JP3040330B2 - 抄紙用ドライヤーカンバス及びカッターマシン用カンバス - Google Patents

抄紙用ドライヤーカンバス及びカッターマシン用カンバス

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抄紙機のドライパ
ートで使用される抄紙用ドライヤーカンバス、及びカッ
ターマシンの搬送コンベア部で使用されるカッターマシ
ン用カンバスに関し、特に、静電気防止対策を施した抄
紙用ドライヤーカンバス及びカッターマシン用カンバス
に関する。
【0002】
【従来の技術】抄紙機のドライパートに使用される抄紙
用ドライヤーカンバスにおいては、そのドライヤーカン
バスの構成繊維と、抄造される紙及び乾燥ロールとの間
に表面速度差などに起因する摩擦で帯電現象が発生し、
静電気の発生によって紙粉やオイルミスト等の汚れがド
ライヤーカンバスの表面に付着し易くなる。この結果、
抄造される紙材の品質に悪影響を及ぼす問題が発生して
いる。
【0003】一方、抄紙又は紙加工工程で使用されるカ
ッターマシンは、巻き取られた紙シートを所定寸法の平
判シートに裁断する装置である。このカッターマシンに
紙シートを供給する搬送コンベア部では、紙シートを搬
送するコンベアベルトに抄紙用ドライヤーカンバスと同
じ仕様のものが採用されつつある。
【0004】このカッターマシン用カンバスについて
も、紙シートの搬送時、そのカンバスの構成繊維と紙シ
ート及び紙シート同士との摩擦により静電気を帯びる現
象が発生する。その静電気の発生により、紙シートがカ
ンバスに吸着されて離れ難くなり、その結果、紙シート
を所定場所に搬送できない問題が生じる。
【0005】このような問題を解決するために、抄紙用
ドライヤーカンバスでは、種々の方法が提案されている
(実公昭47−32883号公報、実開平2−6199
9号公報)。
【0006】例えば、実公昭47−32883号公報に
は、金属線と紡績糸とを共撚りした電導性糸条を、カン
バスの裏経糸或いは裏緯糸として適当な間隔をおいて、
電導性糸条が抄紙両側に現出しないように織成する方法
が開示されている。また、実開平2−61999号公報
には、経糸にポリエステルモノフィラメント糸を使用し
たドライヤーカンバスにおいて、ポリエステルモノフィ
ラメント糸の一部を所定間隔で導電性物質を混入したナ
イロンモノフィラメント糸に置換する方法が開示されて
いる。
【0007】尚、カッターマシンの搬送コンベア部に、
コンベアベルトとして使用されるカンバスについては、
その静電気防止対策について記載された先行技術は見当
らないが、通常、ドライヤーカンバスで行われているの
と同様の対策をすることが考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実公昭47
−32883号公報に開示されている方法では、金属線
と紡績糸とを共撚りして電導性糸条としているが、抄紙
用ドライヤーカンバスとして、一般的には、耐熱性や耐
薬品性、熱収縮率の点でポリエステル繊維が多く使用さ
れている。
【0009】そこで、実公昭47−32883号公報に
開示されている方法に準じて、金属線又は金属繊維をポ
リエステル繊維と共撚りして電導性糸条とし、これをカ
ンバスの経糸の5〜60cmの適当な間隔でポリエステル
繊維と置換するようにしている。特に金属繊維は帯電防
止効果が大きいため、抄紙用ドライヤーカンバス及びカ
ッターマシン用カンバスにおける静電気防止対策として
有効である。尚、前記金属繊維としては、例えば、日本
精線株式会社製のステンレス繊維(商品名:ナスロン)
等がある。
【0010】しかしながら、静電気防止効果を有するだ
けでは、抄紙用ドライヤーカンバス及びカッターマシン
用カンバスとして使用する上で、十分な表面平滑性が得
られない。一般に、抄紙用ドライヤーカンバス及びカッ
ターマシン用カンバスは、製織したままの状態では使用
中に寸法変化を生じるため、その製織後ヒートセット加
工を施し寸法安定性を付与させる必要がある。
【0011】通常、このヒートセット加工は、加工温度
を約160℃〜180℃とし、テンションの大きさをカ
