JP3036893B2 - プラスチックマグネットローター - Google Patents
プラスチックマグネットローターInfo
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- JP3036893B2 JP3036893B2 JP3146570A JP14657091A JP3036893B2 JP 3036893 B2 JP3036893 B2 JP 3036893B2 JP 3146570 A JP3146570 A JP 3146570A JP 14657091 A JP14657091 A JP 14657091A JP 3036893 B2 JP3036893 B2 JP 3036893B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はモーターや回転数測定器
等に使用されるプラスチックマグネットローターに関す
る。
等に使用されるプラスチックマグネットローターに関す
る。
【０００２】
【従来の技術】一般にモーターや回転数測定器等には、
表面の円周方向に複数個の磁極を有する円筒型のプラス
チックマグネット成形体の中心に、金属製シャフトを挿
入したローターが使用されている。そのプラスチックマ
グネット成形体の材料としては、ナイロン６或いは、ナ
イロン１２等のポリアミドのマトリックスポリマーに、
硬質磁性フェライト等の磁性粉末を混合したコンパウン
ドが多く使用されるが、自動車のような高温に曝される
可能性のある環境で使われる部品には、最近マトリック
スポリマーとして耐熱性の高いＰＰＳ（ポリフェニレン
スルフィド）が使用される例が増えて来ている。
表面の円周方向に複数個の磁極を有する円筒型のプラス
チックマグネット成形体の中心に、金属製シャフトを挿
入したローターが使用されている。そのプラスチックマ
グネット成形体の材料としては、ナイロン６或いは、ナ
イロン１２等のポリアミドのマトリックスポリマーに、
硬質磁性フェライト等の磁性粉末を混合したコンパウン
ドが多く使用されるが、自動車のような高温に曝される
可能性のある環境で使われる部品には、最近マトリック
スポリマーとして耐熱性の高いＰＰＳ（ポリフェニレン
スルフィド）が使用される例が増えて来ている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ポリフェニレンスルフ
ィドをマトリックスポリマーとして、これに硬質磁性フ
ェライトのような磁性材料を混合したコンパウンドを用
いた場合、金属シャフトをインサートした射出成形ロー
ターを、例えば１５０℃から−４０℃間の熱衝撃テスト
にかけると、一般に少ない衝撃回数で成形体にクラック
が入る。これはプラスチックマグネット成形と金属シャ
フトとの間の熱膨張率の差によって、該成形体に繰返し
発生する応力が、成形体の疲労強度の限界を越えるため
に起こる現象と推定される。自動車部品のように幅広い
温度範囲で使用されるものでは、前記の如くクラックが
入る迄の衝撃回数が小さいローターは、信頼性が低いも
のとして実用には供し難い。
ィドをマトリックスポリマーとして、これに硬質磁性フ
ェライトのような磁性材料を混合したコンパウンドを用
いた場合、金属シャフトをインサートした射出成形ロー
ターを、例えば１５０℃から−４０℃間の熱衝撃テスト
にかけると、一般に少ない衝撃回数で成形体にクラック
が入る。これはプラスチックマグネット成形と金属シャ
フトとの間の熱膨張率の差によって、該成形体に繰返し
発生する応力が、成形体の疲労強度の限界を越えるため
に起こる現象と推定される。自動車部品のように幅広い
温度範囲で使用されるものでは、前記の如くクラックが
入る迄の衝撃回数が小さいローターは、信頼性が低いも
のとして実用には供し難い。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明はポリフェニレン
スルフィドを使用したプラスチックマグネットローター
の耐熱衝撃性を安定して高く保つために、コンパウンド
原料について鋭意研究した結果達成されたものである。
即ち、３１０℃、１２００／ｓｅｃにおける溶融粘度が
１０００〜４０００ポアズの実質的に直鎖状のポリフェ
ニレンスルフィドを用い、これに磁性材料として、硬質
磁性フェライトを重量で７０〜９２重量％の範囲で混合
して、得られたコンパウンドを、金属シャフトをインサ
ートして射出成形するか、或いは射出成形後金属シャフ
