JP3034969U - フライス盤におけるワーク位置決め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フライス加工におけるワークの被加工面に対
する突き当て式の位置決めを可能とし、かつ芯出し作業
の繰り返しを省略する。 【構成】 テーブル上に本装置をセットするためのセッ
ト手段１１を具備した本体１０と、本体１０からワーク
方向へのびた位置決め部材１２とからなり、その位置決
め部材１２に折り畳み式の先端部材１３を設けた構成を
有する。ワークＷの位置決め後、先端部材１３を折り畳
み、位置決め部材１２とワークＷとの間にフライス刃物
Ｔの進入が可能な空間Ｓを形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ワークの送り方向前方のテーブル上に配置され、送られて来るワー クと突き当たってそれを定位置に停止させ、突き当たった部分またはその近傍の 部分に対してフライス加工するためのワーク位置決め装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

フライス盤において、被加工物つまりワークの端面加工を行う際、ワークの被 加工面と芯出し面とが同一の場合、突き当て式の位置決め装置を使用することは 出来ないという問題がある。ワークをフライス加工する際に、それに当たってい る位置決め装置の一部も一緒に削られてしまうからである。そのため、ワークを １個セットするごとに、芯出し作業を繰り返さなければならない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記の点に着目してなされたもので、その課題はワークの被加工面と 芯出し面とがほぼ一致するような場合でも、ワークの被加工面に対する突き当て 式の位置決めと芯出し作業の繰り返しの省略を可能とすることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため本考案は、テーブル上に本装置をセットするためのセ ット手段１１を具備した本体１０と、本体１０からワーク方向へのびた位置決め 部材１２とからなり、その位置決め部材１２に折り畳み式の先端部材１３を設け 、ワークの位置決め後、先端部材１３を折り畳み、位置決め部材１２とワークと の間にフライス刃物を進入させる空間Ｓを形成可能にするという手段を講じたも のである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案のフライス盤におけるワーク位置決め装置は、ワークＷ即ち被加工物の 送り方向前方のテーブル上に配置され、送られて来るワークＷに突き当たってそ れを定位置に停止させ、その突き当たった部分またはその近傍の部分をフライス 加工するためのものである（図４参照）。

【０００６】 この位置決め装置は、テーブル上に本装置をセットするためのセット手段１１ を具備している本体１０と、本体１０からワークＷの被加工面方向へのびた位置 決め部材１２とからなる。本体１０は、フライス盤のテーブル上に取り付けられ ており、例示のものは柱体１０ａとそれと一体の基盤１０ｂによって構成されて いる。

【０００７】 セット手段１１は基盤１０ｂをテーブルにセットするものとして例示されてお り、セット用の止めねじとそれを通す長孔とから成り立っている。位置決め部材 １２を本体１０に保持させるために、例示のものは保持体１４を用いている。例 示の保持体１４は、柱体１０ａを摺動可能に通す縦孔１５ａと位置決め部材１２ を摺動可能に通す横孔１５ｂとを交叉しないように形成した構造を有する。さら に端面から各孔１５ａ、１５ｂへ達するすり割りを設け、すり割りを狭ばめる方 向ヘ作用するボルトなどの締め付け手段１６ａ、１６ｂにより、柱体１０ａに位 置決め部材１２を取り付けている。

【０００８】 位置決め部材１２は、折り畳み式の先端部材１３を有する。この位置決め部材 １２は、折り畳み式であることにより、位置決め部材１２とワークＷの被加工面 との間に、フライス刃物Ｔを進入させる空間Ｓを形成可能にすることを特徴とす る。そのために先端部材１３はフライス刃物Ｔの進入とそれによる加工に必要な 空間Ｓを提供できる長さを有する。

【０００９】 例示の先端部材１３は、軸状に形成された位置決め部材１２の先端部に直交軸 １７周りに回転可能に軸支されており、それによって位置決め部材１２の軸方向 ヘのびた作業位置を向き、かつそこから側方ヘ回転した折り畳み位置まで折り畳 むことができる。折り畳みによってどの程度まで先端部材１３の退避を可能とす るかは任意であるが、ほぼ９０度回転できれば十分である。また方向は保持体１ ４への取り付け方で変更することができる。