ンバスの使用テンションに応じて3kg/cm〜1kg/cmの
範囲から選定されて行なわれる。この場合、同じ素材の
糸を使用して製織する場合は問題ないが、異なる素材で
且つ熱収縮率が異なる糸を使用してヒートセット加工を
行うと、カンバス全体に亘って均一に収縮させることが
困難となり、カンバスに凹凸やしわ等が発生し、表面平
滑性が悪くなる。
【0012】従って、前述したように金属繊維としての
ステンレス繊維及びポリエステル繊維の異なる素材を使
用して抄紙用ドライヤーカンバス及びカッターマシン用
カンバスとした場合、そのステンレス繊維の熱収縮率が
殆どゼロであるため、ステンレス繊維とポリエステル繊
維との熱収縮率の違いにより、カンバスの製織後にヒー
トセット加工を行っても、カンバス全体を均一に収縮さ
せることが困難となり、カンバスの経糸の部分が凹凸と
なるので、その影響で表面に微妙な凹凸が形成されて表
面平滑性が悪くなるという問題が生じる。
【0013】このようにステンレス繊維とポリエステル
繊維とを使用した抄紙用ドライヤーカンバス及びカッタ
ーマシン用カンバスでは、静電気防止効果を有する利点
がある反面、寸法安定性を得るためのヒートセット加工
により、表面平滑性が損なわれるという欠点があるの
で、好適なものにはならないというのが現状である。
【0014】また、実開平2−61999号記載の方法
では、モノフィラメント糸を使用している点で汚れがつ
きにくい効果があって好ましいが、カンバスの製織後ヒ
ートセット加工を行うと、ポリエステルモノフィラメン
ト糸と導電性物質を混入したナイロンモノフィラメント
糸が交叉する箇所ではナイロンモノフィラメント糸の方
が柔らかいのでよく凹み、その部分だけポリエステルモ
ノフィラメント糸同士が交叉する箇所より凹部が形成さ
れやすく、カンバスの表面が平滑でなくなるという問題
が生じる。そのため、抄紙用ドライヤーカンバスにより
抄造される紙の品質が低下し、また、カッターマシン用
カンバスでは、紙シートの搬送に支障をきたすことにな
る。
【0015】そこで、本発明は、ポリエステル繊維のモ
ノフィラメント糸をカンバス素材として使用した場合
に、表面の平滑性を確保すると共に静電気による帯電を
確実に防止することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の技術的手段として、本発明の抄紙用ドライヤーカンバ
ス及びカッターマシン用カンバスは、経糸及び緯糸にポ
リエステルモノフィラメント糸を使用して織成したもの
において、カーボンを導電性物質としその含有量を重量
比で5〜20%にしてポリエステル樹脂とを混合した導
電層を、ポリエステル樹脂を主体とした基層の表層に全
周被覆状若しくは部分被覆状に配してモノフィラメント
状に形成した導電糸を経糸又は緯糸の少なくとも一部に
配して織成した上で、160℃〜180℃の加温下、3
kg/cm〜1kg/cmの張力下でヒートセット加工
を施したことを特徴とする。
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の抄紙用ドライヤーカンバ
ス及びカッターマシン用カンバスは、経糸及び緯糸にポ
リエステルモノフィラメント糸を使用して織成したもの
において、導電性物質とポリエステル樹脂とを混合した
導電層を、ポリエステル樹脂を主体とした基層の表層に
全周被覆状若しくは部分被覆状に配してモノフィラメン
ト状に形成した導電糸を経糸又は緯糸の少なくとも一部
に配して織成したことを特徴とする。尚、前記導電性物
質はカーボンが好適であり、導電層のカーボンの含有量
は重量比で5〜20%であることが望ましい。
【0019】この含有量が5%より小さいと、導電糸の
比抵抗値が小さくならず静電防止効果が少なくなり、ま
た、20%より大きいと、導電糸の強度が弱くなってと
もに不適である。この導電性物質の含有量は、10%前
後が好ましい。
【0020】具体的には、図1(a)に示すように導電
糸1として、導電性物質とポリエステル樹脂とを混合し
た導電層3を、ポリエステル樹脂を主体とした基層2の
表層に全周被覆状に配してモノフィラメント状に形成し
たものや、同図(b)に示すように導電糸1として、導
