JP3036065B2 - フィラー入りポリテトラフルオロエチレン造粒粉末の製造方法 - Google Patents

フィラー入りポリテトラフルオロエチレン造粒粉末の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はフィラー入りポリテトラフルオロエチレン
(以下、PTFEという)造粒粉末の新規な製造方法に関す
る。
[従来の技術] PTFE粉末は懸濁重合してえられる粗粉を微粉砕したも
ので、圧縮成形法またはラム押出法による成形に使用さ
れる。粉砕後の粒径(一次粒径)はせいぜい5μm以
上、大きなもので1000μm程度までであるが、通常は10
0μm以下である。この粉末に、ガラスビーズ、ガラス
繊維、カーボン、グラファイト、二硫化モリブデン、青
銅、または、たとえばポリイミド、ポリアミドイミド、
ポリフェニレンオキシドなどの各種耐熱性合成樹脂など
の粉末をフィラーとして均一混合したフィラー入りPTFE
粉末は、PTFEそのものより、耐摩耗性、硬度などの向上
に効果のあるものとして使用されている。
PTFE粉末へのこれらのフィラーの均一混合は、特殊な
混合機器を用いて達成可能であるが、近年成形工程の自
動化が重視して行なわれるのに伴ない、粉末の取扱い性
とくに粉末流動性を改良し、高い見掛密度を有するフィ
ラー入りPTFE粉末として集塊化造粒タイプのものが製造
され使用されるようになってきた。
かかる集塊化造粒の方法には、大別して乾式法と湿式
法とがある。このうち前者は水を使用しない方法をい
い、その代表的なものとしては、PTFE粉末とフィラーと
を、PTFE粉末を湿潤することのできる液体、たとえば四
塩化炭素、アセトン、トリクロロエチレン、フッ化塩化
炭化水素などの有機液体で湿潤させて、撹拌などの機械
力を作用させる方法(特公昭44−22620号公報)が知ら
れている。後者の方法は、水を使用する方法をいい、代
表例として前記乾式法のPTFE粉末、フィラーおよび有機
液体の混合物を水中で撹拌する方法が知られている。こ
の湿式法は乾式法に比べ処理後の水の分離乾燥などの工
程が加わるとはいうものの、工程の生産の自動化が比較
的容易である点ですぐれている。
ところがこの湿式法は水を使うため、新水性フィラー
のばあい、フィラーが水と親和性のため水相に移行しや
すく、PTFE粉末に均一に混合しにくい、すなわち使用し
たフィラーの全部がPTFE粉末と混合した集塊化粉末がえ
られず、一部処理水中に残留するという難点がある。こ
の現象はフィラーの分離とよばれる。
この問題に対処し、フィラーをあらかじめ疎水化表面
処理して、その表面活性を低下させてPTFE粉末の表面活
性に近づけておいてから水中撹拌を行なうか、または撹
拌の際このような作用のある物質を水性媒体へ添加して
撹拌を行なうなどの方法が採用される。
この種の処理剤または添加剤として知られているもの
には、(a)アミノ官能基を有するシランおよび(また
は)可溶なシリコーン(特開昭51−548号公報、特開昭5
1−549号公報)、(b)炭素数12〜20個のモノカルボン
酸炭化水素(特公昭48−37576号公報)、(c)脂肪族
カルボン酸のクロム錯化合物(特公昭48−37576号公
報)、(d)シリコーン(特開昭53−13966号公報)な
どがあり、また(e)親水性フィラーをPTFE粉末そのも
ので被覆する方法(特開昭51−121417号公報)も知られ
ている。
しかしこれらの公知方法はいずれもPTFE粉末とフィラ
ーとをいったん混合して均一混合物を調製したのちこれ
を水中撹拌処理するという方法をとらなければならない
から、工程上短縮の利益が比較的えられにくいうえ、フ
ィラーの種類によっては粉塵による作業環境の悪化の問
題を必然的に伴なう点でなお問題を有している。さらに
前記(a)、(b)および(d)の方法ではフィラーの
分離防止がきわめて不充分であり、(c)は重金属を使
うことから焼成後の粉末に着色を残すという問題があ
る。(e)の方法はフィラーの分離防止は比較的よい
が、PTFEファインパウダーが混合されるため焼成粉末の
流動性が充分でない。
そこでこうした問題点を解決すべく、あらかじめアミ
ノシラン化合物によって表面処理された親水性フィラー
を陰イオン系界面活性剤の存在下に水中で撹拌しながら
PTFE粉末および水不溶性有機液体を順次加え集塊化造粒
せしめる製造方法が提案されている(特開昭57−18730
号公報)。
この製法は、 (1) PTFE粉末とフィラーとをあらかじめ均一混合し
ておかなくても、同一撹拌槽に順次投入することによ
り、分離することなく均一に混合した集塊化造粒粉末が
えられる、 (2) ガラスや青銅または親水性のとくに強いフィラ
ーのみに限定せず、半親水性フィラーにも適用する、 (3) 焼成後の成形品の表面粗さが改善される、 (4) 粉末流動性が充分高い、換言すればフィラー入
