JP3035238B2 - 再帰反射シート用カプセル型構造体 - Google Patents

再帰反射シート用カプセル型構造体

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JP3035238B2
JP3035238B2 JP9039752A JP3975297A JP3035238B2 JP 3035238 B2 JP3035238 B2 JP 3035238B2 JP 9039752 A JP9039752 A JP 9039752A JP 3975297 A JP3975297 A JP 3975297A JP 3035238 B2 JP3035238 B2 JP 3035238B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】本発明は、再帰反射シート用カプ
セル型構造体に関する。本発明は、表面にカプセル状に
密封区画された独立小空隙室が隣接して設けられている
再帰反射シート(以下、単に反射シートということがあ
る)用カプセル構造体の改良に関する。 【従来の技術】発明の背景について述べると次のとおり
である。シート表面への入射光を入射方向に再帰反射さ
せる反射シートは、道路標識や自動車のナンバープレー
ト等に広く用いられている。古くから用いられてきた図
1に示す構造の反射シートでは、透明な保護フィルム1
に密接したガラスビーズ2への入射光a,bが、ガラス
ビーズとその下面に一定の厚さで塗布された透明反射膜
層3を通して、その下の支持層5で支持された金属蒸着
面4に当たり再帰反射するようになっている。この透明
反射膜層3はガラスビーズに対して同心円弧状に均一の
厚みで塗布されているのが理想である。たとえば、上記
aの入射角0゜の入射光が金属蒸着面において焦点を結
ぶ膜厚であるのに対して、入射角30゜のbの入射光方
向の反射膜層の厚みが大であると、bの入射光は透明反
射膜層3の内部で焦点を結び、金属蒸着面で拡散反射し
て再帰反射の角度特性を低下させるからである。しか
し、反射膜層3は10〜20μ程度の薄層であり、通常
は溶液塗布によって形成されるので、塗料の表面は表面
張力によって平坦になろうとし、金属蒸着膜4に接触す
る面をガラスビーズ球面と同心円弧状にすることは至難
である。現在のJIS規格Z−9117及び米国連邦規
格LS−300Cは上記のような反射シートを対象にし
ているので、入射角0゜のときとくらべて、同30゜の
場合は50%内外の減衰率を許容している。この汎用の
反射シートの欠点を解消するため相当以前からカプセル
型と呼ばれる反射シートが提案されている。カプセル型
反射シートの構造は、図2,3に示すとおり、透明な保
護フィルム1、該保護フィルム1から隙間を空けて一層
に並ぶように配置され、その下部のほぼ半球面上に直接
金属蒸着膜4が設けられたガラスビーズ2、その下方に
あって上面にガラスビーズ2が埋設されている支持フィ
ルム5、及び、該支持フィルム5と保護フィルム1とを
上下に連結して小面積の独立した密封小区画空室7,7
に分断区画する平面網目状に連続する連結壁6からなっ
ている。このような構造にすると、図1に示した透明反
射膜層3を設ける要がないので、その厚みの均一性に腐
心する要がなく、したがって反射シートの角度特性は格
段に向上する。カプセル型反射シートの典型例は、たと
えば特公昭40−7870号公報(米国特許第3190
178号明細書)に示されている。特公昭40−787
0号公報が開示する製造方法と反射シートの構造を図
2,3によって略述すると、まず、図示しない仮支持体
層にガラスビーズ2のほぼ半球部分を一旦埋込み、該ビ
ーズの露呈している上部半球部分の表面とビーズ相互の
間隙にわたって一面に金属膜4,4′を蒸着してから、
これに密着して熱可塑性ポリマからなる支持フィルム5