電性物質とポリエステル樹脂とを混合した導電層3を、
ポリエステル樹脂を主体とした基層2の表層に部分被覆
状に配してモノフィラメント状に形成したものを使用す
る。尚、本発明の導電糸は、上記構造のものに限らず、
ポリエステル樹脂を主体とした芯に、導電性物質とポリ
エステル樹脂とを混合した導電層を鞘とする芯鞘構造の
もの等を含む。
【0021】このような構造を有する導電糸1を経糸又
は緯糸の少なくとも一部に配して織成することにより、
抄紙用ドライヤーカンバス又はカッターマシン用カンバ
スを構成する。具体的に、前記導電糸1をポリエステル
モノフィラメント糸からなる経糸4の方向に配置したカ
ンバスの組織例を図2(a)〜(e)に示す。尚、緯糸
5はすべてポリエステルモノフィラメント糸からなる。
【0022】図2(a)は前記導電糸1を表裏両面に出
る経糸4と同じ組織で配置した組織例で、図2(b)は
同図(a)と同様に導電糸1を配置しているが、同図
(a)と異なり、表側の組織を綾組織とした組織例であ
る。また、図2(c)は表層の経糸4と裏層の緯糸5の
中間に導電糸1を配置した組織例である。更に、図2
(d)は裏側の経糸として導電糸1を配置した組織例
で、図2(e)は裏側の経糸として導電糸1を配置した
組織例であるが、導電糸1はそれ以外の経糸4とは異な
る組織としたものである。
【0023】図3(a)(b)は前記導電糸1をポリエ
ステルモノフィラメント糸からなる緯糸5の方向に配置
したカンバスの組織例を示す。尚、経糸4はすべてポリ
エステルモノフィラメント糸からなる。図3(a)は表
面側の緯糸5の8本毎に導電糸1を配置した組織例で、
同図(b)は表面側の緯糸5の16本毎に導電糸1を配
置した組織例である。
【0024】尚、図2(a)〜(e)に示す経糸方向で
の導電糸1の配置間隔、図3(a)(b)に示す緯糸方
向での導電糸1の配置間隔については、カンバスの用途
に応じて帯電量に対応させて適宜設定すればよい。ま
た、図2(a)〜(e)に示す組織例は経糸方向にの
み、図3(a)(b)は緯糸方向にのみ導電糸1を配置
するものについて説明したが、経糸及び緯糸方向の両方
に導電糸1を配置する場合は、前述した組織例を適宜組
合せて使用すればよい。その際、経糸4又は緯糸5に対
して導電糸1をどのように配置するかはその用途に応じ
て帯電量に対応させて適宜決定すればよい。
【0025】
【実施例】本発明の抄紙用ドライヤーカンバス及びカッ
ターマシン用カンバスは、経糸及び緯糸にポリエステル
モノフィラメント糸を使用して織成したものであり、そ
の場合、ポリエステルモノフィラメント糸を主体とした
導電糸を使用することが最適である。そこで、ポリエス
テルモノフィラメント糸を主体とした導電糸を検討した
結果、以下のようなものが得られた。
【0026】導電性物質とポリエステル樹脂とを混合し
た導電層3を、ポリエステル樹脂を主体とした基層2の
表層に全周被覆状に配してモノフィラメント状に形成し
た導電糸1〔図1(a)参照〕について、ポリエステル
樹脂としてテトロン〔ポリエチレンテレフタレートの商
品名:東レ(株)製〕、導電性物質としてカーボンを選
定し、テトロンを主体とした基層2の表面にカーボンと
テトロンを混合した導電層3を全周被覆状に配した外径
0.4mm、繊度1570D(デニール)の導電テトロン
モノフィラメント1(以下、導電TMと称す)を製作し
た。
【0027】この導電TMについて、静電気防止効果の
有無を確認するため、その比抵抗値を測定した結果、
1.65×103 Ω・cmという値が得られた。この値
は、静電気防止対策に必要な比抵抗値が104 Ω・cm以
下であることから、静電気防止対策に十分な効果がある
ことが予測できる。このように比抵抗値に基づくデータ
から静電気防止効果が得られたとしても、その導電糸を
カンバス素材として使用可能か否かについては、静電気
防止効果だけでは不十分である。即ち、十分な静電気防
止効果があることを確認した上で、寸法安定性を得るた
めのヒートセット加工を行なった後でも、表面平滑性を
有することが必要である。
【0028】そこで、この導電糸1を抄紙用ドライヤー
カンバス及びカッターマシン用カンバスに適用する上で