りはフィラーなしより普通粉末流動性がよくないが、こ
の製法によるものはフィラーなしに近いくらい粉末流動
性が高い、 などの特徴がある。
[発明が解決しようとする課題] しかし、陰イオン系界面活性剤を用いるときは、その
陰イオン系界面活性剤の回収が困難であり、残留した界
面活性剤がPTFE成形品を着色させるという問題がある。
また、陰イオン系界面活性剤としては高価なC7F15COO
NH4 の10%水溶液が主として多量に使用されてお
り、このばあいNH4 などの不純物が成形品に種々の影
響を与えている。
本発明は、こうした回収の問題および成形品の品質に
与える影響についての問題を解決せんとして完成された
ものである。
[課題を解決するための手段] すなわち本発明は、PTFE粉末と疎水性フィラーをフッ
素系アルコールの存在下に水中で撹拌しながら水不溶性
有機液体を加え集塊化造粒することを特徴とするフィラ
ー入りPTFE造粒粉末の製造方法に関する。
[作用および実施例] 本発明の製造方法においては、PTFE粉末、疎水性フィ
ラー、フッ素系アルコール、水不溶性有機液体、水、お
よび必要に応じて他の添加物が使用される。
本発明に用いるPTFE粉末としては、たとえばテトラフ
ルオロエチレン(TFE、以下同様)の単独重合体、2重
量%以下の共重合可能な単量体で変性されたTFEの共重
合体が含まれる。前記変性剤の例としては、炭素数3〜
6個のパーフルオロアルケン(たとえばヘキサフルオロ
プロピレン)、炭素数3〜6個のパーフルオロ(アルキ
ルビニルエーテル)(たとえばパーフルオロ(プロピル
ビニルエーテル))、クロロトリフルオロエチレンなど
があげられ、これらで変性された共重合体はPTFE同様、
溶融加工性を有しない。これら重合体は平均粒径100μ
m以下に粉砕した粉末として使用される。以上のPTFE粉
末のほかに本発明の方法においては、平均粒径0.1〜0.5
μmのPTFE粉末をコロイド状分散液として少割合に使用
することができ、その使用はフィラーの分離防止のうえ
で効果を発揮するから、とくにフィラーの配合割合が多
いばあいに有用である。前記コロイド状分散液中のPTFE
粉末の使用量は、前記TFEの単独重合体や変性されたTFE
の共重合体からなるPTFE粉末に対し0.1〜5重量%が好
ましい。またその添加時期は水不溶性有機液体を添加す
る前が適当である。
本発明に使用される疎水性フィラーとしては、カーボ
ンブラックなどの疎水性フィラーのほか、つぎに示すよ
うな親水性フィラーや半親水性フィラーを有機シラン処
理して疎水性を付与したフィラーがある。たとえば、粉
末状のガラス繊維、ガラスビーズ、溶融シリカ粉末、結
晶シリカ粉末、ホワイトカーボン粉末、アルミナ粉末、
青銅粉末、チタン酸カリウム繊維粉末、タルク粉末、炭
酸カルシウム粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末、三チ
ッ化ホウ素粉末、カーボン繊維粉末、二硫化モリブデン
粉末、グラファイト粉末などの一般にPTFE粉末のフィラ
ーとして使用されている通常粒径が200メッシュ以下の
粉末を使用することができる。フィラーのPTFE粉末に対
する充填量は5〜40重量%、好ましくは15〜25重量%で
ある。充填量が5重量%より少ないばあいは成形品の耐
摩耗性、耐クリープ性などの改善効果が少なく、また40
重量%を超えるばあいは成形品の拡張力、伸びなどの物
性が低下しすぎる。なお、ガラスの種類としては、Eガ
ラス(電気用無アルカリガラス)、Sガラス(高強度ガ
ラス)、Dガラス(低誘電ガラス)、石英ガラス、Aガ
ラス(耐酸用ガラス)、Cガラス(化学用含アルカリガ
ラス)などがあげられる。
フィラーの表面処理に用いる有機シラン化合物として
は、アミノ官能基を有する有機シラン化合物、シリコー
ン樹脂、または式(I): (式中、Xはアミノ官能基を有さない加水分解性基、Y
は炭素数1〜4個のアルキル基またはハロゲン原子、n
は1または2である)で表わされる有機シラン化合物が
あげられる。
アミノ官能基を有する有機シラン化合物としては、た
とえばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、m−ま
たはp−アミノフェニルトリエトキシシラン、γ−ウレ
イドプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどが、シ
リコーン樹脂としては、たとえばジメチルシロキサン、
フェニルメチルシロキサン、モノフェニルシロキサン、
プロピルフェニルシロキサンなどがあげられる。
式(I)で表わされる有機シラン化合物としては、た
とえばフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、p−クロロフェニルトリメトキシシラン、
p−ブロモメチルフェニルトリメトキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、
ジフェニルシランジオールなどがあげられるが、これら
のうち式(II): (式中、X1は炭素数1〜4個のアルコキシ基、nは前記
と同じである)で表わされるフェニルトリアルコキシシ
ランまたはジフェニルジアルコキシシランがケイ素原子
に直結したフェニル基が特に熱的に安定しておりかつ撥
水性を示す点から好ましく、特にフェニルトリメトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシランが好ましい。
有機シラン化合物の使用量は特に限定されるものでは
ないが、通常(半)親水性フィラーに対して0.001〜10
重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%である。
本発明におけるフィラーの有機シラン化合物による表
面処理用溶剤としてはケトン類、アルコール類、水など
の極性溶媒が好ましい。また表面処理法としては種々の
方法が採用できるが、たとえば親水性フィラーを有機シ
ラン化合物の水溶液に浸漬してひきあげたのち、望まし
くは遠心脱水処理し、ついで100℃以上好ましくは約110
〜180℃で乾燥し、同時に加熱する方法が好ましく採用
される。有機シラン水溶液の濃度としては約0.001〜10
重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%程度が適当である。
水不溶性の有機液体としては、25℃における表面張力
が35ダイン/cm以下のものである。かかる有機液体とし
ては、たとえばペンタン、ドデカンなどの脂環式炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素;テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロ
ロホルム、クロロベンゼン、1,1,1−トリクロロエタ
ン、テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフ
ルオロエタン、トリクロロフルオロメタンなどのハロゲ
ン化炭化水素などがあげられるが、特に1,1,1−トリク
ロロエタンが有用である。また、近年のフロン規制の要
請に合致し、かつ不燃性であるという点から、従来PTFE
粉末の造粒用溶媒として用いられなかったフッ素原子お
よび水素原子をそれぞれ少なくとも1個有する炭素数2
〜3個のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられる。か
かるハロゲン化炭化水素としては、たとえば2,2−ジク
ロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(表面張力:17ダイン
/cm、bp:27℃)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
(20ダイン/cm、32℃)1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペ
ンタフルオロプロパン(16ダイン/cm、51℃)、1,3−ジ
クロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(18ダイ
ン/cm、56℃)などがあげられ、特に溶媒の回収の点か
ら1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパ
ン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパ
ンが好ましい。
これらの有機液体は1種または2種以上組み合わせて
使用され、水と合わせて2相液体媒質を形成する。水と
の配合割合は有機液体の種類やフィラーの種類、所望の
平均粒径などによっても異なるが、通常、水/有機液体
(重量比)は20/1〜3/1、好ましくは10/1〜5/1である。
水および有機液体は通常、PTFE粉末とフィラーの合計量
1Kgあたりそれぞれ約2〜10および約0.2〜2.0用い
る。
本発明で添加するフッ素系アルコールはスラリー化溶
剤として使用するものである。フッ素系アルコールとし
ては、たとえば3フッ化エタノール(沸点:78℃)、1H
−4フッ化プロパノール(沸点:110℃)、5フッ化プロ
パノール(沸点:81℃)、8フッ化ペンタノール(沸点:
140℃)、12フッ化ヘプタノール(沸点:175℃)などが
あげられ、特に5フッ化プロパノールが好ましく使用さ
れる。使用量はPTFE粉末に対して5〜200重量%、好ま
しくは40〜70重量%であるが、PTFE粉末およびフィラ