トを圧入することにより、耐熱衝撃性の高いプラスチッ
クマグネットローターを得る。
スルフィドを使用したプラスチックマグネットローター
の耐熱衝撃性を安定して高く保つために、コンパウンド
原料について鋭意研究した結果達成されたものである。
即ち、３１０℃、１２００／ｓｅｃにおける溶融粘度が
１０００〜４０００ポアズの実質的に直鎖状のポリフェ
ニレンスルフィドを用い、これに磁性材料として、硬質
磁性フェライトを重量で７０〜９２重量％の範囲で混合
して、得られたコンパウンドを、金属シャフトをインサ
ートして射出成形するか、或いは射出成形後金属シャフ
トを圧入することにより、耐熱衝撃性の高いプラスチッ
クマグネットローターを得る。
【０００５】
【作用】以下本発明を詳細に説明する。一般にプラスチ
ックマグネットローラーは外径１〜２５ｍｍで厚さ５〜
１５ｍｍ程度の円柱の中心に金属シャフトがインサート
されている。円柱形状のローター円周表面はＮ．Ｓ極交
互に例えば１２極等多極に着磁されている。
ックマグネットローラーは外径１〜２５ｍｍで厚さ５〜
１５ｍｍ程度の円柱の中心に金属シャフトがインサート
されている。円柱形状のローター円周表面はＮ．Ｓ極交
互に例えば１２極等多極に着磁されている。
【０００６】成形体を構成する材料は、３１０℃、１２
００／ｓｅｃにおける溶融粘度が１０００〜４０００ポ
アズの直鎖状のポリフェニレンスルフィドに、硬質磁性
フェライトを重量で７０〜９２％の範囲で混合した複合
磁性材料である。円周表面の磁極は、射出成形時に金型
に磁場をかけて励磁成形し、フェライトを磁化、配向さ
せることによって作ることが出来る。また成形取出後、
着磁ヨークに入れて着磁することも可能である。
００／ｓｅｃにおける溶融粘度が１０００〜４０００ポ
アズの直鎖状のポリフェニレンスルフィドに、硬質磁性
フェライトを重量で７０〜９２％の範囲で混合した複合
磁性材料である。円周表面の磁極は、射出成形時に金型
に磁場をかけて励磁成形し、フェライトを磁化、配向さ
せることによって作ることが出来る。また成形取出後、
着磁ヨークに入れて着磁することも可能である。
【０００７】ポリフェニレンスルフィドとして本発明の
如き直鎖状型でなく、分岐構造を多く含む架橋型のもの
を用いた場合は、耐熱衝撃性が低い。また直鎖状型の場
合でも、３１０℃、１２００／ｓｅｃの溶融粘度が１０
００ポアズ未満のポリマーでは所望の高耐熱衝撃性が得
られない。またその溶融解粘度が４０００ポアズを越え
るポリマーは、成形性に難がある。硬質磁性フェライト
の混合割合が多くなると、成形体の熱膨張係数が小さく
なり、金属シャフトとの熱膨張係数の差が少なくなって
好ましくなる一方、成形体自体の延性が減少して応力を
吸収し難くなる。硬質磁性フェライトの混合割合が低く
なり過ぎると、必要な磁気特性を賦与することが出来な
くなる。即ち磁性ローターで所望の高耐熱衝撃を得るた
めには、好適な混合割合の範囲が存在する。本発明者が
試行錯誤の結果見出した範囲は７０ないし９２重量％で
あり、その範囲以外のフェライト混合割合では、耐熱衝
撃の低いローターしか得られない。
如き直鎖状型でなく、分岐構造を多く含む架橋型のもの
を用いた場合は、耐熱衝撃性が低い。また直鎖状型の場
合でも、３１０℃、１２００／ｓｅｃの溶融粘度が１０
００ポアズ未満のポリマーでは所望の高耐熱衝撃性が得
られない。またその溶融解粘度が４０００ポアズを越え
るポリマーは、成形性に難がある。硬質磁性フェライト
の混合割合が多くなると、成形体の熱膨張係数が小さく
なり、金属シャフトとの熱膨張係数の差が少なくなって
好ましくなる一方、成形体自体の延性が減少して応力を
吸収し難くなる。硬質磁性フェライトの混合割合が低く
なり過ぎると、必要な磁気特性を賦与することが出来な
くなる。即ち磁性ローターで所望の高耐熱衝撃を得るた
めには、好適な混合割合の範囲が存在する。本発明者が
試行錯誤の結果見出した範囲は７０ないし９２重量％で
あり、その範囲以外のフェライト混合割合では、耐熱衝
撃の低いローターしか得られない。
【０００８】
【実施例】［実施例１］ストロンチウムフェライト粉末
６Ｋｇをヘンシェルミキサーで撹拌しながら、シラン系
カップリング剤６０ｇを噴霧して添加し、撹拌下１２０
℃で５分間加熱して反応を完結させ、表面処理ストロン
チウムフェライトを得た。
６Ｋｇをヘンシェルミキサーで撹拌しながら、シラン系
カップリング剤６０ｇを噴霧して添加し、撹拌下１２０
