JP3042792U - インバータ制御による電力節減装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力の電動機を用い、運転率を低くするこ
とにより、大幅な省エネルギー効果を実現できるシステ
ムを提供する。 【解決手段】 ファン、冷暖房装置その他の負荷６、
７、８に対応して使用される電動機として、標準の出力
より１ランク以上の電動機３を用い、インバータ制御２
により運転率を下げて負荷に応じた電力で負荷を駆動す
るようにしたインバータ制御による電力節減装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、冷暖房装置その他電動機を使用する負荷において、インバータを使 用して省エネルギー化を実現するインバータ制御による電力節減装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来よりインバータを用いて電動機の回転を制御して省エネルギー化を実現す ることは公知である。 例えば、冷温水ポンプにおいて、モータ出力７．５ＫＷを使用してインバータ で８５％の運転をした場合、使用電力量は３８．６％低減する。一日の運転時間 を１１時間とし、２５０日稼働させると節電電力はインバータを用いない場合と 比較して７，９６１ＫＷｈとなる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

標準仕様の電動機を用い、インバータ制御で省エネルギーを実現することは、 上記のように実施されているが、省エネルギー効率については満足できるもので はない。 本考案の目的は、標準仕様の電動機に対し、１ランク以上のモータ出力を有す る電動機を用い、インバータ制御により負荷に応じた出力を実現すると共に大幅 な省エネルギー化を得ることができるようにしたインバータ制御による電力節減 装置を提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、第１考案では、ファン、冷暖房装置その他の負荷に 対応して使用される電動機として、標準の出力より１ランク以上の電動機を用い 、インバータ制御により運転率を下げて負荷に応じた電力で負荷を駆動するよう にしたインバータ制御による電力節減装置とした。

【０００５】 第２考案では、交流電源より入力リアクトルを経て、インバータ回路と直送運 転回路とを、切替可能とした切替スイッチを介して電動機に接続したインバータ 制御による電力節減装置とした。 第３考案では、風呂水の濾過その他循環ポンプを有する機器に使用される電動 機として、標準の出力に対して付帯設備の種類や強度を考慮して２ランク上まで のものを用いるようにしたインバータ制御による電力節減装置とした。

【０００６】 （作用） 第１考案では、冷暖房装置などにおいて、標準の出力より１ランク以上の電動 機を用いるようにした。 例えば、モータ出力３．７ＫＷのものに対しては５．５ＫＷ又は７．５ＫＷの モータを用いてインバータ制御により運転率を６０％又は７０％程度に下げるこ とにより機器自体の稼働には支障がなく、運転率が下がることによる電力消費は 大幅に上昇することになり、省エネルギー率は８７．５％又は７８．４％程度に まで向上することになる。

【０００７】 なお、空気流又は水流を伴う機器については、電線、ダクト或いは管路の耐久 性や運転率の降下による作業能率の低下を考慮すると限界があり、使用できる電 動機としては１ランクから３ランク程度までが適当である。 第２考案では、交流電源より入力リアクトルを用いることにより高調波による 影響を低減し、インバータの入力側で入力力率の改善と高調波の低減をする。切 替スイッチを用いることにより、インバータの故障時にはバイパス回路による直 送で機器駆動を継続できるようにした。

【０００８】 第３考案では、風呂水の濾過や循環ポンプなどを有する機器について、標準出 力の電動機に代えて１ランク若しくは２ランク上までの電動機を用いるようにし ている。これは空調機などの空気流を制御する場合と異なり水流制御のため付帯 設備としての管路の種類や強度を考慮して付帯設備の損傷が生じないようにした ものである。

【０００９】

【考案の実施の形態】

電動機の出力に関しては、例えば、３．７、５．５、７．５、１１、１５、１ ８．５（ＫＷ）等１ランクずつ規格が設けられている。 風呂水の濾過用ポンプにおいて、標準仕様で３．７（ＫＷ）のモータ出力を用 いてインバータ制御による省エネルギー化を図ったところ、１日１１時間運転で ３００日間運転した場合４，７１３ＫＷｈの節電電力を得ることができる。これ に対して、本願考案では１ランク上のモータ出力の５．５（ＫＷ）を用いて運転 した場合、節電電力は９，５０５（ＫＷｈ）となり、約倍近くの電力節減効果が 得られる。

【００１０】

【実施例】

図１は空調、給排気ファンに適用したシステム図であり、１は電源、２はイン バータ、３は電動機、４はベルト、５はファン、６は負荷としてのダクトを示す 。 図２は循環ポンプの例を示すもので、１、２、３はそれぞれ電源、インバータ 、電動機を指す。７は負荷としてのポンプ、８は負荷としての水道管である。

【００１１】 図３はインバータ回路と直送回路との切替えをする場合の説明図で、９は入力 リアクトル、１０、１１は切替スイッチを示す。 以下、インバータを用いて節電電力の比較表を示す。 （イ) 従来の標準のモータを使用した場合の節電電力量

【００１２】

【表１】

【００１３】 （ロ) 本考案として１ランク上のモータを使用した場合の節電電力量

【００１４】

【表２】

【００１５】 上記比較表で示す通り、１ランク上のモータを使用した時、運転率が低減でき 、省エネルギー率は大幅に増加することとなった。

【００１６】

【考案の効果】

本考案では１ランク又は２ランク上の電動機を用いて運転率を下げることによ り標準の駆動と運転には支障がないが、さらにインバータ制御によって省エネル ギー化を大幅に向上させることができるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】空調機の制御例を示すブロック図

【図２】ポンプ制御時のブロック図

【図３】切替スイッチを設けた例のブロック図

【符号の説明】

１ 電源 ２ インバータ ３ 電動機 ６、７、８ 負荷 ９ 入力リアクトル １０、１１ 切替スイッチ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ファン、冷暖房装置その他の負荷に対応
   して使用される電動機として、標準の出力より１ランク
   以上の電動機を用い、インバータ制御により運転率を下
   げて負荷に応じた電力で負荷を駆動するようにしたイン
   バータ制御による電力節減装置。
2. 【請求項２】 交流電源より入力リアクトルを経て、イ
   ンバータ回路と直送運転回路とを、切替可能とした切替
   スイッチを介して電動機に接続した請求項１記載のイン
   バータ制御による電力節減装置。
3. 【請求項３】 風呂水の濾過その他循環ポンプを有する
   機器に使用される電動機として、標準の出力に対して付
   帯設備の種類や強度を考慮して２ランク上までのものを
   用いるようにした請求項１記載のインバータ制御による
   電力節減装置。