ー、水の使用量に応じて増減してもよい。添加量が多く
なるとPTFE粉末が膨潤した状態となり良好なスラリーが
えられなくなり、また造粒工程において良好な造粒物も
えられなくなる傾向があり、少なすぎるとPTFE粉末が充
分に湿潤せず、良好なスラリーがえられないという傾向
がある。
本発明の製造方法の好ましい実施態様では、かくして
調製された各原料をつぎの手順で配合し混合して造粒粉
末を製造する。
まずフッ素系アルコールの共存下に前記疎水性フィラ
ーを水中で撹拌する。混合の順序は最初水にフッ素系ア
ルコールを加え、つぎにフィラーを加えてもよし、最初
水にフィラーを加えついでフッ素系アルコールを加えて
もよいが、この間撹拌する。この段階でフィラーはフッ
素系アルコールにより疎水化し水により湿潤させられに
くい状態となるので水面に浮いてくるか撹拌槽の底に沈
んでくる。このようにフィラーが疎水化されることが必
要であって、この段階で疎水化されないばあいは、以降
PTFE粉末や水不溶性有機液体または他の添加剤をどのよ
うに加えてもフィラーのPTFE粉末との均一混合は達せら
れないから、この疎水化の段階をまず確認することが必
要である。
このあとは撹拌しながら、PTFE粉末、水不溶性有機液
体をこの順序で加える。ただしPTFE粉末の添加までは撹
拌はむしろ剪断力を伴なう程度の高エネルギー下での撹
拌を行ない、同時に均一混合させることが必要である
が、水不溶性有機液体添加後はPTFE粉末とフィラーとの
集塊化造粒を完遂させるために撹拌を比較的ゆるやかに
することが好ましい。一般にこの段階で高速撹拌をする
ほど平均粒径は小さくなり、低速にするほど粒径は大き
くなる傾向がある。
撹拌処理の際の温度はとくに制限はないが、常温以上
が好ましい。また撹拌しながら温度を上げていくこと
は、各粉末粒子の内部構造を密にするうえで効果があ
り、同時に粉末の見掛密度と流動性を上昇させることが
できる。温度を徐々にあげながら水中に分散している有
機液体を蒸発させ、これを回収することもでき、この方
法によって集塊化が完了するときほとんど大部分の有機
液体の回収を終えることも可能である。
かくしてえられるPTFEのフィラー入り造粒粉末は、フ
ィラーが均一に混入している平均粒径約200〜800μm、
見掛密度約0.50〜1.00g/ccのものであり、粉末流動性に
優れた取り扱いやすいものである。この造粒粉末を用い
てえられた成形品には着色がなく、また引張り強さや伸
びという機械的性質にも優れたものである。
本明細書における各粉末物性の測定方法はつぎのとお
りである。
平均粒径:上から順に10,20,32,48および60メッシュ
標準篩を重ね、10メッシュ篩上に粉末をのせてふるい、
各篩上に残る粉末の重量を求め、この各重量に基づいて
対数確率紙上での50%粒径を平均粒径と定める。
見掛密度:JIS K−6891に準じる(内容積100mlのステ
ンレス製円筒容器にダンパーより落として平板で擦り落
とした試料の重量(g)を内容積(ml)で除した値を見
掛密度(g/ml)と定める)。
粉末流動度:特公昭60−21694号公報に詳細に記載さ
れた方法により測定し、評価する。この方法は上下に2
個のホッパーを設け、上部ホッパーから下部ホッパーに
粉末を落とし、ついでこの粉末を下部ホッパーから落と
すことによって粉末の流動性を調べる方法である。PTFE
は量が多くなるほど流動しにくくなるので、ホッパーか
ら落下しうる量が多いものほど流動性が良好ということ
になる。この測定法では0〜7(7を越えるときは8<
と表記)数字で表わし、大きくなるほど流動性がよいこ
とを示す。
成形品の着色:まず、500Kg/cm2の圧力下で予備成形
を行ない、380℃で24時間焼成したのち、炉外で放冷し
てえられた直径50mm、高さ40mmの円柱状成形品の中央付
近を輪切りにして、切断面の中心部の着色または変色状
態を目視にて判定する(○−着色および変色がない;△
−少し着色または変色がある;×−著しい着色および変
色がある)。
引張り強さおよび伸び:500Kg/cm2の圧力下で予備成形
を行ない、380℃で3時間焼成したのち、炉外で放冷し
てえられた厚さ1.5mmのシートよりJIS K 6031に規定さ
れたダンベル状3号型で打抜いた試料による破断時の強
度および伸びを測定した値を引張強さおよび伸びと定め
る。
つぎに本発明の製造方法を実施例および比較例をあげ
て詳細に説明する。
実施例1 使用した撹拌装置は撹拌槽と撹拌機とからなる。撹拌
槽は内径180mm、高さ200mmのステンレス製容器で、内壁
に邪魔板2枚を突設し温調用ジャケットを囲繞して有す
る。撹拌機は撹拌槽の中心に垂下させて使用するもので
あり、回転軸の下端に羽根を有し、羽根は第1〜2図に
示されるごとく2種を使用する。第1図の羽根は回転外