を塗布形成し、その表面を耐熱性フィルム8で被覆して
反対側の上記仮支持体層を剥離し、露呈したガラスビー
ズ2の金属膜のない側の半球部の上に二軸延伸透明保護
フィルム1を重ね、所望の独立小区画空室7,7を作る
図3に例示したような凸形網目パターンを有する金型に
よって、耐熱性フィルム8の側から加熱プレスし、支持
フィルム5を熱溶融して透明保護フィルム1と部分的に
密着させ、上記パターンどおりの連結壁6を形成して独
立小区画空室7を作っている。このように保護フィルム
1と支持フィルム5の連結壁6による網目状結合のため
に、両者と別体の結合材料を用いることなく支持フィル
ム5自体を利用する構造は便利であるが、この場合の支
持フィルム材料は、この種反射シートとしての使用に耐
える支持層としての十分な強度及び屈撓性をもつととも
に、接着材料としての必要な性能、すなわち材料自体の
十分な凝集力及び保護フィルム1に対する十分な接着力
を有しなければならない。このような反射シートに実用
化することのできる適当な材料の選択には、一般の接着
剤に関する知見を顧慮しただけでは足りず、多くの試験
研究を要するのであって、たとえば上記公知例は、支持
フィルム5の材料として熱可塑性ポリメチルメタアクリ
レート、保護フィルム1として二軸延伸ポリメチルメタ
アクリレートフィルムを選択し組合わせている。しか
し、この公知例には二、三の欠点がある。その一つは種
々の外因により結合部が破壊しやすいことである。すな
わち、特開昭52−110592号公報(米国特許第4
025159号明細書)には、前記公知例の反射シート
は、支持フィルムとして熱可塑性ポリマを用いるため耐
久性において劣るものがあると指摘している。もっと
も、特公昭40−7870号公報中には、ホットメルト
型の熱硬化性ポリマを支持フィルム材料として用い得る
旨の抽象的説明があるが、その具体的な選択例は記載さ
れていない。また、特公昭40−7870号公報に示さ
れた反射シートは、同公報の図2に示されているとお
り、金属蒸着膜4,4′がガラスビーズ2の支持フィル
ム5側の下部半球表面及びビーズ相互の間隙を通じて隙
間なく一層になって被覆している。すなわち金属蒸着膜
は一体の連続面を形成している。このような構造のまま
であると、反射シートの表面の上記ビーズ間の間隙にあ
る金属蒸着膜4′の面積が相当大きいため、反射シート
は暗く黒ずんで見える。そこで、金属蒸着膜4′の上面
にまで光が到達するのを防ぐため、図2に示すようにル
チル型白色顔料(TiO)等の顔料を含んだビーズ結
合塗料の被覆層9を設けなければならない。この塗料の
若干量は金属蒸着膜4が施されている側のガラスビーズ
半球部分の表面と該金属蒸着膜4との間にも介在するこ
とになるから、入射光がガラスビーズを通して金属蒸着
反射膜に到達するのを妨げる傾向を生じやすい。これ
は、再帰反射シートの光の再帰反射率を減殺する傾向を
もたらす。さて、前記特公昭40−7870号公報中に
開示された反射シートの前述した欠点の一つ、すなわち
熱可塑性ポリマの支持フィルムの一部を保護フィルムと
の連結壁にしていることによる耐久性不良の欠点解消を
目的とした公知例としては特開昭52−110592号
公報がある。この公報中には、特公昭40−7870号
公報がふれているような一般的記載ではなくて、支持フ
ィルムの材料として特に選択された配合、すなわち、主
材として上記特公昭40−7870号公報中に開示され
ているのと同様の、一般的なアクリル系熱可塑性ポリマ
ーの混合物中に、特に紫外線、電子線及び熱線等の各種
放射線照射によって重合硬化する単量体、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、2−シアノエチルアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等を混