℃で５分間加熱して反応を完結させ、表面処理ストロン
チウムフェライトを得た。
【０００９】この表面処理したストロンチウムフェライ
トに、３１０℃、１２００／ｓｅｃに於ける溶融粘度が
１４００ポアズの粉末状の直鎖型ポリフェニレンスフィ
ド１２２９ｇを加え、フェライト含有量８３重量％と
し、更にヘンシェルミキサーで５分間混合を行なった。
ついで二軸押出機にて３１０℃で混練し、ペレットを製
造した。このペレットを用い、キャビティ内に極配向用
の磁場を設けた金型に、インサート軸としてφ６．５の
冷間鍛造炭素鋼を用いてインサート射出成形を行い、円
周方向に１２極のプラスチックマグネットローターを１
０個成形した。
トに、３１０℃、１２００／ｓｅｃに於ける溶融粘度が
１４００ポアズの粉末状の直鎖型ポリフェニレンスフィ
ド１２２９ｇを加え、フェライト含有量８３重量％と
し、更にヘンシェルミキサーで５分間混合を行なった。
ついで二軸押出機にて３１０℃で混練し、ペレットを製
造した。このペレットを用い、キャビティ内に極配向用
の磁場を設けた金型に、インサート軸としてφ６．５の
冷間鍛造炭素鋼を用いてインサート射出成形を行い、円
周方向に１２極のプラスチックマグネットローターを１
０個成形した。
【００１０】比較例として３１０℃、１２００／ｓｅｃ
に於ける溶融粘度が１５００ポアズの架橋型ポリフェニ
レンスルフィド、及び３１０℃、１２００／ｓｅｃに於
ける溶融粘度が５５０ポアズの直鎖型ポリフェニレンス
フィドを用い、フェライト含有量８３重量％のローター
を各１０コ成形した。これ等成形品を−４０℃の低温槽
に１時間放置後直ちに１５０℃の高温槽に移送して１時
間放置した。これを再度−４０℃、１５０℃に移送する
という熱衝撃テストを何回も繰返し、熱衝撃回数５０、
１００、１５０、２００回時点でのクラック発生数を調
べた。 熱衝撃回数 直鎖型ＰＰＳ 架橋型ＰＰＳ 直鎖型ＰＰＳ 1400ポアズ 1500ポアズ 550ポアズ ５０回 ０ １ ７ １００ ０ ２ １０ １５０ ０ ２ ２００ ０ ４ ここで、ＰＰＳはポリフェニレンスルフィドを示す。
に於ける溶融粘度が１５００ポアズの架橋型ポリフェニ
レンスルフィド、及び３１０℃、１２００／ｓｅｃに於
ける溶融粘度が５５０ポアズの直鎖型ポリフェニレンス
フィドを用い、フェライト含有量８３重量％のローター
を各１０コ成形した。これ等成形品を−４０℃の低温槽
に１時間放置後直ちに１５０℃の高温槽に移送して１時
間放置した。これを再度−４０℃、１５０℃に移送する
という熱衝撃テストを何回も繰返し、熱衝撃回数５０、
１００、１５０、２００回時点でのクラック発生数を調
べた。 熱衝撃回数 直鎖型ＰＰＳ 架橋型ＰＰＳ 直鎖型ＰＰＳ 1400ポアズ 1500ポアズ 550ポアズ ５０回 ０ １ ７ １００ ０ ２ １０ １５０ ０ ２ ２００ ０ ４ ここで、ＰＰＳはポリフェニレンスルフィドを示す。
【００１１】本発明の直鎖型ＰＰＳ（１４００ポアズ）
は２００回迄の熱衝撃回数でもクラックの発生は見られ
なかったのに対し、架橋型ＰＰＳ（１５００ポアズ）は
２００回の熱衝撃テストで１０個中４個にクラック発生
が見られた。又直鎖型で５５０ポアズのＰＰＳでは１０
０回のテストで１０個全てにクラックが発生した。 ［実施例２］実施例１と同様に表面処理したストロンチ
ウムフェライト６Ｋｇに、３１０℃、１２００／ｓｅｃ
に於ける溶融粘度が２２００ポアズの粉末状の直鎖型ポ
リフェニレンスルフィド１３１７ｇを加え、フェライト
含有量８２重量％とし、実施例１と同様に混練、ペレッ
ト化し、インサート射出成形を行いプラスチックマグネ
ットローターを成形した。
は２００回迄の熱衝撃回数でもクラックの発生は見られ
なかったのに対し、架橋型ＰＰＳ（１５００ポアズ）は
２００回の熱衝撃テストで１０個中４個にクラック発生
が見られた。又直鎖型で５５０ポアズのＰＰＳでは１０
０回のテストで１０個全てにクラックが発生した。 ［実施例２］実施例１と同様に表面処理したストロンチ
ウムフェライト６Ｋｇに、３１０℃、１２００／ｓｅｃ
に於ける溶融粘度が２２００ポアズの粉末状の直鎖型ポ
リフェニレンスルフィド１３１７ｇを加え、フェライト
含有量８２重量％とし、実施例１と同様に混練、ペレッ
ト化し、インサート射出成形を行いプラスチックマグネ
ットローターを成形した。
【００１２】比較例として、同じ溶融粘度（２２００ポ
アズ）の直鎖型ポリフェニレンスルフィドを用い、フェ
ライト含有量６８重量％に調整したプラスチックマグネ
