ロールに接し、ローラの温度が
直に伝わらないようにして熱損傷から守られているが、
搾水中に湿紙が破断すると、加熱ロールの熱が抄紙用フ
ェルトに直にかかることとなる。
紙が破断した場合のことを考慮し、充分な耐熱性を図る
ことが要求されていた。この要求を満たすため、従来、
実開平3−36560号公報、実開昭56−13428
9号公報に記載の技術が提案されていた。前者は、抄紙
用フェルトの湿紙側の表面層にアラミド繊維を用い、後
者は、抄紙用フェルトの湿紙側の表面層に、耐高温性か
つ水不溶性の樹脂で表面加工した合成繊維を用いてい
た。
熱性繊維を用いた従来の抄紙用フェルトは、溶融分解す
ることがなくても高温高圧下では弾力性が低下してしま
い、偏平化し、短時間で目詰まりを起こす虞れがあっ
た。
することを課題とするものであり、高温プレス下でも溶
融せず、しかも、安定した弾力性を保持できる新規な抄
紙用フェルトを提供することを目的としている。
に、本発明は、ローラ対の一方が加熱された抄紙用プレ
ス部に、該加熱ロールに湿紙が接するように通す抄紙用
フェルトであって、該抄紙用フェルトは基布層と複数の
バット繊維層からなり、該バット繊維層の少なくとも湿
紙側の表面層を、該繊維のガラス転移点より高く、前記
加熱ロールの温度より高い温度で熱処理した耐熱繊維で
構成したことを特徴とする新規な抄紙用フェルトを提供
するものである。
された耐熱繊維層から構成され、湿紙側の表面層から下
層に行くに従って耐熱度が低く、より低い温度で熱処理
された耐熱繊維を用いることを特徴とする抄紙用フェル
トを提供するものである。
ている状態で走行中の抄紙用フェルトの接紙表面層即ち
湿紙を介して加熱ロールに面している表面温度は、加熱
ロールの温度より低く、内層に行くに従って加熱ロール
からの熱の伝達が少なくなるから、フェルト内層ほど温
度は低くなる。このような温度分布を考慮すると、フェ
ルトの表面層は加熱ロールの温度によって溶融または熱
分解しない耐熱繊維で構成し、内層は表面層より相対的
に融点または熱分解温度の低い繊維で構成することがで
きる。
はその下層に使用する主な耐熱繊維としては、融点また
は熱分解温度の高いメタ型アラミド繊維、パラ型アラミ
ド繊維、芳香族ポリエーテルアミドやポリベンツイミダ
ゾール(PBI)繊維、ポリオキシジアゾール(PO
D)繊維等の複素環を有する芳香族ポリマー繊維やポリ
アリレート(PAR)繊維、ポリシアノアクリルエーテ
ルケトン繊維、ポリエーテルケトン(PEK)繊維、ポ
リエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)繊維の中から選択され
る。
する繊維としては前記以外の熱処理した繊維または熱処
理しない繊維を使用することができる。なお、ここに
『ガラス転移点温度より高い温度で熱処理する』とは乾
熱を基準としたものであって、湿熱で処理したときは乾
熱で処理した場合より低い温度で同等の効果が得られ
る。
紙側の表面層を、耐熱繊維のガラス転移点より高く、前
記加熱ロールの温度より高い温度で熱処理することによ
り、高温湿熱下において弾力性が大幅に向上し、フェル
トの偏平化を改善することができる。
とし、かつ、湿紙側の表面層に、相対的にガラス転移点
の一番高い耐熱繊維を用いることにより、湿紙が接する
ローラ温度を150°C〜250°Cに加熱するプレス
ドライング法や250°C以上に加熱するインパルスド
ライング法の実施中に、そのローラ温度を直接受ける湿
紙の破断があってもその熱に充分耐えられるばかりでな
く、抄紙中に受ける高温湿熱下にて弾力性を失うことが
ない。
C〜150°Cに加熱するホットプレス法にて使用する
フェルトであれば、接紙側の複数バット繊維層を耐熱繊
維にする限り、内層は耐熱度の低いナイロンを使用する
ことも可能である。
参照して説明する。図1は抄紙機のプレス部のローラ対
と抄紙用フェルト及び湿紙との関係図、図2は本発明の
抄紙用フェルトの略示的拡大断面図、図3は平板熱プレ
スシュミレータの略示的断面図である。
に用いる加圧用のローラ対で、その一方(上ローラ)は
ヒータ3にて加熱されている。10は抄紙用フェルト、
20は湿紙である。湿紙20は加熱ロール1に接してい
る。該加熱ロール1の温度は搾水方法の種類により決定
される。即ち、ホットプレス法は100〜150°Cに
加熱され、プレスドライング法は150〜250°Cに
加熱され、インパルスドライング法は250°C以上に
加熱される。
く基布層(斜線で示す)11と複数のバット繊維層(基
布の表側に5層、裏側に1層)12A〜12Fからな
り、該バット繊維層12A〜12Fのうち、少なくとも
湿紙20側の表面層(1層〜3層)を耐熱繊維である、
ポリフェニレンサルファイド繊維(PPS)、ポリエー
テルエーテルケトン繊維(PEEK)、芳香族ポリアミ
ド繊維で構成し、かつ、その使用繊維のガラス転移点よ
り高い温度で熱処理してなる。
が耐熱繊維でなく、上記熱処理も施さない繊維を適用す
る場合がある。『少なくとも表面層』という表現はこの
ことを示している。湿紙が接するローラ温度が100°
C〜150°Cに加熱されるホットプレス法にて使用す
るフェルトであれば、接紙側の複数層をバット繊維層を
耐熱繊維にする限り、内層は耐熱度の低いナイロンを使
用することも可能だからである。
ナイロン撚糸を使用して二重織に織成し、表側のバット
繊維層12A〜12Eの第1層目(12A)を、15d
×76mmのPPS繊維(商品名:クラレKPS・クラ
レ製)をそのガラス転移点より高い温度、200°Cで
30分間湿熱処理してなる150g/m2 のウェブ(以
下「熱処理PPS繊維」という)で構成する。また、中
層12B〜12Eの4層を、15d×76mmのナイロ
ン繊維をそのガラス転移点より高い温度、180°Cで
30分熱処理して得た150g/m2 のウェブ(以下
「熱処理ナイロン」という)で構成する。更に、裏層1
2Fを、熱処理しないナイロン繊維からなる150g/
m2 のウェブ(以下「無処理ナイロン」という)で構成
し、全体の厚さを3.6mm(0.4g/cm3 )に調
整してなる。
た、前記バット繊維層12A〜12Fのうち、12A
(表面側の1層)を第一例と同じ熱処理PPS繊維と