径56mmのほぼ円形状の4枚羽根をスクリュー式に配列し
たものであり、第2図の羽根は平板から各3辺の幅200m
mのコの字型をカットして軸下端にコの字が上向きにな
るようにつけたもので、回転外径は80mm、高さは50mmで
ある。
前記撹拌槽に水2を入れ、約40℃に調温し、第1表
に示す疎水性フィラー20gを加えて第1図の羽根を設け
た撹拌機により回転速度3000rpmで5分間撹拌したのち
フッ素系アルコールを添加してさらに5分間撹拌し、PT
FE粉末(平均粒径35μm)80gを入れ、撹拌する。これ
に水不溶性有機液体を加え5分間撹拌したのち撹拌機の
羽根を第2図に示すものに変えて回転速度300rpmで40分
間撹拌した。水温は撹拌開始後羽根交換時まで徐々に昇
温し、その後昇温の速度をあげ最終温度が80〜83℃とな
るようにする。
撹拌終了後、混合物を60メッシュ金網で過し、過
された固形物をそのまま185℃の乾燥炉中で16時間乾燥
し、最終製品をうる。
一方、液を過して濾紙ごと乾燥し、液中に遊離
したフィラーの量を求め、その量を使用したフィラーの
全重量で除した値をフィラー分離度(%)とする。
以上の手順にしたがって、フィラーとしては後述の方
法で有機シラン処理をしたガラス繊維粉末(平均繊維長
40μm)を、フッ素系アルコールとしては5フッ化プロ
パノール40mlを、水不溶性有機液体としてはCFC−112 6
0mlをそれぞれ用いて実施した。
なお前記ガラス繊維粉末の有機シラン化合物による処
理はつぎのようにして行なった。すなわちγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランの0.01%水溶液にガラス繊維
粉末を浸漬し、充分撹拌してから静置し、ガラス繊維粉
末が沈降してからこれを別し、160℃の加熱炉中で乾
燥した。
実施例2〜7 フッ素系アルコールの種類と量を第1表に示すとおり
に変えるとともにフィラーの種類、そのフィラーを有機
シラン処理する有機シラン化合物の種類、水不溶性有機
液体の量を変えたほかは実施例1と同様にして実施し
た。
比較例1〜3 比較例1はフッ素系アルコールを添加しなかったほか
は実施例1と同様にして実施したばあい、比較例2はフ
ッ素系アルコールに代えて陰イオン系界面活性剤(10%
オクタン酸アンモニウム塩水溶液)を用いたほかは実施
例1と同様にして実施したばあい、比較例3はガラス繊
維粉末を有機シラン処理しなかったほかは実施例1と同
様にして実施したばあいである。
以上、実施例1〜7および比較例1〜3でえられた造
粒粉末の物性、ならびにその造粒粉末を用いてえられた
成形品の物性を測定した。その結果を第1表に示す。
第1表から、実施例1〜7のフィラー分離度は比較例
1〜3のそれぞれに比してきわめて低いうえに、各実施
例のばあいはえられた乾燥後のフィラー入り粉末はフィ
ラーが均一に混合された緻密で着色の少ない成形体を与
える集塊化造粒粉末であるのに対し、比較例1、3のば
あいえられた粉末はおおむねフィラーが多割合に遊離し
て含まれており、比較例2のばあい成形体が着色するこ
とがわかる。
[発明の効果] 本発明の製造方法によりえられるPTFE造粒粉末は、粉
末流動性に優れているため、成形工程における取扱い性
が極めて優れているものである。また、陰イオン系界面
活性剤に代えてフッ素系アルコールを使用しているた
め、このフッ素系アルコールが成形品に残留することは
なく、その結果、成形品を着色させたり、品質に悪影響
を与えたりすることもない。さらに、添加するフッ素系
アルコールを、本発明の製造工程において容易に回収す
ることもできるという効果も奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1〜2図はそれぞれ実施例で用いた撹拌機の羽根の概
略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出森 健二郎 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキ ン工業株式会社淀川製作所内 (56)参考文献 特公 昭44−22620(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/00 - 3/28 B29B 9/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリテトラフルオロエチレン粉末と疎水性
    フィラーをフッ素系アルコールの存在下に水中で撹拌し
    ながら水不溶性有機液体を加え集塊化造粒することを特
    徴とするフィラー入りポリテトラフルオロエチレン造粒
    粉末の製造方法。
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