合した特別の配合を採用し、これによって支持フィルム
の、保護フィルムに対する接着力を著しく向上させ得る
ことが教示されている。上記材料の特別選択によって、
支持フィルムの保護フィルムに対する接着性が向上する
ならば好都合であるが、この反射シートにも二、三の問
題がある。すなわち、上記公知の反射シートの支持フィ
ルムと保護フィルムとを連絡する連結壁部分は、たとえ
支持フィルムと保護フィルムとの界面の接着力が十分大
きいとはいえ、この点は熱可塑性の支持フィルムを用い
た場合と大同小異のものであり、連結壁内部における強
度が必ずしも十分ではないのである。すなわち、図2に
示すとおり、この反射シートに剥離力を加えると、シー
トの破断は支持フィルム材料と保護フィルムとの界面A
で生ずるのではなく、却って、連結壁6のB−B′はC
−C′において生ずる。これは、支持フィルム5の材料
の一部で形成された連結壁6中に、金属蒸着膜や相当数
のガラスビーズが混在していることを考えると当然であ
る。また、支持フィルム材料中に感光性等の単量体が加
わっていることは、外光による劣化に伴う破壊ないし剥
離強度の減少をもたらしやすくしているといえよう。ま
た、上記各公知例は保護フィルムとして二軸延伸フィル
ムを用いている。これは保護フィルムの強度及び耐透湿
性・透明性等を向上させるため一見賢明な選択のように
思われる。しかしながら、実際はそうでないことが本発
明者によって確認されている。すなわち、上記公知例の
反射シートは加熱によって著しい収縮を示すのである。
これを具体的にいうと、特公昭40−7870号公報及
び特開昭52−110592号公報が開示している支持
フィルム材料すなわち結合材料を用いても、たとえば9
3℃の雰囲気に3時間おいた後21時間水に浸潰するこ
とを2,3回くりかえせば反射シートは著しく収縮して
しまう。また、145℃の高温下では、わずか1,2分
程度の経過により保護フィルム1がまくれ上り剥離して
しまって完全に破壊してしまうのである。さらに、金属
蒸着膜がガラスビーズ相互間の間隙部の支持フィルム上
にも存することによって生ずる問題点は、特開昭52−
110592号公報中に示されている反射シートでも解
消されていない。なぜなら、この公報に示された発明
は、前述した公知例のバインダすなわち支持フィルム5
を熱可塑性ポリマーからホットメルト型の熱硬化型ポリ
マに変えただけで、構造的構成には変りがないからであ
る。のみならず、上記公知の熱硬化性支持フィルム材料
を用いた反射シートを作るには、支持フィルムの部分的
加熱溶融成形後の製造ライン上に紫外線照射装置又は熱
線照射装置等の特別の装置を付設し連結壁の加熱成形後
に一定時間の照射作業を行わなければならない。たとえ
ば、特開昭52−110592号公報の実施例1〜3,
5〜10,12〜14では電子線照射装置を用いて19
0KV電子線1.5Mradを照射し、実施例4では、
支持フィルム硬化のため紫外線照射装置を50m/分の
速度で2回通過させている。また実施例11では、加熱
装置を用い65℃で16時間加熱して支持フィルムの熱
硬化を行っているが、前記公報中においても、この長時
間にわたる熱硬化は好ましくないと述べられている。こ
のように、硬化のための特別の装置による作業工程を必
要とするのは製造上の一つの大きな不利益である。 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した公知技術の諸問題点を解消し、苛酷な温湿度下にお
いても優れて破壊しにくい支持フィルムと保護フィルム
の結合構造をもつ新規な再帰反射シート用カプセル型構
造体を提供するにある。 【課題を解決するための手段】本発明は、保護フィルム
と、支持フィルムとが、支持フィルムの溶融成形によっ
て作られた連結壁によって部分的に連結されていて、こ