し、12B〜12E(中層4層)及び12F(裏層)を
熱処理ナイロンで構成してなる。
た、前記バット繊維層12A〜12Fのうち、12A〜
12C(表面側の3層)を熱処理PPS繊維で構成し、
12D及び12E(中層2層)及び12F(裏層)を無
処理ナイロンで構成してなる。
た、前記バット繊維層12A〜12Fのうち、12A〜
12B(表面側の2層)を熱処理PPS繊維で構成し、
12C〜12E(中層3層)及び12F(裏層)を熱処
理ナイロンで構成してなる。
ット繊維層12A〜12Fの全部が熱処理PPS繊維で
構成してなる。
ット繊維層12A〜12Fの全部が芳香族ポリアミド繊
維(『コーネックス(商品名)』;帝人製)であって、
その繊維のガラス転移点より高い温度330°Cで熱処
理してなるウェブで構成してなる。
ット繊維層12A〜12Fのうち、12A〜12B(表
面側2層)を熱処理コーネックス繊維で構成し、12C
〜12D(中層2層)を熱処理PPS繊維で構成し、他
の層12E〜12F(中層1層、裏層1層)を熱処理ナ
イロンで構成してなる。
バット繊維層12A〜12Fの全部を熱処理していない
芳香族ポリアミド繊維(『コーネックス(商品名)』;
帝人製)で構成してなる。
バット繊維層12A〜12Fの全部を無処理ナイロンで
構成してなる。
較例、の2種とを図3に示す如く平板熱プレスシュ
ミレータ100を用い、ボトム加圧板101と加熱した
トップ加圧板102との間で、150kg/cm2 、1
Hzで50,000回繰り返し圧縮した。このトップ加
圧板の温度は100°C、150°C、200°C、2
50°C、300°Cとしてプレス後のフェルトの密度
を測定したところ、次表の結果を得た。
熱プレス後のフェルト密度は小さくなり、扁平化が改善
される。 (ロ)受ける温度が100°C以下となるような中層又
は下層に、熱処理ナイロンを使用すると、フェルトの密
度が小さくなり、性能が向上する。更に、温度が低くな
るような中層、下層には無処理ナイロンも使用できる。 (ハ)熱処理コーネックスは密度がより小さくなり、よ
り高温に耐えることができる。
用フェルトは、ローラ対の一方が加熱された抄紙機のプ
レス部に、該加熱ロールに湿紙が接するように通す抄紙
用フェルトであって、該抄紙用フェルトは基布層と複数
のバット繊維層からなり、該バット繊維層の少なくとも
湿紙側の表面層を、該繊維のガラス転移点より高く、加
熱ロールの温度より高い温度で熱処理した耐熱繊維で構
成したから、高温プレス下でも溶融せず、しかも、安定
した弾力性を保持でき、フェルトの偏平化が改善でき
る。
耐熱繊維層から構成され、湿紙側の表面層から下層に行
くに従って耐熱度が低く、より低い温度で処理された耐
熱繊維を用いることにより、熱処理PPS繊維のみやコ
ーネックス繊維のみの場合に比し、比較的コストを低め
に抑えて、密度をより小さくし、性能をより向上させる
ことが可能となる。
及び湿紙との関係図である。
ある。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 ローラ対の一方が加熱された抄紙用プレ
ス部に、該加熱ロールに湿紙が接するように通す抄紙用
フェルトであって、該抄紙用フェルトは基布層と複数の
バット繊維層からなり、該バット繊維層の少なくとも湿
紙側の表面層を、該繊維のガラス転移点より高く、前記
加熱ロールの温度より高い温度で熱処理した耐熱繊維で
構成したことを特徴とする抄紙用フェルト。 - 【請求項2】 前記バット繊維層が、複数の熱処理され
た耐熱繊維層から構成され、湿紙側の表面層から下層に
行くに従って耐熱度が低く、より低い温度で熱処理され
た耐熱繊維を用いることを特徴とする請求項1に記載の
抄紙用フェルト。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP6080985A JP3045923B2 (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 抄紙用フェルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6080985A JP3045923B2 (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 抄紙用フェルト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07268794A JPH07268794A (ja) | 1995-10-17 |
JP3045923B2 true JP3045923B2 (ja) | 2000-05-29 |
Family
ID=13733800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6080985A Expired - Fee Related JP3045923B2 (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 抄紙用フェルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3045923B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19915891A1 (de) * | 1999-04-08 | 2000-10-12 | Huyck Austria | Transferband |
JP4157136B2 (ja) * | 2006-02-14 | 2008-09-24 | イチカワ株式会社 | 抄紙用プレスフェルト |
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1994
- 1994-03-28 JP JP6080985A patent/JP3045923B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH07268794A (ja) | 1995-10-17 |
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