【００１０】 のばした状態での先端部材１３の方向維持のために、位置決め部材１２の先端 に係合辺１２ａを形成し、かつこれと係合して両部材１３、１２を直状にする相 手辺１２ｂを先端部材１３の側面に形成している。１２ｃ、１３ｃは先端部材１ ３の回転を可能にするための切除部を示す。

【００１１】 例示の先端部材１３は、接触子１３ａを先端に有している。この接触子１３ａ は先端部材１３にねじ込んだ上、止めナット１３ｂによって止めており、摩損等 必要に応じて交換することができる。

【００１２】 位置決め部材１２は本体１０に設けた保持体１４を貫通する軸状の部材として 例示されており、本体１０を越えてのびた長軸部分１８は折り畳み式でない位置 決め装置を構成している。この長軸部分１８の先端部１８ａは従来の位置決め装 置と同様に使用することができ、また本案装置全体のバランスを向上させる。

【００１３】 このように構成された位置決め装置は、次のような作業に使用される。 マシンバイス１９をフライス盤のテーブル面にセットする。 本案装置Ａをその先端部材１３をのばした状態でワーク送り方向前方のテーブ ル面上にセットする。 の状態の先端部材１３にワークＷの被加工面を突き当て、マシンバイス１９ を締めて固定する。 ワークＷの芯出し作業を行う。 フライス盤の主軸にフライス刃物Ｔ例えばエンドミルを取り付ける。 先端部材１３を折り畳む。 フライス加工を実行する。図４鎖線図示参照。 加工済みのワークＷをマシンバイス１９から取り外す。 及び、、の作業を繰り返す。故に、の芯出し作業を繰り返す必要が ない。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は以上の如く構成されかつ作用するものであるから、ワークの被加工面 と芯出し面とが同一乃至はほぼ一致するような場合でも、先端部材１３をのばし てワークを取り付け、かつ位置決めし、フライス加工のときに折り畳んで退避さ せることができるという特徴があり、また、フライス加工作業において大きな割 合を占める芯出し作業を２回目以降は省略可能であるから、多数個の小物の側面 加工を行なうような場合に全体の作業時間を大巾に短縮することができるという 効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るフライス盤におけるワーク位置決
め装置の１実施例を示す正面図。

【図２】図１のものの平面図。

【図３】折り畳み部の拡大図。

【図４】使用状態の説明図。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワークの送り方向前方のテーブル上に配
   置され、送られて来るワークと突き当たってそれを定位
   置に停止させ、突き当たった部分またはその近傍の部分
   に対してフライス加工するためのワーク位置決め装置で
   あって、テーブル上に本装置をセットするためのセット
   手段１１を具備した本体１０と、本体１０からワーク方
   向へのびた位置決め部材１２とからなり、その位置決め
   部材１２に折り畳み式の先端部材１３を設け、ワークの
   位置決め後、先端部材１３を折り畳み、位置決め部材１
   ２とワークとの間にフライス刃物を進入させる空間Ｓを
   形成可能にしたことを特徴とするフライス盤におけるワ
   ーク位置決め装置。
2. 【請求項２】 位置決め部材１２を本体１０に保持させ
   るために保持体１４を用いている請求項第１項記載のフ
   ライス盤におけるワーク位置決め装置。
3. 【請求項３】 先端部材１３は、軸状に形成された位置
   決め部材１２の先端部に直交軸１７周りに回転可能に軸
   支されている請求項第１項記載のフライス盤におけるワ
   ーク位置決め装置。
4. 【請求項４】 のばした状態での先端部材１３の方向維
   持のために、位置決め部材１２の先端に係合辺１２ａを
   形成し、かつこれと係合して両部材１３、１２を直状に
   する相手辺１２ｂを先端部材１３の側面に形成している
   請求項第１項記載のフライス盤におけるワーク位置決め
   装置。
5. 【請求項５】 先端部材１３は交換可能な接触子１３ａ
   を先端に有している請求項第１項記載のフライス盤にお
   けるワーク位置決め装置。