の連結壁6によって囲まれた内部は密封された独立のカ
プセル状小区画空室を形成している再帰反射シート用カ
プセル型構造体であって、該支持フィルムは、上層側の
層と、下層側の層との少くとも2層の積層構造を有し、
上層側の層と下層側の層とはそれぞれ異なる組成及び物
性を有し、上層側の層は、上記の溶融成形によって連結
壁が形成される際に保護フィルムとの接着性が良好な組
成を有し、下層側の層は、上層側の層との接着性が良好
で、かつ破断力に対してより大なる抵抗性を示す組成を
有することを特徴とする再帰反射シート用カプセル型構
造体に関する。また、本発明は、好ましくは、支持フィ
ルムの上層側の層を形成する重合体組成物は、その下層
側の層を形成する重合体組成物よりも、イソシアネート
の如き架橋性成分と反応する活性基含量が少量である上
記の再帰反射シート用カプセル型構造体に関する。本発
明の再帰反射シート用カプセル構造体は、特開昭52−
110592号公報の開示する技術にみられるような特
別の照射装置を必要とすることなく、特公昭40−78
70号公報の開示する簡単な製造方法によって製造する
ことができる。出荷のため剥離紙を貼付する前の完成品
の一例の構造は、図4に示すとおりである。すなわち、
保護フィルム1と支持フィルム5が、当該支持フィルム
5の加熱成形によって作られた連結壁6で部分的に連結
しており、壁6に囲まれた内部は密封された独立の小区
画空室7を形成している。その内部表面には、例えば支
持フィルム5の上層側5Aに半ば埋設されたガラスビー
ズ2の半球面が空室7内に露出し、ビーズ2の金属蒸着
膜に覆われたほぼ半球面は反射面とすることができる。
これらの点は従来のカプセル型反射シートと同じであ
る。本発明における支持フィルムは保護フィルムへの接
着性が良好でなければならない。この接着力は支持フィ
ルムの主要成分の組成だけから一方的に決まるのではな
く、保護フィルムの組成如何との対応関係によって定ま
る。最も良好な組合わせの一つは、アクリル共重合体を
主成分とする保護フィルムと、主要成分がアクリル系の
ポリマである支持フィルムの組合わせである。しかし、
本発明は上記の組合わせに限定されるものではなく、要
するに適宜のポリマからなる保護フィルムと、架橋した
ポリマからなる支持フィルムとの組合わせであればよ
い。したがって、たとえば保護フィルムの主成分をポリ
カーボネート又は塩化ビニルとし、支持フィルムの主成
分を飽和ポリエステル又は線状ポリウレタンとするなど
のことも許される。支持フィルムは常温固体で熱可塑性
であり、加熱によって連結壁の成形が可能な流動状態と
なるが、成形後に、好ましくは常温で架橋されて硬化す
る性質の材料を硬化してなるものであることが望まし
い。とくに、本発明では架橋反応性のポリイソシアネー
トを含有させ、これと結合して架橋を可能とするOH基
等の活性基を有する熱可塑性の共重合体を支持フィルム
の主成分とするのが好適である。常温硬化型のホットメ
ルト接着材料を用いることによって硬化のための長時間
の加熱手段、電子線照射手段等の一切を省略し得るなら
ば本発明の再帰反射シート用カプセル型構造体の製造法
として極めて有利である。本発明においては、上記支持
フィルムと保護フィルムを連結する細線状の連結壁の内
部強度を十分なものとし、内部の凝集破壊による破断を
防ぐため、支持フィルムを相互に物性の異なる少なくと
も上層側と下層側を含む組合わせ構造とするのである。
この場合支持フィルムの上層側の組成は、保護フィルム
との接着性が良好であるとともに、下層側との親和性も
良好で両者一体化し得るものであるのが有利である。し
たがって、両層の基本成分としてのポリマは同種のもの
であることが望ましい。たとえば、同一の三ないし四成
分系ポリマのアクリル系共重合体とするなどである。支
持フィルムは保護フィルムとの密着性をよくし、図2の