表面平滑性の有無を確認するため、その表面平滑性を左
右する乾熱収縮率の測定試験を行なった。その試験結果
を図4に示す。尚、この測定試験において、外径0.4
mmを有する前記導電TM(以下、導電TM040と称
す)の他に、外径0.4mmを有するテトロンモノフィラ
メント(以下、TM040と称す)と、外径0.4mmを
有し、カーボンとナイロン樹脂とを混合した導電層を
6.6ナイロン樹脂を主体とした基体の表層に全周被覆
した導電ナイロンモノフィラメント(以下、導電NM0
40と称す)の3試料を用意した。
【0029】各試料の乾熱収縮率の測定は、まず、原糸
を30cmの長さにカットした5本の試料を熱風乾燥機中
で20分間処理する。尚、その乾燥温度は、120℃、
140℃、160℃、180℃及び200℃に設定し
た。その後、取り出した試料を標準状態(温度20℃、
相対湿度65%)の室内の約30分以上放置してからそ
の長さを測定して、次式で求めた5本の試料の平均値を
求めて測定値とした。
【0030】熱収縮率(%)={(300mm−処理後の
長さmm)/300mm}×100%
【0031】図4に示す測定結果から明らかなように、
TM040〔図中〕と導電TM040〔図中〕と
は、ほぼ同じ特性を有することが判明した。一方、導電
NM040〔図中〕は、乾燥温度が高い場合、TM0
40と導電TM040に比べて熱収縮率が非常に低いこ
とが判明した。
【0032】これによりヒートセット加工を行った時
に、導電TMはTMと熱収縮率の差が非常に小さいので
ほぼ同じ挙動を示すことが明らかで、従って、TMを主
体とするカンバスに導電TMを配置して製織を行い、そ
の後、ヒートセット加工を行っても表面の均一性が失わ
れることはなく、抄紙用ドライヤーカンバス及びカッタ
ーマシン用カンバスに導電TMを配して静電気防止対策
を行うことは問題がないことが判明した。
【0033】次に、導電糸1を抄紙用ドライヤーカンバ
ス又はカッターマシン用カンバスに織成した場合の静電
気防止効果の確認を行うため、試料として、下表1で示
すような仕様で、幅30cm、長さ4mを有するカンバス
を製作した。
【0034】
【表1】
【0035】このカンバス6は、図5(a)(b)に示
すような経糸4及び緯糸5からなる組織例において、経
糸方向(カンバス6の走行方向)での導電糸1の配置間
隔Lを、L=5cm,10cm及び20cmとし、緯糸方向
(カンバス6の幅方向)での導電糸1を表面側の緯糸1
6本毎に1本配置した各組合せからなる実施例1〜5、
及び導電糸1を有しない比較例〔下表2参照〕につい
て、図6に示す方法に基づいて各例での帯電圧を測定し
た。
【0036】
【表2】
【0037】この帯電圧測定方法は、以下の通りであ
る。同図に示すように前述した試料(幅:30cm、長
さ:4m)のカンバス6を駆動ローラ7とテンションロ
ーラ8との間に所定のテンションF(0.93kg/cm)
で掛け、駆動ローラ7の回転力によりそのカンバス6を
所定速度V(500m/min )で走行させ、二つのガイ
ドローラ9,10間でカンバス6の上方に配置した測定
器11(静電圧測定器スタチロンM:シシド静電気
(株)製)により、カンバス6の走行時、カンバス6に
発生する静電圧量を、経糸方向(カンバスの走行方向)
での導電糸1上及び導電糸1間で測定した(温度:2
2.5℃〜23.5℃、湿度:50〜60%)。尚、測
定値は、カンバス6を連続で走行させ、5分毎に4回測
定することにより得られたものである。
【0038】各実施例1〜5及び比較例での測定結果は
図7に示す通りである。尚、図7では、比較例及び実施
例2については変化が大きいので判読容易であるが、実
施例1、3〜5については、1kV以下の帯電圧となっ
ているので判読困難であるため、その帯電圧の状態を拡
大したものを図8乃至図10に示す。
【0039】図7乃至図10より明らかなように実施例
1〜5の帯電圧は導電糸1を配していない比較例に比べ
ると大幅に減少しており、静電気防止効果があることが
分かる。この実施例1〜5では帯電圧に差があるが、導
電糸1の配置間隔Lは用途に応じて適宜選択すればよい
ことが判明した。
【0040】但し、図7に示すように緯糸方向のみに導