ットコンパウンドでも同様に成形を行なった。これら成
形品各１０コを実施例１と同様に−４０℃と１５０℃で
の熱衝撃テストを行いクラックの発生状況を調べた。 熱衝撃回数 フェライト含有量８２重量％ フェライト含有量６８重量％ １０ ０ ４個 ５０ ０ ８個 フェライト含有量８２重量％のものは１００回の熱衝撃
テストでクラック発生はなかったが、フェライト含有量
６８重量％のものは１００回のテストで１０個中８個に
クラック発生が見られた。
アズ）の直鎖型ポリフェニレンスルフィドを用い、フェ
ライト含有量６８重量％に調整したプラスチックマグネ
ットコンパウンドでも同様に成形を行なった。これら成
形品各１０コを実施例１と同様に−４０℃と１５０℃で
の熱衝撃テストを行いクラックの発生状況を調べた。 熱衝撃回数 フェライト含有量８２重量％ フェライト含有量６８重量％ １０ ０ ４個 ５０ ０ ８個 フェライト含有量８２重量％のものは１００回の熱衝撃
テストでクラック発生はなかったが、フェライト含有量
６８重量％のものは１００回のテストで１０個中８個に
クラック発生が見られた。
【００１３】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるプラ
スチックマグネットローター用コンパウンドは厳しい熱
衝撃テストを繰返しても金属シャフトと成形体にクラッ
クの入ることがなく熱安定性の優れたプラスチックマグ
ネットローターが得られるという格別の効果を有する。
スチックマグネットローター用コンパウンドは厳しい熱
衝撃テストを繰返しても金属シャフトと成形体にクラッ
クの入ることがなく熱安定性の優れたプラスチックマグ
ネットローターが得られるという格別の効果を有する。
Claims (1)
- 【請求項１】金属シャフトを挿入するプラスチックマグ
ネットローターにおいて、３１０℃、１２００／ｓｅｃ
における溶融粘度が１０００ポアズ〜４０００ポアズの
実質的に直鎖状のポリフェニレンスルフィドに、硬質磁
性フェライトを７０〜９２重量％混合した磁性コンパウ
ンドから前記ロータを成形したことを特徴とするプラス
チックマグネットローター。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3146570A JP3036893B2 (ja) | 1991-05-23 | 1991-05-23 | プラスチックマグネットローター |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3146570A JP3036893B2 (ja) | 1991-05-23 | 1991-05-23 | プラスチックマグネットローター |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04346206A JPH04346206A (ja) | 1992-12-02 |
| JP3036893B2 true JP3036893B2 (ja) | 2000-04-24 |
Family
ID=15410676
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3146570A Expired - Fee Related JP3036893B2 (ja) | 1991-05-23 | 1991-05-23 | プラスチックマグネットローター |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3036893B2 (ja) |
-
1991
- 1991-05-23 JP JP3146570A patent/JP3036893B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04346206A (ja) | 1992-12-02 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20000215 |
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| R250 | Receipt of annual fees |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
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