B−B′の強度を上げるために、溶融成形時に溶融粘度
を低下させ保護フィルムとガラスビーズとを十分に濡ら
す必要がある。しかし、そのように溶融粘度を低下させ
ると、支持フィルムは伸びて図2のC−C′部が薄くな
り、この部分から破壊しやすいという矛盾が生ずる。こ
れが公知の技術の欠点である。本発明者は、上記の点を
考慮し、支持フィルム層を少くとも性質の異なる上層側
と下層側とを含む一体層とすることによってさらに改良
の実効があがることを見出した。すなわち、本発明にお
いては支持フィルムの上層側5Aを加熱成形時に溶融粘
度が低い組成のものとし、下層側5Bを殆んど溶融しな
い組成のものとし、これらの互いに異なる性質のものを
一体的に組合わせて支持フィルムとするのである。支持
フィルムの上層側5Aと下層側5Bとして、互いに硬化
速度の異なる樹脂材料を利用することにより上述の効果
を得られるが、そのほかに、支持フィルムに常温で硬化
するイソシアネート等を用いることによって、外部エネ
ルギーによる内部応力が支持フィルム中に残らないよう
にし得ること、及び支持フィルムが硬化により一層強度
を大きくすることができることも本発明の構造体の大き
なメリットである。このような構造の支持フィルムは、
その上層側と下層側が完全に同一の配合組成でない方が
よい。すなわち、上層側は保護フィルムへの接着性のよ
い材料配合とし、下層側は上記接着性の良否を問わない
が上層側との接着性が良好で、破断力に対する大きな抵
抗を示す材料とするのがよい。そのためには、基本成分
としての熱可塑性共重合体中のイソシアネート等と反応
する活性基を支持フィルムの上層側では少なくし、下層
側では多くして、上層側の硬化の進行ないし程度を減ず
るようにすればよい。硬化の進行速度を調節するには、
支持フィルム中の上層側材料である共重合体を構成する
ための各単量体成分、たとえばメチルメタアクリレー
ト、エチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート
等の混合物中に加えるOH基を有する2−ヒドロキシエ
チルメタアクリレート等の単量体の量を加減し、これを
下層側の材料では上層側の材料より増量するのが好まし
い。また、他の方法としては、下層側の材料にポリイソ
シアネートの反応を進める触媒を用いてもよく、さら
に、反応の速いポリイソシアネートを使用してもよい。
本発明の再帰反射シート用カプセル構造体及びガラスビ
ーズを用いて再帰反射シートを製造する場合、支持フィ
ルムを上述のとおり構成するための方法としては、まず
支持フィルム中の上層側となるべき材料フィルムを例え
ば金属蒸着されたガラスビーズのほぼ半球部分の表面に
押し当てて、ビーズの該半球部分を完全に埋設させてか
ら下層フィルムを積層してもよい。また、上層フィルム
と下層フィルムとを予め積層しておいて、これをガラス
ビーズに押し当てることが許される。上記の製造法にお
いては、支持フィルムの上層側はガラスビーズの金属蒸
着膜が施されたほぼ半球部分を完全に埋設するに十分な
厚さであり、同下層側は上層側より十分薄いものとする
ことが重要である。また、いずれの場合も、支持フィル
ムは、これと強く接着しない基体ポリマフィルム上に、
適宜剥離剤層を介し又は介さずに塗布して形成したもの
を用いるのが便利である。以上述べた支持フィルムの上
層側と下層側とは、完全に区分できる積層構造になって
いるとは限らず、ポリマ成分のみに着目すれば、界面が
明確に区別しがたい状態になり得ることは容易に理解さ
れよう。保護フィルムは、前述のとおりポリメチルメタ
アクリレートやポリカーボネートのホモポリマーでない
ほうがよい。それらのフィルムは、これまで信じられて
いたところと異なり、本発明にかかる構造の反射シート
の保護フィルム材料として適当ではないのである。ま
た、従来信じられていたところと異なり、これらの材料