電糸1を配した実施例2では静電気防止効果はあるが、
経糸方向のみに導電糸1を配した実施例1に比べると帯
電圧は少し高いことが分かる。従って、導電糸1は経糸
方向に配した方が静電気防止効果が大きいことになる。
また、図8乃至図10に示すように経糸方向のみに導電
糸1を配した実施例2よりも、経糸方向だけでなく緯糸
方向にも導電糸1を配した実施例3〜5の方が静電気防
止効果が大きいことが分かる。但し、この場合の帯電圧
の差は0.5kV前後であるので、通常は経糸方向のみ
に導電糸1を配しておけば十分な静電気防止効果が得ら
れる。従って、特に静電気防止効果を必要とする用途に
は、経糸及び緯糸方向の両方に導電糸1を配するように
すればよい。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、カーボンを導電性物質
しその含有量を重量比で5〜20%にしてポリエステ
ル樹脂とを混合した導電層を、ポリエステル樹脂を主体
とした基層の表層に全周被覆状若しくは部分被覆状に配
してモノフィラメント状に形成した導電糸を経糸又は緯
糸の少なくとも一部に配して織成した上で、160℃〜
180℃の加温下、3kg/cm〜1kg/cmの張力
下でヒートセット加工を施したことにより、表面平滑性
を良好に保持することができると共に、十分な静電気防
止効果を発揮し得る抄紙用ドライヤーカンバス及びカッ
ターマシン用カンバスを提供することができてその実用
的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明の抄紙用ドライヤーカン
バス又はカッターマシン用カンバスを構成する導電糸の
二例を示す断面図
【図2】(a)〜(e)は本発明で使用する導電糸を経
糸方向に配した5つのカンバス組織例を示す概略構造図
【図3】(a)(b)は本発明で使用する導電糸を緯糸
方向に配した2つのカンバス組織例を示す概略構造図
【図4】乾熱収縮率の測定における各試料についての測
定値を示す特性図
【図5】(a)は経糸方向に導電糸を配したカンバスを
示す概略平面図、(b)は緯糸方向に導電糸を配したカ
ンバスを示す概略構造図
【図6】帯電圧測定を行なうための測定装置の概略構成
【図7】帯電圧測定における比較例及び実施例1の測定
結果を示す特性図
【図8】帯電圧測定における実施例1及び実施例3の測
定結果を示す特性図
【図9】帯電圧測定における実施例1及び実施例4の測
定結果を示す特性図
【図10】帯電圧測定における実施例1及び実施例5の
測定結果を示す特性図
【符号の説明】
1 導電糸 2 基層 3 導電層 4 経糸 5 緯糸

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経糸及び緯糸にポリエステルモノフィラ
    メント糸を使用して織成した抄紙用ドライヤーカンバス
    において、カーボンを導電性物質としその含有量を重量
    比で5〜20%にしてポリエステル樹脂と混合した導電
    層を、ポリエステル樹脂を主体とした基層の表層に全周
    被覆状若しくは部分被覆状に配してモノフィラメント状
    に形成した導電糸を経糸又は緯糸の少なくとも一部に配
    して織成した上で、160℃〜180℃の加温下、3k
    g/cm〜1kg/cmの張力下でヒートセット加工を
    施したことを特徴とする抄紙用ドライヤーカンバス。
  2. 【請求項2】 経糸及び緯糸にポリエステルモノフィラ
    メント糸を使用して織成したカッターマシン用カンバス
    において、カーボンを導電性物質としその含有量を重量
    比で5〜20%にしてポリエステル樹脂とを混合した導
    電層を、ポリエステル樹脂を主体とした基層の表層に全
    周被覆状若しくは部分被覆状に配してモノフィラメント
    状に形成した導電糸を経糸又は緯糸の少なくとも一部に
    配して織成した上で、160℃〜180℃の加温下、3
    kg/cm〜1kg/cmの張力下でヒートセット加工
    を施したことを特徴とするカッターマシン用カンバス。
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