からなるフィルムが二軸延伸配向されていることも、上
記反射シートの保護フィルムとして好ましくない。二軸
延伸して配向させたホモポリマーのフィルムは、比較的
高温にさらされた場合に、支持フィルムの一部で構成さ
れている連結壁との剥離ないし連結壁内での凝集破壊を
生じやすい。以上のとおりであるから、本発明に用いる
保護フィルムとしては、従来実用されてきた二軸延伸に
より配向したポリメチルメタアクリレートフィルムも使
用可能であるが、出来ればアクリル共重合体、又はこれ
に、たとえば合成ゴム質、セルロースアセテートブチレ
ート及び/又はスチレン等の共重合体などを混合したも
のであって、ポリメチルメタアクリレートのホモポリマ
ーにくらべて強靭で伸張性にまさるものであることが望
まれる。なお、支持フィルムは保護フィルムに対する熱
接着性が良いだけでは足りず、とくに支持フィルムと保
護フィルムとの間に密封小区画空室を作るため両フィル
ムを連結する線状連結壁部分において内部破壊を生じな
いよう配慮する必要がある。光感応性の単量体を含まな
い支持フィルム材料を用いることにより、単量体を含む
ものにくらべて光による劣化を来たすことが少なく、さ
らに温度変化及び吸湿に伴う強度低下の少ない再帰反射
シート用カプセル構造体を造ることができる。ガラスビ
ーズを用いたカプセル型再帰反射シートを製造する場
合、ガラスビーズの半球部分表面と、ビーズ間の間隙に
露呈している支持フィルムの表面を、隙間なく金属蒸着
膜で被覆している反射シートにおいて、支持フィルムの
加熱成形により保護フィルムとの間を連ねる細線状の連
結壁を設けるときは、この細線状の連結壁内に相当数の
金属蒸着されたガラスビーズのほか支持フィルム表面か
ら遊離した金属膜が混在することになる。このような異
物が連結壁中に存すると、反射シートに加わる温度変化
と吸湿に伴う内部歪みが細線状壁の内部の弱化をもたら
しやすい。本発明方法による反射シートの特徴は、隣接
するガラスビーズ相互の間隙における支持フィルム表面
には金属蒸着膜が存在せず、かつ支持フィルムと保護フ
ィルムとを融着させるように、該支持フィルムの成形に
より形成された連結壁中には、遊離の金属膜が存在して
いないことにあるから、上記の問題も解消している。ガ
ラスビーズ間隙間の支持フィルム5の表面に金属蒸着膜
を残さないようにするには、前述した公知技術における
方法で、最初ビーズを仮支持体に支持させて金属蒸着工
程を経た後に、仮支持体及び蒸着膜に対する接着力が比
較的良好で支持フィルムに対する接着力が比較的弱いポ
リマを薄層に被着させてから支持フィルムを被着させ、
次いで仮支持体及びこれに被着した上記ポリマ層を一体
的に剥離するなどの方法を用いることができる。要する
に仮支持体及びその上の金属蒸着膜と支持フィルムとを
直接に接触させない方法を用いればよい。 【実施例】本発明の一層の理解に資するため、本発明の
カプセル型構造体を光反射素子としてガラスビーズを用
いる再帰反射シートの製造に適用する場合の実施例を示
すと以下のとおりである。 実施例1 実施例1は、支持フィルム5の上層側5Aを線状ポリウ
レタン組成物、下層側5Bをアクリル系組成物として、
両層をポリイソシアネートで架橋硬化したものを用いる
とともに、保護フィルムとして未延伸塩化ビニルを主成
分とするもの(三菱樹脂社製「ヒシレックス」)を用い
た例である。保護フィルム1の厚さは約80μ、ガラス
ビーズ2は屈折率1.92で直径50〜60μのものを
140g/m撒布してある。ガラスビーズの半球部分
表面の金属蒸着膜4は金属アルミニウムを真空蒸着して
形成してあり、支持フィルム5の表面には蒸着膜がな
い。支持フィルム5の上層側5A及び下層側5Bの各組
成は、後記したとおりであって、上層側の厚み約80
μ、下層側の厚み約30μである。この反射シートを作
る方法は、前述した公知の反射シートの製造方法と概ね
同一であるから重複を避けて説明を省くが、次の点を補
足しておく。仮支持体上にその一部が埋設されるように
撒布され、金属蒸着膜でその上部半球部分が被覆された
ガラスビーズ上に、下記のようにして作成した支持フィ
ルムを、仮支持体上の金属蒸着膜と支持フィルムとを直
接に接触させないようにして押し当てて、該ガラスビー
ズの金属蒸着膜が施された部分を該支持フィルム中に埋
設させてから、該仮支持体及び該仮支持体上に残留する
金属蒸着膜を一体に剥離する。上記支持フィルム(図4
の5参照)としては、耐熱フィルム8の上に適宜剥離剤
層を設けたものの上に、メチルメタアクリレート21
%、エチルアクリレート65%及び2−ヒドロキシエチ
ルメタアクリレート14%のアクリルモノマーを、トル
エン及びメチルイソブチルケトンの混合溶剤中で重合し
て、40%固型物溶液となるように調整したアクリル組
成物100重量部に対して、ポリイソシアネート(バイ
エル社製「ディスモデュール(Desmodur)N−
75」)14重量部からなる支持フィルム5の下層側5
Bとなる材料が塗布され、70℃2分間に続く90℃2
分間の乾燥工程の後、その上に、35%固型物溶液とな
るように、酢酸エチル溶剤で調整した線状ポリウレタン
組成物(日本ポリウレタン社製「N−3022」)10
0重量部、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製
「コロネートEH」)1.5重量部、及び、ルチル型二
酸化チタン20重量部からなる、支持フィルム5の上層
側5Aとなる材料が塗布されて、60℃3分間に続く9
0℃3分間の乾燥工程を経たものを用いることができ
る。耐熱性フィルム8は約15μの飽和ポリエステルフ
ィルムである。連結壁6は公知の方法により170℃で
プレス成形して形成される。その線状に連続した連結壁
による表面模様は図5に示すとおりである。以上好適な
例を示したが、本発明は上記実施例に限定されるもので
はない。支持フィルム5は硬化型のポリマ材料からなる
が、相互に硬化度、したがって強度、伸張度、保護フィ
ルムへの接着性が異なり、互いに親和しやすい性質の少
なくとも上層側と下層側とを含む一体のものであって、
とくに上層側は上記接着性及びビーズを支持するクッシ
ョン性に優り、下層側は連結壁の破壊に耐える強度のも
のであるのがよい。上記本発明方法による反射シートの
構造によれば、保護フィルムは未延伸フィルムに限られ
るものではなく、二軸延伸フィルムであってもよい。延
伸フィルムを用いるときは、連結壁の強度を増大させる
必要から、支持フィルムの下層側を未延伸保護フィルム
を用いるときより一層強度の大きいものとするのがよ
い。支持フィルムの材料も別に常温硬化型のポリマ材料
であることを要しない。上層側と下層側の物性は互いに
異なるものとするのがよい。上下層間に別の薄層が介在
してもよい。さて、これまで述べてきたところの主要点
を要約すると、支持フィルムの一部を連結壁として保護
フィルムに接着させた従来のカプセル型反射シートは、
高温湿度下での連結壁部分の破壊ないし剥離に対する耐
力に劣る。その向上策として一応考えられるのは、連結
壁部分の強化と、外因によりシート自体の構造に由来し
て破壊的に作用する力の減少とであるが、前者は保護フ
ィルムと連結壁との間の界面接着力の強化と連結壁自体
の凝集力の強化とに分けられる。従来は保護フィルムの
強度は十分であり、連結壁の凝集力にも問題がないと考
えて上記界面接着力の強化に意が注がれていた。しか
し、上記の考え方は必ずしも当っていなかった。界面接
着力の強化よりも連結壁自体の強化こそが必要である。
シートの破壊は多くは連結壁の凝集破壊で生ずることが
確認されたのである。なお、二軸延伸して強化した保護
フィルムはシートを破壊しやすくしており、これを使用
してもよいが従来の支持フィルム構造との関係では最適
でないことも確認された。したがって、解決手段は連結
壁自体の強化であり、好ましくは実質的に延伸されてい
ない保護フィルムを用いることである。連結壁は支持フ
ィルムの一部からなるので、支持フィルムに要求される
クッション性と、連結壁に要求される強度の両者を備え
る必要があるが、これを一組成一層のフィルムで達成す
ることは必ずしも容易ではないので、この支持フィルム
の構造を上層側と下層側とで組成及び物性を異にし、前
者は保護フィルムとの接着性の良い配合とし、後者は強
度維持に適する配合とすることによって飛躍的な改善が
可能となる。支持フィルムの強化には硬化型の樹脂材料
を採用するが、保護フィルムやガラスビーズとの接着性
の向上、及び作業工程の簡略化を図るため常温硬化のイ
ソシアネート系成分を用いるのが有利である。上記実施
例の利点は上述したところから明らかである。 【発明の効果】本発明の再帰反射シート用カプセル構造
体は、支持フィルムを少なくとも上層側と下層側の組成
及び物性の異なる部分からなる構造とすることによっ
て、人為的な力又は経時変化による劣化に由来する連結
壁部分の界面破壊ないし凝集破壊に対して一体となって
強い抵抗を示し、加熱による収縮変形を顕著に改善防止
することができる。本発明による反射シート用カプセル
構造体は、保護フィルムと支持フィルムとの結合が良好
であって、酷暑地などの高温下においても、両フィルム
の分離に対して強い抵抗を示す。たとえば、145℃の
温度下に1〜2分間放置した場合、従来の反射シートで
は保護フィルムが収縮剥離して殆んど原形をとどめない
までに変化するが、本発明のカプセル構造体では殆んど
変化が認められない。
【図面の簡単な説明】 【図1】在来型の通常の反射シートの縦断面概略図であ
る。 【図2】公知のカプセル型反射シートの縦断面概略図で
ある。 【図3】図2の反射シートの表面概略図である。 【図4】本発明の再帰反射シート用カプセル型構造体
を、反射素子としてガラスビーズを用いた再帰反射シー
トの構造に適用した態様の一部拡大図である。 【図5】上記図4の態様の反射シートの連結壁による表
面模様の一例を示す図である。 【符号の説明】 1 透明な保護フィルム 2 ガラスビーズ 3 透明反射膜層 4 金属蒸着膜 4′ フィルム上の金属蒸着膜 5 支持フィルム 5A 支持フィルム上層側 5B 支持フィルム下層側 6 細線状連結壁 7 密封された小区画空室 8 耐熱性フィルム

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.保護フィルムと、支持フィルムとが、支持フィルム
    の溶融成形によって作られた連結壁によって部分的に連
    結されていて、この連結壁6によって囲まれた内部は密
    封された独立のカプセル状小区画空室を形成している再
    帰反射シート用カプセル型構造体であって、該支持フィ
    ルムは、上層側の層と、下層側の層との少くとも2層の
    積層構造を有し、上層側の層と下層側の層とはそれぞれ
    異なる組成及び物性を有し、上層側の層は、上記の溶融
    成形によって連結壁が形成される際に保護フィルムとの
    接着性が良好な組成を有し、下層側の層は、上層側の層
    との接着性が良好で、かつ破断力に対してより大なる抵
    抗性を示す組成を有することを特徴とする再帰反射シー
    ト用カプセル型構造体。 2.支持フィルムの上層側の層を形成する重合体組成物
    は、その下層側の層を形成する重合体組成物よりも、イ
    ソシアネートの如き架橋性成分と反応する活性基含量が
    少量である特許請求の範囲第1項記載の再帰反射シート
    用カプセル型構造体。
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